JP5762653B1 - 成型炭及びその製造方法、並びに成型炭の使用方法 - Google Patents

成型炭及びその製造方法、並びに成型炭の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法を提供すること。【解決手段】炭材とバインダとを含む混合物を成型して成型炭を得る成型工程を有し、炭材は、下記式(1)又は(2)を満たす。バインダは、数平均分子量が1000以上の親水性ポリマーを含んでおり、親水性ポリマーは、分子構造中にスルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基と、ベンゼン環と、を有する。VM<5 (1)Ash≧0.8?VM−4 (但し、5≰VM≰14である。) (2)[式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、成型炭及びその製造方法、並びに成型炭の使用方法に関する。
廃棄物などを溶融処理する廃棄物溶融炉では、一般廃棄物、産業廃棄物又は廃棄物を乾燥、焼却、粉砕処理した処理物などを溶融処理することによって、廃棄物をスラグ及びメタルとして再資源化することが行われている。
このような廃棄物溶融炉の燃料として、コークス炉で製造された塊コークスが使用されている。特にシャフト炉式の廃棄物溶融炉の場合、羽口からの空気の通気性が損なわれると目詰まりが発生しやすくなる。目詰まりが生じると、炉内を流通する空気が偏流して、炉内の温度分布が不均一になることが懸念される。このため、廃棄物溶融炉の燃料として、高温環境にある炉内で容易に粉化せず、且つ大粒径である塊コークスが使用されている。
塊コークスは、コークス炉で製造する方法と、成型炭を乾留して成型コークスを製造する方法が知られている。コークス炉で製造する場合には、強度を確保するために、粘結炭が用いられる。一方、成型コークス法では、非粘結炭以外の石炭を用いた場合に、得られる成型コークスの強度を確保するための方策が検討されている。例えば、特許文献1では、非粘結炭を500〜600℃で事前乾留して得られるチャーと粘結炭とタールとを配合して成型した後、竪型シャフト炉で乾留して成型コークスを製造する方法が提案されている。
特開平7−3309号公報
特許文献1の製造方法では、原料として粘結炭を用いるとともに、900℃まで加熱して乾留する必要がある。このため、原料として粘結炭を用いなくても、高温環境下においても十分に高い圧壊強度を有する成型炭又は成型コークスを製造する技術を確立することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭を提供することを目的とする。また、本発明は、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の好適な使用方法を提供することを目的とする。
本発明は、一つの側面において、炭材とバインダとを含む混合物を成型して成型炭を得る成型工程を有し、炭材は、下記式(1)又は(2)を満たし、バインダは、数平均分子量が1000以上の親水性ポリマーを含んでおり、親水性ポリマーは、分子構造中にスルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基と、ベンゼン環と、を有する、廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法である。
VM<5 (1)
Ash≧0.8×VM−4 (但し、5≦VM≦14である。) (2)
上式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。
上記製造方法では、揮発分が14質量%以下である炭材を用いて成型炭を製造している。このように揮発分が低い炭材は、高温環境下における揮発分の蒸発量を抑制することができる。上記炭材は、さらに、上記式(1)又は(2)を満たす。上記式(1)のように、揮発分が十分に低い炭材は、揮発分の蒸発量を抑制できることのみならず、バインダが親水性ポリマーを含む場合に、親水性ポリマーとのぬれ性が良好である。このため、炭材とバインダとの密着性が向上する。このような作用によって、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な成型炭を得ることができる。
また、上記式(2)のように、炭材にある程度の揮発分(5〜14重量%)が含まれている場合であっても、灰分を所定値(0.8×VM−4[重量%])以上にすることによって、炭材と親水性ポリマーのぬれ性を良好にすることができる。炭材の揮発分は、油分に依存する傾向があり、揮発分が高い場合には、油分も高い。このため、揮発分が高くなるにつれて、親水性ポリマーとのぬれ性が低下する。しかしながら、炭材の揮発分がある程度高くなっても(例えば5〜14重量%)、灰分が所定値以上であれば、親水性ポリマーを含むバインダとのぬれ性を良好に維持することができる。これは、灰分に含まれるシリカ又はアルミナなどの極性を有する物質が、親水性ポリマーに対して優れたぬれ性を有することによるものである。
一方、親水性ポリマーは、分子構造中に、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する。このような親水性ポリマーは、上記官能基を有することから、揮発分(油分)が少ない炭材とのぬれ性が良好である。バインダが親水性ポリマーを含んでいることから、揮発分の十分に低い炭材、又は揮発分がある程度低く且つ灰分が所定値よりも高い炭材とバインダとの密着性が良好となり、高温環境下においても十分に高い圧壊強度を有する成型炭を形成することができる。
また、親水性ポリマーは、1000以上の数平均分子量を有するとともに、分子構造中に少なくとも一つのベンゼン環を有していることから、耐熱性にも優れている。このため、このような親水性ポリマーを含むバインダを混合して得られる成型炭は、優れた火格子機能を有することが求められる廃棄物溶融炉用の成型炭として好適に用いることができる。このような成型炭を、廃棄物溶融炉用の熱源として用いることによって、廃棄物溶融炉において付加価値の高い高炉用コークスの使用量を低減することができる。
上記成型炭は、上記式(1)又は(2)を満たす炭材と、上述の親水性ポリマーを含むバインダを含む混合物を成型する簡便な工程で得ることができる。このような成型炭は、高温環境下においても十分に高い圧壊強度を有する。このため、成型工程で得られた成型炭は、乾留を行うことなく、廃棄物溶融炉に装入することができる。ただし、乾留を行った成型炭を排除するものではなく、成型して得られた成型炭の乾留を行って圧壊強度をさらに向上させた後、廃棄物溶融炉に装入してもよい。
上記製造方法は、成型工程の前に石炭を乾留してチャーを調製する調製工程を有し、上記炭材はチャーを含有していてもよい。また、上記炭材は、石炭、石炭粉コークス、チャー、石油コークス及び飛灰から選ばれる少なくとも一種を含有してもよい。上記混合物における炭材に対する親水性ポリマーの重量比は0.06〜0.2であってもよい。このような重量比で混合して、成型炭の圧壊強度をさらに高くしてもよい。なお、炭材は、石炭粉コークスを含まなくてもよい。
