JP2013076868A - ベルト部材、像加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

ベルト部材、像加熱装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成装置の組み立てにおいて潤滑剤の塗布をし忘れる心配が無く、現場作業でのベルト部材の交換を通じてあまり熟練と経験を要しないベルト部材、像加熱装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】定着ベルト100は、無端状に形成されて、非回転の加圧部材103に対して内側面が加圧状態で摺擦する。加圧部材103は、定着ベルト100の回転方向に直角な幅方向に連続した当接面で定着ベルト100の内側面に摺擦する。定着ベルト100は、内側面に、液体状態で塗布した後に非流動化された被膜状態の潤滑剤110を有する。潤滑剤110は、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、内側面に塗布した後に溶剤を蒸発させて被膜状態としている。固体潤滑剤とオイルは、いずれもフッ素系の材料であって、溶剤を蒸発させた後の潤滑剤110の厚さは5μm以上50μm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、非回転の支持部に内側面の周方向の一部が支持された無端状のベルト部材を用いて画像形成を行う画像形成装置、詳しくは支持部との摺擦抵抗を軽減するためにベルト部材の内側面に形成される潤滑層の形成方法に関する。
トナー像を形成して記録材に転写し、トナー像が転写された記録材を、像加熱装置の一例である定着装置の加熱ニップに送り込んで、加熱ニップで記録材を加熱加圧しつつ挟持搬送して、記録材に画像を定着させる画像形成装置が広く用いられている。また、加熱ニップを形成する一対の回転体の一方又は両方を無端状のベルト部材で形成した像加熱装置が広く用いられている。無端状のベルト部材を採用した像加熱装置では、加熱ニップを外側から加圧するために、ベルト部材の内側面に非回転の支持部を配置して、ベルト部材に摺擦させるため、ベルト部材と支持部の間に潤滑剤を介在させている(特許文献1〜3)。
特許文献1の定着装置は、ベルト部材の内側面にヒーターを配置して、ヒーターがベルト部材を介して記録材の画像面を加熱する。ここでは、ベルト部材の装着に先立たせて支持部(ヒーター)の表面に耐熱グリスが塗布され、像加熱装置にベルト部材を装着した後にベルト部材を空回転させて、ヒーターとベルト部材の間に耐熱グリスを介在させている。
特許文献2の定着装置は、記録材の画像面を加熱するローラ部材に無端状のベルト部材を当接させて記録材の加熱ニップを形成している。ここでは、ベルト部材の内側面を支持する支持部の表面を覆って、耐熱グリスを浸透させたシートを配置しており、ベルト部材の回転と加圧に伴って耐熱グリスがシートから供給されている。
特許文献3の定着装置は、記録材の画像面を加熱するローラ部材に無端状のベルト部材を当接させて記録材の加熱ニップを形成している。この構成では、加圧パッドの加圧面に摺擦するベルト部材の内側面に固体潤滑層を形成して、加圧パッドとの摺動性を高めている。
特開2007−293012号公報 特開2009−69400号公報 特開2001−154515号公報
使用していたベルト部材を新品のベルト部材に交換する際には、使用されていた支持部材と新品のベルト部材との間の摺擦性を高めるために、支持部材に新たに潤滑剤を塗布する構成が望ましい。
しかし、交換作業を行う度に支持部材に潤滑剤を塗布するような場合には、塗布作業が新たに生じ、工程が多くなる。そのため、簡易な交換方法が望まれている。
本発明のベルト部材は、無端状に形成されて、画像形成装置の非回転の支持部に対して内側面が加圧状態で摺擦するものである。そして、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、前記内側面に塗布した後に、前記溶剤を蒸発させて被膜状態とした潤滑層を有する。
本発明のベルト部材により、潤滑剤の塗布作業を省くことで、簡易な工程でベルト部材の交換を行うことができる。
画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の回転軸線方向に垂直な断面構成の説明図である。 ベルトガイドの説明図である。 定着装置の斜視図である。 定着装置の端部の構成の拡大図である。 加熱部材の説明図である。 定着ベルトの潤滑層の配置の説明図である。 潤滑層の形成方法の説明図である。 実施例2における定着装置の構成の説明図である。 定着ベルト外周面に形成されたマーキングの説明図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、像加熱装置のベルト部材の内側面に潤滑剤の層が予め形成されている限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、ベルト部材に当接して加熱ニップを形成する回転体はローラ部材に限らずベルト部材でもよい。加熱ニップの加熱方法は、抵抗加熱に限らず、輻射加熱、誘導加熱、ガス燃焼、ヒートパイプ等でもよい。像加熱装置は、定着装置の他に、画像の光沢や表面性を調整する加熱処理装置を含む。
