JP5805966B2 - 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色したポリスチレン系着色樹脂発泡成形体を容易に製造することができる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、該着色樹脂粒子を発泡させた着色樹脂予備発泡粒子、該着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた着色樹脂発泡成形体に関する。
ポリスチレン系樹脂の発泡成形体は、運搬用容器や、包装用容器として広く利用されている。そのうち、鮮魚用や建材用途などでは他容器と区別する目的や、意匠性を高める為に着色して使用されている。
例えば、鮮魚用ではブルー、パープル、建材用途ではオレンジ、グリーン等に着色された発泡成形体を使用する。一方、グレー色に着色しておくと、汚れが目立たないという利点があるので、構造部材として使用する用途にはグレー色に着色されることが多い。
従来、着色された発泡性樹脂粒子の製造方法として、例えば、特許文献1(特開平6−157805号公報)には、熱可塑性樹脂粒子を水性媒体中に分散させた後、易揮発性発泡剤を含浸させることにより着色発泡性樹脂粒子を製造する方法において、上記水性媒体中に、最大長さが300μm以上のものの含有量が40%以下である染料を分散させることを特徴とする着色発泡性樹脂粒子の製造方法が開示されている。
特開平6−157805号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたように、最大長さが300μm以上のものの含有量が40%以下である染料を用いても、着色むらが発生する場合がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、着色むらが無く、一様に着色した発泡成形体を容易に製造することができる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法の提供を課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料の体積平均粒子径が35μm以下であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、前記染料がアントラキノン系染料、ニトロ系染料、アゾ系染料、アセトアニリド系染料、キノリン系染料からなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、前記ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で染料と発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、前記染料の体積平均粒子径が35μm以下であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法を提供する。
また本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で染料を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、前記染料の体積平均粒子径が35μm以下であることを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、前記染料がアントラキノン系染料、ニトロ系染料、アゾ系染料、アセトアニリド系染料、キノリン系染料からなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、前記ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
また本発明は、本発明に係る前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱し、予備発泡して得られた着色樹脂予備発泡粒子を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られた着色樹脂発泡成形体を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた建材用断熱材を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた食品容器を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた搬送容器を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた保冷断熱容器を提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた装飾ブロックを提供する。
また本発明は、本発明に係る前記着色樹脂予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた土木用ブロックを提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料の体積平均粒子径が35μm以下であるものなので、着色むらが無く、一様に着色した発泡成形体を容易に製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された発泡成形体が得られる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子)
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料の体積平均粒子径が35μm以下であることを特徴としている。
本発明において、染料の体積平均粒子径とは、次の測定方法によって測定された値のことをいう。
<染料の体積平均粒子径の測定方法>
体積平均粒子径はマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した値である。測定方法はCoulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、染料0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON II(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザーII本体にアパチャーサイズ50μmを用いる場合は、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力(アパチャーサイズ等は必要に応じて変更して入力可能である)してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂粒子としては、例えば、次の(1)〜(4)の製造方法で得られたポリスチレン系樹脂粒子を使用できる。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔からポリスチレン系樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法の水中カット法。
(4)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔からポリスチレン系樹脂を押し出し、その後に水中で急冷し、冷却後に切断することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法のストランドカット法。
前記(1)懸濁重合法及び(2)シード重合法で用いるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体を主成分とし、スチレン系単量体を通常、50質量%以上、好ましくは80質量%以上含む。これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが特に好ましい。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
また(2)シード重合法で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する場合、前記懸濁重合法により得られるポリスチレン系樹脂粒子を種粒子として使用したり、ポリスチレン系樹脂を押出機によりあらかじめ所望の粒子径に調整した後、種粒子として使用しても良い。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料などが挙げられる。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒子径は、特に限定されないが、成形時の成形型キャビティ内への予備発泡粒子の充填性等から、通常、0.3〜2.0mm程度であり、0.3〜1.4mmが好ましい。