上記親水性ポリマーは、リグニンスルホン酸塩を含んでいてもよい。これによって、高温環境下における圧壊強度を一層高く維持することが可能な成型炭とすることができる。
調製工程と成型工程の間に、バインダ及び水を含むバインダ水溶液と炭材とを混合する混合工程をさらに有し、バインダ水溶液における親水性ポリマーに対する水の重量比が0.5〜1.6であってもよい。これによって、炭材とバインダとの混合が容易となり、混合に所要する時間を短縮することができる。
混合物は、例えば1〜8ton/cmの線圧、又は0.4〜3.2ton/cmの面圧で成型してもよい。これによって、通常の成型機を用いて十分に高い圧壊強度を有する成型炭を製造することができる。炭材のみかけ密度は1g/ml以上であってもよい。また、成型炭を空気中、1000℃で30分間加熱した後の圧壊強度は、例えば1500N以上であることが好ましい。これによって、廃棄物溶融炉の熱源としての有用性を一層高くすることができる。また、乾留を行う必要がなくなることから、簡便な工程で高炉用コークスに代わる廃棄物溶融炉の熱源を製造することができる。
本発明は、別の側面において、炭材とバインダとを含む、廃棄物溶融炉用の成型炭であって、炭材は、下記式(1)又は式(2)を満たし、バインダは、数平均分子量が1000以上の親水性ポリマーを含んでおり、親水性ポリマーは、分子構造中にスルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基と、ベンゼン環と、を有する成型炭を提供する。
VM<5 (1)
Ash≧0.8×VM−4 (但し、5≦VM≦14である。) (2)
上式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。
上記成型炭は、揮発分が14質量%以下である炭材を含む。このように揮発分が低い炭材は、高温環境下における揮発分の蒸発量を抑制することができる。上記炭材は、さらに、上記式(1)又は(2)を満たす。上記式(1)のように、揮発分が十分に低い炭材は、揮発分の蒸発量を抑制できることのみならず、バインダが親水性ポリマーを含む場合に、親水性ポリマーとのぬれ性が良好である。このため、炭材とバインダとの密着性が向上する。このような作用によって、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することができる。
また、上記式(2)のように、炭材にある程度の揮発分(5〜14重量%)が含まれている場合であっても、灰分を所定値(0.8×VM−4[重量%])以上にすることによって、炭材と親水性ポリマーとのぬれ性を良好にすることができる。また、親水性ポリマーは、分子構造中に、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の官能基を有する。このような親水性ポリマーは、上記官能基を有することから、揮発分(油分)が少ない炭材とのぬれ性が良好である。成型炭は、バインダに親水性ポリマーを含まれていることから、揮発分の低い炭材とバインダとの密着性が良好となり、高温環境下においても十分に高い圧壊強度を有する。
また、親水性ポリマーは、1000以上の数平均分子量を有するとともに、分子構造中に少なくとも一つのベンゼン環を有していることから、耐熱性にも優れている。このため、このような親水性ポリマーを含むバインダを含む成型炭は、優れた火格子機能を有することが求められる廃棄物溶融炉用の成型炭として好適に用いることができる。このような成型炭を、廃棄物溶融炉用の熱源として用いることによって、廃棄物溶融炉において付加価値の高い高炉用コークスの使用量を低減することができる。
上記成型炭は、上記式(1)又は(2)を満たす炭材と、上述の親水性ポリマーを含むバインダを含む混合物を成型する簡便な工程で得ることができる。このような成型炭は、十分に高い圧壊強度と耐熱性を兼ね備える。このため、この成型炭は、乾留を行うことなく、廃棄物溶融炉に装入することができる。ただし、乾留を行った成型炭を排除するものではなく、成型炭の乾留を行って圧壊強度をさらに向上させた後、廃棄物溶融炉に装入してもよい。
上記親水性ポリマーは、リグニンスルホン酸塩を含んでいてもよい。これによって、成型炭は、高温環境下における圧壊強度を一層高く維持することができる。
上記成型炭において、炭材に対する親水性ポリマーの重量比は0.06〜0.2であってもよい。このような重量比とすることによって、成型炭の圧壊強度をさらに高くすることができる。
本発明は、さらに別の側面において、上記成型炭を廃棄物溶融炉に装入し、成型炭を廃棄物溶融炉の熱源として使用する工程を有する、成型炭の使用方法を提供する。上記成型炭は、高温環境下においても、高い圧壊強度を維持することが可能である。したがって、廃棄物溶融炉に装入すれば、優れた火格子機能を発揮する。また、成型炭の乾留を行わずに、廃棄物溶融炉の熱源として利用できることから、作業性向上とともに、運転コストを低減することができる。
本発明は、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法を提供することができる。また、本発明は、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭を提供することができる。また、本発明は、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な成型炭の好適な使用方法を提供することができる。
図1は、本発明の成型炭の製造方法の好適な実施形態を示すフローチャートである。 図2は、本発明の一実施形態における炭材の形態を模式的に示す断面図である。 図3(A)は、本発明の一実施形態における成型炭の構成を模式的に示す図である。図3(B)は、本発明の一実施形態における成型炭を構成する各成分の体積比率を模式的に示す図である。 図4は、成型炭の圧壊強度の測定に用いられる測定装置の模式図である。 図5は、成型炭が用いられる廃棄物溶融炉の一例を模式的に示す図である。 図6は、実施例1−1〜1−10及び比較例1−1〜1−5で用いた炭材の揮発分、灰分、及び成型炭の圧壊強度の関係を示すグラフである。 図7は、横軸を親水性ポリマーに対する水の配合比、縦軸を加熱後の圧壊強度とし、各実施例のデータをプロットしたグラフである。 図8は、成型圧と成型炭の加熱後の圧壊強度の関係を示すグラフである。 図9は、炭材のみかけ密度と成型炭の加熱後の圧壊強度との関係を示すグラフである。
以下、図面を適宜参照しながら本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態の成型炭の製造方法を示すフローチャートである。本実施形態の成型炭の製造方法は、炭材とバインダとを混合して混合物を得る混合工程S1と、炭材とバインダとを含む混合物を成型して成型炭を得る成型工程S2と、成型炭を乾燥する乾燥工程S3と、を有する。
