JP2013064106A - 炭素繊維強化樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】炭素繊維強化により、優れた機械的特性、外観・意匠性を有する成形品を得ることのできる炭素繊維強化樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)炭素繊維10〜300重量部を配合してなる炭素繊維強化樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析により得られる(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)と降温結晶化の発熱ピーク温度(Tc)との差が0℃以上50℃以下であることを特徴とする炭素繊維強化樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化樹脂組成物およびその成形品に関する。より詳しくは、機械的特性、表面外観、低吸水性などに優れた成形品を得ることのできる炭素繊維強化樹脂組成物およびその成形品を提供することをその課題とするものである。
熱可塑性樹脂の機械特性を向上させるための手段として、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填材を配合することは一般的に知られている。一般的な配合手法としては、熱可塑性樹脂と繊維のチョップドストランド(短繊維)を押出機中で溶融混練することにより繊維強化樹脂組成物が得られる手法が用いられる。
しかし、近年プラスチックの高性能化に対する要求が高度化し、金属同等の剛性が求められるようになってきている。金属同等の剛性を実現するためには、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填材を高充填し、繊維長を長く保つ必要があるが、ガラス繊維を用いた場合、金属同等の剛性を実現することは困難であった。また、繊維状充填材を用いて押出機中で溶融混練する手法では、溶融混練時の剪断により繊維が折損すること、多量の繊維状充填材起因の剪断発熱によって樹脂を劣化させることなど多くの課題があり、熱可塑性樹脂と繊維状充填材を押出機で溶融混練する手法では高性能化には限界があった。
また、要求性能として金属同等の剛性とともに、意匠性を向上させる優れた外観が求められるようになってきている。しかし、前記繊維状充填材を高充填する手法で得られた成形品は、特に繊維状充填材として炭素繊維を用いた場合、高光沢であっても、うねり状凹凸が発生し外観が低下することから、機械的特性と外観・意匠性の両立は困難であった。
これに対し、軽量化、高剛性化を行う目的でナイロン6に特定の炭素繊維を添加する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、炭素繊維を用いた軽量化、高剛性化は達成されるものの、うねり状凹凸が発生し、外観が大幅に悪化する傾向にあり、外観・意匠性に課題があった。また、軽量化、高剛性化を行う目的で芳香族ナイロン(MXD6)に特定の炭素繊維を添加する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、同様に炭素繊維を用いた軽量化、高剛性化は達成されるものの、うねり状凹凸が発生し外観が大幅に悪化する傾向にあり、外観・意匠性に課題があった。また、特定ポリアミド樹脂に充填材を添加し摺動特性を向上させる手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、うねり状凹凸に関する記載はなく、炭素繊維の記載はあるものの実施記載はなくそれに伴う優れた効果についても記載されていない。さらに、特定ポリアミド樹脂に特定化合物、充填材と炭素繊維を併用添加し、耐衝撃性と表面光沢を向上させる手法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、光沢に優れるもののうねり状凹凸に関する記載はなく、炭素繊維の記載はあるものの実施記載はなく、それに伴う優れた効果についても記載されていない。
以上の通り、樹脂組成物において、ポリマー原料、繊維状充填材など原料面で様々な工夫は試されているが、金属同等の剛性が得られ、かつ優れた外観・意匠性が得られるような公知技術は存在しないのが実状であった。
特開2006−1964号公報(請求項4) 特開2006−1965号公報(請求項3) 特開平7−228774号公報(請求項1) 特開2010−209247号公報(請求項14)
本発明は、前記課題を解決し、炭素繊維強化により、優れた機械的特性、外観・意匠性を有する成形品を得ることのできる炭素繊維強化樹脂組成物を提供することをその課題とするものである。
本発明は上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果得られたものであり、下記構成を有する。
(1)(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)炭素繊維10〜300重量部を配合してなる炭素繊維強化樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析により得られる(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)と降温結晶化の発熱ピーク温度(Tc)との差が0℃以上50℃以下であることを特徴とする炭素繊維強化樹脂組成物。
(2)(B)炭素繊維配合量が50〜150重量部であることを特徴とする(1)記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
(3)(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(C)粒状充填材1〜40重量部を配合してなることを特徴とする(1)または(2)記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
(4)(B)炭素繊維のストランド強度が1〜5GPaであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形品。
(6)うねり曲線の算術平均高さ(Wa)値が3.0μm以下であることを特徴とする(5)記載の成形品。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物によれば、曲げ弾性率、曲げ強度などの機械的特性が大幅に優れながら、表面外観(うねり状凹凸)にも優れ、低吸水性の成形品を提供することができる。そのため、機械的特性に加え、外観・意匠性が必要な自動車部品、電気・電子部品、建築部材、スポーツ用品部品など各種用途に好適に用いることができる。