画像形成装置は、モノクロ/フルカラー、枚葉型/記録材搬送型/中間転写型、トナー像形成方式、転写方式の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途の画像形成装置で実施できる。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図1に示すように、画像形成装置1は、中間転写ベルト31に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成部PY、PM、PC、PKを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。
画像形成部PYでは、感光ドラム11(Y)にイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト31に転写される。画像形成部PMでは、感光ドラム11(M)にマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト31に転写される。画像形成部PC、PKでは、感光ドラム11(C)、11(K)にそれぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて、中間転写ベルト31に順次転写される。
記録材Pは、記録材カセット20から1枚ずつ取り出されてレジストローラ23まで搬送されて待機する。記録材Pは、レジストローラ23によって中間転写ベルト31上のトナー像にタイミングを合わせて二次転写部T2へ給送されて、中間転写ベルト31からトナー像を二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置40へ搬送され、定着装置40で加熱加圧を受けてトナー像を定着された後に、排出ローラ63によって外部トレイ64へ排出される。
一方、記録材Pの両面に画像形成する場合、定着装置40で一方の面にトナー像を定着された記録材Pは、フラッパ61によって上方へ案内される。記録材Pは、搬送路73においてスイッチバック搬送されることにより表裏反転され、その後、両面搬送路70を搬送されて、レジストローラ23で待機する。そして、二次転写部T2で他方の面にもトナー像を形成され、定着装置40によってトナー像を定着された後に、外部トレイ64へ排出される。トナー像が形成される記録材Pの具体例としては、普通紙、普通紙の代用品である樹脂シート、コート紙、厚紙、オーバーヘッドプロジェクターシートなどがある。
画像形成部PY、PM、PC、PKは、それぞれの現像装置14で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、実質的に同一に構成される。以下では、イエローの画像形成部PYについて説明し、他の画像形成部PM、PC、PKに関する重複した説明を省略する。
画像形成部PYは、感光ドラム11の周囲に、コロナ帯電器12、露光装置13、現像装置14、転写ブレード17、及びドラムクリーニング装置15を配置している。コロナ帯電器12は、感光ドラム11の表面を一様な電位に帯電させる。露光装置13は、レーザービームを走査して感光ドラム11に画像の静電像を書き込む。現像装置14は、静電像を現像して感光ドラム11にトナー像を形成する。転写ブレード17は、電圧を印加されて感光ドラム11のトナー像を中間転写ベルト31へ転写させる。
<定着装置>
図2は定着装置の回転軸線方向に垂直な断面構成の説明図である。図3はベルトガイドの説明図である。図4は定着装置の斜視図である。図5は定着装置の端部の構成の拡大図である。図6は加熱部材の説明図である。
図2に示すように、像加熱装置の一例である定着装置40は、ベルト部材の一例である定着ベルト100と回転体の一例である加圧ローラ101とを備える。加圧ローラ101は、支持部の一例である加圧部材103によって内側面を支持された定着ベルト100の外側面に当接して、定着ベルト100との間に記録材Pの加熱ニップNを形成する。
加圧ローラ101は、弾性層を有するローラ部材である。加圧部材103の表面には、面状の抵抗加熱素子の一例である加熱部材102が配置される。加熱部材102は、定着ベルト100を介して記録材上のトナー画像を加熱する。加圧ローラ101は、加圧部材103によって内側面を支持された定着ベルト100の外側面に当接して、定着ベルト100を加圧部材103に加圧する。