炭材は、炭素を主成分とする粉状の材料であり、例えば、石炭、石炭粉コークス、石炭を例えば600〜900℃で乾留して得られるチャー、溶融炉から得られるチャー、石油コークス、石炭焚きボイラの飛灰、石油コークス焚きボイラ飛灰、及び石炭ガス化炉の飛灰等が挙げられる。これらのうちの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてもよい。石炭粉コークスは、通常のコークス炉を用いて石炭から塊コークスを製造する際に生成されるものを用いることができる。炭材の大きさは、同一体積の真球に換算したときの粒径が、例えば0.01〜5mmである。
炭材の揮発分(VM)は14重量%以下である。圧壊強度のばらつきを低減する観点から、炭材の揮発分は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%未満である。炭材の揮発分は、原料選択の容易性の観点から、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上である。炭材の灰分は、例えば14重量%以下であってもよい。成型炭の発熱量を十分に高くする観点から、炭材の灰分は好ましくは10重量%以下であることが好ましい。
本明細書における炭材の揮発分、灰分及び固定炭素は、JIS M 8812:2006の「角形電気炉法」に準拠して測定される無水ベースの値である。揮発分が低減された炭材を用いて製造された成型炭は、廃棄物溶融炉などの高温環境下において、成型炭の内部から放出される揮発分を低減することができる。これによって、揮発分の揮発に伴うクラックの発生が抑制されて、高温環境下における成型炭の圧壊強度を高くすることができる。
炭材は、下記式(1)又は(2)を満たす。
VM<5 (1)
Ash≧0.8×VM−4 (但し、5≦VM≦14である。) (2)
ただし、上式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。
灰分には、シリカ又はアルミナなどの極性を有する物質が含まれる。このため、揮発分が5〜14重量%の炭材であっても、灰分が式(2)を満たす範囲であれば、親水性ポリマーを含むバインダとのぬれ性を良好にすることができる。これによって、炭材とバインダとの密着性が良好となり、高温環境においても十分に高い圧壊強度を有する成型炭とすることができる。
一層高い圧壊強度を有する成型炭を得る観点から、炭材は下記式(1)’又は(2)’を満たすことが好ましい。
VM<1 (1)’
Ash≧1.1×VM−1.1 (但し、1≦VM≦10である。) (2)’
上式(1)’及び(2)’中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。
図2は、炭材10の形態を模式的に示す断面図である。炭材10は、好ましくは1.0g/ml以上、より好ましくは1.2g/ml以上のみかけ密度を有することが好ましい。炭材10のみかけ密度D[g/ml]は、次のとおりにして求めることができる。炭材10の真密度をD[g/ml]、炭材10のみかけ体積V[ml]、炭材10の実体積をV[ml]、炭材10の重量をM[g]、及び、炭材10に含まれる全ての細孔Pの1g当たりの合計体積をV[ml/g]とする。図2に示すとおり、炭材10のみかけ体積V[ml]は、炭材の実体積(V)に加えて、細孔Pの合計体積V[ml/g]も含む体積である(V=V+V×M)。したがって、下記式(i)が成立する。
=M/V (i)
真密度Dは、理論上、式(ii)で算出できる。
=M/V (ii)
一方、炭材10のみかけ体積V[ml]は、理論上、式(iii)で算出できる。
=V+(V×M) (iii)
式(ii)より、式(iv)が導出できる。
=M/D (iv)
ここで、式(iv)を式(iii)に代入すると、式(v)が導出される。
=M/D+(V×M) (v)
式(v)を式(i)に代入すると、以下のとおり式(vi)が導出される。
=M/(M/D+(V×M))
=D/(1+V×D) (vi)
炭材10の真密度D[g/ml]は、例えば気相(ヘリウムガス)置換法によって測定することができる。細孔Pの合計体積V[ml/g]は、例えばガス吸着法(BET法)によって測定することができる。したがって、式(vi)によって、炭材10のみかけ密度D[g/ml]を求めることができる。炭材10のみかけ密度は、1g/ml以上であってもよく、1.4〜2.0g/mlであってもよい。
バインダは、常温で液体又は固体であり、主成分として、分子構造中に、官能基として親水基とベンゼン環とを有する親水性ポリマーを含有する。このような親水性ポリマーは、例えば、親水基とベンゼン環とを有するモノマーを重合させたり、疎水性ポリマーに化学的な処理を施したりすることによって得ることができる。親水基は、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
親水性ポリマーは、親水性の物質とのぬれ性が良好なポリマーであり、例えば、HLB値が7以上であることが好ましい。親水性ポリマーのHLB値は、例えば10以上であってもよく、13以上であってもよい。HLB値は、グリフィン法によって求めることができる。複数種類の親水性ポリマーを用いる場合、親水性ポリマー全体のHLB値は、それぞれの親水性ポリマーのHLB値の加重平均値として求められる。
親水性ポリマーは、親水基として、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する。このため、親水性ポリマーは、水に可溶である。作業効率の観点から、混合工程S1では、親水性ポリマーと水とを配合して得られるバインダ水溶液を炭材と混合してもよい。このような観点から、親水性ポリマーは、20℃において、水に任意の割合で溶解することが好ましい。
親水性ポリマーは、分子構造中に1つ以上のベンゼン環(アリール基)を有する。このベンゼン環は、例えばナフタレン構造中に含まれていてもよい。分子構造中に複数のベンゼン環を有することによって、高温下での強度を一層高くすることができる。ベンゼン環を構成する炭素に結合している水素の少なくとも一つは、置換基で置換されていてもよい。この置換基は、例えば、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種であってもよく、これらとは別の置換基であってもよい。
親水性ポリマーの数平均分子量は、1000以上であり、1500以上であってもよく、2000以上であってもよい。このような大きな数平均分子量を有する親水性ポリマーを含むバインダは、高い粘性を有することから、炭材との良好な接着性を有する。このため、成型炭の圧壊強度を十分に高くすることができる。また、親水性ポリマーが、大きい平均分子量とベンゼン環とを有することによって、高温下でも熱分解され難く、高い歩留まりを維持することができる。
親水性ポリマーの数平均分子量が過大になると、炭材とバインダとの接点が少なくなり、加熱後の成型炭の圧壊強度が若干低下する傾向にある。このような観点から、親水性ポリマーの数平均分子量の上限は、10000であってもよく、5000であってもよく、3000であってもよい。本明細書における数平均分子量は、ゲルパーミィテーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン標品検量線より求められる。親水性ポリマーの数平均分子量は、モノマーの重合条件、又は化学的な処理の条件を調整することによって制御することができる。
