JP2013087308A - 金属ナノ粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子の凝集、融着や金属の炭化を抑制しながら金属ナノ粒子の結晶子径を増大させて耐焼結性を向上させる。
【解決手段】平均粒子径20〜120nmの範囲内の原料金属ナノ粒子10を準備する工程と、原料金属ナノ粒子10を、芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素又はその水素化物、あるいは芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒中で、200℃〜320℃の範囲内の温度で加熱する熱処理工程と、を備えた金属ナノ粒子の製造方法。非極性有機溶媒は、ナフタレン、フェナントレン、メチルナフタレン、ビフェニル、ジエチルジフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンジルトルエン、ベンジルジフェニル、水素化トリフェニル、テトラリン、ジシクロヘキシルベンゼン及びシクロヘキシルビフェニル等を含むものが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、焼結性に優れた金属ナノ粒子及びその製造方法に関し、より詳しくは、例えば積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の内部電極形成用の導電ペーストなどに好適に利用できる金属ナノ粒子及びその製造方法に関する。
MLCCは、セラミック誘電体と内部電極を交互に積層して圧着した後、焼結して一体化したものとして得られる。MLCCに使用される内部電極用の金属微粒子は、MLCCの小型化、高容量化を図るために微細化の方向にある。従って、粗大粒子のないシャープな粒度分布を有する粒子径100nm以下の金属ナノ粒子の使用が望まれるようになっている。しかし、金属微粒子は、微細化することにより表面エネルギーが高くなり、低温で溶融しやすくなる傾向があり、耐焼結性が低下する。例えば、内部電極材料としてニッケルナノ粒子を用いる場合、1,000℃を超えるセラミック誘電体の焼結温度に比べて、ニッケルナノ粒子の焼結温度は数百℃程度と低いため、両者の焼結時における膨張・収縮による体積変化等の挙動が異なり、層間剥離やクラックを生じるおそれがある。
現在、熱CVD(化学気相成長)法やプラズマCVD法などの気相法では、得られる粒子径がばらばらで、平均粒子径が100nm以下の金属ナノ粒子を分級する技術は未完成である。また、分級の精度も満足できるものではなく、200nmを超える粗大粒子を完全に除去することはできていないことから、粗大粒子による電極層同士のショートによる不良が問題となっている。
一方、液相法で合成される金属ナノ粒子は、気相法で合成されるものより粒度分布が狭いため上記内部電極材料の用途に適している。しかし、液相法では気相法に比べて、元々の熱履歴が低いことから、結晶子径が気相法に比べて小さく、より低温で焼結してしまう傾向がある。そのような挙動は、MLCC製造工程での誘電体層と内部電極層とのデラミネーションにつながり、製品不良を引き起こす可能性が懸念されている。従って、液相法で合成される金属ナノ粒子については、低温での焼結性の改善が望まれている。
金属微粒子の焼結性の改善として、金属微粒子の表面を処理する技術が提案されている。たとえば、特許文献1では、気相法により作成されたニッケル微粒子に関するものであるが、0.4μm径のニッケル微粒子を有機チタネート溶液で処理して有機複合皮膜を形成する方法を提案している。また、特許文献2では、チタンアルコキシド及び/又はバリウムアルコキシドにより表面処理したパラジウム粉末を100〜300℃で焼成して得られる導電性粉末を有機ビヒクルと混合する電極用導電性塗料の製造方法を提案している。しかし、特許文献1、2の方法では、いずれも満足できる耐焼結性が得られていないのが現状である。
金属微粒子(特に金属ナノ粒子)の耐焼結性を向上させるための一つの方法として、熱処理(焼鈍、アニール)を行い、結晶子径を大きくすることが考えられる。しかし、有機溶媒中で高温での熱処理を行うと、金属微粒子の表面状態によって金属微粒子どうしが凝集や融着を引き起こすという問題や、金属微粒子自体の触媒作用によって有機溶媒が分解し、有機溶媒由来の炭素分が金属微粒子中に固溶して炭化し、金属微粒子の結晶構造がfccからhcpに変化してしまうという問題があった(例えば、特許文献3参照)。
特開2001−355003号公報 特開平7−242845号公報 国際公開WO2011/115213号
本発明の目的は、粒子の凝集、融着や金属の炭化を抑制しながら金属ナノ粒子の結晶子径を増大させて耐焼結性を向上させる方法を提供することである。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、平均粒子径20〜120nmの範囲内の原料金属ナノ粒子を準備する工程と、
前記原料金属ナノ粒子を、芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素又はその水素化物、あるいは芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒中で、200℃〜320℃の範囲内の温度で加熱する熱処理工程と、
