JP2002323819A - 加熱定着装置 - Google Patents

加熱定着装置

Info

Publication number
JP2002323819A
JP2002323819A JP2001125960A JP2001125960A JP2002323819A JP 2002323819 A JP2002323819 A JP 2002323819A JP 2001125960 A JP2001125960 A JP 2001125960A JP 2001125960 A JP2001125960 A JP 2001125960A JP 2002323819 A JP2002323819 A JP 2002323819A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant
film
heating element
impregnated
fixing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001125960A
Other languages
English (en)
Inventor
Akito Kanamori
昭人 金森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001125960A priority Critical patent/JP2002323819A/ja
Publication of JP2002323819A publication Critical patent/JP2002323819A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オンデマンド定着器において、使用開始直後
から長期にわたり、記録材上の未定着画像を乱すことな
く安定した定着画像を得るとともに、定着器の寿命を延
ばすこと。 【解決手段】 ヒータと接触する側の定着フィルム面
に、潤滑材を供給及び回収するための潤滑材供給手段及
び回収手段を設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真式プリン
ター、複写機、及び、静電記録装置等の画像形成装置に
用いられる、記録材上にトナー等を定着させる加熱定着
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、プリンタ
ー等の多くは、定着手段として熱効率、安全性の良好な
接触加熱型の熱ローラ定着方式や、省エネルギータイプ
のフィルム加熱方式を採用している。
【0003】熱ローラ定着方式の加熱定着装置は、加熱
用回転体としての加熱ローラ(定着ローラ)と、該加熱
ローラに圧接させた加圧用回転体としての弾性加圧ロー
ラを基本構成とし、この一対のローラを回転させて該両
ローラ対の圧接ニップ部(定着ニップ部)に未定着画像
(トナー画像)を形成担持させた被加熱材としての被記
録材(転写材シート・静電記録紙・エレクトロファック
ス紙・印字用紙等)を導入して定着ニップ部を挟持搬送
通過させることで、加熱ローラからの熱と定着ニップ部
の加圧力にて未定着画像を被記録材面に永久固着画像と
して熱圧定着させるものである。
【0004】また、フィルム加熱方式の定着装置は例え
ば特開昭63−313182号公報、特開平2−157
878、4−44075〜44083、4−20498
0〜204984号公報等に提案されており、加熱体
(ヒータ)に加熱用回転体である耐熱性フィルム(定着
フィルム)を加圧用回転体(加圧ローラ)で密着させて
摺動搬送させ、該定着フィルムを挟んでヒータと加圧部
材とで形成される定着ニップ部に未定着画像を担持した
転写材を導入して定着フィルムと一緒に搬送させて、定
着フィルムを介して付与されるヒータからの熱と定着ニ
ップ部の加圧力によって末定着画像を転写材上に永久画
像として定着させる装置である。
【0005】フィルム加熱方式の定着装置は、ヒータと
して低熱容量線状加熱体を、定着フィルムとして薄膜の
低熱容量のものを用いることが出来るため、省電力化・
ウエイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能で
ある。
【0006】また、この種の定着方式においては、定着
フィルムの駆動方式に定着フィルム内周面に駆動ローラ
ーを設け、定着フィルムにテンションを加えながら駆動
する方式、そして定着フィルムの周長の少なくとも一部
は常にテンションフリー(テンションが加わらない状
態)とし、加圧ローラを駆動することで、フィルムを加
圧ローラに対し従動回転させる方式(以下、テンション