以下に本発明の炭素繊維強化樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物に使用する(A)熱可塑性ポリアミド樹脂とは、熱可塑性を示す樹脂であれば特に限定されず、ポリアミドとしては、ポリマーの繰り返し構造中にアミド結合を有するものであれば、特に限定されるものではない。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ラクタム、アミノカルボン酸および/又はジアミンとジカルボン酸などのモノマーを重合して得られるホモポリアミドおよびコポリアミドなどが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
前記ラクタムとしては、炭素数6〜12のラクタム類が好ましく、例えば、ε−カプロラクタム、エナントラクタム、ウンデカンラクタム、ドデカンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドンなどが挙げられる。また、前記アミノカルボン酸としては、炭素数6〜12のアミノカルボン酸が好ましく、例えば、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸および13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。前記ジアミンとしては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどの脂環式ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミンなどが挙げられる。前記ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の具体的な例として、例えば、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)およびこれらの共重合体などが挙げられる。中でも、成形性および表面外観の観点から、ナイロン9T、ナイロン10Tおよびこれらの共重合ポリアミドが好ましい。さらにこれらの(A)熱可塑性ポリアミド樹脂を、耐衝撃性、成形加工性などの必要特性に応じて2種以上配合することも実用上好適である。
これら(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の重合度には特に制限がないが、樹脂濃度0.01g/mlの98%濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が1.5〜7.0の範囲のものが好ましく、特に2.0〜6.0の範囲が好ましい。
本発明において、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂とともに、長期耐熱性を向上させる添加物として、銅化合物が好ましく用いられる。なかでも1価の銅化合物とりわけ1価のハロゲン化銅化合物が好ましく、酢酸第1銅、ヨウ化第1銅などを特に好適な銅化合物として例示できる。銅化合物の配合量は、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、さらに0.015〜1重量部の範囲であることが好ましい。0.01〜2重量部であれば、溶融成形時の金属銅の遊離を抑制し、成形品の着色を抑制しながら、長期耐熱性を向上させることができる。銅化合物と併用する形でハロゲン化アルカリを添加することも可能である。このハロゲン化アルカリ化合物としては、例えば、ヨウ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムなどが挙げられる。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物に使用する(B)炭素繊維としては、特に制限がなく、公知の各種炭素繊維を挙げることができる。例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ピッチ、レーヨン、リグニン、炭化水素ガスなどを用いて製造される炭素質繊維や黒鉛質繊維や、これらの繊維を金属でコートした繊維などを挙げることができる。なかでも機械的特性向上効果に優れることから、PAN系炭素繊維が好ましく利用できる。(B)炭素繊維は通常チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状であり、一般的に直径15μm以下、好ましくは5〜10μmである。
本発明に用いる(B)炭素繊維の形態は、特に制限されないが、数千から数十万本の炭素繊維の束、あるいは粉砕したミルド状の形態で用いられる。炭素繊維束については、連続繊維を直接使用するロービング法、あるいは所定長さにカットしたチョップドストランドを使用する方法を適用することが可能である。
本発明に用いる(B)炭素繊維は、チョップドストランドが好ましく、チョップド炭素繊維の前駆体である炭素繊維ストランドのフィラメント数は1,000〜150,000本が好ましい。炭素繊維ストランドのフィラメント数が1,000〜150,000本であれば、生産工程における安定性を向上させ、製造コストを抑えることができる。
本発明に用いる(B)炭素繊維のストランド弾性率は、特に制限はないが、150〜1000GPaが好ましい。炭素繊維のストランド弾性率が150GPa以上であれば、成形品の機械的特性をより向上させることができる。180GPa以上がより好ましく、200GPa以上がさらに好ましく、220以上がさらに好ましい。一方、炭素繊維のストランド弾性率が1000GPa以下であれば、成形性に優れ、製造コストを抑えることができる。700GPa以下がより好ましく、500GPa以下がさらに好ましく、280GPa以下がさらに好ましい。
本発明に用いる(B)炭素繊維のストランド強度は、特に制限はないが、1〜10GPaが好ましい。炭素繊維のストランド強度が1GPa以上であれば、成形品の機械的特性をより向上させることができる。2GPa以上がより好ましく、3.5GPa以上がさらに好ましい。一方、炭素繊維のストランド強度が10GPa以下であれば、成形品のうねり状凹凸を低減し、表面外観・意匠性をより向上させることができる。8GPa以下がより好ましく、5.0GPa以下がさらに好ましい。
