JP2010105416A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】トレッドパターンの適正化を図ることにより、氷上性能を飛躍的に向上させる。
【解決手段】この空気入りタイヤは、溝2により区画された複数の独立した小ブロック3が相互に密集配置されてなるブロック群Gが、トレッド部1の少なくとも一部に設けられ、該ブロック群Gの小ブロック3によりブロック列又は陸部列が形成されている。小ブロック3は、それぞれ単一形状かつ相互に同一の大きさに形成され、小ブロック3の周面Cには、該小ブロック3の表面から上記溝2の表面に向けて深さ方向に延びかつ該小ブロック3の周面Cから内方に向けて凹んだ少なくとも1つの径方向溝4が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、トレッド部に、溝により区画してなるブロックを備える空気入りタイヤに関し、より具体的には、氷上性能の飛躍的な向上をもたらす技術を提案するものである。
従来、空気入りタイヤでは、エッジ効果を高めることによって、氷上性能等を向上させることを目的に、図4に示すように、トレッド部100に、トレッド周方向に延びる縦溝101やトレッド幅方向に延びる横溝102をもってブロック103を区画形成するとともに、形成されたブロック103内に複数のサイプ104を付加することが広く一般に行われている。そして、このような従来の空気入りタイヤでは、より高い駆動、制動及び旋回性能の要求の下で、ブロック103内に多数のサイプ104を配設するため、また特に氷上性能を大きな接地面積の確保によって向上させるために、トレッド踏面内のブロック列数を3から9列と少なくするとともに各ブロック103をトレッド周方向に長い縦長の形状としていた。
しかしながら、上記のような従来の空気入りタイヤでは、サイプ104によって区画された分割ブロック部分103aが横長となって剛性が低くなり過ぎて、接地時に分割ブロック部分103aの倒れ込みが生じ接地性が悪化してしまうことから、近年の車両性能の向上に見合った十分な氷上性能を得ることが難しかった。また、ブロック103一つ一つの大きさが大きく、ブロック103の中央域においてはサイプ104の形成のみでは、氷上でのブレーキの際に氷面とタイヤとの間の水膜を十分除去することができず、このことからも氷上性能を飛躍的に向上させることは困難であった。
それゆえ、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、トレッドパターンの適正化を図ることにより、氷上性能を飛躍的に向上させることにある。
前記の目的を達成するため、この発明の空気入りタイヤは、溝により区画された複数の独立した小ブロックが相互に密集配置されてなるブロック群が、トレッド部の少なくとも一部に設けられ、該ブロック群の小ブロックによりブロック列又は陸部列が形成された空気入りタイヤであって、前記小ブロックは、それぞれ単一形状かつ相互に同一の大きさに形成され、前記小ブロックの周面には、該小ブロックの表面から前記溝の表面に向けて深さ方向に延びかつ該小ブロックの周面から内方に向けて凹んだ少なくとも1つの径方向溝が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤである。なお、ここでいう「径方向溝」には、小ブロックの表面から該小ブロックを区画している溝の底面に向けてタイヤ径方向に沿って延びる溝のみならず、タイヤ径方向にジグザク状に屈曲して延びる溝や湾曲して延びる溝、タイヤ径方向に対して傾斜して延びる溝をも含むものとし、さらには、上記溝の底面まで達していてもその途中で終端するものでも良いものとする。
この発明の空気入りタイヤにあっては、溝により区画された小ブロックを相互に密集して配置したことから、ブロックのトータルエッジ長さが増大し、サイプよりも高いエッジ効果が得られる。また、小ブロック一つあたりの表面積が小さいことからブロック一つ一つの接地性が向上する。さらに小ブロックの中央域からブロック周縁までの距離が小さいので、ブロックの中央域での水膜はブロック接地時に効率的に除去される。また、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックの周面に径方向溝を設けたことからエッジ効果と除水効果をさらに高めることができ、より高い氷上性能を得ることができる。
従って、この発明の空気入りタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることができる。