レス系のフィルム加熱方式の定着装置と記す)が知られ
ているが、近年では装置を簡略化でき、かつ部品点数も
少ない後者のテンションレス系のフィルム加熱方式(図
7)が採用されることが多い。
【0007】しかしテンションレス系のフィルム加熱方
式の定着装置は、定着性及びオフセット対策として、定
着フィルムを挟んでヒータと加圧ローラとの圧接で形成
する定着ニップ部はある程度以上の力で加圧しているう
え、高温になっている。そのため定着フィルムとヒータ
間の摺動トルクが高くなり、未定着画像を担持した記録
材と定着フィルムの間の摩擦抵抗力より大きくなると定
着フィルムと記録材との間でスリップが発生し、未定着
画像を乱すという問題があった。そこで従来から、定着
フィルムと圧接する側のヒータ表面に潤滑剤(耐熱性グ
リス)を塗布し、定着フィルムとヒータ間の摺動トルク
を低く安定化させることで、定着フィルムと記録材間の
スリップを防止してきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高耐久
性が要求される耐熱性グリスは初期粘性が高く、定着フ
ィルムと圧接する側のヒータ表面への耐熱性グリス塗布
のみの対応では、耐熱性グリスを定着フィルムとヒータ
間の摺動部全体に均一に行き渡らせるのに時間がかかる
ため、使用開始初期状態における定着フィルムと記録材
間のスリップが発生しやすい傾向にあった。
【0009】また使用開始初期状態で耐熱グリスを摺動
部全体に行き渡らせるべく、耐熱グリスを必要量以上塗
布してしまうと、ヒータ面からの距離が離れた熱の届き
にくい箇所にも多量の耐熱性グリスが存在するため、耐
熱性グリスの粘性が低下しにくく、むしろ摺動トルクが
高くなり、上記初期スリップが発生しやすい傾向であっ
た。
【0010】さらに耐久された耐熱性グリスは、耐熱性
グリス内のオイル成分の蒸発による減少で粘性が非常に
高くなるため、耐久グリスの存在は摺動トルク上昇要因
の一つとなり、耐久時における定着フィルムと記録材間
のスリップの発生、すなわち定着装置の寿命に影響する
問題であった。
【0011】そこで本発明は、このような従来の課題を
解決するものであり、定着フィルムとヒータ間の摺動ト
ルクを使用開始直後から経時にわたって低く安定化さ
せ、耐久性の高いテンションレス系のフィルム加熱方式
の定着装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、加熱体表面にフィルムを圧接し、かつ該
フィルムを加熱体表面に対し摺動させながら回転駆動を
加える加圧部材を有するとともに、加熱体と加圧部材と
の圧接ニップ部におけるフィルムと加圧部材との間に、
未定着画像が形成された記録材を導入し、フィルムと一
緒に該圧接ニップ部を通過させることで、上記未定着画
像を記録材上に永久画像として定着させる加熱定着装置
において、潤滑剤を含浸しうる吸収体を、加熱体と接触
する側のフィルム面に摺擦するよう複数個設置するとと
もに、少なくとも一ヶ所の吸収体は潤滑剤を含浸してい
ることを特徴とするものである。
【0013】また本発明は、加熱体表面にフィルムを圧
接し、かつ該フィルムを加熱体表面に対し摺動させなが
ら回転駆動を加える加圧部材を有するとともに、加熱体
と加圧部材との圧接ニップ部におけるフィルムと加圧部
材との間に、未定着画像が形成された記録材を導入し、
フィルムと一緒に該圧接ニップ部を通過させることで、
上記未定着画像を記録材上に永久画像として定着させる
加熱定着装置において、潤滑剤を含浸している吸収体
を、加熱体と接触する側のフィルム面に摺擦するよう少
なくとも一ヶ所設置し、かつフィルムと圧接する側の加
熱体表面に、あらかじめ潤滑剤を塗布しているととも
に、あらかじめ塗布されている潤滑剤は、吸収体に含浸
されている潤滑剤よりも粘性が低いことを特徴とするも
のである。
【0014】さらに本発明は、加熱体表面にフィルムを
圧接し、かつ該フィルムを加熱体表面に対し摺動させな
がら回転駆動を加える加圧部材を有するとともに、加熱
体と加圧部材との圧接ニップ部におけるフィルムと加圧
部材との間に、未定着画像が形成された記録材を導入
し、フィルムと一緒に該圧接ニップ部を通過させること
で、上記未定着画像を記録材上に永久画像として定着さ
せる加熱定着装置において、潤滑剤を含浸している吸収
体を、加熱体と接触する側のフィルム面に摺擦するよう
少なくとも一ヶ所設置するとともに、加熱体と接触する
側のフィルム面へ軽く当接する潤滑剤の掻き取り部材
と、掻き取られた該潤滑剤を収納する容器を有すること
を特徴とするものである。
【0015】すなわち、ヒータと接触する側の定着フィ
