JP2005251611A - 固体酸化物形燃料電池用セル及び固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐還元性及び耐酸化性を備え、軽量、薄肉、且つ安価なガス透過性金属基板に薄膜状の電池要素を形成することができ、ヒートサイクルの繰り返しによっても熱膨張差による電解質層の剥離や割れを防止することができ、耐久性に優れた多孔質金属支持型の固体酸化物形燃料電池用セル及びセル板、さらにこれらを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】ガス透過性を有し、例えばフェライト系ステンレス鋼などから成る金属基板10上に固体酸化物電解質14を電極13,15により挟持した電池要素を形成して成る多孔質金属支持型セルにおいて、上記ガス透過性金属基板10のガス接触部分に、例えばNiやNi含有合金などの耐食性金属11をコーティングする。
【選択図】図1
【解決手段】ガス透過性を有し、例えばフェライト系ステンレス鋼などから成る金属基板10上に固体酸化物電解質14を電極13,15により挟持した電池要素を形成して成る多孔質金属支持型セルにおいて、上記ガス透過性金属基板10のガス接触部分に、例えばNiやNi含有合金などの耐食性金属11をコーティングする。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体酸化物から成る電解質を空気極及び燃料極で挟持した電池要素をガス透過性を備えた金属基板によって支持した基板支持型の固体酸化物形燃料電池に係わり、特に、固体酸化物形燃料電池用セル及びセル板、さらにはこれらを用いた固体酸化物形燃料電池に関するものである。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)は、電解質としての固体酸化物と、この酸化物から成る固体電解質を間に挟んで互いに対向する状態に配置された燃料極と空気極とを基本構成要素として備えており、燃料極側に水素などの燃料ガス、空気極側に空気などの酸化性ガスを供給することによって、電気化学反応に基づく直流電力を得ることができる。
このようなSOFCのセル構造としては、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)のような固体酸化物から成る電解質の両側にそれぞれ燃料極及び空気極を形成した構造(電解質支持型)のものがあるが、上記のようなセラミックス材料から成る電解質は、一般に素材強度が低く、セル全体を支えるための強度を確保するためには、ある程度の厚さが必要となることから、電解質の内部抵抗による電圧降下が避けられず、電池性能の向上には限界がある。
また、一方の電極材料を支持体として使用し、この上に電解質及び他方の電極を形成した電極支持型のセル構造(例えば、特許文献1参照)を採用することによって、電解質層を薄膜化することができるようになり、これによってIR抵抗の低減に基づく性能向上が可能であるが、Ni−サーメットや複合酸化物などから成る電極材料についても、必ずしも素材強度が高いとは言えず、しかもガス透過性を確保するため多孔質であるからして、基板としての強度を確保するためにはその板厚を増すことが必要となり、重量増加やスタックのパッキング密度の低下の原因となる。また、柔軟性や弾力性に乏しく、熱伝導性も悪いことから、起動時や停止時の熱衝撃に対して耐性がないという問題がある。
これに対して、例えばNiやオーステナイト系ステンレス鋼などから成り、ガス透過性を備えた多孔質金属基板に、燃料極層、電解質層及び空気極層を順次(空気極が先でも可)成膜した構造を有する多孔質金属支持型セルが知られており(例えば、非特許文献1参照)、このような強度的に優れた金属材料を支持基板として用いることによって、基板を薄板化することができ、上記電極支持型セルに較べてセル全体の厚さを薄くすることができるという特長があり、燃料電池の小型化が期待できる。
一方、上記のようなセルの間に介在して、各セル間を電気的に接続すると共に、燃料ガスや酸化性ガスの流路を形成するセパレータについては、燃料ガス及び酸化性ガスに対する安定性が要求され、例えば特許文献2には、例えばランタンクロマイト系のセラミックス材料からなるセパレータの燃料極側表面に、例えばNiやCr、あるいはこれらの合金から成る耐熱性良導電性材料層を設けて、還元性雰囲気中でのセパレータの体積膨張、強度低下及び電気抵抗の増大を防止することが記載されている。
また、特許文献3には、金属材料から成るセパレータのカソード(空気極)側表面に、耐熱合金から成る第1の保護膜と、(LaSr)MO3(M:Co,Mn,Crのいずれか)から成る第2の保護膜を形成し、カソード側での酸化による電気抵抗の増大を防止することが記載されている。
特開2002−25576号公報
特開平09−190829号公報
特開平10−92446号公報