本発明において、使用するポリスチレン系樹脂の分子量は、GPC法による重量平均分子量(Mw)が17万〜70万であるのが好ましい。ポリスチレン系樹脂の分子量が17万を下回ると、最終的に得られる発泡成形体の強度が低下し、また70万を上回ると充分な発泡性が得られ難くなるので好ましくない。
前記(1)懸濁重合法および(2)シード重合法で使用する重合開始剤としては、通常、スチレンの懸濁重合において用いられるものであれば特に限定されず、例えばラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子中に残留するスチレン系単量体を低減するために、高温分解型の重合開始剤を使用し、最終の重合温度を115℃以上に設定するのが好ましい。高温分解型の重合開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタンなどの半減期10時間を得るための温度が100〜115℃のものが挙げられる。なお、高温分解型の重合開始剤を過剰に加えると分解副生成物であるアルコール類が発生するので好ましくない。
また、前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を調整し、単量体の残留量を減少させるという点で、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある重合開始剤を2種以上組合わせて用いるのが好ましい。
前記(1)懸濁重合または(2)シード重合を行う際に、スチレン系単量体の小滴または種粒子を水系媒体中に分散させるために、懸濁剤を用いてもよい。懸濁剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。なお、難水溶性無機化合物を用いる場合にはアニオン界面活性剤を併用するのが好ましい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子に、懸濁重合含浸法あるいは後含浸法によって発泡剤および可塑剤を含浸させることにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、前記染料は、染料の体積平均粒子径が35μm以下であればよく、特に限定されないが、ポリスチレン系樹脂発泡体などの合成樹脂発泡体を着色するために従来より使用されている各種の染料を用いることができ、アントラキノン系染料、ニトロ系染料、アゾ系染料、アセトアニリド系染料、キノリン系染料からなる群から選択される1種または2種以上であることが好ましい。
アントラキノン系染料としては、SolventBlue35(COLOR INDEX GENERIC NAME、以下、同じ)、SolventBlue36、SolventBlue78、SolventBlue87、DisperseRed11、DisperseRed15、DisperseRed153、DisperseBlue1、DisperseBlue3、DisperseBlue7、DisperseBlue26、DisperseBlue35、SolventRed111、SolventRed146などが挙げられる。
ニトロ系染料としては、DisperseYellow1、DisperseYellow9などが挙げられる。
アゾ系染料としては、DisperseYellow4、DisperseOrange1、DisperseOrange3、DisperseOrange13、DisperseOrange37、DisperseRed1、DisperseRed17 、DisperseBlue85、DisperseBlue102、DisperseBlue106、DisperseBlue124、DisperseBrown1などが挙げられる。
アセトアニリド系染料としては、DisperseBlue165、DisperseBlue79、DisperseRed82、DisperseRed152、DisperseRed167、DisperseRed277、DisperseYellow3などが挙げられる。
キノリン系染料としては、DisperseYellow54、DisperseYellow64などが挙げられる。
これらの染料は、1種類を単独使用しても良いし。同色系染料を2種以上併用してもよい。さらに、異なる色の染料を併用して混色に着色してもよい。
前記染料の含有量は、ポリスチレン系樹脂中に0.003〜0.5質量%の範囲内であることが好ましく、0.005〜0.30質量%の範囲内であることがより好ましい。染料の含有量が前記範囲未満であると、最終的に得られる発泡成形体の着色度合が弱くなってしまう。一方、染料の含有量が前記範囲を超えると、コスト高となるばかりか、成形性が低下する為に好ましくない。
前記染料の体積平均粒子径は35μm以下であり、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。染料の体積平均粒子径が35μmを超えると、その発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を用いて製造された発泡成形体に着色むらが生じてしまう。なお、染料の体積平均粒子径は、染料を乾式粉砕法或いは湿式粉砕法によって粉砕することによって、所望の体積平均粒子径に調整可能である。
前記染料は、その粒子の最大長さが300μm以上の結晶が実質的に含まれていないことが好ましく、最大長さが300μm以上の結晶が全く含まれていないことがより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられる発泡剤としては、一般の熱可塑性樹脂発泡体の製造に用いられている炭素数5以下の脂肪族炭化水素、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられ、1種類を単独使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
前記発泡剤の含有量は、ポリスチレン系樹脂粒子に対して2〜10質量%の範囲が好ましく、3〜9質量%がより好ましい。前記含有量が2質量%を下回ると、低密度化が困難であるばかりでなく、成形時の二次発泡力を高める効果が得られないために発泡成形体の外観が劣るようになる。また、含有量が10質量%を上回ると、発泡成形時の収縮、予備発泡粒子中の残存ガスの調整時間の遅延、かつ成形サイクルが長くなり、生産性の点から好ましくない。
前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、物性を損なわない範囲内において、従来から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造に使用されている、気泡核剤、可塑剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤等を必要に応じて適宜使用してもよい。また、ジンクステアレート等の粉末状金属石鹸類を前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の表面に被覆しておけば、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の予備発泡工程において予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。その他、必要に応じて汎用の被覆剤を適宜使用してもよく、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、アミド化合物、シリコン類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、前記ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂が含有されている構成としてもよい。ポリスチレン系樹脂粒子中のポリエチレン系樹脂の割合は、質量比で50質量%未満であることが好ましく、1〜40質量%の範囲であることがより好ましい。ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂を含有するには、例えば、前記ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法中に記した(2)シード重合法において、ポリエチレン系樹脂からなる種粒子を用い、水系懸濁液中にポリエチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る方法によって得ることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料の体積平均粒子径が35μm以下であるものなので、着色むらが無く、一様に着色した発泡成形体を容易に製造することができる。
