JP2013071839A - フォークリフト - Google Patents

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Abstract

【課題】フォークの昇降操作とフォークの水平操作を同時に行う操作をした場合において、フォークの揚高を考慮しつつより安定した動作を行うことのできるフォークリフトを提供すること。
【解決手段】フォークリフト1は、傾動手段60と、ティルトレバー40と、ティルト操作検出手段62と、昇降手段64と、リフトレバー50と、リフト操作検出手段66と、揚高検出手段80と、荷検出手段90と、補助スイッチ52と、ティルト角検出手段70と、制御手段74とを備えている。制御手段74は補助スイッチ52が操作され、リフト操作検出手段66がフォーク30の上昇の操作を検出し、荷検出手段90がフォーク30に荷があることを検出し、ティルト角検出手段70の情報からフォーク30が水平でないと検知し、揚高検出手段80で検出されたフォーク30の揚高が第1の閾値以下であると、フォーク30の上昇と共にフォーク30が水平となるように昇降手段64、傾動手段60を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、フォークリフトに関し、詳しくは、傾動手段と昇降手段とを備えたフォークリフトに関する。
従来、パレットに載せた荷物を棚等に入れる作業(荷入れ作業)およびこの荷物を棚等から出す作業(荷出し作業)を行うためにフォークを昇降させることができるリフト機能(昇降手段)を備えたフォークリフトが知られている。このようなフォークリフトには、パレットに載せた荷物の落下を防止するためにフォークを前後に傾動させることができるティルト機能(傾動手段)が備えられている。特許文献1には、フォークを水平姿勢に切り替えている途中にボタンスイッチを押せば、この切り替え途中のフォークが水平姿勢に到達すると、この切り替えを自動で停止できるフォークリフトが開示されている。これにより、フォークの傾きを目視によって微調整することなく、簡便にフォークを水平姿勢に切り替えることができる。
特開平9−295800号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、フォークの水平姿勢への切り替えを自動で停止させる制御を行うのみで、フォークの昇降の動作やティルトの動作のさせ方は乗員の操作に委ねられている。特に、ティルト動作に関しては、フォークの位置(高さ)で動作を開始するかによって、動作の安定性に影響を与えることがある。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、フォークの昇降操作とフォークの水平操作を同時に行う操作をした場合において、フォークの揚高を考慮しつつより安定した動作を行うことのできるフォークリフトを提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に係るフォークリフトは、フォークリフト本体に対してマストを傾動する傾動手段と、傾動手段を操作するためのティルトレバーと、ティルトレバーの操作を検出するティルト操作検出手段と、マストに沿ってフォークを昇降させる昇降手段と、昇降手段を操作するためのリフトレバーと、リフトレバーの操作を検出するリフト操作検出手段と、を備える。さらに、フォークリフトは、フォークの揚高を検出する揚高検出手段と、フォークの荷を検出する荷検出手段と、乗員が操作可能な位置に設けられる補助スイッチと、マストの傾動角度を検出するティルト角検出手段と、ティルト操作検出手段、リフト操作検出手段、補助スイッチの情報から傾動手段及び昇降手段を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、補助スイッチが操作され、リフト操作検出手段がフォークの上昇の操作を検出し、荷検出手段がフォークに荷があることを検出し、ティルト角検出手段の情報からフォークが水平でないと検知し、揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値以下であるとき、フォークの上昇と共にフォークが水平となるように昇降手段と傾動手段を制御する。
この構成によれば、フォークを上昇させながら、補助スイッチの操作をすることで、フォークが水平姿勢に向けて傾動し、フォークが水平姿勢に到達すると、自動でフォークの傾動が停止する。しかし、この動作は、フォークが低揚高エリアにあることを条件としている。そのため、フォークが高揚高エリアにあると、フォークが水平姿勢に傾動しないように規制される。言い換えると、低揚高エリアの間にフォークが水平姿勢に傾動し到達する。したがって、フォークの上昇操作とフォークの水平操作を同時に行う操作をした場合、フォークの水平姿勢への傾動はフォークの揚高を考慮しつつより安定した動作で行うことができる。
