JP6432474B2 - 静電チャック - Google Patents
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Description
図2は、本実施形態の接合層の近傍を表す模式的拡大図である。
図3は、図1に示すA部の変形例の模式的拡大断面図である。
図4は、距離dと温度差との間の関係を例示するグラフ図および距離dとコンダクタンスとの間の関係を例示するグラフ図である。
図4(a)は、図2(a)に表した領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dと、伝達ガスのコンダクタンスと、の間の関係を例示するグラフ図である。図4(b)は、図2(a)に表した領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dと、対象物Wの面内における温度差と、の間の関係を例示するグラフ図である。図4(a)および図4(b)に表したグラフ図の横軸は、領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離d(mm)を表す。図4(a)に表したグラフ図の縦軸は、伝達ガスのコンダクタンス(sccm:standard cc/min)を表す。図4(b)に表したグラフ図の縦軸は、対象物Wの面内における温度差(℃)を表す。
ここで、本願明細書において「第2主面11bと端面64とのなす角度」とは、セラミック誘電体基板11の第2主面11bと、端面64上の任意の点に接する面と、のなす角度であって、端部63の側で測定される角度をいうものとする。
図2(b)に表したように、例えば、第2主面11bと、端面64上の点64bに接する面S2と、のなす角度A12は、第2主面11bと、端面64上の点64aに接する面S1と、のなす角度A11よりも大きい。
2d≧D1 ・・・式(1)
図2(a)に表した模式的断面図において端面64の断面構造が非対称(アシンメトリック)である場合には、距離dは、領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離のうちで最大値の距離であるとする。これにより、領域A1において、パーティクルが堆積可能なポケットが形成される。
図4(b)に表したように、ハイパワー条件(静電チャック110の表面へ5000Wの入熱条件)では、領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dが1.85mmのときに、温度差は5℃となる。また、領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dが4.0mmのときに、温度差は20℃となる。
また、ローパワー条件(静電チャック110の表面へ3000Wの入熱条件)では、領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dが1.85mmのときに、温度差は3.3℃となる。領域A1における端面64と貫通孔15の中心C1との間の距離dが5.0mmのときに、温度差は20℃となる。
プラズマプロセスにおいて、面内温度差は重要な項目の1つである。本発明者の得た知見によれば、温度差を20℃以下に抑えることが望ましい。そのため、距離dは5.0mm以下であることが好ましい。
端部63の材料が接合部61の材料と同じである場合には、接合部と端部との接着力をより高めることができる。
端部63の材料が接合部61の材料とは異なる場合には、端部63が熱伝導率を向上させるフィラーを含まないようにし、パーティクルの発生を低減することができる。また、端部63の材料が接合部61の材料とは異なる場合であって、接合部61としてシリコーン接着剤を用いる場合には、シリコーン接着剤よりも耐プラズマ性に優れた材料を端部63に用いることができる。
これによれば、静電チャック110が高温プロセスにおいて使用されても、良好な熱伝達を保ちつつ絶縁を保つことが可能な接着剤を使用することができる。また、セラミック誘電体基板11の熱膨張とベースプレート50の熱膨張との差を緩和可能な弾性を有することができる。結果として、静電チャック110の寿命が長くなる。
図5は、図1に示すA部に相当する部分の模式的拡大図である。
本実施形態にかかる静電チャック110は、絶縁体プラグ70を備えていてもよい。
d>R ・・・式(2)
なお、他の構造や各部材の材料については、図1〜図3に関して前述した通りである。
図7に表した静電チャック110は、図6に関して前述した静電チャック110と同様に、絶縁体プラグ70を備える。絶縁体プラグ70は、セラミック誘電体基板11に設けられた貫通孔15に設けられている。絶縁体プラグ70は、貫通孔15のうちのベースプレート50の側に嵌め込まれている。図7に表したように、例えば、貫通孔15は、ベースプレート50の側において座ぐり部15fを有する。座ぐり部15fは、貫通孔15の開口部15dを形成する。座ぐり部15fは、筒状に設けられる。座ぐり部15fの内径を適切に設計することで、絶縁体プラグ70は、座ぐり部15fに嵌合されていてもよい。
図8に表した静電チャック110は、図7に関して前述した静電チャック110と比較して、ヒータ91をさらに備える。ヒータ91は、ベースプレート50と、セラミック誘電体基板11と、の間に設けられている。ヒータ91は、電圧が供給され電流が流れることによって、発熱し対象物Wの温度を上げたり保持することができる。
図9に表した静電チャック110は、図8に関して前述した静電チャック110と同様にヒータ91を備える。セラミック誘電体基板11とヒータ91との間に設けられた接合層60は、端部63を有する。端部63は、図1〜図4(b)に関して前述した通りである。ベースプレート50とヒータ91との間に設けられた接合層60は、端部63を有していてもよいし、端部63を有していなくともよい。
図11は、本実施形態のさらに他の接合層の近傍を表す模式的拡大図である。
