JP2013072489A - 作業機械の軸部シール構造 - Google Patents
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Abstract
変動に伴う軸長手方向のガタツキを防止する軸部シール構造を提供する。
【解決手段】揺動または回動する作業部材20を軸支持機構によって枢結し、作業部材に
取り付けた軸ピン23と、軸ピンに対して回動可能に軸支されたボス部53aと、ボス部
の両側の軸ピンに、該ボス部の端面と所定の間隙G1を介して設置された固定部材21b
と、間隙G1に装着される弾性材料による軸シール部材26とからなり、軸シール部材は
、中心穴26cを有する板状部26aと、該板状部の両面に突出して中心穴の外周部分に
突条に形成された突起部26bとを備え、突起部がボス部の端面及び固定部材の端面に圧
接して間隙の大きさを規制する。
【選択図】図2
Description
て、バケット等の作業部材を揺動可能に保持する軸支持機構での軸部シール構造に関する
。
に使用されるスキッドステアローダやパワーショベルなどが、従来広く知られている。例
えばパワーショベルは、走行装置を備えた車体に、ブーム、アーム及びバケット等の作業
装置を設けて構成され、これら走行装置や作業装置は油圧駆動式のアクチュエータにより
駆動される。
においても、上記掘削作業または移動作業などの作業に伴って、取り扱っている土砂等が
、作業装置の回動部分または摺動部分の微小隙間に接触して、軸部に侵入することに伴う
不具合を未然に防止することが要求される。
ように、ピンシールとOリングを設置することによって土砂等の侵入を防止する構造があ
る。
通穴に、中心軸となる軸ピン23を挿通固定し、このブラケット121の間の軸ピン23
の外周にリンクアーム53の先端の筒状ボス部53aを回動可能に支持する軸支持機構が
採用されている。この筒状ボス部53aの軸受け穴の内周には筒状ブッシュ57を介して
上記軸ピン23が挿通され、ブッシュ57に対して軸ピン23の端部のグリスニップル2
3bからグリス通路23aを経てグリスが供給され、潤滑が行われる。
は環状固定部材121bが設置されて、ボス部53aとブラケット121との間隙が調整
される。また、この筒状ボス部53aの両側における固定部材121bとの間に形成され
る微小隙間に異物が侵入するのを防止するために、固定部材121bの外周部に凹状溝1
25を形成し、この凹状溝125にOリング126を装着するシール構造が採用されてい
る。また、ボス部53aの内周の軸受け穴の端部には、ピンシール58(ダストシール)
が装着され、軸ピン23外周とブッシュ57との摺動隙間に土砂等の異物が侵入するのを
防止する構造が採用されている(後述の図3参照)。
軸支持機構において、その筒状ボス部の両側のブラケットとの間に形成される間隙の大き
さを調整するために、円板状のシムを介装するとともに、このシムの部分に土砂などの異
物が侵入しないように、外周部に凹状溝を設け、同様にOリングを設置する軸部シール構
造が採用されている。また、ブラケットにおける軸支穴と軸ピン外周とのシールを行うた
めに、ブラケットの軸支穴の内周面に溝を設けてOリングを装着することも提案されてい
る。
とリンクアーム53の筒状ボス部53aとの間隙が、摩耗または変形により大きくなれば
、リンクアーム53に対して作業部材20が軸長手方向に動いてガタつくことになり、そ
れに伴ってOリング126が凹状溝125から外側へ逃げ、シール性が低下する場合があ
る。そして、土砂等の異物が、ボス部53aと固定部材121bとの隙間、及びボス部5
3aと軸ピン23の外周との隙間からブッシュ57の部分へ侵入し、揺動性、潤滑性が損
なわれる恐れがある。
、作業部材(バケット)側にOリング溝を追加工しなければならないので、製造コストが
上昇する問題を有している。さらに、ボス部の軸方向移動、つまりガタツキをシムで調整
するので、異なる厚みのシムを用意する必要があるなどのシム調整の工数がかかる問題を
有している。
て、摺動間隙への土砂等の異物の侵入を防止し、かつ、ボス部と固定部材との間隙の変動
に伴う軸長手方向のガタツキを防止するようにした作業機械の軸部シール構造を提供する
ことを目的とする。
する作業部材(例えば、実施形態における作業部材20)を軸支持機構によって枢結した
作業装置を有する作業機械において、
