JP2012131955A - 食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子及び食品容器 - Google Patents
食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子及び食品容器 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】着色むらが無く、一様に着色した食品容器を容易に製造することができる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法の提供。
【解決手段】染料で着色された食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセリンとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されていることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【選択図】なし
【解決手段】染料で着色された食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセリンとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されていることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
【選択図】なし
Description
本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色した食品容器を容易に製造することができる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子及び食品容器に関する。
ポリスチレン系樹脂の発泡成形体は、運搬用容器や、包装用容器として広く利用されている。そのうち、食品容器(魚箱等)の用途などでは他容器と区別する目的や、意匠性を高める為に着色して使用されている。
例えば、食品容器ではブルー、パープル、オレンジ、グリーン等に着色された発泡成形体を使用する。また、グレー色に着色しておくと、汚れが目立たないという利点があるので、グレー色に着色される場合もある。グレー色に着色された発泡成形体を製造するには、着色剤としてこれまでカーボンブラックが用いられるのが一般的であった。
しかし、カーボンブラックを含んだ発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造するには、ポリスチレン系樹脂の重合段階で添加する必要があり、発泡剤を含浸させるときに樹脂粒子にカーボンブラックを吸収させることができず製造工程が煩雑になる。
例えば、食品容器ではブルー、パープル、オレンジ、グリーン等に着色された発泡成形体を使用する。また、グレー色に着色しておくと、汚れが目立たないという利点があるので、グレー色に着色される場合もある。グレー色に着色された発泡成形体を製造するには、着色剤としてこれまでカーボンブラックが用いられるのが一般的であった。
しかし、カーボンブラックを含んだ発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造するには、ポリスチレン系樹脂の重合段階で添加する必要があり、発泡剤を含浸させるときに樹脂粒子にカーボンブラックを吸収させることができず製造工程が煩雑になる。
一般に、着色された発泡性樹脂粒子を作るには、幾つかの方法が知られている。
例えば、特許文献1(特公平6−10270号公報)、特許文献2(特公平6−23266号公報)にあるように、発泡剤の添加過程で染料を添加する方法が知られている。
例えば、特許文献1(特公平6−10270号公報)、特許文献2(特公平6−23266号公報)にあるように、発泡剤の添加過程で染料を添加する方法が知られている。
従来の方法では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子への着色にムラが生じ易くなる傾向にあった。特に、2種以上の染料を混合して使用する場合に着色むらが生じ易く、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を用いて製造した発泡成形体は、外観に劣るものとなりやすかった。
また、上述した従来方法において染料又は顔料の離脱を防止するためには、被覆剤を用いて染料又は顔料を樹脂粒子表面に被覆する方法があるが、この方法では内部までむらなく着色することができないだけでなく、被覆工程が余分に必要なために製造工程が複雑になるという欠点があった。
また、上述した従来方法において染料又は顔料の離脱を防止するためには、被覆剤を用いて染料又は顔料を樹脂粒子表面に被覆する方法があるが、この方法では内部までむらなく着色することができないだけでなく、被覆工程が余分に必要なために製造工程が複雑になるという欠点があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、着色むらが無く、一様に着色して外観が美麗な食品容器を容易に製造することができる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子及び食品容器の提供を課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、染料で着色された食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されていることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を提供する。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78を0.003〜0.4質量%の範囲で含有することが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、表面被覆剤がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコールから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する構成としてもよい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料と発泡剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させて食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入すること、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させた後に、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって該樹脂粒子表面を被覆して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得ることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法を提供する。