請求項2において、制御手段は、補助スイッチが操作され、リフト操作検出手段がフォークの下降の操作を検出し、荷検出手段がフォークに荷があることを検出したときであって、揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値より大きい高揚高エリアのときにはフォークの下降のみをするように昇降手段を制御する。揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値以下の低揚高エリアに到達したときにはフォークの下降と共にフォークが水平となるように昇降手段と傾動手段を制御する。
この構成によれば、フォークを下降させながら、補助スイッチを操作すると、フォークが低揚高エリアに到達しなければフォークが水平に向けて傾動しない。すなわち、フォークが高揚高エリアにある際に、フォークが水平に向けて傾動しないように規制される。したがって、フォークが低揚高エリアで傾動するので、フォークの水平姿勢への傾動が安定した動作で行うことができる。
請求項3において、フォークの上昇と共にフォークが水平となるように昇降手段と傾動手段を制御しているとき、揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値より大きい高揚高エリアに到達した場合にはフォークを水平とする傾動手段の制御を停止する。この構成によれば、高揚高エリアにおいて、フォークの水平姿勢への切り替えが行われないため、すなわち、低揚高エリアにおいてのみ、フォークの水平姿勢への切り替えが行われるため、フォークの水平姿勢への傾動が安定して行われ得る。
請求項4において、荷検出手段は、フォークに加わる荷重を検出可能に構成され、揚高検出手段は、フォークの揚高を連続的に検出可能に構成され、制御手段は、荷重に応じて第1の閾値を変更する。この構成によれば、荷重に応じて第1の閾値が切り替わるため、フォークの昇降時の安定性(フォークを昇降させながら水平姿勢へ傾動させたときのフォークの安定性)を保持しつつ、特に、荷重が軽い場合、フォークの水平動作する揚高範囲を広げることができる。
請求項5において、傾動手段は、マストの後傾速度を通常後傾速度または通常後傾速度よりも速度の速い高速後傾速度に切り替え可能となっている。昇降手段は、フォークの上昇速度を通常上昇速度または通常上昇速度よりも速度の遅い低速上昇速度に切り替え可能となっている。制御手段は、補助スイッチが操作され、リフト操作検出手段がフォークの上昇の操作を検出し、荷検出手段がフォークに荷があることを検出し、ティルト角検出手段の情報からフォークが水平でないと検知し、揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値以下の低揚高エリアのうち、第2の閾値以下のとき、フォークの上昇速度が通常上昇速度となるように、且つ、フォークの水平への切り替えが通常後傾速度となるように昇降手段と傾動手段を制御する。制御手段は、揚高検出手段で検出されたフォークの揚高が第1の閾値以下の低揚高エリアのうち、第2の閾値よりい大きいとき、フォークの上昇速度が低速上昇速度で且つフォークの水平への切り替えが通常後傾速度となるように昇降手段と傾動手段を制御する。または、制御手段は、フォークの上昇速度が通常上昇速度で且つフォークの水平への切り替えが高速傾動速度となるように昇降手段と傾動手段を制御する。
この構成によれば、フォークの上昇速度をフォークの揚高に合わせて変更できる、または、フォークの水平姿勢への切り替え速度をフォークの揚高に合わせて変更できる。したがって、高揚高エリアに到達するまでにフォークを水平姿勢に切り替えることができる。
以上、説明したように、本発明によれば、フォークの上昇操作とフォークの水平操作を同時に行う操作をした場合において、フォークの揚高を考慮しつつより安定した動作で行うことができる。
本発明の実施例1に係るフォークリフトの概略構成図である。 図1のフォークリフトの運転席付近の斜視図である。 図1のフォークリフトの電気的構成を示すブロック図である。 図1のフォークリフトの動作を示すフローチャートである。 図4の動作を示す模式図である。 本発明の実施例3に係るフォークリフトの概略構成図である。 図6のフォークリフトの電気的構成を示すブロック図である。 図6のフォークリフトにおいて、フォークが第1の低揚高エリアに在るときの動作を示す模式図である。 図6のフォークリフトにおいて、フォークが第2の低揚高エリアに在るときの動作を示す模式図である。 本発明の実施例4に係るフォークリフトにおいて、フォークが第2の低揚高エリアに在るときの動作を示す模式図である。 実施例1の変形例を示すフローチャートである。
(実施例1)
図1〜5を用いて、本発明の実施例1を説明する。まず、図1〜3を参照して、本発明の実施例1に係るフォークリフト1の全体構成を説明する。全体構成を説明するにあたって、フォークリフト1の機械的構成と電気的構成とに大別して説明する。
