JP2013084935A - 交流駆動静電チャック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被吸着物を載置する側の主面に形成された突起部と、前記突起部の周辺に形成された底面部と、を有する誘電体基板と、前記誘電体基板に設けられた電極と、を備え、前記電極は、互いに離間して配設された複数の電極要素を含み、互いに異なる位相の交流電圧が前記複数の電極要素のそれぞれに印加可能とされ、前記突起部は、前記複数の電極要素の形状に応じて所定の間隔で前記主面上に配置されたことを特徴とする交流駆動静電チャックが提供される。
【選択図】図4
Description
ここで、静電チャックの載置面と被吸着物とが擦れ合うとパーティクルが発生するおそれがある。また、静電チャックの載置面と被吸着物との接触面積が大きくなると被吸着物の吸着脱離応答性が悪くなるおそれがある。
そのため、静電チャックの載置面側に突起部を設けることで接触面積を小さくし、パーティクル汚染の抑制と被吸着物の吸着脱離応答性の向上とを図る技術が知られている。
図1は、本発明の実施の形態にかかる交流駆動静電チャックを例示するための断面模式図である。
なお、図1(a)は、交流駆動静電チャックを例示するための断面模式図である。図1(b)は、図1(a)に表したA部の拡大模式図である。図1(c)は、接触式粗さ計を用いて図1(b)に表したB部を測定したグラフ図である。
また、電極4が設けられた誘電体基板3の主面と、絶縁体層5が設けられた基台2の主面と、が絶縁性接着剤で接着されている。この絶縁性接着剤が硬化したものが、接合層6となる。なお、図1(a)に表した交流駆動静電チャック1は、誘電体基板3と絶縁体層5とを接合した構造を有するが、図2で後述するように電極を誘電体基板に内蔵した構造を有していてもよい。
図1(c)に表したように、本願明細書における「頂面」とは、突起部3aの中心軸から振り分けにL2の長さの範囲内に有る部分をいう。ここで、L2は、突起部3aの底部の長さL1の80%の長さである。
突起部3aの頂面3a1は、例えば曲面を有している。頂面3a1の外側は、曲面であってもよいし、直線状の面であってもよい。
さらに、貫通孔11と連通する放射状や同心円状の図示しないガス分配溝(凹状の溝)を底面部3bに設けることができる。この様なガス分配溝を設けるようにすれば、ガス分配速度を早めることができる。
誘電体基板3の材料の体積抵抗率は、例えば、静電チャックの使用温度領域(例えば、室温(25℃程度))で108Ωcm以上である。
なお、本願明細書における体積抵抗率は、JIS規格(JIS C 2141:1992電気絶縁用セラミックス材料試験方法)に示される方法を用いて測定した値である。この場合の測定については、静電チャックの使用温度領域で行うことができる。
なお、図2(a)は、交流駆動静電チャックを例示するための断面模式図である。図2(b)は、図2(a)に表したF部の拡大模式図である。
このような交流駆動静電チャック1aは、例えば、グリーンシート印刷積層法などを用いて製造される。
また、図4は、本実施形態の電極と突起部との配置関係を例示する平面模式図である。 また、図5は、比較例にかかる交流駆動静電チャックの電極のパターンを例示する平面模式図である。
また、図6は、比較例にかかる交流駆動静電チャックの電極と突起部との配置関係を例示する平面模式図である。
なお、図4(a)および図6(a)は、誘電体基板3の主面に対して垂直にみたときの交流駆動静電チャックを表す平面模式図である。図4(b)は、図4(a)に表したC部の拡大模式図である。図6(b)は、図6(a)に表したD部の拡大模式図である。
比較例にかかる交流駆動静電チャック1bでは、図3および図4に関して前述した交流駆動静電チャック1と同様に、電極4は、複数の電極要素を含む。複数の電極要素のそれぞれは、互いに離間して配設されている。そのため、図6(b)に表したように、互いに隣り合う電極4同士の間には、間隙14が存在する。複数の電極要素のそれぞれには、互いに異なる位相の交流電圧を印加することができる。
また、図8は、突起部を拡大して眺めた拡大模式図である。
また、図9は、直流駆動静電チャックの突起部を拡大して眺めた拡大模式図である。
なお、図7(a)は、第2相電極4bに印加される電圧がゼロの場合を例示する平面模式図である。図7(b)は、第3相電極4cに印加される電圧がゼロの場合を例示する平面模式図である。図7(a)および図7(b)では、基台2および絶縁体層5を省略している。また、図8(a)は、図7(a)に表したE部の拡大模式図である。図8(b)は、図7(b)に表したG部の拡大模式図である。