を備えている。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法において、前記熱処理工程は、前記金属ナノ粒子の結晶子径が、熱処理前の原料金属ナノ粒子に比べ3〜300%増加する条件で行ってもよい。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、前記非極性有機溶媒が、2〜3個の芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素、前記芳香族系炭化水素の1個以上の芳香環が水素化された水素化物、2〜3個の芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物、及び前記芳香族系エーテル化合物の1個以上の芳香環が水素化された水素化物からなる群より選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、前記非極性有機溶媒が、ナフタレン、フェナントレン、メチルナフタレン、ビフェニル、ジエチルジフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンジルトルエン、ベンジルジフェニル、水素化トリフェニル、テトラリン、ジシクロヘキシルベンゼン及びシクロヘキシルビフェニルからなる群より選ばれる1種以上を含むものであってもよい。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、前記熱処理工程をマイクロ波照射により行ってもよい。この場合、前記マイクロ波の照射が、パルス照射であってもよい。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法において、前記原料金属ナノ粒子は、酸素原子を0.2〜5.0重量%の範囲内で含有し、かつ、炭素原子を0.5〜5.0重量%の範囲内で含有する原料ニッケルナノ粒子であってもよい。この場合、前記原料ニッケルナノ粒子が、液相でのマイクロ波照射により得られたCV値が0.2以下のニッケルナノ粒子であってもよい。
また、本発明の金属ナノ粒子の製造方法は、前記原料ニッケルナノ粒子が、次の工程A及びB;
A)カルボン酸ニッケル及び1級アミンを含む混合物を、100℃〜165℃の範囲内の温度に加熱して錯化反応液を得る錯化反応液生成工程、
及び、
B)該錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱して該錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、1級アミンで被覆された原料ニッケルナノ粒子のスラリーを得る原料ニッケルナノ粒子スラリー生成工程、
を含む工程を行うことにより調製されたものであってもよい。
本発明の金属ナノ粒子は、上記いずれかに記載の方法により製造された金属ナノ粒子である。
本発明の金属ナノ粒子の製造方法によれば、200℃〜320℃の範囲内の温度での熱処理によって粒子を構成する結晶子を大きくすることが可能なため、金属ナノ粒子の焼結温度を大幅に向上させることが可能となる。また、本発明方法では、熱処理を芳香族系炭化水素又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒中で行うことによって、金属ナノ粒子の炭化を防ぐことができる。このように、焼結温度が高い金属ナノ粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。
ニッケル錯体の構造を示す図であり、(a)は二座配位を、(b)は単座配位を、(c)は外圏にカルボン酸イオンが配位した状態をそれぞれ示す。 熱処理によるニッケルナノ粒子の結晶子径の変化を模式的に説明する図面である。 実施例1で得たニッケルナノ粒子の熱機械分析(TMA)の結果を示すチャートである。 実施例1で得たニッケルナノ粒子の熱重量分析(TGA)の結果を示すチャートである。 実施例1で得たニッケルナノ粒子のXRD分析の結果を示すチャートである。 比較例3で得たニッケルナノ粒子のXRD分析の結果を示すチャートである。
本実施の形態の金属ナノ粒子の製造方法は、平均粒子径20〜120nmの範囲内の原料金属ナノ粒子を準備する工程と、前記原料金属ナノ粒子を芳香族系炭化水素又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒中で、200℃〜320℃の範囲内の温度で加熱する熱処理工程と、を備えている。
[金属ナノ粒子を準備する工程]
本実施の形態の金属ナノ粒子の製造方法において、原料金属ナノ粒子(熱処理の対象となる原料として用いる金属ナノ粒子)を構成する金属種としては、例えば、Co、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、Ru、In、及びそれらの合金等を挙げることができる。これらの中でも、磁性金属であるCo、Fe、Ni、その合金は、熱処理工程をマイクロ波照射によって行うことが可能であるため好ましい。
原料金属ナノ粒子の平均粒子径は、例えば積層セラミックスコンデンサ(MLCC)の内部電極形成用の導電ペーストなどへの利用を考慮すると、20〜120nmの範囲内であり、30〜100nmの範囲内とすることが好ましい。また、特に平均粒子径が100nm以下の原料金属ナノ粒子は、元来耐焼結性が低いため、本発明方法による耐焼結性の向上効果が大きく得られる。また、原料金属ナノ粒子の粒子径分布は狭いほどよく、CV値が例えば0.2以下であることが好ましい。このような原料金属ナノ粒子を調製する方法は特に限定されるものではなく、例えば液相法、気相法等の方法で調製したものを用いることができるが、液相法で調製したものは粒度分布が狭いために好ましい。また、液相法で調製した原料金属ナノ粒子は、気相法で調製した原料金属ナノ粒子に比べ、元々の熱履歴が少ないことから、焼結しやすい傾向があり、本発明方法による耐焼結性改善の効果が大きく得られる。
液相法による原料金属ナノ粒子の製造方法では、少なくとも1種類の金属塩を溶媒中に溶解又は分散させた溶液を用い、例えば加熱還元、水熱合成、還元剤による還元等によって金属ナノ粒子を得ることができる。金属塩の種類は特に限定されないが、得られる原料金属ナノ粒子を構成する金属の種類に応じて金属塩の種類を選択することができる。金属塩としては、例えば、水酸化物、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩、β−ジケトナト塩等が挙げられる。この中でも、還元工程での解離温度(分解温度)が比較的低いカルボン酸塩を用いることが有利であるが、得られる原料金属ナノ粒子における結晶性が低く、すなわち得られる原料金属ナノ粒子における結晶子が小さいので、本発明の効果を得られやすい。
原料金属ナノ粒子の調製方法の詳細については、後でニッケルナノ粒子を具体例に挙げて説明する。
[熱処理工程]