親水性ポリマーは、スルホ基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一つの官能基を有する構造単位を有することが好ましい。構造単位としては、例えば以下の式(I)及び式(II)が挙げられる。また、成型炭の高温環境下における圧壊強度を一層高くする観点から、式(I)に示すように、構造単位中にベンゼン環を複数有するものが好ましい。これによって、高温環境下での圧壊強度をさらに優れたものとすることができる。このような親水性ポリマーは、例えば上記官能基を有するモノマーを重合させて得ることができる。この場合、親水性ポリマーは、モノマーに由来する構造単位を有する。
Figure 0005762653
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親水性ポリマーとしては、例えば、ナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、及びパルプ廃液であるリグニンスルホン酸マグネシウムなどのリグニンスルホン酸塩などが挙げられる。バインダ又はバインダ水溶液は、主成分として、このような親水性ポリマーの少なくとも一種を含むことが好ましく、リグニンスルホン酸塩を含むことがより好ましい。
リグニンスルホン酸塩は、例えば、疎水性を呈する天然リグニンに化学的な処理を施すことによって得られる。化学的な処理としては、亜硫酸法と呼ばれる化学パルプ化法が挙げられる。なお、天然リグニンは、水溶性を有しておらず、本実施形態における親水性ポリマーに該当しない。
上述の炭材と上述の親水性ポリマーを含むバインダ又はバインダ水溶液を混合して、炭材とバインダと場合によって水を含む混合物を得る。混合物の均一性を向上する観点から、親水性ポリマーと水とを含むバインダ水溶液と炭材とを混合することが好ましい。バインダ水溶液における、親水性ポリマーに対する水の重量比は、例えば0.5〜1.6である。このような重量比で配合したバインダ水溶液を用いることによって、均一性の高い混合物を短時間で調製することができる。
炭材に対する親水性ポリマーの混合比(重量基準)は、例えば0.06〜0.2であってもよく、0.1〜0.2であることが好ましく、0.1〜0.15であることがより好ましい。この混合比が高くなり過ぎると、成型炭に含まれる熱源としての有効成分が少なくなる傾向にある。また、十分に高い圧壊強度が得難くなる傾向にある。一方、混合比が低くなり過ぎると、優れた成型性が損なわれて、成型炭としたときに十分に高い圧壊強度が得難くなる傾向にある。
混合物は、優れた成型性を損なわない範囲で、炭材及び親水性ポリマー以外の微量の添加材を含んでいてもよい。そのような添加材としては、常温(20℃)で液体状である有機高分子材(上記親水性ポリマーを除く)が挙げられる。有機高分子材としては、SOP、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、澱粉、デキストリン、廃油、廃糖蜜などが挙げられる。このような有機高分子材を用いることによって、成型炭の圧壊強度を一層高くすることができる。一方、成型炭に含まれる熱源としての有効成分を高くする観点から、ベントナイト及びセメント等の無機物を含有しないことが好ましい。本実施形態の成型炭は、このような無機物を含有しなくても、十分に高い圧壊強度を有する。
添加材は、炭材とバインダ又はバインダ水溶液を混合する際に併せて添加してもよいし、炭材とバインダ又はバインダ水溶液とを一旦混合した後に添加してもよい。炭材の配合量は、成型炭の強度向上効果を十分に得つつハンドリング性を良好に維持する観点から、炭材100重量部に対して、例えば10重量部以下である。
成型工程S2では、混合物の成型を行って、成型炭を得る。成型設備としては通常のダブルロール成型機等を用いることができる。成型炭の形状は特に限定されず、例えば、マセック型としてもよい。成型炭の密度は、例えば1.0〜2.0g/mlであってもよい。成型炭の粒径A[mm]は、例えば60mm以上である。成型炭の粒径A[mm]は、成型炭の体積V[ml]を同一体積の真球に換算して下記式(4)によって算出される。
=2×((V×3/4/π)1/3)×10 (4)
混合物には、炭材と、バインダとして該炭材に対してぬれ性が良好な親水性ポリマーが含まれている。このため、成型炭における空隙の量を十分に低減することができる。成型圧力は、線圧で例えば1〜8ton/cmあり、面圧で例えば0.4〜3.2ton/cmである。成型圧力が高くなり過ぎると、メニスカス消失によって成型不良が発生しやすくなったり、水分や揮発分の成型炭の内部からの逃げ道が消失し、乾燥時において逃げ道となるクラック等が生じ易くなったりする傾向にある。
乾燥工程S3では、成型して得られた成型炭を、例えば100〜150℃の温度に加熱して、成型炭を乾燥させる。このような乾燥工程S3を行うことによって、主に、成型炭に含まれる水分が除去される。その結果、成型炭の圧壊強度をさらに向上させることができる。ただし、乾燥工程S3を行うことは必ずしも必須ではない。乾燥工程S3を行うことなく調製した成型炭は、例えば5〜14重量%の水を含む場合がある。このような成型炭を廃棄物溶融炉に投入すれば、廃棄物溶融炉内で加熱されて水分が除去される。これによって、廃棄物溶融炉内で、十分に優れた火格子作用を発現することができる。
成型炭は、構成成分として、上述の炭材とバインダとして親水性ポリマーとを含有する。これらの構成成分の他に、少量の水や上記添加材を含有していてもよい。炭材に対する親水性ポリマーの重量比は、例えば0.06〜0.2であり、0.08〜0.15であってもよく、0.08〜0.12であってもよい。この重量比が高くなり過ぎると、成型炭に含まれる熱源としての有効成分が少なくなる傾向にある。一方、重量比が低くなり過ぎると、炭材とバインダを含む混合物の調製する際の時間が長くなる傾向にある。
図3(A)は、本実施形態の成型炭の構成を模式的に示す図である。成型炭20は、炭材10と、バインダ12と、水14とを含有する。成型炭20に含まれる炭材10のそれぞれの間(間隙)には、バインダ12と水14からなるバインダ水溶液16が充填されている。炭材10間における間隙の合計体積V(合計体積Vは、図2における細孔Pの体積も含む)に対する、充填されたバインダ水溶液16の合計体積Vの比率(バインダ水溶液の飽和度:V/V)は、40%以上であることが好ましく、60%以上であってもよい。
図3(B)は、成型炭20を構成する各成分の体積比率を模式的に示す図である。図3(B)に示すとおり、間隙の合計体積Vは、成型炭の体積Vから炭材10の実体積Vを引くことで求められる。具体的には、下記式(5)で求めることができる。
=V−V (5)
は、成型炭20の寸法を測定して算出される。例えば、円柱型の成型炭20では、半径×半径×π×高さの計算式で算出することができる。V[ml]は、成型炭20に含まれる炭材の重量M[g]と炭材10の真密度D[g/ml]から、式(6)で算出することができる。
=M/D (6)