Plasma Sprayed Thin Film SOFC for Reduced Oparating Temperature., Fuel Cells Bulletin., pp597-600, 2000
また、特許文献3には、金属材料から成るセパレータのカソード(空気極)側表面に、耐熱合金から成る第1の保護膜と、(LaSr)MO3(M:Co,Mn,Crのいずれか)から成る第2の保護膜を形成し、カソード側での酸化による電気抵抗の増大を防止することが記載されている。
上記多孔質金属支持型セルにおける多孔質金属基板に対しても、それぞれのガスに対する耐性が要求されることから、耐食性を含む各種性能とコストのバランスを考慮した材料の選択が重要になる。
すなわち、耐食性の高い金属をガス透過性多孔質基板の材料として用いた場合には、コスト高となるばかりでなく、安定化ジルコニアやランタンガレートなどの固体電解質材料との熱膨張係数の相違が大きくなることから、起動−停止に伴うヒートサイクルの繰返しによって、電解質層に割れや剥離が発生して、耐久性が劣化することがある。
すなわち、耐食性の高い金属をガス透過性多孔質基板の材料として用いた場合には、コスト高となるばかりでなく、安定化ジルコニアやランタンガレートなどの固体電解質材料との熱膨張係数の相違が大きくなることから、起動−停止に伴うヒートサイクルの繰返しによって、電解質層に割れや剥離が発生して、耐久性が劣化することがある。
他方、安価な金属材料を上記支持基板の材料として用いた場合には、高温加湿還元雰囲気において当該金属基板の腐食が進行すると共に、高温酸化性雰囲気においては酸化が進み、燃料電池としての耐久性が劣化するという問題がある。
本発明は、ガス透過性を備えた金属基板を支持体として用いた従来の多孔質金属支持型セルにおける上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、強度に優れ、薄肉化したガス透過性金属基板上に薄膜化した電池要素を形成することができ、熱膨張差による電解質層の剥離や割れの防止が可能で、耐久性に優れた薄型の固体酸化物形燃料電池用セルを低コストに提供すると共に、このような燃料電池用セルを2次元的に配列させた燃料電池用セル板、さらにはこれら燃料電池用セルやセル板を用いることによって、薄型・小型化が可能な燃料電池スタック及び固体酸化物形燃料電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、燃料電池基板材料やその構造等について鋭意検討を重ねた結果、ガス透過性金属基板のガスとの接触部分にNiなどの耐食性金属をコーティングすることによって、安価で、熱膨張率が小さく、耐食性の低い金属を基板材料として用いた場合でも、当該基板の耐酸化性及び耐還元性を向上することができ、ガス透過性金属基板の低コスト化と、この上に形成された電池要素の耐久性向上が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルは、ガス透過性を有し、例えばフェライト系ステンレス鋼などから成る金属基板上に固体酸化物から成る電解質を電極で挟持した電池要素を形成して成る多孔質金属支持型セルにおいて、上記金属基板のガス接触部分に、例えばNiやNi含有合金などの耐食性金属をコーティングしたことを特徴とするものであって、本発明の固体酸化物形燃料電池用セル板は、上記のような燃料電池用セルが積層方向と略直交する方向へ2次元的に複数個連結されて一体化していることを特徴としている。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックは、上記燃料電池用セル又はセル板を複数枚積層して成り、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上記燃料電池用セル又はセル板、あるいは上記燃料電池スタックを用いたことを特徴としている。
本発明によれば、電池要素の支持体として強度的に優れた金属製の基板を使用しているので、薄肉化した基板上に薄膜化した電池要素を形成したセル構造とすることができ、内部抵抗の低減によるセル性能の向上と、セル厚さの削減によるスタック密度の向上、さらには燃料電池全体の軽量小型化が可能になる。また、ガス透過性金属基板のガスとの接触部分が耐食性金属によりコーティングされているので、安価で、しかも固体電解質材料に近い熱膨張率を有する金属材料を用いた場合でも、酸化性ガス及び還元性ガスに対する耐性を確保すると同時に、ヒートサイクルによる熱応力を軽減してセル破壊を防止することが可能になり、耐久性向上とコストダウンを両立させることができる。
また、本発明の固体酸化物形燃料電池スタックは、上記のような燃料電池用セルやセル板を積層したものであるから、パッキング密度を高めることができ、本発明の固体酸化物形燃料電池は、上記燃料電池用セルやセル板、燃料電池スタックを用いたものであるから、小型軽量で耐久性に富み、高い電池性能を長期間に亘って維持することができる。