熱処理工程は、原料金属ナノ粒子を、芳香族系炭化水素又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒(以下、単に「非極性有機溶媒」と記すことがある)中で、200℃〜320℃の範囲内で加熱することにより行われる。ここで、主成分とするとは、全非極性有機溶媒中に芳香族系炭化水素又はその水素化物を合計で50体積%以上含むことを意味する。
本実施の形態の金属ナノ粒子の製造方法に使用する非極性有機溶媒としては、金属ナノ粒子と化学反応を起こし難く、またそれ自体の熱分解を生じないという観点から、芳香族系炭化水素又はその水素化物を使用するが、2〜3個の芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素、前記芳香族系炭化水素の1個以上の芳香環が水素化された水素化物、2〜3個の芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物、前記芳香族系エーテル化合物の1個以上の芳香環が水素化された水素化物などが好ましく、このような化合物の具体例として、例えばナフタレン、フェナントレン、メチルナフタレン、ビフェニル、ジエチルジフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンジルトルエン及びベンジルジフェニルなどの芳香族系炭化水素、例えば水素化トリフェニル、テトラリン、ジシクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルビフェニルなどの前記芳香族系炭化水素の水素化物等を含む溶媒が挙げられ、これらは単独又は2種以上を混合して使用してもよい。また、非極性有機溶媒の沸点を200℃以上とすることによって、原料金属ナノ粒子の結晶子の成長を効率的に進行させることができる。
熱処理工程は、金属ナノ粒子の耐焼結性を十分に高めるために、原料金属ナノ粒子を基準にして、熱処理後に得られる金属ナノ粒子の結晶子径を好ましくは3〜300%、より好ましくは10〜100%の範囲内で増加させる条件で行う。熱処理の温度は、金属種によっても異なるが、おおむね200℃〜320℃の範囲内が好ましく、250〜300℃の範囲内がより好ましい。熱処理温度が、200℃未満では原料金属ナノ粒子の結晶子の成長が進まないため、結晶子を大きくして耐焼結性を向上させる効果が十分に得られず、逆に320℃を超えると、金属が溶融して金属ナノ粒子どうしの融着が生じ、凝集が発生することがある。また、同様の観点から、熱処理の時間は、上記温度範囲において、1〜300分の範囲内とすることが好ましく、5〜60分の範囲内がより好ましい。
熱処理工程では、非極性有機溶媒中で、原料金属ナノ粒子を加熱する。熱処理工程は、原料金属ナノ粒子を非極性溶媒中に均一に分散させた状態で行うことが好ましい。非極性有機溶媒を加熱する手段は特に限定されるものではなく、例えば、マイクロ波照射、オイルバス、マントルヒーター等の方法で行うことができる。これらの中でも、非極性有機溶媒中に分散した原料金属ナノ粒子に対し局所的エネルギーを与え、均一かつ急速な加熱が可能なマイクロ波照射が好ましい。
[マイクロ波照射による熱処理工程の具体例]
次に、本発明の好ましい実施の形態として、原料金属ナノ粒子が液相法で調製されたニッケルナノ粒子(以下、「原料ニッケルナノ粒子」と記すことがある)である場合を例に挙げて、マイクロ波照射による熱処理工程の内容を具体的に説明する。ここでは、原料ニッケルナノ粒子は、液相でのマイクロ波照射により合成され、表面に水酸基を有する平均粒子径20〜100nmの範囲内のニッケルナノ粒子である。この原料ニッケルナノ粒子は、その全重量に対して、酸素原子を0.2〜5.0重量%の範囲内で含有し、かつ、炭素原子を0.5〜5.0重量%の範囲内で含有することが好ましい。これらの酸素原子及び炭素原子は、液相反応による原料ニッケルナノ粒子の合成過程で、原料ニッケルナノ粒子の表面に、水酸化物又は有機物として付着したものである。なお、原料ニッケルナノ粒子は、ニッケル以外の金属を含むニッケル合金のナノ粒子であってもよい。この場合、ニッケル以外の金属として、例えば、銅、コバルト等を挙げることができる。ニッケル合金におけるニッケル以外の金属の含有量は、耐酸化性などの熱的安定性を維持し、コストを抑制する観点から、例えば5〜80重量%の範囲内であることが好ましい。
<原料ニッケルナノ粒子を調製する工程>
まず、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法において出発原料となる、表面に水酸基を有する平均粒子径20〜100nmの範囲内のニッケルナノ粒子(原料ニッケルナノ粒子)を製造する方法について説明する。原料ニッケルナノ粒子は、次の工程A及びB;
A)カルボン酸ニッケル及び1級アミンを含む混合物を、100℃〜165℃の範囲内の温度に加熱して錯化反応液を得る錯化反応液生成工程、
及び、
B)該錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱して該錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、1級アミンで被覆された原料ニッケルナノ粒子のスラリーを得る原料ニッケルナノ粒子スラリー生成工程、
を含むマイクロ波照射による液相法により調製することができる。
工程A)錯化反応液生成工程:
(カルボン酸ニッケル)
カルボン酸ニッケル(カルボン酸のニッケル塩)は、カルボン酸の種類を限定するものではなく、例えば、カルボキシル基が1つのモノカルボン酸であってもよく、また、カルボキシル基が2つ以上のカルボン酸であってもよい。また、非環式カルボン酸であってもよく、環式カルボン酸であってもよい。このようなカルボン酸ニッケルとして、非環式モノカルボン酸ニッケルを好適に用いることができ、非環式モノカルボン酸ニッケルのなかでも、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、プロピオン酸ニッケル、シュウ酸ニッケル、安息香酸ニッケル等を用いることがより好ましい。これらの非環式モノカルボン酸ニッケルを用いることによって、例えば、得られる原料ニッケルナノ粒子は、その形状のばらつきが抑制され、均一な形状として形成されやすくなる。カルボン酸ニッケルは、無水物であってもよく、また水和物であってもよい。
