JP2012250590A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロックに発生する摩耗の均一化を図り、H&T摩耗をより確実に抑制することが可能なタイヤを提供する。
【解決手段】タイヤは、主溝と、横溝と、主溝と横溝とに区分されることによって形成されるブロックとを有するトレッド部を備える。ブロックは、接地面と、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端とを有しており、接地面には、トレッド幅方向に延びる複数のサイプが、タイヤ周方向に所定間隔を設けて並列に形成されている。ブロックには、複数のサイプに区分けされることによって複数の小ブロックが形成されており、ブロック踏込端側からブロック蹴出端側に向かって、複数の小ブロックの各々の剛性が等比数列の関係を満たして減少するように、複数のサイプの各々は、接地面からタイヤ径方向に向かう深さを段階的に深くするように配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、主溝と、横溝と、主溝と横溝とによって区分されることにより形成されるブロックとを有するとともに、ブロックの接地面に複数のサイプを有するタイヤに関する。
従来、トレッド部において、タイヤ周方向に延びる主溝と、主溝に交差する方向に延びる横溝と、主溝及び横溝によって区分けされることにより形成されるブロックとを有するとともに、ブロックの接地面にトレッド幅方向に延びる複数のサイプを形成した空気入りタイヤ(以下、タイヤ)が広く用いられている。
ところで、上述のタイヤでは、ブロックにヒール・アンド・トウ摩耗(以下、H&T摩耗)が発生することが知られている。ブロックに発生するH&T摩耗は、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端の摩耗量よりも、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端の摩耗量が大きくなる不均一摩耗(偏摩耗)の一つである。
このH&T摩耗は、ブロック踏込端にかかる摩耗エネルギーよりも、ブロック蹴出端にかかる摩耗エネルギーの方が大きくなるために発生する。具体的に、車両に装着されたタイヤでは、加速時よりも制動時における摩耗エネルギーが大きくなる。また、制動時には、ブロック踏込端にかかる摩耗エネルギーよりも、ブロック蹴出端にかかる摩耗エネルギーの方が大きくなるため、ブロック蹴出端における摩耗量が大きくなるH&T摩耗が発生する。
また、このような問題を解決する手段として、近年では、ブロックの剛性が低い部分の摩耗エネルギーが、ブロックの剛性が高い部分の摩耗エネルギーよりも小さくなるというゴム特性に着目して、H&T摩耗を抑制するタイヤが提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的に、特許文献1に係るタイヤでは、ブロックにおいて、複数のサイプによって区分けされることにより複数の小ブロックが形成されている。また、かかるタイヤでは、複数のサイプの内、ブロック蹴出端に近いサイプほど、サイプの深さを段階的に深くすることによって、ブロック蹴出端に近い小ブロックほど、剛性を低くするように構成されている。
このようにして、かかるタイヤでは、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かって、小ブロックの剛性を段階的に低くすることで、ブロック踏込端側にかかる摩耗エネルギーと、ブロック蹴出端側にかかる摩耗エネルギーとの差を小さくして、H&T摩耗を抑制するように構成されている。
特開2004−058838号公報
しかしながら、従来技術に係るタイヤでは、次のような問題があった。すなわち、従来技術に係るタイヤでは、サイプの深さを単に段階的に深くさせているに過ぎず、小ブロックの最適な剛性が考慮されていない。
このため、かかるタイヤでは、小ブロックの剛性を低くしすぎてしまうことや、反対に、小ブロックの剛性を高くしすぎてしまうことがあった。すなわち、従来技術に係るタイヤでは、ブロックに形成される複数の小ブロックの各々の摩耗量が均一にならない場合があった。
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、ブロックに発生する摩耗の均一化を図り、H&T摩耗をより確実に抑制することが可能なタイヤを提供することを目的とする。
上述した問題を解決するにあたって、発明者等は、まず、従来のタイヤにおいて、ブロックに発生するH&T摩耗について検討した。その結果、発明者等は、ブロックに形成される各小ブロック50にかかる摩耗エネルギーが、ブロック30において、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かって、ある一定の割合で増加することを発見した。具体的に、各小ブロックにかかる摩耗エネルギーは、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かって、等比数列の関係を満たすように増加していることを発見した。
