JP2013080531A - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法及び磁気ディスクの製造方法、並びにガラス基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円板状のガラス基板の端面部分に研削液を供給しつつ、基板の外周側端面に砥石を接触させて研削することにより基板の端面を形状加工する。上記砥石は、端面部分を有する円盤状に形成されその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石である。砥石の移動方向とガラス基板の移動方向とが交差するようにして、砥石の端面部分を基板の端面に接触させ且つ前記基板と砥石とを相対的に移動させる。
【選択図】図2
Description
磁気ディスク用ガラス基板は、通常、ディスク状に成形したガラス基板に、研削、研磨、化学強化等の工程を順次施して製造される。
また、上述のハードディスクドライブは、従来のパーソナルコンピュータなどに搭載されるものだけでなく、近年は、カーナビゲーション、家庭用ビデオレコーダーやビデオカメラの記録媒体として大容量化が図られている。よって、磁気ディスクの記録密度を飛躍的に増大させる必要から、安価で高性能な磁気記録媒体が求められてきている。
ところが、上述の図4に示したような研削砥石を用いた現状の端面加工プロセスでは研削加工時に発生する基板へのダメージが大きくクラックが深いことから次の研磨工程での研磨取代が徒に多くなってしまうため、寸法精度が安定しにくい、端面に残留クラックが残りやすい、というプロセスが抱える問題点がある。すなわち、従来の磁気ディスク用ガラス基板の端面の面取り加工は、所定寸法を高能率で加工するために、断続的なクリープ研削に似た研削様式により行っている。そのため、従来は粗粒度(粒径大)の砥石を用いることにより、必要な除去速度を確保するための大きな切込み量(研削性)が得られるようにしている。しかしながら、このような大きな切込み量は、脆性破壊モードによる研削加工となり、塑性モード主体の研削加工による良好な研削面品位(鏡面品位)が得られ難い。従来は、端面の研削加工を行った後に、端面の鏡面研磨工程を施すことにより鏡面品位を得るようにしていたが、切込み量が大きいと研削加工面の加工歪みが深くなり、鏡面研磨を行っても歪みや条痕が残留し高品位が得られない場合がある。良好な研削面品位を得るためには、例えば微細粒度(粒径小乃至は微細)の砥石を用いることが考えられる。
また、磁気ディスク用のガラス基板の端面はチャンファ面を有する面取り形状であり、更にそれぞれの形状に内外径の寸法公差を含めて公差精度要求も最近では非常に厳しいことから、ガラス基板端面の面取り加工による寸法形状精度を確保するためには、砥石の磨耗を抑えながら(形状維持を保ちながら)切れ味を持続させ、研削性を安定的に確保する必要がある。
すなわち、本発明は、前記課題を解決するため、以下の構成としている。
(構成1)
円板状のガラス基板の端面部分に研削液を供給しつつ、前記ガラス基板の端面に砥石を接触させて研削することにより前記ガラス基板の端面を形状加工する工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、前記砥石は、端面部分を有する円盤状に形成されているとともにその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石であり、前記砥石の移動方向と前記ガラス基板の移動方向とがこれらの接触点において交差するようにして、前記砥石の端面部分を前記ガラス基板の端面に接触させ且つ前記ガラス基板と前記砥石とを相対的に移動させることにより、前記ガラス基板の端面を形状加工することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
前記ガラス基板と前記砥石の両方を回転させることにより形状加工することを特徴とする構成1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成3)
前記ガラス基板の端面の側壁面を形状加工する砥石と該端面の面取面を形状加工する砥石とを同時に使用することを特徴とする構成1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成4)
前記ガラス基板の端面を形状加工した後、同じく端面を研磨ブラシを用いて鏡面研磨加工することを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
前記砥石を用いた形状加工とその後の研磨ブラシを用いた鏡面研磨加工とで加工方向を略90度異ならせることを特徴とする構成4に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成6)
