JP2013071999A - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】外観に優れた発泡成形体を製造でき、予備発泡時に高倍化が可能で、しかもブロッキングが少ない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤が含浸されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡剤を含むポリスチレン系樹脂粒子からなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法に関し、可塑剤を添加することにより容易に高倍発泡が可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法の一つとして、懸濁重合法やシード重合法によって水系媒体中でスチレン系単量体を重合してポリスチレン系樹脂粒子を得、さらにオートクレーブ中で該ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る含浸法が知られている。
また、従来の含浸法において、ポリスチレン系樹脂粒子にシクロヘキサンやアジピン酸ジイソブチルのような可塑剤を含有させる技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
ポリスチレン樹脂粒子に前記可塑剤を含有させることにより樹脂が軟化し易くなり、発泡時に高い発泡倍数での発泡体の製造、すなわち高倍化が可能となっている。
特許文献1には、ポリスチレン、スチレンの共重合体又はスチレンのグラフト重合体からなる樹脂の粒子中に、該樹脂の軟化点より低い沸点を持った脂肪族炭化水素又は環式脂肪族炭化水素を、該樹脂に対して1〜15重量%と、アジピン酸ジイソブチルを0.2〜3.0質量%含ませたことを特徴とする、発泡性熱可塑性樹脂粒子が開示されている。
特許文献2には、残留スチレンモノマーが0.1重量%以下であり,芳香族系溶剤の合計が0.2重量%以下であり,常温で液体のパラフィン類または沸点が200℃未満でないエステル類から選ばれた少なくとも1種以上の可塑剤0.1〜5重量%,及び発泡剤を含有することを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子が開示されている。
特許第3292634号公報 特開2002−356575号公報
しかしながら、前記従来技術には次のような問題がある。
アジピン酸ジイソブチルのような可塑剤をポリスチレン系樹脂粒子に含有させる場合、優れた成形品外観を得ることはできるが、十分に高倍化できない。高倍化を行うために可塑剤の配合量を増量すると、予備発泡時のブロッキングが増加し、さらに発泡成形時に表面トケが発生する問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされ、外観に優れた発泡成形体を製造でき、予備発泡時に高倍化が可能で、しかもブロッキングが少ない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供を課題としている。
前記課題を達成するため、本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤が含浸されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記可塑剤が、アジピン酸エステル系の可塑剤であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記可塑剤がアジピン酸ジイソブチルであることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、スチレンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素をさらに含むことが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記脂肪族炭化水素を樹脂100質量部に対し0.2〜2.0質量部の範囲内で含むことが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記脂肪族炭化水素がシクロヘキサンであることが好ましい。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
発泡剤とともに、沸点が150℃以上の可塑剤と、沸点が50℃以上の芳香族炭化水素とをポリスチレン系樹脂粒子に含浸させて、前記可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ前記芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記可塑剤が、アジピン酸エステル系の可塑剤であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記可塑剤がアジピン酸ジイソブチルであることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、スチレンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素をさらに含むことが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記脂肪族炭化水素を樹脂100質量部に対し0.2〜2.0質量部の範囲内で含むことが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記脂肪族炭化水素がシクロヘキサンであることが好ましい。
また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を提供する。
前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子は、嵩発泡倍数50倍に予備発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましい。。
また本発明は、請求項24又は25に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡成形体において、発泡倍数50倍に発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれたものなので、加熱して予備発泡させて得られる予備発泡粒子の嵩発泡倍数を高めることができ、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができる。
また外観に優れ、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造することができる。
さらに、発泡時のブロッキングが少なくなる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができ、外観に優れ、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造でき、さらに、発泡時のブロッキングが少ない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤が含浸されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれたことを特徴としている。
なお、本発明において可塑剤、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素の「沸点」とは、1気圧下における沸点のことを指す。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレンを50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレンモノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよく、このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を添加してもよく、添加する樹脂としては、例えば、発泡成形体の耐衝撃性を向上させるために、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を添加したゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンが挙げられる。あるいは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等の脂肪族炭化水素、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)等のクロロフルオロカーボン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン(HFC−32)等のフルオロカーボン、各種アルコール、二酸化炭素、水、及び窒素などの物理発泡剤が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を併用して使用することができる。