ルム面に、潤滑剤を含浸している吸収体(潤滑剤供給手
段)と潤滑剤を含浸していない吸収体(潤滑剤回収手
段)を設置することにより、定着ニップ部における定着
フィルムとヒータ間の摺動部に、常に劣化していない潤
滑剤の供給が可能となり、使用開始初期から経時にわた
って摺動トルクを低く安定化でき、定着フィルムと記録
材間のスリップを防止できるため、記録材上の未定着画
像を乱すことなく安定した定着画像を得ることができる
とともに、定着装置としての耐久性も向上できる。
【0016】またヒータと、ヒータと接触する側の定着
フィルム面との間に、あらかじめ粘性の低い潤滑剤を介
在させることで、使用開始直後においても定着フィルム
とヒータ間の摺動部全体に均一に行き渡らせることが可
能となり、初期の定着フィルムと記録材間のスリップも
防止できる。なお粘性の低い潤滑剤は耐久性に乏しいた
め、経時的には粘性の高い高耐久性の潤滑剤を潤滑剤を
含浸している吸収体(潤滑剤供給手段)にて供給するこ
とでスリップは防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施例の説明
として、まず実施例1について説明し、次に実施例2に
ついて夫々説明する。
【0018】(第1の実施例) (電子写真画像形成装置)図1は本発明の加熱定着装置
3を有する電子写真画像形成装置1の断面図である。
【0019】図1において、像担持体たる感光ドラム1
1は、OPC、アモルファスシリコン等の感光材料をア
ルミニウムやニッケル等のシリンダ状の基板上に形成し
て構成されている。
【0020】まず初めに、感光ドラム11の表面は帯電
装置としての帯電ローラ12によって一様に帯電され
る。次に、露光手段であるレーザービーム13を画像情
報に応じてON/OFF制御し走査露光がなされ、感光
ドラム11上に静電潜像が形成される。この静電潜像は
現像装置14で現像され可視化される。現像方法として
は、ジャンピング現像法、2成分現像法等が用いられ、
イメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられるこ
とが多い。
【0021】被記録材Pはカセット21から給紙ローラ
22によって取り出され、レジストローラ23に送られ
る。被記録材サイズは不図示のレジストセンサで行なっ
ても良い。被記録材Pはレジストローラ23によって、
感光ドラム11表面に形成されたトナー像と同期を取
り、感光ドラム11と転写ローラ15とで形成される転
写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光
ドラム11上のトナー像は不図示の電源による転写バイ
アスの作用で被記録材Pに転写される。
【0022】トナー像を保持した被記録材Pは定着装置
3へ搬送され、定着装置3のニップ部で加熱・加圧され
てトナー像が被記録材P上に定着され永久画像となり機
外へ排出される。一方、転写後に感光ドラム11上に残
留する転写残留トナーは、クリーニング装置16により
感光ドラム11表面より除去される。
【0023】(加熱定着装置)図2に本発明の加熱定着
装置の一例として、テンションレス系のフィルム加熱方
式の定着装置3の断面図を示す。 定着フィルム 図2において、エンドレスベルト状の耐熱フィルム(定
着フィルム)31は、半円弧状のフィルムガイド部材
(ステイ)32に対して周長に余裕を持たせた形(テン
ションが加わらない状態)で外嵌している。定着フィル
ム31は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上
させるために、膜厚を総厚100μm以下、好ましくは
70μm以下30μm以上とした、耐熱性・離型吐・強
度・耐久性等のあるPTFE、PEA、PPS等の単層
フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、P
EEK、PES等のフィルム表面にPTFE、PEA、
FEP等を離型層としてコーティングした複合層フィル
ムである。 ヒータ ヒータ33は、セラミック基板上に発熱ペーストを印刷
した発熱体、発熱体の保護と絶縁性を確保するためのガ
ラスコーティング層を順次形成したものであり、ヒータ
33上の発熱体へ電力制御されたAC電流を流すことに
より発熱される。セラミック基板の材質としてはチッ化
アルミニウムや酸化アルミニウム等を使用している。セ
ラミック基板の裏にはサーミスタ34を当接させてあ
る。 加圧ローラ 加圧部材としての加圧ローラ35は、芯金上にシリコー
ンゴム等の耐熱性ゴムを成形した弾性層、あるいはシリ
