JP2004071182A - 複合ヒータ - Google Patents

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Naotoshi Morita
森田 直年
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Abstract

【課題】低コストで、半導体ウェハ等のワークを加熱する面内の温度分布を小さくすることができ、しかも、ワークを速やかに冷却することができる複合ヒータを提供すること。
【解決手段】複合ヒータ(1)は、円盤状のセラミック層(7)と円盤状の金属ベース(9)とを、Alロー材により全面にわたって接合して一体化したものである。セラミック層(7)は、アルミナ質の焼結体からなる絶縁体を基体とし、その内部には、内部電極(11)、(13)が配置されている。金属ベース(9)は、アルミニウム及びシリカを主成分とする金属製であり、ベース面(17)側にはシーズヒータ(21)がロー付けされている。セラミック層(7)と金属ベース(9)との材料として、上述した各材料を用いることにより、熱膨張差が、5ppm/℃以内と非常に小さく設定されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体を製造する際などに使用される、ドライエッチング装置、イオン注入装置、電子ビーム露光装置、CVD(化学蒸着)装置、PVD(物理蒸着)装置などにおいて、そのワークを加熱することができる複合ヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば半導体製造装置において、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)を固定してドライエッチング等の加工を行ったり、半導体ウェハを吸着固定して反りを矯正したり、半導体ウェハを吸着して搬送するなどの目的で、静電チャックが使用されている。
【0003】
また、この静電チャックには、半導体ウェハを加熱する目的で、(セラミック体の内部に発熱体が埋設された)セラミックヒータを一体にして形成したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記セラミックヒータとしては、半導体ウェハの加工精度を高めるために、半導体ウェハを加熱する表面における温度分布を、例えば±5℃以下のように小さくすることが要求されている。
【0005】
そのため、セラミックヒータの材料として、窒化アルミニウム等の熱伝導が良いセラミックが用いられるが、この窒化アルミニウムは、温度分布は均一となり易いが、コストが極めて高いという問題がある。
また、半導体ウェハの製造工程などにおいては、半導体ウェハを加熱することとは逆に、半導体ウェハを速やかに冷却することが求められる場合があるが、その対策が必ずも十分ではない。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低コストで、半導体ウェハ等のワークを加熱する面内の温度分布を小さくすることができ、しかも、ワークを速やかに冷却することができる複合ヒータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明(複合ヒータ)では、発熱体を有する金属ベースと、該金属ベースの表面のうち、少なくとも加熱対象(ワーク)側の表面を覆うセラミック層と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
本発明では、(熱伝導率の高い)金属ベースの表面のうち、少なくとも加熱対象(ワーク)側の表面の一部又は全体をセラミック層で覆っているので、発熱体(例えばシーズヒータ)に通電して金属ベースの温度を上昇させる場合に、金属ベース全体、ひいてはセラミック層全体に熱が均一に伝わり易く、セラミック層の面内の温度分布(即ちセラミック層のワーク側の表面の温度分布)を小さくすることができる。
【0009】
それにより、ワーク全体を均一に加熱することができるので、ワークの加工精度等が向上するという効果がある。
また、発熱体の通電停止後に、(熱伝導率の低い)セラミック層の温度を下げる場合には、セラミック層に接触した(熱伝導率の高い)金属ベースを介して、速やかに放熱することができるという利点がある。
【0010】
更に、複合ヒータのワーク側は、セラミックであるので耐食性があり、例えば腐食性ガス雰囲気下で使用しても、金属ベースのワーク側の表面が損なわれ難いという効果がある。
(2)請求項2の発明では、前記金属ベースが板状であり、該金属ベースの少なくとも一方の主面側に、前記セラミック層を備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明は、複合ヒータの構成を例示したものである。