なお、ブロック群はトレッド全体に設けると氷上性能に対してより有効であるが、限られた領域に適用することで操縦安定性や耐偏摩耗性等の他性能とのバランスを図ることができる。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、ブロック群における小ブロックの基準ピッチ長さをP(mm)、該ブロック群の幅をW(mm)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該ブロック群の基準区域内に存在する小ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、a/(P×W×(1−N/100)で与えられる、該ブロック群の単位実接地面積当りの小ブロック個数密度Sは0.003個/mm〜0.04個/mmの範囲内にあることが好ましい。ここで、「ブロックの基準ピッチ長さ」とは、ブロック群を構成する1つのブロック列におけるブロックの繰り返し模様の最小単位を指すものとし、例えば1つのブロックとそのブロックを区画する溝によってパターンの繰り返し模様が規定されている場合は、ブロック1個分のトレッド周方向長さとこのブロックのトレッド周方向に隣接する溝1分のトレッド周方向長さとを加算したものがブロックの基準ピッチ長さとなる。また、「ブロック群の幅W」とは、ブロックを密集配置してなるブロック群のトレッド幅方向長さを指し、例えばブロック群がトレッド全体に存在する場合は、トレッド接地幅を指すものとする。しかも、ブロック群の「実接地面積」とは、ブロック群の基準区域内に在る全ブロックの総表面積をいうものとし、言い換えれば、基準ピッチ長さPと幅Wとの積で規定される、上記基準区域の面積から個々のブロックを区画している溝の面積を減算した面積を指すものである。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックは、円形又は楕円形に形成されていることが好ましい。
さらに、この発明の空気入りタイヤにあっては、小ブロックには径方向溝が2つ以上形成され、該2つ以上の径方向溝は、該小ブロックの周面に沿って等間隔に配置されていることが好ましい。
しかも、この発明の空気入りタイヤにあっては、径方向溝の横断面の輪郭形状が曲線状であることが好ましい。
この発明の空気入りタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより氷上性能を顕著に向上させることができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ここに、図1は、この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という)のトレッドパターンを示した部分展開図であり、図2は、図1の実施形態のタイヤのトレッドパターンの一部を拡大して示した図であって、(a)は平面図、(b)は斜視図である。なお、図1中、上下方向がトレッド周方向を示し、左右方向(赤道面Eに直交する方向)がトレッド幅方向を示している。
この実施形態のタイヤは、図示を省略するが、左右一対のビードコア間でトロイド状に延びるカーカスと、このカーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置したベルトと、このベルトのタイヤ径方向外側に配置したトレッド部とを具える慣例に従ったタイヤ構造を有し、トレッド部に図1に示したトレッドパターンを有するものである。
このタイヤは、図1、2に示すように、トレッド部1に、溝2により区画した、独立した複数の小ブロック3を互いに密集させてなるブロック群Gを有する。ブロック群Gは、トレッド部1の全体に存在する。小ブロック3は、トレッド周方向に沿って並べられてブロック列をなす。小ブロック3は、それぞれ略円形(略円柱状であり表面輪郭形状が略円形である形状)でかつ相互に同一の大きさに形成されている。小ブロック3は、トレッド周方向に千鳥状に配置されている。小ブロック3の周面Cには、該小ブロック3の表面(踏面)から溝2の表面まで至りかつ該小ブロックの周面Cから内方(小ブロック3の中心)に向けて凹んだ径方向溝が複数形成されている。これら複数の径方向溝4は、小ブロック3の周面Cに沿って等間隔に配置されている。
この実施形態のタイヤにあっては、溝2により区画された小ブロック3を相互に密集して配置したことから、小ブロック3のトータルエッジ長さが増大し、サイプよりも高いエッジ効果が得られる。また、小ブロック3の一つあたりの表面積が小さいことから小ブロック一つ一つの接地性が向上する。さらに小ブロック3の中央域からブロック周縁までの距離が小さいので、小ブロック3の中央域での水膜はブロック接地時に効率的に除去される。また、この実施形態のタイヤにあっては、小ブロック3の周面Cに径方向溝4を設けたことからエッジ効果と除水効果をさらに高めることができ、より高い氷上性能を得ることができる。
従って、この実施形態の空気入りタイヤによれば、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロック3による効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることができる。
ここで、この発明において、小ブロック3の大きさ及びその密集度は、図4に示す従来のパターンのものよりもブロックの大きさが小さくかつ密集度が高くなっている。小ブロック3の大きさが小さく密集度を高くするほどエッジ効果及び除水効果を高めることができるが、その好適な範囲は以下の通りである。すなわち、ブロック群Gにおける小ブロック3の基準ピッチ長さをP(mm)、該ブロック群Gの幅をW(mm)(この実施形態では、トレッド部1の全体に小ブロック3が配置されているので、トレッド接地幅TWと等しい。)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該ブロック群Gの基準区域Z(図中斜線で示す領域)内に存在する小ブロック3の個数をa(個)、基準区域Z内のネガティブ率をN(%)としたとき、
