JP2013087342A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】低品位炭を熱分解して製造されたチャーを焼結機における凝結材として用いる焼結鉱の製造方法であって、前記低品位炭が、揮発分の含有量が30質量%以上、51質量%以下の石炭であり、前記チャーの平均燃焼速度が、粉コークスに対して1.05倍以上、1.22倍以下である。チャーの揮発分の含有量が5質量%以下であり、チャーを粉コークスと置換して用いることが好ましい。
【選択図】なし
Description
一方、揮発分の少ない石炭、即ち、無煙炭は、その埋蔵量が枯渇してきている。
したがって、焼結鉱の製造において、粉コークスの替わりにチャーを用いれば、焼結工程から排出されるCO2が削減され、地球環境に対するCO2低減に寄与できる。
特許文献2の提案は、低温側で熱分解を行い、揮発分が比較的多く残留したチャー(実施例では揮発分13%を含有するチャー)を用いると、揮発分の燃焼熱により、焼結の歩留が向上し、好ましいとしている。しかし、石炭を亜瀝青炭、褐炭に限定しており、現在国内でいわゆる一般炭として多く流通している高揮発瀝青炭クラスの石炭から作成したチャーを使用した場合の作用については言及されていない。
焼結鉱製造プロセスにおいて、粉コークス及び無煙炭に代替する揮発分が低い凝結材が望まれている。
本発明の目的は、低品位炭から製造したチャーを焼結機における凝結材として用いることによって、焼結機の生産率と焼結鉱の歩留の両方を向上させる焼結鉱の製造方法を提供することである。
前記低品位炭が、揮発分の含有量が30質量%以上、51質量%以下の石炭であり、
前記チャーの平均燃焼速度が、粉コークスに対して1.05倍以上、1.22倍以下であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
但し、前記平均燃焼速度は、熱天秤に測定試料10mgを設置後、窒素を100mL/min流通させた状態で、50℃/minの昇温速度にて加熱を行い、試料温度が750℃に到達後、直ちに流通ガスを窒素から空気100ml/minへ切り替え、その重量減少を測定し、その結果得られた反応時間tと反応率X(X=各時間における重量減少量/試料の初期重量)のデータから各反応率における反応速度dX/dtを算出し、X=0〜0.6までの平均値を算出したものである。
(2)前記チャーの揮発分の含有量が5質量%以下であることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)前記(1)及び(2)のいずれかに記載のチャーを粉コークスと置換して用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
高揮発分の低品位炭を原料としたチャーは、粉コークスに比較して燃焼速度が速い。その理由は以下によると考えられる。即ち、粉コークスの場合は、原料は、粘結性を有する石炭であり、加熱により粘結成分が液状化し、揮発分により発生するガスは液状の石炭内で合体し、大きな気泡となり抜けていくため、微細な気孔は少ない。これに対し、高揮発分の低品位炭を原料としたチャーは、石炭に粘結成分がないため液状化せず微細な気孔が多く残ることにより、粉コークスに比較して燃焼速度が速くなると考えられる。また、コークスを構成する炭素のグラファイト化(結晶化)が進行していることも、チャーと比較して燃焼速度が遅い要因であるものと考えられる。したがって、チャーの原料は、揮発分がある程度高い低品位炭であることが望ましく、揮発分の含有量は、30質量%以上が必要となる。一方、揮発分が過剰な低品位炭では、チャーに過剰な気孔が残留して燃焼速度が過大となる。また、乾留後の強度が低下して好ましい粒度のチャーが得られない。これにより、チャーの原料である低品位炭の揮発分の含有量は、51%以下が必要である。
焼結用炭材中の揮発分は排ガスに持ち込まれて電気集塵機の火災の原因となるため、通常5%以下に管理されている。このため、第1の発明で得られたチャーにおいて、さらに揮発分が5%以下であれば、コークスとの置換に際してその制約がなく、第1の発明の効果を十分に発揮できる。現在粉コークスに代替使用されている無煙炭の揮発分も5%程度であり、この条件を満たしたものとなっている。
チャーの平均燃焼速度の測定は、熱天秤(ブルカーエイエックスエス社製/TG−DTA2020SA)に測定試料10mgを設置後(アルミナ深皿パン(深さ5.1mm×直径5.2mm))、窒素を100mL/min流通させた状態で、50℃/minの昇温速度にて加熱を行い、試料温度が750℃に到達後、直ちに流通ガスを窒素から空気100ml/minへ切り替え、その重量減少を測定し、その結果得られた反応時間tと反応率X(X=各時間における重量減少量/試料の初期重量)のデータから各反応率における反応速度dX/dtを算出し、X=0〜0.6までの平均値を算出した。
燃焼速度の数値は、粉コークスの値を基準として、その比率で表した。いずれのチャーも粉コークスに比較して大きな燃焼速度を示した。
原料の装入量は約70kgで、床敷き層の厚みは約20mm(約1.5kg)であり、グレートの上に床敷きの焼結鉱を、次いで原料を装入した。点火時間1.5分、吸引負圧1500mmAq(14.7kPa)で焼成した。
Claims (3)
- 低品位炭を熱分解して製造されたチャーを焼結機における凝結材として用いる焼結鉱の製造方法であって、
前記低品位炭が、揮発分の含有量が30質量%以上、51質量%以下の石炭であり、
前記チャーの平均燃焼速度が、粉コークスに対して1.05倍以上、1.22倍以下であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
但し、前記平均燃焼速度は、熱天秤に測定試料10mgを設置後、窒素を100mL/min流通させた状態で、50℃/minの昇温速度にて加熱を行い、試料温度が750℃に到達後、直ちに流通ガスを窒素から空気100ml/minへ切り替え、その重量減少を測定し、その結果得られた反応時間tと反応率X(X=各時間における重量減少量/試料の初期重量)のデータから各反応率における反応速度dX/dtを算出し、X=0〜0.6までの平均値を算出したものである。 - 前記チャーの揮発分の含有量が5質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
- 前記請求項1及び請求項2のいずれかに記載のチャーを粉コークスと置換して用いることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
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