以下、本発明の固体酸化物形燃料電池用セルについて、さらに詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲の記載において、説明の便宜上、基板や電解質層など各層の位置関係を「上」「下」、「上面」「下面」などと称することがあるが、これらは、相対的な位置関係を示すに過ぎないものであって、必ずしも使用状態における上下関係を示すとは限らず、状況によっては「上面」が下方側を向いていたり、鉛直状態や斜めとなったりした状態で使用されることもあり得る。
本発明の固体酸化物形燃料電池用セルは、上記したように、ガス透過性を有する多孔質金属基板上に形成されたセルであって、当該多孔質金属基板におけるガスとの接触部分には耐食性金属がコーティングされている。
ここで、ガス透過性を有する金属基板としては、金属粉を焼結した金属焼結基板、金属板にケミカルエッチング等によりスルーホールを穿孔して成る基板(スルーホール基板)、金属繊維の不織布や織物、発泡金属基板等が例示される。
ここで、ガス透過性を有する金属基板としては、金属粉を焼結した金属焼結基板、金属板にケミカルエッチング等によりスルーホールを穿孔して成る基板(スルーホール基板)、金属繊維の不織布や織物、発泡金属基板等が例示される。
このような金属基板を支持体とすることにより、当該基板に集電機能を持たせることができ、デバイスの薄型・軽量化が図れる。
そして、これらの金属基板の表面(細孔の内部表面も含む)におけるガスとの接触部分を耐食性金属で予めコーティングしておくことによって運転雰囲気である高温酸化雰囲気や加湿還元雰囲気に対する基板構造材の耐食性を向上させることができ、金属基板及びその上に形成された燃料電池セルの耐久性を向上させることができる。
そして、これらの金属基板の表面(細孔の内部表面も含む)におけるガスとの接触部分を耐食性金属で予めコーティングしておくことによって運転雰囲気である高温酸化雰囲気や加湿還元雰囲気に対する基板構造材の耐食性を向上させることができ、金属基板及びその上に形成された燃料電池セルの耐久性を向上させることができる。
なお、ガス透過性を有する金属基板として、スルーホール基板を使用する場合には、当該スルーホール基板のスルーホール内をも含む表面に、電極材料をスクリーン印刷法、グリーンシート法、ディッピング法等により塗布した後、不活性または還元雰囲気で焼成処理することにより電極層を形成することができる。また、スルーホール内にガス透過性を有する別の導電性材料を充填した上で電極層を形成するようになすこともできる。
また、上記耐食性金属、すなわちコーティング材としては、高温酸化又は高温加湿還元雰囲気に対する耐食性が高い金属であれば特に限定されないが、特にNiや、該Niを含む合金を好適に用いることができる。
耐食性金属の膜厚としては、数十〜数百μm程度の厚さであれば支持基板に充分な耐食性を付与することができる。
耐食性金属の膜厚としては、数十〜数百μm程度の厚さであれば支持基板に充分な耐食性を付与することができる。
耐食性金属のコーティング方法については、メッキ等の湿式成膜法や、EB蒸着、スパッタ法等のPVD成膜法が挙げられるが、これらの中でも、特に金属メッキを適用することが望ましい。これには、電気メッキ、無電解メッキ等を適宜採用することができ、例えばNi、Ni−Crの電気メッキ、Ni−P、Ni−B等の無電解メッキを施すことができる。
なお、コーティング材を予めガス透過性の金属基板にコーティングし、その後に電池要素を積層していくことが望ましいが、このような方法のみに限定されるものではない。
なお、コーティング材を予めガス透過性の金属基板にコーティングし、その後に電池要素を積層していくことが望ましいが、このような方法のみに限定されるものではない。
また、上記金属基板の周縁部にも耐食性金属をコーティングすることもでき、電池要素を積層した後に、金属基板の周縁部に、例えば融点の低いNi−P(Tm=890℃)めっきを施すことによって、当該コーティング層を融着させることにより当該基板をセパレータにろう付けすることができるようになり、複数個のセルを連結したセル板とすることができる。
上記した各種のガス透過性金属基板の中では、とりわけ焼結金属から成る多孔質金属を使用することが望ましく、例えば金属粉を発泡剤等と共に焼結した発泡金属や、金属粉をプレス成形し不活性又は還元雰囲気中で焼成したものを使用することができる。
また、ガス透過性金属基板としてスルーホール基板を用いることも望ましい。
すなわち、圧延等で加工された板厚0.05〜0.5mm程度の金属板材に、例えばケミカルエッチング等によりスルーホールを穿孔した後、ガス接触部分を上記耐食性金属によってコーティングし、燃料極等の電池要素を穿孔部分に埋め込み不活性又は還元雰囲気中で焼成することによりガス透過性基板とすることができる。
