JP2013077450A - 金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、それを用いた固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、それを用いた固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、セル強度に優れると共にねじれやたわみに対する剛性と圧縮に対する変形自由度があり、金属支持体と電極との密着性に優れ、かつ、緻密な電解質層を簡便な製法で作製することができる金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、さらにこのようなセルを使用した固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
【解決手段】本発明に係わる金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、金属隔壁から構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(B)、(C)、(D)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inch2の範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該支持体(A)の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴とする金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属隔壁で構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する金属多孔質基板を支持体とする金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルと、該セルを用いた固体酸化物形燃料電池に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、酸素イオン伝導性固体酸化物からなる電解質膜と、この電解質膜を間に挟んで互いに対向する状態に配置された燃料極層と空気極層との3層膜を基本構成とするセルを備えており、燃料極側に水素などの燃料ガスを供給する一方、空気極側に空気などの酸化性ガスを供給することによって、電気化学反応に基づく直流電力を得ることができる。
近年、従来の電解質支持型セルや電極支持型セルよりも機械的強度、急速起動性、耐レドックス特性等に優れる金属支持型セルが盛んに開発されている。該金属支持型セルは3次元多孔質構造やハニカム構造の金属支持体に3層膜が形成されている。例えば、特開平11−162483号公報(特許文献1)には、多孔質の金属基板上にNiOを含む混合導電性の薄い保護膜、固体電解質、カソード電極を形成した金属支持型のセル構造が提案されている。また、特開2005−322452号公報(特許文献2)には、セル強度に優れると共に軽量であって、セルを集積化(スタック化)した場合の容量及び重量を低減できる金属箔製のハニカム構造基板の各貫通孔毎に単セルを形成したセルが開示されている。さらに、特開2010−218759号公報(特許文献3)には、ガスタイトな電解質膜を得るために、電解質層と燃料極層との界面の表面粗さおよび電解質層と空気極層との界面の表面粗さを特定する技術が開示されている。
特開平11−162483号公報 特開2005−322452号公報 特開2010−218759号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載された金属支持型セルは、窒素雰囲気中にさらして温度を800℃まで上昇させた後、室温まで下げる冷熱サイクルを20回程繰り返すと固体電解質にひび割れが発生する問題のあることが記載され、耐久性に課題がある。また、特許文献2の金属箔製ハニカム構造の各貫通孔内にセル構成要素の一部が充填されたセル作製は、その工程が複雑であり、また、均質なセルが得られにくく、金属箔製のハニカム構造の貫通孔表面からセル構成要素が剥離するといった問題があることが本願発明者らの検討でわかった。
さらに、特許文献3の高速フレーム溶射法では、金属支持体上に特定粒径の燃料極用金属酸化物粉末を溶射して形成した燃料極層は、電解質層との密着性と比較して必ずしも金属支持体との密着は十分とは言えず、金属支持型セルを室温と発電性能評価温度との冷熱サイクルに曝すと、金属支持体と燃料極層との間で一部に剥離が起こる問題があることが本願発明者らの検討でわかった。
