JP2011163646A - 熱交換器用アルミニウムフィン及び熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】クロスフィンチューブ型熱交換器における難着霜性の持続性に優れるアルミニウムフィンを提案すること。
【解決手段】アルミニウムよりなる基板10と、基板10の表面に形成した1層もしくは複数層の塗膜からなるプレコート塗膜を有する熱交換器用アルミニウムフィン1である。プレコート塗膜のうち、最外層の塗膜21は第1の撥水性塗膜よりなり、基板10の側端面は、第2の撥水性塗膜3により覆われている。第1の撥水性塗膜21及び第2の撥水性塗膜22は、いずれも、固形分質量%で、フッ素樹脂を5%以上含有することが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】アルミニウムよりなる基板10と、基板10の表面に形成した1層もしくは複数層の塗膜からなるプレコート塗膜を有する熱交換器用アルミニウムフィン1である。プレコート塗膜のうち、最外層の塗膜21は第1の撥水性塗膜よりなり、基板10の側端面は、第2の撥水性塗膜3により覆われている。第1の撥水性塗膜21及び第2の撥水性塗膜22は、いずれも、固形分質量%で、フッ素樹脂を5%以上含有することが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱交換器用アルミニウムフィン及びそれを用いた熱交換器に関する。なお、本明細書中の「アルミニウム」は、アルミニウムを主体とする金属及び合金の総称であり、純アルミニウム及びアルミニウム合金を含む概念である。
空調機や冷蔵庫における熱交換器としては、多数のプレートフィンとチューブ(伝熱管)とを組み合わせて構成されるクロスフィンチューブ型熱交換器が多用されている。
従来から、上記プレートフィンには、軽量で熱伝導性及び加工性に優れていることからアルミニウムが使用されている。
従来から、上記プレートフィンには、軽量で熱伝導性及び加工性に優れていることからアルミニウムが使用されている。
クロスフィンチューブを作製するに当たっては、まず、アルミニウム板よりなる熱交換器用フィンに、上記伝熱管を挿通して固定するための1〜4mm程度の高さのフィンカラー部を有する組み付け孔をプレス加工して上記プレートフィンを作製する。
次いで、この得られたプレートフィンを積層した後に、組み付け孔の内部に、別途作製した伝熱管を挿通させる。
次いで、この得られたプレートフィンを積層した後に、組み付け孔の内部に、別途作製した伝熱管を挿通させる。
伝熱管には、通常、銅管又は銅合金管の内面に転造加工等によって溝加工を施すと共に、定尺切断・ヘアピン曲げ加工を施したものが供される。
次に、伝熱管をアルミニウムプレートフィンに拡管固着し、ヘアピン曲げ加工を施した側と反対側の伝熱管端部にUベンド管をろう付け加工する工程を経て、熱交換器が作製される。
次に、伝熱管をアルミニウムプレートフィンに拡管固着し、ヘアピン曲げ加工を施した側と反対側の伝熱管端部にUベンド管をろう付け加工する工程を経て、熱交換器が作製される。
このような空調機用熱交換器は、例えば暖房運転時の室外器では、空気中の水分がアルミニウムフィンの表面に凝縮水となって付着し、更には外気温が低い場合(2℃以下)、その凝縮水が凍結し着霜する。金属材料の表面は、一般に親水性に乏しいため、この凝縮水はフィン表面に半円形もしくはフィン間にブリッジ状になって存在し、やがて着霜する。これはフィン間の空気の流れを妨げ、通風抵抗を増大させ、熱交換効率を著しく低下させる原因となる。熱交換器の熱効率を向上させるためには、フィン表面の凝縮水を氷結前に迅速に排除すると共に着霜しにくい表面にする必要がある。
この解決法として、以下の2つの対策が考えられる。
(1)アルミニウム合金フィン表面に高親水性被膜を形成し、凝縮水を薄い水膜として流下させる。
(2)アルミニウム合金フィン表面に撥水性被膜を形成し、凝縮水を早期に排除して表面に残りにくいようにする。
