JP2013075465A - 発泡延伸プラスチック容器及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ホットパリソン法により得られ、実用性のある発泡延伸成形プラスチック容器を提供する。
【解決手段】口部、胴部、底部とからなる樹脂一体成形品であって、胴部及び底部は、発泡セルを有する発泡領域となっている発泡延伸プラスチック容器において、前記口部は、発泡セルが存在しない非発泡領域となっており、発泡セルが存在する発泡領域には、容器壁の中心部に位置する発泡セルBが最も長い長さを有し、中心部に位置する発泡セルBに比して、内面側及び外面側に位置する発泡セルBの長さは短いものとなっている。
【選択図】図5

Description

本発明は、不活性ガスが含浸されている樹脂溶融物を射出成形することにより得られる容器用プリフォームを延伸成形した発泡延伸プラスチックに関するものであり、より詳細には、射出成形により得られたプリフォームを延伸可能な温度に維持したまま延伸成形が行われるホットパリソン法により製造される発泡延伸プラスチック容器及びその製造方法に関するものである。
現在、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステルなどから成形された延伸成形プラスチック容器は、透明性、耐熱性、ガス遮断性等の特性に優れており、種々の用途に広く使用されている。
一方、近年では、資源の再利用が強く求められ、このような特性に優れた延伸成形容器として、発泡延伸容器が知られている。即ち、発泡延伸容器では、着色剤を配合せず、発泡により遮光性を発現させることができるため、着色剤の配合により遮光性が付与されている容器に比して、そのリサイクル適性は格段に優れている。
プラスチック成形体の発泡手段としては、炭酸ソーダなどの化学発泡剤を用いた化学発泡が古くから知られているが、現在では、このような化学発泡剤を使用せず、不活性ガスをプラスチック中に溶解させ、このガスを気泡に成長させるというマイクロセルラー技術による発泡が注目されている。かかる発泡技術は、物理発泡とも呼ばれ、化学発泡に比して気泡(発泡セル)をかなり小さく制御でき、しかも均一に分布させ得るという利点を有しているからである。
このようなマイクロセルラー技術による発泡を利用した発泡延伸プラスチック容器は、例えば本出願人により提案されている(特許文献1〜4)。
また、延伸プラスチック容器の製造方法としては、コールドパリソン法とホットパリソン法とが知られている。
コールドパリソン法は、プラスチックの射出成形により容器用プリフォームを成形し、このプリフォームを一旦冷却し、この後にブロー成形などの延伸成形工程にプリフォームを移して延伸成形を行うことにより容器を製造するというものであり、射出成形によるプリフォームの成形工程と延伸成形によるプリフォームから容器への成形工程とが完全に分離独立しているため、各々の成形工程で最適な条件を設定でき、各成形工程を最高速度に設定できるなど、高速生産や量産の観点から極めて有利であり、さらに、プリフォームをストックでき、最終製品である容器を生産する場所を、プリフォームを生産する場所に依存せず、ユーザーの事情に応じて決定できるなどの利点もあり、特に飲料用のPETボトルなどは、その殆んどがコールドパリソン法によって生産されている。
一方、ホットパリソン法は、プラスチックの射出成形により成形された容器用プリフォームを冷却せず、延伸可能な温度に保持したまま、延伸成形工程に移行して延伸成形を行うことにより容器を製造するという方法である。即ち、この方法はプリフォームの成形に引き続いて連続的に延伸成形が行われるため、延伸成形に際して、成形直後のプリフォームが有する熱を利用することができ、熱エネルギーの有効利用の点で極めて有利であり、また設備費が安価であるという利点も有しており、プリフォームの加熱が難しいために、コールドパリソン法では適用が困難な厚肉容器の製造に有利である。ただし、この方法は、プリフォームの成形にほぼ連動して延伸成形が行われるため、延伸成形条件がプリフォームの成形条件(例えば成形速度)に依存するため、量産性や生産速度の点ではコールドパリソン法に劣るため、多品種小ロット製品(例えば調味液や洗剤などの容器)に適用されている。
ところで、マイクロセルラー技術を利用した発泡延伸プラスチック容器は、ホットパリソン法に適用することは極めて難しい。
即ち、コールドパリソン法では、成形されたプリフォームを一旦冷却した後に延伸成形を行うため、プリフォームの成形工程と延伸成形工程との間に加熱による発泡工程を設けることができ、加熱条件を調整することにより、発泡の程度をコントロールすることができるが、ホットパリソン法では、プリフォームの成形に引き続いて延伸成形が行われるため、プリフォームの成形工程と延伸成形工程との間に独立した発泡工程を設けることができず、発泡をコントロールすることが極めて困難であるという問題があるためである。
例えば、発泡容器では、嵌め込みや螺子係合などによりキャップが固定される容器口部での発泡を抑制することが要求される。発泡による寸法変化、表面平滑性の低下や強度低下は、キャップによる密封性を低下せしめ、さらにはキャップと容器口部との係合を困難とするからである。
実際、特許文献5には、ホットパリソン法による発泡延伸プラスチック容器についての提案がなされているものの、容器口部の発泡抑制に関しては全く教示されておらず、従って、この発泡容器は極めて実用性に乏しい。
特開2006−321887号 特開2008−94495号 特開2009−234627号 特開2009−262550号 特公昭62−18335号
従って、本発明は、ホットパリソン法により得られ、実用性のある発泡延伸成形プラスチック容器及びその製造方法、並びに、発泡延伸成形プラスチック容器及びその製造方法の実施に使用される容器用発泡プリフォーム及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、口部と該口部に連なる成形部とを有する樹脂一体成形品からなり、
前記成形部は、発泡セルを有する発泡領域となっており、前記口部は、発泡セルが存在しない非発泡領域となっていると共に、
発泡セルが存在する前記発泡領域では、器壁の中心部に位置する発泡セルが最も大きな径を有し、中心部に位置する発泡セルに比して、器壁の内面側及び外面側に位置する発泡セルの径が小径となっていることを特徴とする容器用発泡プリフォームが提供される。
上記の容器用発泡プリフォームにおいては、
(1)前記発泡領域において、器壁の内面側及び外面側には、発泡セルが存在しない非発泡層が形成されていること、
(2)前記発泡領域において、器壁の外面側の非発泡層の厚みが、器壁の内面側の非発泡層の厚みよりも厚いこと、
(3)前記発泡領域において、器壁の厚みが2.5mm以上であり、該発泡領域に形成されている内面側及び外面側の非発泡層の合計厚みが、該発泡領域での器壁の厚みの20乃至70%の範囲にあること、
が好適である。
