JP6901547B2 - 半導体製造用部品 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば半導体ウェハの製造に用いられる静電チャック、CVD(chemical vapor deposition)ヒータ、サセプター等の半導体製造用部品に関するものである。
従来、半導体製造装置では、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)に対して、ドライエッチング(例えばプラズマエッチング)等の処理が行われている。このドライエッチングの精度を高めるためには、半導体ウェハを確実に固定しておく必要があるので、半導体ウェハを固定する半導体製造用部品として、静電引力によって半導体ウェハを固定する静電チャックが提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
具体的には、図14に示すように、静電チャックP1では、セラミック基板P2の内部に静電電極P3を有しており、その静電電極P3に電圧を印加させた際に生じる静電引力を用いて、半導体ウェハをセラミック基板P2の上面(吸着面)に吸着させるようになっている。また、セラミック基板P2の内部には、半導体ウェハを加熱するために発熱体P4が配置されている。
この種の静電チャックP1としては、セラミック基板P2の下面(接合面)に、例えば樹脂材料等からなる接着剤層P5を介して、クーリングプレートとして機能する金属基板P6が接合されたものが知られている。
前記接着剤層P5の材料としては、例えばシリコーン樹脂等からなる熱硬化型接着剤が使用されている。この熱硬化型接着剤を使用してセラミック基板P2と金属基板P6とを接合する場合には、例えば、金属基板P6の上面(接合面)に、粘性を有する熱硬化型接着剤を塗布し、その上にセラミック基板P2を被せ、圧力を加えながら加熱して熱硬化型接着剤を硬化させて、セラミック基板P2と金属基板P3とを接合していた。
特開2014−165267号公報 特許4409373号公報
しかしながら、上述した構造の静電チャックP1では、セラミック基板P2と金属基板P6との熱膨張率が異なるので、不具合が生じることがある。
つまり、静電チャックP1全体の温度は製造時や使用時などに変化するので、上述した熱膨張率の違いによって、セラミック基板P2と接着剤層P5との界面の外周側の端部P7や、接着剤層P5と金属基板P6との界面の外周側の端部P8に熱応力が集中し、その界面にて接着剤層P5の剥離が発生することがある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、セラミック基板と接着剤層との界面や接着剤層と金属基板との界面で剥離が発生することを抑制できる半導体製造用部品を提供することにある。
(1)本発明の第1局面は、セラミック基板の主面とセラミック基板より熱膨張率の大
きな金属基板の主面とが接着剤層により接合された半導体製造用部品に関するものである。
この半導体製造用部品では、半導体製造用部品を厚み方向から見た場合に(即ち平面視で)、セラミック基板の外周部は、金属基板の外周部に一致するか(即ち平面視で同じ位置)又は金属基板の外周部よりも中心部側に位置している。また、接着剤層の平面方向における外周部側には、全周にわたって、セラミック基板と金属基板とに挟まれた充填空間を有しており、その充填空間は、厚み方向に破断した断面形状として、接着剤層側よりも外周部側が広がった拡開部分を有している。そして、充填空間内の拡開部分には、セラミック基板と金属基板とに接するように接着剤が充填されている。
このように、第1局面では、上述した半導体製造用部品の外周部側の充填空間内の拡開部分に接着剤が充填されているので、セラミック基板と金属基板との熱膨張率が異なっていても、半導体製造用部品に不具合が生じにくい。
つまり、半導体製造用部品の温度が変動した場合でも、セラミック基板と接着剤が充填されている部分(以下接着部と称することがある)との界面の外周側の端部や、接着部と金属基板との界面の外周側の端部に熱応力が集中しにくいので、その界面にて接着剤の剥離が発生しにくいという効果を奏する。
ここで、熱応力が集中しにくい理由について簡単に説明する。
熱膨張率の異なるセラミック基板と金属基板とが、温度変化によって平面方向の寸法が変化した場合には、その間の接着剤に大きな応力(熱応力)が加わる。そのとき、接着剤の層が薄い(例えば100μm)場合には、その大きな応力がほぼそのまま接着剤に加わるので、接着剤はセラミック基板や金属基板から剥離し易い。
それに対して、第1局面のように、接着剤層の外周部側において、充填空間内に拡開部分が設けられ、その拡開部分に接着剤が充填されている場合には、拡開部分の接着剤に大きな応力が加わりにくい。つまり、接着剤に加わる応力は、拡大部分の大きな厚みの接着剤自身の伸びによって緩和されるので、セラミック基板や金属基板との界面には、それほど大きな応力が加わらない。これによって、接着剤の剥離が抑制されると考えられる。
また、セラミック基板と金属基板とを接着剤で接合する際に、セラミック基板と金属基板とを厚み方向に押し付けると、接着剤が外周方向に流れることがある。それに対して、第1局面では、半導体製造用部品の外周側に拡開部分を有する充填空間を備えるので、外周方向に流出した接着剤は、充填空間内の拡開部分に溜り易く、半導体製造用部品の外部に流出しにくい。
そのため、半導体製造用部品の外部に流出した接着剤で周囲が汚染されることを抑制することができる。また、例えばチャンバー内でプラズマエッチング等で半導体を製造する際に、半導体製造用部品の外部に流出した接着剤が無い場合には、接着剤がプラズマエッチングによって飛散する恐れが少ないので、チャンバー内の汚染を抑制できる。
(2)本発明の第2局面では、充填空間の断面形状は、外周部側が開口する溝の形状である。
第2局面は、充填空間の好ましい形状を例示したものである。
(3)本発明の第3局面では、セラミック基板及び金属基板の少なくとも一方に、充填空間を構成する切り欠きが形成されている。