すなわち、圧延等で加工された板厚0.05〜0.5mm程度の金属板材に、例えばケミカルエッチング等によりスルーホールを穿孔した後、ガス接触部分を上記耐食性金属によってコーティングし、燃料極等の電池要素を穿孔部分に埋め込み不活性又は還元雰囲気中で焼成することによりガス透過性基板とすることができる。
そして、上記ガス透過性金属基板は、その素材がフェライト系ステンレス鋼であることが望ましい。
すなわち、SUS430やSUS434などのフェライト系ステンレス鋼は、固体酸化物形燃料電池において電解質として用いられる安定化ジルコニアやランタンガレート等の熱膨張係数に近似した熱膨張係数(10〜11×10−6)を有しており、このようなフェライト系ステンレス鋼から成る基板上に電池要素を形成するようになすことによって、ヒートサイクルの繰返しによる熱応力の発生が少なくなり、剥離や割れによる電池性能の劣化が起きにくく、セルとしての耐久性が向上することになる。
すなわち、SUS430やSUS434などのフェライト系ステンレス鋼は、固体酸化物形燃料電池において電解質として用いられる安定化ジルコニアやランタンガレート等の熱膨張係数に近似した熱膨張係数(10〜11×10−6)を有しており、このようなフェライト系ステンレス鋼から成る基板上に電池要素を形成するようになすことによって、ヒートサイクルの繰返しによる熱応力の発生が少なくなり、剥離や割れによる電池性能の劣化が起きにくく、セルとしての耐久性が向上することになる。
なお、本発明において、電解質材料としては、例えばYSZ、SSZ(スカンジウム安定化ジルコニア)、SDC(サマリウム・ドープ・セリア)、LSGM(ランタンガレート)などを用いることができる。
また、燃料極材料としては、例えばPt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC、Ni−YSZ、Ni−CGO(セリウム−ガリウム複合酸化物)、Cu−CeO2(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料を用いることができ、空気極材料としては、Pt、Agなどの金属材料の他、LSM(La1−XSrXMnO3)、LCM(La1−XCaXMnO3)、LSC(La1−XSrXCoO3)、SSC(Sm1−XSrXCoO3)などの複合酸化物を用いることができる。
また、燃料極材料としては、例えばPt、Ni、Cuなどの金属材料や、Ni−SDC、Ni−YSZ、Ni−CGO(セリウム−ガリウム複合酸化物)、Cu−CeO2(セリア)などのサーメット材料、あるいはこれらの混合材料を用いることができ、空気極材料としては、Pt、Agなどの金属材料の他、LSM(La1−XSrXMnO3)、LCM(La1−XCaXMnO3)、LSC(La1−XSrXCoO3)、SSC(Sm1−XSrXCoO3)などの複合酸化物を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
(実施例1)
まず、図1に示すように、JIS G 4304に、SUS430として規定される板厚0.2mmのフェライト系ステンレス鋼(17%Cr−Fe)にフォトエッチングを施すことによって、0.3mm径のスルーホール10hを形成し、当該ステンレス鋼薄板にガス透過性を付与し、これを金属基板10とした。
そして、上記金属基板10に電気めっきを施し、当該基板10のスルーホール側面を含む全面に、Niから成る耐食性金属11のコーティング層を50μmの厚さに形成した。
まず、図1に示すように、JIS G 4304に、SUS430として規定される板厚0.2mmのフェライト系ステンレス鋼(17%Cr−Fe)にフォトエッチングを施すことによって、0.3mm径のスルーホール10hを形成し、当該ステンレス鋼薄板にガス透過性を付与し、これを金属基板10とした。
そして、上記金属基板10に電気めっきを施し、当該基板10のスルーホール側面を含む全面に、Niから成る耐食性金属11のコーティング層を50μmの厚さに形成した。
次に、耐食性金属11(Ni)のコーティングを施した上記金属基板10のスルーホール10hの内部を含む両面に、Ni粉及びSDC粉を含むバインダー及び分散媒から成るスラリーをスクリーン印刷法により塗布して乾燥した後、水素還元雰囲気中において1200℃で焼成することによって、Ni−SDCサーメットから成る燃料極13を0.2mmの厚さに形成した。
そして、上記燃料極13の上に、SPD法(熱スプレー分解法)によって8YSZ(8モル%イットリア安定化ジルコニア)を5μmの厚さに成膜して電解質層14とすると共に、さらにその上にSSCから成る空気極15を溶射によって30μmの厚さに積層することによって固体酸化物形燃料電池用セル1を得た。