前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入すること、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させた後に、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって該樹脂粒子表面を被覆して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得ることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法を提供する。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させる際に、ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を吸収させることが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中のSolventBlue78の含有量が0.003〜0.4質量%の範囲であることが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、表面被覆剤がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコールから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する構成としてもよい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法において、発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている構成としてもよい。
また本発明は、前記食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱し予備発泡させて得られた食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子を提供する。
また本発明は、前記食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られ、JIS A 9511に基づいて測定された曲げ強さが0.17MPa以上、5%圧縮強さが0.07MPa以上である食品容器を提供する。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した食品容器を容易に製造することができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された食品容器が得られる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
本発明の食品容器は、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した美麗な外観を有し、またJIS A 9511に基づいて測定された曲げ強さが0.17MPa以上、5%圧縮強さが0.07MPa以上であるものなので、食品容器として極めて有用である。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料で着色された食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、染料としてSolventBlue78を含有するとともに、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されていることを特徴としている。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられるポリスチレン系樹脂粒子としては、例えば、次の(1)〜(3)の製造方法で得られたポリスチレン系樹脂粒子を使用できる。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔から発泡剤混合樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法(水中カット法などとも称される)。
(1)水系懸濁液中にスチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を分散させ重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる懸濁重合法、
(2)水系懸濁液中にポリスチレン系樹脂種粒子を分散させた後に、スチレン系単量体を主成分とする重合性単量体を該種粒子に吸収させて重合を行い、ポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆるシード重合法、
(3)押出機にポリスチレン系樹脂を投入して加熱溶融し、押出機吐出側に取り付けた多数の小孔を有するダイの該小孔から発泡剤混合樹脂を押し出し、その直後に水中で切断し、急冷することでポリスチレン系樹脂粒子を得る、いわゆる溶融押出法(水中カット法などとも称される)。
前記(1)懸濁重合法及び(2)シード重合法で用いるスチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系単量体を主成分とし、スチレン系単量体を通常、50質量%以上、好ましくは80質量%以上含む。これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが特に好ましい。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
更にスチレン系単量体に併用可能な重合性単量体としては、スチレン系単量体と共重合可能なものであれば特に限定されず、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等が挙げられる。
また(2)シード重合法で食品容器製造用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する場合、前記懸濁重合法により得られるポリスチレン系樹脂粒子を種粒子として使用したり、ポリスチレン系樹脂を押出機によりあらかじめ所望の粒子径に調整した後、種粒子として使用しても良い。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料などが挙げられる。
(2)シード重合法において押出機を用いて種粒子を作製する場合、或いは(3)溶融押出法において使用するポリスチレン系樹脂は、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂などの、リサイクル原料でないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)を使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたリサイクル原料を使用することができる。このリサイクル原料としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したリサイクル原料などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂粒子の粒子径は、特に限定されないが、成形時の成形型キャビティ内への予備発泡粒子の充填性等から、通常、0.3〜2.0mm程度であり、0.3〜1.4mmが好ましい。
本発明において、使用するポリスチレン系樹脂の分子量は、GPC法による質量平均分子量(Mw)が17万〜70万であるのが好ましい。ポリスチレン系樹脂の分子量が17万を下回ると、最終的に得られる発泡成形体の強度が低下し、また70万を上回ると充分な発泡性が得られ難くなるので好ましくない。
前記(1)懸濁重合法および(2)シード重合法で使用する重合開始剤としては、通常、スチレンの懸濁重合において用いられるものであれば特に限定されず、例えばラジカル発生型重合開始剤を用いることができる。具体的には、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子中に残留するスチレン系単量体を低減するために、高温分解型の重合開始剤を使用し、最終の重合温度を115℃以上に設定するのが好ましい。高温分解型の重合開始剤としては、例えばt−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタンなどの半減期10時間を得るための温度が100〜115℃のものが挙げられる。なお、高温分解型の重合開始剤を過剰に加えると分解副生成物であるアルコール類が発生するので好ましくない。