画像形成装置においては、感光ドラム上に形成された静電像を現像してトナー像に可視画像化して、静電気力と圧力を用いて記録材に転写し、次いで定着装置で転写画像を熱と圧力により定着させて、記録材上に画像を形成する。定着装置に用いられる定着方式の1つとしてベルト定着方式がある。
ベルト定着方式の定着装置は、金属や樹脂のホルダに直接固定支持されたヒーターに定着ベルトを圧接しつつ搬送させ、定着ベルトを介して記録材の画像面をヒーターに密着させながら記録材の裏面を加圧ローラ等により加圧する。定着ベルトと加圧ローラ等との間で記録材を挟持搬送する過程で、ヒーターの熱を定着ベルトを介して記録材に付与しつつ、記録材面に担持されている未定着トナー像を加圧ローラ等の加圧によって記録材面に定着させる。
図2に示すように、定着ベルト100は、薄肉中空の無端ベルト状であって、加圧ローラ101の反対側から加圧部材103によって内側面を支持されている。加圧部材103の下面に長手方向に連続した凹所が形成され、凹所に沈めて加熱部材102が配置されている。加熱部材102は、定着ベルト100を介して記録材Pの画像面を加熱する。
加熱部材102及び加圧部材103は、定着ベルト100の内側面を摺擦している。加熱部材102及び加圧部材103の摺動面と定着ベルト100の内側面との間に、摩擦力を低減する目的で、予め潤滑剤110が準備されている。ベルトフレーム104は、定着ベルト100を回転軸線方向に梁状に貫通して配置され、加圧ローラ101によって下方から押圧されて弓状に変形しようとする加圧部材103を、上方から押えつけて直線状に保持する。
図3に示すように、ベルトガイド105は、定着ベルト100のベルト端部の内面の回転方向を規制すると同時に定着ベルト100のスラスト方向規制もするベルト回転のガイド部材である。ベルトガイド105は、ベルトフレーム104の長手方向の両端部に配置され、ベルト内面ガイド部105aが定着ベルト100の端部を内側から円筒状態に保持している。ベルト内面ガイド部105aからフランジ状に起立したスラスト規制部105bは、定着ベルト100の回転軸線方向の移動を規制する。
図4に示すように、加圧ローラ101は、定着フレーム115に固定したベアリング116によって回転自在に支持されている。定着ベルト100の両端部に配置されたベルトガイド105は、上方から圧縮バネ113によって加圧ローラ101へ向かって加圧される。加圧された一対のベルトガイド105は、定着ベルト100の外側面を加圧ローラ101に圧接させて、記録材Pの加熱ニップNを形成する。記録材Pが加熱ニップNを通過したのち、定着ベルト100から分離して排出される。
図5に示すように、加圧ローラ101は、定着装置40の運転中、不図示の定着駆動部からギア117を通じて回転駆動される。加圧ローラ101の回転に伴って、定着ベルト100が従動回転する。
加圧レバー112は、中心軸111を中心にして揺動可能であって揺動端を圧縮バネ113によって下方へ付勢されている。加圧レバー112は、ベルトガイド105を介して、図2に示すようにベルトフレーム104によって全長を支持された定着ベルト100を下方へ押えつける。
加圧レバー112は、ギア121を通じて手動操作により駆動されるカム120の回転に伴い、中心軸111を中心にして揺動回転する。加圧レバー112の揺動端が押し上げられると、定着ベルト100が加圧ローラ101から離間して、加熱ニップNが開放される。定着装置40の運転中、記録材Pが搬送されている時にジャムを起こした場合、ユーザーが定着ニップNを離間する機構を操作して、定着ベルト100と加圧ローラ101との間に挟み込まれて停止したジャム記録材を容易に除去できる。
図6に示すように、加熱部材102は、電力供給により発熱する発熱源としての抵抗発熱体53bを含み、電極53dを通じて通電がされるとジュール加熱により昇温するセラミックヒータを構成している。抵抗発熱体53b及び電極53dは、セラミック基板53a上に形成されてガラス層53cで覆われている。セラミック基板53aは、熱伝導が良好なAlN基板である。抵抗発熱体53bは、Ag・Pdペーストを厚膜印刷し焼成することで形成した。ガラス層53cは、摺動部材として50〜60μm程度の厚さのガラスコーティング層を抵抗発熱体53bの上に一体に設けている。
セラミック基板53aの抵抗発熱体53bが設けられている側とは反対側の基板上に、サーミスタ54が設けられて、セラミック基板53aの温度をモニターする。サーミスタ54は、接着剤の耐熱温度を超えるような温度も検知するために不図示の加圧バネによりセラミック基板53aに所定の圧力で圧接されている。温度制御回路73は、サーミスタ54の出力をフィードバックしてAC電源71のスイッチング素子72を制御することにより、加熱部材102の温度を一定範囲に保つ。
