JP2014177540A - 発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】密閉容器内で、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる複合樹脂粒子と、染料及びカチオン系界面活性剤を含む染料エマルジョンとを混合する工程、及び次いで、前記密閉容器内に発泡剤を圧入して、前記複合樹脂粒子に前記発泡剤を含浸させる工程を含むことを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法により、上記の課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法に関する。本発明によれば、着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子を提供できる。
ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、優れた緩衝性や断熱性を有しかつ成形が容易であるが、耐衝撃性や柔軟性が不十分であるため、割れや欠けが発生し易いという問題がある。一方、ポリプロピレン系樹脂からなる発泡成形体は、耐衝撃性や柔軟性に優れているが、その成形時に大掛かりな設備を必要とし、樹脂の性質上、発泡粒子の形態で原料メーカーから成形加工メーカーに輸送しなければならないため、嵩高い発泡粒子を輸送することになり、製造コストが上昇するという問題がある。
そこで、上記2つの異なる樹脂の特長を併せもつ、様々なポリスチレン系複合樹脂粒子及びそれらを用いた発泡成形体が提案され、実用化されている。
また、ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、運搬用や包装用の容器として広く利用され、魚箱等の食品容器の用途などでは他の容器と区別する目的や意匠性を高める目的で、ブルー、パープル、オレンジ、グリーン、ピンク等に着色された発泡成形体が使用されている。
このような着色発泡成形体は、一般に、着色された発泡性樹脂粒子を発泡成形することにより製造され、均一に着色された、着色ムラのない着色発泡成形体を得るために、様々な発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子やその製造方法が提案されている。
例えば、特開2012−131955号公報(特許文献1)には、染料としてSolventBlue78を含有すると共に、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール及びグリセリンから選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されている食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子が開示されている。
この発泡性着色樹脂粒子によれば、着色ムラがなく、一様に着色した食品容器を容易に製造することができるとされている。
また、特開2007−99790号公報(特許文献2)には、発泡性スチレン系樹脂粒子と染料とを密閉容器内で水性媒体中に分散させる分散工程と、密閉容器内を二酸化炭素で加圧する加圧工程と、密閉容器内に発泡剤を添加する添加工程と、密閉容器内を発泡性スチレン系樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱する加熱工程とを有する着色発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が開示されている。
この方法によれば、微発泡の発生が低減されると共に、樹脂粒子中への染料の含浸効率に優れ、均一に着色された発泡成形体を得ることのできる着色発泡性スチレン系樹脂粒子が製造できるとされている。
さらに、特開2007−224104号公報(特許文献3)には、密閉容器中で、軟化点温度が61℃以下である発泡性スチレン系樹脂粒子と染料とを水中に分散させ、次いで2以上の易揮発性発泡剤を添加し、密閉容器内を40℃以上かつ発泡性スチレン系樹脂粒子の軟化点温度+60℃の温度まで昇温し、所定時間保持することにより染料を発泡性スチレン系樹脂粒子に含浸させる着色発泡性スチレン系樹脂粒子の製造法が開示されている。
この方法によれば、含浸時間、昇温及び冷却時間などを大幅に短縮して着色に要するサイクルを著しく短縮でき、生産性を大幅に向上でき、更には内部まで均一に着色された発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができるとされている。
また、特開平8−319366号公報(特許文献4)には、スチレン系樹脂に、芳香族炭化水素と、その芳香族炭化水素に対して0.1g/100ml以上の溶解度を有するアンスラキノン系又はペリノン系染料と、発泡剤とを含ませた発泡性着色樹脂粒子が開示されている。
この発泡性着色樹脂粒子によれば、色ムラがなく一様に着色された発泡性粒子を得ることができるとされている。
特開2012−131955号公報 特開2007−99790号公報 特開2007−224104号公報 特開平8−319366号公報
特許文献1〜4のように、従来から着色ムラのない、カラー品種のポリスチレン系複合樹脂の発泡成形体を得るためには、ポリスチレン系複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させる際に、樹脂粒子と発泡剤と共に、特定種の界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)、水(冷水+温水)、染料(粉末)、時には芳香族炭化水素を用いて調製した染料エマルジョンを、非水系の乾式含浸設備に投入し、樹脂粒子を着色していた。