コーンゴムを発泡して成るスポンジ弾性層を構成した回
転体で、上記弾性体上にはPEA、PTFE、FEP等
のフッ素樹脂から成る耐熱離型層を形成しても良い。加
圧ローラ35は不図示のバネにより加熱部材(フィルム
31及びヒータ33)に圧接され、不図示の駆動系によ
り回転駆動し、被記録材Pと定着フィルム31は上記加
圧ローラ35によって従動回転して搬送される構成とな
っている。未定着のトナー像Tを担持した記録材は、定
着装置3の加熱部材(フィルム31及びヒータ33)と
加圧ローラ35により形成された圧接ニップ(定着ニッ
プ)部N内で加熱・加圧され、被記録材P上にトナー像
は定着し、定着後の被記録材Pは機外へ排出される。
【0024】なお加圧部材の形態としては、本実施例に
おける加圧ローラ以外に、回動ベルト等の形態でも構わ
ない。 潤滑材 定着ニップ部Nのヒータ33の下表面、すなわちヒータ
33のガラスコーティング層と、定着フィルム31の裏
面(内周面)、すなわち記録材Pのトナー像Tと接する
側とは反対側の面との間に潤滑剤Gを介在させて、定着
ニップ部N内における定着フィルム31とヒータ33間
の摺動トルクを低く安定化し、定着フィルム31と記録
材P間のスリップを防止している。なお潤滑剤Gとして
は、フッ素系グリス(例えば、HP−300 GREA
SE(ダウコーニング社)や、DEMNUM GREA
SE L−65(ダイキン工業社)等)やシリコンオイ
ル(例えば、シリコンオイルK F96H 10000
cs(信越化学社))等の耐熱品を使用している。 潤滑材供給・回収手段 耐久経時における、例えばオイル成分の蒸発による粘度
増大等の潤滑剤Gの劣化による定着フィルム31とヒー
タ33間の摺動トルク上昇を防止すべく、潤滑剤を含浸
しうる吸収体を複数個、定着ニップ部Nを挟み、記録材
の搬送方向に向かって、上流側に潤滑剤を含浸している
該吸収体(潤滑剤供給手段)4、下流側に潤滑剤を含浸
していない該吸収体(潤滑剤回収手段)5を各々少なく
とも一ヶ所設置している。
【0025】この構成を採用することにより、定着フィ
ルム31の回転駆動に伴ない、上記潤滑剤供給手段4か
ら該定着フィルム31の裏面(内周面)に潤滑剤Gが塗
布され、該潤滑剤Gが定着ニップ部Nのヒータ33の下
表面、すなわちヒータ33のガラスコーティング層と、
定着フィルム31の内周面との間に運ばれる。そして、
定着ニップ部Nを通り過ぎた定着フィルム31内周面の
潤滑剤Gは、上記潤滑剤回収手段5にて回収される。
【0026】すなわち、定着ニップ部Nにおける定着フ
ィルム31とヒータ33間の摺動部には、常に劣化して
いない潤滑剤Gを安定に供給することが可能なため、使
用開始初期から経時にわたって定着フィルム31とヒー
タ33間の摺動トルクを低く安定化でき、定着フィルム
31と記録材P間のスリップを防止できる。
【0027】潤滑剤供給手段4としては、上記潤滑剤G
を含浸させた、定着フィルム31の幅と略同じ長さか、
それよりも短いサイズの供給吸収体41を供給側ホルダ
ー42に入れて、定着フィルム31の内周面に対して軽
く摺擦させて潤滑剤Gを塗付させる方法が一例として挙
げられる。同様に潤滑剤回収手段5は、定着フィルム3
1の幅と略同じ長さの回収吸収体51を回収側ホルダー
52に入れて、定着フィルム31の内周面に対して軽く
摺擦させて潤滑剤Gを回収させる方法が一例として挙げ
られる。もちろん装置の簡略化のため、上記供給吸収体
41と上記回収吸収体51を同一のホルダーに入れて固
定しても構わない。
【0028】上記供給・回収吸収体41、51は、従来
熱ローラ方式の定着ローラ等に用いられてきた、耐熱性
アラミド繊維(例えば、デュポン社製ノーメックス)等
と同等のものでも構わないが、熱ローラ方式に比べ吸収
体を当接させる部分の温度が低いため、耐熱性の低く安
価なナイロン、ポリエステル等の材料を用いることもで
きる。なお回収吸収体51は、回収した潤滑剤Gの定着
フィルム31の内周面への戻りを防止するため、吸収体
内での潤滑剤Gの拡散速度を供給吸収体41に比べ速く
することが好ましい。
【0029】上記供給吸収体41の代わりに、図3に示
すように潤滑剤Gを紙やフェルト等に含浸させた潤滑剤
染み出しローラ43を用い、これを定着フィルム31全
体にテンションのかからないよう定着フィルム31内周
面に接触させても、同様の効果を得ることができる。こ
の場合、染み出しローラ43と定着フィルム31は同期
回転するため、より多くの駆動力が定着フィルム31に
与えられ、定着フィルム31と記録材P間のスリップに
対し多くのマージンが持てる。
【0030】また上記供給吸収体41を固定する供給側
ホルダー42内に、図4に示すような潤滑剤Gを蓄え供