加工する前記ガラス基板の端面は外周側端面であることを特徴とする構成1乃至5のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成7)
前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の少なくとも面取面が凹面状になっていることを特徴とする構成1乃至6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の側壁面が凹面状になっていることを特徴とする構成1乃至7のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
(構成9)
構成1乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
円板状のガラス基板の端面部分に研削液を供給しつつ、前記ガラス基板の端面に砥石を接触させて研削することにより前記ガラス基板の端面を形状加工することによって得られる磁気ディスク用ガラス基板の製造に用いられるガラス基板であって、前記砥石は、端面部分を有する円盤状に形成されているとともにその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石であり、前記砥石の移動方向と前記ガラス基板の移動方向とがこれらの接触点において交差するようにして、前記砥石の端面部分を前記ガラス基板の端面に接触させ且つ前記ガラス基板と前記砥石とを相対的に移動させることにより、前記ガラス基板の端面の形状加工を行い、前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の少なくとも面取面が凹面状になっていることを特徴とするガラス基板。
したがって、微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、微細砥粒を用いても砥石の切れ味を持続させ、研削性を安定的に確保することで、ガラス基板端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
図1は、本発明が適用される磁気ディスク用ガラス基板1の全体図であり、(A)はその一部を断面で示した側面図、(B)はその平面図である。る。該ガラス基板1は、中心部に円孔を有する全体がディスク(円板)状に形成され、その表裏の主表面11,11と、これら主表面11,11間に形成される外周側の端面12と、内周側の端面13とを有する。
上記ガラス基板1の外周側の端面12は、その主表面11と直交する側壁面12aと、この側壁面12aと表裏の主表面11,11との間にそれぞれ形成されている2つの面取面(面取りした面)12b、12bとからなる形状に形成されている。また、上記ガラス基板1の内周側の端面13についても、その主表面11と直交する側壁面13aと、この側壁面13aと表裏の主表面11,11との間にそれぞれ形成されている2つの面取面(面取りした面)13b、13bとからなる形状に形成されている。
また、磁気ディスク用ガラス基板1の主表面11、外周側端面12、内周側端面13は、それぞれ所定の表面粗さとなるように研磨(鏡面研磨)仕上げされる。外周側端面12及び内周側端面13はいずれも、上述のような端面形状に仕上げられ、なお且つ、表面粗さが例えばRmaxで1μm以下、Raで0.1μm以下の鏡面状態に仕上げられることが通常求められる。
まず、上記ガラス基板(ガラスディスク)10の端面の研削工程について説明する。
ガラス基板10は、本実施の形態では基板面が水平となるように配置され、ガラス基板10を回転駆動する駆動部26上にセットされている。
上外径面取面加工用砥石20、下外径面取面加工用砥石22、および外径側壁面加工用砥石24は、いずれも端面部分を有する円盤状に形成されているとともにその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石である。上外径面取面加工用砥石20は駆動部21によって、下外径面取面加工用砥石22は駆動部23によって、外径側壁面加工用砥石24は駆動部25によってそれぞれ所定方向に回転駆動される。
なお、図2に示したガラス基板10に対する上記上外径面取面加工用砥石20、下外径面取面加工用砥石22、および外径側壁面加工用砥石24の配設関係は一例であって、本発明はこれに限定されるわけではない。