ここで、(B)炭素繊維のストランド弾性率およびストランド強度とは、炭素繊維単繊維3,000〜90,000本よりなる連続繊維束に、エポキシ樹脂を含浸硬化させて作製されたストランドの弾性率および強度をいい、ストランド試験片をJISR7601に準拠して引張試験に供して得られる値である。
本発明に用いる(B)炭素繊維は、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂と(B)炭素繊維との接着性を向上するために、表面に酸化処理を施されていてもよい。酸化処理としては、例えば、通電処理による表面酸化処理、オゾンなどの酸化性ガス雰囲気中での酸化処理などが挙げられる。
また、(B)炭素繊維の表面に、樹脂の濡れ性の改善、取り扱い性の向上を目的として、カップリング剤や集束剤などを付着させたものを用いてもよい。カップリング剤としては、例えば、アミノ系、エポキシ系、クロル系、メルカプト系、およびカチオン系のシランカップリング剤などが挙げられ、アミノ系シラン系カップリング剤が好適に使用可能である。集束剤としては、例えば、無水マレイン酸系化合物、ウレタン系化合物、アクリル系化合物、エポキシ系化合物、フェノール系化合物およびこれら化合物の誘導体から選ばれる1種以上を含有する集束剤が挙げられ、ウレタン系化合物、エポキシ系化合物を含有する集束剤が好適に使用可能である。(B)炭素繊維中の集束剤の含有量は0.1〜10.0重量%であることが好ましく、0.3〜8.0重量%がより好ましく、0.5〜6.0重量%がさらに好ましい。集束剤の含有量が0.1〜10.0重量%であれば、樹脂の濡れ性、取り扱い性により優れる炭素繊維を得ることができる。
また、本発明に用いる(B)炭素繊維のストランドにサイジング剤を付与し、さらにチョップド炭素繊維とする方法としては、例えば、特公昭62−9541号公報におけるガラス繊維チョップドストランドで採用されている方法や、特開昭62−244606号公報、特開平5−261729号公報などに記載の方法を適用することができる。
本発明における(B)炭素繊維の配合量は、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対し、10〜300重量部である。(B)炭素繊維の配合量が10重量部未満の場合は、成形品の機械強度が低下する。20重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましく、50重量部以上がさらに好ましい。一方、(B)炭素繊維の配合量が300重量部を越えるときには成形性および成形品の表面外観が低下する。250重量部以下が好ましく、200重量部以下がより好ましく、150重量部以下がさらに好ましい。
炭素繊維強化樹脂組成物中の(B)炭素繊維の重量平均繊維長は、特に限定されるものでないが、0.1〜0.5mmの範囲であることが好ましい。(B)炭素繊維の重量平均繊維長が0.1mm以上であれば、成形品の衝撃強度および曲げ弾性率をより向上させることができる。0.125mm以上がより好ましく、0.15mm以上がさらに好ましい。一方、(B)炭素繊維の重量平均繊維長が0.5mm以下であれば、成形品の表面外観をより向上させることができる。0.45mm以下がより好ましく、0.40mm以下がさらに好ましい。ここで、(B)炭素繊維の重量平均繊維長は、炭素繊維強化樹脂組成物の得られたペレットを(A)熱可塑性ポリアミド樹脂が溶ける溶剤にて溶解させた後、濾過・洗浄を行い、その残渣を光学顕微鏡にて観察し、1000本の長さを測定した結果を重量平均繊維長に計算して得られるものである。具体的には、炭素繊維強化樹脂組成物のペレットを10g程度ルツボに入れ、電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉内でさらに1時間焼成することにより炭素繊維の残渣のみを得る。その残渣を光学顕微鏡にて50〜100倍に拡大した画像を観察し、無作為に選んだ1000本の長さを測定し、その測定値(mm)(小数点2桁が有効数字)を用いて以下の式1または式2に基づき計算する。
(重量平均繊維長(Lw))=Σ(Wi×Li)/ΣWi
=Σ(π×ri×Li×ρ×ni×Li)/Σ(π×ri×Li×ρ×ni)(式1)
ここでLi、ni、Wi、ri、ρ、πはそれぞれ以下の通りであり、炭素繊維の断面形状を繊維径riの真円と近似している。
(Li:炭素繊維の繊維長、ni:繊維長Liの炭素繊維の本数、Wi:繊維長Liの炭素繊維の重量、ri:繊維長Liの炭素繊維の繊維径、ρ:炭素繊維の密度、π:円周率)
繊維径ri、および密度ρが一定である場合、上式1は以下の通りに近似され、式2により重量平均繊維長を求めることができる。
(重量平均繊維長(Lw))=Σ(Li×ni)/Σ(Li×ni)(式2)
炭素繊維強化樹脂組成物中の(B)炭素繊維の重量平均繊維長を前記範囲にする方法としては、例えば、後述する炭素繊維強化樹脂組成物の製造方法において、例えば、二軸押出機による溶融混練時に炭素繊維が破損しすぎないような混練条件を選択する方法などが挙げられる。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析により得られる、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)と降温結晶化の発熱ピーク温度(Tc)との差、すなわちTm−Tcが0℃以上50℃以下であることが重要である。
Tm−Tcを50℃以下とすることで、短時間で結晶化が進行し生産性に優れると共に、うねり凹凸の少ない成形品を得ることができる。Tm−Tcは40℃以下が好ましい。一方、Tm−Tcを0℃以上とすることにより、溶融加工成形が容易になる。Tm−Tcは10℃以上が好ましい。Tm−Tcを50℃以下とする手法としては、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂として、かかる熱特性を有するポリアミド樹脂を用いる方法が挙げられる。Tm−Tcが50℃以下である(A)熱可塑性ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド9T、ポリアミド9T/8MT、ポリアミド10T、ポリアミド12T、ポリアミド10T/1012、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/6I、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド5T/6Tなどが挙げられる。ポリアミド9T、ポリアミド9T/8MT、ポリアミド10Tがより好ましく、ポリアミド9T/8MTがさらに好ましい。なお、「/」は共重合体を表し、以下同じである。