本発明によれば、また、上記の容器用発泡プリフォームを延伸成形して得られ、該プリフォームの成形部から成形された胴部及び底部が発泡セルを有する発泡領域となっており、口部が発泡セルが存在しない非発泡領域となっており、
発泡セルが存在する発泡領域では、容器壁の中心部に位置する発泡セルが最も長い長さを有し、中心部に位置する発泡セルに比して、内面側及び外面側に位置する発泡セルの長さが短いものとなっていることを特徴とする発泡延伸プラスチック容器が提供される。
上記の発泡延伸プラスチック容器においては、
(4)前記発泡領域において、容器壁の内面側及び外面側には、発泡セルが存在しない非発泡層が形成されていること、
(5)前記発泡領域において、容器壁の外面側の非発泡層の厚みが、容器壁の内面側の非発泡層の厚みよりも厚いこと、
(6)前記発泡領域において、容器壁の厚みが0.3mm以上であり、該発泡領域に形成されている内面側及び外面側の非発泡層の合計厚みが、該容器壁の厚みの20乃至70%の範囲にあること、
が好ましい。
さらに、本発明によれば、不活性ガスが含浸されている樹脂溶融物を、金型キャビティ内に射出充填しての成形により口部と口部に連なる成形部とを有する形状の容器用発泡プリフォームを製造する方法において、
前記金型キャビティを形成する金型として、前記口部に対応する部分が前記成形部に対応する部分に比して冷却能力が高く設定されている金型を使用し、
前記樹脂溶融物の前記金型キャビティ内への射出充填は、前記金型キャビティ内を高圧に保持し且つ発泡が生じないように保圧をかけながら行われ、
前記口部は、前記保圧を解除した後にも発泡が生じないように前記金型によって強冷却され、
前記成形部は、前記保圧を解除した後に樹脂温によって器壁中心部分から発泡が生じ得るように弱冷却されることを特徴とする容器用発泡プリフォームの製造方法が提供される。
上記の容器用発泡プリフォームの製造方法においては、
(7)前記保圧を解除した後、前記金型キャビティ内からの該プリフォームの取り出し時には、前記成形部については、その器壁中心部分は発泡可能且つ延伸可能な温度に保持されており、該プリフォームを該金型キャビティ内からの取り出しと同時に該成形部の中心部分から発泡が開始すること、
(8)前記保圧を解除した後、前記金型キャビティ内からの該プリフォームの取り出し時には、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は発泡が生じない温度に冷却されており、該プリフォームを該金型キャビティ内から取り出した後、中心部からの伝熱によって、該中心部から外表面側及び内表面側に向かって発泡が進行して行くこと、
(9)少なくとも前記金型キャビティ内からの該プリフォームを取り出した後では、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は、中心部からの伝熱によって延伸可能な温度に昇温すること、
(10)前記金型キャビティ内からの該プリフォームを取り出した後においても、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は、発泡が生じない温度に維持されること、
が好ましい。
本発明によれば、更にまた、上記の製造方法により得られた容器用発泡プリフォームを、そのまま二軸延伸ブロー成形工程に搬送し、該プリフォームの成形部を二軸延伸ブロー成形することを特徴とする発泡延伸プラスチック容器の製造方法が提供される。
本発明の発泡延伸プラスチック容器(以下、単に「発泡延伸容器」と略す)は、発泡プリフォームの成形部から成形された胴部及び底部が、発泡セルを有する発泡領域となっており、ホットパリソン法で形成されたものの特有のセル分布を有している。具体的には、発泡セルが分布している発泡領域において、容器壁の中心部に位置する発泡セルが最も長い長さを有し、中心部に位置する発泡セルに比して、内面側及び外面側に位置する発泡セルの長さは短いものとなっているというセル分布を有している。
また、本発明の発泡延伸容器は、ホットパリソン法により得られるものであり、ホットパリソン法により得られたものに特有のセル分布を有していながら、容器口部が非発泡領域となっており、発泡セルが容器口部に存在していないことが顕著な特徴となっている。即ち、容器口部に発泡セルが存在していないため、発泡による寸法変化、強度低下や表面平滑性の低下など、キャップとの係合性やキャップによるシール性などの特性低下を有効に回避することができ、その実用性を確保することができる。従来提案されているホットパリソン法による発泡延伸容器の製造法では、容器口部での発泡を避けることができず、その実用性が阻害されていたが、本発明によって、容器口部での発泡を避けることができ、その実用性を確保できたことは、本発明の最も大きな利点である。
本発明の発泡延伸容器の製造方法の全体のプロセスを示す図。 本発明の製造方法において採用される容器用プリフォームを成形する際に採用される射出プロセスを説明するための説明図。 本発明で成形される容器用の発泡プリフォーム及び該プリフォームから得られる発泡延伸容器の全体形状の一例を示す図。 本発明に従って製造される容器用プリフォームの発泡領域における壁部断面構造の一例を示す図。 本発明に従って製造される発泡延伸容器の発泡領域における壁部断面構造を示す図。 実施例1、実施例2及び比較例1で作成されたプリフォームの外観を示す写真。 実施例1で作成された容器(ボトル)の外観を示す写真。 実施例2で作成されたプリフォームの胴部断面の発砲構造を示す写真。
<発泡延伸容器の製造>
本発明の発泡プリフォーム及び発泡延伸容器は、不活性ガスが含浸されている樹脂溶融物を用いてのホットパリソン法により成形されるものであり、図1に示されているように、射出成形による容器用プリフォームを成形するプリフォーム成形工程、成形された容器用プリフォームの成形部を延伸可能な温度に保持したまま発泡させる発泡工程(この工程で容器用発泡プリフォームが得られる)、得られた発泡プリフォームの成形部を延伸可能な温度に保持したままの状態で延伸成形を行う延伸成形工程とからなるものである。
1.原料樹脂;
本発明において、容器の製造に用いる原料樹脂としては、不活性ガスの含浸が可能である限り特に制限されず、それ自体公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル系共重合体;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリフエニレンオキサイド樹脂;ポリ乳酸など生分解性樹脂;などを単独で或いは2種以上をブレンドして用いることができる。特に、この成形体を容器の成形に用いる場合には、オレフィン系樹脂やポリエステル樹脂が好適であり、中でもポリエステル樹脂、特にポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)は、容器用の樹脂としては最適であり、本発明の発泡延伸容器にも最も好適に使用される。
