JP2013083377A - 熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板と、この基板上に形成された付着量10mg/m2以上、30mg/m2以下のリン酸クロメート皮膜と、このリン酸クロメート皮膜上に形成された付着量80mg/m2以上、300mg/m2以下の親水性皮膜とを具備してなり、前記親水性皮膜が珪酸リチウムからなり、前記珪酸リチウムはSiO2100重量部に対しLi2Oを5重量部以上、15重量部以下含むことを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材に関する。
【選択図】図1
Description
エアコン用フィンの表面に親水性皮膜を形成する技術の一例として、以下の特許文献1、2に記載のように、フィン形状に加工する前のフィン材に親水性、塗膜密着性、潤滑性、プレス加工性に優れた塗料組成物を塗布して焼き付ける熱交換器用フィン材の製造方法が知られている。
また、本発明者らは、アルミニウムフィンの表面に形成される親水性の塗膜の一例として珪酸ナトリウム(水ガラス)の塗膜を使用し、アルミニウムフィンの表面の親水性を確保した構造の熱交換器を提供している。
しかし、珪酸ナトリウムを用いた親水性塗膜の場合、プレス加工中に金型内にナトリウム分が転写され、これによりカラー飛びと称される問題が発生することがあった。例えば、ドロー加工によりアルミニウム板に張り出し加工を段階的に施し、張り出し部分の形成に引き続きピアス加工により筒型のカラー部分を立ち上げ形成し、続いてフレア加工により最終的に筒型のカラーを形成する際、カラーを徐々に形成するための張り出し加工の途中段階でカラーとなるべき部分が母材から破断してしまう問題がある。
また、プレス加工の際に塗布するプレス油が塗膜に含まれているナトリウムの影響ではじかれてアルミニウム板の表面全域に行き渡らなくなる問題を生じることがあった。
なお、潤滑性の不足には潤滑剤を別途アルミニウム板に塗布することも考えられるが、潤滑剤をアルミニウム板に塗布するとプレス加工の際に滑り過ぎる場合があり、この場合にもスリットの不良を生じるおそれがあった。
本発明は、ドロー加工により貫通孔とその周縁部のカラーが形成される熱交換器用アルミニウムフィン材であることを特徴とする。
本発明の熱交換器は、先に記載のアルミニウムフィン材を備えたことを特徴とする。
また、本発明により優れた親水性を示すアルミニウムフィン材を備えた熱交換器を提供することができる。
図1は、本発明に係るアルミニウムフィンの一例を示す斜視図、図2は同アルミニウムフィンの部分断面図、図3は同アルミニウムフィンを備えた熱交換器の一例を示す斜視図である。
本実施形態のアルミニウムフィン10は、細長い短冊形状をなしており、銅製の伝熱管を通すラッパ状のカラー(フレア)11が、長さ方向に単列、或いは複数列で等間隔に配されている。また、図1に示すアルミニウムフィン10の表面には、伝熱性能の向上を目的にスリット12が必要箇所に設けられているが、これらのスリット12は略しても良い。
図1に示すアルミニウムフィン10は、図2に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるフィン用の基板13の表裏面に、リン酸クロメート皮膜14と親水性皮膜15が積層されている。
図1に示すアルミニウムフィン10は、一例として図2に示すように、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板13の両面にリン酸クロメート皮膜14と親水性皮膜15が形成された平板状のアルミニウムフィン材を用意し、このアルミニウムフィン材に金型を用いたプレス成形加工を施し、ラッパ型のカラー11やルーバースリット12などを形成して得られる。
基板13の両面のリン酸クロメート皮膜14上に被覆されている親水性皮膜15は、珪酸リチウムと水からなる塗料を塗布し乾燥させた皮膜からなる。
この親水性皮膜15は、SiO2100重量部に対しLi2Oを5重量部以上、15重量部以下含む珪酸リチウムからなる。塗料中の珪酸リチウムと水との重量比は例えば、珪酸リチウム23%、水77%などであるが、塗料に含まれている水は乾燥する際に蒸発して消失し、珪酸リチウムの皮膜が残留する。
親水性皮膜15の付着量は、80mg/m2以上、300mg/m2の範囲であることが必要であり、100mg/m2以上、200mg/m2の範囲であることがより好ましい。
塗布量が80mg/m2未満では親水性不良となるおそれがあり、300mg/m2を超える含有量では珪酸リチウムの量が多すぎてコスト高となるおそれがあり、金型摩耗も増加する傾向がある。
前記プレス加工において、前述の親水性皮膜15を備えたアルミニウムフィン材であるならば、ドロー加工時に金型へのリチウム転写量を少なくできる。