しかしながら、染料エマルジョンの調製が難しいこと、具体的には、乾式含浸では限られた量の水しか使用できず、調製操作を誤ると染料を均一に分散させることができず、粉末の染料がダマになり易いことから、過剰に着色された樹脂粒子ができるなど、添着度合いの異なる発泡性着色樹脂粒子ができてしまい、不均一に着色された、つまり着色ムラのある外観の悪い発泡成形体が得られることがあった。さらに、芳香族炭化水素を用いた場合、発泡成形体まで残存し、揮発性物質の問題、例えば、梱包内容物への汚染などの懸念があり、芳香族炭化水素を用いない製造方法が求められていた。
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題を達成するために鋭意検討の結果、カチオン系界面活性剤を用いて染料エマルジョンを調製することにより、染料がダマにならず容易に分散させることができること、この染料エマルジョンを用いた乾式含浸により、染料を樹脂粒子に均一に含浸・添着させることができるため、着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子が得られることを意外にも見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、密閉容器内で、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる複合樹脂粒子と、染料及びカチオン系界面活性剤を含む染料エマルジョンとを混合する工程、及び
次いで、前記密閉容器内に発泡剤を圧入して、前記複合樹脂粒子に前記発泡剤を含浸させる工程
を含むことを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の製造方法により得られた発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子を予備発泡して発泡粒子を得ることを特徴とする発泡粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の製造方法により得られた発泡粒子が提供される。
更にまた、本発明によれば、上記の発泡粒子を発泡成形して発泡成形体を得ることを特徴とする発泡成形体の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記の製造方法により得られた発泡成形体であり、JIS−Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準拠した反射法により測定され、次式:
ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
(式中、ΔL、Δa及びΔbは、前記発泡成形体の任意の10点におけるL*値、a*値及びb*値の最大値と最小値の差を意味する)
により算出された着色ムラの数値ΔEが15以下であることを特徴とする発泡成形体が提供される。
本発明によれば、着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法を提供することができる。
また、本発明の発泡成形体は、強度、特に耐衝撃性に優れることから、重量物の梱包材や梱包単位の軽量化・薄肉化が可能になり、これらのコストダウンが可能になる。
本発明の発泡成形体は、電気製品の梱包材、衝撃に弱いガラスやモジュール、電子製品などの輸送用の箱などに有用である。
また、本発明の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法は、
(1)カチオン系界面活性剤が、第4級アンモニウム塩型界面活性剤である、
(2)染料が、アントラキノン系染料、アゾ系染料、キサンテン系染料及びトリフェニルメタン系染料から選択される少なくとも1種の有機染料である、
(3)染料及びカチオン系界面活性剤が、複合樹脂粒子100質量部に対してそれぞれ0.001〜0.1質量部及び0.02〜2.5質量部の割合で含まれる、
(4)カチオン系界面活性剤が、染料100質量部に対して50〜50000質量部の割合で含まれる、
(5)発泡剤が揮発性発泡剤であり、その含有量が複合樹脂粒子に対して5〜20質量%の範囲である、及び
(6)複合樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂100〜500質量部の割合で含む複合樹脂粒子である
のいずれか1つの条件を満足する場合に、上記の優れた効果を更に発揮する。
本発明の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法は、水性エマルジョンを用いた処理であり、特許文献4のような芳香族炭化水素を用いないため、揮発性物質の問題、例えば、梱包内容物への汚染などの問題がない。
本発明によれば、着色ムラのない発泡成形体を与え得る発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法を提供することができる。
以下、(1)発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子とその製造方法、(2)発泡粒子とその製造方法、(3)発泡成形体とその製造方法の順に説明する。
(1)発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子とその製造方法
本発明の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子(以下「発泡性粒子」という)は、例えば、密閉容器内で、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる複合樹脂粒子と、染料及びカチオン系界面活性剤を含む染料エマルジョンとを混合する工程(第1工程)、及び
次いで、密閉容器内に発泡剤を圧入して、複合樹脂粒子に前記発泡剤を含浸させる工程(第2工程)
を含むことを特徴とする発泡性粒子の製造方法により、製造することができる。
(a)第1工程
第1工程では、密閉容器内で、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる複合樹脂粒子と染料エマルジョンとを混合する。