また、前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を調整し、単量体の残留量を減少させるという点で、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある重合開始剤を2種以上組合わせて用いるのが好ましい。
また、前記の重合において、ポリスチレン系樹脂粒子の分子量を調整し、単量体の残留量を減少させるという点で、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃の範囲にある重合開始剤を2種以上組合わせて用いるのが好ましい。
前記(1)懸濁重合または(2)シード重合を行う際に、スチレン系単量体の小滴または種粒子を水系媒体中に分散させるために、懸濁剤を用いてもよい。懸濁剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。なお、難水溶性無機化合物を用いる場合にはアニオン界面活性剤を併用するのが好ましい。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子に、懸濁重合含浸法あるいは後含浸法によって発泡剤と染料を含浸させることにより、食品容器製造用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。前記のようにして得られるポリスチレン系樹脂粒子に、懸濁重合含浸法あるいは後含浸法によって発泡剤と染料を含浸させることにより、食品容器製造用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することができる。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、前記SolventBlue78の含有量は、0.003〜0.4質量%の範囲内であることが好ましく、0.005〜0.30質量%の範囲内であることがより好ましい。SolventBlue78の含有量が前記範囲未満であると、最終的に得られる食品容器の着色度合が弱くなってしまう。一方、SolventBlue78の含有量が前記範囲を超えると、コスト高となるばかりか、成形性が低下する為に好ましくない。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、SolventBlue78と色の異なる別種の染料とを含有させることによって、所望の混色に着色することもできる。混色を得るための染料の種類や組み合わせは特に限定されない。
SolventBlue78に他の染料を組み合わせる場合、他の染料としては、例えば、SolventYellow167(COLOR INDEX GENERIC NAME、以下、同じ)、SolventYellow114、SolventYellow163、SolventYellow93、SolventYellow33、SolventYellow16、SolventGreen5、SolventYellow104、SolventOrange60、SolventYellow14、SolventOrange63、VatRed41、SolventRed149、SolventRed111、SolventRed135、SolventRed179、SolventRed146、SolventRed22、SolventRed52、SolventViolet31、SolventViolet13、DisperseBlue165、DisperseBlue15、SolventGreen3、PigmentRed170等が挙げられる。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられる発泡剤としては、一般の熱可塑性樹脂発泡体の製造に用いられている炭素数5以下の脂肪族炭化水素、例えばn−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン等が挙げられる。
前記発泡剤の含有量は、ポリスチレン系樹脂粒子に対して2〜10質量%の範囲が好ましく、3〜9質量%がより好ましい。前記含有量が2質量%を下回ると、低密度化が困難であるばかりでなく、成形時の二次発泡力を高める効果が得られないために発泡成形体の外観が劣るようになる。また、含有量が10質量%を上回ると、発泡成形時の収縮、予備発泡粒子中の残存ガスの調整時間の遅延、かつ成形サイクルが長くなり、生産性の点から好ましくない。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子に用いられる表面被覆剤は、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、高級脂肪酸エステルと、ポリエチレングリコール、グリセリンとから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物を含むものである。この表面被覆剤は、前記化合物以外の成分、例えば、界面活性剤、タルクなどの無機滑剤などを含んでいてもよい。なお、本発明において「高級脂肪酸」とは、炭素数10以上、好ましくは炭素数14以上の飽和又は不飽和脂肪酸のことを指している。
また、高級脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられ、高級脂肪酸エステルとしてはステアリン酸トリグリセリド誘導体、ステアリン酸モノグリセリド、パルチミン酸グリセリドなどが挙げられる。さらに、ステアリン酸トリグリセリド誘導体とはステアリン酸トリグリセリド、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、1−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどが挙げられる。
また、高級脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられ、高級脂肪酸エステルとしてはステアリン酸トリグリセリド誘導体、ステアリン酸モノグリセリド、パルチミン酸グリセリドなどが挙げられる。さらに、ステアリン酸トリグリセリド誘導体とはステアリン酸トリグリセリド、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリド、1−ヒドロキシステアリン酸トリグリセリドなどが挙げられる。
前記表面被覆剤の中でも、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド誘導体、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリンから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物であることが好ましく、2種以上を混合して又は別々に食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の表面に添加することがより好ましい。
前記表面被覆剤の含有量は、食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子100質量部に対し、0.01〜2.0質量部の範囲が好ましい。表面被覆剤を前記範囲内で食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の表面に塗布しておけば、食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の予備発泡工程において予備発泡粒子同士の結合を減少させることができて好ましい。表面被覆剤の含有量が0.01質量部未満であると、予備発泡粒子同士の結合を減少させる効果が不十分となり、一方、2.0質量部を超えて添加すると、得られる食品容器の強度低下や外観の悪化を生じるおそれがある。