直流駆動静電チャックにおいては、電極に直流電圧が印加されると、被吸着物20は、直流駆動静電チャックに吸着され保持される。このとき、被吸着物20は、突起部3aと接触する。続いて、電極に印加する直流電圧をゼロとすると、被吸着物20に作用していた吸着力が解除され、被吸着物20を直流駆動静電チャックから離脱させることができる。続いて、他の被吸着物20に対しても同様の動作が行われる。そのため、図9に表した矢印のように、被吸着物20と突起部3aとの当接あるいは衝突が繰り返され、被吸着物20と突起部3aとが振動することはほとんどない。そのため、突起部3aと被吸着物20とが局所的に擦れ合い、突起部3aの一部が局所的に損傷するおそれは少ない。
また、図12は、比較例にかかる交流駆動静電チャックを用いて本発明者が実施した被吸着物の変位量の測定結果およびシミュレーション結果の一例を例示するグラフ図である。
また、図13は、図12に表した測定結果およびシミュレーション結果における測定位置およびデータ位置を表す平面模式図である。
なお、図15は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。
なお、図16は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。
なお、図17(a)は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。図17(b)は、図17(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
なお、図18(a)は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。図18(b)は、図18(a)に表した切断面B−Bにおける断面模式図である。
なお、図19(a)は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。図19(b)は、図19(a)に表した切断面C−Cにおける断面模式図である。
なお、図20(a)は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。図20(b)は、図20(a)に表した切断面D−Dにおける断面模式図である。
また、図22は、本実施形態の突起部を選択的に配置した断面模式図である。
なお、図21は、図4(a)に表したC部の拡大模式図に相当する。図22(a)は、突起部が電極4の中心線4d上に存在する場合を例示する断面模式図である。図22(b)は、最外周から2周目に配置された突起部が電極4の中心線4dよりも外周方向へ選択的に移動した位置に配置された場合を例示する断面模式図である。
また、図7および図8に関して前述したように、三相交流電圧の印加パターンが時間の経過に伴って切り替わることで、被吸着物20は、局所的に突起部3aから浮き上がったり突起部3aと当接したりするなどの振動をする。本発明者の検討の結果、被吸着物20の変位量は、誘電体基板3の主面に対して垂直にみたときの外周部においてより大きいことが分かった。
なお、図23(a)は、誘電体基板の主面の中央部に配置された突起部を表す断面模式図である。図23(b)は、誘電体基板の主面の外周部に配置された突起部を表す断面模式図である。
図24は、本実施形態の電極のパターンの変形例を例示する平面模式図である。
なお、図24は、誘電体基板3の主面に対して垂直にみたときの交流駆動静電チャックを表す平面模式図である。これは、図25〜図32に関して後述する変形例についても、同様である。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1cの電極4は、扇形を呈する。そして、扇形を呈する電極4が周方向に略均一に配置されている。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1dの電極4は、三角形を呈する。但し、誘電体基板3の主面の外周部に配置された電極4は、三角形ではなく、三角形のうちの一辺が誘電体基板3の外周の形状に倣った形状を呈する。そして、電極4が誘電体基板3の主面の全体にわたって略均一に配置されている。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1eの電極4は、四角形を呈する。但し、誘電体基板3の主面の外周部に配置された電極4は、四角形ではなく、四角形あるいは三角形のうちの一辺が誘電体基板3の外周の形状に倣った形状を呈する。そして、電極4が誘電体基板3の主面の全体にわたって略均一に配置されている。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1fの電極4は、扇形の一部の形状を呈する。そして、二点鎖線で表した扇形4fの内部における複数の電極4が1つの群を形成している。複数の電極4により群を形成された扇形4fは、周方向に略均一に配置されている。