ここで、タイヤのゴム特性として、剛性の高い部分の摩耗エネルギーは、剛性の低い部分の摩耗エネルギーよりも大きくなるという特性を有する。また、各小ブロックの剛性は、サイプの深さによって調整することが可能である。
かかる知見を踏まえ、発明者等は、ブロック踏込端からブロック蹴出端に向かって、各小ブロックの剛性を等比数列的に減少させることによって、踏み込み側の摩耗エネルギーと蹴り出し側の摩耗エネルギーとの差を効率的に抑制できることに着目したのである。
そこで、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、タイヤ周方向(タイヤ周方向Tc)に延びる主溝(主溝10)と、前記主溝に交差する方向に延びる横溝(横溝20)と、前記主溝と前記横溝とに区分されることによって形成されるブロック(ブロック30)とを有するトレッド部(トレッド部2)を備えるタイヤであって、前記ブロックは、路面に接地する接地面(接地面31)と、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端(ブロック踏込端32)と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端(ブロック蹴出端33)とを有しており、前記接地面には、トレッド幅方向に延びる複数のサイプ(サイプ40a乃至40e)が、タイヤ周方向に所定間隔(間隔Lc)を設けて並列に形成されており、前記ブロックには、前記複数のサイプに区分けされることによって複数の小ブロック(小ブロック50a乃至50f)が形成されており、ブロック踏込端側からブロック蹴出端側に向かって、前記複数の小ブロックの各々の剛性が等比数列の関係を満たして減少するように、前記複数のサイプの各々は、前記接地面からタイヤ径方向に向かう深さを段階的に深くするように配置されていることを要旨とするものである。
第1の特徴において、最もブロック踏込端側に形成される小ブロック(小ブロック50a)と、最もブロック蹴出端側に形成される小ブロック(小ブロック50f)との剛性比は、2対1から5対1の範囲内であることを要旨とするものである。
本発明によれば、ブロックに発生する摩耗の均一化を図り、H&T摩耗をより確実に抑制することが可能なタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面の一部展開図である。 図2は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ1のブロック30の拡大平面図である。 図3は、本発明の実施形態に係るブロック30のタイヤ周方向における断面図である。 図4は、本発明の比較例に係るブロックのタイヤ周方向における断面図である。
以下において、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的に、(1)空気入りタイヤの全体構成、(2)ブロックの構成、(3)サイプの構成、(4)作用及び効果、(5)比較評価について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は、模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[実施形態]
(1) 空気入りタイヤの全体構成
空気入りタイヤ1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のトレッド面の一部展開図である。本実施形態において、空気入りタイヤ1は、スタッドレスタイヤと呼ばれる氷雪上走行用の空気入りタイヤを想定している。なお、空気入りタイヤ1は、これに限定されるものではない。また、リムホイール(不図示)に組み付けられた空気入りタイヤ1には、空気ではなく、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2を備える。なお、空気入りタイヤ1は、トレッド部2以外にも、ビード部、サイド部、ショルダー部なども備えているが、ここでは説明を省略する。
トレッド部2は、路面に接地するトレッド面を有する。また、トレッド部2は、トレッド面において、タイヤ周方向Tcに沿って形成される主溝10と、主溝10に交差する方向に形成される横溝20と、主溝10及び横溝20によって区分けされることにより形成されるブロック30とを有する。