前記食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、物性を損なわない範囲内において、従来から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造に使用されている、可塑剤、発泡セル造核剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、滑剤等を必要に応じて適宜使用してもよい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、染料としてSolventBlue78を含有するものなので、着色むらが無く、一様に着色した食品容器を容易に製造することができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
また、SolventBlue78は、異なる色の染料を複数種組み合わせてポリスチレン系樹脂粒子の表面に含浸させることで、目的の混色を美麗かつ均一に着色できることから、着色のバリエーションを増やすことができる。
本発明に係る食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料と発泡剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させて食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入すること、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させた後に、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって該樹脂粒子表面を被覆して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得る方法によって製造される。
本製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子は、分散剤を含んだ水系媒体中に分散させておくことが好ましい。
前記分散剤としては、例えばピロリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の難水溶性無機化合物やポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。
前記分散剤としては、例えばピロリン酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム等の難水溶性無機化合物やポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子等が挙げられる。
前記SolventBlue78を水系媒体に分散させる際に用いる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤及び非イオン系界面活性剤の中から、使用する染料の分散性等を考慮して適宜選択して用いることができる。
本製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させる際に、ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を吸収させることが好ましい。さらに、発泡剤と染料を含浸させた樹脂粒子は、必要に応じて洗浄と乾燥を行った後、ミキサーの投入して前記表面被覆剤を添加し、撹拌することによって樹脂粒子表面に用面被覆剤を均一にコーティングすることが好ましい。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法は、前述した通り美麗に着色された食品容器が得られる発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を容易且つ低コストで製造することができる。
本発明の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、水蒸気加熱等により加熱して予備発泡し、食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子と記す)とする。この予備発泡粒子は、製造するべき食品容器の密度と同等の嵩密度となるように予備発泡される。本発明において、その嵩密度は限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において予備発泡粒子の嵩密度とは、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cm3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
<予備発泡粒子の嵩密度>
メスシリンダに予備発泡粒子を500cm3の目盛りまで充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視し、予備発泡粒子が一粒でも500cm3の目盛りに達していれば、充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した予備発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とする。次式により予備発泡粒子の嵩密度を算出する。
嵩密度(g/cm3)=W/500
<予備発泡粒子の嵩発泡倍数>
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
また、予備発泡粒子の嵩発泡倍数は、次式により算出される数値である。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3)
前記予備発泡粒子は、発泡樹脂成形体の製造分野において周知の装置及び手法を用い、該予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気加熱等により加熱して型内発泡成形し、食品容器を製造する。
本発明の食品容器の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
本発明の食品容器の密度は特に限定されないが、通常は0.010〜0.10g/cm3の範囲内とし、0.015〜0.050g/cm3の範囲内とするのが好ましい。
なお、本発明において食品容器の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した発泡成形体密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
<発泡成形体の発泡倍数>
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
また、発泡成形体の発泡倍数は次式により算出される数値である。
発泡倍数=1/密度(g/cm3)
本発明の食品容器は、魚介類や野菜などの各種食品を収容するための魚箱、土産箱、クーラーボックス、野菜箱、果実箱などと称されている食品容器のことを指し、該容器の形状や大きさは特に限定されない。また、食品容器は、容器本体だけのものでもよいし、容器本体とその開口を塞ぐ蓋とを備えたものでもよい。またこの蓋は、容器本体と同じ発泡成形体で作られたものでもよいし、容器本体と異なる材質、例えば、無発泡の合成樹脂製の蓋や樹脂フィルムなどであってもよい。さらに、食品容器には、水抜き用の穴、通気性の穴やスリット、容器本体と蓋とを嵌合するための凹凸などを適宜設けることができる。