本発明では、セラミック層と金属ベースとを、互いの主面側にて全面で(即ち広い面積にて)接合しているので、セラミック層と金属ベースとの間の熱伝導を効率よく行うことができ、前記請求項1の発明の効果(均一な温度分布、高い放熱性)が一層顕著である。
【0012】
(3)請求項3の発明では、前記セラミック層をセラミック体によって構成し、前記セラミック層と前記金属ベースとを接合により一体化したことを特徴としている。
本発明は、複合ヒータの構成を例示したものである。
【0013】
本発明は、セラミック層を形成するセラミック体(焼成された部材)と金属ベースとを接合により一体化したものである。
従って、本発明では、セラミック体と金属ベースとを別体に製造することができるので、製造工程に柔軟性があるという利点がある。また、各部材(例えばセラミック体)のみを単体で製造できるので、専用の製造工程にて、例えばセラミック体を、高い精度で効率良く製造できるという効果がある。
【0014】
(4)請求項4の発明では、前記セラミック層と前記金属ベースとを、ロー付けにより接合したことを特徴としている。
本発明では、セラミック層と金属ベースとがロー付けにより接合されているので、接合強度が高いという利点がある。
【0015】
(5)請求項5の発明では、前記ロー付けに、Alを主成分としたロー材を用いたことを特徴としている。
本発明は、接合に使用するロー材を例示したものである。このロー材としては、例えばAlとCuの合金等が挙げられる。
【0016】
(6)請求項6の発明では、前記セラミック層と前記金属ベースとを、樹脂接着剤を用いて接合したことを特徴としている。
本発明は、接合に使用する接着剤を例示したものである。この樹脂接着剤としては、耐熱性を有するシリコン樹脂製の接着剤を採用できる。
【0017】
(7)請求項7の発明では、前記複合ヒータは、前記セラミック層の露出面(いわゆるチャック面)側にてワークを吸着するチャック機能を有することを特徴としている。
本発明は、複合ヒータにチャック機能を有している。
【0018】
これにより、ワークを加熱するだけでなく、ワークを吸着して保持することができるので、高い機能性を有している。
(8)請求項8の発明では、前記セラミック層内に、前記ワークを吸着する吸着用電極を備えたことを特徴としている。
【0019】
本発明は、チャック機能を実現するための構成を例示したものである。
本発明では、吸着用電極に通電し、それによって発生した静電引力やジャンセン・ラーベック力等に起因する吸着力により、ワークする吸着して保持することができる。つまり、複合ヒータを、いわゆる静電チャックとして用いることができる。
【0020】
(9)請求項9の発明では、前記セラミック層は、溶射によって形成された層であることを特徴としている。
本発明は、セラミック層を例示したものである。
本発明では、セラミック層は(セラミック材料の)溶射によって形成されているので、セラミック層の形成が容易である。
【0021】
尚、溶射によって形成されるセラミック層の領域は、金属ベースのワーク側の主面だけでなく、金属ベースの側方が挙げられる。
(10)請求項10の発明では、前記セラミック層と前記金属ベースとの熱膨張差が、5ppm/℃以内であることを特徴としている。
【0022】
本発明では、セラミック層と金属ベースとの熱膨張差が、5ppm/℃以内と小さいので、例えばセラミック層と金属ベースとの接合をその主面側にて(特に全面で)行った場合でも、接合部分における不具合が生じ難い。
つまり、通常、金属は、セラミックより熱膨張係数が大きいため、セラミック層と金属ベースとを例えば全面の様に広い面積で接合した場合には、温度を上げてゆくと、両部材の熱膨張差により、セラミックが剥がれたり、割れたり、反ったりすることがあるが、本発明では、セラミック層と金属ベースとの熱膨張差が小さいので、その様な問題の発生を防止することができる。
【0023】
尚、前記熱膨張差とは、熱膨張係数の差のことである。
(11)請求項11の発明では、前記セラミック層の主成分が、アルミナであることを特徴としている。
本発明では、セラミック層の主成分が、アルミナであるので、低コストを実現できる。
【0024】
特に、セラミック層とそれに接合する金属ベースとの熱膨張差を小さくすることにより、アルミナを材料として用いた場合でも、上述した面内温度分布を下げることができ、また、発熱体への通電を切った場合には、複合ヒータの温度を速やかに低下させることができる。
【0025】
(12)請求項12の発明では、前記セラミック層の面内温度分布が、±5%以下であることを特徴としている。
