JPH07219365A - 定着装置及び転写定着装置 - Google Patents

定着装置及び転写定着装置

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JPH07219365A
JPH07219365A JP1096794A JP1096794A JPH07219365A JP H07219365 A JPH07219365 A JP H07219365A JP 1096794 A JP1096794 A JP 1096794A JP 1096794 A JP1096794 A JP 1096794A JP H07219365 A JPH07219365 A JP H07219365A
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belt
fixing device
heating
heating element
transfer
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JP1096794A
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Goro Sato
五郎 佐藤
Tsutomu Hiraoka
平岡  力
Junichi Matsuno
順一 松野
Hidefumi Otsuka
英史 大塚
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱体の表面とベルトとが摺動する加熱加圧
部の平滑性を向上させ、ベルトの摩耗を抑えて障害のな
い長期にわたり高品位な定着画像が得られる高寿命な定
着装置及び転写定着装置を提供する。 【構成】 定着ベルト11の内周に発熱体13をベルト
内周面に接触させて配置し、定着ベルト11を介して固
定発熱体13に押圧する加圧部材20を設け、定着ベル
ト11を加熱加圧するニップ部Nを形成し、ニップ部N
の間に記録材18を搬送して発熱体13からの熱エネル
ギーを定着ベルト11を介して記録材18上のトナー画
像に与える装置において、発熱体13が摺動する定着ベ
ルト11の内周面に固体潤滑剤を被覆する。また、発熱
体が定着ベルトと摺動する面に平均表面粗さが1μm以
下で表面硬度200kg/mm2 以上の耐熱性の部材を
用いた保護層を被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は定着装置及び転写定着装
置に係り、特に、複写機、レーザプリンタ等の画像形成
装置に用いられ、長時間安定して記録画像の品質を保持
するのに好適な定着装置及び転写定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像形成装置に用いられている定
着装置は、内部に熱源を配置した中空の加熱ローラと、
この加熱ローラに圧接し、弾性体で被覆された加圧ロー
ラとから構成され、記録材上の転写画像を熱と圧力で溶
融し定着する熱ローラ方式が最も多く用いられている。
しかし、このような熱ローラ方式は、加熱ローラの熱容
量が大きいために、定着に必要な温度に達するまでの時
間(ウォームアップ時間)が長くかかり、その温度を維
持するための電力が大きい。また、加熱ローラに用紙が
巻き付く、封筒定着時にはシワが発生するなどの問題が
ある。そこで、最近、上記問題を解決するものとして、
例えば特開平3−263073号公報、特開平5−19
650号公報などに記されているような、薄肉の耐熱性
ベルトと、この耐熱性ベルトと摺動する固定発熱体とを
用い、ベルトの極小部を瞬時に加熱して定着するベルト
加熱方式が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固定発
熱体とベルトとを摺動させる構成では、ベルト内面が削
れて摩耗粉が発生し、この摩耗粉がベルトを回転させる
駆動ローラとベルトとの間に混入しフィルムが滑る、あ
るいは逆にベルトの駆動トルクが増大し、ビビリや異音
が発生する等の問題がある。これに対して、特開平5−
19650号公報では、ベルトの固定発熱体と摺動する
側に、グリス等の液体潤滑剤を供給する手段を設けてい