これらのうち、特に好ましい発泡剤としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンが挙げられる。発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂100質量部に対して1〜15質量部の範囲とされ、より好ましくは3〜12質量部の範囲とされる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる沸点が150℃以上の可塑剤としては、エステル系の可塑剤であることが好ましく、その中でもアジピン酸ジイソブチル、アジピン酸イソノニル、アジピン酸ジオクチルなどのアジピン酸エステルがより好ましく、特にアジピン酸ジイソブチル(DIBA)が好ましい。前記可塑剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記可塑剤の含有量は、樹脂100質量部に対し0.2〜3質量部の範囲であり、0.3〜2質量部の範囲であることがより好ましい。可塑剤の含有量が前記範囲よりも少ないと、可塑剤による可塑効果が十分に得られなくなり、高い発泡倍数の予備発泡粒子を得ることが困難、軽量で十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造することが難しくなる。可塑剤の含有量が前記範囲よりも多くなると、得られる発泡成形体の機械的強度が低下し、また発泡成形体の外観が悪くなるおそれがある。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる沸点が50℃以上の芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、スチレンからなる群から選択される1種又は2種以上であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素の含有量は、樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内であり、0.35〜1.0質量部の範囲内であることが好ましい。芳香族炭化水素の含有量が前記範囲よりも少ないと、得られる発泡成形体の外観が悪くなるおそれがある。芳香族炭化水素の含有量が前記範囲よりも多いと、発泡成形体にトケが生じて発泡成形体の外観が悪くなるおそれがある。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、前記可塑剤と芳香族炭化水素に加えて、沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素をさらに含有させることが好ましい。沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素としては、炭素数6〜12の範囲の直鎖又は分岐脂肪族炭化水素、脂環状炭化水素などが挙げられ、特にシクロヘキサンが好ましい。
前記脂肪族炭化水素の含有量は、樹脂100質量部に対し3質量部以下であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、発泡核剤、架橋剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等の添加剤を添加してもよく、又、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記発泡性スチレン樹脂粒子の表面に塗布しておけば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡工程においてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒径は、特に限定されないが、通常は0.5〜3.0mmの範囲が好ましく、0.7〜2.0mmの範囲がより好ましい。また、粒子の形状は、特に限定されないが、球状乃至略球状であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれたものなので、加熱して予備発泡させて得られる予備発泡粒子の嵩発泡倍数を高めることができ、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができる。
また外観に優れ、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造することができる。
さらに、発泡時のブロッキングが少なくなる。
(発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法)
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法に用いられるポリスチレン系樹脂粒子としては、例えば、次の(1)〜(3)の製造方法で得られたポリスチレン系樹脂粒子を使用できる。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔から発泡剤混合樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法(水中カット法などとも称される)。
前記(1)懸濁重合法及び(2)シード重合法で用いるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体を主成分とし、スチレン系単量体を通常、50質量%以上、好ましくは80質量%以上含む。これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが特に好ましい。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
また(2)シード重合法で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する場合、前記懸濁重合法により得られるポリスチレン系樹脂粒子を種粒子として使用したり、ポリスチレン系樹脂を押出機によりあらかじめ所望の粒子径に調整した後、種粒子として使用しても良い。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。この再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練してリペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
本発明において、使用するポリスチレン系樹脂の分子量は、GPC法による質量平均分子量(Mw)が17万〜70万であるのが好ましい。ポリスチレン系樹脂の分子量が17万を下回ると、最終的に得られる発泡成形体の強度が低下し、また70万を上回ると充分な発泡性が得られ難くなるので好ましくない。
前記(1)懸濁重合法および(2)シード重合法で使用する重合開始剤としては、通常、スチレンの懸濁重合において用いられるものであれば特に限定されず、例えばラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
前記(1)懸濁重合または(2)シード重合を行う際に、スチレン系単量体の小滴または種粒子を水系媒体中に分散させるために、懸濁剤を用いてもよい。懸濁剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。なお、難水溶性無機化合物を用いる場合にはアニオン界面活性剤を併用するのが好ましい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。
前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子は、発泡剤、可塑剤、芳香族炭化水素、及び必要に応じて加えられる脂肪族炭化水素やその他の添加剤を含浸させることによって、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
発泡剤、可塑剤、芳香族炭化水素などの含浸方法は特に限定されないが、先にポリスチレン系樹脂粒子に可塑剤と芳香族炭化水素とを含浸させ、次いで発泡剤を含浸させる方法が好ましい。また、これらの含浸は、水系媒体存在下、オートクレーブなどの耐圧容器内で行うことが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができ、外観に優れ、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造でき、さらに、発泡時のブロッキングが少ない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を効率よく製造することができる。
(ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体)