本発明は、従来の固体酸化物形燃料電池における上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、セル強度に優れると共にねじれやたわみに対する剛性と圧縮に対する変形自由度があり、金属支持体と電極との密着性に優れ、かつ、貫通孔端面に形成される大きく凹むことのない均質な電極層や緻密な電解質層を簡便な製法で作製することができる金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、さらにこのようなセルを使用した固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、金属支持型固体酸化物形燃料電池セル用の金属基板の構造等について検討した結果、ハニカム構造をなす支持体の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有するハニカム構造の金属支持体とすることによって前記目的の達成が可能になることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、金属隔壁で構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造をなす支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(B)、(C)、(D)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴としている。
また、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、金属隔壁で構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造をなす支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(D)、(C)、(B)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴としている。
さらに、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの前記ハニカム構造を有する支持体(A)は、該多孔質層が気孔率30〜95%の多孔質体であることが好ましい。
また、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの前記ハニカム構造を有する支持体(A)は、該支持体端面以外の支持体表面が、酸化物で被覆されていることが好ましい。
本発明は、さらに、前記金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルを用いたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池も、使用するセル強度特性が優れていることから高い信頼性を有する。
本発明によれば、セル強度に優れると共に冷熱サイクルを繰り返してもねじれやたわみに対する剛性があり、ハニカム構造の金属支持体から3層膜セルの剥離が起こりにくく、かつ簡便な製法で均質な電極層や緻密な電解質層を作製することができる金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、さらにこのようなセルを積層したスタックを固定圧縮する際の圧縮バランスが多少損なわれて変形が起こっても形状自由度を有するので荷重バランスが保たれ、集電効果を高めることが可能な固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
本発明の第一の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの模式的な断面図である。 本発明の第二の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの模式的な断面図である。 本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルに用いられる金属支持体の模式的な断面図である。
A:ハニカム構造金属支持体、B:燃料極、C:固体電解質、D:空気極、E:金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、F:金属隔壁、G:貫通孔、H:多孔質層、I:ハニカム構造金属支持体外周部、X:ハニカム構造金属支持体端面、Y:ハニカム構造金属支持体側面、Z:金属隔壁表面、x1:外周部端面、x2:貫通孔端面、x3:金属隔壁端面
本発明の第一の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、金属隔壁から構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(B)、(C)、(D)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該支持体の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有する金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルである。