る。しかし、この方法では、グリス供給ローラを従動ロ
ーラに加圧する圧力を、ローラ長手方向に対して均一に
付与しないとグリスの付着量が不均一となり、多量に付
着する部分が発生してベルトがグリスによって滑る。あ
るいは、グリスがベルト表面に付着して定着不良を招い
たり、加圧ローラを汚染する恐れがある。
【0004】特開平3−263073号公報では、固定
発熱体の摺動面にフッ素樹脂を被覆してベルトの摩耗の
発生を極力抑え、5万枚までの記録動作を確認している
が、5万枚以降については述べられていない。また、こ
の実験はベルトにポリイミドフィルムを使用したときの
結果であり、ポリイミドフィルムに比べ熱伝導率が高く
ウォームアップ時間を短縮できるNi等のメタルベルト
については記述されていない。実際に定着ベルトにNi
を用い、発熱体の放熱板表面にフッ素樹脂を被覆して摺
動実験を行なった結果、Ni及び発熱体のフッ素樹脂が
削られて摩耗粉が多量に発生し、約1万枚で厚さ約50
μmのフッ素樹脂が全て削られ、基材が表面に現われ
た。よって、金属ベルトを使用する場合は、フッ素樹脂
を発熱体表面に被覆しても、長期的な摩耗粉防止の手段
として使用できない。これは、フッ素樹脂が常時温めら
れている状態にあるため、熱によってフッ素樹脂が削ら
れやすいからと考えられる。また、最近では、アモルフ
ァスシリコン感光体を適用した複写機やプリンタの出現
により装置の高寿命化が図られている。これに伴い定着
装置の寿命も長くする必要がある。
【0005】よって本発明の目的は、ベルトを交換する
ことなく定着画質を長期間に渡って高品位に保ち、摩耗
などの障害の無い高寿命な定着装置及び転写定着装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の定着装置は、無端ベルトの内周面に発熱体
を接触させ、前記ベルトを前記発熱体に押圧する加圧部
材を配置し、前記ベルトと前記加圧部材との間の加熱加
圧部に記録材を搬送してトナー像を定着する定着装置に
おいて、前記ベルトは、前記発熱体との摺動面に固体潤
滑剤層が被覆されていることを特徴とするものである。
また、本発明の転写定着装置は、トナー像を表面に付着
する感光体と、前記感光体に接触して前記トナー像を外
周面に転写される無端ベルトと、前記ベルトの内周面に
発熱部を接触させた発熱体と、前記発熱体に前記ベルト
を押圧して加熱加圧部を形成する加圧部材とからなり、
前記加圧部材と前記ベルトとの間の前記加熱加圧部へ搬
送された記録材に、前記ベルト上のトナー像を定着する
転写定着装置において、前記ベルトは、少なくとも前記
発熱体と摺動する内周面に固体潤滑剤層が被覆されてい
ることを特徴とするものである。また、前記発熱体と前
記ベルトとの間に、前記ベルトとの摺動面が、平均表面
粗さが1μm以下で表面が200kg/mm2 以上のビ
ッカース硬度を有する耐熱材料を介在させたことを特徴
とするものであ。
【0007】
【作用】上記構成によれば、ベルト内周面の固体潤滑剤
層により、ベルトと発熱体との摺動部分の摩擦力が低減
し、ベルトの摩耗粉の発生を抑えることができ、固体潤
滑剤は瞬時に熱せられるだけなので、軟化せず削れにく
いため、ベルトの寿命が延びる。また、発熱体のベルト
摺動面の粗さや硬度を規制することにより、ベルトの発
熱体と摺動する部分の摩擦力がさらに低減され、ベルト
の摩耗粉の発生をさらに抑えることができるので、加熱
加圧部のビビリや異音の発生、あるいは摩耗粉によるベ
ルトのすべりを防止することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して説
明する。図1は本発明の定着装置の一実施例を示す側面
図である。薄肉の無端定着ベルト11は、間隔を隔てて
配置された駆動ローラ10と、張力を得るための金属ロ
ーラ16とに掛け渡されている。駆動ローラ10と金属
ローラ16との間には、ホルダ14及び発熱部15から
なる発熱体13が、発熱部15を定着ベルト11の内周
面に接触するように配置され、発熱体13と定着ベルト
11とが安定して接触するように、高剛性を有する発熱
体支持部材12により不示図の装置筐体に固定されてい
る。この発熱体13の発熱部15側に対向し、定着ベル