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法)
本発明に係る発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、下記(A)又は(B)の製造方法によって製造することができる。
(A)ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で染料と発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、体積平均粒子径が35μm以下の染料を用いる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
(B)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で染料を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、体積平均粒子径が35μm以下の染料を用いる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
前記染料は、市販品を購入して使用する場合、その市販品染料を粉砕してその体積平均粒子径を35μm以下とする工程を行う。
染料の粉砕は乾式粉砕が望ましく、汎用の粉砕機が使用できる。汎用の粉砕機としてはハンマーミル粉砕機、ピン式粉砕機、衝撃式粉砕機、バルペライザー、ジェットミル粉砕機等があり、所望する体積平均粒子径に応じて単一あるいは複数の粉砕機を組み合わせて粉砕する。
本発明の製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子又は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、分散剤を含んだ水系媒体中に分散させておくことが好ましい。
前記分散剤としては、例えばピロリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の難水溶性無機化合物やポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。
前記染料は、体積平均粒子径が35μm以下に粉砕処理した後、界面活性剤を含む水系媒体中に均一に懸濁させておくことが望ましい。
前記染料を水系媒体に分散させる際に用いる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤及び非イオン系界面活性剤の中から、使用する染料の分散性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された発泡成形体が得られる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
(着色樹脂予備発泡粒子及び着色樹脂発泡成形体)
本発明の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、着色樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき着色樹脂発泡成形体(以下、発泡成形体と記す)の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cmの目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cmの目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm)=W/500
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、発泡成形体を製造する。
本発明の発泡成形体の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cmの範囲内とし、0.015〜0.050g/cmの範囲内とするのが好ましい。
この発泡成形体は、例えば、建材用断熱材、食品容器、搬送容器、保冷断熱容器、装飾ブロック、搬送容器、土木用ブロックなどとして用いることができる。
なお、本発明において発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm以上の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm)=試験片質量(g)/試験片体積(cm
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm
本発明の発泡成形体は、前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱し型内発泡成形して得られたものなので、着色むらが無く、一様に着色した美麗な外観の発泡成形体を提供できる。
[実施例1]
(ポリスチレン系樹脂粒子(種粒子)の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブ(以下、反応器ともいう)にリン酸三カルシウム(大平化学社製)120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4g、過酸化ベンゾイル(純度75%)140g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート30g、イオン交換水40kg及びスチレン単量体40kgを投入した後、100rpmの撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
引き続き、100rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温した後、90℃で6時間保持した。
その後、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間保持した後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、脱水・乾燥・分級して粒子径が0.5〜0.7mmで重量平均分子量が30万のポリスチレン系樹脂粒子(種粒子)を得た。
(ポリスチレン系樹脂粒子の作製)
内容積100リットルの攪拌機付オートクレーブに上記の粒子径が0.5〜0.7mmで重量平均分子量が30万のポリスチレン系樹脂粒子(以下、「種粒子」とも言う)11kg、蒸留水32kg、ピロリン酸マグネシウム120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム10gを入れ、撹拌し懸濁させた。
次いで予め用意した蒸留水3000g、ピロリン酸マグネシウム20g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3g及びスチレン220gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を75℃に保持した反応器に添加し、15分間、種粒子にスチレンを吸収させた。
続いて、重合開始剤として純度75%のベンゾイルパーオキサイド160g及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート10gをスチレン1860gに溶解し、蒸留水2000gと共にホモミキサーで攪拌して調製した懸濁液を75℃に保持した反応器に加えた。
重合開始剤を含む懸濁液を反応器に加え始めた時点から25分間、反応器内温度を75℃に保持した後、スチレン31.42kgを反応器内に11.8kg/hrの速度で連続的に2時間40分で供給するとともに、スチレン供給終了時に108℃となるように反応器内温度を連続的に昇温した。
引き続き120℃まで昇温して30分保持した後、20℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥した。次いで、JIS1180μm篩を通過しない合着粒子、及びJIS500μm篩を通過する粉末状粒子を除き、メジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子を得た。