前記金属隔壁で構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造をなす支持体(A)の材質としては、特に制限されず、ニッケル、ニッケル系耐熱合金、ニッケル−クロム合金、鉄−クロム合金、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304やフェライト系ステンレス鋼SUS430が挙げられる。これらの中で、自動車用排ガス処理触媒の担体として使用されているフェライト系ステンレス鋼が、汎用性があり好ましい。
前記ハニカム構造となる複数の貫通孔(G)の形状は三角形、四角形、六角形やコルゲート状の2つの波形が組合されたものや1つの波形と1つの直線や曲線が組み合わされたものなどが好適であり、これらのうち2種以上の形状が組み合わされていてもよい。
貫通孔数は、1inch平方当たり25〜2000個が好ましく、1inch平方当たり貫通孔数が25個未満ではねじれやたわみに対する剛性と圧縮に対する変形自由度が低下する傾向にあり、支持体上への3層膜セルの形成が困難になる。一方、貫通孔数が1inch平方当たり2000個を超えるハニカム構造の金属支持体は製造することが困難になる。1inch平方当たりの貫通孔数は50〜1500個がさらに好ましく、100〜900個が特に好ましい。
また、貫通孔を仕切る金属隔壁(F)の厚さは10〜1000μmが好ましく、厚さが10μm未満になるとハニカム構造を安定して製造出来にくくなり、一方、厚さが1000μmを超えると貫通孔数が相対的に減少し、支持体中での圧損が大きくなりセル発電性能に影響を及ぼすことになる。金属隔壁の厚さは15〜800μmがさらに好ましく、20〜500μmが特に好ましい。
すべての金属隔壁の厚さは同一である必要は無く、ある一定間隔の隔壁厚さがその他の隔壁厚さより厚くなっていることによって、金属支持体の強度が増すとともに耐たわみ強度も向上する傾向があるので好ましい。また、支持体最外周の筒部は隔壁を保持固定すると共に3層膜セルとのシール部ともなるので、その厚さは金属隔壁よりも厚い500〜3000μmが好ましい。
前記支持体(A)の高さは100〜2000μmが好ましく、高さが100μm未満では冷熱サイクルの繰り返しによって支持体自体がたわみやすくなるため平面性を保てなくなり、一方、2000μmを超えるとセル容量が大きくなるので、必然的に燃料電池装置のコンパクト性が損なわれることになる。金属支持体の高さは150〜1000μmがさらに好ましく、200〜500μmが特に好ましい。
また、前記支持体(A)の大きさは、その上部に形成される3層膜セルの大きさに規定され、一般にはセルの平面面積と同等かほぼ同等の大きさとなる。通常、金属支持体の平面面積としては50〜1000cm、好ましくは75〜900cm、さらに好ましくは100〜750cmである。さらに、前記支持体(A)の端面形状は、円形、楕円形、角形、R(アール)を持った角形、角丸長方形、あるいはこれら形状の筒型など何れでもよい。なお、前記支持体端面(X)とは、支持体外周部(I)の側面以外の支持体端面のことであり、外周部端面(x1)、貫通孔端面(x2)、および金属隔壁端面(x3)から構成される面を言う。
本発明では、前記のように特定された寸法の薄膜状支持体において、該支持体の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有するハニカム構造であることを必須とする。貫通孔の一方の口に多孔質層を有する支持体端面側に電極を形成しても、貫通孔端面(x2)に相当する貫通孔の口での電極層のへこみが抑制され均質な電極層が形成されるとともに3層膜セルを支持体上に簡便に形成でき、しかも、冷熱サイクルの繰り返しによっても支持体とその上に形成された電極層と密着性に優れるので燃料電池用セルとして安定した発電性能を発揮できることになる。
具体的には、支持体上に3層膜セルを製造時に、特に、支持体端面上に燃料極層もしくは空気極層を形成するときに、貫通孔(G)内中に燃料極層成分もしくは空気極層成分が入り込み貫通孔端面部分で凹んだ不均質な電極層となり、その結果として、その上に形成される電解質層の厚さが貫通孔部分と金属隔壁部分で異なる不均質な3層膜セルとなりやすくなるが、貫通孔の口に多孔質層が存在することによって、貫通孔内中に燃料極層成分もしくは空気極層成分が入り込む障害となり、上記のような貫通孔端面部分が凹んだ不均質な電極層の形成が抑制できるとともに支持体との密着性が向上するようになる。
さらに、本発明の金属支持体は、その平面面積が大きいが高さが低い薄膜状であるので、冷熱サイクルを繰り返えすとその熱応力のために、馬の鞍状のねじれやたわみ、反りが生じやすくなり支持体端面の平面度を保つのが困難となる傾向があるが、貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層が存在することによって、支持体内の伝熱性が向上するためか熱応力が緩和されて支持体端面(X)の平面度が保たれる効果があること、その結果として支持体上の3層膜セルも支持体から部分剥離が少なくなること、が本発明者らの検討でわかった。