本発明では、セラミック層の面内温度分布が、±5%以下と小さいので、半導体ウェハ等のワークを均一に加熱することができ、それによって、ワークの加工精度を高めることができる。
【0026】
(13)請求項13の発明では、前記金属ベースのAl成分(重量%)が、30≦Al≦90の範囲であることを特徴としている。
本発明は、金属ベースの組成を例示したものである。
本発明の組成を採用することにより、高い熱伝導性及び低い熱膨張性を実現することが可能である。
【0027】
(14)請求項14の発明では、前記金属ベースのSi成分(重量%)が、10≦Si≦70の範囲であることを特徴としている。
本発明は、金属ベースの組成を例示したものである。
本発明の組成を採用することにより、高い熱伝導性及び低い熱膨張性を実現することが可能である。
【0028】
(15)請求項15の発明では、前記金属ベースは、Al及びSiを主成分とし、その熱膨張係数が、5〜9ppm/℃の範囲であることを特徴としている。
本発明では、金属ベースは、Al及びSiを主成分とし、その熱膨張係数が、5〜9ppm/℃の範囲であるので、例えばアルミナを主成分とするセラミック層と金属ベースとの接合を主面側の全面で行った場合でも、接合部分における不具合が生じ難い。
【0029】
つまり、セラミック層と金属ベースとを例えば全面の様に広い面積で接合した場合には、温度を上げてゆくと、熱膨張差により、セラミックが剥がれたり、割れたり、反ったりすることがあるが、本発明では、その様な問題の発生を防止することができる。
【0030】
(16)請求項16の発明では、前記金属ベースの内部に、冷媒及び/又は温媒を流す通路(例えばトンネル)を備えたことを特徴としている。
例えば金属ベースに冷媒を通す通路を設けた場合には、その通路に冷媒を流すことにより、複合ヒータ(ひいてはワーク)を速やかに冷却することができる。また、金属ベースに温媒を通す通路を設けた場合には、その通路に温媒を流すことにより、複合ヒータ(ひいてはワーク)を速やかに加熱することができる。
【0031】
(17)請求項の発明では、前記発熱体に電力を供給する電源を備えたことを特徴としている。
本発明では、上述した構成に加えて、発熱体に電力を供給する電源を備えているものである。尚、更に、前記吸着用電極に電力を供給する電源を備えていてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の複合ヒータの実施の形態の例(実施例)について説明する。
(実施例1)
ここでは、例えば半導体ウェハを吸着保持できる静電チャックとして構成される複合ヒータ、特にセラミック体と金属ベースとを接合した複合ヒータを例に挙げる。
【0033】
a)まず、本実施例の複合ヒータ(静電チャック)の構造について説明する。尚、図1は複合ヒータの一部を破断して示す斜視図である、図2は複合ヒータの図1におけるA−A断面を示す説明図である。
図1に示す様に、本実施例の複合ヒータ1は、図1の上方の吸着面(チャック面)3側にて、加熱対象(ワーク)である半導体ウェハ5を吸着できるものであり、(例えば直径300mm×厚み3mmの)円盤状のセラミック層7と、(例えば直径340mm×厚み20mmの)円盤状の金属ベース9とが接合されたものである。
【0034】
このセラミック層7と金属ベース9とは、(同図上下方向の)互いの主面側にて接合されている。つまり、セラミック層7のチャック面3側と反対側の主面に、金属ベース9の主面が相対するようにして、Alを主成分とするロー材(Alロー材)により全面にわたって接合されて一体化している。
【0035】
また、前記セラミック層7は、アルミナ質の焼結体からなる絶縁体(セラミック体)からなり、露出する表面側(金属ベース9と反対側)が、前記チャック面3である。このセラミック層7の熱膨張係数は、6〜8ppm/℃の範囲(例えば7.6ppm/℃)であり、熱伝導率は18W/m・Kである。
【0036】
図2に示す様に、セラミック層7の内部には、チャック面3側に、主としてタングステンからなる一対の内部電極11、13が配置されており、各内部電極11、13は電極用電源15に接続されている。
一方、前記金属ベース9は、アルミニウム及びシリカを主成分とする金属製であり、セラミック層7の全体を載置するように、セラミック層7より大径とされている。
【0037】
具体的には、金属ベース9のアルミニウム成分(重量%)が、30≦Al≦90の範囲(例えば30重量%)であり、且つシリカ成分(重量%)が、10≦Si≦70の範囲(例えば70重量%)である。
また、金属ベース9の熱膨張係数は、5〜9ppm/℃の範囲(例えば6.9ppm/℃)であり、熱伝導率は、180W/m・Kであり、前記セラミック層7と比べて高い熱伝導性を有している。