式(6)における重量M[g]は、成型炭20の重量M[g]から、バインダ12の重量M[g]及び水14の重量M[g]を減じることで求められる。すなわち、以下の式(7)によって求められる。重量M[g]は、秤量器で測定することができ、重量M[g]は通常の水分計の測定結果から求めることができる。
=M−M−M (7)
例えば、成型炭20に水が10重量%含有されていた場合、以下の式(8)が成立する。
=0.1×M (8)
炭材に対して、バインダ12を10重量%の割合で添加していた場合、以下の式(9)が成立する。
=M×0.1 (9)
ここで式(7)を式(9)に代入すると、下記式(10)の関係式が成り立つ。
=(M−M−M)×0.1
=(M―M)×0.1/1.1 (10)
式(10)によってバインダ12の重量M[g]を求め、式(10)によって炭材10の重量M[g]を求めることができる。その結果、式(5)及び式(6)によって、炭材10の実体積V[ml]及び間隙の合計体積V[ml]が求められ、バインダ水溶液の飽和度(V/V)を算出することができる。このバインダ水溶液の飽和度は、炭材10に対するバインダ水溶液16の混合比を変えることによって調整することができる。
成型炭20の加熱前の圧壊強度は、成型工程S2の後に乾留を行わない場合であっても、例えば、1500N以上、1700N以上、又は2000N以上とすることができる。成型炭20は、高い圧壊強度を高温環境下においても維持することができる。このため成型炭20は、廃棄物溶融炉用の熱源として有用である。特に、加熱前において1700N以上の圧壊強度を有する成型炭は、高い火格子機能を有することから、廃棄物溶融炉用の熱源として極めて有用である。
成型炭20の圧壊強度は、成型炭20の加熱前及び加熱後に、図4に示す測定装置60を用いて以下の手順で測定することができる。加熱前の成型炭20の圧壊強度を測定する場合、成型して得られた成型炭20を、150℃に調節された恒温槽内で2時間乾燥させる。その後、図4の測定装置60において、加圧圧力が計測可能な油圧ジャッキ62上に載置された可動板64の上に、測定対象である成型炭20を配置する。そして、油圧ジャッキ62のシリンダを上方に繰り出すことによって、可動板64を上方に移動させる。これによって、成型炭20は、可動板64と可動板64の上方に固定された固定板68との間に挟まれる。成型炭20には荷重が加えられて最終的に破壊される。破壊した時の荷重から、加熱前の圧壊強度が求められる。
加熱後の成型炭20の圧壊強度を測定する場合、成型して得られた成型炭20を、150℃に調節された恒温槽内で2時間乾燥させる。その後、空気雰囲気下、1000℃に調整された電気炉に成型炭を投入し、1000℃で30分間保持する。その後、窒素雰囲気下で、成型炭を室温(約20℃)まで放冷する。そして、図4に示す測定装置60を用いて、加熱前の成型炭の圧壊強度を測定する場合と同様にして圧壊強度を測定する。破壊した時の荷重から、加熱後の圧壊強度が求められる。加熱後の圧壊強度は、廃棄物溶融炉用の熱源として用いることを想定して測定される指標である。成型炭20は、加熱後においても高い圧壊強度を有することによって、廃棄物溶融炉に用いられた場合に、優れた火格子機能を発揮することができる。
本実施形態の製造方法によれば、成型工程の後に乾留を行わなくても、高温環境下においても十分に高い圧壊強度を有する成型炭とすることができる。このように乾留の工程を省くことが可能となるため、工程の数が少なくなり、簡便な工程で高い圧壊強度を有する成型炭を製造することができる。ただし、乾留を行うものを排除するものではなく、乾留を行って圧壊強度をさらに向上させてもよい。成型炭を乾留する乾留工程を行う場合、乾留工程は、竪型シャフト炉、コークス炉、トンネルキルン炉などの通常の乾留炉を用いて行うことができる。
成型炭及びその製造方法の好適な実施形態を説明したが、本発明の成型炭の製造方法は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、別の幾つかの実施形態においては、乾燥工程を行わなくてもよい。また、混合工程の前に炭材を乾留する調製工程を有していてもよい。例えば、石炭を乾留してチャーを調製し、チャーを含む炭材を用いてもよい。調製工程を行うことによって、炭材の揮発分を容易に調製することができる。このときの炭材は、チャーと、石炭、石炭粉コークス、石油コークス及び飛灰から選ばれる少なくとも一種とを含んでいてもよい。
本実施形態の製造方法で得られる廃棄物溶融炉用の成型炭の加熱後における圧壊強度は、好ましくは1500N以上であり、より好ましくは1700N以上であり、さらに好ましくは2200N以上である。このような高い圧壊強度を有する成型炭は、高温環境下においても高い圧壊強度を有する。このような成型炭を廃棄物溶融炉用の燃料として用いると、溶融物(スラグ)の温度が高く維持され、溶融物の排出を円滑にすることができる。したがって、本実施形態の成型炭は、廃棄物溶融炉用の熱源として有用である。
成型炭の加熱前の圧壊強度を圧縮強度(1)、成型炭の加熱後の圧壊強度を圧壊強度(2)としたとき、圧壊強度(2)/圧壊強度(1)の比率は、83%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
図5は、廃棄物を溶融処理する廃棄物溶融炉(ガス化溶融炉)の一例を模式的に示す図である。本実施形態の成型炭は、常温のみならず高温下においても高い圧壊強度を有していることから、図5に示すような廃棄物溶融炉に使用すれば優れた火格子機能を発揮することができる。
廃棄物溶融設備100は、廃棄物溶融炉40と廃棄物溶融炉40の上部に設けられた装入装置50とを備えている。廃棄物溶融炉40は、シャフト部42と該シャフト部42の下端に設けられる朝顔部44と、朝顔部44の下部に設けられる炉底部46と、を有する。炉底部46には、上から順に、熱分解帯用の上段羽口45と、燃焼溶融帯用の下段羽口47とが設けられている。上段羽口45及び下段羽口47は、それぞれ複数段であってもよい。
廃棄物溶融炉用である成型炭、廃棄物及び塩基度調整剤としての石灰石は、装入装置50によって、廃棄物溶融炉40に装入される。このようにして、廃棄物溶融炉40の内部に、成型炭、廃棄物及び石灰石が導入される。ここで用いられる廃棄物としては、一般廃棄物・産業廃棄物、又はこれらに乾燥、焼却、破砕等の処理を施して得られた処理物、これらを一度埋め立て処理した後、再度掘り起こした土砂分を含む埋め立てごみ等が挙げられる。
下段羽口47からは酸素又は酸素富化空気が供給され、上段羽口45からは燃焼支持ガスとして空気が供給される。廃棄物溶融炉40の下部に配置された成型炭41は、下段羽口47から供給された酸素又は酸素富化空気によって燃焼されて、熱源として機能する。この成型炭41は、良好な火格子機能を有する。廃棄物溶融炉40の上部に配置された廃棄物48は、成型炭の燃焼によって加熱されて、熱分解残渣43となる。熱分解残渣43は、主に上段羽口45から供給された空気によって燃焼される。