図1〜2を参照して、フォークリフト1の機械的構成を説明する。フォークリフト1は、主として、フォークリフト本体10と、フォークリフト本体10に対して前後に傾動するマスト20と、マスト20に対してリフトブラケット22を介して昇降するフォーク30とから構成される。
フォークリフト本体10には、その運転席10aに着座した乗員が操作可能なティルトレバー40とリフトレバー50とが設けられている。このティルトレバー40を操作すると、後述するように、フォークリフト本体10に対してマスト20を前後に傾動させることができる(ティルト機能)。一方、リフトレバー50を操作すると、後述するように、マスト20に対してリフトブラケット22を介してフォーク30を昇降させることができる(リフト機能)。
図3を参照して、フォークリフト1の電気的構成を説明する。フォークリフト1は、傾動手段60と、ティルト操作検出手段62と、昇降手段64と、リフト操作検出手段66と、補助スイッチ52と、ティルト角検出手段70と、制御手段74と、第1の揚高検出手段80と、荷検出手段90とから電気的に構成される。
傾動手段60は、フォークリフト本体10に対してマスト20を前後に傾動させるためのものであり、具体的には、マスト20に連結されたティルトシリンダ(図示しない)やティルトシリンダへ油を供給する荷役ポンプ(図示しない)や荷役ポンプを駆動する荷役モータ(図示しない)、ティルトシリンダへの油の量を調整する電磁弁(図示しない)などから構成されている。ここで、傾動手段60及び後述する昇降手段64における荷役ポンプと荷役モータは共用されており電磁弁によりティルトシリンダ及びリフトシリンダへ必要な量に調整されそれぞれ供給される。電磁弁は制御手段74と電気的に接続されており、制御手段74からの信号(情報)により電磁弁は制御される。
電磁弁は、制御手段74からの信号により電磁弁の開閉を制御する。電磁弁の開閉の制御により、ティルトシリンダへ流れる油の量が調整され、ティルトシリンダの伸縮が制御される。そして、ティルトシリンダの伸縮によりマスト20が傾動し、フォーク30を所定の角度とするための制御がされる。したがって、制御手段74は、電磁弁を制御することによって、傾動手段60を制御している。
ティルト操作検出手段62は、ティルトレバー40が操作されているか否かを検出すると共に、その操作量をも検出するためのものであり、例えば、レバースイッチから構成される。ティルト操作検出手段62は、ティルトレバー40の根元の付近に設けられる。ティルト操作検出手段62も、後述する制御手段74と電気的に接続される。これにより、制御手段74は、ティルト操作検出手段62から送られる信号(情報)に基づいて、ティルトレバー40の操作が乗員によって操作されたか否か(操作の有無)を判定できると共にその操作量をも検出できる。
昇降手段64は、リフトブラケット22を介してフォーク30をマスト20に沿って昇降させるものであり、具体的には、フォーク30をマスト20に沿って昇降するためのリフトシリンダ(図示しない)やリフトシリンダへ油を供給する荷役ポンプ(図示しない)や荷役ポンプを駆動するための荷役モータ(図示しない)、ティルトシリンダへの油の量を調節する電磁弁(図示しない)から構成されている。また、昇降手段64と同様に、電磁弁は、制御手段74からの信号により電磁弁の開閉を制御する。電磁弁の開閉の制御により、リフトシリンダへ流れる油の量が調整され、リフトシリンダの伸縮が制御される。そして、リフトシリンダの伸縮によりフォーク30の上昇または下降(昇降)が制御される。
リフト操作検出手段66は、乗員によってリフトレバー50が操作されているか否かを検出すると共に、その操作量をも検出するためのものであり、例えば、レバースイッチから構成されている。このリフト操作検出手段66は、リフトレバー50の根元の付近に設けられている。リフト操作検出手段66も、後述する制御手段74と電気的に接続される。これにより、制御手段74は、リフト操作検出手段66から送られる信号(情報)に基づいて、リフトレバー50が乗員によって操作されたか否か(操作の有無)を判定できると共にその操作量をも検出できる。
補助スイッチ52は、後述する自動水平切替機能を動作させるためのスイッチであり、例えば、自動復帰タイプ(押しているときだけ内部の接点がONになるタイプ)のスイッチから構成される。補助スイッチ52は、リフトレバー50のノブ(図2において、リフトレバー50先端の太い部分)の傍に設けられている。
補助スイッチ52も、制御手段74と電気的に接続され、制御手段74は、補助スイッチ52から送られる信号(情報)に基づいて、補助スイッチ52が乗員によって操作されたか否か(操作の有無)を判定する。