【0038】
更に、金属ベース9のセラミック層7とは反対側の面(ベース面)17側には、その全面に溝部19が設けられ、溝部19内には、発熱体である長尺のシーズヒータ21が配置されている。
具体的には、図3にベース面17側を示す様に、金属ベース9のベース面17の全体にわたって、渦巻き状に長尺の溝部19が形成されており、その溝部19内に(外側表面が金属で覆われた)周知のシーズヒータ21が、同様に渦巻き状に配置されている。
【0039】
そして、前記シーズヒータ21は、ロー付けにより金属ベース9と一体化されており、そのシーズヒータ21はヒータ用電源23に接続されている。
特に、本実施例では、セラミック層7と金属ベース9との材料として、上述した組成の材料を用いることにより、熱膨張差が、5ppm/℃以内(例えば0.7ppm/℃)と非常に小さく設定されている。
【0040】
尚、図1に示す様に、前記複合ヒータ1には、セラミック層7のチャック面3から金属ベース9のベース面17に到る冷却用ガス孔25が設けられている。
そして、上述した構成の複合ヒータ1を使用する場合には、電極用電源15を用いて、両内部電極11、13の間に、直流高電圧を印加し、これにより、半導体ウェハ5を吸着する静電引力(吸着力)を発生させ、この吸着力を用いて半導体ウェハ5を吸着して固定する。
【0041】
また、例えばCVDの加工を行う場合の様に、半導体ウェハ5を加熱するときには、ヒータ用電源23を用いて、シーズヒータ21に電流を流して発熱させ、それによって金属ベースを加熱するとともに、金属ベース9を介してセラミック層7の温度を上昇させ、そのセラミック層7を介して半導体ウェハ5を加熱する。
【0042】
b)次に、本実施例の複合ヒータ1の製造方法について、図4に基づいて説明する。
(1)原料としては、主成分であるアルミナ粉末:92重量%に、MgO:1重量%、CaO:1重量%、SiO:6重量%を混合して、ボールミルで、50〜80時間湿式粉砕した後、脱水乾燥する。
【0043】
(2)次に、この粉末に、メタクリル酸イソブチルエステル:3重量%、ブチルエステル:3重量%、ニトロセルロース:1重量%、ジオクチルフタレート:0.5重量%を加え、更に溶剤として、トリクロール−エチレン、n−ブタノールを加え、ボールミルで混合して、流動性のあるスラリーとする。
【0044】
(3)次に、このスラリーを、減圧脱泡後平板状に流し出して徐冷し、溶剤を発散させて、厚さ0.8mmの第1〜第6アルミナグリーンシート27〜37を形成する。この第1〜第6アルミナグリーンシート27〜37には、冷却用ガス孔23を形成するための貫通孔39〜49をそれぞれ6箇所に開ける。
【0045】
(4)また、前記アルミナグリーンシート用の原料粉末中にタングステン粉末を混ぜて、前記と同様な方法によりスラリー状にして、メタライズインクとする。
(5)そして、前記第2アルミナグリーンシート29上に、前記メタライズインクを用いて、通常のスクリーン印刷法により、両内部電極11、13の(図の斜線で示す)パターン51、53を印刷する。
【0046】
(6)次に、前記第1〜第6アルミナグリーンシート27〜37を、各貫通孔39〜49により冷却用ガス孔23が形成されるように位置合わせして、熱圧着し、全体の厚みを約5mmとした積層シートを形成する。
尚、内部電極11、13に関しては、図示しないが、スルーホールにより最下層の第6アルミナグリーンシート37の裏面に引き出して端子を設ける。
【0047】
(7)次に、熱圧着した積層シートを、所定の円板形状(例えば8インチサイズの円板形状)にカットする。
(8)次に、カットしたシートを、還元雰囲気にて、1400〜1600℃にて焼成する。この焼成より、寸法が約20%小さくなるため、焼成後のセラミック体の厚みは、約4mmとなる。
【0048】
(9)そして、焼成後に、研磨によって、セラミック体の全厚みを3mmとするとともに、チャック面3の平面度が30μm以下となる加工する。
(10)次に、端子にニッケルメッキを施し、更にこのニッケル端子をロー付け又は半田付けして、セラミック層7となるセラミック体を完成する。
【0049】
(11)一方、上述したセラミック層7の製造工程とは別に、Al:30重量%、Si:70重量%の組成の金属ベース9を、周知の合金製造工程にて製造し、前記所定の円盤形状の寸法に加工する。
(12)次に、金属ベース9のベース面17に、渦巻き状の溝部19を切削加工して形成する。
【0050】
(13)次に、渦巻き状の溝部19に、同様の渦巻き状のシーズヒータ21を嵌め込み、金属ベース9にロー付けする。