Figure 2010105416
として表される、ブロック群Gの単位実接地面積当りの小ブロック個数密度S(個/mm)は、0.003個/mm以上0.04個/mm以下とすることが好ましい。なお、ブロック群Gの基準区域Z内の小ブロック3の個数aをカウントするに際して、小ブロック3が基準区域Zの内外に跨って存在し、1個として数えることができない場合は、小ブロック3の表面積に対する、基準区域内に残った小ブロック3の残存面積の比率を用いて数えることとする。例えば、図1に符号B1で示す小ブロックのように、基準区域Zの内外に跨り、基準区域Z内にその半分しか存在しない小ブロックの場合は、1/2個と数えることができる。ブロック群Gにおける小ブロック3の個数密度Sが0.003(個/mm)未満の場合は、サイプの形成なしには、高いエッジ効果の実現が難しく、一方、小ブロック3の個数密度Sが0.04(個/mm)を超えると小ブロック3が小さくなり過ぎて所要の小ブロック剛性の実現が難しい。また、ブロック群Gにおける小ブロック3の個数密度Sを、0.0035〜0.03個/mmの範囲内とすれば、小ブロック3の剛性とエッジ効果との両立をより高い次元で達成することができる。
また、この発明において、ブロック群Gにおけるネガティブ率Nは5%〜50%とすることが好ましい。ブロック群Gにおけるネガティブ率Nが5%未満の場合は、溝面積が小さ過ぎ排水性が不十分となる他、小ブロック一つ一つの大きさが大きくなり過ぎて本発明が狙いとするところのエッジ効果の実現が難しくなり、一方、50%を超えると接地面積が小さくなり過ぎて、操縦安定性が低下するおそれがあるからである。
さらにこの発明においては、図示のように小ブロック3をトレッド周方向に千鳥状に配置することが好ましく、これによれば、タイヤ転動時に、より多くの小ブロック3の形成下で、それぞれのエッジを逐次作用させることができるので、エッジ効果をより一層効果的に発揮させることが可能となる。また、小ブロック3をトレッド周方向に千鳥状に配置することで、トレッド幅方向に隣接する小ブロック3の相互間で路面への接地タイミングをずらすことができ、パターンノイズをも低減させることもできる。さらに、このように小ブロック3を千鳥状に配置することにより、小ブロック3の高い密集配置を容易に実現することができる。しかも、小ブロック個数密度Sを高く設定した場合には、小ブロック3に高負荷が加わった際に隣り合う小ブロックとの間でブロックの支え合え効果を発揮させ得て、つまり小ブロック3の剛性を増大させ得て、氷上性能をより向上させることができる。
さらにこの発明においては、小ブロック3に設ける径方向溝4の数は4つ以上とすることが好ましく、これによれば、小ブロック3の接地時における縦(トレッド周方向)及び横(トレッド幅方向)の力の入力に対して異方性の影響を小さくして安定したエッジ効果と除水効果を得ることが可能となる。
さらにこの発明においては、小ブロック3を円形又は楕円形とすることが好ましく、これによれば、トレッド踏面全体としてあらゆる方向に対しても等しくエッジ効果を発揮し得る異方性の影響の小さいトレッドパターンとすることが可能となる。
さらにこの発明においては、小ブロック3に複数の径方向溝4を形成した場合、径方向溝4は、該小ブロック3の周面Cに沿って相互に等間隔に配置することが好ましく、これによれば、小ブロック3の接地時における縦及び横の力の入力に対して異方性の影響を小さくして安定したエッジ効果と除水効果を得ることが可能となる。
加えてこの発明においては、径方向溝4の横断面の輪郭形状を曲線状(この実施形態では正円形状)とすることが好ましく、これによれば、小ブロック3の接地時における当該径方向溝4及びその周辺への応力集中を低減することができ、その結果、小ブロック3の耐久性を向上させることができるとともに小ブロック3の剛性を高めることができる。なお、径方向溝4の形態は、図示例のものに限らず、タイヤ径方向に傾斜して延在するものや小ブロック3の表面から溝2の表面に向けてブロック3の周面Cに沿って螺旋状に延在するものでも良い。また、この発明では、径方向溝4は全ての小ブロック3に設ける必要はなく、複数個の小ブロック3に設ければ所定の効果を得ることができる。より高いエッジ効果等が必要とされる場合には各ブロック群のほぼ半数以上の小ブロック3に径方向溝4を設けることが好ましい。
また、各小ブロック3に対する径方向溝4の配設個数は図示例に限らず、小ブロック3の剛性と必要とされるエッジ長さ(エッジ効果)及び除水効果との調整により適宜変更することができる。より具体的には、例えば操縦安定性や耐摩耗性等の他性能とのバランスを図る目的で、小ブロック3を比較的大きく形成することが要求される場合には、小ブロック個数密度Sを0.005個/mm以上0.012個/mm以下の範囲内とし、小ブロック3にそれぞれ設ける径方向溝4の数を6つ以上とすることが好ましい。このようにすれば、他性能とのバランスを図りつつ所要のエッジ効果及び除水効果を得ることができる。なお、より高い小ブロック剛性の要求の下では、小ブロック個数密度Sを0.006個/mm以上0.012個/mm以下とすることがより好ましい。