このようにして得られたセル1について、公知の発電出力評価装置を用い、700℃に保持した状態で燃料極13の側に水素ガス、空気極15の側に空気をそれぞれ供給し、当該セル1の発電出力を測定したところ、0.7Vで0.2W/cm2の出力が確認された。
(実施例2)
ガス透過性を有する金属基板1として、グリーシートを焼成することによって得られた板厚0.5mmの多孔質焼結金属を使用し、当該基板1の細孔内をも含む全表面に、無電解めっきを施すことによって、Ni−B合金から成る耐食性金属11のコーティング層を10μmの厚さに形成した。
ガス透過性を有する金属基板1として、グリーシートを焼成することによって得られた板厚0.5mmの多孔質焼結金属を使用し、当該基板1の細孔内をも含む全表面に、無電解めっきを施すことによって、Ni−B合金から成る耐食性金属11のコーティング層を10μmの厚さに形成した。
次に、めっき後の金属基板1の上に、燃料極用及び電解質用のグリーンシートをそれぞれ積層し、不活性ガス中において1200℃で焼成することによって、Ni−SDCサーメットから成る燃料極13(0.3mm厚さ)と10SSZ(10モル%スカンジウム安定化ジルコニア)から成る電解質層14(5μm厚さ)をに形成した。
そして、上記電解質層14の上に、さらにスクリーン印刷法によりLSFC(La,Sr添加鉄コバルト複合酸化物)を30μmの厚さに成膜して、空気極15とし、図2に示すような固体酸化物形燃料電池用セル1を得た。
そして、上記電解質層14の上に、さらにスクリーン印刷法によりLSFC(La,Sr添加鉄コバルト複合酸化物)を30μmの厚さに成膜して、空気極15とし、図2に示すような固体酸化物形燃料電池用セル1を得た。
このようにして得られたセル1について、同様の発電出力評価装置を用いて、同様の発電出力測定を行ったところ、0.7Vで0.15W/cm2の出力が確認された。
(実施例3)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによってによって、図1に示したような固体酸化物形燃料電池用セル1を得たのち、当該セル1における金属基板1の周縁部に、図3に示すように、無電解めっきによってNi−P合金から成る耐食性金属12のコーティング層を60μmの厚さに形成した。
そして、Ni−P合金のめっきを施したセル1を不活性雰囲気中で900℃に加熱することによって、当該セル1の周縁部をSUS430ステンレス鋼から成る板厚0.2mmのセパレータ16に接合し、図4(a)及び(b)に示すような燃料電池用セル板を得た。
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによってによって、図1に示したような固体酸化物形燃料電池用セル1を得たのち、当該セル1における金属基板1の周縁部に、図3に示すように、無電解めっきによってNi−P合金から成る耐食性金属12のコーティング層を60μmの厚さに形成した。
そして、Ni−P合金のめっきを施したセル1を不活性雰囲気中で900℃に加熱することによって、当該セル1の周縁部をSUS430ステンレス鋼から成る板厚0.2mmのセパレータ16に接合し、図4(a)及び(b)に示すような燃料電池用セル板を得た。
(比較例)
上記実施例1と同様に、板厚0.2mmのフェライト系ステンレス鋼(SUS430)にフォトエッチングを施すことによって、のスルーホール10hを形成し、これを金属基板10とした。
そして、上記金属基板10に電気めっきを施すことなく、そのスルーホール10hの内部を含む両面に、同様のスラリーをスクリーン印刷法により塗布して乾燥した後、水素還元雰囲気中において1200℃で焼成して、Ni−SDCサーメットから成る燃料極13を0.2mmの厚さに形成し、さらにその上に、同様の方法によって、8YSZから成る厚さ5μmの電解質層14と、SSCから成る厚さ30μmの空気極15を積層し、図5に示すような固体酸化物形燃料電池用セルを得た。
上記実施例1と同様に、板厚0.2mmのフェライト系ステンレス鋼(SUS430)にフォトエッチングを施すことによって、のスルーホール10hを形成し、これを金属基板10とした。
そして、上記金属基板10に電気めっきを施すことなく、そのスルーホール10hの内部を含む両面に、同様のスラリーをスクリーン印刷法により塗布して乾燥した後、水素還元雰囲気中において1200℃で焼成して、Ni−SDCサーメットから成る燃料極13を0.2mmの厚さに形成し、さらにその上に、同様の方法によって、8YSZから成る厚さ5μmの電解質層14と、SSCから成る厚さ30μmの空気極15を積層し、図5に示すような固体酸化物形燃料電池用セルを得た。
このようにして得られたセルについて、同様の発電出力評価装置を用いて、同様の発電出力測定を行ったところ、当初は、0.7Vで0.2W/cm2の出力が得られたものの、約3時間経過後から、OCVの低下傾向が認められ、試験終了後、セルを評価装置から取り出して検査したところ、電解質膜の一部に破損が生じていると共に、金属基板10の抵抗値が増していることが確認された。