本発明の食品容器は、前記食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱して予備発泡し、得られた予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱し型内発泡成形して得られたものなので、着色むらが無く、一様に着色した美麗な外観を有している。また、本発明の食品容器は、JIS A 9511に基づいて測定された曲げ強さが0.17MPa以上、5%圧縮強さが0.07MPa以上であるものなので、食品容器として極めて有用である。
曲げ強度が0.17MPa以下、5%圧縮強度が0.07MPa以下であると食品容器としては十分な強度が得られない。より好ましくは曲げ強度が0.22MPa以上、5%圧縮強さが0.08MPa以上、さらに好ましくは曲げ強度が0.28MPa以上、5%圧縮強さが0.09MPa以上である。また、発泡成形体の発泡倍数は40〜80倍が好ましく、60倍程度がさらに好ましい。
曲げ強度が0.17MPa以下、5%圧縮強度が0.07MPa以下であると食品容器としては十分な強度が得られない。より好ましくは曲げ強度が0.22MPa以上、5%圧縮強さが0.08MPa以上、さらに好ましくは曲げ強度が0.28MPa以上、5%圧縮強さが0.09MPa以上である。また、発泡成形体の発泡倍数は40〜80倍が好ましく、60倍程度がさらに好ましい。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の例示に過ぎず、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
以下の各実施例、比較例において、「質量部」は「部」と略記し、「質量%」は「%」と略記している。
以下の各実施例、比較例において、「質量部」は「部」と略記し、「質量%」は「%」と略記している。
[実施例1]
内容積6リットルのオートクレーブに、水系媒体として純水2200部、ピロ燐酸マグネシウム5.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.2部、可塑剤としてシクロヘキサン45部を入れ、ホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製し、該液中にポリスチレン系樹脂粒子(Mw:30万)2100部を加え、撹拌羽根(回転数250rpm)で撹拌し、水系媒体中に懸濁したものを30℃に保持した。
次に、2.5部のSolventBlue78を予めドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを含む純水100gの水系媒体中に予備分散させたものを、前記オートクレーブ内に投入した。
その後、発泡剤としてブタン200部を圧入した。続いてオートクレーブ内を90℃に昇温し、この温度に5時間保持した。その後、25℃まで冷却して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
こうして得られた食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子5kgを、松坂貿易社製のレーディゲミキサーM20型(内容積20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛2.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド2.5g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し230rpmで3分間撹拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール2.5gを投入し230rpmで5分間撹拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
この被覆後の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を内容量約40リットルの小型バッチ式予備発泡機に入れ、常圧下でゲージ圧力0.05MPaの水蒸気で加熱し、嵩発泡倍数40、60、80倍に予備発泡し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を20℃で24時間放置し、乾燥、熟成させた後、面圧計が取り付けられ、外寸400×300×100Hmm、内寸360×260×80Hmmの魚箱製造用のキャビティを有する金型を成形機に取付け、該キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、水蒸気加熱による型内発泡成形を行った。成形機は積水工機製作所社製のACE−3SPを用い、QS成形モードでゲージ圧0.7kg/cm2、金型加熱3秒、一方加熱8秒、逆一方加熱1秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で型内発泡成形を行って食品容器(魚箱、発泡倍数40、60、80倍)を製造した。
得られた食品容器を40℃の乾燥室に入れて1日乾燥し、外観を目視で調べ、以下の<着色むらの測定評価>に基づいて評価した。得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し合い、美麗な青色で着色むらの少ない良質なものであった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
内容積6リットルのオートクレーブに、水系媒体として純水2200部、ピロ燐酸マグネシウム5.0部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.2部、可塑剤としてシクロヘキサン45部を入れ、ホモミキサーで撹拌して懸濁液を調製し、該液中にポリスチレン系樹脂粒子(Mw:30万)2100部を加え、撹拌羽根(回転数250rpm)で撹拌し、水系媒体中に懸濁したものを30℃に保持した。
次に、2.5部のSolventBlue78を予めドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを含む純水100gの水系媒体中に予備分散させたものを、前記オートクレーブ内に投入した。
その後、発泡剤としてブタン200部を圧入した。続いてオートクレーブ内を90℃に昇温し、この温度に5時間保持した。その後、25℃まで冷却して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得た。
こうして得られた食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子5kgを、松坂貿易社製のレーディゲミキサーM20型(内容積20リットル)に投入した。次いでステアリン酸亜鉛2.5g、12−ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド2.5g、ステアリン酸モノグリセライド2.5gを順次投入し230rpmで3分間撹拌した。次いで重量平均分子量300であるポリエチレングリコール2.5gを投入し230rpmで5分間撹拌し、樹脂粒子表面を被覆した。
この被覆後の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を内容量約40リットルの小型バッチ式予備発泡機に入れ、常圧下でゲージ圧力0.05MPaの水蒸気で加熱し、嵩発泡倍数40、60、80倍に予備発泡し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を20℃で24時間放置し、乾燥、熟成させた後、面圧計が取り付けられ、外寸400×300×100Hmm、内寸360×260×80Hmmの魚箱製造用のキャビティを有する金型を成形機に取付け、該キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、水蒸気加熱による型内発泡成形を行った。成形機は積水工機製作所社製のACE−3SPを用い、QS成形モードでゲージ圧0.7kg/cm2、金型加熱3秒、一方加熱8秒、逆一方加熱1秒、両面加熱10秒、水冷5秒、設定取出面圧0.02MPaの条件で型内発泡成形を行って食品容器(魚箱、発泡倍数40、60、80倍)を製造した。