もちろん、リサイクル適性を気にしなければ、着色剤やバリア等の機能性付与を目的とした添加剤の配合も可能である。
2.不活性ガスの含浸;
上記の樹脂の溶融物に含浸させる不活性ガスは、発泡剤として機能するものであり、一般に、窒素ガスや炭酸ガスなどが使用される。
不活性ガスを上述した樹脂溶融物に含浸するには、以下に述べるプリフォーム成形工程で用いる射出成形機を利用し、この射出成形機の樹脂混練部(或いは可塑化部)で加熱溶融状態に保持されている樹脂に所定圧力で不活性ガスを供給することにより行われる。即ち、この方法によれば、射出成形機中でガスの含浸を行うことができ、容器用プリフォームを成形する過程で効率よく不活性ガスを含浸させることができる。
尚、このときのガスの含浸量を調節することにより、加熱により生成する発泡セルの個数等を調整することができる。例えば、ガス圧を高くし、ガス圧下での混練時間を長くするほど、ガスの含浸量を多くし、発泡セルの数を増大させることができるが、反面、発泡をコントロールすることが困難となり、例えば容器用プリフォームの成形時に発泡を生じてしまい、最終的に得られる容器の表面平滑性が損なわれてしまうなど、発泡による不都合も生じ易くなるので、不活性ガスの含浸量は適度な範囲に設定すべきである。
3.プリフォームの成形;
本発明において、上記のようにしてガスが含浸した樹脂溶融物は、射出成形によって高圧に保持された金型内に射出充填される。この射出プロセスを説明するための図2を参照して、全体として1で示す射出金型は、冷却保持されているシェル金型3とコア金型5とを有しており、これら金型3,5によりキャビティ7が形成され、キャビティ7には、射出成形機(図示せず)に連なる射出ノズル9から樹脂溶融物が射出充填されるようになっている。また、キャビティ7には、ガス口10が連通している。
即ち、射出ノズル9から不活性ガスが含浸されている樹脂溶融物をキャビティ7内に射出充填し、キャビティ7内の樹脂溶融物を冷却固化することにより、樹脂溶融物はキャビティ7により形成される形状に賦形されるわけである。
例えば、図3に示されているように、上記の射出成形により成形される容器用プリフォーム50は、口部51と成形部52とからなっており、成形部52は、後述するブロー成形によって延伸成形される部分であり、胴部53と、胴部53に連なる底部55とからなっている。
また、口部51は、延伸されない部分であり、キャップと螺子係合する螺子部51a及び搬送等のためのサポートリング51bが形成されている(成形される容器のタイプによってはサポートリング51bが無いものもある)。従って、このようなプリフォーム50をブロー成形して得られる容器60は、プリフォーム50の口部に対応する口部61、プリフォームの成形部52に対応する胴部63及び底部65を有しており、口部61は、プリフォーム50の口部51と同様、螺子部51a及びサポートリング51b螺子部を有している。
このような形状から理解されるように、プリフォーム50(及び容器60)の口部51(容器60の口部61)での発泡は避けなければならない。発泡による強度低下、寸法安定性及び表面平滑性の低下は、キャップとの係合不良やシール性の低下をもたらすからである。キャップとの係合不良やシール性の低下を避けるためには、螺子部51a(容器61の61a)の発泡はとくに避けるべきである。
上記のようなプリフォーム50を成形するため、図2で示されているキャビティ7を形成するシェル金型3は、口部51に対応する口部金型3aと、成形部52(胴部53及び底部55)に対応する成形部金型3bとに分けられている。
ところで、本発明においては、ホットパリソン法により容器60を製造するため、キャビティ7内に保持されているプリフォーム50の成形部52(特に成形部52の器壁中心部)は、延伸成形可能及び発泡可能な温度に維持されていると同時に、プリフォーム50の口部51では、発泡が生じないような低い温度に保持されていなければならない。このように口部51に相当する部分は、成形部52に相当する部分よりも低い温度に維持することが必要であるため、口部51に対応する口部金型3aの冷却能力は、成形部52に対応する成形部金型3bの冷却能力よりも高く設定しておくことが必要である。例えば、図示されていないが、口部金型3a内を通っている冷却管の導入される冷却媒体の温度は、成形部金型3b内の冷却管に通される冷却媒体の温度よりも低く設定される。また、冷却水の流量や冷却穴の形状の最適化も重要である。
尚、上記のように口部51に対応する部分が強冷却され且つ成形部52に対応する部分が弱冷却されるのであれば、シェル金型3は、上記のような割型でなくともよい。
成形部52は、その器壁中心部分が延伸成形可能な温度に保持されているのであれば、外表面部分及び内表面部分の温度は、後述する延伸成形工程にプリフォームが導入されるまでの間に、中心部からの伝熱により延伸成形可能な温度に昇温し得るのであれば、延伸成形可能な温度よりも低温領域まで冷却されていてもよい。
また、本発明においては、樹脂溶融物の射出にあたって、ガス口10からキャビティ7内に、窒素ガス、炭酸ガス、エアー等が供給され、キャビティ7内を高圧に保持しておく。このように高圧に保持されたキャビティ7内にガスが含浸された樹脂溶融物を充填していくことにより、キャビティ7内を溶融樹脂が流動していく際の破泡を有効に抑制することができ、このような破泡によるスワールマークの発生を防止し、平滑度の高い表面を有する成形体を得ることができる。
例えば、ガス含浸樹脂溶融物をキャビティ7内に充填していくと、キャビティ7内を流れていく樹脂溶融物の先端部分に溶解しているガスは、キャビティ7内空間との圧力差によって膨張し、破泡を生じる。即ち、樹脂溶融物は、先端部が破泡した状態でキャビティ7内を流れていくこととなり、この状態が金型表面に転写され、金型表面での冷却固化により、得られるプリフォーム50の表面にはスワールマークが発現し、表面荒れを引き起こす。しかるに、上記のようなガスをキャビティ7内に供給し、キャビティ7内を高圧に保持しておくことにより、樹脂溶融物の流動中の破泡を有効に防止することができ、スワールマークなどによる表面荒れを有効に回避することができるのである。
本発明では、さらに樹脂溶融物の射出を継続して行うことにより保圧が加えられる。即ち、この保圧によって、キャビティ7内での発泡を有効に防止することが可能となるのである。
上記のようにしてキャビティ7内に射出充填された樹脂溶融物は、保圧をかけた状態で保持され、口部金型3aと成形部金型3bとで冷却されて容器用プリフォーム50の形状に賦形され、次いで、冷却しているシェル金型3(口部金型3aと成形部金型3b)及びコア金型5を開放して、成形された容器用プリフォーム50が取り出される。
このように、本発明においては、高圧下に保持されているキャビティ7内にガス含浸樹脂溶融物を充填し、さらに保圧を加えることにより、スワールマークが無く、高い表面平滑度を有する容器用プリフォーム50を賦形することができるばかりか、発泡剤であるガスを含浸していながら、その発泡を有効に抑制することができる。