また、本発明では円盤状の砥石を用いるため、加工面は凹面状となり、加工面の端部は尖る傾向である。一般的に研磨ブラシを用いた鏡面研磨加工では、面取り面と端面の境界、及び、主表面と面取り面の境界部分が研磨されやすいため、研磨加工後の面取り面は凸形状となり、境界部においては局率半径が大きくなる傾向にある。この傾向は研磨加工の取りしろが大きくなるほど顕著となる。よって、従来は筋目を除去するために研磨加工の取りしろを増やすと、寸法形状精度が悪化するという問題があった。本発明では、ブラシ研磨加工の取りしろを減らすことができるのみならず、凹面に対して凸形状となる加工を施すことで凹凸を相殺する効果が得られるため、良好な寸法精度を容易に達成することができる。
したがって、微細砥粒砥石を用いて研削加工を行った場合にも安定した研削性を確保でき、良好な研削面品位(鏡面品位)を安定的に得ることができる。しかも、微細砥粒を用いても砥石の切れ味を持続させ、研削性を安定的に確保することで、ガラス基板端面の面取り加工による良好な寸法形状精度を確保することができる。
また、本発明では上記各砥石とガラス基板10の夫々の回転速度は特に制約する必要はなく、研削性や加工能率の観点を考慮して適宜決定されればよい。
本実施の形態においては、上記のとおり、上記上外径面取面加工用砥石20、下外径面取面加工用砥石22、および外径側壁面加工用砥石24のいずれもその回転移動方向と上記ガラス基板10の回転移動方向とが例えば略垂直に交差するようにして加工を行うので、この形状加工とその後の研磨ブラシを用いた鏡面研磨加工とで加工方向を略90度異ならせることが可能になる。本発明によれば、そもそも筋目が入りにくいばかりか、例え筋目が入る場合であっても、砥石の回転数を制御することで筋目の方向を円周方向からずらすことが可能である。こうすることで、その後にブラシ研磨工程による鏡面化を行う場合であっても、ブラシの移動方向が筋目方向と直交するようにできるので、筋目を少ない取りしろで容易に消去することが可能となる。
以上のようにして、基板の外周側及び内周側端面の研削、研磨工程を終えたガラス基板に、続いて主表面の鏡面研磨工程、化学強化工程、等を施すことにより、図1に示すような磁気ディスク用ガラス基板1が得られる。
すなわち、上述の本発明の実施の形態により得られる磁気ディスク用ガラス基板上に、少なくとも磁性層を形成することにより磁気ディスクが得られる。通常は、例えば垂直磁気記録媒体として、ガラス基板上に、付着層、軟磁性層、下地層、磁性層、保護層、潤滑層などを設けた磁気ディスクとするのが好適である。
本発明による磁気ディスク用ガラス基板を用いる磁気ディスクの製造方法によれば、基板の端面を高品質に仕上げることができ、コロージョン対策など、基板端面の表面状態が起因する障害の発生を防止し、より一層の高記録密度化を実現できる磁気ディスクを提供することができる。
(実施例1)
以下の(1)粗ラッピング工程(粗研削工程)、(2)精ラッピング工程(精研削工程)、(3)端面研削工程(4)端面研磨工程、(5)主表面第1研磨工程、(6)化学強化工程、(7)主表面第2研磨工程、を経て本実施例の磁気ディスク用ガラス基板を製造した。
まず、溶融ガラスから上型、下型、胴型を用いたダイレクトプレスにより直径66mmφ、厚さ1.0mmの円盤状のアルミノシリケートガラスからなるガラス基板(ガラスディスク)を得た。なお、この場合、ダイレクトプレス以外に、ダウンドロー法やフロート法で形成したシートガラスから研削砥石で切り出して円盤状のガラス基板を得てもよい。このアルミノシリケートガラスとしては、SiO2:58〜75重量%、Al2O3:5〜23重量%、Li2O:3〜10重量%、Na2O:4〜13重量%を含有する化学強化ガラスを使用した。次いで、ガラス基板に寸法精度及び形状精度を向上させるためラッピング工程を行った。このラッピング工程は両面ラッピング装置を用い、粒度#400の砥粒を用いて行なった。具体的には、はじめに粒度#400のアルミナ砥粒を用い、荷重を100kg程度に設定して、上記ラッピング装置のサンギアとインターナルギアを回転させることによって、キャリア内に収納したガラス基板の両面を面精度0〜1μm、表面粗さ(Rmax)6μm程度にラッピングした。
次に、砥粒の粒度を#1000に変え、ガラス基板表面をラッピングすることにより、表面粗さをRmaxで2μm程度、Raで0.2μm程度とした。上記ラッピング工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、水の各洗浄槽(超音波印加)に順次浸漬して、超音波洗浄を行なった。
次に、円筒状の砥石を用いてガラス基板の中央部分に孔を空けると共に、前述の図2に示す方法によって基板の外周側端面の研削をして直径を65mmφとした後、外周側端面に所定の面取り加工を施した。この場合の面取面加工用砥石及び側壁面加工用砥石は、いずれも粒度#3000のダイヤモンド砥粒をフェノール樹脂で結合して図2に示すような端面部分を有する円盤状に成形したものを使用した。また、研削液としては水溶性研削液(温度20℃)を使用した。