(複合樹脂粒子)
複合樹脂粒子は、本願では、ポリスチレン系樹脂粒子とポリオレフィン系樹脂とで構成される複合樹脂粒子を意味する。
(ポリスチレン系樹脂)
複合樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂としては、スチレン系単量体を主成分とする樹脂であれば特に限定されず、スチレン又はスチレン誘導体の単独又は共重合体が挙げられる。
スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等が挙げられる。これらのスチレン系単量体は、単独で用いられても、併用されてもよい。
ポリスチレン系樹脂は、スチレン系単量体と共重合可能なビニル系単量体を併用したものであってもよい。
ビニル系単量体としては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン等のジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体;α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、多官能性単量体が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン単位数が4〜16のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがより好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。尚、単量体は、単独で用いられても、併用されてもよい。
また、単量体を併用する場合、その含有量は、スチレン系単量体が主成分となる量(例えば、50質量%以上)になるように設定されることが好ましい。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
(ポリオレフィン系樹脂)
ポリスチレン系複合樹脂粒子を構成するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソプレン、ポリペンテン、ポリメチルペンテンなどのオレフィン系の単独重合体またはこれらの共重合体が挙げられる。
(複合樹脂粒子の製造)
複合樹脂粒子は、特に限定されないが、例えば、種粒子に単量体混合物を吸収させ、吸収させた後または吸収させつつ単量体混合物を重合させるシード重合法により製造することができる。
具体的には、水性媒体中で、種粒子としてのポリオレフィン系樹脂粒子に、スチレン系樹脂の単量体(以下「スチレン」ともいう)を含む単量体混合物を吸収させ、吸収させた後または吸収させつつ単量体混合物の重合を行うことで複合樹脂粒子を得る。
種粒子としてのポリオレフィン系樹脂粒子は、前記のポリオレフィン系樹脂の粒子であり、その平均粒子径は、作製する発泡性粒子の平均粒子径などに応じて適宜調整できる。
好ましい種粒子の粒子径は、0.5〜1.5mmの範囲であり、その形状は、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状などが挙げられる。
種粒子は、特に限定されないが、例えば、原料樹脂を押出機で溶融し、ストランドカット、水中カット、ホットカットなどにより造粒ペレット化する方法、粉砕機にて直接樹脂粒子を粉砕しペレット化する方法により製造することができる。
複合樹脂粒子におけるポリスチレン系樹脂の含有量は、特に限定されない。より大きな発泡性や所望の強度を持つ発泡性樹脂粒子および発泡成形体を得るには、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して100〜500質量部であるのが好ましく、150〜450質量部であることがより好ましい。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、メチルアルコールやエチルアルコールなどの低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
水性媒体には、単量体混合物の液滴及び種粒子の分散性を安定させるために分散剤(懸濁安定剤)を用いてもよい。このような分散剤としては、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの有機系分散剤;ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機系分散剤が挙げられる。これらの中でも、より安定な分散状態を維持することができることがあるため、無機系分散剤が好ましい。
単量体混合物の重合は、例えば、60〜150℃で、2〜40時間加熱することにより行うことができる。重合は、単量体混合物を種粒子中に吸収させた後、または単量体混合物を種粒子に吸収させながら行うことができる。
単量体混合物は、通常重合開始剤の存在下で重合する。重合開始剤は、通常単量体混合物と同時に種粒子に含浸させる。
重合開始剤としては、従来からスチレン単量体の重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよいが、10時間の半減期を得るための分解温度が60〜130℃にある複数種類の重合開始剤を併用することが好ましい。重合開始剤の使用量は、単量体混合物100質量部に対して、例えば0.1〜5質量部の範囲である。
複合樹脂粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲で、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、滑剤、結合防止剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、架橋剤、充填材、着色剤などの公知の添加剤が含まれていてもよい。