上記のように射出成形を行うにあたって、キャビティ7内の圧力は、特に制限されるものではないが、一般には1.0MPa以上の範囲に保持し、このような圧力に保持されているキャビティ7内に樹脂溶融物を射出充填することが好ましい。この圧力が小さいと、樹脂溶融物の流動時における破泡を効果的に抑制することができず、スワールマークが発生してしまい、また、表面の平滑度も低いものとなってしまう。
また、保圧の程度(保圧圧力及び時間)は、発泡を確実に抑制し得るように、不活性ガスの含浸量や樹脂温度等に応じて適宜設定されるが、口部51での発泡を確実に防止するため、軽量化率が0%となるように設定するのがよい。この軽量化率は、下記式により実験的に求めることができる。
軽量化率=[(M−M)/M]×100
式中、
は、不活性ガスを含浸させずにヒケ等の成形不良がないように条件設定して
射出することにより得られたプリフォームの重量を示し、
は、不活性ガスを含浸させて得られたガス含浸プリフォームの重量を示す、
で表される。即ち、保圧圧力を大きくするほど軽量化率は低下し、また、保圧時間を長くするほど、軽量化率は低くなるので、これを利用して、軽量化率が0%となるように保圧条件を設定することができる。
4.発泡;
上記のようにしてキャビティ7内にガスが含浸した樹脂溶融物を射出充填することによりプリフォーム50が賦形され、該プリフォーム50が所定の温度まで冷却された後、保圧が解除され、次いでシェル金型3(口部金型3aと成形部金型3b)及びコア金型5を開放し、キャビティ7内から該プリフォーム50を取り出すが、ホットパリソン法では、このプリフォーム50の成形部52の温度が延伸成形可能な温度に維持されているうちに、これを延伸成形工程に導入する。即ち、コールドパリソン法では、直ちにプリフォーム50を延伸成形工程に導入するわけではないため、十分に金型冷却された後にキャビティ7内からプリフォーム50が取り出されるが、ホットパリソン法では、成形部52の器壁中心部が少なくとも延伸成形可能な温度(ガラス転移温度以上である)に維持されていなければならないのであり、これが、ホットパリソン法とコールドパリソン法の大きな違いである。
尚、成形部52の器壁の外表面及び内表面温度は、必ずしも延伸成形可能な温度に維持されている必要はない。キャビティ7内からプリフォーム50を取り出した後においても、プリフォーム50を延伸成形工程に導入するまでの短い時間(10〜30秒程度)であれば、器壁の中心部からの伝熱によって昇温するからである。
ところで、上記のプリフォーム50中には、発泡のための不活性ガスが溶解しているため、キャビティ7内からプリフォーム50を取り出すに先立って保圧を解除した段階で、プリフォーム50の温度が発泡開始温度よりも高い温度に維持されていると発泡を生じることとなる。即ち、外圧との圧力差により樹脂中(プリフォーム50中)に溶解しているガスが膨張し且つガスと樹脂との相分離によって気泡(発泡セル)が成長していくわけである。
本発明においては、このような発泡は、プリフォーム50の成形部52の内部で選択的に行い、口部51での発泡を避けなければならない。
このために、前述したキャビティ7内において、プリフォーム50の口部51は、保圧を解除する時点で発泡開始温度よりも低い温度まで冷却されていることが必要である。この場合、口部51の外表面及び内表面は、それぞれシェル金型3(口部金型3a)及びコア金型5に接触しているが、その内部中心部分は、これらの金型に接触していないため、内部中心部分の温度は、外表面及び内表面の温度よりも高い。従って、口部51での発泡を防止するためには、その内部中心までが発泡開始温度以下となるまで保圧をかけながら冷却しなければならない。保圧が不十分な状態で冷却すると、冷却による樹脂収縮にともない樹脂圧力が低下し、発泡が生じてしまうこともある。
このために、本発明においては、前述したように、口部51を冷却する部分の金型として冷却能の大きなものを使用し、口部51を強冷却するわけである。
尚、発泡開始温度は、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度であり、不活性ガスの含浸量等によっても異なるが、通常、ガラス転移温度(Tg)よりも5乃至15℃程度高い温度である。
また、発泡開始温度に達しても、実際に気泡が多数生成し成長するまでにはある程度の時間を要する。ホットパリソン法による延伸成形において、キャビティからプリフォームを取り出して延伸成形するまでの時間が例えば10〜30秒程度の場合、実質の発泡開始温度は、ガラス転移温度(Tg)よりも15乃至25℃程度高い温度となる。
一方、プリフォーム50の成形部52は、延伸される部分であるため、少なくとも延伸可能な温度に維持されていなければならないが、この成形部52で発泡を行う必要がある。従って、前述したキャビティ7内での冷却によって樹脂の融点以下の温度に冷却されるものの、キャビティ7内での成形部52の中心部温度は延伸可能な温度であって且つ発泡可能な温度(前述した発泡開始温度以上)に維持されていなければならない。
尚、延伸成形可能な温度は、前述した発泡可能な温度と同様、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度であり、一般に、ガラス転移温度(Tg)よりも5乃至15℃程度高く且つ樹脂の融点未満の温度範囲である。
さらに、上記のように、成形部52の中心部では、発泡可能な温度に維持されているが、キャビティ7内での成形部52の外表面及び内表面は、延伸可能な温度に維持されていると同時に発泡開始温度よりも低い温度に冷却されていることが必要である。即ち、プリフォーム50の成形部52の外表面及び内表面が発泡開始温度以上に維持されていた場合、プリフォーム50をキャビティ7から取り出した瞬間から、その外表面及び内表面で発泡を生じてしまい、表面平滑性が損なわれるばかりか、成形部52の全体で発泡を生じてしまうため、最終的に得られる容器60の成形部52に対応する胴部63や底部65での強度低下が大きく、さらにはガスバリア性も大きく損なわれてしまうからである。
従って、本発明においては、プリフォーム50をキャビティ7から取り出すときには、プリフォーム50の外表面及び内表面は、口部51及び成形部52の何れにおいても発泡開始温度よりも低い領域にまで冷却されているが、その中心部分までもが発泡開始温度よりも低い温度まで冷却されているのは、口部51のみであり、成形部52では、その中心部分の温度は発泡開始温度以上に維持されている。
即ち、上記のような温度分布を生じるように冷却を行うため、口部金型3aの冷却能力を高め、プリフォーム50の口部51は、冷却能力の高い口部金型3aとコア金型5とによって強冷却が行われ、その中心部分及び内外表面の全てが発泡開始温度よりも低い温度となるまで冷却され、プリフォームの成形部52については、冷却能力の弱い成形部金型3bとコア金型5によって口部51に比して弱冷却され、その内外表面は、発泡開始温度よりも低い温度に冷却されるが、その中心部分は発泡開始温度以上となる温度に維持されるのである。