ここで、本発明における(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)とは、セイコーインスツルメンツ株式会社製EXSTAR DSC6000を用い、30℃から10℃/分の速度で昇温して測定したときの融解吸熱ピーク温度を意味する。Tm値に特に制限はないが、耐熱性の観点から、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上がさらに好ましい。一方、溶融成形時の樹脂の分解を抑制する観点から、350℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、280℃以下がさらに好ましい。
一方、本発明における(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の降温結晶化の発熱ピーク温度(Tc)とは、セイコーインスツルメンツ株式会社製EXSTAR DSC6000を用い、熱可塑性ポリアミド樹脂が完全に溶融した状態から、10℃/分の速度で降温したときの結晶化発熱ピークの頂点の温度を意味する。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物には、さらに(C)粒状充填材を配合してもよい。(C)粒状充填材を配合することにより、成形品の表面外観をより向上させ、成形品のソリや成形収縮を低減することができる。(C)粒状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填材以外の、板状、粉末状、粒状などのいずれの充填材も使用することができる。
(C)板状充填材としては、例えば、タルク、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイトなどの珪酸塩、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、セラミックビーズ、窒化ホウ素、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスフレーク、ガラス粉、ガラスバルーン、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材、およびモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母に代表される層状珪酸塩が挙げられる。層状珪酸塩は層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩であってもよく、有機オニウムイオンとしてはアンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
本発明において、(C)粒状充填材を2種以上併用してもよい。また、これら(C)粒状充填材は、シラン系、チタネート系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤で処理されている場合がより優れた機械的特性を発現できるため特に好ましい。
本発明における(C)粒状充填材の中で、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラスフレーク、カーボンブラック、黒鉛、モンモリロナイトなどが好ましく用いられ、マイカ、タルク、ガラスフレークがより好ましく、より好ましくはマイカ、タルクであり、さらに好ましくはマイカである。マイカを用いることにより、成形品の表面外観および吸水特性をより向上させることができる。
(C)粒状充填材の粒子径は、平均粒子径0.1〜50μmの範囲が好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であれば、成形品の表面外観がより向上する。0.5μm以上がより好ましく、1μm以上がさらに好ましい。一方、平均粒子径が50μm以下であれば、シャルピー衝撃などの機械的特性がより向上する。30μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法により測定して得られる算術平均径であり、体積平均粒子径である。ここで、(C)粒状充填材の平均粒子径は、マイクロトラックレーザー回折法により測定した体積平均粒子径である。具体的には、日機装(株)製のマイクロトラックMT−3000を用いて湿式法により測定することができる。
本発明における(C)粒状充填材の配合量は、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましい。(C)粒状充填材の配合量が1重量部以上であれば、成形品の表面外観がより向上する。3重量部以上がより好ましく、5重量部以上がさらに好ましい。一方、(C)粒状充填材の配合量が40重量部以下であれば、成形品の表面外観向上と優れた成形性とのバランスがより向上する。30重量部以下がより好ましく、20重量部以下がさらに好ましい。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、滴下防止剤、滑剤、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、流動改質剤、耐衝撃性改良剤、結晶核剤、無機および有機の抗菌剤、光触媒系防汚剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤などの添加剤、(B)炭素繊維および(C)粒状充填材以外の充填材、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを配合することができる。
本発明において、安定剤としては、熱可塑性樹脂の安定剤に用いられるものをいずれも使用することができる。具体的には、酸化防止剤、光安定剤などを挙げることができる。これらの安定剤を配合することで、機械的特性、成形性、耐熱性および耐久性により優れた炭素繊維強化樹脂組成物および成形品を得ることができる。
本発明において、離型剤としては、熱可塑性樹脂の離型剤に用いられるものをいずれも使用することができる。具体的には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、変成シリコーンなどを挙げることができる。これらの離型剤を配合することで、機械的特性、成形性、耐熱性および耐久性により優れた成形品を得ることができる。
本発明において、難燃剤としては、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤およびその他の無機系難燃剤から選択される少なくとも1種の難燃剤を用いることができ、難燃性および機械的特性に優れるという点で、上記難燃剤から選択されるいずれか2種以上の難燃剤を用いることが好ましい。