難燃剤としては、トリス(2,3-ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、トリスジブロモプロピルホスフェート、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)などが挙げられる。
難燃助剤としては、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、ジクミルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリントリステアレート、ジアセチル化グリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステル、ジイソブチルアジペートのようなアジピン酸エステルなどが挙げられる。
滑剤としては、パラフィンワックス、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
挙げられる。
融着促進剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸トリグリセリド、ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸ソルビタンエステル、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリドなどが挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイルなどが挙げられる。
気泡調整剤としては、エチレンビスステアリン酸アミド、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
架橋剤としては、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンなどの有機過酸化物などが挙げられる。
充填材としては、合成または天然に産出される二酸化ケイ素などが挙げられる。
(染料エマルジョン)
染料エマルジョンは、染料及びカチオン系界面活性剤を含み、カチオン系界面活性剤に含まれる程度の水分を含んでいてもよい。
染料エマルジョンにおける好ましい水分量は30〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%である。水分量が上記の範囲であれば、均一なダマのない染料エマルジョンを調製することができ、これを用いて染料を樹脂粒子に均一に含浸・添着させることができる。
本発明では、この染料エマルジョンを用いた乾式含浸により、染料を樹脂粒子に均一に含浸・添着させる。
(染料)
染料としては、Solvent Blue 78、Solvent Yellow 167(COLOR INDEX GENERIC NAME、以下、同じ)、Solvent Yellow 114、Solvent Yellow 163、Solvent Yellow 93 、Solvent Yellow 33 、Solvent Yellow 16 、Solvent Green 5、Solvent Yellow 104、Solvent Orange 6、Solvent Yellow 141、Solvent Orange 63、 Solvent Red 41、Solvent Red 149、Solvent Red 111 、Solvent Red 135 、Solvent Red 79、Solvent Red146、Solvent Red 22 、Solvent Red 52 、Solvent Violet 31、Solvent Violet 13、Disperse Blue 165、Disperse Blue 15、Solvent Green 3などの有機染料が挙げられる。また、染料の平均粒子径は1〜50μmが好ましく、更に好ましくは1〜20μmである。
これらの染料の中でも、カチオン系界面活性剤と相溶性の点で、アントラキノン系、アゾ系、キサンテン系、トリフェニルメタン系などから選択される有機染料であるのが特に好ましい。
これら染料は粉状であることや、非水溶性のために水だけでは分散することができない。このため、活性剤とくにイオン性の強いカチオン系界面活性剤を使用することで、きれいに分散させることができるのではないかと考えている。
染料の配合量は、求められる色目によるため特に制限はないと考える。ただ、得られる発泡成形体で良質な色目を得ることや、カチオン系界面活性剤との混合比の割合などにより着色ムラを生じ易くなることから複合樹脂粒子100質量部に対して、0.001〜0.1質量部の範囲であるのが好ましい。
より好ましい染料の配合量は、複合樹脂粒子100質量部に対して0.001〜0.08質量部の範囲である。
(カチオン系界面活性剤)
カチオン系界面活性剤としては、特に限定されず、公知のカチオン系界面活性剤を使用することができる。例えば、脂肪族第4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらのカチオン系界面活性剤の中でも、染料エマルジョンを作成する上でのハンドリング性の観点で、界面活性剤の疎水基の総炭素数が5〜30であるカチオン系界面活性剤の中から選択される脂肪族第4級アンモニウム塩型界面活性剤が特に好ましい。
当該技術分野における従来技術では、カチオン系界面活性剤を用いた例はない。
カチオン系界面活性剤の配合量は、染料の均一に分散させることや、発泡性樹脂粒子のベトツキが残って生産性を悪化させるなどの観点から、複合樹脂粒子100質量部に対して、0.02〜2.5質量部の範囲であるのが好ましい。
より好ましいカチオン系界面活性剤の配合量は、複合樹脂粒子100質量部に対して0.03〜2.0質量部の範囲である。
(染料とカチオン系界面活性剤との組み合わせ)
上記の染料とカチオン系界面活性剤とは、カチオン系界面活性剤が水中においてイオン解離することにより、染料の極性が存在する部分に強く相互作用することにより、染料をカチオン系界面活性剤が取り込みやすい状況になると考えられる。例えば、脂肪族第4級アンモニウム塩とアントラキノン系、アゾ系染料との組み合わせが特に好ましい。