このように、冷却時間(キャビティ7内での保持時間)を、口部金型3a、成形部金型3b及びコア金型5の冷却能力等によって調整して冷却を行って上記の温度分布を形成した後、キャビティ7から成形されたプリフォーム50を取り出すことにより、成形部52の中心部分から発泡が開始する。
また、発泡が始まると同時に、キャビティ7から取り出されたプリフォーム50では、成形部52において、発泡開始温度よりも高温に維持されている中心部分から外表面及び内表面に向かっての伝熱により、発泡可能な温度となっている領域が徐々に外表面側及び内表面側に広がっていくこととなり、これに伴い、発泡が徐々に成形部52の中心部分から外表面側及び内表面側に向かって進行していくこととなる。
尚、キャビティ7からプリフォーム50を取り出した後の成形部52の中心部からの伝熱による昇温によって延伸成形前に成形部52の外表面及び内表面での発泡を確実に防止するためには、キャビティ7からプリフォーム50を取り出す時点での外表面及び内表面は、発泡開始温度よりも低い延伸成形可能な温度よりも高温である領域にまで冷却されていることが好ましいが、延伸成形時まで発泡開始温度以上に昇温せず且つ延伸成形可能温度まで昇温するのであれば、外表面及び内表面の温度が延伸成形可能な温度よりも低温領域まで冷却されていてもよい。
このようにして発泡が行われたプリフォーム50の成形部52での断面を図4に示した。
図4から理解されるように、発泡によって球形に近い形状の発泡セルAが形成されるが、中心部分の発泡セルAの径は最も大きく、外面側及び内面側にいくにしたがい、発泡セルAの径は次第に小さくなっていく。中心部分の樹脂温が最も高温となっており、外面側及び内面側にいくにしたがい温度が低下していくからである。
ところで、上記のように成形部52の中心部分を発泡開始温度以上に保持しておくことにより発泡を行うと、場合によっては外表面及び内表面にまで発泡が進行してしまう。このように、全体的に発泡が生じてしまうと、表面平滑性が損なわれ、また容器の強度、ガスバリア性等の特性が損なわれてしまうことは先にも述べたとおりである。従って、キャビティ7からプリフォーム50を取り出した後には、成形部52の中心部分からの伝熱により周辺部の温度が上昇するものの、成形部52の外表面及び内表面での温度は、依然として発泡開始温度よりも低い温度に保持されていることが必要である。
但し、延伸成形時までに伝熱により内外表面が発泡開始温度に至ったとしても、気泡が生成・成長する時間が十分でなければ、内外面近傍に発泡が生じていない状態を維持したまま延伸成形することはできる。
上記のような温度調整のためには、例えば成形部52の中心部分と内外表面との温度差が大きくなるようにキャビティ7内での冷却を行えばよく、例えば、冷却時間をできるだけ短くすればよい。また、プリフォーム50の成形部52の肉厚tを比較的厚く(例えば2.5mm以上)設定することが、成形部52の中心部分と内外表面との温度差を大きくするには効果的である。
本発明においては、上記のようにして発泡が進行していくため、図4に示されているように、プリフォーム50の成形部52においては、発泡セルAが存在している発泡層Xが中心部分に形成され、その外表面側及び内表面側に発泡セルAが存在していない非発泡層Yが形成されることとなる。
また、発泡層Xや非発泡層Yの厚みは、最終的に得られる発泡延伸容器の用途等に応じて適宜の範囲に設定される。これらの層の厚みは、キャビティ7内から取り出すときの成形部52の中心部分の温度或いは内外表面の温度により調整することができる。
即ち、成形部52の中心部分の温度が発泡開始温度に近い温度であれば、この中心部分の温度は、キャビティ7からプリフォーム50を取り出してから短時間で発泡開始温度よりも低い温度に降下して発泡が停止し、従って、発泡層Xの厚みは薄く、非発泡層Yの厚みは厚くなる。
また、成形部52の内外表面の温度が低温であるほど、内外表面近傍の温度が発泡開始温度以上に上昇し難くなり、この結果、内外表面に厚い非発泡層Yが形成されることとなる。
また、本発明においては、上記のような非発泡層Yの厚みは、器壁の外面側の非発泡層Yの厚みが、器壁の内面側の非発泡層Yの厚みよりも厚くなる傾向がある。成形部52の内面側の雰囲気の方が外面側よりも高温であるため、中心部からの伝熱によって内面側の方に発泡が進行し易いからである。
上記のような発泡は、キャビティ7からプリフォーム50を取り出した後、成形部52の中心部分の温度が発泡開始温度よりも低い温度に降下するまで進行し、例えば、成形部52の中心部分の温度が発泡開始温度以上である場合には、次の延伸成形工程まで発泡は進行する。
尚、上記のような発泡によって形成される成形部52の中心部分での発泡セルA(延伸前)の径(円相当径)は、平均して10乃至300μm程度であり、且つ中心部でのセル密度が1×10cells/cm以上であることが、発泡による適度な遮光性を確保する上で好適である。このようなセル径やセル密度は、不活性ガスの含浸量や冷却時間等の冷却条件或いは発泡時間(時間)により調整することができる。
本発明において、延伸成形工程に導入される上記の発泡プリフォーム50は、先にも述べたように、その成形部52(発泡領域)の厚みが2.5mm以上であることが好ましいが、内面側及び外面側の非発泡層Yの合計厚みが、器壁の厚みの20乃至70%、特に30乃至60%の範囲にあることが好ましい。非発泡層Yの厚みをこのような範囲とするこれにより、後述する延伸工程での薄肉化を行なった場合において、発泡による表面平滑性の低下等の不都合を有効に回避することができるからである。
5.延伸成形及び容器;
本発明においては、キャビティ7から取り出されたプリフォーム50は、その成形部52の温度が延伸成形可能な温度に保持されているうちに、ブロー成形等の延伸成形に付され、これにより、図3に示されているように、プリフォーム50に対応して、螺子部61aとサポートリング61bとを有している口部61と、胴部63及び底部65とを有する発泡延伸容器60が得られる。
即ち、かかる容器においては、胴部63及び底部65がプリフォーム50の成形部52に相当しており、この部分が、前述した発泡セルAが存在している発泡領域となっており、一方、口部61は、発泡セルAが全く存在しない非発泡領域となっている。
本発明は、ホットパリソン法を利用して延伸成形容器を成形するものであり、プリフォームの成形から延伸成形容器の成形までが連続して、具体的にはプリフォーム50の成形部52の中心部温度が延伸成形可能な温度に維持されたまま延伸成形工程に搬送されて延伸成形が行われる。従って、本発明において採用される延伸成形としては、通常、それ自体公知のブロー成形が採用されるが、成形される容器形状が容器の取り出し口となり、キャップや蓋体などが装着される口部を有するものであれば、プラグアシスト成形に代表される真空成形などを適用することも勿論可能である。