本発明で言う多孔質層(H)とは、その層の厚さが3μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上で連結孔や貫通孔を有する網目状、メッシュ状、フォーム状、スポンジ状、フィルム状、シート状、板状等の多孔質体から構成される。また、該多孔質層は、貫通孔の一方の口、もしくは両方の口に形成されていてもよい。さらには、貫通孔内全ての領域に前記多孔質体がきっちり埋設された状態で多孔質層が形成されていても、圧損が許容範囲内であれば問題はない。また、多孔質層の上面は、貫通孔端面(x2)をベースとし、そのベース面から電極層の厚さの10%以下、好ましくは5%以下の厚さであれば、隔壁端面から上側に突出していても、あるいは下側に陥没していてもよい。
ただし、多孔質層の気孔率は30〜95%であることが、貫通孔内のガス流通性(圧損)と、前記支持体上の電極層や電解質層の均質性の観点から好ましい。より好ましい多孔質層の気孔率は40〜90%、さらに好ましくは45〜85%である。
前記平面度とは、JIS B0621に規定される平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさであり、これを参照して、貫通孔が開口している金属支持体の隔壁端面(x3)のうち最も高い点と最も低い点との差とした。測定方法は特に制限はされず、接触式もしくは非接触式の三次元測定器を用いて測定できる。接触式三次元測定器を用いる場合は、金属支持体を定盤上に固定後、該金属支持体に隔壁端面において、プローブ(測定端子)を用いて4点平面測定を行い仮基準点を設定し、この端面のXY軸の原点を設定し、該原点よりX軸方向およびY軸方向にプローブを走査して任意のポイントで測定し、測定した端面における最も高いポイントと最も低いポイントとの値の差から平面度を求めた。
本発明で使用する支持体端面(X)の平面度は、20μm以下が好ましく、さらに好ましくは18μm以下、特に好ましくは15μm以下である。また、冷熱サイクル繰り返し後の金属支持体端面の平面度は、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは18μm以下である。なお、金属支持体上の3層膜セルの平面度は、セル電極層と支持体との界面剥離の観点から、30μm以下が好ましく、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは15μm以下である。平面度は小さければ小さいほど剥離は起こりにくくなる傾向にあるため、平面度の下限値は0である。
従って、本発明の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有するハニカム構造を有する支持体上の3層膜セルの平面度は、冷熱サイクルの繰り返しによっても、支持体端面の平面度や平行度が保たれているため支持体と燃料極層もしくは空気極層との界面での部分剥離の問題が抑制され、安定した発電性能が得られるようになった。
また、多孔質層(H)の材質は、特に制限はなく金属隔壁と同じであっても、その他の金属材料であってもよく、無機酸化物や2種以上の無機酸化物の混合物、あるいは複合酸化物、さらには金属と無機酸化物の混合物やサーメットであってもよい。一例をあげると、アルミやアルミ合金、チタンやチタン合金であってもよいし、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、安定化ジルコニア、セリア、ドープセリア、酸化ニッケル、酸化鉄、等の酸化物、ムライト、コージェライト、AlMgO、AlNiO等のスピネル構造、LaAlO、BaTiO、LaGaO、LaMnO等のペロブスカイト構造の複合酸化物、ニッケルとジルコニアとのサーメット等が挙げられる。これらの中でも導電性と伝熱性に優れる金属隔壁と同じ材質であるニッケル、ニッケル系耐熱合金、ニッケル−クロム合金、鉄−クロム合金、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304やフェライト系ステンレス鋼SUS430等が好ましい。
上記電解質層(C)は、固体酸化物形燃料電池の固体電解質用の酸素イオン伝導性金属酸化物で形成されておれば、特に制限はされない。該金属酸化物としては、安定化ジルコニア、ドープセリア、安定化ビスマスやランタンガレートなどが挙げられ、これらを単独であるいは二種以上混合したものでもよい。
安定化ジルコニアとしては、例えば、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属の酸化物、Sc、Y、La、CeO、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなど希土類元素の酸化物、Bi、Inなどその他の金属の酸化物などが一種または二種以上、安定化剤として固溶しているジルコニア、さらには、該安定化ジルコニアに、Al、TiO、Ta、Nbなどが分散強化剤として添加されたジルコニアなどを例示することができる。上記の中でも、より高度な熱的特性、機械的特性、化学的特性および酸素イオン導電特性を有するジルコニアとして、スカンジア、イットリア、セリアから選択される少なくとも一種の酸化物で安定化されたものであり、結晶構造が正方晶の部分安定化ジルコニアや立方晶の完全安定化ジルコニアがさらに好ましく、4〜12モル%のスカンジア粉末、8〜11モル%のスカンジアと0.5〜2モル%のセリア、または3〜10モル%のイットリアで安定化されたジルコニアが特に好ましい。