給吸収体41へ供給するタンク機能を付加することで、
耐久性向上等の必要に応じて潤滑剤供給量を調整可能と
なる。
【0031】さらに潤滑剤回収手段5として、図4に示
すように定着フィルム31の内周面へ軽く当接させたブ
レード状の掻き取り部材53と、該掻き取り部材53で
定着フィルム31の内周面から掻き取られた潤滑剤Gの
回収容器54とを備えた構成とすることで、より確実に
劣化した潤滑剤Gを回収できるとともに、潤滑剤の回収
可能量を増量できる。 従来例との比較実験 本実施例における上記装置を用いた場合と、従来例(図
7)のように潤滑剤Gをあらかじめヒータ表面に塗付
し、供給・回収手段が無い場合とについて通紙耐久試験
を行ない、定着フィルム31と記録材Pとがスリップす
るかどうかを調べた。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】従来例では耐久20万枚からスリップが発
生したが、本実施例では30万枚でもスリップは発生し
ない。もちろん本実施例の場合は、潤滑剤供給手段に含
有される潤滑剤量、及び定着フィルム内周面への供給速
度の調整により、潤滑剤に起因する寿命は任意に設定で
きることは言うまでもない。
【0034】このように、ヒータ33のガラスコーティ
ング層と定着フィルム31との間には、定着フィルム3
1の回転駆動に伴ない供給吸収体41から潤滑剤Gが回
り込んで補給されるため、潤滑剤G切れによる定着フィ
ルム31とヒータ33間の摺動トルクの上昇を防止でき
る。さらに、定着ニップ部Nを通り過ぎた潤滑剤Gは回
収吸収体51にて回収されるため、常に新しい潤滑剤G
を定着ニップ部Nに供給することができるとともに、定
着ニップN部以外への潤滑剤Gの汚染も防止できる。す
なわち、使用開始初期から経時にわたり、定着フィルム
31とヒータ33間の摺動トルクを低く安定化させて、
定着フィルム31と記録材P間のスリップを防止してい
るため、記録材P上の未定着画像Tを乱すことなく安定
した定着画像を得ることができるとともに、定着装置全
体の寿命を延ばすことが可能となる。
【0035】(第2の実施例)次に実施例2として、潤
滑剤供給方式の他例を図5に示す。なお、前述した実施
例1と同一機能を有する部分は同一符号を説明を使用す
る。
【0036】本実施例は、ヒータ33と、ヒータ33と
接触する側の定着フィルム31面との間に、あらかじめ
粘性の低い潤滑剤G1、例えばシリコンオイル(一例と
して、シリコンオイルKF96H10000cs(信越
化学社)等)やパーフルオロエーテルオイル(一例とし
て、DEMUNUMOIL S−200(ダイキンエ業
社製)等)を介在させておくとともに、実施例1で述べ
た潤滑剤供給手段4にて、あらかじめ介在している潤滑
剤G1より粘性の高い潤滑剤G2、例えばフッ素系グリ
ス(一例として、HP−300 GREASE(ダウコ
ーニング社))を定着フィルム31の内周面に供給する
構成を有する。
【0037】この構成の採用により、あらかじめ介在し
ている粘性の低い潤滑剤G1は、画像形成装置1の起動
時に通常行われる定着装置の前多回転のみで、定着フィ
ルム31とヒータ33間の摺動部全体に均一に行き渡る
ことが可能なため、使用開始直後から定着フィルム31
とヒータ33間の摺動トルクを低く安定化でき、定着フ
ィルム31と記録材P間のスリップを防止できる。しか
し粘性の低い潤滑剤G1は、蒸発や定着ニップN部以外
へ染み出しやすいといった弊害があり、耐久性が問題と
なる。
【0038】そこで経時的には、より粘性の高い高耐久
性の潤滑剤G2を上記潤滑剤供給手段4にて定着フィル
ム31の内周面へ塗付し、定着ニップN部の潤滑剤を初
期の粘性の低い潤滑剤G1から粘性の高い潤滑剤G2へ
置き換えていくことで、定着フィルム31とヒータ33
間の摺動トルクを長期にわたり低く安定化でき、定着フ
ィルム31と記録材P間のスリップを防止できる。
【0039】本実施例における上記装置を用いた場合
と、従来例(図7)のように耐久性を保つために粘性の
高い潤滑剤をあらかじめヒータ表面に塗付した場合とに
ついて通紙耐久試験を行ない、定着フィルム31と記録
材Pとがスリップするかどうかを調べた。その結果を表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】従来例では使用開始10枚までと20万枚
からスリップが発生したが、本実施例では使用開始1枚
から30万枚まででスリップは発生しない。もちろん本
実施例の場合は、潤滑剤供給手段に含有される潤滑剤
量、及び定着フィルム内周面への供給速度の調整によ
り、潤滑剤に起因する寿命は任意に設定できることは言