ティルト角検出手段70は、フォーク30の傾斜角(例えば、フォーク30の水平姿勢に対する傾斜角)を検出するためのものであり、例えば、ポテンションメータから構成される。ティルト角検出手段70は、上述した傾動手段60(ティルトシリンダのフォークリフト本体10側付近)に設けられる。ティルト角検出手段70も、制御手段74と電気的に接続され、制御手段74は、ティルト角検出手段70から送られる信号(情報)に基づいて、フォーク30の傾斜角を検出する。このように、制御手段74は、フォーク30が前傾姿勢にあるか、水平姿勢にあるか、後傾姿勢にあるかをリアルタイムに判定する。
第1の揚高検出手段80は、フォークリフト本体10に対するフォーク30の揚高が第1の閾値以下にあるか否かを検出するためのものであり、例えば、リミットスイッチから構成される。第1の揚高検出手段80は、マスト20に設けられる。第1の揚高検出手段80も、制御手段74と電気的に接続される。これにより、制御手段74は、第1の揚高検出手段80から送られる信号(情報)に基づいて、フォーク30の揚高を検出できるため、フォーク30の揚高が第1の閾値以下(低揚高エリアL)にあるか否か(第1の閾値より大きい高揚高エリアHにあるか)を判定する。なお、この第1の閾値は、フォークリフト1の安定性を考慮して決定されており、予め実験等で決められたものである。
荷検出手段90は、フォーク30上の荷の有無を検出するためのものであり、例えば、昇降手段64である油圧シリンダの油圧を検出する油圧センサによって構成される。油圧センサは、フォーク30上に荷をのせた際の油圧シリンダの油圧の変化を検出することにより荷の有無検出する。荷検出手段90も、後述する制御手段74と電気的に接続されており、制御手段74は、荷検出手段の信号(情報)に基づいて、フォーク30上の荷の有無を認識する。なお、荷検出手段90は、フォーク30上の荷物の有無を検出するものであればよく、フォーク30にリミットスイッチを設けて、荷がリミットスイッチに接触することにより荷を検出する方式であってもよい。
制御手段74は、フォークリフト1の荷役や走行などフォークリフト1全般の制御を司るものであり傾動手段60と、ティルト操作検出手段62と、昇降手段64と、リフト操作検出手段66と、補助スイッチ52と、ティルト角検出手段70と、第1の揚高検出手段80と、荷検出手段90とをコントロールするためのものであり、制御手段74は、例えば、ECUや後述するプログラムを記憶するROM等から構成されている。
制御手段74は、制御手段74自身に内蔵されている第1のプログラムにより、ティルト操作検出手段62の信号からティルトレバー40の操作の有無とその操作量を検出し、その信号に応じて傾動手段60(電磁弁)を制御するための信号を送信する。これにより、乗員によるティルトレバー40の操作量に応じて、フォーク30の前傾の速度および後傾の速度が設定される。すなわち、ティルトレバー40の操作量が少ないとフォーク30の傾動の速度は遅くなり、ティルトレバー40の操作量が多いとフォーク30の傾動の速度は速く(高速)なる。
これと同様に、制御手段74は、制御手段74自身に内蔵されている第1のプログラムにより、リフト操作検出手段66の信号からリフトレバー50の操作の有無とその操作量とに応じた信号を上述した昇降手段64(電磁弁)を制御するための信号を送信する。これにより、乗員によるリフトレバー50の操作量に応じて、フォーク30の上昇の速度および下降の速度が設定される。すなわち、リフトレバー50の操作量が少ないとフォーク30の昇降の速度は遅くなり、リフトレバー50の操作量が多いとフォーク30の昇降の速度は速くなる。
制御手段74には、第2のプログラムも内蔵されている。第2のプログラムは、自動水平切替機能(補助スイッチ52の操作によって、傾動手段60によりフォーク30を水平姿勢に切り替えていき、フォーク30が水平姿勢に切り替わると自動で停止させる機能)を動作させるとき、フォーク30が低揚高エリアになければ、この自動水平切替機能を規制するものである。その詳細は後記に詳述することとする。
図4〜5を参照して、上述した構成から成るフォークリフト1の第2のプログラムを説明する。制御手段74は、荷検出手段90の情報からフォーク30に荷が有るか否かを判定する処理を行う(S1)。この判定結果がYESであれば、制御手段74は、図5(A)に示すように、第1の揚高検出手段80からの信号によりフォーク30の揚高が低揚高エリアLにあるか否かを判定する処理を行う(S2)。
そして、低揚高エリアにある(S2にてYES)であれば、制御手段74は、リフト操作検出手段66からの信号によりリフトレバー50が乗員によって操作されたか否かを判定する処理を行う(S3)。判定結果がYESであれば、制御手段74は、リフトレバー50の操作量に応じた速度でフォーク30を上昇させる処理を行う(S4)。次に、制御手段74は、補助スイッチ52が乗員によって操作されたか否かを判定する処理を行う(S5)。判定結果がYESであれば、乗員によるリフトレバー50の操作と補助スイッチ52の操作が行われており、制御手段74は、フォーク30が水平姿勢にあるか否かを判定する処理を行う(S6)。この判定は、ティルト角検出手段70の情報に基づいてに制御手段74にて判定が行われる。