ここで、本実施形態において、タイヤ周方向Tcは、タイヤ赤道線CLの延びる方向と平行である。また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向Trを指定するパターンを備えている。例えば、空気入りタイヤ1には、車両が前進する際のタイヤ回転方向Trが矢印としてトレッドに刻印されている。なお、本実施形態に係る空気入りタイヤ1が指定するタイヤ回転方向Trとは、図1におけるタイヤ周方向Tcと平行な矢印の方向(図1の上方向)である。
また、本実施形態において、トレッド部2におけるトレッド面のトレッド幅方向Twの範囲は、正規内圧を有する空気入りタイヤに正規荷重をかけた際に、路面に接地する範囲である。また、正規内圧とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版のタイヤの測定方法で規定された空気圧である。また、正規荷重とは、JATMA(日本自動車タイヤ協会)のYear Book2008年度版の単輪を適用した場合の最大負荷能力に相当する荷重である。
本実施形態において、主溝10及び横溝20は、トレッド部2に複数設けられている。なお、図1の例では、横溝20が、トレッド幅方向Twに沿って形成される場合を例に挙げて示しているが、横溝20が、トレッド幅方向Twに対して、所定角度を設けて形成されていてもよい。
ブロック30は、少なくとも1以上の主溝10及び横溝20によって区分けされることによって形成される。ブロック30は、トレッド部2に複数設けられている。なお、ブロック30の詳細な構成については、後述する。
(2) ブロックの構成
次に、ブロック30の構成について、図2を参照して具体的に説明する。図2は、本実施形態に係るブロック30を示す拡大平面図である。
図2に示すように、ブロック30は、路面に接地する接地面31と、タイヤ回転方向Tr前方に形成されるブロック踏込端32と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端33とを有する。なお、ブロック踏込端32は、タイヤが進行方向に向かって回転した際に、ブロック30内において、最初に路面と接地する端部である。また、ブロック蹴出端33は、タイヤが進行方向に向かって回転した際に、ひとつのブロック30内において、最後に路面と接地する端部である。
また、ブロック30の接地面31には、トレッド幅方向Twに延びる複数のサイプ40a乃至40e(40)が、タイヤ周方向Tcに所定間隔Lcを設けて並列に形成されている。本実施形態に係るサイプ40は、ブロックパターンを基調として形成されており、サイプ40の延びる方向は、ブロック踏込端32及びブロック蹴出端33の延びる方向と平行である。
なお、サイプ40a乃至40eは、ブロック踏込端32及びブロック蹴出端33に平行に形成していなくてもよい。例えば、サイプ40a乃至40eは、サイプ40の延びる方向が異なる2つのサイプを交互に形成(いわゆるハノ字状に形成)してもよい。
また、本実施形態において、サイプとは、ブロックが接地したときに閉じることが可能な溝幅をもつものである。具体的には、サイプは、1.5mm以下の溝幅をもつ。ただし、TBRタイヤといった大型のバスやトラックに用いられるタイヤにおいては、サイプの溝幅は、1.5mm以上であってもよい。
また、本実施形態において、複数のサイプ40の各々は、等しい間隔Lcを設けて形成されている。なお、本実施形態では、接地面31において、5つのサイプ40a乃至40eが形成されている場合を例に挙げて説明するが、サイプの数はこれに限定されるものではない。
また、ブロック30には、複数のサイプ40a乃至40eに区分けされることによって複数の小ブロック50a乃至50f(50)が形成されている。具体的に、ブロック踏込端32と、最もブロック踏込端32側に形成されるサイプ40aとの間には、小ブロック50aが形成される。また、隣接する2つのサイプ40の間には、小ブロック50b乃至50eが形成される。最もブロック蹴出端33側に形成されるサイプ40eと、ブロック蹴出端33との間には、小ブロック50fが形成されている。
また、タイヤ周方向Tcにおいて、ブロック踏込端32とサイプ40aとの間隔Lcと、複数のサイプ40a乃至40eの各々の間隔Lcと、サイプ40eとブロック蹴出端33との間隔Lcとは等しい。すなわち、小ブロック50a乃至50fの各々のタイヤ周方向Tcにおける間隔は、同一になるように形成されている。
(3) サイプの構成
次に、サイプ40の構成について、図面を参照しながら具体的に説明する。特に、サイプ40の深さの構成について説明する。図3は、本実施形態に係るブロック30のタイヤ周方向Tcにおける断面図である。具体的に、図3は、図2におけるZ−Z断面図である。
