JP2012181104A - タイヤの耐久性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】経年劣化によるトレッド部のチッピングを短時間で再現して評価しうる。
【解決手段】トレッド部2に、その踏面2Sから凹む排水用のトレッド溝2Dが設けられたタイヤ1の耐久性を評価する方法である。トレッド部2をバフ又は切削によって擬似摩耗させる擬似摩耗ステップS1と、タイヤ1を熱劣化させる熱老ステップS2と、疑似摩耗させたタイヤ1のトレッド溝2Dに、溝底8の最深点8dからゴム内部へ踏面2Sと平行に小深さで切り込むことにより切り込み11を形成する切込ステップS3と、切り込み11が形成されたタイヤ1を車両に装着して直進走行M1及び旋回走行M2を繰り返し行う走行ステップS4と、走行ステップS4により切り込み11を起点としたゴム剥離であるチッピング12が発生するまでの走行距離を測定する評価ステップS5とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、経年劣化によるトレッド部のチッピングを短時間で再現して評価しうるタイヤの耐久性評価方法に関する。
タイヤが長期間使用されると、路面と接触するトレッドゴムには、例えばその一部が剥離するチッピングが発生することが確認されている。このようなチッピングは、タイヤの走行性能や美観を悪化させる。従って、従来より、この種のチッピングを抑制する技術が強く求められている。
ところで、タイヤの開発段階において、タイヤの耐久性を評価する方法としては、例えば、小石を敷きつめたビッツマン路での実車走行テストや、タイヤをリム組みしてドラム試験機上を走行させる耐久テストが一般的に行なわれている。関連する技術として次のものがある。
特開2006−337100号公報
しかしながら、実際の長期使用で生じるタイヤのチッピングは、意外にも、上記のようなテストによっては再現性がないことが判明した。このため、チッピングに耐えうるタイヤの開発、評価については、さらなる改善の余地があった。特に、チッピングが発生するメカニズムについては未だ十分に解明されているとは言えず、具体的な評価方法を案出するのが難しいという問題もあった。
図6(a)、(b)には、直進走行及び旋回走行時のトレッド部2の部分断面図が示される。発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、チッピングの発生は、タイヤのトレッドゴムの経年劣化のみならず、直進走行と旋回走行との繰り返しにより、溝底8と溝壁9との入隅に亀裂10が生じ、この亀裂10が鱗状に成長することによってチッピング12が生じると推定した。
そこで、発明者らは、上記の推定に基づき、熱劣化させた後にトレッド部を擬似摩耗させるとともに、溝壁に意図的に切込みを入れて直進走行及び旋回走行を繰り返すことにより、上記のようなチッピングが比較的短時間に再現可能であることを見出した。
以上のように、本発明は、経年劣化によるチッピングを短時間で再現させることで、タイヤの耐チッピング性能を的確に評価しうるタイヤの耐久性を評価する方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部に、その踏面から凹む排水用のトレッド溝が設けられたタイヤの耐久性を評価する方法であって、前記トレッド部をバフ又は切削によって擬似摩耗させる擬似摩耗ステップと、前記タイヤを熱劣化させる熱老ステップと、前記疑似摩耗させたタイヤの前記トレッド溝に、溝底の最深点からゴム内部へ前記踏面と平行に小深さで切り込むことにより切り込みを形成する切込ステップと、前記切り込みが形成されたタイヤを車両に装着して直進走行及び旋回走行を繰り返し行う走行ステップと、前記走行ステップにより前記切り込みを起点としたゴム剥離であるチッピングが発生するまでの走行距離を測定する評価ステップとを含むことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記走行ステップは、直進走行と旋回走行とを交互に繰り返す8の字走行を含む請求項1に記載のタイヤの耐久性評価方法である。
また、請求項3記載の発明は、前記走行ステップの前記旋回走行は、横加速度が0.4〜0.6Gの高速旋回走行を含む請求項1又は2に記載のタイヤの耐久性評価方法である。
また、請求項4記載の発明は、前記走行ステップは、前後加速度が0.25〜0.35Gの減速走行と加速走行とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法である。