一方、判定結果がNOであれば、制御手段74は、傾動手段60に対してフォーク30が前傾姿勢にあるか否かを判定する制御をする処理を行う(S7)。判定結果がYESであれば、フォーク30は前傾姿勢にあるので、制御手段74は、図5(B)に示すように、フォーク30を後傾(通常の速度で後傾)させる処理を行い(S8)、処理をS3へと戻す。判定結果がNOであれば、フォーク30は後傾姿勢にあるので制御手段74は、フォーク30を前傾(通常の速度で前傾)させる処理を行い(S9)、処理をS3へと戻す。ここで、前傾、後傾における通常の速度は、傾動動作(フォーク30を前傾させている動作、または、フォーク30を後傾させている動作)の迅速性や、フォーク上の荷崩れ防止の観点から最適な速度を予め決定している。
以降、乗員によるリフトレバー50の操作と補助スイッチ52の操作が継続されると、S6において、YESと判定される、すなわち、ティルト角検出手段70の情報から制御手段74がフォーク30が水平姿勢であると判定するまで、制御手段74は、これらの処理を繰り返す。そして、S6において、YESと判定されると、制御手段74は、傾動手段60に対して傾動動作を停止させる処理を行い(S10)、これら一連の処理を終了させる。終了した処理は、再度、S1に戻されて繰り返し実行されることとなる。フォーク30が水平姿勢となった後は、図5(C)に示すように、フォーク30の上昇の動作のみが、リフトレバー50が乗員によって操作されている間継続される。
このように、自動水平切替機能を動作させるとき、フォーク30が低揚高エリアLになければ、フォーク30の水平姿勢への切り替えを規制できる。なお、S2において、NOと判定される(フォーク30上に荷が無い)と、制御手段74は、S10へ進む処理を行う。また、S3において、NOと判定される(乗員によるリフトレバー50の操作がされていない又は乗員によるリフトレバー50の操作が止められた)と、制御手段74は、フォーク30の上昇を停止させる処理を行って(S11)、S10へ進む処理を行う。
本発明の実施例1に係るフォークリフト1は、上述したように構成されている。この構成によれば、上昇させているフォーク30に対して自動水平切替機能を動作させるとき、フォーク30が低揚高エリアLにあることを動作の条件としている。そのため、フォーク30が高揚高エリアHにあると、自動水平切替機能を動作させてもフォーク30が水平姿勢に切り替わらないように規制されている。したがって、低揚高エリアLの間にフォーク30は水平姿勢になるため、フォーク30の水平姿勢への切り替えをより安定して行うことができる。
(実施例2)
続いて、本発明の実施例2を説明する。この実施例2は、既に説明した実施例1と比較すると、フォーク30に掛かる荷重に応じて、第1の閾値(低揚高エリアLと高揚高エリアHとの境の値)を変更させる形態である。
そのため、荷検出手段90は、フォーク30上の荷の有無を検出する機能の他に、フォーク30に加わる荷重を検出する機能を備えている。荷検出手段90は、例えば、実施例1の油圧センサにおいて、油圧シリンダの圧力の変化量を検出することによって、フォーク30に加わる荷重も算出することができる。したがって、油圧センサは、荷の有無を検出する機能とフォーク30に加わる荷重を検出する機能を備えている。
また、この実施例2では、第1の揚高検出手段80は、実施例1のリミットスイッチに代わってフォーク30の揚高を連続的に検出できる構成であり、例えば、ワイヤーによってフォーク又はリフトブラケットと連結されたリールにエンコーダを取り付け、リールの回転数から揚高を検出する、所謂リールセンサから構成されている。したがって、制御手段74は、第1の揚高検出手段80からの信号によりフォーク30の揚高をリアルタイムに認識できる。
また、制御手段74は、既に説明した荷検出手段90によってフォーク30に掛かる荷重を検出できる。なお、制御手段74は、検出した荷重が予め設定の基準値より軽いと、第1の閾値を高い値(揚高が高くなる値)に切り替え、これと逆に、検出した荷重が予め設定の基準値より重いと、第1の閾値を低い値(揚高が低くなる値)に切り替えるように、荷重によって第1の閾値(揚高)を変更することができるプログラムを備えている。なお、荷重と変更する第1の閾値との関係は、予め実験等によって適切な関係となるように設定されている。
本発明の実施例2に係るフォークリフト1は、上述したように構成されている。この構成によれば、荷重に応じて第1の閾値が切り替わるため、フォーク30の昇降時の安定性を保持しつつ、特に、荷重が軽い場合、フォーク30の水平動作する揚高範囲を広げることができる。
(実施例3)