うまでもない。
【0042】このように本実施例では、使用開始直後か
ら長期にわたって定着フィルム31と記録材P間のスリ
ップを防止できるため、従来行われていた、製品出荷前
の定着装置における、潤滑剤Gを定着ニップN内に行き
渡らせるための空回転工程を省略できるとともに、定着
装置としての寿命も延ばすことが可能となる。
【0043】なお、ヒータ33と接触する側の定着フィ
ルム31面との間にあらかじめ介在している粘性の低い
潤滑剤G1は、すばやく定着ニップN内に行き渡らせる
ためにも、定着フィルム31と圧接する側のヒータ33
表面に塗付することが好ましい。
【0044】また図6に示すように、あらかじめ介在し
ている粘性の低い潤滑剤G1と、潤滑剤供給手段4にて
定着フィルム31の内周面へ塗付される粘性の高い潤滑
剤G2との混合を防止するため、実施例1と同様に潤滑
剤回収手段5を設けることが好ましい。もちろん、耐久
時における劣化した潤滑剤の定着ニップN部への供給を
防止するために、定着ニップ部Nを挟み、記録材の搬送
方向に向かって、上流側に潤滑剤供給手段4、下流側に
潤滑剤回収手段5と設置することは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】本発明は前述したように、ヒータと接触
する側の定着フィルム面に、潤滑剤を供給及び回収する
ための手段を設置することにより、使用開始初期から経
時にわたって定着ニップ部における定着フィルムとヒー
タ間の摺動トルクを低く安定化でき、定着フィルムと記
録材間のスリップを防止できるため、記録材上の未定着
画像を乱すことなく安定した定着画像を得ることができ
るとともに、定着装置としての耐久性も向上できる。
【0046】さらに、ヒータと、ヒータと接触する側の
定着フィルム面との間に、あらかじめ粘性の低い潤滑剤
を塗付することで、使用開始直後の定着フィルムと記録
材間のスリップも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に示す電子写真画像形成
装置の断面図である。
【図2】 本発明の第1実施例に示す加熱定着装置の断
面図である。
【図3】 本発明の第1実施例に示す加熱定着装置の他
例1の断面図である。
【図4】 本発明の第1実施例に示す加熱定着装置の他
例2の断面図である。
【図5】 本発明の第2実施例に示す加熱定着装置の断
面図である。
【図6】 本発明の第2実施例に示す加熱定着装置の他
例の断面図である。
【図7】 従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 電子写真画像形成装置 3 定着装置 4 潤滑剤供給手段 11 感光ドラム 12 帯電ローラ 13 レーザービーム 14 現像装置 15 転写ローラ 16 クリーニング装置 21 カセット 22 給紙ローラ 23 レジストローラ 31 定着フィルム 32 フィルムガイド部材 33 ヒータ 34 サーミスタ 35 加圧ローラ 41 供給吸収体 42 供給ホルダー 43 染み出しローラ 5 潤滑剤回収手段 51 回収吸収休 52 回収ホルダー 53 掻き取り部材 54 回収容器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱体表面にフィルムを圧接し、かつ該
    フィルムを加熱体表面に対し摺動させながら回転駆動を
    加える加庄部材を有するとともに、加熱体と加圧部材と
    の圧接ニップ部におけるフィルムと加圧部材との間に、
    未定着画像が形成された記録材を導入し、フィルムと一
    緒に該圧接ニップ部を通過させることで、上記未定着画
    像を記録材上に永久画像として定着させる加熱定着装置
    において、 潤滑剤を含浸しうる吸収体を、加熱体と接触する側のフ
    ィルム面に摺擦するよう複数個設置するとともに、少な
    くとも一ヶ所の吸収体は潤滑剤を含浸していることを特
    徴とする加熱定着装置。
  2. 【請求項2】 加熱体表面にフィルムを圧接し、かつ該
    フィルムを加熱体表面に対し摺動させながら回転駆動を
    加える加圧部材を有するとともに、加熱体と加圧部材と
    の圧接ニップ部におけるフィルムと加圧部材との間に、
    未定着画像が形成された記録材を導入し、フィルムと一
    緒に該圧接ニップ部を通過させることで、上記未定着画
    像を記録材上に永久画像として定着させる加熱定着装置
    において、 潤滑剤を含浸している吸収体を、加熱体と接触する側の
    フィルム面に摺擦するよう少なくとも一ヶ所設置し、か