図3に示すように、複数のサイプ40a乃至40eは、ブロック蹴出端33側に形成されるサイプ40ほど、接地面31からタイヤ径方向Tdに向かう深さを、段階的に深くなるように形成されている。また、本実施形態では、ブロック踏込端32側からブロック蹴出端33側に向かって、複数の小ブロック50の各々の剛性が等比数列の関係を満たして減少するように、複数のサイプ40a乃至40eの各々は、深さD1乃至D5を段階的に深くするように、順番に配置されている。
具体的に、本実施形態では、ブロック踏込端32に最も近い位置に形成されるサイプ40aの深さは、複数のサイプ40a乃至40eの中で、最も浅い。また、複数のサイプ40a乃至40eの各々の深さは、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に近づくにつれて、段階的に深くなり、ブロック蹴出端33に最も近い位置に形成されるサイプ40eの深さは、複数のサイプ40a乃至40eの中で、最も深い。このようにして、ブロック踏込端32側からブロック蹴出端33側に向かって、サイプ深さの浅いサイプから順番に配置されている。
ここで、複数の小ブロック50の各々の剛性は、タイヤ径方向Tdのサイプの深さ、トレッド幅方向Twのサイプの長さ、タイヤ周方向Tcのサイプの溝幅、タイヤ周方向Tcのサイプ間隔等を変更することによって、小ブロック50の形状を変形させて、調整することができる。本実施形態では、サイプの長さ、サイプの溝幅、サイプ間隔は、サイプ40a乃至40eの各々で等しくなるように形成されているが、サイプの深さについては異なるように形成されている。
すなわち、本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、サイプ40a乃至40eの各々のサイプの深さD1乃至D5を所定の割合で段階的に深くすることによって、複数の小ブロック50の各々の剛性が等比数列の関係を満たして減少するように調整している。
なお、本実施形態において、等比数列とは、初項からn項までの数列が、一定の割合をもって数値が増加する数列、もしくは数値が減少する数列を示す。つまり、本実施形態では、ブロック踏込端側からブロック蹴出端側に向かって順番に形成されている小ブロック50a乃至50fの各々の剛性値を数列として示している。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、複数のサイプ40a乃至40eの各々の深さを段階的に深くすることによって、小ブロック50a乃至50fの各々の剛性(剛性値)が、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かって、一定の割合で段階的に減少するように構成されている。
また、サイプ40a乃至40eの各々の深さの増加割合が大きすぎる場合、ブロック蹴出端33側の小ブロック50の剛性を低くしすぎてしまう。反対に、サイプ40a乃至40eの各々の深さの増加割合が小さすぎる場合、ブロック踏込端32側の小ブロック50の剛性を高くしすぎてしまう。
このような点を考慮して、最もブロック踏込端32側に形成される小ブロック50aと、最もブロック蹴出端33側に形成される小ブロック50eとの剛性比は、2対1から5対1の範囲内となるように、小ブロック50a乃至50fの剛性を調整することが好ましい。
なお、サイプ40a乃至40eの各々は、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かうにつれて、サイプの深さが、約1.1倍の割合で段階的に深くなるように形成されていることが好ましい。
また、本実施形態において、小ブロック50の剛性を示す対象位置は、小ブロック50の接地面において、タイヤ回転方向Tr前方に形成される小ブロック踏込端の剛性としてもよいし、タイヤ回転方向Tr後方に形成される小ブロック蹴出端の剛性としてもよい。また、小ブロック50の剛性は、小ブロック50の接地面の中心部分における剛性としてもよいし、小ブロック50の接地面全体の剛性の平均値としてもよい。
(4) 作用及び効果
次に、本実施形態に係る空気入りタイヤ1の作用及び効果について説明する。
ここで、まず、発明者は、鋭意検討の結果、ブロック30にかかる摩耗エネルギーは、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かって、ある一定の割合で増加することを発見した。つまり、各小ブロック50にかかる摩耗エネルギーは、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かって、等比数列の関係を満たすように増加していることを発見した。また、タイヤのゴム特性として、剛性の高い部分の摩耗エネルギーは、剛性の低い部分の摩耗エネルギーよりも大きくなるという特性を有する。
このような知見を踏まえ、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かって、複数のサイプ40の各々の深さを約1.1倍という割合で段階的に深くすることによって、各小ブロック50の剛性が等比数列の関係を満たすように減少させている。