図2に示すように、加熱ニップNによって記録材Pが挟持搬送される過程で、記録材Pは、加熱部材102から定着ベルト100を介して熱エネルギーを受け取る。記録材P上の未定着トナー像(不図示)は溶融されて記録材P上に加熱、加圧定着される。
定着ベルト100は、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、肉厚を総厚100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上としたポリイミド、ピーク等の耐熱樹脂の基体を採用することが望ましい。また、基体の記録材Pに接する面に離型性の高いシート又はコート層を配置することが望ましい。
ここでは、基体として、厚み50μmのポリイミドを用いて定着ベルト100の内径をφ30mmとし、基体の上に厚み10μmのフッ素樹脂層であるPFA層を設けた。しかし、定着ベルト100は、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドアミド等に代表される耐熱性の高いシート状部材を基層とし、その上に導電層、さらにその上に離型層を積層したものでもよい。
加圧ローラ101は、鉄、アルミ等の金属製の円柱状芯金の外周面にスポンジやシリコンゴムなどの弾性層を配置し、弾性層の表面に離型層を設けて記録材Pの分離性を高めることが望ましい。ここでは、軟鋼材料の芯金の表面を、ブラスト加工して表面状態を荒らした後、洗浄を行った。次いで芯金を筒型に挿入して、液状のシリコンゴムを型内に注入して加熱硬化させた。この時、加圧ローラ101の表面層に離型層としてPFA樹脂チューブ層を設けるために、型内に予め内面に接着材料を塗布したチューブ材料を挿入しておいた。これにより、ゴムの加熱硬化と並行してチューブ材料とゴム弾性層との接着を行う。このようにして成型された加圧ローラは脱型処理後、二次加硫を行って必要な硬度に調整した。二次加硫はオーブンで一定時間部品を加熱して行われる。外径φ30mmの加圧ローラ101を製作しており、加圧ローラ101の芯金径は約φ22mm、ゴム弾性層の肉厚は4mm、チューブ材料の厚みは50μmである。
そこで、以下の実施例では、予め保守等の部品交換を行う定着ベルト100の全面、又はベルト内面摺擦部幅と略一致した回転方向幅に潤滑剤を均一塗布している。これにより、保守交換時の潤滑剤塗布作業を無くして、作業の効率性を高めることができる。さらに、以下の実施例では、潤滑剤を定着ベルト100の内面に略均一に塗布することで、交換後の定着ベルト100の摺動ムラを小さくすることができる。
<実施例1>
図7は定着ベルトの潤滑層の配置の説明図である。図8は潤滑層の形成方法の説明図である。
図2を参照して図7に示すように、定着ベルト100は、無端状に形成されて、非回転の加圧部材103に対して内側面が加圧状態で摺擦する。加圧部材103は、定着ベルト100の回転方向に直角な幅方向に連続した当接面で定着ベルト100の内側面に摺擦する。
定着ベルト100は、内側面に、液体状態で塗布した後に非流動化された被膜状態の潤滑層の一例である潤滑剤110を有する。潤滑剤110は、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、内側面に塗布した後に溶剤を蒸発させて被膜状態としている。溶剤を蒸発させた後の潤滑剤110は、流動性を有しない拭き取り可能な付着状態である。固体潤滑剤とオイルは、いずれもフッ素系の材料であって、溶剤を蒸発させた後の潤滑剤110の厚さは10μm以上40μm以下である。
実施例1では、加熱ニップNに位置する定着ベルト100と加熱部材102の摺動摩擦力を低減する目的で、定着ベルト100の内面の全面に、潤滑剤110が形成されている。定着ベルト100が単体の時に、内面に塗布された潤滑剤110は、相手部品に組み込んだ後は、一部が摺擦する相手部品に掻き取られて、相手部品である加圧部材103及び加熱部材102の摺動面に拘束されて定着ベルト100との間に介在する潤滑層となる。
潤滑剤110は、塗布前は液状であり塗布後に溶剤を蒸発させて被膜化する皮膜形成潤滑剤である。潤滑剤110は、PTFE等フッ素樹脂の固体潤滑剤とPTFEオイル等フッ素オイルをHFE等の溶剤に分散させた潤滑剤である。潤滑剤110は、塗布後に溶剤が揮発することで、固体潤滑剤とオイルの皮膜を塗布部に形成する。皮膜形成潤滑剤の室温での塗布前後の性状は、塗布前=液状、塗布後=乾燥皮膜である。
潤滑剤110は、固体潤滑剤とオイルの分量を変えることで皮膜の乾燥具合が変わり、必要機能に応じて潤滑剤配合を変えることで塗布状態を変えることが可能な皮膜形成潤滑剤である。完全乾燥皮膜とする場合はオイル量を減らし、濡れた皮膜面が必要であればオイル量を増やす。