ト11を介して押圧ローラ20が配置され、定着ベルト
11を発熱体13の発熱部15に押圧して一体密着状態
にしている。この発熱体13と定着ベルト11と押圧ロ
ーラ20とで形成される加熱加圧部を、以下、ニップ部
Nと称す。
【0009】つぎに、各構成部品の詳細について説明す
る。駆動ローラ10は、例えばステンレスからなる芯金
10bの表面に、耐熱性に優れた例えばシリコーンゴム
からなる弾性層10aが被覆してある。金属ローラ16
は、例えばアルミからなり、定着ベルト11の斜行を防
止する役目も果たしている。ローラ軸16bの両端はそ
れぞれ独立したバネ17a、17bにより支持され、さ
らに、ローラ部16aの端部はテーパ加工されている。
定着ベルト11の内周の両端部には凸状の不示図のリブ
が設けてあり、定着ベルト11が斜行し、このリブが金
属ローラ16のテーパ部に乗り上がると、金属ローラ1
6には矢印b方向に力が作用し、ローラ軸16bが矢印
b方向に移動することにより、定着ベルト11の張力の
バランスが取られて斜行を防止する。押圧ローラ20
は、例えばステンレスからなる芯金20bの表面に、耐
熱性に優れた例えばシリコーンゴムからなる弾性層20
aを被覆してある。押圧ローラ20の表面の硬度は30
度HS以下が好ましく、表面硬度を規制することによ
り、記録材18の上面の未定着画像Tbを加熱溶融する
ニップ部Nを広くとれる。また、ニップ部Nの流入側及
び流出側には記録材18を案内するガイド19が設けら
れている。
【0010】本実施例の定着ベルト11は、耐久性、離
型性のある一般に総厚80μm以下の複合層からなるベ
ルトを使用している。図2に本実施例に用いた複合層の
ベルト構成断面模型図を示す。本例は離型剤層11a、
基材層11b、固体潤滑剤層11cの3層構造からな
る。離型剤層11aは、トナー画像に対面する側に設け
てあり、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)等のフッ素樹脂、またはシリコーン樹脂からなり、
定着後のトナー画像との離型性を高め、自然に記録材1
8と定着ベルト11とが剥離できるようにする。また、
この離型剤層にカーボン等の導電剤を混入することによ
り、定着ベルト11の表面抵抗を低くして静電オフセッ
トを防止することができる。基材層11bは、簡単にシ
ームレスに製造可能で熱伝導率が高く、強度に優れたN
iが好ましく、この他にポリイミド等の耐熱性フィルム
も使用できる。固体潤滑剤層11cは、発熱体13との
摺動を滑らかにするために低摩擦性を有する離型剤層1
1aと同様に、PTFE、PFA(四フッ化エチレン−
パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)等のフ
ッ素樹脂が好ましく、そのほかに、一般的に固体潤滑剤
として知られている二硫化モリブデン、黒鉛等を含んだ
被膜を用いてもよい。
【0011】つぎに、本実施例に用いた発熱体13の構
造を図3の分解斜視図を用いて説明する。発熱体13は
大きく分けて発熱部15とホルダ14からなり、弾性体
を有する断熱性で電気絶縁性の不示図の、例えばシリコ
ーン系接着剤を用いて、発熱部15をホルダ14の凹部
Dにはめこむ構成となっている。これにより、発熱部1
5とホルダ14との間に熱膨張差が生じても接着剤層が
その膨張差を吸収し、発熱部15が曲がったりねじれた
りするのを防止する。ホルダ14は発熱部15からの熱
を放熱面以外に逃がさないようにするために、断熱効果
のある部材、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイ
ド)を用いる。
【0012】放熱板21は定着ベルト11に発熱体から
の熱エネルギーを供給する部位なので、熱伝導性に優れ
た材料で厚さを十分薄くする必要があり、例えば240
mm(長さ)×8mm(幅)×0.5mm(厚さ)の外
形寸法のセラミックスを用いた。そして、セラミックス
の平均表面粗さは1μm程度のものを用いる。PTC(P
ositive Temperature Cofficient)発熱体23は、放熱
板21の一側面側にその長手方向に沿って、順次密に直
列配置した複数個のPTCチップであり、それぞれのチ