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の作製)
内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。該液中に上記のメジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、回転数250rpmで撹拌し、30℃で30分保持した。
次に、青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、純水100gの混合分散液をオートクレーブ内に投入し、30分かけてオートクレーブ内部を90℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)180gを圧入した。
90℃で5時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の被覆)
こうして得られた発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子5kgを、松坂貿易社製のレーディゲミキサーM20型(内容積20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛2.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド2.5g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し230rpmで3分間撹拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール2.5gを投入し230rpmで5分間撹拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
(予備発泡粒子の作製)
この被覆後の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を内容量40リットルの小型バッチ式予備発泡機に入れ、常圧下でゲージ圧力0.05MPaの水蒸気で加熱し、嵩発泡倍数60倍に予備発泡し、予備発泡粒子を得た。
(発泡体成形の製造)
得られた予備発泡粒子を20℃で24時間放置し、乾燥、熟成させた後、面圧計が取り付けられ、外寸300×400×25mmの板型の成形品製造用のキャビティを有する金型を成形機に取付け、該キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、水蒸気加熱による型内発泡成形を行った。成形機は積水工機製作所社製のACE−3SPを用い、QS成形モードでゲージ圧0.7kg/cm2、金型加熱3秒、一方加熱8秒、逆一方加熱1秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で型内発泡成形を行って発泡成形体を製造した。
前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の作製において、使用した染料(SolventBlue35)は、市販品を乾式粉砕して体積平均粒子径7.8μmとしたものを用いた。この体積平均粒子径は、前記<染料の体積平均粒子径の測定方法>に記した通りに測定した値である。
また、使用した染料は、下記<染料の最大長さの測定方法>に従って最大長さを測定し、最大長さが300μm以上の結晶の割合(%)を調べた。その結果を表1に記す。
得られた発泡成形体を40℃の乾燥室に入れて1日乾燥し、外観を目視で調べ、以下の着色むらの評価に基づいて評価した。結果を表1に記す。得られた発泡成形体は、発泡粒子同士が互いによく融着し合い、美麗な青色で着色むらの少ない良質なものであった。
<染料の最大長さの測定方法>
染料の最大長さは、染料0.15gを0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、マイクロスコープ(VHX−S50 KEYENCE社製)を使用し、倍率200倍で、撮影箇所を変えて3箇所撮影した。写真には染料の結晶が写っており、3枚の写真に写っている結晶の一つ一つの最大長さを測定した。
<着色むらの評価>
発泡成形体を目視で確認し、板型成形品の主面(400×300mm)内で着色むらが発生している発泡粒の数を調べた。
すなわち、主面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下であり、かつ全体にわたり均一な着色状態であるものを、着色むら無し(外観良好(◎))とし、主面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下だが、実使用上差し支えないと判断できる程度の色の濃淡、色抜け等があるものを、外観可(○)として評価した。更に、主面内に着色むらが発生している発泡粒が3粒以上ある場合、または色の濃淡、色抜け等が酷い場合、着色むら有り(外観不良(×))として評価した。
[実施例2]
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径4.8μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例3]
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径14.9μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例4]
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径26.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例5]
青色染料をSolventBlue36(体積平均粒子径5.5μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例6]
青色染料をSolventBlue78(体積平均粒子径7.0μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例7]
青色染料をDisperseBlue165(体積平均粒子径33.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例8]
(ポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の製造)
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ポリエチレン社製、LV−115)を押出機にて加熱して水中カット方式によりペレット化した(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。このエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子10.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.6gを加え、攪拌して水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド5.4gを溶解させたスチレンモノマー4.5kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分間60℃に保持し、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間45分攪拌を続けた。その後、90℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ11.4gを加えた後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.2g、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.9gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド98.7gを溶解したスチレンモノマー6.2kgを2時間かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド175gを溶解したスチレンモノマー13.8kgを2時間かけて滴下した。この滴下終了後、90℃で1時間保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して、ポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子を得た。