    つフィルムと圧接する側の加熱体表面に、あらかじめ潤
    滑剤を塗布しているとともに、あらかじめ塗布されてい
    る潤滑剤は、吸収体に含浸されている潤滑剤よりも粘性
    が低いことを特徴とする加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 加熱体と接触する側のフィルム面に、潤
    滑剤を含浸していない吸収体を少なくとも一ヶ所設置し
    たことを特徴とする請求項2に記載の加熱定着装置。
  4. 【請求項4】 記録材の搬送方向に向かって、潤滑剤を
    含浸している吸収体は加熱体の上流側、潤滑剤を含浸し
    ていない吸収体は加熱体の下流側に設置していることを
    特徴とする請求項1又は3に記載の加熱定着装置。
  5. 【請求項5】 潤滑剤を含浸していない吸収体の該吸収
    体内での潤滑剤拡散速度は、潤滑剤を含浸している吸収
    体の潤滑剤拡散速度よりも速いことを特徴とする請求項
    1又は3に記載の加熱定着装置。
  6. 【請求項6】 加熱体表面にフィルムを圧接し、かつ該
    フィルムを加熱体表面に対し摺動させながら回転駆動を
    加える加圧部材を有するとともに、加熱体と加圧部材と
    の圧接ニップ部におけるフィルムと加圧部材との間に、
    未定着画像が形成された記録材を導入し、フィルムと一
    緒に該圧接ニップ部を通過させることで、上記未定着画
    像を記録材上に永久画像として定着させる加熱定着装置
    において、 潤滑剤を含浸している吸収体を、加熱体と接触する側の
    フィルム面に摺擦するよう少なくとも一ヶ所設置すると
    ともに、加熱体と接触する側のフィルム面へ軽く当接す
    る潤滑剤の掻き取り部材と、掻き取られた該潤滑剤を収
    納する容器を有することを特徴とする加熱定着装置。
  7. 【請求項7】 記録材の搬送方向に向かって、潤滑剤を
    含浸している吸収体は加熱体の上流側、潤滑剤の掻き取
    り部材は加熱体の下流側に設置していることを特徴とす
    る請求項6に記載の加熱定着装置。
  8. 【請求項8】 潤滑剤を含浸している吸収体は、加熱体
    と接触する側のフィルム面に対し、摺擦しながら回転す
    ることを特徴とする請求項1、2又は6に記載の加熱定
    着装置。
  9. 【請求項9】 潤滑剤を含浸している吸収体を固定する
    ホルダー内に、潤滑剤を蓄えかつ吸収体へ供給するタン
    ク機能を有することを特徴とする請求項1、2又は6に
    記載の加熱定着装置。
JP2001125960A 2001-04-24 2001-04-24 加熱定着装置 Pending JP2002323819A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001125960A JP2002323819A (ja) 2001-04-24 2001-04-24 加熱定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001125960A JP2002323819A (ja) 2001-04-24 2001-04-24 加熱定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002323819A true JP2002323819A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18975080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001125960A Pending JP2002323819A (ja) 2001-04-24 2001-04-24 加熱定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002323819A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007011192A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置
JP2008026677A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
CN102004427A (zh) * 2009-09-01 2011-04-06 株式会社理光 定影装置以及图像形成装置