染料エマルジョンは、上記の範囲の水分量を有するのが好ましい。染料の流動性や密閉容器内の水のたまり場が発生する可能性の観点から、換算すれば、水の配合量は、複合樹脂粒子100質量部に対して、0.01〜3.0質量部の範囲であるのが好ましい。なお、この水分は、カチオン系界面活性剤に含まれる水分を含む。
より好ましい水の配合量は、複合樹脂粒子100質量部に対して0.01〜2.5質量部の範囲である。
染料及びカチオン系界面活性剤は、複合樹脂粒子100質量部に対してそれぞれ0.001〜0.1質量部及び0.02〜2.5質量部の割合で含まれるのが好ましい。
また、カチオン系界面活性剤は、染料エマルジョンのダマになり易さや、撹拌時の液だまりの発生などから、染料100質量部に対して50〜50000質量部の割合で含まれるのが好ましい。
より好ましいカチオン系界面活性剤は、染料100質量部に対して50〜30000質量部の範囲である。
(b)第2工程
第2工程では、第1工程に次いで、密閉容器内に発泡剤を圧入して、複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させて、発泡性粒子を得る。
複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させる温度としては、低いと、含浸に時間を要し、発泡性粒子の製造効率が低下することがある一方、高いと、発泡性粒子同士の合着が多量に発生することがある。好ましい温度は、30〜90℃の範囲であり、より好ましい温度は、40〜80℃の範囲である。
(発泡剤)
発泡剤としては、揮発性発泡剤が好ましく、従来からポリスチレン系樹脂の発泡に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等炭素数5以下の脂肪族炭化水素等の揮発性発泡剤が挙げられ、特にブタン系発泡剤、ペンタン系発泡剤が好ましく、ペンタンを主成分(例えば、50質量%以上)として含む揮発性発泡剤が特に好ましい。なお、ペンタンは可塑剤としての作用も期待できる。
密閉容器内への発泡剤の圧入量、すなわち揮発性発泡剤の発泡性粒子中における含有量は、発泡性粒子から低密度の発泡成形体を得ることができないことや、発泡性粒子を用いた発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなり生産性が低下することや気泡が粗大になりすぎてしまうことから、10〜25質量%の範囲が好ましく、10〜20質量%の範囲であることが特に好ましい。
また、発泡性複合樹脂粒子に含有される発泡剤量としては、発泡性粒子から低密度の発泡成形体を得ることができないことや、発泡性粒子を用いた発泡成形体の製造工程における冷却工程に要する時間が長くなり生産性が低下することや気泡が粗大になりすぎてしまうことから、5〜20質量%であることが好ましく、5〜12質量%の範囲が更に好ましい。
(発泡助剤と可塑剤)
発泡性粒子には、発泡剤と共に発泡助剤、もしくは可塑剤や滑剤を含有させることができる。
発泡助剤としては、従来からポリスチレン系樹脂の発泡に用いられているものであれば、特に限定されず、例えば、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族有機化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル等の1気圧下における沸点が200℃以下の溶剤が挙げられる。
しかし、発泡成形体を電子製品などの梱包箱に用いる場合などについては、発泡助剤が残揮発成分として存在し悪影響を及ぼすおそれがあることから、可塑剤として、ジイソブチルアジペート、ひまし油などを使用するのが好ましい。
発泡助剤および可塑剤や滑剤を使用する場合、発泡性粒子中における含有量はそれぞれ、通常0.1〜2.5質量%の範囲とされ、可塑化効果の発現や発泡成形体の収縮、過発泡力のための発泡成形時間の延長などを考慮すると0.3〜2質量%の範囲であることが好ましい。また、高密度品を作成する場合などは添加する必要がない場合がある。
(2)発泡粒子とその製造方法
本発明の発泡粒子は、本発明の発泡性粒子を予備発泡して発泡粒子を得ることを特徴とする発泡粒子の製造方法により、製造することができる。
例えば、本発明の発泡粒子は、発泡性粒子を発泡機に投入し、撹拌しながら蒸気(スチーム)を導入し加熱して、所望の倍率に発泡させることにより、製造することができる。予備発泡においては、必要に応じて発泡する際にスチームと同時に空気を導入してもよい。
予備発泡における温度、圧力及び時間などの条件は、適宜設定すればよく、例えば、温度は70〜120℃の範囲、圧力(ゲージ圧)は0.005〜0.2MPaの範囲が好ましい。
本発明の発泡粒子は、5〜60倍の範囲の嵩倍数を有するのが好ましい。
(3)発泡成形体とその製造方法
本発明の発泡成形体は、上記の発泡粒子を発泡成形して発泡成形体を得ることを特徴とする発泡成形体の製造方法により、製造することができる。
例えば、本発明の発泡成形体は、発泡粒子を発泡成形機の金型内に充填し、再度加熱して発泡粒子を発泡させながら、発泡粒子同士を熱融着させることにより、製造することができる。
発泡成形における温度、圧力及び時間などの条件は、適宜設定すればよく、例えば、温度は90〜150℃の範囲、圧力(ゲージ圧)は0.05〜0.2MPaの範囲である。
本発明の発泡成形体は、上記の製造方法により得られ、JIS−Z 8722:2000「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準拠した反射法により測定され、次式:
ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
(式中、ΔL、Δa及びΔbは、前記発泡成形体の任意の10点におけるL*値、a*値及びb*値の最大値と最小値の差を意味する)
により算出された着色ムラの数値ΔEが15以下であることを特徴とする