かかる空気入りタイヤ1によれば、各小ブロック50a乃至50fの剛性が等比数列の関係を満たすように減少させることによって、ブロック踏込端32にかかる摩耗エネルギーとブロック蹴出端33にかかる摩耗エネルギーとの差を効果的に抑制することが可能になる。すなわち、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ブロック全体に発生する摩耗の均一化を図り、H&T摩耗をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、サイプの数やラグ溝の形状は、変更していない。よって、氷雪上性能を低下させることなく、H&T摩耗の抑制を図ることができる。
更に、ブロック30をサイプ40によって複数の小ブロック50に分断する場合、全ての小ブロック50を均等な剛性となるようにブロック30を分断するよりも、本実施形態に係る空気入りタイヤ1のように等比数列の関係を満たすように剛性差をつけてブロック30を分断した方が、ブロック30全体の剛性が向上する。つまり、かかる空気入りタイヤ1によれば、等比数列の関係を満たすように剛性差をつけてブロック30を分断することで、ブロック30全体の剛性が向上するため、摩耗によるタイヤ寿命の低下を抑制できる。
(5) 比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(5.1)比較例及び実施例の説明、(5.2)評価試験及び評価方法、(5.3)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(5.1)比較例及び実施例の説明
次の比較例及び実施例を用意した。以下に、それぞれの構成について説明する。
なお、比較例に係る空気入りタイヤと、実施例に係る空気入りタイヤとは、サイプ40の深さを除き、他の構成は同一である。また、いずれの空気入りタイヤも、溝底面からブロックの接地面までの高さDは、12.9mmである。
まず、比較例に係る空気入りタイヤについて説明する。比較例に係る空気入りタイヤは、従来から知られているタイヤを用いた。具体的に、比較例に係る空気入りタイヤは、図4に示すように、サイプ41a乃至41eの深さD6が同一であるものを用いた。なお、サイプ41a乃至41eの深さD6は、7.6mmとした。
次に、実施例に係る空気入りタイヤについて説明する。実施例に係る空気入りタイヤは、上述した実施形態に示される空気入りタイヤを用いた。具体的に、実施例に係る空気入りタイヤでは、ブロック30において、サイプ40aの深さD1は、6.0mmとした。サイプ40bの深さD2は、6.7mmとした。サイプ40cの深さD3は、7.6mmとした。サイプ40dの深さD4は、8.5mmとした。サイプ40eの深さD5は、9.6mmとした。
ここで、サイプ40bの深さD2は、サイプ40aの深さD1の約1.16倍である。サイプ40cの深さD3は、サイプ40bの深さD2の約1.13倍である。サイプ40dの深さD4は、サイプ40cの深さD3の約1.15倍である。サイプ40eの深さD5は、サイプ40dの深さD4の約1.12倍である。このように、実施例に係る空気入りタイヤでは、サイプ40a乃至40eの各々は、ブロック踏込端32からブロック蹴出端33に向かうにつれて、サイプの深さが、約1.1倍の割合で段階的に深くなるように形成されている。
(5.2)評価試験及び評価方法
比較例、実施例の空気入りタイヤを用いて、以下の条件において、評価を行った。 評価試験は、H&T摩耗評価試験、氷上制動性能試験、雪上制動性能試験であり、表1にそれぞれの結果を記載している。
(共通条件)
・ タイヤサイズ :195/85/R16
・ 内圧条件 :600kPa
・ 荷重条件 :9.8kN
(H&T摩耗評価試験方法)
・ 試験方法 :ブロックにおいて、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端の摩耗エネルギーと、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端の摩耗エネルギーとを、踏面観察機を用いて計測
(氷上性能試験方法・雪上性能試験方法)
・ 試験場所 :氷上路及び雪上路
・ 試験方法 :30km/hの速度で走行時に、フルブレーキをかけて停止するまでの減速時間を測定
(5.3)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。表1には、比較評価結果が示されている。
Figure 2012250590
ここで、表1において、「氷上制動性能」及び「雪上制動性能」は、比較例に係る空気入りタイヤの減速時間を基準(100)とした場合の指数を表しており、この指数が大きいほど、減速時間が短く、制動性能が優れていることを示す。