得られた食品容器を40℃の乾燥室に入れて1日乾燥し、外観を目視で調べ、以下の<着色むらの測定評価>に基づいて評価した。得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し合い、美麗な青色で着色むらの少ない良質なものであった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
<着色むらの測定評価>
食品容器を目視で確認し、側面(400×300mm)内で着色むらが発生している発泡粒の数を調べた。
前記側面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下であり、かつ全体にわたり均一な着色状態であるものを、着色むら無し(良好(○))とし、前記側面内に着色むらが発生している発泡粒が3粒以上あり、さらに色の濃淡、色抜け等があるものを、着色むら有り(不良(×))として評価した。
食品容器を目視で確認し、側面(400×300mm)内で着色むらが発生している発泡粒の数を調べた。
前記側面内で着色むらが発生している発泡粒が3粒以下であり、かつ全体にわたり均一な着色状態であるものを、着色むら無し(良好(○))とし、前記側面内に着色むらが発生している発泡粒が3粒以上あり、さらに色の濃淡、色抜け等があるものを、着色むら有り(不良(×))として評価した。
[実施例2]
SolventBlue78の量を0.1部としたこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
SolventBlue78の量を0.1部としたこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
[実施例3]
SolventBlue78の量を8.5部としたこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
SolventBlue78の量を8.5部としたこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
[実施例4]
2.7部のSolventBlue78と2.5部のDisperseRed9とを併用したこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、グレー色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
2.7部のSolventBlue78と2.5部のDisperseRed9とを併用したこと以外は、実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、グレー色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
[実施例5]
ポリエチレングリコールをグリセリンとした以外は、実施例1と同様に食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
ポリエチレングリコールをグリセリンとした以外は、実施例1と同様に食品容器を製造した。
得られた食品容器は、発泡粒子同士が互いによく融着し、青色で着色むらの少ない美麗な外観であった。また、強度も食品容器として十分なものであった。結果を表1に記す。
[比較例1]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue87を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue87を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
[比較例2]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue58を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue58を同量用い、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、青色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
[比較例3]
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue63を2.7部と、DisperseRed9を2.5部とを併用し、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、グレー色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
染料としてSolventBlue78ではないアントラキノン系染料のSolventBlue63を2.7部と、DisperseRed9を2.5部とを併用し、それ以外は実施例1と同様にして食品容器を製造した。
得られた食品容器は、グレー色であるが着色むらが多く、外観が劣るものであった。結果を表1に記す。
表1の結果から、染料としてSolventBlue78を用いた実施例1〜4は、美麗に着色され、着色むらの少ない良質な食品容器が得られた。
一方、SolventBlue78とは異なる染料を用いた比較例1〜3で得られた食品容器は、着色むらが多く、外観が劣るものであった。
一方、SolventBlue78とは異なる染料を用いた比較例1〜3で得られた食品容器は、着色むらが多く、外観が劣るものであった。
[実施例1〜4の曲げ強さ]
曲げ強さはJIS A9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75×300×35mmで圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離は200mmとして測定した。
測定方法試験装置:テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)。
試験片:75×300×25mm。試験片の数は3個とする。
試験速度:10mm/min。
先端治具:加圧くさび…10R、支持台…10R。
支点間距離:200mm。
曲げ強さ測定に用いた試験片は、前記の通り製造した実施例1〜4の食品容器から切り出して作製した。
測定の結果、実施例1〜4の食品容器は、いずれも0.17MPa以上の曲げ強さを有していた。結果を表1に示す。
曲げ強さはJIS A9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75×300×35mmで圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離は200mmとして測定した。
測定方法試験装置:テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)。
試験片:75×300×25mm。試験片の数は3個とする。
試験速度:10mm/min。
先端治具:加圧くさび…10R、支持台…10R。
支点間距離:200mm。
曲げ強さ測定に用いた試験片は、前記の通り製造した実施例1〜4の食品容器から切り出して作製した。
測定の結果、実施例1〜4の食品容器は、いずれも0.17MPa以上の曲げ強さを有していた。結果を表1に示す。
[実施例1〜4の圧縮強さ]
圧縮強さはJIS A9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは50×50×25mmで圧縮速度を10mm/minとして測定した。
測定方法試験装置:テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)。
試験片:50×50×25mm。試験片の数は3個とする。
試験速度:10mm/min。