即ち、ガラス転移点(Tg)以上で融点未満の範囲の延伸成形可能な温度範囲に成形部52が保持されているプリフォーム50を延伸に付すると、成形部52の器壁が引き伸ばされると同時に発泡セルAも引き伸ばされることとなる。このような延伸によって得られた発泡延伸容器60の成形部(胴部63、底部65)での最大延伸方向に沿った断面が図5に示されている。
図5から理解されるように、延伸によって、前述した発泡セルAは延伸方向に引き伸ばされ、偏平状の発泡セルBとなり、このような偏平状発泡セルBによって、発泡層Xが形成されている。
また、容器の外面側及び内面側には、プリフォーム50に対応して、発泡セルBが存在していない非発泡層Zが形成される。
このような延伸成形、即ち、発泡セルの偏平化によって、発泡セルのかさなり度合いが増し、その遮光性が著しく高められる。
また、前述したプリフォーム50では、発泡セルAは、中心部に存在するものの径が最も大きく、外面側及び内面側にいくほど小径となっているが、これに対応して、延伸によって偏平化された偏平状発泡セルBでは、中心部分に存在するものの長さが最も大きく、外面側及び内面側にいくほど発泡セルの長さが小さくなっている。
本発明の容器60においては、上記のように延伸されている胴部63及び底部65における偏平状発泡セルBの長さ分布が一定の範囲に調整されていることが好ましい。具体的には、中心部分の偏平状発泡セルBの最大延伸方向での長さLmと、最も外面或いは内面に近い位置に存在している偏平状発泡セルBの最大延伸方向での長さLsとの比(Lm/Ls)が、1乃至15、特に1.5乃至7程度の範囲に調整されていることが好ましい。このような長さ分布により、発泡による強度低下などの不都合を生じることなく、遮光性の発現、軽量化など、発泡による利点を最大限に活かせることができる。例えば、上記の比(Lm/Ls)が大きすぎると、中心部分に存在する偏平状の発泡セルBが必要以上に大きく、非発泡層Zの厚みが薄くなってしまい、容器60の強度低下を招き、破損等を生じ易くなってしまう。一方、上記の比(Lm/Ls)が大きすぎると、偏平状発泡セルBが存在する部分の厚みが薄く、発泡セルB同士の重なり合いも少なくなってしまい、遮光性等の発泡による利点が損なわれてしまうおそれがある。
尚、上記のような偏平状発泡セルBの長さ分布(Lm/Ls)の調整は、キャビティ7内でのプリフォーム50の冷却に際して、成形部52の中心部での温度をコントロールすることにより容易に行うことができる。即ち、キャビティ7からプリフォーム50を取り出す際、その冷却時間を短時間として、中心部の温度を高くするほど発泡セルAの径が大きく、従って偏平状発泡セルBの長さLmも大きくなるので、これを利用して、Lm/Lsの値を調整することができる。
延伸条件は、特に制限されないが、例えば中心部分に位置する偏平状発泡セルBの長さLm(最大延伸方向に沿った長さ)が1000μm以下であり、且つ厚みtが100μm以下程度なるように、プリフォーム50に形成される球形状の中心部発泡セルAの大きさを考慮して、延伸倍率等の延伸条件を設定して延伸を行うことが好適である。即ち、偏平状発泡セルBの大きさを上記範囲内とすることにより、発泡領域の全体にわたって高い遮光性を発現させ、且つ発泡による強度低下やガスバリア性の低下を有効に回避することができる。また、発泡による軽量化を低減させる上でも有利である。
例えば、軸方向(高さ方向)及び周方向の二軸方向に延伸されるブロー成形では、通常、この方向での延伸倍率が2乃至4倍程度となるように延伸され、軸方向のみについて一軸方向に延伸が行われるプラグアシスト成形などでは、この方向での延伸が最大延伸方向となり、上記と同様の延伸倍率で延伸を行って、上記のような大きさの偏平状発泡セルBが形成されるようにするのがよい。
また、本発明の容器60において、前述したプリフォーム50の成形部(発泡領域)での内面側の非発泡層Yの厚みが外面側の非発泡層Yの厚みより薄くなる傾向にあることに関連して、発泡領域である胴部63及び底部65の内外面に形成されている非発泡層Zでは、内面側の非発泡層Zの方が外面側の非発泡層Zよりも薄くなる傾向がある。先にも述べたが、キャビティ7内からプリフォーム50を取り出したとき、成形部52の内面側の雰囲気の方が外面側よりも高温であるため、中心部からの伝熱によって内面側の方に発泡が進行し易いからである。
また、延伸成形に際しては、プリフォーム50の口部51は延伸されない部分であるため、加熱されることはなく、従って、この部分が発泡開始温度以上に加熱されることはないので、得られる容器60の口部61は、発泡セルが全く存在していない非発泡領域となる。このため、発泡による口部61の低強度化や粗面化を有効に回避することができ、キャップによる密封性やキャップとの係合性、金属箔などのシール箔との接着性などが発泡により阻害されず、有効に確保される。
このように、本発明の発泡延伸容器は、ホットパリソン法により製造されるものであるが、このようなホットパリソン法を用いていながら、口部の発泡が確実に防止されるため、その実用性が極めて高く、これは本発明の最大の利点である。
さらに、本発明の発泡延伸容器は、ホットパリソン法により製造されるものであり、熱の有効に利用を図ることができるため、特に厚肉の容器に極めて有効に適用される。コールドパリソン法では、厚肉のプリフォームを延伸するために多大の熱エネルギーを要するが、本発明では、成形されたプリフォームを延伸可能温度に維持したままの状態で発泡及び延伸が行われるため、プリフォームの加熱が必要ないからである。
本発明の発泡延伸容器60の発泡領域(胴部63及び底部65)において、内面側及び外面側に形成される非発泡層Zの厚みは、その用途や容器壁の厚みによっても異なるが、一般に、前述したプリフォーム50成形部52(発泡領域)での厚みや非発泡層Yの合計厚みに関連して、延伸倍率の高い中型や大型の容器の場合、容器壁の厚み(特に胴部53の厚み)が0.3mm以上であり、あまり延伸をしない小型の容器の場合は、容器壁の厚みが2mm以上とすることが可能である。さらに、これらの非発泡層Zの合計厚みが、該容器壁の厚みの20乃至70%、特に30乃至60%の範囲にあることが好ましい。このような非発泡層Zの厚み調整により、発泡による不利益を有効に回避しながら、遮光性の向上、軽量化及びリサイクル性など、発泡による利点を最大限に活用することができる。
尚、上記のような非発泡層Zの厚み調整は、前述した方法に従って、延伸に供するプリフォーム50の成形部52での非発泡層Yの厚みを、延伸倍率等の延伸条件を考慮して調整しておくことにより、容易に実現することができる。
さらに、発泡延伸容器60の発泡領域(胴部63及び底部65)においては、プリフォーム50の成形部52での発泡状態(中心部発泡セルAの大きさや密度など)に応じて偏平状の発泡セルBの重なり度合いなどを調整することによって、例えば、波長500nmの可視光線に対しての全光線透過率が70%以下、特に50%以下とすることができ、高い遮光性を付与することができ、光により変質の生じやすい内容物を収容する上で極めて有利となる。