「H&T摩耗性能」は、ブロックにおいて、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端の摩耗エネルギーと、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端の摩耗エネルギーとの差の値を示しており、この差の値が小さいほど、ブロックに発生するH&T摩耗が抑制されていることを示す。
表1に示すように、比較例に係る空気入りタイヤでは、ブロック踏込端の摩耗エネルギーと、ブロック蹴出端の摩耗エネルギーとの差が、3.25×10−4kgf/mmであった。
一方、実施例に係る空気入りタイヤでは、ブロック踏込端32の摩耗エネルギーと、ブロック蹴出端33の摩耗エネルギーとの差が、0.32×10−4kgf/mmであった。
つまり、実施例に係る空気入りタイヤは、比較例に係る空気入りタイヤと比べて、摩耗エネルギーの差が、10分の1に抑制されていた。
また、表1に示すように、実施例に係る空気入りタイヤは、比較例1に係る空気入りタイヤと比較した場合、氷上制動性能、雪上制動性能ともにほぼ同等程度の効果を有することが証明された。つまり、実施例に係る空気入りタイヤは、H&T摩耗を抑制しつつ、氷上制動性能、雪上制動性能も確保されていることが証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、上述の実施形態に係る空気入りタイヤ1では、複数のサイプ40の各々を所定の割合で段階的に深くすることによって、ブロック30に形成される複数の小ブロック50の各々の剛性が、等比数列の関係を満たすように構成されていた。しかし、複数の小ブロック50の各々の剛性は、サイプの深さ以外にも、サイプの長さ、サイプの溝幅、サイプ間隔等によっても調整することが可能である。
従って、本発明に係る空気入りタイヤ1は、サイプの深さだけでなく、サイプの長さ、サイプの溝幅、サイプ間隔なども含めて、総合的に調整することによって、複数の小ブロック50の各々の剛性が等比数列の関係を満たすように構成されていてもよい。また、サイプ間隔については、タイヤ周方向Tcにおけるブロック踏込端32からの間隔、又は、ブロック蹴出端33からの間隔を考慮して、決定してもよい。
また、上述した実施形態では、サイプ40は、トレッド幅方向Twの両端がブロック30の側壁面に開口し、主溝に連通するオープンサイプである場合を例に挙げて説明したが、両端がブロック30の接地面31内に終端するクローズドサイプであってもよいし、一端が主溝に連通して、他端がブロック30の接地面31内に終端するサイプであってもよい。
また、タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤであってもよく、空気や窒素ガスなどが充填されないソリッドタイヤでもあってもよい。
また、本発明は、H&T摩耗に限らず、様々な不均一摩耗(偏摩耗)を解決するための手段として適用可能である。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
1…空気入りタイヤ、2…トレッド部、10…主溝、20…横溝、30…ブロック、31…接地面、32…ブロック踏込端、33…ブロック蹴出端、40…サイプ、50…小ブロック

Claims (2)

  1. タイヤ周方向に延びる主溝と、前記主溝に交差する方向に延びる横溝と、前記主溝と前記横溝とに区分されることによって形成されるブロックとを有するトレッド部を備えるタイヤであって、
    前記ブロックは、路面に接地する接地面と、タイヤ回転方向前方に形成されるブロック踏込端と、タイヤ回転方向後方に形成されるブロック蹴出端とを有しており、
    前記接地面には、トレッド幅方向に延びる複数のサイプが、タイヤ周方向に所定間隔を設けて並列に形成されており、
    前記ブロックには、前記複数のサイプに区分けされることによって複数の小ブロックが形成されており、
    ブロック踏込端側からブロック蹴出端側に向かって、前記複数の小ブロックの各々の剛性が等比数列の関係を満たして減少するように、前記複数のサイプの各々は、前記接地面からタイヤ径方向に向かう深さを段階的に深くするように配置されている
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 最もブロック踏込端側に形成される小ブロックと、最もブロック蹴出端側に形成される小ブロックとの剛性比は、2対1から5対1の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
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