ガラス基板の外周側端面部分に上記研削液を供給しつつ、上記砥石をガラス基板の外周側端面を接触させなお且つガラス基板と砥石の両方を回転させることにより、ガラス基板の外周側端面の側壁面及び面取面の両方の面を形状加工した。なお、砥石の回転速度は20000rpm、ガラス基板の回転速度は20rpmとした。
次いで、所定の研削砥石を用いて従来と同様に基板の内周側端面の研削、面取り加工を施した。なお、本発明の端面加工方法は内周側端面にも適用できるが、本実施例では、一例として、本発明の加工方法を外周側端面のみに適用し、内周側端面は従来の総型砥石による加工とした。
次いで、研磨ブラシを用いてガラス基板の外周側端面の研磨を行った。この場合の研磨ブラシのブラシ毛の材質は6−6ナイロンを使用した。この研磨ブラシの回転数は1000rpm、またガラス基板の回転数は、研磨ブラシとは逆方向に50rpmとした。また、研磨剤は酸化セリウムを使用し、この酸化セリウムを含む約30℃の研磨液を供給した。
そして、上記端面研磨加工を終えたガラス基板の表面を水洗浄した。
次に、上述したラッピング工程で残留した主表面の傷や歪みを除去するための第1研磨工程を両面研磨装置を用いて行なった。両面研磨装置においては、研磨パッドが貼り付けられた上下定盤の間にキャリアにより保持したガラス基板を密着させ、このキャリアをサンギアとインターナルギアとに噛合させ、上記ガラス基板を上下定盤によって挟圧する。その後、研磨パッドとガラス基板の研磨面との間に研磨液を供給して回転させることによって、ガラス基板が定盤上で自転しながら公転して両面を同時に研磨加工するものである。具体的には、ポリシャとして硬質ポリシャ(硬質発泡ウレタン)を用い、研磨工程を実施した。研磨条件は、研磨液としては酸化セリウム(平均粒径1.3μm)を研磨剤として分散したRO水とし、荷重:100g/cm2、研磨時間:15分とした。上記第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA(イソプロピルアルコール)、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次に、上記洗浄を終えたガラス基板に化学強化を施した。化学強化は硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの混合した化学強化液を用意し、この化学強化溶液を380℃に加熱し、上記洗浄・乾燥済みのガラス基板を約4時間浸漬して化学強化処理を行なった。化学強化を終えたガラス基板を硫酸、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
次に第1研磨工程で使用したものと同じタイプの両面研磨装置を用い、ポリシャを軟質ポリシャ(スウェードパット)に変えて、第2研磨工程を実施した。この第2研磨工程は、上述した第1研磨工程で得られた平坦な表面を維持しつつ、例えば表面粗さRaを0.1〜0.3nm程度以下まで低減させることを目的とするものである。研磨条件は、研磨液としてはコロイダルシリカ(平均粒径0.05μm)を分散したRO水とし、荷重:100g/cm2、研磨時間を5分とした。上記第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、純水、IPA、IPA(蒸気乾燥)の各洗浄槽に順次浸漬して、超音波洗浄し、乾燥した。
本比較例は、ガラス基板の外周側端面の研削加工を従来の方法を用いて行った点が前述の実施例とは相違する。すなわち、ガラス基板の外周側端面に前述の図4に示すような円筒状の研削砥石の外周面側を接触させ且つガラス基板と砥石の両方を回転させることにより研削加工を行った。研削砥石には、粒度(微細砥粒#500)のダイヤモンド砥石(あるいは酸化セリウム砥石)を用いた。その他の研削条件については適宜調整して行った。
次いで、従来の研磨ブラシ、研磨装置を用いて、ガラス基板の外周側端面の研磨を行った。この場合の研磨ブラシのブラシ毛の材質は6−6ナイロンを使用した。研磨剤は酸化セリウムを使用し、この酸化セリウムを含む約30℃の研磨液を供給した。その他の研磨条件については適宜調整して行った。
こうして100枚の研削、研磨加工を終えたガラス基板の外周側端面の表面粗さは、平均値でRaが0.1μm程度であったが、外径の寸法ばらつきは50μm程度と大きかった。
研磨後のガラス基板の外周側端面形状をコントレーサーで測定したところ、断面で見ると全体が丸く仕上がっており、図1に示すような、端面12が、2つの面取面12bとその間の側壁面12aとからなる所定の面取り形状にきっちりと仕上がっていなかった。なお、外周側端面の研削加工には、加工面品位の点で有利な微細砥粒砥石を使用したが、短時間で目詰まりや目潰れといった問題が発生したため、途中で砥石を交換し、再度条件出しを行う必要が生じ、作業能率が低下した。