第3局面は、充填空間の好ましい形状を例示したものである。ここでは、セラミック基板や金属基板の例えば角部等に切り欠き(例えば面取りや溝)を形成することにより、容
易に充填空間を構成することができる。
なお、ここで、切り欠きとは、セラミック基板や金属基板の表面に形成されて、接着剤を充填可能な空間(即ち充填空間内の拡開部分を構成する空間)である。
(4)本発明の第4局面では、金属基板の充填空間を構成する切り欠きは、金属基板の外周部の端部より接着剤層側に所定距離ずれた範囲に形成されている。
第4局面は、切り欠きを形成する好ましい位置を例示したものである。
(5)本発明の第5局面では、セラミック基板の外周面と充填空間側の表面との角部、及び金属基板の外周面と充填空間側の表面との角部の少なくとも一方は、曲面である。
第5局面では、上述した各角部は曲面であるので、接着剤が角部に到る場合でも、角部近傍の接着部に熱応力が集中しにくく、よって、接着剤が剥離しにくいという利点がある。
(6)本発明の第6局面では、金属基板の切り欠きの外周側の端面と金属部材の主面との角部は、曲面である。
第6局面では、前記角部は曲面であるので、接着剤が角部に到る場合でも、角部近傍の接着部に熱応力が集中しにくく、よって、接着剤が剥離しにくいという利点がある。
(7)本発明の第7局面では、充填空間の断面形状は、接着剤層側から外周側に向かって徐々に広がるテーパ形状である。
第7局面は、充填空間の断面形状の好ましい形状を例示したものである。
この第7局面では、充填空間が外周側に向かって広がるテーパ形状であるので、この充填空間内に充填された接着剤は、テーパ形状に広がらないような場合に比べて、剥離しにくいという効果がある。
(8)本発明の第8局面では、接着剤層を構成する接着剤と充填空間に充填された接着剤とが同一である。
これにより、同様な接着剤を用いて、簡易な工程によって、セラミック基板と金属基板とを容易に接合することができる。
(9)本発明の第9局面では、接着剤層を構成する接着剤(A)と充填空間に充填された接着剤(B)とが異なる接着剤であって、下記(1)〜(4)式のうち少なくとも1種の関係を満たす。
接着剤(A)の弾性率 >接着剤(B)の弾性率 ・・(1)
接着剤(A)のゴム硬度>接着剤(B)のゴム硬度 ・・(2)
接着剤(A)のちょう度<接着剤(B)のちょう度 ・・(3)
接着剤(A)の針入度 <接着剤(B)の針入度 ・・(4)
第9局面では、前記式(1)〜(4)に示すように、充填空間(特に拡開部分)に充填された接着剤(B)として、接着剤層を構成する接着剤(A)より柔らかい(即ち柔軟な)接着剤(B)を用いるので、熱応力の集中を一層低減でき、よって、接着剤の剥離を一層好適に抑制することができる。
つまり、充填空間に接着剤が充填されている充填部分(例えば外周接着部)に柔らかい接着剤(B)が用いられる場合には、その充填部分が所定の応力で引っ張られたとしても、接着剤(B)自身の伸びによって、充填部分の界面における応力が緩和されるので、界面における剥離を好適に抑制できる。
ここで、充填部分(例えば外周接着部)に、接着剤(A)を用いる場合と、接着剤(A)より柔らかい接着剤(B)を用いる場合とでは、作用効果が異なる。つまり、充填部分に柔らかい接着剤(B)を用いる場合には、それより硬い接着剤(A)を用いる場合に比べて、端部応力(平面方向において外部接着部に加わる応力)、剥離可能性(外部接着部が剥離する可能性)、反り(半導体製造用部品における反り)が、それぞれ小さくなると考えられる。
なお、弾性率については、JIS K6251の規定に従って求めた値を採用できる。
ゴム硬度については、JIS K6253−2の規定に従って求めた値を採用できる。
ちょう度については、JIS K2220の規定に従って求めた値を採用できる。
針入度については、JIS K2207の規定に従って求めた値を採用できる。
(10)本発明の第10局面は、前記セラミック基板に、発熱体を備えている。
この発熱体により、例えば半導体製造用部品に載置された半導体(例えば半導体ウェハ)を加熱することができる。
(11)本発明の第11局面は、前記セラミック基板に、更に静電電極を備えている。
この静電電極(即ち吸着用電極)により、例えば半導体製造用部品に載置された半導体(例えば半導体ウェハ)を吸着して保持することができる。
(12)本発明の第12局面は、前記セラミック基板に、更にRF電極を備えている。
このRF電極(高周波印加用電極)により、例えば半導体製造用部品に載置された半導体(例えば半導体ウェハ)に対して、例えばプラズマを用いた加工(例えばプラズマエッチング)を行うことができる。
<以下に、本発明の各構成について説明する>
・セラミック基板とは、セラミックを主成分(50質量%以上)とする基板(板状の部材)である。このセラミックの材料としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化イットリウム(イットリア)等が挙げられる。
なお、静電チャックに用いられるセラミック基板は、電気絶縁性を有するセラミック絶縁板である。
・主面とは、板材(基板)の厚み方向における表面のことである。
・充填空間とは、接着剤層より外周部側にて、セラミック基板と金属基板との間に挟まれた空間であり、拡開部分とは、充填空間内において外周部側が広がった部分であり、この拡開部分に接着剤が充填される。
・発熱体は、通電によって発熱する抵抗発熱体であり、この発熱体の材料としては、タングステン、タングステンカーバイド、モリブデン、モリブデンカーバイド、タンタル、白金等が挙げられる。
・静電電極とは、吸着用電極であり、その材料としては、タングステン、モリブデン等が挙げられる。
・金属基板は、金属又は合金からなる基板であり、金属基板の材料としては、銅、アルミニウム、鉄、チタンなどの金属、それらの金属の合金などを挙げることができる。
・接着剤層は、セラミック基板と金属基板とを接合させる接着剤を含む層又はその接着剤からなる層であり、接着剤の材料としては、例えば熱硬化型接着剤などを採用できる。