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき発泡成形体の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積VcmをJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、ポリスチレン系樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)を製造する。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm
[実施例1]
(スチレン系重合体種粒子の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にリン酸三カルシウム(大平化学社製)120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4g、過酸化ベンゾイル(純度75%)140g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート30g、イオン交換水40kg及びスチレン単量体40kgを投入した後、100rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、攪拌羽を100rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.5〜0.7mmで重量平均分子量が30万のスチレン系重合体種粒子を得た。
(発泡性スチレン系樹脂粒子の作製)
次いで、内容積50リットルの攪拌機付オートクレーブに上記のスチレン系重合体種粒子5.2kg、蒸留水19.5kg、ピロリン酸マグネシウム161g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.8gを入れ、撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水2000g、ピロリン酸マグネシウム36g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3.6g及びスチレン1350gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を72℃に保持した反応器に添加し、15分間ポリスチレン粒子にスチレンを吸収させた。
続いて、重合開始剤として過酸化ベンゾイル(純度75%)61g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート26.5gをスチレン1000gに溶解し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8g、蒸留水2000gと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を72℃に保持した反応器に加えた。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から60分間、反応器内温度を72℃に保持し、スチレン樹脂種粒子にスチレンと重合開始剤を吸収させた後、スチレン15kgを反応器内に連続的に3時間で供給するとともに、スチレン供給終了時に109℃となるように反応器内温度を連続的に昇温した。
引き続き120℃まで昇温して60分保持した後、蒸留水700gにピロリン酸マグネシウム22g、ドデシルベゼンスルホン酸ナトリウム0.4gに発泡助剤としてエステル系可塑剤としてアジピン酸ジイソブチル(沸点:293℃)180g、沸点50℃以上の芳香族炭化水素としてトルエン(沸点:110.6℃)105g、沸点50℃以上の脂肪族炭化水素としてシクロヘキサン(沸点:80.7℃)305gを加えてホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を反応器内に圧入した。その後、100℃まで冷却して、発泡剤であるブタン(イソブタン:ノルマルブタン=30:70(質量比))2100gを圧入して100℃で2時間保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。発泡性ポリスチレン粒子の洗浄時に、JIS1000μm篩を通過しない合着粒子、及びJIS500μm篩を通過する微粉末状重合体を除き、その重量を各々測定した。さらに発泡後の気泡径が完全に安定するまで15℃で3日間熟成させて、メジアン径0.85mmの発泡性スチレン系重合体粒子を得た。
(発泡性スチレン系樹脂粒子の被覆)
この発泡性スチレン系重合体粒子5kgを松坂貿易社製レーディゲミキサーM20型(内容量20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛4.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド3g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し、230rpmで3分間攪拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール1.5g、100csであるジメチルポリシロキサン1.0gを投入し230rpmで5分間攪拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
(予備発泡粒子の製造)
続いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子(以下、ビーズと記す場合がある)を円筒型バッチ式予備発泡機に供給して、吹き込み圧0.05MPaの水蒸気により加熱し、予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子は、嵩密度0.017g/cm(嵩発泡倍数60倍)であった。
(発泡成形品の製造)
続いて、得られた予備発泡粒子を室温雰囲気下、24時間に亘って放置した後、長さ400mm×幅300mm×高さ25mmの長方形状のキャビティを有する成形型内に予備発泡粒子を充填し、成形スチーム圧0.06〜0.10MPa(ゲージ圧力)、金型加熱3秒、一方加熱10秒、逆一方加熱3秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で成形を行った。得られた発泡性形体は密度0.017g/cm(発泡倍数60倍)であった。
このようにして作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体について、以下の各測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
<発泡性の測定>
<発泡性の測定>
得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性を調べる為に、発泡槽の中で発泡スチーム圧0.01MPa(ゲージ圧力)の蒸気にて発泡させた。その時の加熱時間を2分、5分、10分と変えて発泡させ、この発泡粒2gをメスシリンダーに入れて体積を測り、質量2gで除して見かけの発泡倍数(cm3/g)を求めた。
加熱時間を2分、5分、10分と変えて発泡させた見かけの発泡倍数の最大値を次の評価基準:
最大の発泡倍数が80倍以上を特に良好(◎)
最大の発泡倍数が65倍以上80倍未満を良好(○)
最大の発泡倍数が65倍未満を不良(×)
に基づき評価した。
<予備発泡時のブロッキング発生率の測定・評価>
予備発泡粒子の製造の際に、樹脂粒子同士が集塊した、いわるゆブロッキング粒子を目開き10mmの篩を用いて分離し、重量を測定して、投入した全量の重量で除して、ブロッキングの発生率として求め、次の評価基準:
1%未満を特に良好(◎)
1%以上1.5%未満を良好(○)
1.5%以上を不良(×)
に基づき評価した。
<発泡成形品の外観評価>
発泡成形品の外観を目視にて評価した。成形圧0.6k。0.8k、1.0kでそれぞれ次の評価基準:
成形品表面の発泡粒子が接合した境界部分が非常に平滑である場合を特に良好(◎)
成形品表面の発泡粒子が接合した境界部分の平滑がやや劣る場合を良好(○)
成形品表面の発泡粒子の境界部分に凹凸があり平滑性が劣る、または成形品表面の一部が溶融してしまった場合を不良(×)
に基づき、外観を評価した。
また、成形品表面の一部が溶融してしまったものは表1に(トケ)と記載した。
<総合評価>
総合評価は発泡性、外観(3つ)、ブロッキングの合計5つの評価が次の評価基準:
×がなく、◎が3つ以上を特に良好(◎)
×がなく、◎が3つ未満を良好(○)
×が一つでもあるものを不良(×)
に基づき評価を行った。