ップは、チタン酸バリウム等の材料を焼成形成した20
mm(長さ)×8mm(幅)×1mm(厚さ)の外形寸
法の板状形状である。この構成によれば、キューリ温度
の異なるPTCチップを組み合わせることにより、発熱
部15の長手方向の温度分布を任意に設定できる。ま
た、PTC発熱体23は自己温度制御性を有しているた
めに、発熱体13の表面を所定の温度に保持するための
温度検知手段や、この温度検知手段からの信号により、
発熱体への通電をON・OFFする温度制御装置が不要
となる。
【0013】PTC発熱体23の電極面は、それの板厚
方向の2面に設けられ、片面を全面電極22とし、その
面と反対側の面にはチップの長手方向に2つの分割電極
24a、24bを形成している。そして、全面電極22
を放熱板21に接着して放熱面とし、分割電極24a、
24bの面には通電用の電線25a、25bをそれぞれ
接着又はホルダにより圧接している。PTCの電極の取
り出し方法は他にもあるが、本実施例では放熱面を大き
くすることで放熱面温度がPTC全体の温度を支配的に
することができ、さらに分割電極24a、24b部分の
温度差を低減できるためPTCのピンチ効果を防ぐこと
ができる。
【0014】つぎに、図1を用いて本実施例の定着装置
の動作について説明する。不示図の画像形成装置によっ
て形成された記録材18の上面に担持した未定着画像T
bはガイド19に添って搬送されてくる。定着ベルト1
1は駆動ローラ10の芯金10b軸に連結された不示図
の駆動装置により矢印aの方向に所定の周速度、すなわ
ち、未定着画像Tbを上面に担持した記録材18の搬送
速度と同じ速度で駆動させる。これに伴い金属ローラ1
6及び押圧ローラ20が従動して回転する。一方、発熱
体13は画像形成スタート信号により所定のタイミング
で通電加熱され所定の温度になっている。ここで、搬送
されてきた記録材18はニップ部Nにベルト周速度と同
じ速度で侵入する。そしてニップ部Nで記録材18上の
未定着画像Tbは、発熱体13からの熱エネルギーと押
圧ローラ20からの圧力とで加熱溶融され、記録材18
と共に定着ベルト11と密着した状態でニップ部Nを通
過し、その後定着ベルト11から自然分離して十分冷却
固化された定着画像Taとなり不示図のローラにより排
紙される。
【0015】記録材18が定着ベルト11から分離する
ときには、定着画像Taはそのトナーのガラス転移点以
下になるために、定着ベルト11と定着画像Taとの間
の力は殆どなくなりオフセットは発生しない。さらに、
未定着画像Tbをニップ部Nのみで短時間に加熱溶融す
るので消費エネルギーは低く抑えられる。そして、定着
ベルト11の内周にはPTFEの固体潤滑剤層11cを
被覆したので、発熱体13表面のセラミックスとの摺動
による定着ベルト11の摩耗を抑えることができ、障害
がなく、高品質の定着画像を得ることができた。
【0016】つぎに、図4を参照して本実施例の定着装
置を用いた画像形成装置の例について説明する。図4は
画像形成装置の基本構成図である。画像形成装置の基本
構成は、感光体30、帯電器31、露光器32、現像器
33、転写帯電器35、ベルト定着器39、記録材カセ
ット37およびクリーナ40から構成され、そのほかに
各種ローラが記録材搬送路34上に配置されている。以
下、装置の記録プロセスについて簡単に説明する。画像
形成スタート信号により感光体30は所定の周速度で回
転駆動される。そして暗所において帯電器31で感光体
30の表面を均一に帯電する。つぎに、露光器32で記
録画像に応じた所に光を当て、静電潜像を形成する。現
像器33では、帯電したトナーTeを感光体30の表面
の潜像に静電的に付着させ可視像にする。
【0017】一方、記録材カセット37に蓄えられた記
録材18は、画像形成スタート信号により所定のタイミ
ングで記録材分離ローラ36によって分離され、記録材
搬送路34を通り感光体30の近傍に搬送される。搬送
された記録材18は感光体30の表面に形成されたトナ
ー像Ttに重なり、記録材の裏側から転写帯電器35で
トナーTtの帯電極性と逆極性の電荷を与えられ、静電
気力によりトナー像Ttが記録材18に転写される。転
写されたトナー像Ttは、ベルト定着器39で熱と圧力