本発明において、臭素系難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシなどのブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、N,N’−エチレン−ビス−テトラブロモテレフタルイミドなどが挙げられる。
本発明において、塩素系難燃剤の具体例としては、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロペンタデカン、テトラクロロ無水フタル酸などが挙げられる。
本発明において、リン系難燃剤の具体例としては、通常一般に用いられるリン系難燃剤を用いることができ、例えば、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物や、赤リンなどが挙げられ、流動性、機械的特性および難燃性に優れるという点で、縮合リン酸エステル、ポリリン酸塩、赤リンのいずれか1種以上が好ましく、縮合リン酸エステルがより好ましく、芳香族縮合リン酸エステルがさらに好ましい。芳香族縮合リン酸エステルとしては、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェートなどを挙げることができる。
本発明において、窒素化合物系難燃剤としては、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、含窒素複素環化合物、シアン化合物、脂肪族アミド、芳香族アミド、尿素、チオ尿素などを挙げることができ、難燃性および機械的特性に優れるという点で、含窒素複素環化合物が好ましく、中でもトリアジン化合物が好ましく、メラミンシアヌレートまたはメラミンイソシアヌレートがより好ましく、中でもシアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン化合物との付加物が好ましく、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物を挙げることができる。なお、上記窒素化合物系難燃剤の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤や公知の表面処理剤などを併用してもよい。
本発明で用いられるシリコーン系難燃剤としては例えば、シリコーン樹脂、シリコーンオイルなどを挙げることができる。前記シリコーン樹脂は、RSiO3/2、RSiO、RSiO1/2の構造単位を組み合わせてできる三次元網状構造を有する樹脂などを挙げることができる。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、または、フェニル基、ベンジル基などの芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有した置換基を示す。前記シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの側鎖あるいは末端の少なくとも1つのメチル基が、水素元素、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、メルカプト基、クロロアルキル基、アルキル高級アルコールエステル基、アルコール基、アラルキル基、ビニル基、またはトリフロロメチル基の選ばれる少なくとも1つの基により変性された変性ポリシロキサン、またはこれらの混合物などを挙げることができる。
本発明において、その他の無機系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物酸、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、フッ素系化合物、黒鉛、膨潤性黒鉛などを挙げることができる。本発明においては、難燃性および機械的特性に優れるという点で、水酸化マグネシウム、フッ素系化合物、膨潤性黒鉛が好ましく、フッ素系化合物がより好ましい。フッ素系化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン/プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/エチレン共重合体などが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体も好ましい。
本発明の繊維強化樹脂組成物の製造方法は、本発明で規定する要件を満たす限り特に限定されるものではないが、例えば、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂、(B)炭素繊維、必要に応じてその他の成分を(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)以上において、単軸または二軸押出機で均一に溶融混練する方法や、溶液中で混合した後に溶媒を除く方法などが好ましく用いられるが、生産性の点で、単軸または二軸押出機で均一に溶融混練する方法が好ましく、流動性および機械的特性に優れた樹脂組成物を得られるという点で、二軸押出機で均一に溶融混練する方法がより好ましい。なかでも、スクリュー長さをL、スクリュー直径をDとすると、L/D>30の二軸押出機を使用して溶融混練する方法が特に好ましい。ここで言うスクリュー長さとは、スクリュー根元の原料が供給される位置から、スクリュー先端部までの長さを指す。
本発明において、溶融混練する場合に、各成分を投入する方法は、例えば、投入口を2カ所有する押出機を用い、スクリュー根元側に設置した主投入口から(A)熱可塑性ポリアミド樹脂、(B)炭素繊維および必要に応じてその他成分を供給する方法や、主投入口から(A)熱可塑性ポリアミド樹脂および必要に応じてその他成分を供給し、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から(B)炭素繊維および必要に応じてその他成分を供給し溶融混練する方法、主投入口から(A)熱可塑性ポリアミド樹脂および必要に応じてその他成分を供給し、主投入口と副投入口の両方から(B)炭素繊維および必要に応じてその他成分を供給する方法が挙げられる。機械的特性および生産安定性に優れるという点で、主投入口から(A)熱可塑性ポリアミド樹脂および必要に応じてその他成分を供給し、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から(B)炭素繊維を供給し溶融混練する方法が好ましい。