また、請求項5記載の発明は、前記切り込みは、前記トレッド溝の長さ方向に沿った長さが5〜20mm、及び前記トレッド溝の長さ方向に対して直角方向の幅が0.5〜2.0mmである請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法である。
また、請求項6記載の発明は、前記擬似摩耗ステップは、前記トレッド溝の溝深さが新品時の30〜70%になるまで擬似摩耗させる請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法である。
本明細書において、タイヤの各部の寸法は、特に断りがない限り、正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填された正規状態において特定される値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。
本発明のタイヤの耐久性を評価する方法は、トレッド部をバフ又は切削によって擬似摩耗させる擬似摩耗ステップと、タイヤを熱劣化させる熱老ステップと、疑似摩耗させたタイヤのトレッド溝に、溝底の最深点からゴム内部へ前記踏面と平行に小深さで切り込むことにより切り込みを形成する切込ステップと、切り込みが形成されたタイヤを車両に装着して直進走行及び旋回走行を繰り返し行う走行ステップと、走行ステップにより切り込みを起点としたゴム剥離であるチッピングが発生するまでの走行距離を測定する評価ステップとを含む。
このような方法では、擬似摩耗ステップ及び熱老ステップによって、タイヤの経年劣化を短時間で再現できる。また、切込ステップでは、直進走行と旋回走行との繰り返しによって生じる亀裂を再現でき、さらに、走行ステップによって、亀裂から鱗状のチッピングに成長するまでの過程を再現できる。従って、本発明の方法では、タイヤの開発段階において、上記のようなチッピングを短時間で再現してタイヤの耐久性を評価しうるので、チッピングに耐えうるタイヤの開発に役立つ。
本実施形態のタイヤの耐久性を評価する方法で評価されるタイヤのトレッド展開図である。 トレッド部の部分斜視図である。 本発明のタイヤの耐久性を評価する方法を簡略化して示すフローチャートである。 (a)は擬似摩耗されかつ切り込みが形成されたトレッド部を示す部分斜視図、(b)は切り込みが亀裂へと成長したトレッド部を示す部分斜視図である。 8の字走行の平面図である。 (a)、(b)は、チッピングが生じる過程を説明する断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態のタイヤの耐久性評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある)は、タイヤ1が長期間使用されることによって生じるトレッド部2のチッピング12(図6(b)に示す)を、比較的短時間で再現して、タイヤ1の耐久性を評価するものである。
本実施形態の評価方法で評価されるタイヤ1は、トレッド部2に、その踏面2Sから凹む排水用のトレッド溝2Dが設けられ、例えば、乗用車用タイヤとして構成される。
前記トレッド溝2Dは、タイヤ周方向にのびる複数本の縦溝3と、該縦溝3に交わる向きにのびる複数本の横溝4とを含んでいる。これらの縦溝3及び横溝4は、図2に示されるように、溝断面において、溝底8と、該溝底8からトレッド部2の踏面2Sにのびる一対の溝壁9、9とを具える。
前記縦溝3は、図1に示されるように、タイヤ赤道Cの両側をタイヤ周方向にのびる一対のクラウン縦溝3A、3Aと、タイヤ軸方向の最外側に配される一対のショルダー縦溝3B、3Bとを含んでいる。これにより、トレッド部2は、クラウン縦溝3A、3A間をのびるクラウン陸部5A、クラウン縦溝3Aとショルダー縦溝3Bとの間をのびる一対のミドル陸部5B、及びショルダー縦溝3Bとトレッド接地端2eとの間をのびる一対のショルダー陸部5Cに区分されている。
また、前記横溝4は、クラウン陸部5Aに設けられるクラウン横溝4Aと、ミドル陸部5Bに設けられるミドル横溝4Bと、ショルダー陸部5Cに設けられるショルダー横溝4Cとを含んでいる。
前記クラウン横溝4Aは、クラウン縦溝3Aからタイヤ軸方向内側にのび、タイヤ赤道Cに至ることなく終端する。これにより、クラウン陸部5Aは、タイヤ周方向に連続してのびるクラウンリブ6Aとして形成されている。
前記ミドル横溝4Bは、クラウン縦溝3Aとショルダー縦溝3Bとを連通し、かつタイヤ軸方向に対して傾斜してのびている。これにより、ミドル陸部5Bは、平面視略平行四辺形状のミドルブロック7Bに区分される。