皮膜形成潤滑剤は、複数の会社から市販されている。例えば、関東化成株式会社のハナール(登録商標)、株式会社ハーデスのドライサーフ(商品名)を利用でき、溶剤の比率と種類を変更して、塗布条件や乾燥性能を調整できる。市販の皮膜形成潤滑剤は、摺動部の潤滑を必要とするが、潤滑剤の飛び散りや潤滑剤の粘度による負荷を気にする場所、あるいは、ユーザーが手で触れる場所に使用されている。
皮膜形成潤滑剤は、レンズを汚す心配があるカメラ内部の摺動部や駆動部品に使用されている。画像形成装置においても、記録材を汚す心配があるトレイ摺動部、記録材搬送系のギア歯面、ギア軸、カムとカムフォロア部等に使用された実績がある。
図7に示すように、定着ベルト100の基層は、円柱型に樹脂液を塗布乾燥させて膜化させた樹脂層である。定着ベルト100の表層は、円柱型に形成されて膜化している状態の基材にフッ素樹脂材料をディッピング(じゃぶづけ)やスプレー等により塗布した離型層あるいは剥離層である。
図8に示すように、定着ベルト100を円柱型から外した後、定着ベルト100の内側面に皮膜形成潤滑剤を塗布している。横長のノズル83をもつディスペンサ82の先端から潤滑剤を一定吐出量で落下させながら、ノズル83を矢印R4方向に一定速度で動かして、皮膜形成潤滑剤を長手方向に均一に供給可能にしている。定着ベルト100は、2本のベルト支持ローラ81により一定速度で回転させている。
ディスペンサ82のスライドは、ボールねじとモータによる位置制御を行いつつディスペンサ82の吐出ポンプの吐出タイミングをモータと同期制御させている。塗布量管理は、吐出口の形と皮膜形成潤滑剤の流量センサの指示値により管理する。これらにより、定着ベルト100の内周面の全域における皮膜形成潤滑剤の均一な塗布を可能にしている。
ディスペンサスライド塗布の後に皮膜形成潤滑剤を乾燥させることにより、定着ベルト100の内側面に潤滑剤110が被膜化されている。実施例1では、潤滑剤110が薄くて定着ベルト100の表面側への回り込みが無いため、定着ベルト100の長手方向の塗布範囲は、定着ベルト100の端部から端部までの全域である。
ここでは、皮膜形成潤滑剤の溶剤比率を80%として溶媒を蒸発させた後の乾燥膜厚を20μm〜30μmに制御した。塗布時に120μm±40μmの精度で厚さを制御することで、25μm±8μmの乾燥膜厚を得た。乾燥膜厚は、5μm以上あれば、定着ベルト100の設計寿命(A4普通紙で150万枚)を損なうことがなく、50μm以下であれば、加圧ローラ101の加圧による流動や手指への目立った付着を生じない。
定着ベルト100の組み付けは、加圧部材103等を一体に組み立てたアセンブリに対して、長手方向に定着ベルト100を挿入して行われる。加熱部材102の表面に従来の耐熱グリスが塗布されている場合、定着ベルト100をアセンブリに挿入するときに、定着ベルト100のベルトエッジで耐熱グリスが根こそぎ掻き取られたり、掻き寄せられたりする。
このため、定着ベルト100の組み付け後に耐熱グリスの分布ムラができる。定着ベルト100を挿入するときに、内部部品が周方向に擦れても、耐熱グリスの分布ムラができる。
また、通常の潤滑剤、たとえば、シリコーンオイル、フッ素オイル、耐熱グリス等であれば、半液状なので、定着ベルト100の内面に予め塗布すると、保管状態や取扱い状態で流れて移動する。出荷前に機械で均一塗布しても、輸送中に塗布分布が不均一になってしまう。定着ベルト100の梱包材内部が潤滑剤で汚れることもある。作業中に手に潤滑剤が付着して、手からあちこちに移転する、指紋をつけることもある。
これに対して、皮膜形成潤滑剤は、塗布した直後から溶剤が蒸発して皮膜化するので、定着ベルト100を挿入するときに、アセンブリの部品に接触しても根こそぎの移動とはならず、塗布ムラが起きにくい。皮膜化した後は、高温環境で垂直に保持しても流動することはなく、手で触れてもほとんど手に移転しない。単品輸送時の潤滑剤流れの心配がなく、梱包材も汚れない。作業中に手を介して周囲に汚れや指紋を付けることもない。
定着ベルト100は、予め定着ベルト自身に所定の塗布方法かつ塗布量で皮膜形成潤滑剤を塗布しているため、定着ベルトを使用する保守の際に潤滑剤を塗布する場合のような塗布量のばらつき、塗布ムラ等がなく、安定的で再現性の高い潤滑剤塗布ができる。工場で皮膜形成潤滑剤を均一塗布して、単品での輸送時等にも移動を生じないので、工場から保守組立時まで、最初の均一塗布状態が維持され、保守交換で組立た後の塗布量を均一化、一定化できる。
定着ベルト100は、皮膜形成潤滑剤の塗布、乾燥後、部品単品輸送の際にも内面塗布された潤滑剤が移動したり端部から液垂れしたりということが起きないため、保守交換部品として普通に保管して普通に取り扱うことができる。定着ベルト100自身に所定の塗布方法かつ塗布量で潤滑剤110を塗布している定着ベルト100を使用するため、保守の際に潤滑剤塗布する塗布量ばらつきや塗布ムラばらつき、等がなく安定的な潤滑剤塗布ができる。