例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂材料、或いは、インジウムなどの金属材料を含む接着剤を選択することができる。なお、例えば、セラミック基板と金属基板との熱膨張係数の差が大きい場合には、接着剤層は、緩衝材としての機能の高い弾性変形可能な樹脂材料(例えばシリコーン樹脂)からなることが特に好ましい。
第1実施形態の静電チャックを一部破断して示す斜視図である。 第1実施形態の静電チャックを分解して示す斜視図である。 第1実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその一部を示す断面図である。 第1実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図である。 第1実施形態の静電チャックの製造方法を示す説明図である。 第2実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図である。 第2実施形態の静電チャックの金属基板の切り欠きの形成方法を示す説明図である。 第2実施形態の静電チャックの製造方法を示す説明図である。 (a)は第3実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図、(b)は第4実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図である。 (a)は第5実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図、(b)は第6実施形態の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を拡大して示す断面図である。 (a)は変形例1の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図、(b)は変形例2の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図、(c)は変形例3の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図である。 (a)は変形例4の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図、(b)は変形例5の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図、(c)は変形例6の静電チャックを厚み方向に破断しその外周部を示す断面図である。 (a)はCVDヒータを軸方向に沿って破断して示す断面図、(b)はサセプターを厚み方向に破断して示す断面図である。 従来技術の説明図である。
[1.第1実施形態]
ここでは、第1実施形態として、例えば半導体ウェハを吸着保持できる静電チャックを例に挙げる。
[1−1.構成]
まず、第1実施形態の静電チャックの構造について、図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示す様に、第1実施形態の静電チャック1は、図1の上側にて被加工物である半導体ウェハ3を吸着保持して加熱する装置であり、セラミック基板5と金属基板7とが接着部9により接合されたものである。
この静電チャック1は、平面視(厚み方向(図3の上下方向)から見た場合)で、円盤形状の装置である。なお、平面視で、静電チャック1(従ってセラミック基板5、金属基板7、接着部9)の中心(軸中心)側が、それぞれの中心部であり、各中心部に対して外周側が各外周部である。
また、セラミック基板5の図1の上方の面(上面:吸着面)が第1主面Aであり、下面が第2主面Bである。また、金属基板7の上面が第3主面Cであり、下面が第4主面Dである。
セラミック基板5は、円盤形状であり、静電電極11や発熱体13等を備えたセラミックヒータである。金属基板7は、セラミック基板5と同様な外径の円盤形状であり、セラミック基板5と同軸に接合されている。接着部9も、セラミック基板5と同様な外径の略円盤形状である。
ここでは、セラミック基板5の外周面15aと金属基板7の外周面15bと接着部9の外周面15cとによって、静電チャック1の同一の外周面15が形成されている。
なお、本第1実施形態では、セラミック基板5の外周面15aと金属基板7の外周面15bとが同一の外周面15を構成する場合を例に挙げるが、後述するように、平面視で、セラミック基板5の外周面15aが金属基板7の外周面15bより中心側にあってもよい。つまり、セラミック基板5の外径が金属基板7の外径以下であってもよい。
また、静電チャック1には、図示しないが、リフトピンが挿入されるリフトピン孔や、半導体ウェハ3を冷却するために第1主面A側に冷却用ガスを供給する冷却用ガス孔等が設けられている。
次に、静電チャック1の各構成について、詳細に説明する。
<セラミック基板>
図1に示すように、セラミック基板5の内部には、図1の上方より、静電電極11、発熱体13等が、順番に配置されている。なお、セラミック基板5の内部には、図示しないが、静電電極11や発熱体13と電気的に接続される内部配線層やビア等が配置されている。
図2及び図3に示すように、セラミック基板5は、例えば組成が純度92%や99.8%のアルミナを主成分とするセラミック質焼結体であり、その熱膨張率は7.6ppm/Kである。
セラミック基板5は、複数のセラミック層(図示せず)が積層されたものであり、そのセラミック部分5aは、絶縁体(誘電体)である。
このセラミック基板5は、例えば外径φ310mm×厚み5mmの円盤形状であり、その外周部17には、後述するように、全周にわたって環状に切り欠き19が設けられている。
<金属基板>
金属基板7は、例えば組成がA1050やA6061のアルミニウム合金からなる金属板であり、その熱膨張率は23ppm/Kである。つまり、金属基板7の熱膨張率は、静電チャック1の使用温度範囲において、セラミック基板5の熱膨張率よりも大きい。
この金属基板7は、例えば外径φ310mm×厚み30mmの円盤形状であり、その外周部21には、後述するように、全周にわたって環状に切り欠き23が設けられている。