(1)アルミニウム合金フィン表面に高親水性被膜を形成し、凝縮水を薄い水膜として流下させる。
(2)アルミニウム合金フィン表面に撥水性被膜を形成し、凝縮水を早期に排除して表面に残りにくいようにする。
上記(2)のアルミニウム合金フィン表面を撥水化し、凝縮水が留まりにくくした撥水性被膜としては、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、シリコーン系または、フッ素系樹脂化合物からなる溶液と、前記溶液中の固形分に対する比率が10〜40重量%であり、比表面積が50m2/g以上、かつ平均粒子径4μm以下でさらに表面に疎水化処理を施した無機微粒子とからなる撥水性コーティング組成物が開示されている。
特許文献2には、シリコーン系樹脂化合物からなる溶液及び分子中に少なくとも2種の官能基を有する樹脂改質剤及び粒径が4μm以下であり、前記溶液中の固形分に対する構成比率が5〜60重量%である無機微粒子とからなる撥水性コーティング用組成物が開示されている。
例えば、特許文献1には、シリコーン系または、フッ素系樹脂化合物からなる溶液と、前記溶液中の固形分に対する比率が10〜40重量%であり、比表面積が50m2/g以上、かつ平均粒子径4μm以下でさらに表面に疎水化処理を施した無機微粒子とからなる撥水性コーティング組成物が開示されている。
特許文献2には、シリコーン系樹脂化合物からなる溶液及び分子中に少なくとも2種の官能基を有する樹脂改質剤及び粒径が4μm以下であり、前記溶液中の固形分に対する構成比率が5〜60重量%である無機微粒子とからなる撥水性コーティング用組成物が開示されている。
特許文献3には、アルミニウム板表面に、バインダーとしての熱硬化性樹脂1重量部に対し、フッ素系又はシリコン系の撥水化剤を0.2重量部以上、平均粒径が0.5〜5μmのアルミナ、ジルコニア、チタニア及び炭化ケイ素からなる群から選択された1種又は2種以上の混合粉末を4〜8重量部混合した混合物からなる皮膜を1mg/dm2以上設けたことを特徴とする表面処理アルミニウムフィン材が開示されている。
特許文献4には、熱硬化性樹脂固形分1重量部に対して、疎水性シリカを0.2重量部以上と、パーフルオロアルキル基を有する撥水化剤を0.1重量部以上含むことを特徴とする撥水性塗料が開示されている。
特許文献5には、金属材の少なくとも一方の表面に、有機または無機の微粒子(A)を含む有機樹脂からなる下地被膜が形成され、該下地被膜の上に撥水性を示す仕上げ被膜が形成され、前記微粒子(A)の平均粒径は前記有機樹脂下地被膜の膜厚より1.5倍以上大きいことを特徴とする撥水性金属塗装材が開示されている。
特許文献5には、金属材の少なくとも一方の表面に、有機または無機の微粒子(A)を含む有機樹脂からなる下地被膜が形成され、該下地被膜の上に撥水性を示す仕上げ被膜が形成され、前記微粒子(A)の平均粒径は前記有機樹脂下地被膜の膜厚より1.5倍以上大きいことを特徴とする撥水性金属塗装材が開示されている。
ところが、上記特許文献1〜5については、優れた撥水性を実現しているものの、必ずしも着霜を抑制する特性、つまり、難着霜性が十分に得られているとは言えない。さらに、撥水性を長期間維持することが困難なものもある。
また、これらのフィンは、伝熱管の挿通孔の加工や、フィン形状への切断を行う前に、フィンの基材であるアルミニウム板もしくはアルミニウム合金板に、事前にロールコート法などで撥水性樹脂塗膜を塗装した、いわゆるプレコートフィンが多く採用されている。
撥水性塗膜は、フィンと伝熱管を組み付けた後、浸漬法によって塗布することも可能であるが、下記のような理由で、プレコートフィンの方が優れている。
撥水性塗膜は、フィンと伝熱管を組み付けた後、浸漬法によって塗布することも可能であるが、下記のような理由で、プレコートフィンの方が優れている。
(1)熱交換器製造工程の簡略化:フィンと伝熱管を組み付けた熱交換器の形で、溶融した撥水性樹脂塗料中に浸漬するという、比較的効率の良くない浸漬塗装工程を省略することが可能である。