なお、カルボン酸ニッケルに代えて、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等の無機塩を用いることも考えられるが、無機塩の場合、解離(分解)が高温であるため、解離後のニッケルイオン(又はニッケル錯体)を還元する過程で更なる高い温度での加熱が必要となるため好ましくない。また、Ni(acac)(β-ジケトナト錯体)、ステアリン酸ニッケル等の有機配位子により構成されるニッケル塩を用いることも考えられるが、これらのニッケル塩を用いると、原料コストが高くなり好ましくない。
(1級アミン)
1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成することができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)に対する還元能を効果的に発揮する。一方、2級アミンは立体障害が大きいため、ニッケル錯体の良好な形成を阻害するおそれがあり、3級アミンはニッケルイオンの還元能を有しないため、いずれも単独では使用できないが、1級アミンを使用する上で、生成する原料ニッケルナノ粒子の形状に支障を与えない範囲でこれらを併用することは差し支えない。1級アミンは、ニッケルイオンとの錯体を形成できるものであれば、特に限定するものではなく、常温で固体又は液体のものが使用できる。ここで、常温とは、20℃±15℃をいう。常温で液体の1級アミンは、ニッケル錯体を形成する際の有機溶媒としても機能する。なお、常温で固体の1級アミンであっても、100℃以上の加熱によって液体であるか、又は有機溶媒を用いて溶解するものであれば、特に問題はない。
1級アミンは、芳香族1級アミンであってもよいが、反応液におけるニッケル錯体形成の容易性の観点からは脂肪族1級アミンが好適である。脂肪族1級アミンは、例えばその炭素鎖の長さを調整することによって生成するナノ粒子の粒径を制御することができ、特に平均粒径が20nm〜100nmの範囲内にあるナノ粒子を製造する場合において有利である。ナノ粒子の粒径を制御する観点から、脂肪族1級アミンは、その炭素数が6〜20程度のものから選択して用いることが好適である。炭素数が多いほど得られるナノ粒子の粒径が小さくなる。このようなアミンとして、例えばオクチルアミン、トリオクチルアミン、ジオクチルアミン、ヘキサデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ミリスチルアミン、ラウリルアミン等を挙げることができる。例えばオレイルアミンは、ナノ粒子生成過程に於ける温度条件下において液体状態として存在するため均一溶液で反応を効率的に進行できる。
1級アミンは、ナノ粒子の生成時に表面修飾剤として機能するため、1級アミンの除去後においても二次凝集を抑制できる。また、1級アミンは、還元反応後の生成したナノ粒子の固体成分と溶剤または未反応の1級アミン等を分離する洗浄工程における処理操作の容易性の観点からは室温で液体のものが好ましい。更に、1級アミンは、ニッケル錯体を還元して原料ニッケルナノ粒子を得るときの反応制御の容易性の観点からは還元温度より沸点が高いものが好ましい。すなわち、脂肪族1級アミンにおいては沸点が180℃以上のものが好ましく、200℃以上のものがより好ましく、また、炭素数が9以上のものが好ましい。ここで、例えば炭素数が9である脂肪族アミンのC21N(ノニルアミン)の沸点は201℃である。1級アミンの量は、ニッケル1molに対して2mol以上用いることが好ましく、2.2mol以上用いることがより好ましく、4mol以上用いることが望ましい。1級アミンの量が2mol未満では、得られる原料ニッケルナノ粒子の粒子径の制御が困難となり、粒子径がばらつきやすくなる。また、1級アミンの量の上限は特にはないが、例えば生産性の観点からは20mol以下とすることが好ましい。
(有機溶媒)
工程Aでは、均一溶液での反応をより効率的に進行させるために、1級アミンとは別の有機溶媒を新たに添加してもよい。有機溶媒を用いる場合、有機溶媒をカルボン酸ニッケル及び1級アミンと同時に混合してもよいが、カルボン酸ニッケル及び1級アミンを先ず混合し錯形成した後に有機溶媒を加えると、1級アミンが効率的にニッケル原子に配位するので、より好ましい。使用できる有機溶媒としては、1級アミンとニッケルイオンとの錯形成を阻害しないものであれば、特に限定するものではなく、例えば炭素数4〜30のエーテル系有機溶媒、炭素数7〜30の飽和又は不飽和の炭化水素系有機溶媒、炭素数8〜18のアルコール系有機溶媒等を使用することができる。また、マイクロ波照射による加熱条件下でも使用を可能とする観点から、使用する有機溶媒は、沸点が170℃以上のものを選択することが好ましく、より好ましくは200〜300℃の範囲内にあるものを選択することがよい。このような有機溶媒の具体例としては、例えばテトラエチレングリコール、n−オクチルエーテル等が挙げられる。
2価のニッケルイオンは配位子置換活性種として知られており、形成する錯体の配位子は温度、濃度によって容易に配位子交換により錯形成が変化する可能性がある。例えばカルボン酸ニッケルおよび1級アミンの混合物を熱処理して反応液を得る工程において、用いるアミンの炭素鎖長等の立体障害を考慮すると、例えば、図1に示すようなカルボン酸イオン(RCOO、RCOO)が二座配位(a)または単座配位(b)いずれかで配位する可能性があり、さらにアミンの濃度が大過剰の場合は外圏にカルボン酸イオンが存在する(c)の少なくとも3種の可能性がある。目的とする反応温度(還元温度)に於いて均一溶液とするには少なくともA、B、C、D、E、Fの配位子のうち少なくとも一箇所は1級アミンが配位している必要がある。その状態をとるには、1級アミンが過剰に反応溶液内に存在している必要があり、少なくともニッケルイオン1molに対し2mol以上存在していることが好ましく、2.2mol以上存在していることがより好ましく、4mol以上存在していることが望ましい。