この金属基板7には、図示しないが、セラミック基板5(従って半導体ウェハ3)を冷却するために、冷却用流体(冷媒)が流される流路(冷却路)が設けられている。
<接着部>
接着部9は、例えばシリコーン系の熱硬化型接着剤(例えば信越化学製のKE−185
5)からなる。
この接着部9は、中心側が厚み薄い例えば外径φ310mmの略円盤形状であり、中心側の接着剤層25と、接着剤層25の外周に沿って設けられた環状の外周接着部27とから構成されている。
接着剤層25は、例えば外径φ300mm×厚み0.3mmの円盤形状である。外周接着部27は、後述するように、中心側より外周側の寸法(厚み)がテーパ状に徐々に大きくなった環状(リング状)の部材である。つまり、外周接着部27は、厚み方向に沿った断面が、底辺(下底)を外周側に配置した台形である。
<静電電極>
静電電極11は、例えば平面形状が円形の電極から構成されている。この静電電極11とは、静電チャック1を使用する場合には、直流高電圧が印加され、これにより、半導体ウェハ3を吸着する静電引力(吸着力)を発生させ、この吸着力を用いて半導体ウェハ3を吸着して固定するものである。なお、静電電極11については、これ以外に、周知の各種の構成(単極性や双極性の電極など)を採用できる。なお、静電電極11は、例えばW等の導電材料からなる。
<発熱体>
発熱体13は、電圧が印加されて電流が流れると発熱する金属材料(W等)からなる抵抗発熱体である。
[1−2.外周部の構造]
次に、本第1実施形態の要部である静電チャック1の外周部31の構成について説明する。
図4に拡大して示すように、静電チャック1の外周部31には、外周に沿って環状に、接着剤が充填されている充填空間33が形成されている。
この充填空間33は、接着剤層25の平面方向(厚み方向に対して垂直方向)における外周部31側にて、セラミック基板5と金属基板7とに挟まれた空間であり、全周にわたって設けられている。
この充填空間33の断面形状、即ち静電チャック1の軸中心に沿って厚み方向に破断した形状は、接着剤層25側よりも外周部31側が厚み方向に広がった形状(即ちテーパ状に広がる脚部を有する台形)である。つまり、充填空間33は、セラミック基板5の外周部17の切り欠き19と金属基板7の外周部21の切り欠き23とが向か合う空間によって構成された拡開部分(即ち外周部31側が開口する溝の形状)である。
この充填空間33内に、セラミック基板5と金属基板7とに接するように接着剤が充填されて外周接着部27が構成されている。従って、外周接着部27の断面形状(前記厚み方向に破断した形状)も、前記充填空間33の断面形状と同様である。
前記セラミック基板5の切り欠き19の断面形状は、三角形であり、その寸法は、例えば、径方向における幅W5mm×深さHc1mmであり、その第2主面Bからの傾斜角度θcは11.3°である。
一方、金属基板7の切り欠き23の断面形状は、セラミック基板5の切り欠き19の断面形状と線対称の三角形であるので、その寸法は、例えば、径方向における幅W5mm×深さHm1mmであり、その第3主面Cからの傾斜角度θmは11.3°である。
なお、接着剤層25の厚みは、例えば0.3mmであるので、充填空間33の形状は、底辺(下底)が外周面15cとなる台形である。
[1−3.製造方法]
次に、本第1実施形態の静電チャック1の製造方法について、簡単に説明する。
(1)セラミック基板5の原料として、例えば、主成分であるAlに、MgO、C
aO、SiOの各粉末を所定混合して、ボールミルで湿式粉砕した後、脱水乾燥する。
(2)次に、この粉末に溶剤等を加え、ボールミルで混合して、スラリーとする。
(3)次に、このスラリーを用いて、各セラミック層に対応する各アルミナグリーンシー
トを形成する。
(4)また、前記アルミナグリーンシート用の原料粉末中にタングステン粉末を混ぜて、
スラリー状にして、メタライズインクとする。
(5)そして、静電電極11、発熱体13等を形成するために、前記メタライズインクを
用いて、アルミナグリーンシート上の所定箇所に、各パターンを印刷する。
(6)次に、各アルミナグリーンシートを熱圧着し、積層シートを形成する。
(7)次に、熱圧着した積層シートを、所定の形状(即ち円盤形状)にカットする。
(8)次に、カットした積層シートを、還元雰囲気にて、1400〜1600℃の範囲(
例えば1550℃)にて5時間焼成(本焼成)し、アルミナ質焼結体を作製する。
(9)そして、焼成後に、アルミナ焼結体に対して、例えば第1主面A側に周知の必要な
加工を行う。
また、アルミナ質焼結体の第2主面Bの外周側を、全周にわたってグラインダーで削って面取りし、テーパ形状の切り欠き19を形成する。これによって、セラミック基板5を作製する。
(10)これとは別に、金属基板7を製造する。具体的には、例えば円盤形状に打ち抜いたアルミニウム合金の金属板に対して、切削加工等を行うことにより、所定厚みの金属板を形成する。
次に、金属板の第3主面Cの外周側を、全周にわたってグラインダーで削って面取りし、テーパ形状の切り欠き23を形成する。これによって、金属基板7を作製する。
(11)次に、セラミック基板5と金属基板7とを接合して一体化する。
具体的には、図5(a)に示すように、金属基板7の第3主面Cの接着剤層25を形成する部分(即ち切り欠き23の内周側の凸状部分7a)に、接着剤を塗布して塗布層25aを形成し、その上にセラミック基板5を押し当てる。
これにより、図5(b)に示すように、セラミック基板5と金属基板7との間から外周側の充填空間33に接着剤が流れ出す。これによって、充填空間33内に接着剤が充填される。
その後、所定温度(例えば120℃)に加熱することによって、接着剤を硬化させて、接着剤層25及び外周接着部27からなる接着部9を形成する。これにより、接着部9によって、セラミック基板5と金属基板7とが接合されて、静電チャック1が完成する。
[1−4.効果]
次に、本第1実施形態の効果について説明する。
・第1実施形態の静電チャック1は、充填空間(即ち拡開部分)33に接着剤が充填されているので、セラミック基板5と金属基板7との熱膨張率が異なっていても、静電チャック1に不具合が生じにくい。