ドープドセリアとしては、例えば、Y、Sm、Gd、Nd、Pr、Sc、Ga、Alからなる群より選択される1種または2種以上の金属がドープされたセリア、より具体的には、Ce1−X2−Y(式中、MはY、Sm、Gd、Nd、Pr、Sc、Ga、Alからなる群より選択される1種または2種以上の金属を示し;0.05≦x≦0.4であり且つ0≦y<0.5である)で表されるセリアを挙げることができる。ドープセリアとしては、特にY、Smおよび/またはGdに10〜30モル%ドープされたセリア、即ち、上記式においてMがY、Smおよび/またはGdであり且つ0.10≦x≦0.30であるセリアが好ましく、Smおよび/またはGdに15〜25モル%ドープされたセリアがより好ましい。
なお、上記式におけるyの値は、ドーパントであるMの量や酸素分圧に依存する。即ち、Mの価数は2価であることもあるが通常は3価であり、その酸化物の化学式はM23となるので、ドーパント量が増えるほどyの値は小さくなる。また、Ceの価数は酸素分圧などの影響により2価または3価となるので、セリア中にはCeOとCeO1.5が混在する。よって、yの値は一義的に定まるものではない。しかしこのことは、当業者にとり技術的常識である。
安定化ビスマスとしては、例えば、MgO、CaO、SrO、BaOなどのアルカリ土類金属の酸化物、など希土類元素の酸化物などが一種または二種以上、安定化剤として固溶している酸化ビスマスが挙げられる。
ランタンガレートとしては、LaGaOペロブスカイトを基本構造とし、そのLaやGaの一部が、Sr、Ca、Ba、Mg、In、Co、Fe、Ni、Cuなどで置換された、La1−xSrGa1−yMg3−δ、La1−xSrGa1−yMgCo3−δ、La1−xSrGa1−yMgFe3−δ、La1−xSrGa1−yMgNi3−δ(式中、0<x≦0.2、0<y≦0.2、0<z≦0.1であり;δは酸素欠損量を示す)で表されるランタンガレートが、高い酸素イオン伝導性を示すことから好ましい。
上記燃料極層(B)は、固体酸化物形燃料電池の燃料極用の金属酸化物で形成されておれば、特に制限はされない。なお、本発明において、燃料極用の金属酸化物とは、発電時には還元されて、アノード触媒活性を有する金属となるような金属酸化物、このような金属酸化物と酸素イオン伝導性金属酸化物との混合物、このような金属酸化物と酸素イオンと電子との混合導電性金属酸化物、あるいは、このような金属酸化物と酸素イオン伝導性金属酸化物と混合導電性金属酸化物との混合物を指す。アノード触媒活性を有する金属となるような金属酸化物としては、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ルテニウムのうちの1種以上が挙げられる。また酸素イオン伝導性金属酸化物や混合導電性金属酸化物としては、上記安定化ジルコニア、ドープドセリア、安定化ビスマスやランタンガレートなどが挙げられる。これらのうち、該燃料極用の金属酸化物としては、低温での高い電極活性を有するNiOとドープドセリアの混合物が好ましい。
上記空気極層(D)は、固体酸化物形燃料電池の空気極用の金属酸化物で形成されておれば、特に制限はされない。なお、本発明において、空気極用の金属酸化物とは、発電時にカソード触媒活性を有する金属酸化物、このような金属酸化物と酸素イオン伝導性金属酸化物との混合物、このような金属酸化物と酸素イオンと電子との混合導電性金属酸化物、あるいは、このような金属酸化物と酸素イオン伝導性金属酸化物と混合導電性金属酸化物との混合物を指す。
空気極触媒活性を有する金属酸化物としては、ドープドランタンマンガナイト、ドープドランタンフェライト、ドープドランタンコバルトフェライト、ドープドストロンチウムコバルタイトなどのペロブスカイト構造が挙げられる。これらのうち、低温での高い電極活性を有するドープドランタンコバルトフェライト、ドープドストロンチウムコバルタイトが好ましい。また酸素イオン伝導性金属酸化物や混合導電性金属酸化物としては、上記安定化ジルコニア、ドープドセリア、安定化ビスマスやランタンガレートなどが挙げられる。これらのうち、該燃料極用の金属酸化物としては、低温での高い電極活性を有するドープドランタンコバルトフェライト、ドープドストロンチウムコバルタイトとドープドセリアの混合物が好ましい。
前記電解質層(C)の厚みは、5〜30μm、好ましくは10〜20μmであり、前記燃料極層(B)の厚さは、好ましくは10〜100μm、特に好ましくは20〜80μmであり、前記空気極層(D)の厚さは、好ましくは10〜50μm、特に好ましくは20〜40μmである。
本発明の第二の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、金属隔壁から構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(D)、(C)、(B)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該支持体(A)の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴とする金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルである。