を加え、用紙に融着させ永久画像とし、排紙ローラ38
により画像形成装置の外に排出される。転写されずに感
光体30に残った残留トナーTnはクリーナ40で除去
される。以上、説明した帯電からクリーニングに至るま
での一連の動作を繰り返すことにより連続的に画像を形
成する。
【0018】つぎに、本発明の第2の実施例について説
明する。図5は、本発明の第2の実施例を示す定着装置
のニップ部Nの断面拡大図である。前述した第1の実施
例に用いた発熱体13の構成に加え、発熱部15の定着
ベルト11と摺動する側の表面に、平均表面粗さ1μm
以下で表面が200kg/mm2 以上のビッカース硬度
を有する耐熱材料、例えば石英ガラスからなる保護層4
1を被覆している。この保護層41の厚さは、発熱体1
3からの熱を短時間に定着ベルトに供給できるように極
力薄くする必要があり、5μm以下が好ましい。また、
保護層41で被覆する面は発熱部15の放熱面とホルダ
14の表面の両面であってもよい。このように、発熱体
表面に上記条件の保護層を被覆することにより、発熱体
13と定着ベルト11の固体潤滑剤21cとの摺動性
が、第1の実施例に比べてさらに滑らかになり、定着ベ
ルト11の摩耗をより抑えることができる。
【0019】つぎに、本発明の第3の実施例について図
6を用い説明する。本実施例の定着装置の構成は、前述
した第1の実施例の構成に加え、定着ベルト11の内周
上で、ニップ部Nの定着ベルト11の回転方向(矢印
a)の下流側と駆動ローラ10との間に、発熱体13と
定着ベルト11が摺動して発生する微量の摩耗粉を除去
する摩耗粉除去部材42を配置したものである。摩耗粉
除去部材42は、例えば軟らかい繊維からなるフエルト
を用いる。そして、少なくとも定着ベルト11と発熱体
13とが摺動する長さ(長手方向)があればよい。ま
た、摩耗粉除去部材42は、不示図のばねにより所定の
荷重で定着ベルト11に圧接され、その値は10g/c
m以下で、駆動負荷を増加させるようなことはない。さ
らに摩耗粉除去部材42の長手方向の荷重分布に差が生
じても摩耗粉除去部材42と定着ベルト11とが接触し
ていればよく、除去性能には殆ど影響しない。また、発
熱体13は、発熱部15の表面に平均表面粗さが1μm
以下で、表面硬度が200kg/mm2 以上の部材の保
護層を被覆したものを用いてもよい。
【0020】以上のように定着ベルト11の内周に摩耗
粉除去部材42を設けることにより、摩耗粉が駆動ロー
ラ10に付着し、駆動ローラ10と定着ベルト11との
間で滑りを生じ、所定の周速度を維持できなくなること
を防ぐことができる。よって、定着画像の乱れ、シワの
発生、ジャム等の障害を防止されるとともに、定着ベル
ト11内に異物が混入した場合でも摩耗粉除去部材42
により除去でき、定着ベルト11の破損をなくすことが
できる。
【0021】つぎに、図7に本発明の転写定着装置を適
用した画像形成装置の実施例の側面図を示す。画像形成
装置の基本構成は、感光体130、帯電器131、露光
器132、現像器133、像担持体ベルト111、発熱
体113、冷却部材151、及びクリーナ140から構
成され、各種ローラが像担持体ベルトに接触して配置さ
れている。以下、転写部、定着部の構成について詳細に
説明する。薄肉無端で耐熱性且つ誘電性の像担持体ベル
ト111は、感光体130に対向して配置された転写ロ
ーラ150と、転写ローラ150の下方に間隔を隔てて
配置された像担持体ベルト111を駆動するための駆動
ローラ110と、像担持体ベルト111に張力を与える
ために軸116bの両端がバネ117a、117bで支
持されている金属ローラ116とに掛け渡されている。
【0022】転写ローラ150は像担持体ベルト111
を感光体130に押圧している。駆動ローラ110と金
属ローラ116の間には、発熱体113が発熱部115
を像担持体ベルト111の内周面に接触するように配置
され、発熱体113と像担持体ベルト111が安定して
接触するように、高剛性を有する発熱体支持部材112
により不示図の装置筐体に固定されている。この発熱体
113の発熱部115側に像担持体ベルト111を挟ん
で発熱体113を押圧する押圧ローラ120が配置され
ている。また、駆動ローラ110と転写ローラ150と