つまり、静電チャック1の温度が変動した場合、例えばセラミック基板5と金属基板7とを熱硬化型接着剤によって接合した場合でも、セラミック基板5と外周接着部27との界面の外周側の端部や、金属基板7と外周接着部27の界面の外周側の端部に熱応力が集中しにくいので、その界面にて接着剤の剥離が発生しにくい。
・また、セラミック基板5と金属基板7とを接着剤で接合する際に、セラミック基板5と金属基板7とを厚み方向に押し付けると、接着剤が外周方向に流れることがある。それに対して、本第1実施態様では、静電チャック1の外周側に拡開部分である充填空間33を有するので、外周方向に流出した接着剤は、充填空間(即ち拡開部分)33に溜り易い。よって、静電チャック1の外部に流出しにくい。
そのため、静電チャック1の外部に流出した接着剤で周囲が汚染されることを抑制することができる。また、例えばチャンバー内で半導体ウェハ3を製造する際にも、流出した接着剤によって、チャンバー内が汚染されることを抑制できる。
・さらに、本第1実施形態では、充填空間33を厚み方向に破断した断面形状は、接着剤層25側から外周側に向かって徐々に広がるテーパ形状である。従って、この充填空間33内に充填された接着剤は、テーパ形状に広がらないような場合に比べて、剥離しにくいという効果がある。
・しかも、本第1実施形態では、充填空間33は、セラミック基板5の外周端における切り欠き19と金属基板7の外周端における切り欠き23とによって構成されている。よって、充填空間33を容易に形成できるという利点がある。
・また、本第1実施形態では、接着剤層25を構成する接着剤と充填空間33に充填された接着剤とが同一である。これにより、同じ接着剤を用いて、簡易な工程によって、セラミック基板5と金属基板7とを容易に接合することができる。
[1−5.その他の構成]
・テーパ状となった充填空間33の幅Wとしては、0.5mm〜10mmの範囲が好適である。0.5mm未満では、接着剤のはみ出し防止のためには体積が小さく、有効性が低い。また、10mmを超えると、半導体ウェハ3よりもセラミック基板5や金属基板7が大きくなり過ぎ、半導体ウェハ3の温度を調節する場合に効率が悪い。
これは、充填空間33は、熱伝導率が低い接着部9が他の部分と比較して厚いため、セラミック基板5と金属基板7との間で熱が伝わりにくいからである。つまり、充填空間333の部分は、温度が他の部分と異なり易く、よって、半導体ウェハ3を保持する部分としては好ましくないからである。
・切り欠き19、23の深さHc、Hmとしては、0.1mm〜5mmの範囲が好適である。0.1mm未満では、接着剤のはみ出し防止のためには体積が小さく、有効性が低い。但し、切り欠き19、23以外の接着剤層25の厚さは、通常1mm以下のため、切り欠き19、23の深さHc、Hmが、0.1mm未満であっても、外周側の厚さの増加による応力緩和の効果はある。
また、5mmを超えると、充填空間33が接着剤のはみ出し抑制には深すぎて、充填空間33にて気泡を巻き込んだり、接着が不十分になり易い。そのため、温度分布が不均一
になり易い。
・切り欠き19、23の傾斜角度θc、θmとしては、5°〜60°の範囲が好適である。5°未満では、応力の緩和の効果が少なく、有効性が低い。また、60°を超えると、充填空間33が接着剤のはみ出し抑制には深すぎて、充填空間33にて気泡を巻き込んだり、接着が不十分になり易い。そのため、温度分布が不均一になり易い。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡易化して説明する。
[2−1.構成]
図6に示すように、第2実施形態の静電チャック41は、第1実施形態とほぼ同様に、円盤形状のセラミック基板43と円盤形状の金属基板45とが円盤形状の接着部47により接合されたものである。また、接着部47は、円盤形状の接着剤層49と環状の外周接着部51とから構成されている。
本第2実施形態では、セラミック基板43の外径が金属基板45の外径より小さいので、セラミック基板43の外周面43aは、金属基板45の外周面45aより中心側(図6の左側)に位置している。
また、セラミック基板43には、切り欠きがなく、金属基板45の第3主面Cに、前記第1実施形態と同様な(断面が三角形の)切り欠き53が形成されている。この切り欠き53は、金属基板45の外周部の端部(即ち外周面45a)より中心側に所定距離K(例えば10mm)ずれた位置に、溝状に形成されている。
なお、切り欠き53の寸法は、例えば、幅Wm5mm×深さHm1mm×傾斜角度θm11.3°である。
従って、本第2実施形態では、この切り欠き53の形状に対応して、接着部47の外周接着部51は、図6の下側部分がテーパ状に突出した形状となっている。
[2−2.製造方法]
環状の溝である切り欠き53を形成する場合には、図7に示すように、金属基板45となる円盤形状の金属板55の第3主面Cに、切り欠き53の形状に対応する環状の刃先57を有する工具59(即ち金属板55より硬質な工具)を押し当てる。これにより、切り欠き53を形成することができる。なお、必要に応じて、切り欠き53の内部等を研磨して、表面を滑らかにしてもよい。
そして、セラミック基板43と金属基板45とを接合する場合には、図8に示すように、金属基板45の切り欠き53より中心側の第3主面C(即ち凸状部分45b)に接着剤を塗布して塗布層61を形成し、その上からセラミック基板43を押し当て、その後、第1実施形態と同様にして接合する、
本第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡易化して説明する。なお、第1実施形態と同様な構成には同様な番号を付す。
図9(a)に示すように、第3実施形態の静電チャック71は、第1実施形態とほぼ同様に、セラミック基板5と金属基板7とが接着部9により接合されたものである。また、接着部9は、接着剤層25と外周接着部27とから構成されている。
特に、本第2実施形態では、接着剤層25を構成する接着剤(A)と外周接着部27を構成する接着剤(B)とが異なっている。