(14)そして、上述したセラミック層7と金属ベース9との間に、即ちセラミック層7の金属ベース9側の主面と金属ベース9のセラミック層7側の主面との間に、AlとCuの合金からなるAlロー材を配置し、温度650℃で加熱した後に冷却することにより、両者をロー付け接合して一体化する。
【0051】
これにより、複合ヒータ1が完成する。
尚、内部電極11、13の端子に取り付けられた一対のリード線(図示せず)は、金属ベース9に開けられたスルーホールにより、金属ベース9のベース面17側から引き出され、電極用電源15に接続される。一方、シーズヒータ21に取り付けられた一対のリード線(図示せず)は、ヒータ用電源23に接続される。
【0052】
c)次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例の複合ヒータ1は、アルミナを主成分とするセラミック層7と、アルミ及びシリカを主成分とする(アルミナより熱伝導率が高いがアルミナに熱膨張係数が近い)金属ベース9とを、その主面側にて、全面にわたってAlロー付け接合して一体化したものであり、セラミック層7と金属ベース9との熱膨張差は、5ppm/℃以内と極めて小さい。
【0053】
そのため、シーズヒータ21に通電して、金属ベース9を介してセラミック層7の温度を上昇させる場合には、セラミック層7全体に熱が均一に伝わり易くなり、その面内温度分布(ここではチェック面3における温度分布)を小さくすることができる。
【0054】
それにより、半導体ウェハ5全体を均一に加熱することができるので、半導体ウェハ5の加工精度等が向上するという効果がある。
また、シーズヒータ21への通電を停止し、セラミック層7の温度を下げる場合には、セラミック層7に接合された金属ベース9を介して、速やかに放熱することができるという利点がある。
【0055】
更に、本実施例では、セラミック層7と金属ベース9との熱膨張差が小さいので、セラミック層7と金属ベース9との接合を全面で行った場合でも、セラミック層7の温度を上げた際に、セラミックが剥がれたり、割れたり、反ったりすることがないという効果がある。
【0056】
その上、本実施例では、セラミック層7の材料として、安価なアルミナを用いることができるので、コストダウンに寄与する。
つまり、本実施例の様に、熱伝導性は低いが低コストのアルミナを採用した場合でも、上述した熱膨張係数がアルミナに近い金属ベース7を用いることにより、セラミック層7と金属ベース9とを全面で接合することができ、これにより、(アルミナの熱伝導率の低さに起因する)面内温度分布の上昇の抑制と、(熱膨張差に起因する)セラミックの剥がれ等の不具合を低減することができるという顕著な効果を奏する。
【0057】
また、複合ヒータ1のチャック面3側は、セラミックであるので耐食性があり、例えば腐食性ガス雰囲気下で使用しても、金属ベース9のチャック面3側が損なわれ難いという利点がある。
(実施例2)
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
【0058】
本実施例は、前記実施例1とは異なり、静電チャックの機能を有しない複合ヒータである。
図5に示す様に、本実施例の複合ヒータ61は、円盤状のセラミック層63と円盤状の金属ベース65とを接合したものである。
【0059】
前記セラミック層63は、前記実施例1と同様に、アルミナ質の焼結体からなる絶縁体(セラミック体)からなり、同様な熱膨張係数を有している。
一方、前記金属ベース65は、前記実施例1と同様に、アルミニウム及びシリカを主成分とする金属製であり、同様な熱膨張係数を有している。
【0060】
前記金属ベース65のベース面67には、前記実施例1と同様に、渦巻き状の溝部69が形成されており、この溝部69内には、同様な渦巻き状のシーズヒータ71が填め込まれて、ロー付けされている。
特に本実施例では、セラミック層63と金属ベース65とは、(同図上下方向の)互いの主面側にて、耐熱性の高いシリコン樹脂により全面にわたって接合されて一体化している。
【0061】
また、本実施例では、セラミック層63と金属ベース65との材料として、上述した各材料を用いることにより、前記実施例1と同様に、熱膨張差が、5ppm/℃以内と非常に小さく設定されている。
更に、本実施例では、セラミック層63の面内温度分布が、±5%以下であり、表面温度が十分に均一である。
【0062】
そして、本実施例では、例えばセラミック層63上に載置された半導体ウェハ等のワーク(図示せず)を加熱するときには、ヒータ用電源73を用いて、シーズヒータ69に電流を流して、金属ベースタ65の温度を上昇させ、この金属ベース及びセラミック層63を介してワークを加熱する。
【0063】