の間で、像担持体ベルト111の内部には像担持体ベル
ト111を冷却するための冷却部材151が配置されて
いる。冷却部材151は例えば冷却ファンで風向を像担
持体ベルトに面する側にしてある。転写ローラ150は
例えばステンレスからなる芯金150bの表面に、例え
ばウレタンゴムの弾性層150aを被覆して弾性を持た
せ、感光体130と像担持体ベルト111との接触状態
を安定にしている。以下、駆動ローラ110は弾性層1
10a及び芯金110b、金属ローラ116はローラ部
116a及びローラ軸116b、発熱体113はホルダ
114及び発熱部115、押圧ローラ120は弾性層1
20a及び芯金120bからなり、これら及び像担持体
ベルト111は、例えば本発明の第1の実施例で記述し
た定着装置の仕様のものを用いてよい。
【0023】つぎに、本実施例の動作について説明す
る。画像形成スタート信号により感光体130は所定の
周速度で回転駆動される。そして暗所において帯電器1
31で感光体130の表面を均一に帯電する。つぎに、
露光器132で記録画像に応じた所に光を当て、静電潜
像を形成する。現像器133では、帯電したトナーTe
を感光体130の表面の潜像に静電的に付着させ可視像
にする。感光体130に形成されたトナー像Ttは、感
光体130が矢印c方向に回動することにより、像担持
体ベルト111が接触している位置まで移動する。そし
て、転写ローラ150からの圧力により、トナー像Tt
は像担持体ベルトへ移行(以下、転写と称す)される。
このとき、転写ローラ150に不示図の高圧電源によ
り、トナー像Ttの帯電極性と逆極性の電荷を与える
と、圧力のみでトナー像Ttを転写させるよりも多くの
トナー像Ttを転写させることができる。ここで、像担
持体ベルト111に転写されずに感光体130に残った
残留トナーTnはクリーナ140で除去される。トナー
像Tbを担持したベルト111は、駆動ローラ110の
回転により感光体130の周速度と同速度で矢印d方向
に回動しニップ部Nまで移動される。
【0024】一方、発熱体113は、画像形成スタート
信号により所定のタイミングで通電加熱され所定の温度
になっている。上記動作に対して所定のタイミングによ
り、ガイド119に沿って搬送されてきた記録材118
は、ベルト速度と同じ速度でニップ部Nに侵入する。こ
のニップ部Nで、像担持体ベルト111上の未定着画像
Tbは、発熱体113からの熱エネルギーと押圧ローラ
120からの圧力とで加熱溶融され、記録材118と共
に像担持体ベルト111と密着した状態でニップ部Nを
通過する。そして、未定着画像Tbは、表面が離型剤層
からなる像担持体ベルト111から記録材118へ転写
定着される。その後、記録材118と共に像担持体ベル
ト111から自然分離して十分冷却固化された定着画像
Taとなり、不示図のローラにより排紙される。ニップ
部Nで加熱された像担持体ベルト111は冷却部材15
1により冷却される。よって、再び感光体130と接触
した場合でも、感光体130の温度上昇を抑え、熱によ
る感光体130の帯電特性劣化、及び現像器133内の
トナーの軟化を防止する。以上説明した帯電から定着ま
での一連の動作を繰り返すことにより連続的に定着画像
が得られる。
【0025】本実施例によれば、未定着画像Tbをニッ
プ部Nのみで短時間に加熱溶融するので消費エネルギー
は低く抑えられる。また、感光体130上のトナー像T
tを像担持体ベルト111へ転写してから記録材118
への転写及び定着を同時に行なうことにより、高温多
湿、低温低湿等の環境においても記録材の特性変化によ
らず高品位な画像が得られる。さらに、像担持体ベルト
111の内周には固体潤滑剤層を被覆したので、発熱体
113との摺動による像担持体ベルト111の摩耗は殆
どなく、長時間にわたり障害がなく高品質の定着画像を
得ることができる。そして、本発明の第2及び第3実施
例に記述したように、発熱体の表面に保護層を設けた
り、または、ベルト摩耗粉の除去部材の設置を本実施例
に適用すると、さらにベルト摩耗防止の効果は大きくな
る。
【0026】図8に、発熱体と定着ベルトとの間に記録
用紙を通したときの摺動特性を示す。本特性は、用紙通
紙枚数(用紙サイズA4、縦送り)に対するベルトの摩