前記作業部材に取り付けられた軸ピン(例えば、実施形態における軸ピン23)と、前
記軸ピンに対して回動可能に軸支されたボス部(例えば、実施形態におけるボス部53a
)と、前記ボス部の両側の前記軸ピンに、該ボス部の端面と所定の間隙(例えば、実施形
態における間隙G1)を介して設置された固定部材(例えば、実施形態における固定部材
21b)と、前記間隙に装着される弾性材料による軸シール部材(例えば、実施形態にお
ける軸シール部材26)とからなり、
前記軸シール部材は、中心穴(例えば、実施形態における中心穴26c)を有する板状
部(例えば、実施形態における板状部26a)と、該板状部の両面に突出して前記中心穴
の外周部分に突条に形成された突起部(例えば、実施形態における突起部26b)とを備
え、
前記突起部が前記ボス部の端面及び前記固定部材の端面に圧接して前記間隙の大きさを
規制することを特徴とする。
前記軸ピンの外径より所定量小さく設定されていることが好ましい。
例えば、実施形態におけるブッシュ57)が装着され、該ブッシュの端部に軸ピンの周面
に摺接するピンシール(例えば、実施形態におけるピンシール58)が設置されているこ
とが好ましい。
、実施形態におけるグリス通路23a)により前記ボス部の内周部に潤滑油が供給される
ことが好ましい。
れたブラケット(例えば、実施形態におけるブラケット21)に前記軸ピンが抜け止め及
び回り止め状態で保持されていることが好ましい。
れたボス部と、その両側に設置された固定部材との間の間隙に、突条の突起部を有する弾
性材料による軸シール部材を装着して構成される。このため、作業に伴って土砂等の異物
が上記間隙からボス部の軸支部内に侵入するのを、軸シール部材の突起部の頂部が両側の
ボス部及び固定部材の端面に圧接して間隙をシールすることで防止できる。また、軸シー
ル部材の突起部がボス部の端面及び固定部材の端面に圧接することで間隙の大きさを規制
することができ、間隙の拡大に伴うボス部の軸長手方向への移動によるガタツキの発生を
阻止することができる。このようにOリングを使用することなく、低コストで土砂等の異
物の侵入防止と、ボス部の軸方向へのガタツキの増大を防止するという両方の効果を得る
ことができる。
前記軸ピンの外径より所定量小さく設定されていることが好ましい。このように軸シール
部材の中心穴径を設定した場合には、該中心穴に軸ピンを挿通した際に、中心穴径が広が
って内周面が軸ピンの周面に圧接し、この軸ピン周面のシール性を確保して軸ピン周面に
おける間隙を通って外部から土砂等の異物が侵入するのを防止することができる。
シュが装着され、該ブッシュの端部に軸ピンの周面に摺接するピンシールが設置されてい
ることが好ましい。このように、ボス部にブッシュ及びピンシールを設置した場合には、
ブッシュにより摺動特性が向上し耐久性が高まると共に、ピンシールによって軸ピン外周
面のシール性が向上し、ブッシュに対する異物の侵入をさらに防止することができる。
記ボス部の内周部に潤滑油が供給されることが好ましい。このように、グリス通路を形成
して潤滑油を供給した場合には、ボス部の軸ピンに対する潤滑特性を確保できるとともに
、供給された潤滑油が軸ピンの周囲を伝わって軸シール部材に到達し、この軸シール部材
とボス部との摺接部分の潤滑性を得て、摩耗の発生を抑制し耐久性を高めることができる
。
れたブラケットに前記軸ピンが抜け止め及び回り止め状態で保持されていることが好まし
い。このように、バケットに軸ピンを固着してボス部に対して揺動するように軸支持機構
を構成した場合には、バケットの揺動作動に伴って軸ピンがバケットに対して回動しない
ので、バケットと軸ピン間の揺動支持構造が不要であり、バケットに対する支持ピン取付
けの必要強度の確保が容易に行える。
用した軸部シール構造を有する軸支持機構が設置されている作業機械の一例としてパワー
ショベルの作業装置10を示している。
能に保持する作業アーム30と、該作業アーム30を起伏揺動可能に保持する作業ブーム
40と、作業部材20を揺動駆動する第1のアクチュエータ50(油圧シリンダ)と、作
業アーム30を揺動駆動する第2のアクチュエータ60(油圧シリンダ)とを備えている
。
基端部は、例えば、左右に走行機構が設けられて走行する走行台車(車体)の上部に旋回
可能に設けられた旋回台の前部に連結されてなり、この作業装置10を旋回台の上部に立
設された運転者搭乗用のオペレータキャビンによって作動操作するように作業機械が設置