続いて、図4、6〜9を参照して、本発明の実施例3を説明する。この実施例3は、既に説明した実施例1と比較すると、フォーク30の上昇速度をフォーク30の揚高に合わせて変更させる形態である。そのため、この実施例3では、図6〜7に示すように、フォークリフト1には、第2の閾値を検出するための第2の揚高検出手段82が設けられる。
第2の揚高検出手段82は、第1の揚高検出手段80と同様に、フォークリフト本体10に対するフォーク30の揚高が第1の閾値以下のうち、第2の閾値以下にあるか否かを検出するためのものであり、例えば、第1の揚高検出手段80と同様にリミットスイッチから構成される。第2の揚高検出手段82は、マスト20の下部で第1の揚高検出手段80よりも低い位置に設けられる。第2の揚高検出手段82も、制御手段74と電気的に接続される。
これにより、制御手段74は、第2の揚高検出手段82から送られる信号(情報)に基づいて、フォーク30の揚高を検出できるため、フォーク30の揚高が第1の閾値以下のうち、第2の閾値以下(第1の低揚高エリアL1)にあるか否か(第2の閾値より大きい第2の低揚高エリアL2にあるか)を判定する。
次に、実施例3に係るフォークリフト1の動作を説明する。フォークリフト1の動作は、基本的な動作は実施例1と同一であるが、実施例1の図4におけるS2において、フォーク30が低揚高エリアLに在ると判定されたとき、加えてフォーク30が第1の低揚高エリアL1に在るか、第2の低揚高エリアL2にあるかが判断される。そして、フォーク30が第1の低揚高エリアL1に在ると判定されると(図8(A)参照)、S4において、フォーク30が上昇していくとき、その上昇速度は通常上昇速度となっており、S8、S9において、フォーク30が水平姿勢に切り替わっていくとき、その切り替わり速度も通常後傾速度となっている(図8(B)参照)。
一方、これとは逆に、S2において、フォーク30が低揚高エリアLに在ると判定されたとき、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在ると判定されると(図9(A)参照)、S4において、フォーク30が上昇していくとき、その上昇速度は通常のリフトレバー50の操作量に応じた上昇速度よりも遅い低速上昇速度となっており、S8、S9において、フォーク30が水平姿勢に切り替わっていくとき、その切り替わり速度は通常の後傾速度または通常の前傾速度となっている(図9(B)参照)。このようにして、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在ると、フォーク30の上昇速度を遅くできる。この低速上昇速度は、フォークリフト1の動作に大きな支障を来たさない程度の速度で、予め実験等によって適切な速度が設定されている。
本発明の実施例3に係るフォークリフト1は、上述したように構成されている。この構成によれば、フォーク30が第1の低揚高エリアL1に在ると、フォーク30の上昇速度は通常の上昇速度で行われ、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在ると、フォーク30の上昇速度は低速上昇速度で行われる。したがって、フォーク30の上昇速度はフォーク30の揚高に合わせて変更される。これによりフォーク30の上昇速度を遅くして、フォーク30の揚高がある程度低い状態でフォーク30の水平動作が行われることになるので、荷が安定した状態でフォーク30を上昇できる。
(実施例4)
続いて、図10を参照して、本発明の実施例4を説明する。この実施例4は、既に説明した実施例3と比較すると、フォーク30の水平姿勢への切り替え速度(フォーク30の傾動の速度)をフォーク30の揚高に合わせて変更できる形態である。
実施例3では、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在るとき、フォーク30の上昇速度を通常の上昇速度より遅くした形態を説明した。これに対し、この実施例4では、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在るとき、フォーク30の上昇速度を通常上昇速度にした形態である。そして、フォーク30が水平姿勢に切り替わっていくとき、その切り替わり速度を通常傾動速度よりも速い高速傾動速度にしている(図10(A)、(B)参照)。これにより、フォーク30の上昇速度が通常の上昇速度であっても、水平動作を高速傾動作とするので、フォーク30が第2の低揚高エリアL2に在っても、フォーク30が第1の閾値に到達するまでに、フォーク30を水平姿勢に切り替えることができる。したがって、フォーク30の揚高がある程度低い状態でフォーク30の水平動作が行われることになるので、荷が安定した状態でフォーク30を上昇できる。この高速傾動速度は、通常の傾動速度よりも速く、リフトレバー50の操作量が最大となった時における傾動速度以下の速度であり予め実験等によって適切な速度が設定されている。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例1では、フォーク30を上昇させているとき、高揚高エリアHにおいて、フォーク30が水平姿勢に切り替わることがないように規制する形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、フォーク30を下降させているとき、高揚高エリアHにおいて、フォーク30が水平姿勢に切り替わることがないように規制する形態でも構わない。その場合、S2における判定が、フォーク30の揚高が高揚高エリアHにあるか否かを判定する処理に変わる。また、S7における判定の後に、フォーク30の揚高が低揚高エリアLにあるか否かの判定が追加され、この判定がYESの場合に、S8、S9へ進む処理が行われる。