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1gの電極4は、六角形を呈する。そして、電極4は、誘電体基板3の主面の全体にわたって例えばハニカム形状のように配置されている。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1hの電極4は、複数の電極要素を含む。複数の電極要素は、略渦巻き状に配置されている。本変形例にかかる交流駆動静電チャック1hでは、6極の電極4が設けられている。そして、6極のうちの2極ずつの電極4が対をなしている。つまり、6極の電極4は、三対をなしている。そのため、本変形例にかかる交流駆動静電チャック1hの電極4には、三相交流電圧が印加される。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1iの電極4は、複数の電極要素を含む。複数の電極要素は、略同心円状に配置されている。本変形例にかかる交流駆動静電チャック1iでは、6極の電極4が設けられている。そして、6極のうちの2極ずつの電極4が対をなしている。つまり、6極の電極4は、三対をなしている。そのため、本変形例にかかる交流駆動静電チャック1iの電極4には、三相交流電圧が印加される。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1jの電極4は、櫛歯状を呈する。本変形例にかかる交流駆動静電チャック1jでは、6極の電極4が設けられている。そして、6極のうちの2極ずつの電極4が対をなしている。そして、対をなす電極4は、一方の電極4の互いに隣り合う櫛歯同士の間に、他方の電極4の櫛歯が入り込むように配置されている。6極の電極4は、三対をなしている。そのため、本変形例にかかる交流駆動静電チャック1iの電極4には、三相交流電圧が印加される。
本変形例にかかる交流駆動静電チャック1kの電極4は、複数の電極要素を含む。複数の電極要素は、同心円状に配置されている。本変形例にかかる交流駆動静電チャック1kでは、5極の電極4が設けられている。
図33は、電極幅と耐衝撃指数との関係の一例を例示するグラフ図である。
図33に表した横軸は、電極4の電極幅を表す。図33に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。本願明細書において、「耐衝撃指数」は、「引張強度(引張り強さ)/衝撃応力(衝撃値)」で定義される。
図34に表した横軸は、隣り合う電極4同士の間隔を表す。隣り合う電極4同士の間隔とは、すなわち間隙14が延在する方向に対して垂直方向にみたときの間隙14の幅である。図34に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。耐衝撃指数は、図33に関して前述した如くである。
図35に表した横軸は、隣り合う突起部3a同士の中心間の間隔(ドットピッチ)を表す。図35に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。耐衝撃指数は、図33に関して前述した如くである。
図36に表した横軸は、誘電体基板3の主面に対して垂直にみたときに誘電体基板3の主面全体の面積に対する突起部3aの頂面の面積の比率(接触面積比)を表す。なお、誘電体基板3の外周部および図示しない貫通孔の周囲の少なくともいずれかにリング状の突起部が配設された場合には、突起部3aの頂面の面積は、リング状の突起部の頂面の面積を含むものとする。図36に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。耐衝撃指数は、図33に関して前述した如くである。
図37に表した横軸は、突起部3aの径を表す。図37に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。耐衝撃指数は、図33に関して前述した如くである。
図38に表した横軸は、突起部3aの頂面の算術平均粗さRaを表す。なお、誘電体基板3の外周部および図示しない貫通孔の周囲の少なくともいずれかにリング状の突起部が配設された場合には、突起部3aの頂面は、リング状の突起部の頂面を含むものとする。図38に表した縦軸は、誘電体基板3の耐衝撃指数を表す。耐衝撃指数は、図33に関して前述した如くである。
また、電極4に印加される交流電圧の波形としては、例えば正弦波や矩形波などが挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。電極4に印加される交流電圧の実効値や振幅や位相についても、特に限定されるわけではない。電極4に印加される交流電圧の周波数としては、例えば約0.1ヘルツ(Hz)〜500Hz程度が挙げられるが、これだけに限定されるわけではない。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (16)