されている。本発明の軸部シール構造は、各種の作業機械に適用可能である。
平行に伸びる板状のブラケット21が固着されている(図2参照)。このブラケット21
の先端側に、作業部材20の揺動中心となる軸ピン22が配設され、該軸ピン22によっ
て作業アーム30の先端部が枢結されている。ブラケット21の他端側に、作業部材20
を揺動操作するための軸ピン23が設置され、第1のリンクアーム53の先端部が枢結さ
れている。
0の伸縮ロッド51の先端部に枢結されるとともに、上記軸ピン52によって第2のリン
クアーム54の基端部も第1のアクチュエータ50の伸縮ロッド51の先端部に枢結され
る。第2のリンクアーム54の先端部は、軸ピン33によって作業アーム30の先端部近
傍に枢結されている。
形のリンク機構が形成され、第1のアクチュエータ50の伸縮ロッド51の伸縮動作に応
じて、作業部材20(バケット)がブラケット21の先端側の軸ピン22を中心として揺
動するように構成されている。
ブラケット31の前端部側に前記第1のアクチュエータ50の基端部が軸ピン32によっ
て枢結され、作業アーム30の外側に略平行に第1のアクチュエータ50が配設されてい
る。なお、作業アーム30は、鋼板を適宜組み合わせることによって中空の角柱状に構成
されている。
より枢結され、この作業アーム30の取付けブラケット31の基端部側に第2のアクチュ
エータ60の伸縮ロッド61の先端部が軸ピン62によって枢結されている。そして、第
2のアクチュエータ60の伸縮ロッド61の伸縮動作に応じて、作業アーム30が作業ブ
ーム40の先端側の軸ピン41を中心として揺動するように構成されている。
3の先端部の筒状ボス部53aと作業部材20のブラケット21の軸支持機構を説明する
。
、作業部材20(バケット)に固着されたブラケット21とが、軸ピン23によって揺動
可能に枢結された軸支持機構を示し、この軸支持機構には本発明の軸シール構造が設置さ
れている。さらに、図3は図2のB部拡大図であり、軸シール部分の詳細を示している。
に円筒状のブッシュ57が中間部に間隙を有して両側に嵌装され、両ブッシュ57の外端
部にはそれぞれピンシール58(ダストシール)が装着されている。
のブラケット21に形成された貫通穴に回動中心軸となる軸ピン23が挿通固定される。
aが固着され、この係止部材21a及び軸ピン23の端部に直径方向にボルト24が装着
されて締結される。このボルト24によって、軸ピン23は抜け止めが施されるとともに
、ブラケット21に対して回り止めが施されている。
、両側の固定部材21bの間の軸ピン23に、それぞれ後述の軸シール部材26を介して
第1のリンクアーム53の先端ボス部53aが相対的に回動自在に保持される。その潤滑
構造は、軸ピン23の一端中心部から両側のブッシュ57の間に連通するグリス通路23
aが形成され、端部に設置されたグリスニップル23bから潤滑油(グリス)が供給され
る。なお、上記潤滑油の一部は、ピンシール58を越えて外側の軸シール部材26の部分
に到達し、この軸シール部材26(突起部26b)とボス部53aの側端面との間の潤滑
も行うようになっている。
23の外周面に摺接し、このピンシール58より内側のブッシュ57の内周面と軸ピン2
3の外周面との摺動間隙に異物が侵入しないようにシール機能を得ている。
盤状に形成され、図3に示すように、円環板状部26aの中間部には表裏両面に円環突条
に突出する突起部26bを有してなる。板状部26aの中心部に開口した中心穴26cに
は軸ピン23が挿通されるが、この中心穴26cの自由状態での内径は軸ピン23の外径
より所定量小さく設定され、装着時に中心穴26cが拡大変形して中心穴26cの内周面
が挿入された軸ピン23の周面に圧接してシール機能が得られるように構成されている。
ット21の固定部材21bの端面とボス部53aの側端面との間の間隙G1の寸法より所
定量大きくなるように設定され、装着時にはその軸方向押圧力により突起部26bが圧縮
変形し、その変形に伴う弾性力によって突起部26bの先端頂部が固定部材21bの端面
及びボス部53aの側端面に圧接し、シール機能を確保しつつ、上記間隙G1を保持する
ようにシムと同様の機能を有する。
との間の隙間G2を通って侵入する土砂等の異物に対するシールも行うようになっている
。
ねるものであり、作業部材20と第1のリンクアーム53のボス部53aとが軸ピン23