1 固体酸化物形燃料電池用セル
10 金属基板
10h スルーホール
11、12 耐食性金属
13 燃料極(電極)
14 電解質
15 空気極(電極)
10 金属基板
10h スルーホール
11、12 耐食性金属
13 燃料極(電極)
14 電解質
15 空気極(電極)
Claims (13)
- ガス透過性を有する金属基板上に固体酸化物から成る電解質を電極で挟持した電池要素を形成して成る多孔質金属支持型セルにおいて、上記金属基板のガス接触部分に耐食性金属がコーティングしてあることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル。
- 上記耐食性金属がNi又はNiを含有する合金であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 耐食性金属が金属めっきによってコーティングしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 上記金属基板の周縁部に耐食性金属がコーティングしてあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 上記金属基板が焼結金属から成る多孔質金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 上記金属基板がスルーホールを備えた金属板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 上記金属基板がフェライト系ステンレス鋼から成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の固体酸化物形燃料電池用セル。
- 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セルが積層方向と略直交する方向へ2次元的に複数個連結されて一体化していることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用セル板。
- 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セルを複数個積層して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタック。
- 請求項8に記載の燃料電池用セル板を複数枚積層して成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタック。
- 請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セルを用いて成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
- 請求項8に記載の燃料電池用セル板を用いて成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
- 請求項9又は10に記載の燃料電池スタックを用いて成ることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011210566A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Mitsubishi Materials Corp | 固体酸化物形燃料電池の発電セルとその製造方法 |
US8835080B2 (en) | 2009-03-26 | 2014-09-16 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electrolyte mebrane formation method, membrane-electerode assembly, and membrane-electrode assembly manufacturing method |
JP2016024997A (ja) * | 2014-07-22 | 2016-02-08 | 株式会社デンソー | 固体酸化物形燃料電池セル |
CN113067005A (zh) * | 2021-03-19 | 2021-07-02 | 东睦新材料集团股份有限公司 | 一种用于燃料电池的金属支撑板的制备方法 |
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2004
- 2004-03-05 JP JP2004061917A patent/JP2005251611A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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