図10および図11に表した静電チャック110では、接合層60は、シートとして設けられている。つまり、接合層60は、シート状を呈する。そのため、接合層60は、図1〜図9に関して前述したような例えばリング状の端部63を有していない。シート状とは、第2主面11bとベースプレート50とを接合する接合部61と、空間65を形成する端部63と、が同一材料で一体化された状態を示す。
図11に表した接合層60の端面64は、図5に関して前述した接合層60の端面64の形状と同じ形状を有する。
図12は、本シミュレーションの条件を表す模式的断面図である。
図13は、本シミュレーションの結果の一例を例示する模式的斜視図である。
図14は、本シミュレーションの結果の一例を例示する模式的斜視図である。
すなわち、図13(b)は、端部63の厚さD13が接着後の接合層60の厚さt1よりも厚いときの端部63の径方向の変位を表す。図13(c)は、端部63が接着後の接合層60の厚さt1に圧縮されたときの端部63の径方向の変位を表す。図14(a)は、端部63の厚さD13が接着後の接合層60の厚さt1よりも厚いときの端部63の径方向の変位を表す。図14(b)は、端部63が接着後の接合層60の厚さt1に圧縮されたときの端部63の厚さ方向(Z方向)の変位を表す。図13(a)〜図14(b)では、変位の大きさが、色の濃淡により表されている。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (16)
- 吸着の対象物を載置する第1主面と、前記第1主面とは反対側の第2主面と、前記第2主面から前記第1主面にかけて設けられた貫通孔と、を有するセラミック誘電体基板と、
前記セラミック誘電体基板を支持し、前記貫通孔と連通するガス導入路を有する金属製のベースプレートと、
前記セラミック誘電体基板と前記ベースプレートとの間に設けられ樹脂材料を含む接合層と、
を備え、
前記接合層は、前記第2主面における前記貫通孔の開口部と、前記ガス導入路と、の間に設けられ前記開口部よりも水平方向に大きい空間を有し、
前記空間の側の前記接合層の端面が前記第2主面と交わる第1の領域は、前記第1の領域とは異なる前記端面の他の第2の領域よりも前記開口部から後退し、
前記接合層は、前記端面を有し前記空間を形成する端部を有し、
前記第2主面が前記端部と接触する面は、前記第2主面が前記接合層により接着される面と同じ平面上にあり、
前記ベースプレートが前記端部と接触する面は、前記ベースプレートが前記接合層により接着される面と同じ平面上にあることを特徴とする静電チャック。 - 前記第2主面の法線に対して垂直方向にみたときの前記第1の領域では、前記第2主面と前記端面とのなす角度は、前記第2主面に向かうと大きくなることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
- 前記第2主面から前記法線の方向に遠ざかると前記第2主面と前記端面とのなす角度が小さくなる第3の領域が、設けられたことを特徴とする請求項2記載の静電チャック。
- 互いに向かい合う前記端面同士の間の距離が、前記第2主面から前記第2主面の法線の方向に遠ざかると短くなることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
- 前記第1の領域における前記端面と前記貫通孔の中心との間の距離d、および前記第2の領域において互いに向かい合う前記端面同士の間の距離Dにおいては、2d≧Dの関係式が成り立つことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電チャック。
- 前記距離dは、0.1ミリメートル以上、5.0ミリメートル以下であることを特徴とする請求項5記載の静電チャック。
- 前記接合層は、前記第2主面と前記ベースプレートとを接合する接合部を有し、
前記接合部の材料は、前記端部の材料とは異なることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の静電チャック。 - 前記接合層は、前記第2主面と前記ベースプレートとを接合する接合部を有し、
前記接合部の材料は、前記端部の材料と同じであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の静電チャック。 - 前記接合部に用いる接着剤の熱伝導率は、0.1ワット/メートル・ケルビン以上であり、
前記接合部に用いる接着剤の絶縁破壊強さは、1キロボルト/ミリメートル以上であり、
前記接合部に用いる接着剤の耐熱温度は、40℃以上であることを特徴とする請求項7または8に記載の静電チャック。 - 前記ガス導入路に設けられた多孔体をさらに備え、
前記距離dおよび前記多孔体の半径Rにおいては、d>Rの関係式が成り立つことを特徴とする請求項5または6に記載の静電チャック。 - 前記距離dは、前記第1主面の側の前記貫通孔の開口部の半径よりも大きいことを特徴とする請求項5、6および10のいずれか1つに記載の静電チャック。
- 前記空間の前記水平方向の長さは、前記接合層の厚さよりも長いことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の静電チャック。
- 前記端部は、前記第2主面および前記ベースプレートのそれぞれと面で接触し、
前記端部が前記第2主面および前記ベースプレートのそれぞれと接触した前記面の前記水平方向の長さは、前記接合層の厚さよりも長いことを特徴とする請求項7または8に記載の静電チャック。 - 前記端部の外周部であって前記端部からみて前記空間とは反対側の外周部は、前記樹脂材料により充填されたことを特徴とする請求項13記載の静電チャック。
- 前記第1の領域における前記端面の曲率は、前記第2の領域における前記端面の曲率よりも大きいことを特徴とする請求項13または14に記載の静電チャック。
- 前記セラミック誘電体基板は、体積抵抗率が1×1014オーム・センチメートル以上のクーロン素材を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の静電チャック。
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