潤滑剤110は、高温に晒されても流動せず、加圧を加えても定着ベルト100の回転軸線方向に移動しないため、定着装置40は、特許文献1、2のような潤滑剤の回り込み防止構造を設ける必要が無い。潤滑剤の回り込み防止構造を設けなくても、定着ベルト100の外側面に潤滑剤が回り込んで記録材に転移することがない。
潤滑剤110は、液体状態で塗布された後に溶剤を蒸発させるから、塗布された潤滑層よりも厚みが均一で薄く、定着ベルト100において、場所ごとの潤滑性能にばらつきが少ない潤滑層を形成できる。
定着ベルト100は、予めベルト部材の内側面に潤滑層が準備されているから、現場作業で潤滑層を形成する必要が無い。このため、画像形成装置の組み立てにおいて潤滑剤の塗布をし忘れる心配が無く、現場作業でのベルト部材の交換を通じてあまり熟練と経験を要しない。
<実施例2>
図9は実施例2における定着装置の構成の説明図である。図10は定着ベルト外周面に形成されたマーキングの説明図である。実施例1では、定着ベルト100の内側面全体に潤滑剤110を形成したが、実施例2では、定着ベルト100の内側面の一部に潤滑剤110を形成した。それ以外の定着装置40の構成、皮膜形成潤滑剤の種類、定着ベルト100及び潤滑剤110の製造、形成方法は実施例1と同一であるため、図9中、実施例1と共通する部材には図2と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図9に示すように、実施例2では、定着ベルト100の内側面には、加圧部材103の当接面に対応させて周方向の一部分にのみ潤滑剤110が配置されている。定着ベルト100は、加圧部材103の当接面と定着ベルト100の潤滑剤110を周方向に位置決めした状態で回転軸線方向に移動させて組み立てられる。潤滑剤110に対応する定着ベルト100の外側面に、定着ベルト100を組み立てる際の位置決めに用いる目印の一例として製造番号130が形成されている。
図2に示すように、定着ベルト100の内側面に皮膜形成潤滑剤が全面塗布されていると、内側に挿入されるアセンブリの部品(104)に潤滑剤110を擦って剥がしたり、掻き寄せたりする可能性がある。
そこで、図9に示すように、実施例2では、定着ベルト100の周方向にある近接又は接触する部品(104)を避けた所定の塗布範囲に限って皮膜形成潤滑剤を塗布している。そして、定着ベルト100を、皮膜形成潤滑剤の塗布部を潤滑剤110が必要な加熱ニップNに合わせて組み付けることで、定着ベルト100の周方向にある近接又は接触する部品(104)への不必要な潤滑剤付着を抑止している。
図10に示すように、定着ベルト100の端部の外周面には、製造条件を定着ベルト100ごとに管理する目的で製造番号130を記載している。製造番号130は、定着ベルト100のPFA層表面の端部近傍で回転方向に沿って数ケタの英数字を記載している。加熱を受けることを考慮して、製造番号130は、レーザーマーカーにて刻印したが、一般的な刻印機を用いて耐熱インキで印刷してもよい。定着ベルト100の外周面には、その他の目印(例えば、回転方向の基準位置をセンサで検知するためのマーク)は設けられていない。
図9に示すように、加熱ニップNの摺動摩擦力を低減する目的の潤滑剤110は、定着ベルト100の回転方向における内側面の塗布幅長さLの塗布範囲に塗布されている。定着ベルト100の外周面の製造番号(130:図10)の数字列の中央を塗布幅の中央として、定着ベルト100の内側面における加圧部材103のベルト接触域の長さに相当する塗布幅長さLの塗布範囲に潤滑剤110を塗布している。製造番号(130:図10)を中心とする周方向の1/2Lずつで合計Lの塗布範囲に潤滑剤110を塗布している。
実施例2では、塗布幅長さLの潤滑剤110を定着ベルト100の組み立て後に、定着ベルト100の内周面全体に拡散させるため、実施例1よりも、乾燥後の潤滑剤110の流動性を高めており、層厚も大きい。このため、定着ベルト100の長手方向の潤滑剤110の塗布位置は、端部のはみだしを考慮して、定着ベルト100の端部から7mmずつの範囲を避けた中央部分のみの部分的塗布とした。なお、ベルトガイド(105:図3)の定着ベルト摺擦面は、フッ素樹脂であるため、潤滑剤110は必要が無い。
図10に示すように、定着ベルト交換時に定着ベルト100を定着ベルトユニットに組み付ける際は、製造番号130の略中央部と加圧部材103の略中央部を合わせて定着ベルト100を位置決めして回転軸線方向に挿入することにより組み付ける。