上記実施例で得られた本発明の磁気ディスク用ガラス基板に以下の成膜工程を施して、垂直磁気記録用磁気ディスクを得た。
すなわち、上記ガラス基板上に、Ti系合金薄膜からなる付着層、CoTaZr合金薄膜からなる軟磁性層、Ru薄膜からなる下地層、CoCrPt合金からなる垂直磁気記録層、カーボン保護層、潤滑層を順次成膜した。保護層は、磁気記録層が磁気ヘッドとの接触によって劣化することを防止するためのもので、水素化カーボンからなり、耐磨耗性が得られる。また、潤滑層は、アルコール変性パーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤をディップ法により形成した。
得られた磁気ディスクについて、DFHヘッドを備えたHDDに組み込み、80℃かつ80%RHの高温高湿環境下においてDFH機能を作動させつつ1ヶ月間のロードアンロード耐久性試験を行ったところ、特に障害も無く、良好な結果が得られた。
10 ディスク状ガラス基板(ガラスディスク)
11 ガラス基板の主表面
12 ガラス基板の外周側端面
13 ガラス基板の内周側端面
20 上外径面取面加工用砥石
21,23,25,26 駆動部
22 下外径面取面加工用砥石
24 外径側壁面加工用砥石
Claims (10)
- 円板状のガラス基板の端面部分に研削液を供給しつつ、前記ガラス基板の端面に砥石を接触させて研削することにより前記ガラス基板の端面を形状加工する工程を有する磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
前記砥石は、端面部分を有する円盤状に形成されているとともにその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石であり、
前記砥石の移動方向と前記ガラス基板の移動方向とがこれらの接触点において交差するようにして、前記砥石の端面部分を前記ガラス基板の端面に接触させ且つ前記ガラス基板と前記砥石とを相対的に移動させることにより、前記ガラス基板の端面を形状加工することを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。 - 前記ガラス基板と前記砥石の両方を回転させることにより形状加工することを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス基板の端面の側壁面を形状加工する砥石と該端面の面取面を形状加工する砥石とを同時に使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス基板の端面を形状加工した後、同じく端面を研磨ブラシを用いて鏡面研磨加工することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記砥石を用いた形状加工とその後の研磨ブラシを用いた鏡面研磨加工とで加工方向を略90度異ならせることを特徴とする請求項4に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 加工する前記ガラス基板の端面は外周側端面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の少なくとも面取面が凹面状になっていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の側壁面が凹面状になっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によって製造された磁気ディスク用ガラス基板の主表面上に少なくとも磁性層を形成することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
- 円板状のガラス基板の端面部分に研削液を供給しつつ、前記ガラス基板の端面に砥石を接触させて研削することにより前記ガラス基板の端面を形状加工することによって得られる磁気ディスク用ガラス基板の製造に用いられるガラス基板であって、
前記砥石は、端面部分を有する円盤状に形成されているとともにその中心を回転軸にして回転可能に構成されている円盤状回転砥石であり、
前記砥石の移動方向と前記ガラス基板の移動方向とがこれらの接触点において交差するようにして、前記砥石の端面部分を前記ガラス基板の端面に接触させ且つ前記ガラス基板と前記砥石とを相対的に移動させることにより、前記ガラス基板の端面の形状加工を行い、
前記ガラス基板の形状加工後の外周側及び/又は内周側の端面の少なくとも面取面が凹面状になっていることを特徴とするガラス基板。
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