この錯形成反応は室温に於いても進行することができるが、十分且つ、より効率の良い錯形成反応を行うために、100℃〜165℃の範囲内の温度に加熱して反応を行う。この加熱は、カルボン酸ニッケルとして、例えばギ酸ニッケル2水和物や酢酸ニッケル4水和物のようなカルボン酸ニッケルの水和物を用いた場合に特に有利である。加熱温度は、好ましくは100℃を超える温度とし、より好ましくは105℃以上の温度とすることで、カルボン酸ニッケルに配位した配位水と1級アミンとの配位子置換反応が効率よく行われ、この錯体配位子としての水分子を解離させることができ、さらにその水を系外に出すことができるので効率よく錯体を形成させることができる。例えば、ギ酸ニッケル2水和物は、室温では2個の配位水と2座配位子である2個のギ酸イオンが存在した錯体構造をとっているため、この2つの配位水と1級アミンの配位子置換により効率よく錯形成させるには、100℃より高い温度で加熱することでこの錯体配位子としての水分子を解離させることが好ましい。また、カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成反応における熱処理は、後に続くニッケル錯体(又はニッケルイオン)のマイクロ波照射による加熱還元の過程と確実に分離し、前記の錯形成反応を完結させるという観点から、上記の上限温度以下とし、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下とすることがよい。
加熱時間は、加熱温度や、各原料の含有量に応じて適宜決定することができるが、錯形成反応を完結させるという観点から、10分以上とすることが好ましい。加熱時間の上限は特にないが、長時間熱処理することはエネルギー消費及び工程時間を節約する観点から無駄である。なお、この加熱の方法は、特に制限されず、例えばオイルバスなどの熱媒体による加熱であっても、マイクロ波照射による加熱であってもよい。
カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成反応は、カルボン酸ニッケルと1級アミンとを有機溶媒中で混合して得られる溶液を加熱したときに、溶液の色の変化によって確認することができる。また、この錯形成反応は、例えば紫外・可視吸収スペクトル測定装置を用いて、300nm〜750nmの波長領域において観測される吸収スペクトルの吸収極大の波長を測定し、原料の極大吸収波長(例えばギ酸ニッケル2水和物ではその極大吸収波長は710nmであり、酢酸ニッケル4水和物ではその極大吸収波長は710nmである。)に対する錯化反応液のシフト(極大吸収波長が600nmにシフト)を観測することによって確認することができる。
カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成が行われた後、得られる反応液を、次に説明するように、マイクロ波照射によって加熱することにより、ニッケル錯体のニッケルイオンが還元され、ニッケルイオンに配位しているカルボン酸イオンが同時に分解し、最終的に酸化数が0価のニッケルを含有する金属ニッケルナノ粒子(原料ニッケルナノ粒子)が生成する。一般にカルボン酸ニッケルは水を溶媒とする以外の条件では難溶性であり、マイクロ波照射による加熱還元反応の前段階として、カルボン酸ニッケルを含む溶液は均一反応溶液とする必要がある。これに対して、本実施の形態で使用される1級アミンは、使用温度条件で液体であり、かつそれがニッケルイオンに配位することで液化し、均一反応溶液を形成すると考えられる。
工程B)ナノ粒子スラリー生成工程:
本工程では、カルボン酸ニッケルと1級アミンとの錯形成反応によって得られた錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱し、錯化反応液中のニッケルイオンを還元して1級アミンで被覆された原料ニッケルナノ粒子スラリーを得る。マイクロ波照射によって加熱する温度は、得られるナノ粒子の形状のばらつきを抑制するという観点から、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上とすることがよい。加熱温度の上限は特にないが、処理を能率的に行う観点からは例えば270℃以下とすることが好適である。なお、マイクロ波の使用波長は、特に限定するものではなく、例えば2.45GHzである。なお、加熱温度は、例えばカルボン酸ニッケルの種類や原料ニッケルナノ粒子の核発生を促進させる添加剤の使用などによって、適宜調整することができる。
本工程では、マイクロ波が反応液内に浸透するため、均一加熱が行われ、かつ、エネルギーを媒体に直接与えることができるため、急速加熱を行うことができる。これにより、反応液全体を所望の温度に均一にすることができ、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元、核生成、核成長各々の過程を溶液全体において同時に生じさせ、結果として粒径分布の狭い単分散な粒子を短時間で容易に製造することができる。
均一な粒径を有するナノ粒子を生成させるには、工程Aの錯化反応液生成工程(ニッケル錯体の生成が行われる工程)でニッケル錯体を均一にかつ十分に生成させることと、本工程Bのマイクロ波照射によって加熱する工程で、ニッケル錯体(又はニッケルイオン)の還元により生成するニッケル(0価)の核の同時発生・成長を行う必要がある。すなわち、錯化反応液生成工程の加熱温度を上記の特定の範囲内で調整し、ナノ粒子スラリー生成工程におけるマイクロ波による加熱温度よりも確実に低くしておくことで、粒径・形状の整った粒子が生成し易い。例えば、錯化反応液生成工程で加熱温度が高すぎるとニッケル錯体の生成とニッケル(0価)への還元反応が同時に進行し異種の金属種が発生することで、ナノ粒子スラリー生成工程での粒子形状の整った粒子の生成が困難となるおそれがある。また、ナノ粒子スラリー生成工程の加熱温度が低すぎるとニッケル(0価)への還元反応速度が遅くなり核の発生が少なくなるため粒子が大きくなるだけでなく、ナノ粒子の収率の点からも好ましくはない。
マイクロ波照射によって加熱して得られる原料ニッケルナノ粒子スラリーを、例えば、静置分離し、上澄み液を取り除いた後、適当な溶媒を用いて洗浄し、乾燥することで、原料ニッケルナノ粒子が得られる。ナノ粒子スラリー生成工程においては、必要に応じ、前述した有機溶媒を加えてもよい。なお、前記したように、錯形成反応に使用する1級アミンを有機溶媒としてそのまま用いることが好ましい。