(発泡性ポリエチレン改質スチレン系着色樹脂粒子)
続いて内容積50Lの耐圧回転式混合機に上記のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子15kgを投入した。次いで青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)3g、レジスタットPE132(第一工業製薬社製)22.5g、純水300gの混合分散液を混合機に投入し90分間回転させた後、シクロヘキサン405g、ブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)1950gを圧入し、10分間回転させた。次いで、70℃に昇温し、この温度で3時間回転を続けた。その後、常温まで冷却し、発泡性ポリエチレン改質スチレン系着色樹脂粒子を取り出した。
その後、嵩発泡倍数を30倍としたこと以外は実施例1と同様に予備発泡及び型内発泡成形を行い、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例9]
(発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の作製)
内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。更に、実施例1で得られたメジアン径0.85mm、重量平均分子量が31万のポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、回転数250rpmで撹拌を開始した。
次に、30分かけてオートクレーブ内部を90℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)180gを圧入した。
90℃で5時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
次いで、内容積6リットルの攪拌機付オートクレーブに、純水2100g、ピロリン酸マグネシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4gの混合物を入れ、さらに可塑剤としてシクロヘキサン45gを加えてホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製した。更に、上記の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子2100gを加え、窒素置換後、回転数250rpmで30分攪拌した。
次に、青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、純水100gの混合分散液をオートクレーブ内に投入し、30分かけてオートクレーブ内部を60℃まで昇温した。その後、オートクレーブ内に発泡剤としてブタン(コスモ石油社製、製品名ブタンシルバー)30gを圧入した。
60℃で2時間保持し、その後、25℃まで冷却して取り出し、洗浄、脱水、乾燥して発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
その後、実施例1と同様に予備発泡及び型内発泡成形を行い、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[実施例10]
内容積5Lの耐圧回転式混合機に実施例9で作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1000gを投入した。次いで青色染料SolventBlue35(体積平均粒子径7.8μm)0.2gを混合機に投入し30分間回転させた後、ペンタン(コスモ石油社製、製品名ペンタン)30gを圧入し、10分間回転させた。次いで、40℃に昇温し、この温度で2時間回転を続けた。その後、25℃まで冷却し、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を取り出した。
その後、実施例1と同様に予備発泡及び型内発泡成形を行い、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[比較例1]
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径42.6μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[比較例2]
青色染料をSolventBlue35(体積平均粒子径36.8μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[比較例3]
青色染料をSolventBlue87(体積平均粒子径39.1μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
[比較例4]
青色染料をSolventBlue58(体積平均粒子径54.4μm)としたこと以外は実施例1と同様に実施し、発泡成形体を製造した。使用した染料及び得られた発泡成形体について、実施例1と同様の測定・評価を行った。結果を表1に記す。
Figure 0005805966
表1の結果から、本発明に係る実施例1〜10では、体積平均粒子径が35μm以下である染料を使用したことによって、得られた発泡成形体は、発泡粒子同士が互いによく融着し合い、美麗な青色で着色むらの少ない良質なものであった。
特に、体積平均粒子径が25μm以下である染料を使用した実施例1,2,3,5,6,8,9,10は、着色むらの評価において外観良好(◎)と優れていた。
なお、実施例1〜10及び比較例1〜4において使用した染料は、最大長さが300μm以上の結晶の割合が全て0%であった。
一方、体積平均粒子径が35μmを超える染料を使用した比較例1〜4で得られた発泡成形体は、発泡粒子同士が互いによく融着し合っているが、実施例に比較して着色むらが多く、外観が劣っていた。
本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色した発泡成形体を容易に製造することができる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法を提供する。また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を予備発泡させて得られた予備発泡粒子、該予備発泡粒子を型内発泡成形して得られた発泡成形体を提供する。この発泡成形体は、例えば、建材用断熱材、食品容器、搬送容器、保冷断熱容器、装飾ブロック、搬送容器、土木用ブロックなどとして用いることができる。

Claims (4)

  1. ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で粒子状の染料と発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
    料を粉砕して粒子状とし、体積平均粒子径35μm以下、かつその粒子の最大長さが300μm以上の結晶を含まないように調整し、前記の粉砕された染料を前記ポリスチレン系樹脂粒子に含浸することを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
  2. 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、耐圧容器内で粒子状の染料を含浸させて発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
    料を粉砕して粒子状とし、体積平均粒子径35μm以下、かつその粒子の最大長さが300μm以上の結晶を含まないように調整し、前記の粉砕された染料を前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含浸することを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記染料がアントラキノン系染料、ニトロ系染料、アゾ系染料、アセトアニリド系染料、キノリン系染料からなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂粒子中にポリエチレン系樹脂が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
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