廃棄物溶融炉40の内部は、成型炭41等の燃焼によって温度勾配が生じている。具体的には、廃棄物溶融炉40は、上方から下方に向けて乾燥・予熱帯40a(約300〜400℃)、熱分解帯40b(約600〜800℃)、及び燃焼・溶融帯40c(約1000〜1800℃)を有する。廃棄物溶融炉40の内部に導入された廃棄物48は、乾燥・予熱帯40a、熱分解帯40b及び燃焼・溶融帯40cの順に通過する。これによって、廃棄物48中の可燃分は熱分解ガス化して燃焼室に導入され、灰分は、熱分解残渣43を経て溶融物となる。スラグ及びメタルを含む溶融物は、炉底部46に設けられた出滓口49から排出される。
廃棄物溶融炉40で生成した熱分解ガスは、シャフト部42を上昇し、装入装置50の下部に接続された排ガス管52から燃焼室へ導入される。燃焼排ガスは可燃ガスとして燃焼された後、ボイラで廃熱回収される。その後、排ガスは、減温塔で温度が調整された後、集塵機及び触媒反応塔を通過して、煙突から排出される。
廃棄物溶融設備100では、廃棄物溶融炉用の成型炭41を熱源として用いて廃棄物を処理している。この廃棄物溶融炉用の成型炭41は、炉底部46で安定して火格子を形成することができるため、溶融物の温度を1400℃以上に維持して溶融物の排出を円滑にすることができる。したがって、効率よく廃棄物を熱分解及び溶融して処理することができる。
本発明の一実施形態における成型炭の使用方法は、成型炭41を廃棄物溶融炉40に装入する工程(装入工程)を有していてもよい。成型炭41は、常温のみならず高温環境下において、高い圧壊強度を有することから、炉底部46で安定して火格子を形成することができる。この使用方法では、上述の成型工程S2に引き続いて装入工程を行ってもよい。また、必要に応じて、成型工程S2の前に混合工程S1、及び/又は、成型工程S2と装入工程との間に乾燥工程S3の後に装入工程を行ってもよい。これによって、高い圧壊強度を有する成型炭を乾留することなく廃棄物溶融炉の熱源として使用できるため、成型炭の使用方法を簡便な工程で行いながらも、廃棄物を効率よく熱分解及び溶融して処理することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、成型炭の成型方法はロール成型に限定されるものではなく、例えば、押出し成型、及びプレス成型など、各種の方法を用いることができる。この場合、成型時の面圧は、好ましくは0.4〜3.2ton/cmである。この範囲の面圧で成型することによって、1〜8ton/cmの線圧で成型された成型炭と同等の性状を有する成型炭を得ることができる。
実施例及び比較例を参照して本発明の内容をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1〜1−11、比較例1−1〜1−5)
<原材料の準備>
表1に示すとおり、15種類の炭材を準備した。表1に示す炭材のうち、石炭粉コークス及び石油コークスは、それぞれ、石炭コークス炉及び石油コークス炉から得られたものである。チャーは、石炭を600〜900℃の温度(表1の乾留温度)に加熱して乾留して得られた乾留炭である。coke A〜Pの各炭材の粒径は3mm以下とした。それぞれの炭材の揮発分(VM)、灰分(Ash)、及び固定炭素(FC)の含有量(乾燥基準)を、JIS M 8812:2006に準拠して求めた。結果は表1に示すとおりであった。
Figure 0005762653
表2に示すとおり、バインダとして、11種類の親水性ポリマーと、1種類の疎水性ポリマー(石炭系軟ピッチ)を準備した。これらの分子構造及び数平均分子量は表2に示すとおりであった。数平均分子量は、ゲルパーミィテーションクロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン標品検量線より求めた。表2における「加熱後の歩留まり」は、大気中、1000℃で所定時間加熱後に残留する固形分の重量割合である。ベンゼン環を有するとともに、数平均分子量が大きいバインダは、この歩留まりが高かった。各実施例及び比較例において、親水性ポリマーは、水と所定の比率で配合されたバインダ水溶液として用いた。親水性ポリマーに対する水の重量比は表3に示すとおりである。
Figure 0005762653
表2に示すバインダのうち、リグニンスルホン酸マグネシウムは、下記式(III)の化学構造を有する。
Figure 0005762653
<成型炭の作製>
表3に示すとおり、表1に示す炭材と、表2に示すバインダと水とを含むバインダ水溶液を配合して混練機で混合し、炭材とバインダと水とを含む混合物を得た。炭材及びバインダの種類、親水性ポリマーに対する水の重量比、並びに混合物における炭材に対する親水性ポリマーの重量比は、表3のとおりである。得られた混合物を、ダブルロール成型機を用いて線圧2ton/cmで成型してマセック形状の成型炭(ブリケット)を作製した。この成型炭の体積は、約125mmであった。
成型炭を、150℃に調節された恒温槽内に2時間保管して空気中で乾燥させた。そして、図4に示す測定装置を用いて、成型炭の圧壊強度(加熱前の圧壊強度)を測定した。これとは別に、廃棄物溶融炉内で用いることを想定して、乾燥後の成型炭を、空気雰囲気下、1000℃に調整された電気炉に成型炭を投入し、1000℃で30分間保持した。その後、窒素雰囲気下で室温(約20℃)まで放冷した後、図4に示す測定装置を用いて、成型炭の圧壊強度(加熱後の圧壊強度)を測定した。加熱前の圧壊強度を「圧壊強度(1)」、加熱後の圧壊強度を「圧壊強度(2)」として、測定結果を表3に纏めて示す。
Figure 0005762653
表3に示すとおり、各実施例の成型炭は、加熱前及び加熱後において、高い圧壊強度(1500N以上)を有していることが確認された。圧壊強度(1)に対する圧壊強度(2)の比は、いずれの実施例も、80%以上であった。このような成型炭は、高温下においても優れた火格子機能を有することが求められる廃棄物溶融炉用の熱源として好適に用いることができる。一方、各比較例の成型炭は、加熱前及び加熱後の圧壊強度が低く、加熱すると粉状に崩壊してしまうものもあった。
図6は、実施例1−1〜1−11及び比較例1−1〜1−5で用いた炭材の揮発分(VM)、灰分(Ash)、及び圧壊強度の関係を示すグラフである。図6中、三角形状のプロットは、圧壊強度(加熱前)が1900N以上の成型炭を示す。図6中、丸形状のプロットは、圧壊強度(加熱前)が1500N以上、且つ1900N未満の成型炭を示す。図6中、四角形状のプロットは、圧壊強度(加熱前)が1500N未満の成型炭を示す。図6に示すように、上記式(1)又は式(2)を満たすことによって、十分に高い圧壊強度を有する成型炭が得られることが確認された。これらの成型炭は、加熱後においても十分に高い圧壊強度を有していた。また、式(1)’又は式(2)’を満たすことによって、一層高い圧壊強度を有する成型炭が得られることが確認された。
(実施例2−1〜2−4,参考例2−5,比較例2−1〜2−7)
表4に示すとおり、表1のcoke E(石油コークスとベントナイトとの混合物)と、表2のバインダ又はバインダと水とを含むバインダ水溶液とを配合して混練機で混合し、炭材とバインダと場合によって水を含む混合物を得た。バインダの種類、及び、親水性ポリマーに対する水の重量比は、表4のとおりである。