その結果、アルミニウムフィン10にカラー11を形成するためのドロー加工とピアス加工、フレア加工を施しても、それらの加工中にカラー飛びと称されるカラーの付け根部分の破断を防止できる。
また、本実施形態の親水性皮膜15は適度な潤滑性も有するので、別途潤滑剤を塗布することなくドロー加工とピアス加工とフレア加工を行うことができるので、プレス金型の滑り過ぎに起因するスリット加工不良も生じない。
また、プレス油のはじきを抑制したので、熱交換器に組み立てる際の乾燥工程を経た場合であっても、乾燥不良を生じない。この点、プレス油を親水性皮膜15がはじくようであると、熱交換器に組み付けた後の乾燥時に乾燥ムラが生じ易い問題がある。
図3に示す熱交換器20は、図1に示す複数のアルミニウムフィン10と、複数の伝熱管30とを備えたものである。アルミニウムフィン10は、一定の間隔で平行に並べられており、複数のアルミニウムフィン10の相互の間隙を空気が流動するようになっている。伝熱管30は、複数整列されたアルミニウムフィン10のカラー11を貫通するように設けられており、その内部を冷媒が流動するようになっている。
図3に示す熱交換器20は、図1に示すアルミニウムフィン10を複数備えているので、アルミニウムフィン10の表面(親水性皮膜15の表面)に付着した水が容易に濡れ広がって流れ落ち、水滴が発生し難い。このため、アルミニウムフィン10の隣合う壁面同士の間隙に、水のブリッジが形成されるのが抑えられ、空気の通風抵抗を小さく抑えることができる。そのため、熱交換能力が低下しにくい熱交換器20を提供することができる。
これらのアルミニウム合金板に珪酸リチウムを含む塗料を塗布した。塗料組成は、Li2O量(SiO2100重量部に対するLi2Oの重量部)を水に23重量%含有させた塗料を用いた。
得られた各試験片の親水性皮膜の親水性について、接触角(流水による水洗24時間後の接触角)を測定した。
得られた各試験片表面の親水性皮膜について、バウデン式摩擦試験機により動摩擦係数を測定した。(プレス油あり、1サイクルの測定)
得られた各試験片の親水性皮膜の油はじき性について、プレス油による油接触角を評価した。(20゜超で油はじき発生とした。)
得られた各試験片について、プレス金型を用いてドロー加工(張り出し加工)とピアス加工とフレア加工を施し、内径9.52mmの貫通孔の内周縁部分に高さ1.4〜1.8mmのラッパ状のカラー(フレア)を備えたアルミニウムフィンを作製した。
プレス金型を用いたドロー加工について、5000ショットまでカラー飛び発生の有無を評価した。プレス加工について、5000ショットまでスリット不良が発生するか否かの試験を行った。
加工後に得られたアルミニウム板についてJIS Z2371に従い塩水噴霧試験を行った。(240時間噴霧後、目視観察により、R.N.9.8以上を耐食性熱交換器用として合格とした。)以上の結果を表1に示す。
また、珪酸ナトリウムを含有する親水性皮膜を用い、潤滑剤(共栄社化学製:商品名:ユーキコート♯1901)を用いたNo.2の試料は、スリット不良を生じた。リン酸クロメート皮膜がないNo.3の試料は密着不良となった。密着不良とは、乾いたキムタオル又は水で濡らしたキムタオルを用いて指で10往復擦り、塗膜が剥がれるか、評価した結果である。
本発明範囲を満たすNo.5、6、9、10、11、15〜19の試料は、親水性に優れ、金型へのリチウムの転写量が少なく、耐食性に優れ、油滴接触角が小さく油をはじくおそれが少なく、カラー飛び、スリット不良ともに生じないので、熱交換器用のアルミニウムフィン材として優れていた。
Li2O量が20重量部であって多過ぎるNo.12の試料は接触角が大きく、親水性不良となり、親水性皮膜付着量の少ないNo.14、15の試料は接触角が大きく、親水性不良となった。
Claims (3)
- アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板と、この基板上に形成された付着量10mg/m2以上、30mg/m2以下のリン酸クロメート皮膜と、このリン酸クロメート皮膜上に形成された付着量80mg/m2以上、300mg/m2以下の親水性皮膜とを具備してなり、
前記親水性皮膜が珪酸リチウムからなり、前記珪酸リチウムはSiO2100重量部に対しLi2Oを5重量部以上、15重量部以下含むことを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。 - ドロー加工により貫通孔とその周縁部のカラーが形成されることを特徴とする請求項1記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
- 請求項1または請求項2に記載のアルミニウムフィン材を備えたことを特徴とする熱交換器。
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