また、本発明の発泡延伸容器60では、発泡領域の表面には非発泡層Zが存在しており、さらに成形時の破泡などによるスワールマークの発生も有効に防止されており、その表面の平滑性は極めて高く、その商品価値は高い。
かかる容器は、調味料、シャンプーなどの洗剤に加え、化粧品などの高級感を要求される分野での容器として極めて有用である。勿論、飲料等の分野でも使用できることはいうまでもない。
本発明を次の実施例で説明する。
図1は実施例の発泡延伸容器の製造方法の全体のプロセスを示す図である。射出成形機には加熱筒の途中から発泡ガスを供給・混練可能ないわゆる発泡射出機を用いた。図2は、容器用プリフォームを成形するための金型の概略図である。金型冷却は口部と胴部でそれぞれ異なる温度に設定できるようになっている。すなわち、口部の冷却は図2の3(a)の金型に流れる冷却水の温度で制御し、胴部の冷却は図2の3(b)、5と底部を形成する金型に流れる冷却水の温度で制御できる。
除湿乾燥機で十分乾燥させた市販のボトル用PET樹脂(固有粘度:0.84dl/g)を射出成形機のホッパに供給し、さらに射出成形機の加熱筒の途中から発泡剤として窒素ガスを供給し、PET樹脂と混練して溶解させた。次いで、射出成形し、試験管形状のプリフォーム(重量;25g、胴部金型肉厚3〜3.5mm)を得た。なお、射出成形時には、充填開始に先立ち金型内に高圧エアを供給し、充填時の発泡を抑制した。
射出成形条件として充填保圧条件と型内冷却時間を調整し、プリフォーム取り出し時のプリフォーム温度や発泡状態を制御した。なお、充填保圧時間は、充填時間と保圧時間の合計時間で定義される。
射出成形金型から取り出されたプリフォームは、プリフォーム温度を調整させるために10から30秒程度のアニール過程を経て、500mlのボトルへ延伸ブロー成形した。このとき、縦横の延伸倍率はそれぞれ約3倍である。
実施例および比較例に記した評価は次の方法にしたがって実施した。
(1)延伸ブロー適性:
射出成形金型から取り出されたプリフォームの表面温度を接触式の温度計で測定した。取り出し後、10〜30秒の間のピーク温度をプリフォーム温度として評価した。胴部の内外表面温度が85℃〜120℃の場合に、延伸ブロー適性が良好と評価し、85℃未満および120℃以上の場合には、延伸ブロー適性が不良と評価した。
(2)口部発泡:
射出成形金型から取り出されたプリフォームを室温で10〜30秒空冷した後、水冷して発泡を停止させた。その後、口部および胴部の発泡有無を、目視あるいは電子顕微鏡による断面観察により確認した。
口部にまったく発泡セルが見られない場合を◎(良好)、口部のネジ部には発泡セルが見られないがサポートリング部の肉厚部にごくわずかな発泡セルが見られる場合を○(良)、口部の全般に発泡セルが見られる場合を×(不可)として評価した。
(3)胴部の発泡構造:
上記(2)のプリフォームまたは延伸ブロー成形後のボトルについて、胴部断面の発泡セルの様子を電子顕微鏡で観察した。さらに、発泡層および非発泡層の厚みを評価した。
<実施例1>
PET樹脂を発泡射出機のホッパから投入し、加熱溶融させながら、加熱筒の途中から樹脂量に対して0.13wt%の窒素ガス発泡剤を供給し、射出成形により容器用プリフォームを成形した。この際、充填開始に先立ち金型内を5MPaの高圧エアで満たし(カウンタープレッシャー)、充填完了とほぼ同時に脱圧した。
金型冷却水温度は、口部を20℃、胴部を60℃に設定した。充填保圧は、圧力50MPa、時間11秒(この内、充填時間は2.2秒)とし、保圧完了後の金型内での冷却時間は0.5秒とした。プリフォーム成形条件を表1に示す。
射出成形後、金型から取り出した直後から胴部において発泡が開始する様子が観察できた。そのプリフォームを室温で20秒間保持し、プリフォーム表面温度を測定するとともに、水冷して発泡を停止し断面観察を行った。ボトル成形する場合には、同様に金型から取出してから室温で20秒保持し、次いでただちに延伸ブロー成形機にてボトル形状の容器を成形した。
プリフォームの評価結果を表2に、外観を図6に示す。プリフォームの胴部温度は85℃〜120℃の範囲内であり、ブロー適性は良好だった。また、図6―A)の外観写真にから明らかのように、口部には発泡セルがまったく見られず、胴部には発泡セルが形成されていた。その発泡構造は、外面および内面にそれぞれ1.07mm、1.0mmの非発泡層が形成され、その間の中心部に1.44mmの発泡層が形成されていた。また、発泡層は中心部に200μm程度の大きな気泡が存在し、内外面の非発泡層との境界付近には100μm程度の小さな気泡が存在していた。
延伸ブロー後のボトルの写真を図7に示す。同図から明らかのように、口部はまったく非発泡で胴部および底部が発泡した容器が得られた。胴部の発泡構造は、プリフォームの発泡構造を延伸方向に伸ばしたような構造となっており、内外面に厚い非発泡層が形成され、中心部の発泡層は中心部ほど延伸方向に長い気泡が形成されていた。外面に存在する厚い非発泡層の存在により、表面平滑で光沢感のある外観を有していた。
<実施例2>
押出機先端部の温度を実施例1よりも15℃低く設定(290℃)し、金型冷却水温度を口部10℃、胴部50℃とし、充填保圧時間を8秒、金型内冷却時間を0秒、プリフォーム取り出し後の室温保持時間を10秒とした以外は実施例1と同様にプリフォームおよびボトルを成形した。
プリフォームの評価結果を表2に、外観を図6に示す。
プリフォームの胴部温度は85℃〜120℃の範囲内であり、ブロー適性は良好だった。図6―B)の外観写真にから明らかのように、口部のネジ部には発泡セルがみられず、胴部には発泡セルが形成されていた。また、図8に示すように、プリフォームの胴部発泡構造は、内外面に厚い非発泡層、中心部に発泡セルが形成され、中心部ほど大きな発泡セルが形成されていた。中心部および非発泡層との境界付近の発泡セルの大きさは、それぞれ約100μm、約30μmだった。
延伸ブロー後は、口部が非発泡で胴部と底部が発泡したボトルが得られた。その胴部の発泡構造は、内外面に厚い非発泡層が形成され、中心部の発泡層は中心部ほど延伸方向に長い気泡が形成されていた。外面に存在する厚い非発泡層の存在により、表面平滑で光沢感のある外観を有していた。
<実施例3>
充填保圧時間を6秒とした以外は実施例2と同様にして、プリフォームおよびボトルを成形した。
延伸ブロー適性は良好、口部の発泡がなく胴部と底部が発泡したプリフォームが得られた。プリフォームの胴部発泡構造は、内外面に厚い非発泡層、中心部に発泡層が形成され、中心部ほど大きな発泡セルが形成されていた。中心部および非発泡層との境界付近の発泡セルの大きさは、それぞれ約250μm、約40μmだった。
延伸ブロー後は、口部が非発泡で胴部と底部が発泡したボトルが得られた。その胴部の発泡構造は、内外面に厚い非発泡層が形成され、中心部の発泡層は中心部ほど延伸方向に長い気泡が形成されていた。外面に存在する厚い非発泡層の存在により、表面平滑で光沢感のある外観を有していた。
<比較例1>