(2)塗膜の安定性向上:ロールコート法などによるプレコートでは、膜厚の均一性、塗膜の密着性、塗装面の性状などの塗膜の品質面において浸漬法より優れている。
(2)塗膜の安定性向上:ロールコート法などによるプレコートでは、膜厚の均一性、塗膜の密着性、塗装面の性状などの塗膜の品質面において浸漬法より優れている。
しかしながら、撥水性塗膜を塗布したプレコートフィンを用いて伝熱管と組み付けたクロスフィンチューブ型熱交換器においては、難着霜性の効果はあある程度あるものの、優れた難着霜性、特に優れた難着霜性の持続性を得ることは、未だ十分ではないというのが現状である。
プレコートフィンを用いたクロスフィンチューブ型熱交換器において、これまでのフィン表面に塗布する撥水性塗膜の材質構成の検討だけでは、上記課題を十分に解決することができない。そのため、発明者は、塗膜の材質構成の枠を超えた範囲に拡げて検討を重ねた結果、フィンの側端面の最適な状態がどのようなものであるかという点に着目し、後述する解決手段を得るに至った。
本発明は、上記のような背景のもとになされたものであり、プレコートフィンを用いたクロスフィンチューブ型熱交換器において、難着霜性に優れるアルミニウムフィン、特に難着霜性の持続性に優れるアルミニウムフィン及びそれを用いた熱交換器を提案することを目的とするものである。
第1の発明は、アルミニウムよりなる基板と、該基板の表面に形成した1層もしくは複数層の塗膜からなるプレコート塗膜を有する熱交換器用アルミニウムフィンであって、
上記プレコート塗膜のうち、最外層の塗膜は第1の撥水性塗膜よりなり、
上記基板の側端面は、第2の撥水性塗膜により覆われていることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィンにある(請求項1)。
上記プレコート塗膜のうち、最外層の塗膜は第1の撥水性塗膜よりなり、
上記基板の側端面は、第2の撥水性塗膜により覆われていることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィンにある(請求項1)。
第2の発明は、アルミニウムからなるフィンを多数積層し、該フィンに設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記伝熱管と多数の上記フィンとを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる熱交換器であって、
上記フィンは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウムフィンを用いて形成されていることを特徴とする熱交換器にある(請求項4)。
上記フィンは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウムフィンを用いて形成されていることを特徴とする熱交換器にある(請求項4)。
第1の発明の熱交換器用アルミニウムフィン(以下、適宜、単に「フィン」という)は、側端面を除く表面に上記プレコート塗膜を有しており、当該プレコート塗膜における最外層の塗膜が、上記第1の撥水性塗膜である。そして、フィン(基板)の側端面は、上記第2の撥水性塗膜により覆われている。
従来の撥水性プレコートフィンは、側端面を除く表面は撥水性塗膜により覆われているが、側端面はアルミニウム素材が剥き出しになっており、撥水性の効果がない。そのため、側端面に着霜が起こり、これを起点としてフィンの表面にも着霜が進行するという問題をはらんでいる。
これに対し、本発明のフィンは、上述したごとく、その側端面が第2の撥水性塗膜により覆われているので、フィンの側端面を起点とする着霜が効果的に抑制され、着霜しにくい特性が持続的に継続する効果を発揮する。
これに対し、本発明のフィンは、上述したごとく、その側端面が第2の撥水性塗膜により覆われているので、フィンの側端面を起点とする着霜が効果的に抑制され、着霜しにくい特性が持続的に継続する効果を発揮する。