つまり、本発明の第二の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは前記燃料極層(B)、前記電解質層(C)および前記空気極層(D)が上記金属支持体(A)側から形成されている順序が反対であること以外は、本発明の第一の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルと同様である。
前記第一の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルでは、ハニカム構造をなす前記貫通孔(G)内には水素や炭化水素等の燃料ガスが供給されるので、支持体端面(X)以外の支持体表面である金属隔壁表面(Z)と多孔質層(H)表面は還元性雰囲気にされることになる。また、第二の形態の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルでは、貫通孔(G)内には空気等の酸化性ガスが供給されるので、支持体端面(X)以外の支持体表面である金属隔壁表面(Z)と多孔質層(H)の表面は酸化性雰囲気にされることになる。
従って、金属隔壁表面および/または、多孔質層がそれぞれの雰囲気に曝されたときに金属隔壁材質や多孔質層材質が変質するのを防ぐために、また、3層膜セル形成時の熱処理雰囲気の影響を避けるために、その表面を酸化物で被覆することが好ましい。
この場合、必ずしも前記金属隔壁表面と前記多孔質層の表面の全表面にわたって被覆されている必要はなく、上記変質を防げる被覆割合でも問題はない。好ましい被覆割合は、支持体端面(X)以外の支持体表面である金属隔壁表面(Z)と多孔質層(H)の表面積に対して少なくとも50%以上の割合で被覆されている場合であり、さらに金属隔壁材質や多孔質層材質が変質するのを防ぐためは、80%以上の割合がより好ましくは、特に好ましくは90%以上である。
被覆酸化物の材質としては、第一の形態の燃料電池用セルでは、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、酸化ニッケル等の酸化物が好ましく、第ニの形態の燃料電池用セルでは、ドープドランタンマンガナイト、ドープドランタンフェライト、ドープドランタンコバルトフェライト、ドープドストロンチウムコバルタイトなどのペロブスカイト構造等の導電性を有する複合酸化物が好ましい。
前記酸化物の被覆方法は、特に制限は無く、通常の蒸着法やスパッタ法などの気相法やスラリーコート法や含浸法などの液相法が用いられ、また、効果的に隔壁材質の変質を防ぐとともに熱処理雰囲気の影響を避けるための被覆厚さは、1〜10μm、好ましくは2〜8μmである。
前記金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル(E)の各層の形成方法は特に制限されず、公知の乾式法や湿式法を用いることができる。乾式法では、例えば、直流加熱蒸着法、イオンビーム蒸着法、反応性イオンビーム蒸着法、2極スパッタ法、マグネトロンスパッタ法、反応性スパッタ法、3極スパッタ法、イオンビームスパッタ法、イオンプレーティング法、ホローカソードビーム法、イオンビーム注入法、プラズマCVD法または、高速フレーム溶射法を用いることができる。また、湿式法では、塗布法、コーティング法、浸漬法、または含浸法等を用いることができる。さらには、上記湿式法と乾式法を組み合わせて用いることも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(実施例1)
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの製造)
<金属支持体>
材質がAlとTiを含むフェライト系ステンレス鋼で、貫通孔数が200/inch、支持体直径が120mmφ、支持体厚さが250μm、隔壁厚さが30μmで、貫通孔の一方の口にのみ多孔質層を有するメタルハニカムを、金属支持体として用意した。なお、該多孔質層は、市販の焼結金属フィルター(材質:SUS316、気孔率48%)を多孔質体として貫通孔に金属隔壁端面とほぼ同じ高さになるように埋設して形成した。
金属支持体の平面度は、前記金属支持体を、多孔質層を形成した側を上にして定盤上に載置して、三次元測定機(ミツトヨ社製、型式:FALCIO916、プローブはTP2)を用いて5回測定し、その平均値を平面度とした。平面度は14μmであった。
<燃料極層の形成>
次いで、市販の平均粒径2.5μmのNiOと、市販の平均粒径0.6μmの10モル%スカンジア1モル%セリア安定化ジルコニア微粉末(10Sc1CeSZ)と平均粒径37μmの10Sc1CeSZ粗粉末との混合粉末(組成比:NiO/微10Sc1CeSZ/粗10Sc1CeSZ=60/20/20質量%)を、イソプロパノールに混合し、撹拌して、粉末濃度が25%の溶射材粉末スラリーを作製した。