炭素繊維強化樹脂組成物中の(B)炭素繊維の重量平均繊維長を前述の範囲にするために、主投入口から(A)熱可塑性ポリアミド樹脂および必要に応じてその他成分を供給し、主投入口と押出機先端の間に設置した副投入口から(B)炭素繊維を供給し溶融混練する方法が好ましく、炭素繊維が破損しすぎないような混合時間や回転数を調整することがより好ましい。また、(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の種類にもよるが、溶融樹脂の圧力を低減するために、溶融混練時の溶融樹脂の可塑化温度を高めに設定する方法も好ましくい。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物は、通常上記の如く溶融混練され、押出されたストランドを切断して得られるペレットを成形することにより、各種成形品を製造することができる。成形方法としては、射出成形が一般的に用いられる。かかる射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、適宜目的に応じて、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体の注入によるものを含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、サンドイッチ成形、超高速射出成形などの射出成形法を用いて成形品を得ることができる。これら各種成形法の利点は既に広く知られるところである。また、成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
また、本発明の炭素繊維強化樹脂組成物は、押出成形により各種異形押出成形品、シート、フィルムなどの形で使用することもできる。シート、フィルムの成形には、インフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法なども使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の炭素繊維強化樹脂組成物を回転成形やブロー成形などにより中空成形品とすることも可能である。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品中の(B)炭素繊維の重量平均繊維長は、特に限定されるものでないが、0.05〜0.5mmの範囲であることが好ましい。(B)炭素繊維の重量平均繊維長が0.05mm以上であれば、成形品の衝撃強度および曲げ弾性率をより向上させることができる。0.07mm以上がより好ましく、0.1mm以上がさらに好ましい。一方、(B)炭素繊維の重量平均繊維長が0.5mm以下であれば、成形品の表面外観をより向上させることができる。0.45mm以下がより好ましく、0.4mm以下がさらに好ましい。ここで、(B)炭素繊維の重量平均繊維長は、炭素繊維強化樹脂成形品を(A)熱可塑性ポリアミド樹脂が溶ける溶剤にて溶解させた後、濾過・洗浄を行い、その残渣を光学顕微鏡にて観察し、1000本の長さを測定した結果を重量平均繊維長に計算して得られるものである。具体的には、炭素繊維強化樹脂成形品を10g程度ルツボに入れ、電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉内でさらに1時間焼成することにより炭素繊維の残渣のみを得る。その残渣を光学顕微鏡にて50〜100倍に拡大した画像を観察し、無作為に選んだ1000本の長さを測定し、その測定値(mm)(小数点2桁が有効数字)を用いて以下の式1または式2に基づき計算する。
(重量平均繊維長(Lw))=Σ(Wi×Li)/ΣWi
=Σ(π×ri×Li×ρ×ni×Li)/Σ(π×ri×Li×ρ×ni)(式1)
ここでLi、ni、Wi、ri、ρ、πはそれぞれ以下の通りであり、炭素繊維の断面形状を繊維径riの真円と近似している。
(Li:炭素繊維の繊維長、ni:繊維長Liの炭素繊維の本数、Wi:繊維長Liの炭素繊維の重量、ri:繊維長Liの炭素繊維の繊維径、ρ:炭素繊維の密度、π:円周率)
繊維径ri、および密度ρが一定である場合、上式1は以下の通りに近似され、式2により重量平均繊維長を求めることができる。
(重量平均繊維長(Lw))=Σ(Li×ni)/Σ(Li×ni)(式2)
なお、炭素繊維強化樹脂成形品の(B)炭素繊維の重量平均繊維長を前記範囲にする方法としては、例えば、(B)炭素繊維の重量平均繊維長が前述の特定範囲となる本発明の炭素繊維強化樹脂組成物を成形する方法などが挙げられる。
本発明の炭素繊維強化樹脂成形品は、うねり曲線の算術平均高さ(Wa値)が3.0μm以下であることが好ましい。Wa値が3.0μm以下であれば、炭素繊維強化樹脂成形品表面に目視によって観察されるうねり状凹凸を低減させることができ、表面外観・意匠性をより向上させることができる。より好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下である。また、Wa値の下限値は0μmであり、特に限定されない。ここでのうねり曲線の算術平均高さ(Wa値)とは、JISB0601で定義されるものであり、射出成形により作製した80mm×80mm×2mmの角板成形品を用い、表面粗さ測定装置(ACCRTECH社製)を用いて、評価長さ20mm、試験速度0.6mm/secで、成形品表面を測定して得られるうねり曲線の算術平均高さ(Wa)である。
炭素繊維強化樹脂成形品のWa値を前記範囲にする方法としては、前述の本発明の炭素繊維強化樹脂組成物を成形する方法などが挙げられる。