第2の発明の熱交換器は、上記の優れたフィンを用いて構成してある。そのため、難着霜性、特に難着霜性の持続性に優れ、着霜による通風抵抗増大が効果的に抑制され、良好な熱交換性能を維持することが可能である。
本発明のフィンは、上記のごとく、1層もしくは複数層の塗膜よりなるプレコート塗膜を有している。ここでいう1層は、同一種類の塗膜を塗っている層を意味し、同一種類の塗膜を1回塗った場合だけでなく、同一種類の塗膜を複数回塗り重ねて形成した塗膜も1層である。したがって、複数層とは、異なる種類の塗膜が積層された場合を意味する。そして、本発明では、上記プレコート塗膜は、その最外層に上記第1の撥水性塗膜を有しており、当該第1の撥水性塗膜だけで構成してもよいし、その下層に他の種類の塗膜を施してもよい。
複数層の塗膜の場合、例えば、第1層目として、エポキシ系塗膜を設け、その上に上記最外層の第1の撥水性塗膜を設けることができる。また、アルミニウム基板上の片面又は両面には、下地処理層を設けることが好ましい。下地処理層としては、例えば塗布型あるいは反応型のリン酸クロメート、またはクロムフリー化成皮膜層が採用される。
さらに、本発明のフィン(基板)の側端面は、上記のごとく、第2の撥水性塗膜によって覆われている。フィンは、通常短冊状の形状に切断されて用いられるが、その幅方向の側端面が全面にわたって上記第2の撥水性塗膜によって覆われていることが必要である。一方、フィンの長手方向の端面については、上記第2の撥水性塗膜によって覆われていることが好ましいが、これは必須ではない。
上記第1の撥水性塗膜と上記第2の撥水性塗膜の成分は、同一であってもよいし、異なるものであってもよいが、いずれも撥水性塗膜となることが必要である。ここで、撥水性塗膜とは、水滴との接触角が90°〜150°の塗膜をいう。
また、上記第1の撥水性塗膜及び上記第2の撥水性塗膜は、いずれも、固形分質量%で、フッ素樹脂を5%以上含有することが好ましい(請求項2)。フッ素樹脂を含有することによって、撥水性、さらには難着霜性の持続性を良好とすることができ、また、上記各塗膜を形成するための塗料を塗装する際の塗装性を良好とすることができる。
また、上記第2の撥水性塗膜は、上記基板に上記プレコート塗膜を施した中間材を所望のフィン形状に切断した後に、切断された上記基板の上記側端面に上記第2の撥水性塗膜用の塗料を塗布することにより形成してなることが好ましい(請求項3)。これにより、基板表面のプレコート塗装の利点をそのまま生かし、側端面だけに上記第2の撥水性塗膜を形成することができる。この第2の撥水性塗膜用の塗料の塗布方法としては、例えば、塗料を含浸させたロール、フェルトなどをフィン(基板)の側端面に接触させることによって行うことができる。また、この塗布工程は、熱交換器を完成させた後に行っても良いし、完成させる前に行っても良い。
本発明の実施例にかかる熱交換器用アルミニウムフィンにつき説明する。
本例の熱交換器用アルミニウムフィン1は、図1に示すごとく、アルミニウムよりなる基板10と、該基板10の両方の表面11、12にそれぞれ形成した2層の塗膜からなるプレコート塗膜2を有する熱交換器用アルミニウムフィンである。プレコート塗膜2のうち、最外層の塗膜21は第1の撥水性塗膜よりなり、該塗膜21と基板10との間には、耐食性を高めるためのエポキシ樹脂よりなる下塗り塗膜22を介在させた。
また、図1に示すごとく、基板10の幅方向両方の側端面101(102)(図2参照)は、第2の撥水性塗膜3により覆われている。
本例の熱交換器用アルミニウムフィン1は、図1に示すごとく、アルミニウムよりなる基板10と、該基板10の両方の表面11、12にそれぞれ形成した2層の塗膜からなるプレコート塗膜2を有する熱交換器用アルミニウムフィンである。プレコート塗膜2のうち、最外層の塗膜21は第1の撥水性塗膜よりなり、該塗膜21と基板10との間には、耐食性を高めるためのエポキシ樹脂よりなる下塗り塗膜22を介在させた。
また、図1に示すごとく、基板10の幅方向両方の側端面101(102)(図2参照)は、第2の撥水性塗膜3により覆われている。