前記ショルダー横溝4Cは、ショルダー縦溝3Bからトレッド接地端2eを越えてのび、ミドル横溝4Bとはタイヤ軸方向に対して反対方向に傾斜してのびる。これにより、ショルダー陸部5Cは、平面視略平行四辺形状のショルダーブロック7Cに区分される。
ところで、前記チッピング12は、タイヤ1が長期間使用されることにより、トレッド部2のトレッドゴムの一部が剥離して生じるが、その発生するメカニズムについては未だ十分に解明されていない。このため、タイヤの開発段階において、チッピング12を短時間で再現することができず、耐チッピング性能を的確に評価することができなかった。
しかし、発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、チッピング12の発生は、図6(a)、(b)に示されるように、トレッド部2のトレッドゴムの経年劣化のみならず、直進走行と旋回走行との繰り返しにより、溝底8と溝壁9との入隅に亀裂10が生じ、この亀裂10が鱗状に成長することによってチッピング12が生じると推定した。そこで、発明者らは、上記の推定に基づき、本発明の評価方法を見出した。
本実施形態の評価方法では、図3に示されるように、トレッド部2を擬似摩耗させる擬似摩耗ステップS1と、タイヤ1を熱劣化させる熱老ステップS2と、疑似摩耗させたタイヤ1のトレッド溝2Dに切り込み11(図4(a)に示す)を形成する形成する切込ステップS3と、切り込み11が形成されたタイヤ1を車両に装着して走行する走行ステップS4と、走行ステップS4によりチッピング12が発生するまでの走行距離を測定する評価ステップS5とを含んでいる。
前記擬似摩耗ステップS1では、例えば、図4(a)に示されるように、トレッド部2を、バフによる研磨又は切削によって摩耗させている。本実施形態では、図1に示されるクラウン陸部5A、ミドル陸部5B、及びショルダー陸部5Cを、タイヤ周方向に略均一に摩耗させている。これにより、タイヤ1のトレッド部2を、短時間で古品タイヤに近似させて擬似摩耗させることができる。
前記熱老ステップS2では、前記正規状態のタイヤ1又はタイヤ1単体を、例えば、70〜90°C程度の室温に、5〜9日間程度さらすことにより熱劣化させている。これにより、熱老ステップS1では、タイヤ1を長期間使用された古品タイヤと同様にゴム劣化させることができる。なお、タイヤ1を熱劣化させるには、室温の管理が可能なオーブン室等が用いられるのが好ましい。
前記切込ステップS3では、擬似摩耗ステップS2で疑似摩耗させたタイヤ1のトレッド溝2Dに、溝底8の最深点8dから溝壁9のゴム内部へ踏面2Sと平行に小深さで切り込むことにより、切り込み11を形成する。
本実施形態の切り込み11は、トレッド溝2Dの長さ方向に沿った長さL1が、トレッド溝2Dの長さ方向に対して直角方向の幅W1よりも大きい略矩形状の切断面をなしている。この切り込み11は、ナイフ等の切刃等が用いられて形成されるのが好ましい。
また、切り込み11は、各縦溝3A、3B、及び各横溝4A、4B、4Cに万遍なく形成されるのがよく、切り込み11の合計が、例えばタイヤ1本当たり100〜200個程度形成されている。
前記走行ステップS4では、切込ステップS3で切り込み11が形成されたタイヤ1を、例えば車両の前輪に装着して、図5に示されるように、直進走行M1及び旋回走行M2が繰り返し行なわれる。本実施形態では、直進走行M1と旋回走行M2とを交互に繰り返す8の字走行が含まれ、ドライアスファルト路面にて走行される。
本実施形態の8の字走行では、例えば、長さL2が25〜35mの直進走行M1と、半径R1が25〜35mの旋回走行M2とを交互に繰り返している。これにより、直進走行M1においてトレッド部2に大きな前後力を与えるとともに、旋回走行M2においてタイヤ1に大きな横力を与えることができるので、図4(a)に示されるトレッド部2を万遍なく前後左右の外力を与え、切り込み11に応力を集中させることができる。
前記評価ステップS5では、走行ステップS4により、切り込み11を起点としたゴム剥離であるチッピング12(図4(b)に示す)が発生するまでの走行距離が測定される。この評価ステップS5では、例えば、1〜2km走行毎にチェックされ、全ての切り込み11のうち、10〜20%にチッピング12が発生した時点の走行距離が測定される。
本実施形態のチッピング12の判断は、図4(b)に示される切り込み11を起点とする亀裂10の成長長さL3が2mm以上に成長したものをチッピング12として判断している。なお、成長長さL3は、トレッド溝2Dの長さ方向に対して直角方向で測定される。また、成長長さL3の測定は、例えば、切り込み11をピンセット等でめくって測定したり、薄いメジャーを切り込み11に差し入れて測定してもよい。