本発明において、上記各種成形品は、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、スポーツ用品部品、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。具体的な用途としては、エアフローメーター、エアポンプ、サーモスタットハウジング、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップおよびボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブースター部品、各種ケース、各種チューブ、各種タンク、各種ホース、各種クリップ、各種バルブ、各種パイプなどの自動車用アンダーフード部品、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジングなどの自動車用内装部品、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプベゼル、ドアハンドルなどの自動車用外装部品、リレーケース、コイルボビン、光ピックアップシャーシ、モーターケース、ノートパソコンのハウジング、シャーシおよび内部部品、CRTディスプレーハウジングおよび内部部品、プリンターハウジングおよび内部部品、携帯電話、モバイルパソコン、ハンドヘルド型モバイルなどの携帯端末ハウジング、シャーシおよび内部部品、記録媒体(CD、DVD、PD、FDDなど)ドライブのハウジング、シャーシおよび内部部品、コピー機のハウジング、シャーシおよび内部部品、ファクシミリのハウジング、シャーシおよび内部部品、パラボラアンテナなどの電気・電子部品を挙げることができる。更に、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、ビデオカメラ、プロジェクターなどの映像機器部品、レーザーディスク(登録商標)、コンパクトディスク(CD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、ブルーレイディスクなどの光記録媒体の基板、照明部品およびハウジング、シャーシ部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などの家庭・事務電気製品部品を挙げることができる。また、電子楽器、家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機などのハウジング、シャーシおよび内部部品、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEPランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドホン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、トランス部材、コイルボビンなどの電気・電子部品、サッシ戸車、ブラインドカーテンパーツ、配管ジョイント、カーテンライナー、ブラインド部品、ガスメーター部品、水道メーター部品、湯沸かし器部品、ルーフパネル、断熱壁、アジャスター、プラ束、天井釣り具、階段、ドアー、床などの建築部材、コンクリート型枠などの土木関連部材、釣竿部品、リールのハウジング、スプールおよびボディー部品、ルアー部品、クーラーボックス部品、ゴルフクラブ部品、テニス、バドミントン、スカッシュなどのラケット部品、スキー板部品、スキーストック部品、自転車のフレーム、ペダル、フロントフォーク、ハンドルバー、ブレーキブラケット、クランク、シートピラー、車輪、専用シューズなどの部品、ボート用オール、スポーツ用ヘルメット、フェンス構成部材、ゴルフティー、剣道用防具(面)および竹刀などのスポーツ用品部品、歯車、ねじ、バネ、軸受、レバー、キーステム、カム、ラチェット、ローラー、給水部品、玩具部品、結束バンド、クリップ、ファン、パイプ、洗浄用治具、モーター部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの機械部品、育苗用ポット、植生杭、農ビの止め具などの農業部材、骨折補強材などの医療用品、トレイ、ブリスター、ナイフ、フォーク、スプーン、チューブ、プラスチック缶、パウチ、コンテナー、タンク、カゴなどの容器・食器類、ホットフィル容器類、電子レンジ調理用容器類化粧品容器、ICトレイ、文房具、排水溝フィルター、カバン、イス、テーブル、クーラーボックス、クマデ、ホースリール、プランター、ホースノズル、食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネット、ペンキャップ、ガスライターなどとして有用である。特に自動車用内装部品、自動車用外装部品、スポーツ用品部材および各種電気・電子部品のハウジング、シャーシおよび内部部品として有用である。特に本発明の樹脂組成物の性能が活かされる、吸水性が要求される用途において、より好適に使用できる。例えば、ノートパソコン、携帯電話、デジタルビデオカメラなどの携帯用電気電子機器筐体、自動車外装部品、二輪車部品、登山用具、釣り用具、ゴルフ用具、スキー・スケート用具、水泳用具などに有用である。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物および成形品は、リサイクルすることが可能である。例えば、炭素繊維強化樹脂ペレットや炭素繊維強化樹脂成形品を粉砕し好ましくは粉末状とした後、必要に応じて添加剤を配合して溶融混練および成形することにより、炭素繊維強化樹脂成形品を得ることができる。ただし、繊維の折損が生じている場合、それを用いて得られる炭素繊維強化樹脂成形品は、本発明の炭素繊維強化樹脂成形品と同様の機械強度を発現することは困難である。
本発明をさらに具体的に説明するために、以下、実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
使用原料としては下記のものを使用した。ここで、Tm、Tcはそれぞれ後述の方法により測定して得られた融点および結晶化温度を示す。
(A)熱可塑性ポリアミド樹脂
<A1>ナイロン9T/8MT樹脂“ジェネスタ”(登録商標)N1001D(株式会社クラレ製)(Tm:262℃、Tc:228℃)
<A2>ナイロン9T/8MT樹脂“ジェネスタ”(登録商標)N1000A(株式会社クラレ製)(Tm:306℃、Tc:264℃)
<A3>ポリアミド10T/66(モル比93/7)(Tm:294℃、Tc:263℃)
<A4>ポリアミド10T(Tm:314℃、Tc:283℃)
<A5>ポリアミドMXD6樹脂“レニー”(登録商標)#6002(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)(Tm:238℃、Tc:161℃)
<A6>ポリアミド6“アミラン”(登録商標)CM1001(東レ株式会社製)(Tm:222℃、Tc:167℃)
(B)炭素繊維
<B1>PAN系炭素繊維“トレカ”(登録商標)カットファイバーTV14−006(東レ株式会社製、原糸T700SC−12K:引張強度4.9GPa、引張弾性率230GPa)を使用した。
<B2>PAN系炭素繊維“トレカ”(登録商標)原糸T800SC−24K(東レ株式会社製、引張強度5.9GPa、引張弾性率294GPa)をロータリーカッターで繊維長6.0mmにカットしたカットファイバーを使用した。
<B3>PAN系炭素繊維“トレカ”(登録商標)カットファイバーTS15−006(東レ株式会社製、原糸S300C−48K:引張強度3.4GPa、引張弾性率230GPa)を使用した。