次いで、高速フレーム溶射装置(溶射ガン型番:AXZ−Gun、ウィティコジャパン社製、微粉末供給装置型番:WSPF−1、ウィティコジャパン社製)に、上記で得た溶射材粉末スラリーを、アフターバーナー用補助燃料を兼ねるキャリアーガスを用いて供給し、前記金属支持体の多孔質層形成側の支持体端面に高速フレーム溶射し、燃料極層を形成させた。形成された燃料極層の厚みは40μmであった。
<電解質層の形成>
次いで、前記微10Sc1CeSZ粉末100質量部に、メタクリレート系共重合体(分子量:85000、ガラス転位温度:−8℃)からなるバインダーを固形分で15質量部を加えて、混練することにより電解質スラリーを調製した。該スラリーを上記燃料極層にスクリーン印刷したのち、支持体側は窒素ガスを流通させながら1400℃において3時間焼成することによって、前記燃料極層の上部に電解質層を形成した。形成された電解質層の厚みは15μmであった。
<空気極層の形成>
次いで、平均粒径0.5μmのランタンコバルトフェライト粉末(組成:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−x)を、10質量%のエチルセルロースを添加したα−テルピネオールに混合し、撹拌して、空気極ペーストを作製した。このとき、得られたペースト中のランタンコバルトフェライト粉末の含有量は、65質量%であった。次いで、スクリーン印刷法を用いて電解質層の表面に空気極層を成膜して、窒素ガス雰囲気中900℃で焼成して空気極を形成し、金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルを得た。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの冷熱サイクル評価)
作製した金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルおよび金属支持体のみを、窒素ガス雰囲気の焼成炉に載置し、室温から800℃までの昇温・降温を20回繰り返した。800までの昇温時間は2時間に、800℃から室温までの降温時間は5時間に設定した。冷熱サイクルに曝した後のセルおよび金属支持体を定盤の上に載置して、その平面度を上記と同様にして平面度を算出した。また、目視で支持体と燃料極層との界面状態を観察した。
結果を表1に記す。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの積層圧縮試験)
作製した金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル3枚と厚さ3mmのステンレス板とを、上下がステンレス板になるように交互に積み重ねて積層体とし、該セルの上面とステンレス板の下面の間に、圧力分布測定シートを挿入した。
市販の1軸プレス機の台盤の上に上記積層体を置き、該セルに垂直方向の荷重が0.3Kgf/cm2で1分間負荷をかけて、圧力分布測定シートの色分布を目視で観察した。圧力分布測定シートとして、シートに加えられる圧力によって赤色に発色する、富士フィルム(株)製のプレスケールを使用した。この圧力分布測定シートはポリエチレンテレフタレートの片面にそれぞれ異なる2種類の薬品を塗布した2枚のシートを薬品塗布面どうし重ね合わせたものである。
結果を表1に記す。
(実施例2)
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの製造)
<金属支持体>
実施例1と同様の材質で、貫通孔数のみを100/inchに変更したメタルハニカムを金属支持体として用意した。また、実施例1と同様にして平面度を測定すると、17μmであった。
<燃料極層の形成>
実施例1と同様の方法で、燃料極層を形成させた。
<電解質層の形成>
実施例1と同様の方法で、電解質層を形成させた。
<空気極層の形成>
平均粒径3.0μmのランタンコバルトフェライト粉末(組成:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83−x)をイソプロパノールに混合し、撹拌して、粉末濃度が25%の溶射材粉末スラリーを作製した。次いで、実施例1の燃料極層形成用スラリーに代えて、空気極層形成用溶射材粉末スラリーとすること以外は、燃料極層の形成と同様の方法で、高速フレーム溶射を行い、電解質層の表面に空気極層を形成させ、金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルを得た。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの冷熱サイクル評価)
実施例1で得た金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルに代えて、前記で得た金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルを用いること以外は、実施例1と同様の方法で行った。また金属支持体も同様に冷熱サイクル評価をおこない、平面度を算出した。
結果を表1に記す。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの積層圧縮試験)