例えば外周接着部27を構成する接着剤(B)として、接着剤層25を構成する接着剤(A)より柔らかい接着剤を用いる。具体的には、接着剤層25の接着剤(A)として、信越化学製K−1855を用い、外周接着部27を構成する接着剤(B)として、信越化学製K−1884を用いる。
第3実施形態の静電チャック71を製造する場合には、例えば下記の手順で行う。
第1実施形態と同様に、金属基板7の第3主面Cの接着剤層25を形成する部分に、接着剤層25を構成する接着剤(A)を円形に塗布する。さらに、例えば注入用の工具等を用いて、金属基板7の切り欠き23の中心側に、接着剤(A)の外周に沿って、第3主面Cより盛り上がるようにして接着剤(B)を注入する。このとき、接着剤(B)の注入量は、充填空間33を埋める量に調製する。
そして、前記第1実施形態と同様に、金属基板7上にセラミック基板5を押し当てることにより、充填空間33の全体に接着剤(B)が充填される。その後は、第1実施形態と同様な加熱処理により、セラミック基板5と金属基板7とを接合する。
本第3実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏する。また、外周接着部27を構成する接着剤(B)として、接着剤層25を構成する接着剤(A)より柔らかい接着剤を用いるので、応力が集中しにくく、外周接着部27の剥離がより生じにくいという利点がある。
なお、接着剤(A)、Bとして、下記式(1)〜式(4)の少なくとも1種の関係を有する接着剤(A)、Bを用いても、同様な効果を奏する。
接着剤(A)の弾性率 >接着剤(B)の弾性率 ・・(1)
接着剤(A)のゴム硬度>接着剤(B)のゴム硬度 ・・(2)
接着剤(A)のちょう度<接着剤(B)のちょう度 ・・(3)
接着剤(A)の針入度 <接着剤(B)の針入度 ・・(4)
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、第2実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡易化して説明する。なお、第2実施形態と同様な構成には同様な番号を付す。
図9(b)に示すように、第4実施形態の静電チャック81は、第2実施形態とほぼ同様に、セラミック基板43と金属基板45とが接着部47により接合されたものである。また、接着部47は、接着剤層49と外周接着部51とから構成されている。
特に、本第4実施形態では、前記第3実施形態と同様に、接着剤層49を構成する接着剤(A)と外周接着部51を構成する接着剤(B)とが異なっている。
つまり、外周接着部51を構成する接着剤(B)として、接着剤層49の接着剤(A)より柔らかい接着剤を用いる。具体的には、接着剤層49の接着剤(A)として、信越化学製K−1855を用い、外周接着部51を構成する接着剤(B)として、信越化学製K−1884を用いる。
本第4実施形態では、第2実施形態と同様な効果を奏する。また、外周接着部51を構成する接着剤(B)として、接着剤層49の接着剤(A)より柔らかい接着剤を用いるので、外周接着部51の剥離がより生じにくいという利点がある。
なお、接着剤(A)、Bとして、前記式(1)〜式(4)の少なくとも1種の関係を有する接着剤(A)、(B)を用いても、同様な効果を奏する。
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略又は
簡易化して説明する。なお、第1実施形態と同様な構成には同様な番号を付す。
図10(b)に示すように、第5実施形態の静電チャック91は、第1実施形態とほぼ同様に、セラミック基板5と金属基板7とが接着部9により接合されたものである。また、接着部9は、接着剤層25と外周接着部27とから構成されている。
特に、本第5実施形態では、セラミック基板5の切り欠き19と外周面15aとの角部93と、金属基板7の切り欠き23と外周面15bとの角部95とは、共に滑らかな曲面とされている。
本第5実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏する。また、前記両角部93、95は、滑らかな曲面であるので、外周接着部27の剥離がより生じにくいという利点がある。
[6.第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明するが、第2実施形態と同様な内容の説明は省略又は簡易化して説明する。なお、第2実施形態と同様な構成には同様な番号を付す。
図10(b)に示すように、第6実施形態の静電チャック101は、第2実施形態とほぼ同様に、セラミック基板43と金属基板45とが接着部47により接合されたものである。また、接着部47は、接着剤層49と外周接着部51とから構成されている。
特に、本第6実施形態では、セラミック基板43の第2主面Bと外周面43aとの角部103は、滑らかな曲面とされている。また、金属基板45の切り欠き53の頂点部分(図10(b)の下端部)105は、滑らかな曲面とされている。さらに、金属基板45の切り欠き53の外周側の端面(図10(b)の右側の端面)107と第3主面C側の表面109との角部111とは、滑らかな曲面とされている。
本第6実施形態では、第2実施形態と同様な効果を奏する。また、上述した各角部103、111や頂点部分105は、滑らかな曲面であるので、外周接着部51の剥離がより生じにくいという利点がある。
[7.変形例]
次に、前記各実施形態の変形例について、簡単に説明する。なお、以下の変形例1〜6では、各構成に同じ番号を付して説明する。
<変形例1>
図11(a)に示すように、変形例1の静電チャック121は、第1実施形態と同様に、セラミック基板131と金属基板133とが、接着剤層135及び外周接着部137からなる接合部139によって接合されている。
この変形例1では、セラミック基板131の切り欠き141の傾斜角度θcと金属基板133の切り欠き143の傾斜角度θmとは同じ傾斜角度(例えば11.3°)である。