一方、例えば操縦安定性や耐摩耗性等の他性能とのバランスを図る目的で、小ブロック3を比較的小さく形成することが要求される場合には、小ブロック個数密度Sを0.013個/mm以上0.02個/mm以下の範囲内とし、小ブロック3にそれぞれ設ける径方向溝4の個数を6つとすることが好ましい。このようにすれば、他性能とのバランスを図りつつ所要のエッジ効果及び除水効果を得ることができる。なお、より高いエッジ効果及び除水効果の要求の下では、小ブロック個数密度Sを0.013個/mm以上0.018個/mm以下とすることより好ましい。
次いで、この発明に従う他の実施形態について説明する。図3は、この発明に従う他の実施形態のタイヤのトレッドパターンの一部を拡大して示した図であって、(a)は平面図、(b)は斜視図である。なお、先の図1に示したタイヤと同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
このタイヤでは、ブロック群Gの小ブロック3の周面Cに設けられた径方向溝4’は、小ブロック3の表面と溝2の表面との間で終端している。
このように径方向溝4’を小ブロック3の途中で終端させることにより、径方向溝を設けたことによる小ブロック3の体積の減少に起因するブロック剛性の低下を制限しつつ、本発明が狙いとするエッジ効果及び除水効果を達成することができる。よって、例えば氷上性能以外の他性能との調整を図る観点から小ブロック3の剛性を高める必要がある場合に特に有利な形態である。言い換えれば、同じブロック剛性の下、さらに多くの径方向溝4’を形成することができることを意味し、径方向溝4’の個数を増大させればさらなる氷上性能の向上を実現することができる。
次に、この発明に従う実施例1、2のタイヤ、従来技術に従う従来例1のタイヤ及び比較例1、2のタイヤをそれぞれ試作し、氷上性能についての性能評価を行ったので、以下説明する。
実施例1のタイヤは、図1に示すトレッドパターンをトレッド部に有する、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤである。これらのタイヤは、トレッド部全体に、溝により区画形成した、独立した複数の小ブロックを密集させてなるブロック群Gを有する。各小ブロックは、それぞれ正円形に形成されるとともに相互に同一の大きさに形成されており、かつ、トレッド周方向に千鳥状に配置されている。各小ブロックには、横断面が円弧状であり、小ブロックの表面からタイヤ径方向内方に沿って延在する径方向溝が複数設けられている。実施例1のタイヤの諸元は表1に示すとおりである。実施例2のタイヤは、径方向溝が小ブロックの途中で終端している(つまり、小ブロック3を区画している溝2まで到達していない)ことを除いて、実施例1のタイヤとほぼ同じである。
比較のため、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、トレッド部全体のネガティブ率が31.9%である図4に示すトレッドパターンを有する従来例1のタイヤ及びトレッド部全体のネガティブ率が32.6%である図5に示すトレッドパターンを有する比較例1のタイヤを併せて試作した。従来例1のタイヤは、トレッド部に、トレッド周方向に延びる縦溝と、この縦溝に直交して延びる横溝とによって複数の長方形の小ブロックが区画形成されている。縦溝は、幅が3mm、深さが8.5mmであり、横溝は、幅が7.9mm、深さが8.5mmである。また各小ブロックには直線状に延びるサイプが3本ずつ形成されている。比較例1のタイヤは、トレッド部に、トレッド周方向に延びる縦溝と、この縦溝に直交して延びる横溝とによって複数の長方形の小ブロックが区画形成されている。縦溝は、幅が1.2mm、深さが8.5mmであり、横溝は、幅が4.5mm、深さが8.5mmである。また各小ブロックには直線状に延びるサイプが2本ずつ形成されている。その他の諸元を表1に示す。
さらに比較のため、205/55R16サイズの乗用車用ラジアルタイヤであり、トレッド部に図6に示すトレッドパターンを有する比較例2のタイヤについても併せて試作した。比較例2のタイヤは、小ブロックに径方向溝が形成されていないことを除いて実施例1のタイヤとほぼ同じである。
Figure 2010105416
(性能評価)
上記各供試タイヤについて、サイズ6.5J×16のリムに組み付け、内圧220kPa(相対圧)のとして車両に装着し、以下の試験を行って性能を評価した。
(1)氷上でのブレーキ性能評価試験
氷上でのブレーキ性能は、氷板路面上を時速20km/hからフル制動したときの制動距離を測定し、その測定した距離から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのブレーキ性能が良好であることを示す。