このように、評価方法では、擬似摩耗ステップS1及び熱老ステップS2によって、タイヤ1の経年劣化を短時間で再現できる。また、切込ステップS3では、直進走行M1と旋回走行M2との繰り返しによって生じる亀裂10を再現でき、さらに、走行ステップS4によって、亀裂10から鱗状のチッピング12に成長するまでの過程を短時間で再現できる。
従って、本発明の評価方法では、タイヤ1の開発段階において、チッピング12が発生するまでの走行距離を測定することにより、耐チッピング性能を的確かつ短時間に評価しうるので、タイヤ1の開発に役立つ。
なお、図4(a)に示されるように、擬似摩耗後のトレッド溝2Dの溝深さD1が大きいと、トレッド部2が摩耗して、チッピング12が発生するまで多大な時間を要するおそれがある。逆に、溝深さD1が小さいと、トレッド部2を過度に摩耗させてしまい、チッピング12の有無を確認できなくなるおそれがある。このような観点より、溝深さD1は、好ましくは、新品時の溝深さD2の70%以下、さらに好ましくは60%以下が望ましく、また、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上が望ましい。
また、前記切り込み11は、図4(a)に示されるように、前記長さL1が小さいと、チッピング12に成長するまで、多大な時間を要するおそれがある。逆に、前記長さL1が大きいと、鱗状のチッピング12とは異なるゴム欠けやクラックが発生して、的確な評価ができないおそれがある。このような観点より、前記長さL1は、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは10mm以上が望ましく、また、好ましくは20mm以下が望ましい。
同様に、切り込み11の前記幅W1は、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上が望ましく、また、好ましくは2mm以下が望ましい。
図5に示されるように、前記走行ステップS4において、直進走行M1の前後加速度が小さいと、トレッド部2に十分な前後力を与えることができず、チッピング12を短時間に発生させることができないおそれがある。逆に、前記前後加速度が大きいと、前後力が過度に大きくなり、トレッド部2が激しく摩耗し、チッピング12の有無を確認できなくなるおそれがある。このような観点より、前後加速度は、好ましくは0.25G以上、さらに好ましくは0.3G以上が望ましく、また、好ましくは0.5G以下、さらに好ましくは0.4G以下が望ましい。なお、この前後加速度は、直進走行M1の開始位置M1sと旋回走行M2の開始位置M2sとの中間位置M1cで測定されるものとする。
同様の観点より、旋回走行M2の横加速度は、好ましくは0.4G以上、さらに好ましくは0.5G以上が望ましく、また、好ましくは0.6G以下が望ましい。なお、この横加速度は、旋回走行M2の開始位置M2sと直進走行M1の開始位置M1sとの中間位置M2cで測定されるものとする。
また、走行ステップS4では、直進走行M1において、旋回走行M2の直前に減速走行15が含まれるのが望ましい。これより、車両は、直進走行M1から旋回走行M2へスムーズに移行することができる。なお、減速走行15は、旋回走行M2の開始位置M2sから直進走行M1側へ、例えば30〜50mの距離L4を隔てた区間内で行なわれる。
なお、前記減速走行15の前後加速度が小さいと、旋回走行M2において迅速に高速旋回できないおそれがある。逆に、前記前後加速度が大きいと、高速で旋回走行M2へと突入してしまい安定した旋回走行ができないおそれがある。このような観点より、前記前後加速度は、好ましくは0.25G以上、さらに好ましくは0.3G以上が望ましく、また、好ましくは0.35G以下が望ましい。
さらに、本実施形態では、旋回走行M2において、直進走行M1の直前で加速走行16が含まれるのが望ましい。これにより、車両は、旋回走行M2から直進走行M1へ迅速に移行することができる。なお、加速走行16は、直進走行M1の開始位置M1sから旋回走行M2へ10mの距離L5を隔てた区間内で行なわれる。
なお、前記加速走行16の前後加速度が小さいと、直進走行M1において迅速に高速走行できないおそれがある。逆に、前後加速度が大きいと、遠心力が大きくなり、直進走行M1にスムーズに移行できないおそれがある。このような観点より、前後加速度は、好ましくは0.25G以上、さらに好ましくは0.3G以上が望ましく、また、好ましくは0.35G以下が望ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示す基本構造を有し、実際の長期使用でチッピングが生じることが確認されたタイヤが製造され、本発明の評価方法でタイヤの耐久性が評価された。