また、実施例1では、フォーク30が水平姿勢に切り替わり始めると、フォーク30が高揚高エリアHに到達しても、この切り替わりが継続する形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、フォーク30が水平姿勢に切り替わり始めフォーク30が高揚高エリアHに到達すると、この切り替わりが停止する(制御手段74により、傾動手段60に対して傾動動作を停止させる)形態でも構わない。
この形態を、図11を参照して説明する。制御手段74は、フォーク30に荷が有るか否かを判定する処理を行う(S101)。この判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30の揚高が低揚高エリアLにあるか否かを判定する処理を行う(S102)。
制御手段74は、リフトレバー50の操作を受け付けたか否かを判定する処理を行う(S103)。判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30を上昇させる処理を行う(S104)。制御手段74は、補助スイッチ52の操作を受け付けたか否かを判定する処理を行う(S105)。判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30に荷が有るか否かを判定する処理を行う(S106)。
判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30の揚高が低揚高エリアLにあるか否かを判定する処理を行う(S107)。判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30が水平姿勢にあるか否かを判定する処理を行う(S108)。
判定結果がNOであれば、制御手段74は、フォーク30が前傾姿勢にあるか否かを判定する処理を行う(S109)。判定結果がYESであれば、制御手段74は、フォーク30を後傾させる処理を行い(S110)、処理をS103へと戻す。判定結果がNOであれば、制御手段74は、フォーク30を前傾させる処理を行い(S111)、処理をS103へと戻す。
以降、乗員によるリフトレバー50の操作と補助スイッチ52の操作が継続されると、S107でNOと判定される、又はS108において、YESと判定されるまで、制御手段74は、これらの処理を繰り返す。
なお、S107において、NOと判断されると、フォーク30の揚高が低揚高エリアLではなくなった、すなわち第1の閾値より大きい高揚高エリアHに到達したので、制御手段74は、フォーク30の傾動(前傾または後傾)を停止させる処理を行い(S112)、これら一連の処理を終了させる。
一方、S108において、YESと判定されると、フォーク30が水平姿勢であるので制御手段74は、フォーク30の傾動(前傾または後傾)を停止させる処理を行い(S112)、これら一連の処理を終了させる。終了した処理は、再度、S101に戻されて繰り返し実行されることとなる。
なお、S102において、NOと判定されると、制御手段74は、S112へ進む処理を行う。また、S103において、NOと判定されると、制御手段74は、フォーク30の上昇を停止させる処理を行って(S113)、S112へ進む処理を行う。また、S105において、NOと判定されると、制御手段74は、S112へ進む処理を行う。また、S106において、NOと判定されると、制御手段74は、S108へ進む処理を行う。
また、各実施例では、補助スイッチ52は、リフトレバー50のノブに設けられて形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、ステアリングなど乗員が荷役レバーの操作と同時に操作できる運転席付近にあれば特に限定されない。
1 フォークリフト
10 フォークリフト本体
20 マスト
30 フォーク
40 ティルトレバー
50 リフトレバー
52 補助スイッチ
60 傾動手段
62 ティルト操作検出手段
64 昇降手段
66 リフト操作検出手段
74 制御手段
80 揚高検出手段(第1の揚高検出手段、第2の揚高検出手段)
90 荷検出手段




Claims (5)