本発明では、ワークを吸着固定しないこと以外は、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、シリコン樹脂により、セラミック層63と金属ベース65とを接合するので、接合作業が容易であるという利点がある。
(実施例3)
次に、実施例3について説明するが、前記実施例2と同様な箇所の説明は省略する。
【0064】
本実施例は、前記実施例2の構成に加えて、更に、冷媒を流すトンネルを設けた複合ヒータである。
図6に示す様に、本実施例の複合ヒータ81は、円盤状のセラミック層83と円盤状の金属ベース85とを接合したものである。
【0065】
前記セラミック層83は、前記実施例2と同様に、アルミナ質の焼結体からなる絶縁体(セラミック体)であり、同様な熱膨張係数を有している。
一方、前記金属ベース85は、前記実施例1と同様に、アルミニウム及びシリカを主成分とする金属製であり、同様な熱膨張係数を有している。
【0066】
前記金属ベース85のベース面87には、前記実施例1と同様に、渦巻き状の溝部89が形成されており、この溝部89内には、同様な渦巻き状のシーズヒータ91が填め込まれて、ロー付けされている。
特に本実施例では、金属ベース85の内部には、冷媒を流すためのトンネル93が配置されており、このトンネル93は、(シーズヒータ91と同様に)配置された平面の全面をほぼ均一に覆うように設けられている。
【0067】
そして、本実施例では、例えばセラミック層83上に載置された半導体ウェハ等のワーク(図示せず)を加熱するときには、ヒータ用電源95を用いて、シーズヒータ91に電流を流して金属ベース85の温度を上昇させ、その金属ベース85及びセラミック層83を介してワークを加熱する。
【0068】
一方、ワークを冷却するときには、トンネル93に冷媒を流して、金属ベース85の温度を低下させて、セラミック層83の温度を低下させ、そのセラミック層83を介してワークを冷却する。
本実施例でも、前記実施例2と同様な効果を奏するとともに、金属ベース85に冷媒を流すトンネル93を設けているので、そのトンネル93に冷媒を流すことにより、金属ベース85(ひいてはセラミック層83)を介して、ワークの温度を速やかに低下させることができる。
(実施例4)
次に、実施例4について説明するが、前記実施例2と同様な箇所の説明は省略する。
【0069】
本実施例は、前記実施例1〜3とは異なり、溶射によってセラミック層を形成したものである。
図7に示す様に、本実施例の複合ヒータ101は、円盤状の金属ベース103の一方の主面(即ちワーク側の面)105とその側面107とが、溶射によって形成されたセラミック層109により覆われたものである。
【0070】
前記セラミック層109は、アルミナを主成分とした層(例えば組成Al:99重量%、SiO:1重量%)であり、前記実施例2のセラミック体と同様な熱膨張係数を有している。
一方、前記金属ベース101は、前記実施例2と同様に、アルミニウム及びシリカを主成分とする金属製であり、同様な熱膨張係数を有している。
【0071】
前記金属ベース101のベース面111には、前記実施例2と同様に、渦巻き状の溝部113が形成されており、この溝部113内には、同様な渦巻き状のシーズヒータ115が填め込まれて、ロー付けされている。
尚、金属ベース101の表面をセラミック層109で覆う方法としては、金属ベース101を、そのベース面111側を同図下方の基台側(図示せず)にして基台上に載置し、ベース面111以外の面の全てに、セラミック層109の材料の粉末を溶射すればよい。
【0072】
そして、本実施例では、例えばセラミック層109上に載置された半導体ウェハ等のワーク(図示せず)を加熱するときには、ヒータ用電源117を用いて、シーズヒータ115に電流を流して金属ベース103の温度を上昇させ、その金属ベース103及びセラミック層109を介してワークを加熱する。
【0073】
本実施例でも、前記実施例2と同様な効果を奏するとともに、溶射によってセラミック層109を形成するので、セラミック層109の形成が容易である。また、金属ベース103の側面107もセラミック層109で覆うので、前記実施例2と同様な効果を奏するとともに、金属ベース103が腐食性ガスにより損なわれ難いという利点がある。
【0074】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば本発明は、前記実施例1の様なバイポーラ型の静電チャックに限らず、モノポーラ型の静電チャックにも適用できる。
【0075】
(2)また、前記実施例3では、金属ベースに冷媒を流すトンネルを設けたが、それとは別に(又はそれとともに)温媒を流すトンネルを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の複合ヒータを一部破断して示す斜視図である。