また、平面視で、セラミック基板131の外周面131aと金属基板133の外周面133aとは同じ位置にあるが、図11(a)の一点鎖線で示すように、セラミック基板131の外周面131aが金属基板133の外周面133aより中心側にあってもよい。この場合、充填空間145内の接着剤は、例えば前記一点鎖線より中心側に充填されている。
なお、この一点鎖線が示す内容については、以下の変形例2〜6でも同様であるので、以下その説明は省略する。
この変形例1でも、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。なお、この変形例1にお
いて、セラミック基板131の外周面131aと金属基板133の外周面133aとが同じ位置にある場合は、前記第1実施形態と同様な外形形状となる。
<変形例2>
図11(b)に示すように、変形例2の静電チャック151は、基本的な構成は変形例1と同様であるが、各傾斜角度θc、θmが、変形例1と異なる。
つまり、セラミック基板131の切り欠き141の傾斜角度θc(例えば6°)は、金属基板133の切り欠き143の傾斜角度θm(例えば11.3°)よりも小さい。なお、傾斜角度θc、θmの大小は逆であってもよい。
この変形例2でも、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
<変形例3>
図11(c)に示すように、変形例3の静電チャック161は、基本的な構成は変形例1、2とほぼ同様であるが、金属基板133のみに切り欠き143が設けられている点が大きく異なる。なお、切り欠き143の傾斜角度θmは(例えば11.3°)である。
この変形例3でも、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
<変形例4>
図12(a)に示すように、変形例4の静電チャック171は、基本的な構成は第2実施形態と同様である。
この変形例4では、セラミック基板131の切り欠き141の傾斜角度θcと金属基板133の切り欠き143の傾斜角度θmとは同じ傾斜角度(例えば11.3°)である。
この変形例4でも、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。なお、この変形例4において、セラミック基板131の外周面131aと金属基板133の切り欠き143の外周側の端面133bとが同じ位置にある場合は、前記第2実施形態と同様な外形形状となる。
<変形例5>
図12(b)に示すように、変形例5の静電チャック181は、基本的な構成は変形例4と同様であるが、各傾斜角度θc、θmが、変形例4と異なる。
つまり、セラミック基板131の切り欠き141の傾斜角度θc(例えば6°)は、金属基板133の切り欠き143の傾斜角度θm(例えば8°)よりも小さい。なお、傾斜角度θc、θmの大小は逆であってもよい。
この変形例5でも、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。
<変形例6>
図12(c)に示すように、変形例6の静電チャック191は、基本的な構成は変形例4、5とほぼ同様であるが、金属基板133のみに切り欠き143が設けられている点が大きく異なる。なお、切り欠き143の傾斜角度θmは(例えば8°)である。
この変形例6でも、前記第2実施形態と同様な効果を奏する。
[8.実験例]
次に、本発明の効果を確認した実験例について説明する。
この実験例では、セラミック基板と金属基板とを接着部により接合した本発明の範囲の試料(実施例1〜3)と比較例の試料(比較例)とを作製した。つまり、静電チャックと基本構造が同様の接合体の試料を作製し、その外周部の端部における接着部の伸びや応力
等を調べた。
なお、接合体のセラミック基板は、静電電極や発熱体等が形成されていないセラミック材料からなる基板である。また、金属基板は、その内部に冷却路等が形成されていない金属材料からなる基板である。
<接合体の試料の構成>
接合体の各試料については、下記に記載する以外は、基本的に第1実施形態と同様である。
円盤形状の接合体(従ってセラミック基板及び金属基板)の半径は155mmであり、セラミック基板の厚さは5mm、金属基板の厚さは30mmである。また、接着剤を硬化させる温度は120℃とした。
実施例1は、大きな充填空間(大テーパ)を有している。つまり、接着剤層の厚みTは0.3mm、切り欠きの幅Wは4mm、両深さHc、Hmの合計は2.3mm、傾斜角度θc、θmはそれぞれ30°、外周接着部の最大厚さHmaxは2.6mmである。
実施例2は、実施例1と同様な構成を有するが、実施例1より小さな充填空間(小テーパ)を有している点が異なる。接着剤層の厚みTは0.3mm、切り欠きの幅Wは4mm、両深さHc、Hmの合計は0.1mm、傾斜角度θc、θmはそれぞれ1.43°、外周接着部の最大厚さHmaxは0.4mmである。
実施例3は、実施例2と同様な小さな充填空間(小テーパ)を有している。この実施例3では、接着剤層に下記表1の接着剤(A)を用いるとともに、外周接着部に下記表1の接着剤(B)を用いる。
実施例4は、実施例1と同様な構成であるが、充填空間(テーパ)を備えていない。
<実験方法>
各接合体の試料に用いる接着剤(A)及び接着剤(B)に対して、デュロメータを用いて硬さを測定した。また、JIS K6251に従い弾性率を測定した。
更に、各接合体の試料の温度を、硬化温度から常温(例えば25℃)に降下させて、そのときの接合体の端部の伸びを求めた。
この端部の伸びとは、接着剤層の厚さTに対する半径方向におけるセラミック基板と金属基板との寸法のずれZの割合(Z×100/T[%])である。
また、各接合体の端部の応力[MPa]を求めた。この端部の応力とは、温度変化に伴う半径方向におけるセラミック基板と金属基板との寸法の変化によって生ずる応力である。ここでは、常温において、金属基板と外部接着部との間で発生する半径方向における応力を端部の応力とした。なお、この応力はシミュレーションによって求めた。
これらの結果を、下記表1に記す。
Figure 0006901547
この表1から明らかなように、実施例1では、大きなテーパが形成してあるので、端部の伸びが2.1%と小さく、よって、端部の応力も2.0MPaと小さい。そのため、剥離が生じにくいと考えられる。