本実施形態の評価方法では、擬似摩耗ステップS1において、バフによる研磨でトレッド部を7.5mm(新品時の溝深さD2)から3.75mm(擬似摩耗後の溝深さD1)へと擬似摩耗させ、熱老ステップS2において、各供試タイヤを下記リムにリム組みし、下記内圧が充填して、室温が80°Cに保たれたオーブン室の中に、供試タイヤを7日間さらした。
また、切込ステップS3では、トレッド溝に切り込みを形成し、走行ステップS4において、排気量1500ccの国産FF車の前輪に装着して、長さL2が30mの直進走行と、半径R1が30mの旋回走行とを交互に繰り返す8の字走行を行なった。
評価ステップS5では、1km毎にチッピングの有無がチェックされ、全ての切り込みの10%にチッピングが発生した時点での走行距離が測定された。なお、チッピングが発生しなかった方法には、評価を×としている。
また、チッピングを測定するに際し、測定及び評価の容易性についても評価した。評価の詳細は次の通りである。
○:チッピングが明確に発生し、測定及び評価が容易であった。
△:トレッド部が過度に摩耗し、チッピングが明確に発生せず、測定及び評価がやや困難であった。
×:測定及び評価が全くできなかった。
また、比較として、走行ステップS4の走行方法として、直進走行のみにおいて制動・駆動繰り返した評価方法(比較例1)と、停車したまま繰り返しハンドルをスエ切りする評価方法(比較例2)についても同様にテストされた。さらに、供試タイヤを、疑似摩耗ステップS1から走行ステップS4までステップを経ずに、上記車両で一般道を実車走行し、チッピングが発生するまでの走行距離を測定した(比較例6)。なお、共通仕様は次の通りである。
タイヤサイズ:175/65R14
リムサイズ:14×5J
内圧:230kPa
トレッド溝:
比(D1/D2):50%
切り込み:
長さL1:12mm
幅W1:1mm
合計:180個
8の字走行:
直進走行の長さL2:30m
半径R1:30m
減速走行:
前後加速度:0.3G
距離L4:10m
加速走行:
前後加速度:0.3G
距離L5:10m
テストの結果を表1に示す。
Figure 2012181104
テストの結果、実施例の評価方法で評価されたタイヤは、経年劣化によるトレッド部のチッピングを短時間かつ確実に再現して評価しうることが確認できた。
1 タイヤ
2 トレッド部
2D トレッド溝
8 溝底
11 切り込み
12 チッピング

Claims (6)

  1. トレッド部に、その踏面から凹む排水用のトレッド溝が設けられたタイヤの耐久性を評価する方法であって、
    前記トレッド部をバフ又は切削によって擬似摩耗させる擬似摩耗ステップと、
    前記タイヤを熱劣化させる熱老ステップと、
    前記疑似摩耗させたタイヤの前記トレッド溝に、溝底の最深点からゴム内部へ前記踏面と平行に小深さで切り込むことにより切り込みを形成する切込ステップと、
    前記切り込みが形成されたタイヤを車両に装着して直進走行及び旋回走行を繰り返し行う走行ステップと、
    前記走行ステップにより前記切り込みを起点としたゴム剥離であるチッピングが発生するまでの走行距離を測定する評価ステップとを含むことを特徴とするタイヤの耐久性評価方法。
  2. 前記走行ステップは、直進走行と旋回走行とを交互に繰り返す8の字走行を含む請求項1に記載のタイヤの耐久性評価方法。
  3. 前記走行ステップの前記旋回走行は、横加速度が0.4〜0.6Gの高速旋回走行を含む請求項1又は2に記載のタイヤの耐久性評価方法。
  4. 前記走行ステップは、前後加速度が0.25〜0.35Gの減速走行と加速走行とを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法。
  5. 前記切り込みは、前記トレッド溝の長さ方向に沿った長さが5〜20mm、及び前記トレッド溝の長さ方向に対して直角方向の幅が0.5〜2.0mmである請求項1乃至4のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法。
  6. 前記擬似摩耗ステップは、前記トレッド溝の溝深さが新品時の30〜70%になるまで擬似摩耗させる請求項1乃至5のいずれかに記載のタイヤの耐久性評価方法。
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