以上のようにして、表面に水酸基を有する平均粒子径20〜100nmの範囲内の原料ニッケルナノ粒子を調製することができる。なお、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法は、上記工程A、Bを含む原料ニッケルナノ粒子を調製する工程と、熱処理工程とを含む一連のプロセスとすることができる。
例えば、MLCCの内部電極用の用途に適したニッケルナノ粒子の平均粒子径は、一般に20〜150nmの範囲内である。しかし、本実施の形態では、最終的に得られるニッケルナノ粒子の焼結温度をより効率的に向上させるために、原料ニッケルナノ粒子の平均粒子径を20〜100nmの範囲内とし、好ましくは30〜100nmの範囲内とする。また、同様の観点から、原料ニッケルナノ粒子の粒子径分布は狭いほどよく、CV値が0.2以下であることが好ましい。ニッケル錯体を原料として、液相でのマイクロ波照射を行うことにより、上記平均粒子径及びCV値を有する原料ニッケルナノ粒子を調製できる。
<熱処理工程>
マイクロ波照射によって原料ニッケルナノ粒子を加熱する温度は、得られるニッケルナノ粒子の耐焼結性を十分に高くする観点から、原料ニッケルナノ粒子を基準にして、熱処理後のニッケルナノ粒子の結晶子径を好ましくは3〜300%、より好ましくは10〜100%の範囲内で増加させる条件で行う。原料ニッケルナノ粒子の結晶子径を所望の増加率で成長させるには、熱処理工程における加熱温度と加熱時間を適切に管理することが重要である。
具体的には、マイクロ波加熱による原料ニッケルナノ粒子の加熱温度は、結晶子径の増加率が上記範囲内になるように結晶子を十分に成長させて、得られるニッケルナノ粒子の耐焼結性を十分に高くする観点から、例えば200℃以上とする必要があり、250℃以上が好ましく、280℃以上とすることがより好ましい。加熱温度の上限は、ニッケルナノ粒子の融着や凝集を防ぐとともに、エネルギー効率を考慮して、例えば320℃以下とすることが好ましく、300℃以下とすることがより好ましい。加熱時間は、結晶子径の増加率が上記範囲内になるように結晶子を十分に成長させて、得られるニッケルナノ粒子の耐焼結性を十分に高くする観点から、例えば5分間以上が好ましく、10分間以上がより好ましい。加熱時間の上限はニッケルナノ粒子の融着や凝集を防ぐとともに、エネルギー効率を考慮して、例えば300分間以下が好ましく、30分間以下がより好ましい。従って、原料ニッケルナノ粒子を加熱する温度は、200℃〜320℃の範囲内が好ましく、250〜300℃の範囲内がより好ましい。また、加熱時間は、上記温度範囲において、5〜300分の範囲内とすることが好ましく、10〜30分の範囲内がより好ましい。
熱処理工程で使用するマイクロ波の使用波長は、特に限定されるものではなく、例えば2.45GHzを用いることができる。
本実施の形態では、マイクロ波が非極性有機溶媒内に浸透し、非極性有機溶媒中に分散した原料ニッケルナノ粒子に直接エネルギーを与えて加熱するため、均一かつ、急速加熱を行うことができる。すなわち、表面に水酸基を有する平均粒子径20〜100nmの範囲内の原料ニッケルナノ粒子を非極性有機溶媒に分散させ、マイクロ波照射することにより、磁性体である原料ニッケルナノ粒子が局部的にマイクロ波を吸収し、加熱される。そして、熱処理によって、原料ニッケルナノ粒子の表面に存在する水酸基が分離、除去される。また、マイクロ波を照射するメリットとして、原料ニッケルナノ粒子が局部的に加熱されることから結晶子を成長させることが可能となり、結晶子を大きくして焼結温度を高めることができる。
マイクロ波の照射方法としては、連続照射でもよいし、パルス照射でもよい。例えば、予め原料ニッケルナノ粒子が非極性有機溶媒中で高い分散状態を保持できる処理(高分散処理)を施されているものを使用する場合は、原料ニッケルナノ粒子同士の接触が抑制され、原料ニッケルナノ粒子の局部加熱によるニッケルナノ粒子同士の焼結による凝集が抑制されるので連続照射が好ましい。一方、高分散処理が施されていない原料ニッケルナノ粒子を使用する場合には、連続照射では非極性有機溶媒中で原料ニッケルナノ粒子にエネルギーが集中し、局部加熱によるニッケルナノ粒子の焼結や放電が生じやすくなる傾向があるので、パルス照射が好ましい。パルス照射の条件としては、例えば0.5〜2秒間照射と0.5〜5秒間停止を繰り返すことが好ましい。
<ニッケルナノ粒子>
以上のようにして、結晶子が大きく、耐焼結性に優れたニッケルナノ粒子を製造することができる。ニッケルナノ粒子の平均粒子径は、熱処理前とほぼ同じであり、20〜100nm範囲内であることが好ましく、30〜100nmの範囲内がより好ましい。また、ニッケルナノ粒子の粒子径分布は狭いほどよく、CV値が0.2以下であることが好ましい。このニッケルナノ粒子は、熱処理前の原料ニッケルナノ粒子に比べ、結晶子径が好ましくは3〜300%の範囲内で大きくなっているため、焼結温度が原料ニッケルナノ粒子に比べて50℃以上(好ましくは100℃以上)高く、耐焼結性が改善されている。従って、熱処理工程を経て得られるニッケルナノ粒子は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極等の材料として好適に用いることができる。
マイクロ波照射による液相法によって合成された原料ニッケルナノ粒子は、平均粒子径20〜100nmの範囲内で非常に粒度分布が狭く、150nmを超える粗大粒子を完全に排除することも可能である。しかし、原料ニッケルナノ粒子は、XRD測定でシェラーの式により算出される結晶子の大きさが5〜25nmと小さく、また粒子表面には、2〜6nmの水酸化物の皮膜が生成している。そのために、熱機械分析(TMA)による測定では、H/N雰囲気での5%熱収縮温度は250〜300℃であり、気相法で得られる同じ粒子径のニッケルナノ粒子(結晶子の大きさが40〜50nmで、ニッケル粒子表面は1〜2nmの酸化皮膜)に比べて約100℃程度低い温度になる。このように、マイクロ波照射による液相法にて合成された原料ニッケルナノ粒子の耐焼結性が気相法によるものに比べ低い温度になる原因は、結晶子が小さいためと、水酸化物皮膜の存在により高温度で脱水反応が生じ、表面水酸基が縮合して、粒子自体が収縮するためと考えられる。