実施例1と同様の方法で、圧力分布を測定した。
結果を表1に記す。
(比較例1)
<金属支持体>
実施例1と同様であるが貫通孔の口に多孔質層を有しないメタルハニカムを、金属支持体として用意した。実施例1と同様にして平面度を測定すると、21μmであった。
<燃料極層の形成>
実施例1と同様の方法で、燃料極層を形成させた。
<電解質層の形成>
実施例1と同様の方法で、電解質層を形成させた。
<空気極層の形成>
実施例1と同様の方法で、空気極層を形成させ、金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルZを得た。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの冷熱サイクル評価)
実施例1で得た金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルに代えて、前記で得た金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルを用いること以外は、実施例1と同様の方法で行った。
また金属支持体も同様に冷熱サイクル評価をおこない、平面度を算出した。
結果を表1に記す。
(金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルの積層圧縮試験)
実施例1と同様の方法で、圧力分布を測定した。
結果を表1に記す。
Figure 2013077450
前記表1から、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルは、冷熱サイクル後の評価でも平面度は21μm以下であるが、ハニカム構造の貫通孔の口に多孔質層のない金属支持体を用いたセルでは平面度は52μmになっている。これは金属支持体が冷熱サイクルによってねじれやたわみが大きくなって平面度が約1/2に低下したためであることが判る。また、支持体と電極層との界面の観察でも本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルには剥離は認められないが、貫通孔の口に多孔質層のない金属支持体を用いたセルでは一部に剥離が認められた。さらに、セル積層圧縮試験によるセル圧力分布模様から、本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルでは、圧力分布は認められなかったが、ハニカム構造の支持体の貫通孔の口に多孔質層のない金属支持体を用いたセルでは一部に圧力分布が認められた。
本発明の金属支持型固体酸化物形燃料電池用セルによれば、セル強度に優れると共に冷熱サイクルを繰り返してもねじれやたわみに対する剛性があり、ハニカム構造の金属支持体から3層膜セルの剥離が起こりにくく、かつ簡便な製法で作製することができ、さらにセルを積層したスタックを固定圧縮する際の圧縮バランスが多少損なわれて変形が起こった際にも、荷重バランスが保たれ集電効果を高めることが可能となる金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル、さらにこのようなセルを使用した固体酸化物形燃料電池を提供することができる。

Claims (5)

  1. 金属隔壁から構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(B)、(C)、(D)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該支持体(A)の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴とする金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル。
  2. 金属隔壁から構成され、複数の貫通孔を備えたハニカム構造を有する支持体(A)上に、燃料極(B)と、固体電解質(C)および空気極(D)とが(D)、(C)、(B)の順序で配置された金属支持型燃料電池セルであって、前記支持体(A)の貫通孔数が25〜2000/inchの範囲で、該支持体高さが100〜2000μm、該金属隔壁厚さが10〜1000μmの範囲であり、該支持体(A)の貫通孔の少なくとも一方の口に多孔質層を有することを特徴とする金属支持型固体酸化物形燃料電池用セル。
  3. 前記ハニカム構造を有する支持体(A)の前記多孔質層が、気孔率30〜95%の多孔質体である請求項1〜2に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  4. 前記ハニカム構造を有する支持体(A)の該支持体端面以外の支持体表面が、酸化物で被覆されている請求項1〜3に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セルを用いることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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