(C)粒状充填材
<C1>マイカ:A−11(ヤマグチマイカ製、平均粒子径3μm)
<C2>マイカ:A−21(ヤマグチマイカ製、平均粒子径22μm)
<C3>マイカ:A−51S(ヤマグチマイカ製、平均粒子径52μm)
<C4>タルク:P−6(日本タルク製、平均粒子径4μm)
<C5>ガラスフレーク:REFG101(日本板硝子社製)
その他
ガラス繊維:T−249(日本電気硝子社製)
[実施例1〜18、比較例1〜4]
シリンダー温度を表1〜2に示す温度に設定し、スクリュー回転数を200rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製TEX30α)を用い、主ホッパーから熱可塑性ポリアミド樹脂、(C)粒状充填材を表1〜2に示す配合で供給し、サイドフィーダーを用いて(B)炭素繊維またはガラス繊維を表1〜2に示す配合で溶融樹脂中に供給し、ダイから吐出されたストランドを水中にて冷却、ストランドカッターにより長さ3.0mm長にカットしてペレット化を実施し、炭素繊維またはガラス繊維強化樹脂組成物ペレットを得た。
前記で得られた炭素繊維またはガラス繊維強化樹脂組成物ペレットを80℃で48時間真空乾燥し、射出成形機(住友重機械社製SE75DUZ)を使用し、表1〜2に示すシリンダー温度、金型温度80℃(角板成形時は140℃)、射出速度100mm/sec、射出圧を下限圧(最低充填圧力)+5MPaに設定し、それぞれの試験片を作製した。
(1)融点(Tm)および降温結晶化温度(Tc)の測定
前記で用いた(A)熱可塑性ポリアミド樹脂について、セイコーインスツルメンツ株式会社製EXSTAR DSC6000を用い、30℃から10℃/分の速度で昇温して測定したときの融解吸熱ピーク温度から融点(Tm)を求め、熱可塑性ポリアミド樹脂が完全に溶解した状態から10℃/分の速度で降温したときの結晶化発熱ピークの頂点の温度から、降温結晶化温度(Tc)を求め、各々の測定値よりTm−Tcを算出した。
(2)耐衝撃性
ISO179に従い23℃でシャルピー衝撃強さ(ノッチ付き)を評価した。
(3)曲げ強度、曲げ弾性率
ISO178に従い23℃で曲げ強度および曲げ弾性率を評価した。
(4)比重
ISO178に従って射出成形機によりダンベル試験片を成形し、その試験片をISO1183に従って室温(23℃)にて比重測定を行った。
(5)表面粗さ
射出成形で得られた80mm×80mm×2mmの角板を使用し、表面粗さ測定装置(ACCRTECH社製)を用いて、評価長さ8mm、試験速度0.6mm/secの測定条件で成形品表面の算術平均粗さ(Ra)値を評価した。
(6)表面うねり
射出成形で得られた80mm×80mm×2mmの角板を使用し、表面粗さ測定装置(ACCRTECH社製)を用いて、評価長さ20mm、試験速度0.6mm/secの測定条件で成形品表面のうねり曲線の算術平均高さ(Wa)値を評価した。
(7)吸水率
上記(4)で作製したダンベル試験片を用いて、80℃、95%RH環境下にて静置して重量の経時変化を測定する吸水試験を行い、以下の式より吸水率を求めた。なお、以下の式において、乾燥時重量とは、吸水試験に供する前のダンベル試験片の初期の重量のことである。
吸水率(%)=〔(95%RH1000時間経過後の重量−乾燥時重量)/乾燥時重量〕×100
(8)吸水時の強度低下率
上記(7)の吸水試験後のダンベル試験片を用いて、ISO178に従い23℃で曲げ強度を評価した。そして、以下の式より強度低下率を求めた。なお、以下の式において、乾燥時強度とは、吸水試験に供する前のダンベル試験片の曲げ強度のことである。
強度低下率(%)=〔乾燥時曲げ強度−吸水試験後の曲げ強度)/乾燥時曲げ強度〕×100
(9)重量平均繊維長(Lw)
上記(4)で作製したダンベル試験片を用いて、試験片の一部を10g程度切り出し、ルツボに入れ電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉内でさらに1時間焼成することにより炭素繊維の残渣のみを得た。その残渣を光学顕微鏡にて50〜100倍に拡大した画像を観察し、無作為に選んだ1000本の長さを測定し、その測定値(mm)を用いて、以下の式に基づいて重量平均繊維長(Lw)を計算した。
Lw(mm)=Σ(Li×ni)/Σ(Li×ni)
ここでLi、niはそれぞれ、炭素繊維の繊維長、繊維長Liの炭素繊維の本数をそれぞれ示す。
Figure 2013064106
Figure 2013064106
実施例1〜18に示す炭素繊維強化樹脂組成物は、シャルピー衝撃強度、曲げ強度、曲げ弾性率に優れるとともに、低比重かつ外観特性の指標である表面粗さ、表面うねりも低い値であり、金属並の機械的特性と外観・意匠性が両立できている。
比較例1〜4においては、シャルピー衝撃強度、曲げ強度、曲げ弾性率、比重、表面粗さおよび表面うねりのいずれかが不十分である。
本発明の炭素繊維強化樹脂組成物によれば、曲げ弾性率、曲げ強度などの機械的特性が大幅に優れながら、表面外観(うねり状凹凸)にも優れ、低吸水性の成形品を提供することができる。そのため、機械的特性に加え、外観・意匠性が必要な自動車部品、電気・電子部品、建築部材、スポーツ用品部品など各種用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、(B)炭素繊維10〜300重量部を配合してなる炭素繊維強化樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)を用いた熱分析により得られる(A)熱可塑性ポリアミド樹脂の融点(Tm)と降温結晶化の発熱ピーク温度(Tc)との差が0℃以上50℃以下であることを特徴とする炭素繊維強化樹脂組成物。
  2. (B)炭素繊維配合量が50〜150重量部であることを特徴とする請求項1記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
  3. (A)熱可塑性ポリアミド樹脂100重量部に対して、さらに(C)粒状充填材1〜40重量部を配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
  4. (B)炭素繊維のストランド強度が1〜5GPaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形品。
  6. うねり曲線の算術平均高さ(Wa)値が3.0μm以下であることを特徴とする請求項5記載の成形品。
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