JP2017116650A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 エスプリンティンソリューション株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2017134270A (ja) * 2016-01-28 2017-08-03 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置、定着装置の制御方法、および定着装置の制御プログラム
JP2018091897A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007011192A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置および画像形成装置
JP2008026677A (ja) * 2006-07-24 2008-02-07 Ricoh Co Ltd 定着装置および画像形成装置
CN102004427A (zh) * 2009-09-01 2011-04-06 株式会社理光 定影装置以及图像形成装置
EP2290466A3 (en) * 2009-09-01 2011-10-05 Ricoh Company, Ltd. Fixing device, image forming apparatus incorporating same, and fixing method
US8213827B2 (en) 2009-09-01 2012-07-03 Ricoh Company, Ltd. Fixing device, image forming apparatus incorporating same, and fixing method
JP2017116650A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 エスプリンティンソリューション株式会社 定着装置及び画像形成装置
JP2017134270A (ja) * 2016-01-28 2017-08-03 コニカミノルタ株式会社 定着装置、画像形成装置、定着装置の制御方法、および定着装置の制御プログラム
JP2018091897A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4478342B2 (ja) 定着装置
JP4054599B2 (ja) 像加熱装置
JP2004184814A (ja) 加熱装置
US8099033B2 (en) Pressure roller interframe oil cleaning device and method
JPH11249469A (ja) 加熱圧力ベルト融着装置及びトナ―画像の定着方法
US8358960B2 (en) Image heating apparatus
US6795677B2 (en) High speed heat and pressure belt fuser
JP2005173441A (ja) 定着装置および画像形成装置
US5420678A (en) Pinch roll for a release material delivery system
US20110008083A1 (en) Image heating apparatus
JP2002323819A (ja) 加熱定着装置
US8355659B2 (en) Fixing device and image forming apparatus having same
JP2016045274A (ja) 加熱定着装置
JP6674654B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP4392899B2 (ja) 画像形成装置
JP4428030B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2002040860A (ja) 加熱装置および画像形成装置
JP2001034096A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JP2020056888A (ja) エンドレスベルト及び定着装置
JP4729853B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2000306655A (ja) 像加熱装置及び画像形成装置
JPH0736297A (ja) 加熱装置
JP7292875B2 (ja) 像加熱装置
JP2008129060A (ja) 像加熱定着装置
JP3984901B2 (ja) 画像形成装置