- 被吸着物を載置する側の主面に形成された突起部と、前記突起部の周辺に形成された底面部と、を有する誘電体基板と、
前記誘電体基板に設けられた電極と、
を備え、
前記電極は、互いに離間して配設された複数の電極要素を含み、
互いに異なる位相の交流電圧が前記複数の電極要素のそれぞれに印加可能とされ、
前記突起部は、前記複数の電極要素の形状に応じて所定の間隔で前記主面上に配置されたことを特徴とする交流駆動静電チャック。 - 前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上に存在することを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上ではない位置に存在することを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記複数の電極要素のそれぞれは、延在する部分を有し、
前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上において、前記部分の前記延在する方向に延びる中心線の上ではない位置に存在することを特徴とする請求項2記載の交流駆動静電チャック。 - 前記複数の電極要素のうちの隣接する電極要素のあいだに設けられた間隙は、延在する部分を有し、
前記突起部は、前記間隙を前記主面に投影した投影面の上において、前記部分の前記延在する方向に延びる中心線の上ではない位置に存在することを特徴とする請求項3記載の交流駆動静電チャック。 - 複数の前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上において、前記中心線に対して対称の位置に存在することを特徴とする請求項4記載の交流駆動静電チャック。
- 複数の前記突起部は、前記間隙を前記主面に投影した投影面の上において、前記中心線に対して対称の位置に存在することを特徴とする請求項5記載の交流駆動静電チャック。
- 前記複数の電極要素のうちの隣接する電極要素のあいだに設けられた間隙は、延在する部分を有し、
複数の前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上において、前記部分の前記延在する方向に延びる中心線に対して対称の位置に存在することを特徴とする請求項2記載の交流駆動静電チャック。 - 前記複数の電極要素のそれぞれは、延在する部分を有し、
前記突起部は、前記複数の電極要素を前記主面に投影した投影面の上において、前記部分の前記延在する方向に延びる中心線の上に存在することを特徴とする請求項2記載の交流駆動静電チャック。 - 前記複数の電極要素のうちの隣接する電極要素のあいだに設けられた間隙は、延在する部分を有し、
前記突起部は、前記間隙を前記主面に投影した投影面の上において、前記部分の前記延在する方向に延びる中心線の上に存在することを特徴とする請求項3記載の交流駆動静電チャック。 - 前記主面の中央部に配置された隣り合う突起部同士の間隔は、前記主面の外周部に配置された隣り合う突起部同士の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記主面の中央部に配置された隣り合う電極同士の間隔は、前記主面の外周部に配置された隣り合う電極同士の間隔よりも狭いことを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記主面に対して垂直にみたときに、前記主面の全体の面積に対する中央部に配置された前記突起部の頂面の面積の比率は、前記主面の全体の面積に対する外周部に配置された前記突起部の頂面の面積の比率よりも高いことを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記主面の外周部に配置された前記突起部の径は、前記主面の中央部に配置された前記突起部の径と同一または前記主面の中央部に配置された前記突起部の径よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の交流駆動静電チャック。
- 前記主面に対して垂直にみたときに、前記主面の外周部に配置された前記突起部は、前記主面の中央部に配置された前記突起部の配置パターンよりも外周方向へ選択的に移動した位置に配置されたことを特徴とする請求項9または10に記載の交流駆動静電チャック。
- 前記主面に対して垂直にみたときに最外周から2周目に配置された突起部は、前記主面に対して垂直にみたときに最外周から2周目以外に配置された突起部の配置パターンよりも外周方向へ選択的に移動した位置に配置されたことを特徴とする請求項9または10に記載の交流駆動静電チャック。
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