本例では、上記プレコート塗膜2の最外層の塗膜(第1の撥水性塗膜)21及び第2の撥水性塗膜4としては、いずれも、固形分質量%で、フッ素樹脂を5%以上含有する同じ塗膜を採用した。具体的には、フッ素樹脂70%とウレタン樹脂30%とからなる塗膜である。
上記フッ素樹脂としては、具体的には、パーフルオロアルキル基を含む大原パラヂウム製EC450を用いた。
また、上記ウレタン樹脂としては、具体的には、アデカ製HUX350を用いた。
なお、これらの塗膜成分は、他の撥水性塗膜の成分に変更可能である。
上記フッ素樹脂としては、具体的には、パーフルオロアルキル基を含む大原パラヂウム製EC450を用いた。
また、上記ウレタン樹脂としては、具体的には、アデカ製HUX350を用いた。
なお、これらの塗膜成分は、他の撥水性塗膜の成分に変更可能である。
また、基板10とプレコート塗膜2との間には、図示しないリン酸クロメートよりなる化成被膜が形成されている。
クロスフィンチューブ熱交換器に組み付けるフィン材を作製するに当たっては、まず、基板として、JIS A 1050−H26、厚み0.1mmのアルミニウム板を準備し、リン酸クロメートを浸漬処理することにより、基板の表面に化成皮膜を形成した。
その後、耐食性の下塗り塗膜22となるエポキシ樹脂塗料を、浸漬法により塗装し、170℃に20分間保持する条件で焼き付けた。耐食性の下塗り塗膜22の厚さは1.0μmに設定した。
下塗り塗膜22の上には、最外層の塗膜(第1の撥水性塗膜)21となる塗料を、ロールコート法により100℃に20分間保持する条件で焼き付け、プレコート塗膜2とした。第1の撥水性塗膜21の厚さは1.5μmに設定した。
下塗り塗膜22の上には、最外層の塗膜(第1の撥水性塗膜)21となる塗料を、ロールコート法により100℃に20分間保持する条件で焼き付け、プレコート塗膜2とした。第1の撥水性塗膜21の厚さは1.5μmに設定した。
次に、熱交換器の製造方法について説明する。
本例で用いる熱交換器6は、図2に示すごとく、上記熱交換器用アルミニウムフィン1よりなる多数のプレートフィンと、これらを貫通させた伝熱管61とを組み合わせたクロスフィンチューブタイプのものである。
本例で用いる熱交換器6は、図2に示すごとく、上記熱交換器用アルミニウムフィン1よりなる多数のプレートフィンと、これらを貫通させた伝熱管61とを組み合わせたクロスフィンチューブタイプのものである。
上記熱交換器6を作製するに当たっては、上記のごとく作製したアルミニウム板よりなるプレコートフィン1に、上記伝熱管61を挿通して固定するための1〜4mm程度の高さのフィンカラー部を有する組み付け孔(図示略)をプレス加工して上記プレートフィンを作製する。
次いで、この得られたプレートフィンを積層した後に、組み付け孔の内部に、別途作製した伝熱管61を挿通させる。
次いで、この得られたプレートフィンを積層した後に、組み付け孔の内部に、別途作製した伝熱管61を挿通させる。
伝熱管61には、通常、銅管又は銅合金管の内面に転造加工等によって溝加工を施すと共に、定尺切断・ヘアピン曲げ加工を施したものが供される。
次に、伝熱管61をフィン1に拡管固着し、ヘアピン曲げ加工を施した側と反対側の伝熱管端部にUベンド管62をろう付け加工する工程を経て、熱交換器6が作製される。
各部のサイズは、フィン1の幅Wは25.4mm、長さLは294mm、フィンの積層ピッチPは1.4mm、熱交換器6全体の幅Dは300mmとした。
次に、伝熱管61をフィン1に拡管固着し、ヘアピン曲げ加工を施した側と反対側の伝熱管端部にUベンド管62をろう付け加工する工程を経て、熱交換器6が作製される。
各部のサイズは、フィン1の幅Wは25.4mm、長さLは294mm、フィンの積層ピッチPは1.4mm、熱交換器6全体の幅Dは300mmとした。
伝熱管61としては、外径:7.0mm、底肉厚:0.45mm、フィン高さ:0.20mm、フィン頂角:15.0°、らせん角:10.0°のらせん溝付内面溝付銅管を採用した。
得られた熱交換器6は、脱脂のため140℃で20分加熱した。
得られた熱交換器6は、脱脂のため140℃で20分加熱した。