【図2】実施例1の複合ヒータのA−A断面(縦方向の断面)を示す説明図である。
【図3】実施例1の複合ヒータの金属ベースのベース面側を示す斜視図である。
【図4】実施例1におけるセラミックヒータを分解して示す説明図である。
【図5】実施例2の複合ヒータを縦方向に破断して示す断面図である。
【図6】実施例3の複合ヒータを縦方向に破断して示す断面図である。
【図7】実施例4の複合ヒータを縦方向に破断して示す断面図である。
【符号の説明】
1、61、81、101…複合ヒータ
3…チャック面
5…半導体ウェハ
7、63、83、109…セラミック層
9、65、85、103…金属ベース
11、13…内部電極
19、69、89、113…溝部
21、71、91、115…シーズヒータ
23、73、95、117…ヒータ用電源
93…トンネル

Claims (17)

  1. 発熱体を有する金属ベースと、
    該金属ベースの表面のうち、少なくとも加熱対象側の表面を覆うセラミック層と、
    を備えたことを特徴とする複合ヒータ。
  2. 前記金属ベースが板状であり、該金属ベースの少なくとも一方の主面側に、前記セラミック層を備えたことを特徴とする前記請求項1に記載の複合ヒータ。
  3. 前記セラミック層をセラミック体により構成し、前記セラミック層と前記金属ベースとを接合により一体化したことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の複合ヒータ。
  4. 前記セラミック層と前記金属ベースとを、ロー付けにより接合したことを特徴とする前記請求項3に記載の複合ヒータ。
  5. 前記ロー付けに、Alを主成分とするロー材を用いたことを特徴とする前記請求項4に記載の複合ヒータ。
  6. 前記セラミック層と前記金属ベースとを、樹脂接着剤を用いて接合したことを特徴とする前記請求項3に記載の複合ヒータ。
  7. 前記複合ヒータは、前記セラミック層の露出面側にてワークを吸着するチャック機能を有することを特徴とする前記請求項3〜6のいずれかに記載の複合ヒータ。
  8. 前記セラミック層内に、前記ワークを吸着する吸着用電極を備えたことを特徴とする前記請求項7に記載の複合ヒータ。
  9. 前記セラミック層は、溶射によって形成された層であることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の複合ヒータ。
  10. 前記セラミック層と前記金属ベースとの熱膨張差が、5ppm/℃以内であることを特徴とする前記請求項1〜9のいずれかに記載の複合ヒータ。
  11. 前記セラミック層の主成分が、アルミナであることを特徴とする前記請求項1〜10のいずれかに記載の複合ヒータ。
  12. 前記セラミック層の面内温度分布が、±5%以下であることを特徴とする前記請求項1〜11のいずれかに記載の複合ヒータ。
  13. 前記金属ベースのAl成分(重量%)が、30≦Al≦90の範囲であることを特徴とする前記請求項1〜12のいずれかに記載の複合ヒータ。
  14. 前記金属ベースのSi成分(重量%)が、10≦Si≦70の範囲であることを特徴とする前記請求項1〜13のいずれかに記載の複合ヒータ。
  15. 前記金属ベースは、Al及びSiを主成分とし、その熱膨張係数が、5〜9ppm/℃の範囲であることを特徴とする前記請求項1〜14のいずれかに記載の複合ヒータ。
  16. 前記金属ベースの内部に、冷媒及び/又は温媒を流す通路を備えたことを特徴とする前記請求項1〜15のいずれかに記載の複合ヒータ。
  17. 前記発熱体に電力を供給する電源を備えたことを特徴とする前記請求項1〜16のいずれかに記載の複合ヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2680667A1 (de) * 2012-06-29 2014-01-01 Hermle Maschinenbau GmbH Verfahren zur Herstellung einer Heizanordnung und Werkzeug umfassend die Heizanordnung
JP2016207595A (ja) * 2015-04-28 2016-12-08 日本特殊陶業株式会社 加熱装置
CN114436672A (zh) * 2022-02-25 2022-05-06 深圳雾臻科技有限公司 一种多孔陶瓷雾化芯的制备方法
WO2023032755A1 (ja) * 2021-08-31 2023-03-09 京セラ株式会社 加熱装置

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