耗率を摺動部材対の種類別に示す。Aは、表面平均粗さ
が約0.02μm の石英ガラスと総厚約60μmのPT
FEを被覆したNiベルトを摺動させた結果である。B
は、表面平均粗さが約1μmのセラミックスと総厚約6
0μmのPTFEを被覆したNiベルト、Cは、セラミ
ックス(Bと同じ)と厚さ約40μmのNiベルトを摺
動させた結果である。押圧力は200g/cm2で行な
った。
【0027】図から、Cの場合は約15000枚通紙相
当摺動させるとベルトが約15%摩耗していて、さらに
摩耗する傾向にある。これに対してA、Bの場合はCと
同じ15000枚通紙でみるとベルトはそれぞれ0.2
%、1.1%程度の摩耗に抑えられている。そして、1
0万枚相当摺動しても急激に摩耗することはない。よっ
て定着ベルトの内周面にPTFE等の固体潤滑剤層を被
覆することにより、ベルトの摩耗を大幅に抑えられるこ
とが確認できた。さらに発熱体表面は、放熱板に用いた
セラミックスだけよりも、石英ガラス等の保護層を被覆
したほうがベルトの摩耗にはより効果的である。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ベルト加
熱方式の定着装置及び転写定着装置において、ベルトと
発熱体間の摺動部の平滑性をよくし、ベルトの摩耗を殆
どなくすことができる。よって、障害のない、長期にわ
たって高画質で高寿命の定着装置及び転写定着装置を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定着装置の第1の実施例を示す側面図
である。
【図2】本発明における定着ベルトの層構成断面模型図
である。
【図3】本発明における発熱体の分解斜視図である。
【図4】本発明の定着装置を用いた画像形成装置の実施
例の側面図である。
【図5】本発明の定着装置の第2の実施例のニップ部を
示す断面拡大図である。
【図6】本発明の定着装置の第3の実施例を示す側面図
である。
【図7】本発明の転写定着装置を用いた画像形成装置の
実施例の側面図である。
【図8】ベルト式定着装置の摺動特性図である。
【符号の説明】
10 駆動ローラ 10a 弾性層 10b 芯金 11 定着ベルト 11a 離型剤層 11b 基材層 11c 固体潤滑剤層 12 発熱体支持部材 13 発熱体 14 ホルダ 15 発熱部 16 金属ローラ 16a ローラ部 16b ローラ軸 17a、17b バネ 18 記録材 19 ガイド 20 押圧ローラ 20a 弾性層 20b 芯金 21 放熱板 22 全面電極 23 PTC発熱体 24a、24b 分割電極 25a、25b 電線 30 感光体 31 帯電器 32 露光器 33 現像器 34 記録材搬送路 35 転写帯電器 36 記録材分離ローラ 37 記録材カセット 38 排紙ローラ 39 ベルト定着器 40 クリーナ 41 保護層 42 摩耗粉除去部材 110 駆動ローラ 110a 弾性層 110b 芯金 111 像担持体ベルト 112 発熱体支持部材 113 発熱体 114 ホルダ 115 発熱部 116 金属ローラ 116a ローラ部 116b ローラ軸 117a、117b バネ 118 記録材 119 ガイド 120 押圧ローラ 120a 弾性層 120b 芯金 130 感光体 131 帯電器 132 露光器 133 現像器 140 クリーナ 150 転写ローラ 150a 弾性層 150b 芯金 151 冷却部材 N ニップ部 Ta 定着画像 Tb 未定着画像 Te トナー Tn 残留トナー Tt トナー像 D 凹部
フロントページの続き (72)発明者 大塚 英史 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端ベルトの内周面に発熱体を接触さ
    せ、前記ベルトを前記発熱体に押圧する加圧部材を配置
    し、前記ベルトと前記加圧部材との間の加熱加圧部に記
    録材を搬送してトナー像を定着する定着装置において、
    前記ベルトは、前記発熱体との摺動面に固体潤滑剤層が
    被覆されていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 無端ベルトの内周面に発熱体を接触さ