先端治具:圧縮試験円形治具(50R)
5%圧縮強さ測定に用いた試験片は、前記の通り製造した実施例1〜4の食品容器から切り出して作製した。
測定の結果、実施例1〜4の食品容器は、いずれも0.07MPa以上の5%圧縮強さを有していた。結果を表1に示す。
圧縮強さはJIS A9511:1999「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて測定した。すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは50×50×25mmで圧縮速度を10mm/minとして測定した。
測定方法試験装置:テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)。
試験片:50×50×25mm。試験片の数は3個とする。
試験速度:10mm/min。
先端治具:圧縮試験円形治具(50R)
5%圧縮強さ測定に用いた試験片は、前記の通り製造した実施例1〜4の食品容器から切り出して作製した。
測定の結果、実施例1〜4の食品容器は、いずれも0.07MPa以上の5%圧縮強さを有していた。結果を表1に示す。
本発明は、発泡剤を含み、着色されたポリスチレン系樹脂粒子からなる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法に関し、特に、着色むらが無く、一様に着色した食品容器を容易に製造することができる食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び食品容器を提供する。
Claims (13)
- 染料で着色された食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子において、
染料としてSolventBlue78を含有するとともに、高級脂肪酸金属塩(金属石鹸)、高級脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、グリセリンとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって表面が被覆されていることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。 - SolventBlue78を0.003〜0.4質量%の範囲で含有する請求項1に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
- 表面被覆剤がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド誘導体、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコールから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物である請求項1又は2に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
- SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
- 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子。
- ポリスチレン系樹脂粒子を耐圧容器内に入れ、さらに染料と発泡剤を投入してポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させて食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を製造する方法において、
前記染料がSolventBlue78を含有し、該染料を水性媒体に予め分散させて投入すること、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させた後に、高級脂肪酸エステルとポリエチレングリコールとから成る群から選択される1種又は2種以上の表面被覆剤によって該樹脂粒子表面を被覆して食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を得ることを特徴とする食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。 - ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤と染料を含浸させる際に、ポリスチレン系樹脂粒子を水系媒体とともに耐圧容器内に入れ、前記染料を投入してポリスチレン系樹脂粒子に染料を吸収させた後、該容器内に発泡剤を投入して該容器内を60℃以上に昇温し、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を吸収させる請求項6に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中のSolventBlue78の含有量が0.003〜0.4質量%の範囲である請求項6又は7に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- 表面被覆剤がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ポリエチレングリコールから成る群から選択される1種又は2種以上の化合物である請求項6〜8のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- SolventBlue78と併用して、青色以外のアントラキノン系染料、アゾ系染料、キノリン系染料から成る群から選択される1種又は2種以上の染料を含有する請求項6〜9のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- 発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂が含有されている請求項6〜10のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品容器製造用発泡性ポリスチレン系着色樹脂粒子を加熱し予備発泡させて得られた食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子。
- 請求項12に記載の食品容器製造用着色樹脂予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し加熱して型内発泡成形して得られ、JIS A 9511に基づいて測定された曲げ強さが0.17MPa以上、5%圧縮強さが0.07MPa以上である食品容器。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2014070150A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Sekisui Plastics Co Ltd | ポリスチレン系発泡成形体、その製造方法及び発泡樹脂容器 |
JP2014177540A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性ポリスチレン系着色複合樹脂粒子、発泡粒子と発泡成形体及びそれらの製造方法 |
WO2020196096A1 (ja) * | 2019-03-25 | 2020-10-01 | 株式会社カネカ | 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系予備発泡粒子および発泡成形体 |
-
2010
- 2010-12-24 JP JP2010287324A patent/JP2012131955A/ja active Pending
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