充填保圧圧力を20MPaとした以外は実施例3と同様にして、プリフォームを成形した。なお、充填保圧圧力20MPaは、発泡剤を含まない非発泡プリフォームを成形する時の標準的な圧力範囲であり、格別低い圧力ではない。
プリフォームの評価結果を表2に、外観を図6に示す。プリフォームの胴部温度は85℃〜120℃の範囲内であり、ブロー適性は良好だったが、図6―C)の外観写真にから明らかのように、口部を含むプリフォーム全体が発泡していた。胴部の発泡状態は良好だったが、口部が発泡しており、外観が悪いのみならず、密封性や寸法安定性が懸念された。
<比較例2>
金型冷却水温度を口部20℃、胴部25℃とした以外は、実施例3と同様にして、プリフォームを成形した。
プリフォームの口部は発泡しておらず良好だったが、胴部の発泡セルは実施例1〜3と比較して少なかった。また、胴部の内外表面温度が85℃未満であり、延伸適性が不適であった。
<比較例3>
充填開始に先立ち金型内を高圧ガスで満たさなかった以外は、実施例3と同様にして、プリフォームを成形した。
プリフォームの口部には、表面にいわゆるスワールマーク不良があり、口部の内部には発泡セルが存在していた。金型への射出充填中に発泡が生じてしまい、その後の保圧力を作用させても発泡の抑制が不十分だったと考えられる。
<比較例4>
充填保圧時間を4秒とした以外は、実施例3と同様にして、プリフォームを成形した。
プリフォームにおいて、胴部の延伸ブロー適性および発泡状態は良好であったが、口部に気泡の発生がみられた。
<比較例5>
口部の金型温度を50℃とした以外は、実施例3と同様にして、プリフォームを成形した。
プリフォームにおいて、胴部の延伸ブロー適性および発泡状態は良好であったが、口部に気泡の発生がみられた。
1:射出金型
3:シェル金型
(3a:口部金型、3b:成形部金型)
5:コア金型
7:キャビティ
9:射出ノズル
10:ガス口
50:プリフォーム
52:成形部
60:発泡延伸容器
63:胴部
65:底部
A:球形状発泡セル
B:偏平状発泡セル
、X:発泡層
Y,Z:非発泡層

Claims (14)

  1. 口部と該口部に連なる成形部とを有する樹脂一体成形品からなり、
    前記成形部は、発泡セルを有する発泡領域となっており、前記口部は、発泡セルが存在しない非発泡領域となっていると共に、
    発泡セルが存在する前記発泡領域では、器壁の中心部に位置する発泡セルが最も大きな径を有し、中心部に位置する発泡セルに比して、器壁の内面側及び外面側に位置する発泡セルの径が小径となっていることを特徴とする容器用発泡プリフォーム。
  2. 前記発泡領域において、器壁の内面側及び外面側には、発泡セルが存在しない非発泡層が形成されている請求項1に記載の容器用発泡プリフォーム。
  3. 前記発泡領域において、器壁の外面側の非発泡層の厚みが、器壁の内面側の非発泡層の厚みよりも厚い請求項1または2に記載の容器用発泡プリフォーム。
  4. 前記発泡領域において、器壁の厚みが2.5mm以上であり、該発泡領域に形成されている内面側及び外面側の非発泡層の合計厚みが、該発泡領域での器壁の厚みの20乃至70%の範囲にある請求項1乃至3の何れかに記載の容器用発泡プリフォーム。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載の容器用発泡プリフォームを延伸成形して得られ、該プリフォームの成形部から成形された胴部及び底部が発泡セルを有する発泡領域となっており、口部が発泡セルが存在しない非発泡領域となっており、
    発泡セルが存在する発泡領域では、容器壁の中心部に位置する発泡セルが最も長い長さを有し、中心部に位置する発泡セルに比して、内面側及び外面側に位置する発泡セルの長さが短いものとなっていることを特徴とする発泡延伸プラスチック容器。
  6. 前記発泡領域において、容器壁の内面側及び外面側には、発泡セルが存在しない非発泡層が形成されている請求項5に記載の発泡延伸プラスチック容器。
  7. 前記発泡領域において、容器壁の外面側の非発泡層の厚みが、容器壁の内面側の非発泡層の厚みよりも厚い請求項6に記載の発泡延伸プラスチック容器。
  8. 前記発泡領域において、容器壁の厚みが0.3mm以上であり、該発泡領域に形成されている内面側及び外面側の非発泡層の合計厚みが、該容器壁の厚みの20乃至70%の範囲にある請求項7に記載の発泡延伸プラスチック容器。
  9. 不活性ガスが含浸されている樹脂溶融物を、金型キャビティ内に射出充填しての成形により口部と口部に連なる成形部とを有する形状の容器用発泡プリフォームを製造する方法において、
    前記金型キャビティを形成する金型として、前記口部に対応する部分が前記成形部に対応する部分に比して冷却能力が高く設定されている金型を使用し、
    前記樹脂溶融物の前記金型キャビティ内への射出充填は、前記金型キャビティ内を高圧に保持し且つ発泡が生じないように保圧をかけながら行われ、
    前記口部は、前記保圧を解除した後にも発泡が生じないように前記金型によって強冷却され、
    前記成形部は、前記保圧を解除した後に樹脂温によって器壁中心部分から発泡が生じ得るように弱冷却されることを特徴とする容器用発泡プリフォームの製造方法。
  10. 前記保圧を解除した後、前記金型キャビティ内からの該プリフォームの取り出し時には、前記成形部については、その器壁中心部分は発泡可能且つ延伸可能な温度に保持されており、該プリフォームを該金型キャビティ内からの取り出しと同時に該成形部の中心部分から発泡が開始する請求項9に記載の容器用発泡プリフォームの製造方法。
  11. 前記保圧を解除した後、前記金型キャビティ内からの該プリフォームの取り出し時には、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は発泡が生じない温度に冷却されており、該プリフォームを該金型キャビティ内から取り出した後、中心部からの伝熱によって、該中心部から外表面側及び内表面側に向かって発泡が進行して行く請求項10に記載の容器用発泡プリフォームの製造方法。
  12. 少なくとも前記金型キャビティ内からの該プリフォームを取り出した後では、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は、中心部からの伝熱によって延伸可能な温度に昇温する請求項10に記載の容器用発泡プリフォームの製造方法。
  13. 前記金型キャビティ内からの該プリフォームを取り出した後においても、該プリフォームの成形部の外表面及び内表面は、発泡が生じない温度に維持される請求項10に記載の容器用発泡プリフォームの製造方法。
  14. 請求項9乃至13の何れかに記載の製造方法により得られたプリフォームを、そのまま延伸成形工程に搬送し、該プリフォームの成形部を延伸成形することを特徴とする発泡延伸プラスチック容器の製造方法。
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