    せ、前記ベルトを前記発熱体に押圧する加圧部材を配置
    し、前記ベルトと前記加圧部材との間の加熱加圧部に記
    録材を搬送してトナー像を定着する定着装置において、
    前記ベルトは、前記発熱体との摺動面に固体潤滑剤層が
    被覆され、かつ、前記発熱体と前記ベルトとの間には、
    前記ベルトとの摺動面が、平均表面粗さが1μm以下で
    表面が200kg/mm2 以上のビッカース硬度を有す
    る耐熱材料を介在させたことを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 前記ベルトは金属である請求項1又は2
    に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記ベルトの内周上で前記加熱加圧部の
    下流側に、摩耗粉除去部材を具備している請求項1又は
    2に記載の定着装置。
  5. 【請求項5】 前記固体潤滑剤層は、フッ素樹脂を主成
    分とする潤滑剤により形成されている請求項1又は2に
    記載の定着装置。
  6. 【請求項6】 トナー像を表面に付着する感光体と、前
    記感光体に接触して前記トナー像を外周面に転写される
    無端ベルトと、前記ベルトの内周面に発熱部を接触させ
    た発熱体と、前記発熱体に前記ベルトを押圧して加熱加
    圧部を形成する加圧部材とからなり、前記加圧部材と前
    記ベルトとの間の前記加熱加圧部へ搬送された記録材
    に、前記ベルト上のトナー像を定着する転写定着装置に
    おいて、前記ベルトは、少なくとも前記発熱体と摺動す
    る内周面に固体潤滑剤層が被覆されていることを特徴と
    する転写定着装置。
  7. 【請求項7】 トナー像を表面に付着する感光体と、前
    記感光体に接触して前記トナー像を外周面に転写される
    無端ベルトと、前記ベルトの内周面に発熱部を接触させ
    た発熱体と、前記発熱体に前記ベルトを押圧して加熱加
    圧部を形成する加圧部材とからなり、前記加圧部材と前
    記ベルトとの間の前記加熱加圧部へ搬送された記録材
    に、前記ベルト上のトナー像を定着する転写定着装置に
    おいて、前記ベルトは、少なくとも前記発熱体と摺動す
    る内周面に固体潤滑剤層が被覆され、かつ、前記発熱体
    と前記ベルトとの間に、前記ベルトとの摺動面が、平均
    表面粗さが1μm以下で表面が200kg/mm2 以上
    のビッカース硬度を有する耐熱材料を介在させたことを
    特徴とする転写定着装置。
  8. 【請求項8】 前記ベルトは金属である請求項6又は7
    に記載の転写定着装置。
  9. 【請求項9】 前記ベルトの内周上で前記加熱加圧部の
    下流側に、摩耗粉除去部材を具備している請求項6又は
    7に記載の転写定着装置。
  10. 【請求項10】 前記固体潤滑剤層は、フッ素樹脂を主
    成分とする潤滑剤により形成されている請求項6又は7
    に記載の転写定着装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7151907B2 (en) 2003-07-30 2006-12-19 Ricoh Company Limited Fixing device, image forming apparatus using the same and process cartridge
JP2009145575A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Canon Inc ヒータ及び像加熱装置
JP2013076868A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Canon Inc ベルト部材、像加熱装置、及び画像形成装置
JP2013134422A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Canon Inc 画像加熱装置
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