  1. フォークリフト本体に対してマストを傾動する傾動手段と、
    前記傾動手段を操作するためのティルトレバーと、
    前記ティルトレバーの操作を検出するティルト操作検出手段と、
    前記マストに沿ってフォークを昇降させる昇降手段と、
    前記昇降手段を操作するためのリフトレバーと、
    前記リフトレバーの操作を検出するリフト操作検出手段と、
    を備えたフォークリフトであって、
    前記フォークの揚高を検出する揚高検出手段と、
    前記フォークの荷を検出する荷検出手段と、
    乗員が操作可能な位置に設けられる補助スイッチと、
    前記マストの傾動角度を検出するティルト角検出手段と、
    前記ティルト操作検出手段、前記リフト操作検出手段、前記補助スイッチの情報から前記傾動手段及び前記昇降手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記補助スイッチが操作され、
    前記リフト操作検出手段が前記フォークの上昇の操作を検出し、
    前記荷検出手段が前記フォークに前記荷があることを検出し、
    前記ティルト角検出手段の情報から前記フォークが水平でないと検知し、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が第1の閾値以下であるとき、
    前記フォークの上昇と共に前記フォークが水平となるように前記昇降手段と前記傾動手段を制御するフォークリフト。
  2. 請求項1に記載のフォークリフトであって、
    前記制御手段は、
    前記補助スイッチが操作され、
    前記リフト操作検出手段が前記フォークの下降の操作を検出し、
    前記荷検出手段が前記フォークに前記荷があることを検出したときであって、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が前記第1の閾値より大きい高揚高エリアのときには前記フォークの下降のみをするように前記昇降手段を制御し、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が前記第1の閾値以下の低揚高エリ アに到達したときには前記フォークの下降と共に前記フォークが水平となるように前記 昇降手段と前記傾動手段を制御するフォークリフト。
  3. 請求項1に記載のフォークリフトであって、
    前記制御手段は、
    前記フォークの上昇と共に前記フォークが水平となるように前記昇降手段と前記傾動手段を制御しているとき、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が前記第1の閾値より大きい高揚高エリアに到達した場合には前記フォークを水平とする前記傾動手段の制御を停止するフォークリフト。
  4. 請求項1〜3に記載のフォークリフトであって、
    前記荷検出手段は、前記フォークに加わる荷重を検出可能に構成され、
    前記揚高検出手段は、前記フォークの揚高を連続的に検出可能に構成され、
    前記制御手段は、
    前記荷重に応じて前記第1の閾値を変更するフォークリフト。
  5. 請求項1〜4に記載のフォークリフトであって、
    前記傾動手段は、前記マストの後傾速度を通常後傾速度または前記通常後傾速度よりも速度の速い高速後傾速度に切り替え可能となっており、
    前記昇降手段は、前記フォークの上昇速度を通常上昇速度または前記通常上昇速度よりも速度の遅い低速上昇速度に切り替え可能となっており、
    前記制御手段は、
    前記補助スイッチが操作され、
    前記リフト操作検出手段が前記フォークの上昇の操作を検出し、
    前記荷検出手段が前記フォークに荷があることを検出し、
    前記ティルト角検出手段の情報から前記フォークが水平でないと検知し、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が前記第1の閾値以下の低揚高エリアのうち、第2の閾値以下のとき、
    前記フォークの前記上昇速度が前記通常上昇速度となるように、且つ、前記フォークの水平への切り替えが前記通常後傾速度となるように前記昇降手段と前記傾動手段を制御し、
    前記揚高検出手段で検出された前記フォークの揚高が前記第1の閾値以下の低揚高エリアのうち、前記第2の閾値よりい大きいとき、
    前記フォークの前記上昇速度が前記低速上昇速度で且つ前記フォークの水平への切り替えが前記通常後傾速度となるように前記昇降手段と前記傾動手段を制御する、または、前記フォークの前記上昇速度が前記通常上昇速度で且つ前記フォークの水平への切り替えが前記高速傾動速度となるように前記昇降手段と前記傾動手段を制御するフォークリフト。







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