バインダ(番号4)を用いた比較例2−4では、親水性ポリマーに代えて疎水性ポリマーを用いたため、水を配合しなかった。混合物における炭材に対する親水性ポリマー(疎水性ポリマー)の重量比は、表4に示すとおりである。得られた混合物を、実施例1−1と同様にして成型してマセック形状の成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、加熱前の圧壊強度と加熱後の圧壊強度を測定した。加熱前の圧壊強度を「圧壊強度(1)」、加熱後の圧壊強度を「圧壊強度(2)」として、測定結果を表4に纏めて示す。
Figure 0005762653
各実施例の成型炭は、加熱前及び加熱後において、高い圧壊強度(1500N以上)を有していることが確認された。圧壊強度(1)に対する圧壊強度(2)の比は、いずれの実施例も、80%以上であった。このような成型炭は、優れた火格子機能を有することが求められる廃棄物溶融炉用の熱源として好適に用いることができる。圧壊強度(1)に対する圧壊強度(2)の比は、実施例2−1〜2−3が89%以上であり、特に高かった。これらの実施例で用いたバインダは、高い粘着力を有するとともに、炭材との接点も多いことから、加熱前のみならず加熱後にも十分に高い圧壊強度を維持できることが確認された。一方、各比較例の成型炭は、各実施例の成型炭よりも、特に加熱後の圧壊強度が低かった。
(実施例3−1〜3−4,参考例3−5,比較例3−1〜3−7)
表5に示すとおり、表1のcoke H(チャー)と、表2のバインダ又はバインダと水とを含むバインダ水溶液とを配合して混練機で混合し、炭材とバインダと場合によって水を含む混合物を得た。バインダの種類、及び、親水性ポリマーに対する水の重量比は、表5のとおりである。
バインダ(番号4)を用いた比較例3−4では、親水性ポリマーに代えて疎水性ポリマーを用いたため、水を配合しなかった。混合物における炭材に対する親水性ポリマー(疎水性ポリマー)の重量比は、表5に示すとおりである。得られた混合物を、実施例1−1と同様にして成型してマセック形状の成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、加熱前の圧壊強度と加熱後の圧壊強度を測定した。加熱前の圧壊強度を「圧壊強度(1)」、加熱後の圧壊強度を「圧壊強度(2)」として、測定結果を表5に纏めて示す。
Figure 0005762653
各実施例の成型炭は、加熱前及び加熱後において、高い圧壊強度(1500N以上)を有していることが確認された。圧壊強度(1)に対する圧壊強度(2)の比は、いずれの実施例も、80%以上であった。このような成型炭は、優れた火格子機能を有することが求められる廃棄物溶融炉用の熱源として好適に用いることができる。圧壊強度(1)に対する圧壊強度(2)の比は、実施例3−1〜3−4が90%以上であり高かった。これらの実施例で用いたバインダは、高い粘着力を有するとともに、炭材との接点も多いことから、加熱前のみならず加熱後にも十分に高い圧壊強度を維持できることが確認された。一方、各比較例の成型炭は、各実施例の成型炭よりも圧壊強度が低く、加熱すると粉状に崩壊してしまうものもあった。
(比較例4−1〜4−12)
表6に示すとおり、表1のcoke K(石油コークス)と、表2のバインダ又はバインダと水とを含むバインダ水溶液とを配合して混練機で混合し、炭材とバインダと場合によって水を含む混合物を得た。バインダの種類、及び、親水性ポリマーに対する水の重量比は、表6のとおりである。
バインダ(番号4)を用いた比較例4−4では、親水性ポリマーに代えて疎水性ポリマーを用いたため、水を配合しなかった。混合物における炭材に対する親水性ポリマー(疎水性ポリマー)の重量比は、表6に示すとおりである。得られた混合物を、実施例1−1と同様にして成型してマセック形状の成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、加熱前の圧壊強度と加熱後の圧壊強度を測定した。加熱前の圧壊強度を「圧壊強度(1)」、加熱後の圧壊強度を「圧壊強度(2)」として、測定結果を表6に纏めて示す。
Figure 0005762653
炭材として、上記式(1)及び(2)の両方を満足しないcoke K(石油コークス)を用いた表6の各比較例では、親水性ポリマーを用いた場合であっても、1500N以上の圧壊強度を有する成型炭を得ることができなかった。
(実施例5)
表2の番号10のバインダ(親水性ポリマー)と水とを配合してバインダ水溶液を調製した。このとき、親水性ポリマーと水との配合割合を変えて、親水性ポリマーと水との重量比の異なる複数種類のバインダ水溶液を調製した。表1のcoke Aと調製したバインダ水溶液とを混練機で混合して、水の含有率が異なる複数の混合物を得た。各混合物を調製するにあたり、炭材に対する親水性ポリマーの重量比は一定とした。すなわち、炭材100重量部に対して、番号10のバインダ(親水性ポリマー)を10重量部配合した。
調製した混合物を、ダブルロール成型機を用いて線圧2ton/cmで成型して成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、成型炭の加熱後の圧壊強度を測定した。これらの測定結果を図7にプロットした。
図7は、横軸を親水性ポリマーに対する水の重量比、縦軸を加熱後の成型炭の圧壊強度とし、データをプロットしたものである。図7に示すとおり、親水性ポリマーに対する水の重量比が0.5〜1.6の範囲において、極めて高い圧壊強度(2500N以上)が得られた。一方、バインダに対する水の重量比が1.8を超えると、圧壊強度は依然として高いものの、重量比が0.5〜1.6の範囲に比べると、圧壊強度が若干低下することが確認された。これは、水の含有率が高くなると、成型性が低下すること、及び、乾燥の際に水の蒸発量が増えて、成型炭に多量の気孔及びクラックが生じるためであると考えられる。
(実施例6)
表1のCoke Aと表2のバインダ(番号10)とを用いたこと、及び、成型圧を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして成型炭を作製した。すなわち、ダブルロール成型機の線圧を図8に示すように変更した場合の成型炭の圧壊強度(加熱後)の変化を調べた。
図8は、ダブルロール成型機の線圧と、加熱後の成型炭の圧壊強度との関係を示すグラフである。図8に示すとおり、線圧が2〜6ton/cmの範囲で圧壊強度が極めて高くなることが確認された。一方、線圧が高くなり過ぎると、圧壊強度が若干低くなることが確認された。これは、成型圧が過大になると、成型炭に残存するメニスカスの量が減少して、却って成型不良の原因となること、及び、乾燥時に蒸発する水分の逃げ道がなくなってクラック等が生じること等の要因が考えられる。
(実施例7)
表1のcoke Aと、これとはみかけ密度が異なる複数種類の炭材を準備した。準備した炭材は、いずれも石炭粉コークスであり、灰分:13.3重量%、揮発分:0.8重量%、固定炭素:85.9重量%であった。表2のバインダ(番号10)と水とを含むバインダ水溶液[水/親水性ポリマー=1.0(重量基準)]を準備した。炭材と、上述のとおり調製したバインダ水溶液を配合して混練機で混合し、炭材と親水性ポリマーと水とを含む混合物を得た。このとき、炭材のみかけ密度に応じて、炭材に対する親水性ポリマーの混合比を変えて、成型炭におけるバインダ水溶液の飽和度が90%となるように混合した。混合物において、炭材に対する親水性ポリマーの重量比は、0.1〜0.15であった。