の軸方向に所定量以上に相対移動しないように、軸シール部材26の材質(弾性率)、突
起部26bの高さが設定されている。
30を揺動駆動させるとともに、これと連係して第1のアクチュエータ50を伸縮作動し
て作業部材20を揺動駆動させることにより、作業部材20(バケット)により掘削など
の作業を行う。
21との軸ピン23による軸支持機構に付着して、図3に矢印Dで示すように、ブラケッ
ト21の固定部材21bの端面とボス部53aの側端面との間の間隙G1に侵入しようと
するが、軸シール部材26の突起部26bが固定部材21bの端面及びボス部53aの側
端面に圧接していることで、この突起部26bより内側の間隙G1に侵入することが阻止
され、軸ピン23の周面とブッシュ57の内周面との摺動部分に介在することなく、その
摺動性が阻害されるのを防止できる。また、ブッシュ57に端部に設置したピンシール5
8のシール性によっても、ブッシュ57と軸ピン23との摺接部分への異物の侵入が阻止
される。
から侵入する土砂等の異物に対しては、シール部材26の中心穴26cが軸ピン23の外
周に圧接していることでブッシュ57の部分への侵入が阻止でき、さらにピンシール58
によっても侵入が阻止される。
ュ57の部分への土砂等の侵入を防止し、かつ、軸シール部材26が上記間隙G1の大き
さを調整することで、作業部材20と第1のリンクアーム53との軸方向の移動が規制で
き、所定量以上に間隙G1が大きくなることを防止できる。
伴ってOリングが外側へ逃げるようなことによるシール特性の低下を招くことなく、軸シ
ール部材26による良好なシール性能を維持することができ、Oリング装着溝の形成も不
要であり、低コストで土砂等の異物の侵入防止と、ボス部53aの軸方向へのガタツキの
増大を防止する両方の効果を期待することができる。
している。例えば、上記実施形態では、作業部材20としてバケットの例を示しているが
、その他の作業機械における作業部材に対して適用可能であり、その揺動または回動動作
のための軸支持機構に対して、固定部材とボス部との間隙に環状突起部を有する軸シール
部材を設置することで、同様の機能を得ることができる。
20 作業部材
21 ブラケット
21a 係止部材
21b 固定部材
23 軸ピン
23a グリス通路
23b グリスニップル
24 ボルト
26 軸シール部材
26a 板状部
26b 突起部
26c 中心穴
30 作業アーム
40 作業ブーム
50 第1のアクチュエータ
51 伸縮ロッド
53 第1のリンクアーム
53a ボス部
54 第2のリンクアーム
57 ブッシュ
58 ピンシール
60 第2のアクチュエータ
G1 間隙
Claims (5)
- 揺動または回動する作業部材を軸支持機構によって枢結した作業装置を有する作業機械
において、
前記作業部材に取り付けられた軸ピンと、
前記軸ピンに対して回動可能に軸支されたボス部と、
前記ボス部の両側の前記軸ピンに、該ボス部の端面と所定の間隙を介して設置された固
定部材と、
前記間隙に装着される弾性材料による軸シール部材とからなり、
前記軸シール部材は、中心穴を有する板状部と、該板状部の両面に突出して前記中心穴
の外周部分に突条に形成された突起部とを備え、
前記突起部が前記ボス部の端面及び前記固定部材の端面に圧接して前記間隙の大きさを
規制することを特徴とする作業機械の軸部シール構造。 - 前記軸シール部材の中心穴は、該中心穴に挿通される前記軸ピンの外径より所定量小さ
く設定されていることを特徴とする請求項1記載の作業機械の軸部シール構造。 - 前記ボス部の内周には前記軸ピンとの間にブッシュが装着され、該ブッシュの端部に軸
ピンの周面に摺接するピンシールが設置されていることを特徴とする請求項1または2記
載の作業機械の軸部シール構造。 - 前記軸ピンの端部から形成されたグリス通路により前記ボス部の内周部に潤滑油が供給
されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の作業機械の軸部シール構造。 - 前記作業部材がバケットであり、該バケットに固着されたブラケットに前記軸ピンが抜
け止め及び回り止め状態で保持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
記載の作業機械の軸部シール構造。
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