着色ムラの数値ΔEの測定方法については、実施例において詳述する。
着色ムラの数値ΔEが15を超えると、発泡成形体の表面の着色ムラが顕著であることを示している。
好ましい着色ムラの数値ΔEは、10以下である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
実施例及び比較例においては、得られた発泡粒子及び発泡成形体を次のようにして評価した。
<発泡粒子の嵩倍数>
発泡粒子の嵩密度を次のように測定する。
約5gの発泡粒子の質量(a)を小数以下2位で秤量し、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した発泡粒子を入れる。次に、メスシリンダーの口に、その口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具を当てて、発泡粒子の体積(b)を読み取る。
得られた発泡粒子の質量(a)及び発泡粒子の体積(b)から、次式により
発泡粒子の嵩倍数(cm3/g)=(b)/(a)
<発泡成形体の着色ムラ>
発泡成形体の着色ムラ(色合い)を、JIS−Z 8722:2000「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準拠した反射法により測定・評価する。
測定には、色彩色差計(MINOLTA社(現:CONICA MINOLTA社)製、型式:CR−300)及び標準合わせに標準白板校正板(Y:94.3、x:0.3144、y:0.3208)を用いる。
具体的には、発泡成形体を縦400mm×横300mm×高さ30mmの直方体形状に切断加工し、その縦横面の任意の10点について測定面積をφ8mmとして、L*値、a*値及びb*値を測定する。10点測定で得られた各値の最大値と最小値の差ΔL、Δa及びΔbを算出し、下記の式により着色ムラの数値ΔEを算出する。
ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
得られたΔEから次の基準により着色ムラを評価する。
着色ムラが少ない発泡成形体:ΔEが15以下
着色ムラのある発泡成形体 :ΔEが15を超える
<表面固有抵抗値>
発泡成形体の帯電防止性能として表面固有抵抗値(表面抵抗率)を、JIS K 6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に記載の方法により測定する。
測定には、デジタル超高抵抗/微小電流計(株式会社アドバンテスト製、型式:R8340)及びレジスティビティ・チェンバ(株式会社アドバンテスト製、型式:R12702A)を用いる。
試料サンプルには、同一の発泡成形体を縦100mm×横100mm×厚さ10mm以下の大きさに10個切断加工し、これらを20±2℃、湿度65±5%の環境下に24時間程度保存したものを用いる。
具体的には、試料サンプルをレジスティビティ・チェンバにセットし、試料サンプルに約30Nの荷重で電極を圧着させて電圧500Vを1分間印加し、充電後の試料サンプルの抵抗値を測定する。測定値から下記の式より表面固有抵抗値(MΩ)を算出する。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
式中、ρsは表面固有抵抗値(MΩ)、Dは表面の環状電極の内径(cm)、dは表面電極の内円の外形(cm)及びRsは表面抵抗(MΩ)を示す。
得られた表面固有抵抗値の10個の平均値をその発泡成形体の表面固有抵抗値とし、次の基準により表面固有抵抗値を評価する。
帯電防止性能を有する:表面固有抵抗値が 1×1012Ω以下
<第4級アンモニウム塩型界面活性剤の確認>
発泡粒子および発泡成形体中の第4級アンモニウム塩型界面活性剤を、液体クロマトグラフ質量分析計(Thermo SCIENTIFIC社UHPLC ACCELAおよびThermo SCIENTIFIC製Linear Ion Trap 質量分析計 LXQ)を用いて測定する。
第4級アンモニウム塩型界面活性剤の中でも、カチオーゲンES−OW(オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート)については、以下の方法で同定が可能である。
発泡粒子および発泡成形体をそれぞれ2mm角にスライスした質量約0.5gの試料を準備する。高速溶媒抽出装置(Dionex製、型式:ASE−350)を用いて、試料に含有する添加剤を下記条件にてメタノール中に抽出する。
装置:高速溶媒抽出装置ASE−350(Dionex製)
抽出温度 :110℃
抽出圧力 :10.5MPa
昇温時間 :6分
静置時間 :10分
リンス量 :10%
パージ時間:60秒
サイクル数:3回
得られた抽出液を前記リニアイオントラップ型質量分析計により下記条件にて測定し、添加されているカチオーゲンES−OW(オクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート)含有の有無を確認する。
装置:UHPLC ACCELA(Thermo SCIENTIFIC性)
カラム:Thermo製 Hypersil GOLD C18 1.9μm
(2.1mmI.D.*100mmL)
カラム温度:40℃
移動相:(A:10mm酢酸アンモニウム/B:アセトニトリル)
移動相条件:(0min=Bconc.90%、0→1.5min=Bconc.90%→50%、 1.5→4.5min=Bconc.50%、4.5→4.6min=Bconc.50%→90%、4.6→10min=Bconc.90%)
流量:0.3ml/min
ポンプ温度:室温
注入量:2μL
測定時間:10min
MS測定条件は、以下の通りである。
装置:Linear Ion Trap LC/MSn LXQ
(Thermo SCIENTIFIC性)
Ionization=(ESI/positive)
Sheath Gas=30arb
AUX Gas=10arb
Sweep Gas=0arb
I Spray Voltage=5.0kV
Capillary Temp=260℃