そこで、本実施の形態では、表面に水酸基を有する原料ニッケルナノ粒子に対し、非極性有機溶媒中でマイクロ波照射加熱を行う。このマイクロ波照射加熱により、原料ニッケルナノ粒子からニッケルナノ粒子に変化する過程を図2に模式的に示した。図2(a)は、原料ニッケルナノ粒子10の断面構造を示している。マイクロ波照射による液相法で合成された原料ニッケルナノ粒子10は、複数の結晶子10aの集合体として構成されており、その表面には、無数の水酸化物が付着している。図2(b)は、原料ニッケルナノ粒子10を非極性有機溶媒中でマイクロ波加熱して得られたニッケルナノ粒子100の断面構造を示している。ニッケルナノ粒子100は、複数の結晶子10aの集合体である。液相法にてマイクロ波照射で合成され、表面に水酸基を有するニッケルナノ粒子10に対し、非極性有機溶媒中で、マイクロ波照射加熱を行うことにより得られたニッケルナノ粒子100は、表面の水酸基が除去されている。また、高沸点の非極性有機溶媒中でマイクロ波照射により原料ニッケルナノ粒子10を局部的に加熱することによって、大きな熱エネルギーにより、原料ニッケルナノ粒子10を構成する結晶子10aを成長させ、結晶子10aのサイズが大きくなっている。図2では、マイクロ波加熱前の原料ニッケルナノ粒子10を構成する結晶子10aの粒子サイズをL、マイクロ波加熱後のニッケルナノ粒子100を構成する結晶子10aの粒子サイズをLで示した。この関係は、L>Lとなる(なお、図2ではLとLとの違いを誇張して表現している)。このように結晶子サイズを大きくすることによって、ニッケルナノ粒子100の焼結温度を高める効果が得られる。
以上のように、本実施の形態のニッケルナノ粒子の製造方法では、表面に水酸基を有する平均粒子径20〜100nmの範囲内の原料ニッケルナノ粒子10にマイクロ波照射による熱処理を行うことにより、効果的に粒子表面の水酸基を除去し、凝集を抑制できる。また、マイクロ波加熱によって粒子を構成する結晶子を大きくすることが可能なため、焼結温度が高いニッケルナノ粒子100が得られる。このように、平均粒子径が20〜100nmの範囲内であり、かつ焼結温度が高いニッケルナノ粒子100は、例えば積層セラミックコンデンサの内部電極の材料として好適に用いることができる。
上記説明では、ニッケルナノ粒子を例に挙げて本発明の製造方法を詳しく説明したが、他の金属ナノ粒子についても、上記の説明を参照して製造できる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
[金属粒子の平均粒子径]
金属粒子の平均粒子径は、SEM(走査電子顕微鏡)により試料の写真を撮影して、その中から無作為に200個を抽出して、その平均粒径(面積平均径)と標準偏差を求めた。CV値(変動係数)は(標準偏差)÷(平均粒径)によって算出した。
[金属粒子の結晶子径]
粉末X線回折(XRD)結果からシェラーの式により算出した。
[熱機械分析(TMA)、熱重量分析(TGA)、5%熱収縮温度]
試料を5Φ×2mmの円柱状成型器に入れ、プレス成型して得られる成型体を作製し、窒素ガス(水素ガス3%含有)の雰囲気下で、熱機械分析(TMA)および熱重量分析(TGA)を行った。また、熱機械分析装置(TMA)により測定される5%熱収縮の温度を5%熱収縮温度とした。
合成例1
144.9gのミリスチルアミンに18.5gのギ酸ニッケル二水和物を加え、窒素フロー下、120℃で10分間加熱することによって、ギ酸ニッケルを溶解させて錯化反応液を得た。次いで、その錯化反応液に、さらに96.6gのミリスチルアミンを加え、マイクロ波を用いて180℃で10分間加熱することによって、Niナノ粒子スラリー1aを得た。
Niナノ粒子スラリー1aを静置分離し、上澄み液を取り除いた後、ヘキサンとメタノールを用いて洗浄した後、60℃に維持される真空乾燥機で6時間乾燥してNiナノ粒子1b(ニッケル含有率;96.4wt%、平均粒子径;80nm、結晶子径;20nm、CV値;0.2、5%熱収縮温度;280℃)を得た。このNiナノ粒子1bは、元素分析の結果、C;1.1、N;0.1以下、O;2.5(単位は重量%)であった。
[実施例1]
ガラス製の反応容器中で、非極性有機溶媒の水素化トリフェニル(沸点350℃)の200g中に合成例1で得られたNiナノ粒子1bを20g分散させた。この反応容器をマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.0kWのマイクロ波を照射することによって、300℃、30分間加熱処理を行い、ニッケルナノ粒子1を得た。得られたニッケルナノ粒子1の5%熱収縮温度は530℃であり、XRD分析による結晶子径は22.8nmであり、結晶子径の増加率は15%であった。なお、平均粒子径は、熱処理前と変わらなかった。
実施例1で得たニッケルナノ粒子1の熱機械分析(TMA)の結果を図3に、熱重量分析(TGA)の結果を図4に、XRD分析の結果を図5に、それぞれ示した。図3および図4より、耐焼結性が大幅に改善されていることが確認された。また、図5より、fcc構造に特有のピークが確認されたことから、金属ニッケルの結晶構造が維持されていた。なお、図3、図4には、熱処理前のニッケルナノ粒子1bの分析結果も併記した。
[実施例2]
ガラス製の反応容器中で、非極性有機溶媒のメチルナフタレン(沸点240℃)の200g中に合成例1で得られたNiナノ粒子1bを20g分散させた。この反応容器をマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.0kWのマイクロ波を照射することによって、240℃、30分間加熱処理を行い、ニッケルナノ粒子2を得た。得られたニッケルナノ粒子2の5%熱収縮温度は400℃であり、XRD分析による結晶子径は21.5nmであり、結晶子径の増加率は7.5%であった。なお、平均粒子径は、熱処理前と変わらなかった。
[実施例3]
実施例1における2.45GHz、1.0kWのマイクロ波照射による300℃、30分間加熱処理の代わりに、2.45GHz、1.0kWでパルス間隔をオン1.5秒、オフ 0.5秒の条件でマイクロ波照射による300℃、30分間加熱処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして、ニッケルナノ粒子3を得た。得られたニッケルナノ粒子3の5%熱収縮温度は660℃であり、XRD分析による結晶子径は24.8nmであり、結晶子径の増加率は24%であった。なお、平均粒子径は、熱処理前と変わらなかった。