得られた混合物を、ダブルロール成型機を用いて線圧2ton/cmで成型して、複数の成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、成型炭の加熱後の圧壊強度を測定した。
(実施例8)
成型炭におけるバインダ水溶液の飽和度が70%となるように炭材に対する親水性ポリマーの混合比を変えたこと以外は、実施例7と同様にして成型炭を作製して、加熱後の圧壊強度を測定した。混合物において、炭材に対する親水性ポリマーの重量比は、0.08〜0.12であった。
(実施例9)
成型炭におけるバインダ水溶液の飽和度が40%となるように炭材に対する親水性ポリマーの混合比を変えたこと以外は、実施例7と同様にして成型炭を作製して、加熱後の圧壊強度を測定した。混合物において、炭材に対する親水性ポリマーの重量比は、0.06〜0.10であった。
図9は、実施例7〜9における炭材のみかけ密度と成型炭の加熱後の圧壊強度との関係を示すグラフである。図9に示すデータから、みかけ密度の高い炭材を用いることによって、加熱後の圧壊強度が向上することが確認された。また、同一のみかけ密度で比較すると、実施例7が最も高い圧壊強度を有していた。このことから、炭材の粒子間の間隙(間隙の合計体積:V)のバインダ水溶液による充填率を高くすることによって、加熱後の圧壊強度が向上することが確認された。
(実施例10−1〜10−2、比較例10−1、参考例1)
表1のcoke A、又はcoke Gと、表2のバインダ又はバインダと水とを含むバインダ水溶液とを配合して混練機で混合し、炭材とバインダと場合によって水を含む混合物を得た。炭材及びバインダの種類、及び親水性ポリマーに対する水の重量比は、表7のとおりである。
混合物における炭材に対する親水性ポリマー(疎水性ポリマー)の重量比は、表7に示すとおりである。得られた混合物を、実施例1−1と同様にして成型してマセック形状の成型炭(ブリケット)を作製した。実施例1−1と同様にして、加熱前の圧壊強度と加熱後の圧壊強度を測定した。加熱前の圧壊強度を「圧壊強度(1)」、加熱後の圧壊強度を「圧壊強度(2)」として、測定結果を表7に纏めて示す。
各実施例及び比較例の成型炭又は通常の高炉コークス(参考例)を、図5に示すような廃棄物溶融炉に用いて、廃棄物溶融炉の運転を行った。そして、廃棄物の底部における溶融物(スラグ)の温度を測定した。廃棄物溶融炉の運転において、溶融物の温度が1400℃以上のものを「○」、1400℃未満のものを「×」と評価した。これらの結果を表7に示す。これらと同様にして、実施例1−3及び比較例3−6の成型炭を用いて、廃棄物溶融炉の運転を行い、評価を行った。これらの結果も併せて表7に示す。
Figure 0005762653
表7に示すとおり、各実施例の成型炭は、加熱後の圧壊強度が十分に高いことから、廃棄物溶融炉の溶融物の温度を1400℃以上に維持できることが確認された。
高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法を提供することができる。また、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭を提供することができる。また、高温環境下においても高い圧壊強度を維持することが可能な廃棄物溶融炉用の成型炭の好適な使用方法を提供することができる。
10…炭材、12…バインダ、14…水、16…バインダ水溶液、20,41…成型炭、40…廃棄物溶融炉、40a…乾燥・予熱帯、40b…熱分解帯、40c…燃焼・溶融帯、42…シャフト部、43…熱分解残渣、44…朝顔部、45…上段羽口、46…炉底部、47…下段羽口、48…廃棄物、49…出滓口、50…装入装置、52…排ガス管、60…測定装置、62…油圧ジャッキ、64…可動板、68…固定板、100…廃棄物溶融設備。

Claims (12)

  1. 炭材とバインダとを含む混合物を成型して成型炭を得る成型工程を有し、
    前記炭材は、下記式(1)又は(2)を満たし、
    前記バインダは、数平均分子量が1100以上の親水性ポリマーを含んでおり、
    前記親水性ポリマーはリグニンスルホン酸塩を含む、廃棄物溶融炉用の成型炭の製造方法。
    VM<5 (1)
    Ash≧0.8×VM−4 (但し、5≦VM≦14である。) (2)
    [式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。]
  2. 前記成型工程の前に石炭を乾留してチャーを調製する調製工程を有し、
    前記炭材は前記チャーを含有する、請求項1に記載の成型炭の製造方法。
  3. 前記炭材は、石炭、石炭粉コークス、チャー、石油コークス及び飛灰から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の成型炭の製造方法。
  4. 前記混合物における前記炭材に対する前記親水性ポリマーの重量比が0.06〜0.2である、請求項1〜のいずれか一項に記載の成型炭の製造方法。
  5. 前記バインダ及び水を含むバインダ水溶液と前記炭材とを混合する混合工程をさらに有し、
    前記バインダ水溶液における前記親水性ポリマーに対する前記水の重量比が0.5〜1.6である、請求項1〜のいずれか一項に記載の成型炭の製造方法。
  6. 前記混合物を1〜8ton/cmの線圧、又は0.4〜3.2ton/cmの面圧で成型する、請求項1〜のいずれか一項に記載の成型炭の製造方法。
  7. 前記炭材のみかけ密度が1g/ml以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の成型炭の製造方法。
  8. 前記成型炭を、空気中、1000℃で30分間加熱した後の圧壊強度が1500N以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の成型炭の製造方法。
  9. 炭材とバインダとを含む、廃棄物溶融炉用の成型炭であって、
    前記炭材は、下記式(1)又は式(2)を満たし、
    前記バインダは、数平均分子量が1100以上の親水性ポリマーを含んでおり、
    前記親水性ポリマーはリグニンスルホン酸塩を含む、成型炭。
    VM<5 (1)
    Ash≧0.8×VM−4 (但し、5≦VM≦14である。) (2)
    [式(1)及び(2)中、VMは揮発分(質量%)を示し、Ashは灰分(質量%)を示す。]
  10. 圧壊強度が1500N以上である、請求項9に記載の成型炭。
  11. 前記炭材に対する前記親水性ポリマーの重量比が0.06〜0.2である、請求項9又は10に記載の成型炭。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の成型炭を廃棄物溶融炉に装入し、前記成型炭を前記廃棄物溶融炉の熱源として使用する工程を有する、成型炭の使用方法。
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