JP5805966B2 - 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、鮮魚用ではブルー、パープル、建材用途ではオレンジ、グリーン等に着色された発泡成形体を使用する。一方、グレー色に着色しておくと、汚れが目立たないという利点があるので、構造部材として使用する用途にはグレー色に着色されることが多い。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料の体積平均粒子径が35μm以下であることを特徴としている。
本発明において、染料の体積平均粒子径とは、次の測定方法によって測定された値のことをいう。
体積平均粒子径はマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した値である。測定方法はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、染料0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ50μmを用いる場合は、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力(アパチャーサイズ等は必要に応じて変更して入力可能である)してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔からポリスチレン系樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法の水中カット法。
(4)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔からポリスチレン系樹脂を押し出し、その後に水中で急冷し、冷却後に切断することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法のストランドカット法。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料などが挙げられる。
また、前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を調整し、単量体の残留量を減少させるという点で、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある重合開始剤を2種以上組合わせて用いるのが好ましい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子に、懸濁重合含浸法あるいは後含浸法によって発泡剤および可塑剤を含浸させることにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
アントラキノン系染料としては、SolventBlue35(COLOR INDEX GENERIC NAME、以下、同じ)、SolventBlue36、SolventBlue78、SolventBlue87、DisperseRed11、DisperseRed15、DisperseRed153、DisperseBlue1、DisperseBlue3、DisperseBlue7、DisperseBlue26、DisperseBlue35、SolventRed111、SolventRed146などが挙げられる。
ニトロ系染料としては、DisperseYellow1、DisperseYellow9などが挙げられる。
アゾ系染料としては、DisperseYellow4、DisperseOrange1、DisperseOrange3、DisperseOrange13、DisperseOrange37、DisperseRed1、DisperseRed17 、DisperseBlue85、DisperseBlue102、DisperseBlue106、DisperseBlue124、DisperseBrown1などが挙げられる。
アセトアニリド系染料としては、DisperseBlue165、DisperseBlue79、DisperseRed82、DisperseRed152、DisperseRed167、DisperseRed277、DisperseYellow3などが挙げられる。
キノリン系染料としては、DisperseYellow54、DisperseYellow64などが挙げられる。
これらの染料は、1種類を単独使用しても良いし。同色系染料を2種以上併用してもよい。さらに、異なる色の染料を併用して混色に着色してもよい。
本発明に係る発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、下記(A)又は(B)の製造方法によって製造することができる。
染料の粉砕は乾式粉砕が望ましく、汎用の粉砕機が使用できる。汎用の粉砕機としてはハンマーミル粉砕機、ピン式粉砕機、衝撃式粉砕機、バルペライザー、ジェットミル粉砕機等があり、所望する体積平均粒子径に応じて単一あるいは複数の粉砕機を組み合わせて粉砕する。
前記分散剤としては、例えばピロリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の難水溶性無機化合物やポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。
前記染料を水系媒体に分散させる際に用いる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤及び非イオン系界面活性剤の中から、使用する染料の分散性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、着色樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき着色樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cm3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
この発泡成形体は、例えば、建材用断熱材、食品容器、搬送容器、保冷断熱容器、装飾ブロック、搬送容器、土木用ブロックなどとして用いることができる。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
(ポリスチレン系樹脂粒子(種粒子)の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にリン酸三カルシウム(大平化学社製)120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4g、過酸化ベンゾイル(純度75%)140g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート30g、イオン交換水40kg及びスチレン単量体40kgを投入した後、100rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、100rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.5〜0.7mmで重量平均分子量が30万のポリスチレン系樹脂粒子(種粒子)を得た。
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブに上記の粒子径が0.5〜0.7mmで重量平均分子量が30万のポリスチレン系樹脂粒子(以下、「種粒子」とも言う)11kg、蒸留水32kg、ピロリン酸マグネシウム120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10gを入れ、撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水3000g、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3g及びスチレン220gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を75℃に保持した反応器に添加し、15分間、種粒子にスチレンを吸収させた。
続いて、重合開始剤として純度75%のベンゾイルパーオキサイド160g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート10gをスチレン1860gに溶解し、蒸留水2000gと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を75℃に保持した反応器に加えた。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から25分間、反応器内温度を75℃に保持した後、スチレン31.42kgを反応器内に11.8kg/hrの速度で連続的に2時間40分で供給するとともに、スチレン供給終了時に108℃となるように反応器内温度を連続的に昇温した。
引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。次いで、JIS1180μm篩を通過しない合着粒子、及びJIS500μm篩を通過する粉末状粒子を除き、メジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子を得た。
内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。該液中に上記のメジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、回転数250rpmで撹拌し、30℃で30分保持した。
次に、青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、純水100gの混合分散液をオートクレーブ内に投入し、30分かけてオートクレーブ内部を90℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)180gを圧入した。
90℃で5時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
こうして得られた発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子5kgを、松坂貿易社製のレーディゲミキサーM20型(内容積20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛2.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド2.5g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し230rpmで3分間撹拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール2.5gを投入し230rpmで5分間撹拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