Capillary voltage=34V
Tube lens=100V
Monitoring ion(m/z)=カチオーゲンES−OW
(n=186.2/n2=74.0)
(実施例1)
(複合樹脂粒子の製造)
直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(mLLDPE、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「ハーモレックス NF−464A」)を押出機に供給し、加熱混合して押出し、水中カット方式により造粒することでペレット化し、100粒あたり40mgに調整した核樹脂粒子を得た。
次いで、攪拌機を備えた容量100Lのオートクレーブに、得られた核樹脂粒子12kgを入れ、さらに水性媒体としての純水40kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム330g、分散助剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.85gを加えた。得られた混合物を攪拌して水性媒体の懸濁液とした。
次いで、得られた懸濁液を撹拌下で60℃に加熱し、これに予め重合開始剤としてのジクミルパーオキサイド10gを溶解させて調製しておいたスチレン6kgを30分間かけて滴下した。その後、混合液を60℃で30分間保持し、核樹脂粒子にスチレンを吸収(含浸)させた。
次いで、反応系内を撹拌下で135℃に加熱し、この温度で2時間保持した。その後、反応系内を115℃の温度に冷却し、この反応系中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ11gを加えた。その後、重合開始剤としてのt−ブチルパーオキシベンゾエート98g及びジクミルパーオキサイド15g、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド80gを溶解させて、調製しておいたスチレン22kgを4時間かけて滴下した。
次いで、反応系を115℃で1時間保持し、140℃に加熱し、同温度で3時間保持して重合を完結させた。その後、混合液を常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程によりLLDPE100質量部に対してスチレンを233質量部使用した複合樹脂粒子約40kgを得た。
(発泡性粒子の製造)
次いで、容量50Lの撹拌可能な密閉容器である乾式含浸設備に、複合樹脂粒子100質量部を供給し、さらに予めカチオン系界面活性剤としての第4級アンモニウム塩型界面活性剤のオクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−OW、含水量50質量%)1.7質量部及び赤色のアントラキノン系染料(三菱化学株式会社製、商品名:ダイヤレジンレッドS)0.05質量部を混合・撹拌し、更に水0.3質量部を混合して調製しておいた染料エマルジョン(水分量:56質量%)を投入した。
また、可塑剤としてのジイソブチルアジペート0.5質量部を投入し、乾式含浸設備を密閉した。その後、乾式含浸設備を回転させながら圧入ラインを使って発泡剤(ブタン)14質量部を圧入し、系内を60℃に加熱し、同温度で1.5時間保持した後、冷却して、発泡性粒子を取り出した。
(発泡粒子の製造)
次いで、容量33Lのバッチ式発泡機に、製造直後の発泡性粒子を所定質量投入し、撹拌しながら圧力0.01MPaの蒸気で加熱して見かけ嵩倍数30倍の発泡粒子を得た。
(発泡成形体の製造)
次いで、得られた予備発泡粒子を、400mm×300mm×30mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に充填し、ゲージ圧0.08MPaの水蒸気を30秒導入して加熱し、120秒間冷却することで、倍数約40倍の発泡成形体を得た。得られた発泡成形体を40℃の乾燥室で3時間程度乾燥させた。
得られた発泡成形体の着色ムラ及び表面固有抵抗率を評価したところ、ΔEは4.9、表面抵抗率は1.5×109Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認した。
(実施例2)
染料として黄色のアゾ系染料(紀和化学株式会社製、商品名:KPプラスト イエロー3G)0.05質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラおよび表面抵抗率を評価したところ、ΔEは4.1、表面抵抗率は2.0×109Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認した。
(実施例3)
染料として黒色の染料(住友化学株式会社製、商品名:スミプラストブラックDA−158)0.004質量部、赤色のアントラキノン系染料(三菱化学株式会社製、商品名:ダイヤレジンレッドS)0.009質量部、黄色のアゾ系染料(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:ファイアット イエロー3G)0.022質量部を混合して用いたこと以外は、実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラおよび表面抵抗率を評価したところ、ΔEは3.2、表面抵抗率は1.9×109Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認した。
(実施例4)