[実施例2]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にアジピン酸ジイソブチル79g、トルエン92g、シクロヘキサン79gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例3]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にアジピン酸ジイソブチル510g、トルエン130g、シクロヘキサン630gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例4]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にトルエン255gを用い、シクロヘキサンは使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例5]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にトルエンの代わりにエチルベンゼン(沸点:136℃)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例6]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にトルエンの代わりにスチレン(沸点:145℃)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[実施例7]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にアジピン酸ジイソブチルの代わりにグリセリンジアセトモノラウレート(沸点:401.6℃、理研ビタミン社製、商品名「リケマールPL−102」)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例1]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にアジピン酸ジイソブチル27g使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例2]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にアジピン酸ジイソブチル880g使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例3]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にトルエン55g使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
[比較例4]
実施例1の発泡性スチレン系樹脂粒子の作製時にトルエン550g使用したこと以外は実施例1と同様の方法で発泡成形体を製造し、同様の測定・評価を行った。その結果を表1に記す。
Figure 2013071999
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜7は、加熱して予備発泡させて得られる予備発泡粒子の嵩発泡倍数を高めることができ、高発泡倍数の発泡成形体を得ることができる。また外観に優れ、十分な機械的強度を有する発泡成形体を製造することができる。さらに、発泡時のブロッキングが少なくなる。
一方、可塑剤(アジピン酸ジイソブチル)の含有量を樹脂100質量部に対して0.1質量部とした比較例1は、発泡成形体を製造する際に低圧で成形した場合に外観不良となった。
また可塑剤の含有量を樹脂100質量部に対して3.5質量部とした比較例2は、ブロッキングを生じやすかった。また発泡成形体を製造する際にトケが発生して外観不良となった。
また芳香族炭化水素の含有量を樹脂100質量部に対して0.2質量部とした比較例3は、発泡成形体を製造する際に低圧で成形した場合に外観不良となった。
また芳香族炭化水素の含有量を樹脂100質量部に対して2.0質量部とした比較例4は、発泡性が不良となった。また発泡成形体を製造する際にトケが発生して外観不良となった。
本発明は、溶融押出法による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関し、高発泡倍数で機械強度に優れた発泡成形体を得ることが可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及びポリスチレン系樹脂発泡成形体に関する。

Claims (18)

  1. ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤が含浸されてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    沸点が150℃以上の可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ沸点が50℃以上の芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 前記可塑剤が、アジピン酸エステル系の可塑剤である請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 前記可塑剤がアジピン酸ジイソブチルである請求項2に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、スチレンからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  5. 沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  6. 前記脂肪族炭化水素を樹脂100質量部に対し0.2〜2.0質量部の範囲内で含む請求項5に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  7. 前記脂肪族炭化水素がシクロヘキサンである請求項5又は6に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  8. ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る製造方法であって、
    発泡剤とともに、沸点が150℃以上の可塑剤と、沸点が50℃以上の芳香族炭化水素とをポリスチレン系樹脂粒子に含浸させて、前記可塑剤が樹脂分100質量部に対して0.2〜3.0質量部の範囲内で含まれ、かつ前記芳香族炭化水素が樹脂100質量部に対して0.3質量部を超え1.5質量部までの範囲内で含まれた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  9. 前記可塑剤が、アジピン酸エステル系の可塑剤である請求項8に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  10. 前記可塑剤がアジピン酸ジイソブチルである請求項9に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  11. 前記芳香族炭化水素が、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、スチレンからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項8〜10のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  12. 沸点が50℃以上の脂肪族炭化水素をさらに含む請求項8〜11のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  13. 前記脂肪族炭化水素を樹脂100質量部に対し0.2〜2.0質量部の範囲内で含む請求項12に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  14. 前記脂肪族炭化水素がシクロヘキサンである請求項12又は13に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
  15. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱し発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
  16. 嵩発泡倍数50倍に予備発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内である請求項15に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
  17. 請求項15又は16に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティに充填し、加熱して型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体。
  18. 発泡倍数50倍に発泡させた状態での平均気泡径が50〜300μmの範囲内である請求項17に記載のポリスチレン系樹脂発泡成形体。
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