実施例2では、定着ベルト100の加圧部材103が接触する範囲のみ潤滑剤110が塗布され、定着ベルト100の外周面の製造番号130の裏側の内側面に限って潤滑剤110が塗布してある。このため、製造番号130と加圧部材103とを目視で位置決めして定着ベルト100を組み付けることで、潤滑剤110が付着するべき加圧部材103の定着ベルト100接触部のみに潤滑剤110が接触する。こうすることで、組み立て時、定着ベルト100の内部に配置されたベルトフレーム104等の部品に潤滑剤110が接触しない。このため、定着ベルト100における潤滑剤110の塗布状態が組み立て時に損なわれにくく、塗布時の塗布状態を維持したまま、組み立て後の稼働開始をすることが可能となる。
なお、潤滑剤110の乾燥後の形成皮膜は、実施例1よりは厚くても、従来の耐熱グリスに比較すれば1/10以下の厚さの薄膜のため、熱伝導をほとんど妨げない。このため、塗布範囲と非塗布範囲とで加熱ムラはほとんど問題とならず、稼働開始時に空回転モードを実行しなくても、画質問題となりにくい。
実施例2では、潤滑剤110の厚みが薄くて絶対量が少ないことに加えて、端部を避けた長手方向の部分塗布としているため、定着ベルト100の移送の際に潤滑剤110の移動、飛散、液だれ等が起きない。また、潤滑剤110は、周方向にも部分塗布としているため、定着ベルト100の交換時にベルト内部の部品に潤滑剤110が付着することもなく、保守による部品交換後も画質不良の発生がない。交換する定着ベルト100の所定位置にあらかじめ皮膜形成潤滑剤を塗布してあるので、保守による部品交換時に潤滑剤の塗り間違いや塗り忘れが無い。
<実施例3>
実施例1、2においては、定着装置40における実施例を説明したが、加熱ニップにベルト部材を有する他の形式の定着装置や画像加熱装置装置において、ベルト部材の内側の摺擦面に実施例1、2のように潤滑剤を塗布してもよい。
ベルト部材の内側の部品に潤滑剤を塗布する装置において、ベルト部材が保守交換となれば、現場で耐熱グリス塗布を行った上でベルト交換を行う。潤滑剤の塗布方法や塗布量によっては、必要な潤滑性能が得られないこともあり、交換作業に対して汎用性が低い作業となる。
そこで、本発明では、あらかじめ工場にて、ベルト部材の内側面(従来の潤滑剤塗布部品の相手側)に機械による均一的な塗布状態の乾燥被膜潤滑層を形成する。乾燥皮膜潤滑層は、乾燥して皮膜形成するので液だれが起きない。液だれ等なく現場まで輸送できる。
本発明は、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に搭載されてニップを形成する一対の回転体の少なくとも一方にベルト部材が用いられたベルト駆動機構に関する。本発明は、ベルト部材の内側に、ベルト部材の内側面に摺擦する部品が配置されたベルト駆動機構に関する。
本発明は、画像形成装置に搭載された、ベルト転写装置、ベルト加熱装置、ベルト搬送装置において実施できる。ベルト部材を搭載する装置は、出荷時の最初にベルト部材を組み込んだものも、保守による部品交換でベルト部材を組み込んだものも含む。組み込み後のベルト部材の状態には関係なく、ベルト部材の部品製作時に潤滑剤を塗布して、組み立て時には塗布しないものを含む。
ベルト部材を搭載する装置は、加熱の有無に限らない。例えば、中間転写ベルト、記録材搬送ベルトのように、無端状のベルト部材を張架したユニットであっても、内側に内周面に摺擦する部品が配置されていれば、本発明のベルト部材を搭載できる。
図1に示すように、実施例3の画像形成装置1では、ベルト部材の一例である中間転写ベルト31は、無端状に形成されて複数の支持回転体に掛け渡されている。支持部の一例である転写ブレード17は、中間転写ベルト31の内側面に摺擦させて非回転に配置されている。回転体の一例である感光ドラム11は、転写ブレード17によって内側面を支持された位置で中間転写ベルト31の外側面に当接して、中間転写ベルト31との間にトナー像を転写するニップを形成する。
そして、中間転写ベルト31は、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、内側面に塗布した後に、溶剤を蒸発させて被膜状態とした潤滑層を、実施例1又は実施例2と同様にして、その内側面に形成されている。ただし、転写電流を確保するために、潤滑層の潤滑粒子にはカーボン等の導電性フィラーを混合した。
また、画像形成装置に搭載されるベルト加熱装置においては、熱源は電磁誘導加熱でも、ランプヒータでも、面状発熱抵抗体でも実施できる。乾燥皮膜にした潤滑剤を均一に塗布できる特徴は、ベルト加熱装置に用いた場合に加熱の均一性という利点をもたらす。実施例1、2は、画像の加熱側にベルト部材を具備した定着装置40であるが、定着装置は、この定着方式に限定したものではなく、本発明は、画像と反対の加圧側にベルト部材を具備した定着方式でも実施できる。
<実施例4>
図9に示すように、実施例2では、定着ベルト100の加圧部材103に対応する周方向の範囲に潤滑剤110を形成した。実施例4では、定着ベルト100の加圧部材103に対応する周方向の範囲を避けて潤滑剤110を形成し、組み立て後に定着ベルト100を周方向に回転させて加熱ニップNに潤滑剤110を位置決める。定着装置40、定着ベルト100、潤滑剤110は、実施例2と同一であり、挿入時及び周方向の位置決め時には、製造番号(130:図10)を目印として用いる。