カチオン系界面活性剤としての第4級アンモニウム塩型界面活性剤のオクチルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート(第一工業製薬株式会社製、商品名:カチオーゲンES−OW、含水量50質量%)0.1質量部、染料として黒色の染料(住友化学株式会社製、商品名:スミプラストブラックDA−158)0.004質量部、赤色のアントラキノン系染料(三菱化学株式会社製、商品名:ダイヤレジンレッドS)0.009質量部及び黄色のアゾ系染料(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:ファイアット イエロー3G)0.022質量部、水0.2質量部を用いて染料エマルジョンを作成したこと以外は、実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラおよび表面抵抗率を評価したところ、ΔEは6.1、表面抵抗率は2.0×1014Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認した。
(比較例1)
発泡性粒子の製造(染料及び発泡剤の含浸)において、カチオン系界面活性剤を使用せず、染料(粉末)と水0.7質量部を分けて密閉容器内に投入したこと以外は実施例1と同様にして、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラ及び表面固有抵抗率を評価したところ、ΔEは18.4、表面抵抗率は5×1015Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認できなかった。
(比較例2)
発泡性粒子の製造において、カチオン系界面活性剤を使用せず、染料(粉末)と水0.5質量部を分けて密閉容器内に投入したこと以外は実施例2と同様にして発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラおよび表面抵抗率を評価したところ、ΔEは17.0、表面抵抗率は8×1015Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認できなかった。
(比較例3)
発泡性粒子の製造において、カチオン系界面活性剤を使用せず、染料(粉末)と水0.5質量部を分けて密閉容器内に投入したこと以外は実施例3と同様にして発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の着色ムラおよび表面抵抗率を評価したところ、ΔEは19.0、表面抵抗率は8×1015Ωであった。さらに分析により、第4級アンモニウム塩型界面活性剤の含有を確認できなかった。
上記の結果から、実施例1の発泡成形体は、着色ムラのない発泡成形体であることがわかる。
一方、比較例1の発泡成形体は、着色ムラがあり、実施例1の発泡成形体に劣ることがわかる。

Claims (12)

  1. 密閉容器内で、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる複合樹脂粒子と、染料及びカチオン系界面活性剤を含む染料エマルジョンとを混合する工程、及び
    次いで、前記密閉容器内に発泡剤を圧入して、前記複合樹脂粒子に前記発泡剤を含浸させる工程
    を含むことを特徴とする発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記カチオン系界面活性剤が、第4級アンモニウム塩型界面活性剤である請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記染料が、アントラキノン系染料、アゾ系染料、キサンテン系染料及びトリフェニルメタン系染料から選択される少なくとも1種の有機染料である請求項1または2に記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  4. 前記染料及びカチオン系界面活性剤が、前記複合樹脂粒子100質量部に対してそれぞれ0.001〜0.1質量部及び0.02〜2.5質量部の割合で含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  5. 前記カチオン系界面活性剤が、前記染料100質量部に対して50〜50000質量部の割合で含まれる請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  6. 前記発泡剤が揮発性発泡剤であり、その含有量が前記複合樹脂粒子に対して5〜20質量%の範囲である請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  7. 前記複合樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対してポリスチレン系樹脂100〜500質量部の割合で含む複合樹脂粒子である請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の製造方法により得られた発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子。
  9. 請求項8に記載の発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子を予備発泡して発泡粒子を得ることを特徴とする発泡粒子の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により得られた発泡粒子。
  11. 請求項10に記載の発泡粒子を発泡成形して発泡成形体を得ることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  12. 請求項11に記載の製造方法により得られた発泡成形体であり、JIS−Z 8722「色の測定方法−反射及び透過物体色」に準拠した反射法により測定され、次式:
    ΔE=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2
    (式中、ΔL、Δa及びΔbは、前記発泡成形体の任意の10点におけるL*値、a*値及びb*値の最大値と最小値の差を意味する)
    により算出された着色ムラの数値ΔEが15以下であることを特徴とする発泡成形体。
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