次に、脱脂後の熱交換器6の風を受ける前面及びその反対側の背面にあたるフィン1の側端面101、102に、前記第1の撥水性塗膜用の塗料と同じ塗料を塗布した。この塗料の塗布は、塗料を含浸させたフェルトをフィン1の側端面101、102に接触させることによって行った。その後、加熱することによって、第2の撥水性塗膜3を形成した。なお、本例では、フィン1の長手方向の端面103、104には塗装を施さなかった。
<難着霜性の持続性の評価>
上述した熱交換器を用いて、難着霜性の持続性の評価を行った。
評価は、雰囲気温度(乾球温度)が2℃、湿球温度が1℃の環境下に上記熱交換器を設置し、伝熱管内に、−5℃の冷媒91を流し、流通させる風の入り口風速を1.5m/secとするという運転条件で行った。そして、風92の通風抵抗を、熱交換器の入り側と出側での差圧によって測定し、その値が500Paになるまでを1サイクルとして、その運転時間にて評価した。通風抵抗が500Paになるまでの運転時間が、比較のために別途準備した無塗装材を用いた熱交換器(アルミニウム基板表面を露出させ、一切塗膜等を形成していないフィン)よりも20分以上延びたサイクルがどのくらい継続するかを評価した。
上述した熱交換器を用いて、難着霜性の持続性の評価を行った。
評価は、雰囲気温度(乾球温度)が2℃、湿球温度が1℃の環境下に上記熱交換器を設置し、伝熱管内に、−5℃の冷媒91を流し、流通させる風の入り口風速を1.5m/secとするという運転条件で行った。そして、風92の通風抵抗を、熱交換器の入り側と出側での差圧によって測定し、その値が500Paになるまでを1サイクルとして、その運転時間にて評価した。通風抵抗が500Paになるまでの運転時間が、比較のために別途準備した無塗装材を用いた熱交換器(アルミニウム基板表面を露出させ、一切塗膜等を形成していないフィン)よりも20分以上延びたサイクルがどのくらい継続するかを評価した。
評価の結果、本発明の実施例は、上記サイクルが30サイクル以上継続し、難着霜性の持続性が向上することが分かった。
1 熱交換器用アルミニウムフィン
10 基板
2 プレコート塗膜
21 最外層の塗膜(第1の撥水性塗膜)
3 第2の撥水性塗膜
6 熱交換器
10 基板
2 プレコート塗膜
21 最外層の塗膜(第1の撥水性塗膜)
3 第2の撥水性塗膜
6 熱交換器
Claims (4)
- アルミニウムよりなる基板と、該基板の表面に形成した1層もしくは複数層の塗膜からなるプレコート塗膜を有する熱交換器用アルミニウムフィンであって、
上記プレコート塗膜のうち、最外層の塗膜は第1の撥水性塗膜よりなり、
上記基板の側端面は、第2の撥水性塗膜により覆われていることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン。 - 請求項1において、上記第1の撥水性塗膜及び上記第2の撥水性塗膜は、いずれも、固形分質量%で、フッ素樹脂を5%以上含有することを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン。
- 請求項1又は2において、上記第2の撥水性塗膜は、上記基板に上記プレコート塗膜を施した中間材を所望のフィン形状に切断した後に、切断された上記基板の上記側端面に上記第2の撥水性塗膜用の塗料を塗布することにより形成してなることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン。
- アルミニウムからなるフィンを多数積層し、該フィンに設けられた円筒状のカラー部内に挿入配設することにより上記伝熱管と多数の上記フィンとを一体的に組み付けてなるクロスフィンチューブからなる熱交換器であって、
上記フィンは、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器用アルミニウムフィンを用いて形成されていることを特徴とする熱交換器。
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