[実施例4]
実施例1における2.45GHz、1.0kWのマイクロ波照射による300℃、30分間加熱処理の代わりに、オイルバスによる300℃、30分間加熱処理を行ったこと以外、実施例1と同様にして、ニッケルナノ粒子4を得た。得られたニッケルナノ粒子4の5%熱収縮温度は330℃であり、XRD分析による結晶子径は20.8nmであり、結晶子径の増加率は4%であった。なお、平均粒子径は、熱処理前と変わらなかった。
[実施例5]
実施例2における非極性有機溶媒としてメチルナフタレン(沸点240℃)の200gを使用したことの代わりに、ジフェニルエーテル(沸点257℃)の200gを使用したこと以外、実施例2と同様にして、ニッケルナノ粒子5を得た。得られたニッケルナノ粒子5の5%熱収縮温度は400℃であり、XRD分析による結晶子径は21.5nmであり、結晶子径の増加率は7.5%であった。なお、平均粒子径は、熱処理前と変わらなかった。
[比較例1]
実施例1において、マイクロ波照射による加熱温度を180℃とした以外は、実施例1と同様にして、Niナノ粒子1bに対し熱処理を行った。得られたニッケルナノ粒子の5%熱収縮温度は280℃であり、XRD分析による結晶子径は19.9nmであった。
[比較例2]
実施例1において、マイクロ波照射による加熱温度を150℃とした以外は、実施例1と同様にして、Niナノ粒子1bに対し熱処理を行った。得られたニッケルナノ粒子の5%熱収縮温度は280℃であり、XRD分析による結晶子径は19.9nmであった。
[比較例3]
実施例1において、水素化トリフェニルに替えてポリオキシエチレンオレイルアミンエーテル中にNiナノ粒子1bを分散させた以外は実施例1と同様にして、Niナノ粒子1bに対し熱処理を行った。得られたニッケルナノ粒子の5%熱収縮温度は530℃であった。比較例3で得たニッケルナノ粒子のXRD分析の結果を図6に示した。SEMによる観察では、ニッケルナノ粒子の融着が観察され、XRD分析により、hcp構造に特有のピーク(図6中、丸印で示す)が確認され、炭化が進んでいることが判明した。
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはない。
10…原料ニッケルナノ粒子、10a…結晶子、100…ニッケルナノ粒子

Claims (10)

  1. 平均粒子径20〜120nmの範囲内の原料金属ナノ粒子を準備する工程と、
    前記原料金属ナノ粒子を、芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素又はその水素化物、あるいは芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物又はその水素化物を主成分とする沸点が200℃以上の非極性有機溶媒中で、200℃〜320℃の範囲内の温度で加熱する熱処理工程と、
    を備えた金属ナノ粒子の製造方法。
  2. 前記熱処理工程は、前記金属ナノ粒子の結晶子径が、熱処理前の原料金属ナノ粒子に比べ3〜300%増加する条件で行う請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  3. 前記非極性有機溶媒が、2〜3個の芳香環が縮合若しくは単結合した芳香族系炭化水素、前記芳香族系炭化水素の1個以上の芳香環が水素化された水素化物、2〜3個の芳香環が酸素原子によって連結した芳香族系エーテル化合物、及び前記芳香族系エーテル化合物の1個以上の芳香環が水素化された水素化物からなる群より選ばれる1種以上を含むものである請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  4. 前記非極性有機溶媒が、ナフタレン、フェナントレン、メチルナフタレン、ビフェニル、ジエチルジフェニル、ジフェニルエーテル、ジベンジルトルエン、ベンジルジフェニル、水素化トリフェニル、テトラリン、ジシクロヘキシルベンゼン及びシクロヘキシルビフェニルからなる群より選ばれる1種以上を含むものである請求項1に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  5. 前記熱処理工程をマイクロ波照射により行う請求項1から4のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  6. 前記マイクロ波の照射が、パルス照射である請求項5に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  7. 前記原料金属ナノ粒子は、酸素原子を0.2〜5.0重量%の範囲内で含有し、かつ、炭素原子を0.5〜5.0重量%の範囲内で含有する原料ニッケルナノ粒子である請求項1から6のいずれか1項に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  8. 前記原料ニッケルナノ粒子が、液相でのマイクロ波照射により得られたCV値が0.2以下のニッケルナノ粒子である請求項7に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  9. 前記原料ニッケルナノ粒子が、次の工程A及びB;
    A)カルボン酸ニッケル及び1級アミンを含む混合物を、100℃〜165℃の範囲内の温度に加熱して錯化反応液を得る錯化反応液生成工程、
    及び、
    B)該錯化反応液を、マイクロ波照射によって170℃以上の温度に加熱して該錯化反応液中のニッケルイオンを還元し、1級アミンで被覆された原料ニッケルナノ粒子のスラリーを得る原料ニッケルナノ粒子スラリー生成工程、
    を含む工程を行うことにより調製されたものである、請求項8に記載の金属ナノ粒子の製造方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の方法により製造された金属ナノ粒子。
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