定着ベルト100を最初から加圧部材103に位置決めて回転軸線方向に挿入すると、厚みのある従来の耐熱グリスほどではなくても、加圧部材103及び加熱部材102が潤滑剤110を擦って剥がしたり、挿入する奥側に掻き寄せたりする可能性がある。そのため、定着ベルト100が干渉する部品の無い周方向の位置へ潤滑剤110の塗布範囲を位置決めて回転軸線方向に移動させ、その後に、定着ベルト100を周方向に手動で回転させて加圧部材103に潤滑剤110を位置決めている。
<実施例5>
実施例5では、潤滑剤110の形成前に、定着ベルト100の内側面をサンドブラスト処理して表面を荒らすことにより、潤滑剤110との親和性を高め、組み立て時に摺擦する部品による潤滑剤110の掻き取りを減らした。サンドブラスト処理することにより、皮膜形成潤滑剤中のフッ素樹脂粒子の定着ベルト100の表面に沿った移動を抑制する効果が得られる。定着ベルト100の内側面にマスキングを施してサンドブラスト処理することにより、フッ素樹脂粒子の移動を抑制する領域を限定することも可能である。
1 画像形成装置、11 感光ドラム、13 露光装置、14 現像装置
17 転写ブレード、31 中間転写ベルト、23 レジストローラ
40 定着装置、100 定着ベルト、101 加圧ローラ
102 加熱部材(ヒータ)、103 加圧部材(スライダ)
104 ベルトフレーム(ステー)、105 ベルトガイド(エンドキャップ)
110 潤滑剤、111 回転中心軸、112 加圧レバー、113 圧縮バネ
120 加圧カム、130 製造番号、P 記録材、T2 二次転写部

Claims (8)

  1. 無端状に形成されて、画像形成装置の非回転の支持部に対して内側面が加圧状態で摺擦するベルト部材において、
    固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、前記内側面に塗布した後に、前記溶剤を蒸発させて被膜状態とした潤滑層を有することを特徴とするベルト部材。
  2. 前記溶剤を蒸発させた後の前記潤滑層は、流動性を有しない拭き取り可能な付着状態であることを特徴とする請求項1記載のベルト部材。
  3. 前記固体潤滑粒子と前記オイルは、いずれもフッ素系の材料であって、前記溶剤を蒸発させた後の前記潤滑層の厚さは10μm以上40μm以下であることを特徴とする請求項2記載のベルト部材。
  4. 前記支持部は、前記ベルト部材の回転方向に直角な幅方向に連続した当接面で前記内側面に摺擦し、
    前記ベルト部材の内側面には、前記当接面に対応させて周方向の一部分にのみ前記潤滑層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のベルト部材。
  5. 前記ベルト部材は、前記当接面と前記潤滑層を周方向に位置決めした状態で回転軸線方向に移動させて組み立てられ、
    前記潤滑層に対応する前記ベルト部材の外側面に、前記ベルト部材を組み立てる際の位置決めに用いる目印が形成されていることを特徴とする請求項4記載のベルト部材。
  6. 無端状に形成されたベルト部材と、
    前記ベルト部材の内側面に摺擦させて非回転に配置された支持部と、
    前記支持部によって内側面を支持された位置で前記ベルト部材の外側面に当接して、前記ベルト部材との間に記録材の加熱ニップを形成する回転体と、を備える像加熱装置において、
    前記ベルト部材は、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、前記内側面に塗布した後に、前記溶剤を蒸発させて被膜状態とした潤滑層を前記内側面に有することを特徴とする像加熱装置。
  7. 前記回転体は、弾性層を有するローラ部材であって、
    前記支持部は、前記ベルト部材を介して記録材上のトナー画像を加熱する面状の抵抗加熱素子を表面に配置していることを特徴とする請求項6記載の像加熱装置。
  8. 無端状に形成されて複数の支持回転体に掛け渡されたベルト部材と、
    前記ベルト部材の内側面に摺擦させて非回転に配置された支持部と、
    前記支持部によって内側面を支持された位置で前記ベルト部材の外側面に当接して、前記ベルト部材との間にニップを形成する回転体と、を備える画像形成装置において、
    前記ベルト部材は、固体潤滑粒子とオイルとを揮発性の溶剤に分散させた液体材料を、前記内側面に塗布した後に、前記溶剤を蒸発させて被膜状態とした潤滑層を前記内側面に有することを特徴とする画像形成装置。
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