実施例2では、テーパが小さいが、端部の伸びは67%であり、端部の応力は3.3MPaとやや小さい。そのため、剥離がやや生じにくいと考えられる。
実施例3では、テーパが小さく且つ外周接着部が接着剤層より柔らかい接着剤からなる。そのため、端部の伸びは67%であり、端部の応力は1.7MPaと実施例2よりやや小さい。そのため、剥離がやや生じにくいと考えられる。
比較例は、テーパがない。そのため、端部の伸びは104%と大きく、端部の応力も4.1MPaと大きい。そのため、剥離が生じ易いと考えられる。
[9.その他の実施形態]
本発明は、前記実施形態や実験例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)本発明は、例えばCVDヒータやサセプターに適用することが可能である。
例えば、図13(a)に示すように、半導体製造用部品として、CVDヒータ201が挙げられる。このCVDヒータ201は、円盤形状のヒータ基板203と円筒状の支持体205とを備えている。ヒータ基板203は、前記第1実施形態と同様に、セラミック基板207と金属基板209とが接着部211により接合されている。
このセラミック基板207には、発熱体213が埋設されているが、静電電極に代えて、高周波電圧が印加されるRF電極215が埋設されている。
このCVDヒータ201も、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
また、図13(b)に示すように、半導体製造用部品として、サセプター221が挙げられる。このサセプター221は、円盤形状の部材であり、前記第1実施形態と同様に、セラミック基板223と金属基板225とが接着部227により接合されている。このセラミック基板223には、発熱体229が埋設されている。
このサセプター221も、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
(2)前記各実施形態では、充填空間が拡開部分となっていたが、充填空間の一部が拡開部分となっていてもよい。また、接着剤は、充填空間や拡開部分の全てに充填されてい
ることが望ましいが、少なくとも拡開部分の一部(接着剤層と連続するような接着剤層側)に充填されていればよい。
(3)セラミック基板、金属基板、接続部の材料としては、本発明の条件を満たす範囲で、各種の材料を採用できる。
(4)切り欠き、充填空間の形状としては、本発明の条件を満たす範囲で、各種の形状を採用できる。
(5)また、各実施形態の構成を適宜組み合わせることができる。
1、41、71、81、91、101、121、151、161、171、181、191…静電チャック
5、43、131、207、223…セラミック基板
7、45、133、209、225…金属基板
9、47、139、211、227…接着部
11…静電電極
13、213、229…発熱体
15、15a、15b、15c、43a、45a、131a…外周面
19、27、53、141、143…切り欠き
25、49、135…接着剤層
27、51、137…外周接着部
33、145…充填空間
93、95、111…角部
107、133b…端面
201…CVDヒータ
215…RF電極

Claims (8)

  1. セラミック基板の主面と前記セラミック基板より熱膨張率の大きな金属基板の主面とが接着剤層により接合された半導体製造用部品において、
    前記半導体製造用部品を厚み方向から見た場合に、前記セラミック基板の外周部は、前記金属基板の外周部に一致するか又は該金属基板の外周部よりも中心部側に位置し、
    前記接着剤層の平面方向における外周部側には、全周にわたって、前記セラミック基板と前記金属基板とに挟まれた充填空間を有し、
    前記充填空間は、前記厚み方向に破断した断面形状として、前記接着剤層側よりも前記外周部側が広がった拡開部分を有し、
    前記充填空間内の前記拡開部分には、前記セラミック基板と前記金属基板とに接するように接着剤が充填されているものであって、
    前記セラミック基板に、前記充填空間の前記拡開部分を構成する切り欠きが形成されており、
    前記セラミック基板の前記外周部側の外周面と前記充填空間側の表面との角部は、曲面であり、且つ、前記曲面は前記充填空間の前記拡開部分の一部を構成していることを特徴とする半導体製造用部品。
  2. 前記接着剤層を構成する接着剤と前記充填空間の前記拡開部分に充填された接着剤とが同一であることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造用部品。
  3. 前記充填空間の前記断面形状は、前記外周部側が開口する溝の形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体製造用部品。
  4. 前記セラミック基板の前記充填空間を構成する切り欠きは、前記金属基板の外周部よりも中心側に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体製造用部品。
  5. 前記充填空間の前記断面形状は、前記接着剤層側から前記外周側に向かって徐々に広がるテーパ形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体製造用部品。
  6. 前記接着剤層を構成する接着剤がシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体製造用部品。
  7. 前記セラミック基板に、更に静電電極を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体製造用部品。
  8. 前記セラミック基板に、更にRF電極を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体製造用部品。
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