(2)氷上でのトラクション性能評価試験
氷上でのトラクション性能は、氷上路面上をフル加速し、20mの距離に達するまでの時間を測定し、その測定した時間から評価した。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのトラクション性能が良好であることを示す。
(3)氷上でのフィーリング評価試験
氷上でのフィーリング評価は、氷板路面のテストコースを各種走行モードで走行したときのテストドライバーによる制動性、加速性、直進性およびコーナリング性を総合的にフィーリング評価することによって行った。その評価結果を表2に示す。表2中の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど氷上でのフィーリングが良好であることを示す。
(4)排水性評価試験
排水性は、水深5mmの湿潤路面を直線走行し、ハイドロプレーニング現象が発生する限界速度を測定し、その測定した限界速度から評価した。その評価結果を表2に示す。表2の評価は、従来例1の結果を100とし実施例1、2のタイヤ及び比較例1、2のタイヤについて指数で表したものであり、数値が大きいほど排水性が良好であることを示す。
Figure 2010105416
表2に示す評価結果から、実施例1、2のタイヤは、従来例1のタイヤに比べて、氷上ブレーキ性能、氷上トラクション性能、氷上フィーリング性能、排水性能の全てにおいて優れた性能を示している。また、実施例1、2のタイヤは比較例2のタイヤに比べて優れた性能を示いることから、径方向溝を設けることにより氷上性能のさらなる向上が可能であることが確認された。
この発明によって、優れた接地性及びエッジ効果の確保と、小ブロックによる効率的な水膜の除去を実現することにより、氷上性能を飛躍的に向上させることが可能となった。
この発明に従う一実施形態の空気入りタイヤ(実施例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 図1の実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの一部を拡大して示した図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤのトレッドパターンの一部を拡大して示した図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図である。 従来技術の空気入りタイヤ(従来例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例1のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。 比較としての空気入りタイヤ(比較例2のタイヤ)のトレッドパターンを示した部分展開図である。
符号の説明
1 トレッド部
2 溝
3 小ブロック
4、4’ 径方向溝
C 小ブロックの周面
D 小ブロックの直径
ブロック群
L 径方向溝の長手方向長さ
P ブロック群の基準ピッチ長さ
r 径方向溝の半径
W ブロック群の幅
Z 基準区域

Claims (5)

  1. 溝により区画された複数の独立した小ブロックが相互に密集配置されてなるブロック群が、トレッド部の少なくとも一部に設けられ、該ブロック群の小ブロックによりブロック列又は陸部列が形成された空気入りタイヤであって、
    前記小ブロックは、それぞれ単一形状かつ相互に同一の大きさに形成され、
    前記小ブロックの周面には、該小ブロックの表面から前記溝の表面に向けて深さ方向に延びかつ該小ブロックの周面から内方に向けて凹んだ少なくとも1つの径方向溝が形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック群における小ブロックの基準ピッチ長さをP(mm)、該ブロック群の幅をW(mm)、該基準ピッチ長さPと該幅Wとで区画される、該ブロック群の基準区域内に存在する前記小ブロックの個数をa(個)、該基準区域内のネガティブ率をN(%)としたとき、a/(P×W×(1−N/100)で与えられる、該ブロック群の単位実接地面積当りの小ブロック個数密度Sは0.003個/mm〜0.04個/mmの範囲内にある、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記小ブロックは、円形又は楕円形に形成されている、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記小ブロックには前記径方向溝が2つ以上形成され、該2つ以上の径方向溝は、該小ブロックの周面に沿って等間隔に配置されている、請求項1〜3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記径方向溝の横断面の輪郭形状が曲線状である、請求項1〜4の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
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