この被覆後の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を内容量40リットルの小型バッチ式予備発泡機に入れ、常圧下でゲージ圧力0.05MPaの水蒸気で加熱し、嵩発泡倍数60倍に予備発泡し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を20℃で24時間放置し、乾燥、熟成させた後、面圧計が取り付けられ、外寸300×400×25mmの板型の成形品製造用のキャビティを有する金型を成形機に取付け、該キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、水蒸気加熱による型内発泡成形を行った。成形機は積水工機製作所社製のACE−3SPを用い、QS成形モードでゲージ圧0.7kg/cm2、金型加熱3秒、一方加熱8秒、逆一方加熱1秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で型内発泡成形を行って発泡成形体を製造した。
また、使用した染料は、下記<染料の最大長さの測定方法>に従って最大長さを測定し、最大長さが300μm以上の結晶の割合(%)を調べた。その結果を表1に記す。
染料の最大長さは、染料0.15gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、マイクロスコープ(VHX−S50 KEYENCE社製)を使用し、倍率200倍で、撮影箇所を変えて3箇所撮影した。写真には染料の結晶が写っており、3枚の写真に写っている結晶の一つ一つの最大長さを測定した。
発泡成形体を目視で確認し、板型成形品の主面(400×300mm)内で着色むらが発生している発泡粒の数を調べた。
すなわち、主面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下であり、かつ全体にわたり均一な着色状態であるものを、着色むら無し(外観良好(◎))とし、主面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下だが、実使用上差し支えないと判断できる程度の色の濃淡、色抜け等があるものを、外観可(○)として評価した。更に、主面内に着色むらが発生している発泡粒が3粒以上ある場合、または色の濃淡、色抜け等が酷い場合、着色むら有り(外観不良(×))として評価した。
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径4.8μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径14.9μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径26.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue36(体積平均粒子径5.5μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue78(体積平均粒子径7.0μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をDisperseBlue165(体積平均粒子径33.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
(ポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の製造)
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ポリエチレン社製、LV−115)を押出機にて加熱して水中カット方式によりペレット化した(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。このエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子10.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.6gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド5.4gを溶解させたスチレンモノマー4.5kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分間60℃に保持し、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間45分攪拌を続けた。その後、90℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ11.4gを加えた後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.2g、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.9gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド98.7gを溶解したスチレンモノマー6.2kgを2時間かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド175gを溶解したスチレンモノマー13.8kgを2時間かけて滴下した。この滴下終了後、90℃で1時間保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して、ポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子を得た。
続いて内容積50Lの耐圧回転式混合機に上記のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子15kgを投入した。次いで青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)3g、レジスタットPE132(第一工業製薬社製)22.5g、純水300gの混合分散液を混合機に投入し90分間回転させた後、シクロヘキサン405g、ブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)1950gを圧入し、10分間回転させた。次いで、70℃に昇温し、この温度で3時間回転を続けた。その後、常温まで冷却し、発泡性ポリエチレン改質スチレン系着色樹脂粒子を取り出した。
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の作製)
内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。更に、実施例1で得られたメジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、回転数250rpmで撹拌を開始した。
次に、30分かけてオートクレーブ内部を90℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)180gを圧入した。
90℃で5時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
次いで、内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。更に、上記の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、窒素置換後、回転数250rpmで30分攪拌した。
次に、青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、純水100gの混合分散液をオートクレーブ内に投入し、30分かけてオートクレーブ内部を60℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)30gを圧入した。
60℃で2時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
内容積5Lの耐圧回転式混合機に実施例9で作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1000gを投入した。次いで青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)0.2gを混合機に投入し30分間回転させた後、ペンタン(コスモ石油社製、製品名ペンタン)30gを圧入し、10分間回転させた。次いで、40℃に昇温し、この温度で2時間回転を続けた。その後、25℃まで冷却し、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を取り出した。
その後、実施例1と同様に予備発泡及び型内発泡成形を行い、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径42.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径36.8μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue87(体積平均粒子径39.1μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
青色染料をSolventBlue58(体積平均粒子径54.4μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
特に、体積平均粒子径が25μm以下である染料を使用した実施例1,2,3,5,6,8,9,10は、着色むらの評価において外観良好(◎)と優れていた。
なお、実施例1〜10及び比較例1〜4において使用した染料は、最大長さが300μm以上の結晶の割合が全て0%であった。
Claims (4)
- ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で粒子状の染料と発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
染料を粉砕して粒子状とし、体積平均粒子径35μm以下、かつその粒子の最大長さが300μm以上の結晶を含まないように調整し、前記の粉砕された染料を前記ポリスチレン系樹脂粒子に含浸することを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で粒子状の染料を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
染料を粉砕して粒子状とし、体積平均粒子径35μm以下、かつその粒子の最大長さが300μm以上の結晶を含まないように調整し、前記の粉砕された染料を前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含浸することを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。 - 前記染料がアントラキノン系染料、ニトロ系染料、アゾ系染料、アセトアニリド系染料、キノリン系染料からなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
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