JP2013060918A - 内燃機関の冷却構造 - Google Patents
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【解決手段】周方向に沿って連続するとともに、一端部外周面から半径方向内側に向かって彫り込まれた周溝21を備えたシリンダライナ20と、前記シリンダライナ20の一端部外周面に嵌って、前記周溝21を形成する前記シリンダライナ20の外周面との間に、周方向に沿って連続する冷却水通路11を形成するとともに、内燃機関運転時における前記シリンダライナ20の半径方向外側への拡がりを抑制するリング状の補強金物10と、を備えた内燃機関の冷却構造であって、前記冷却水通路11に冷却水を導く冷却水穴12が、前記補強金物10に穿設されている。
【選択図】図3
Description
本発明に係る内燃機関の冷却構造は、周方向に沿って連続するとともに、一端部外周面から半径方向内側に向かって彫り込まれた周溝を備えたシリンダライナと、前記シリンダライナの一端部外周面に嵌って、前記周溝を形成する前記シリンダライナの外周面との間に、周方向に沿って連続する冷却水通路を形成するとともに、内燃機関運転時における前記シリンダライナの半径方向外側への拡がりを抑制するリング状の補強金物と、を備えた内燃機関の冷却構造であって、前記冷却水通路に冷却水を導く冷却水穴が、前記補強金物に穿設されている。
これにより、従来採用されていたボアクーリング穴をなくし(撤廃し)、ボアクーリング穴の出口における応力集中をなくすことができる。その結果、シリンダライナの肉厚を低減させて軽量化を図ることができる。
また、本発明に係る内燃機関の冷却構造によれば、内燃機関運転時におけるシリンダライナの半径方向外側への拡がりが、補強金物により抑制(拘束)されることになる。
これにより、シリンダライナの肉厚をさらに低減させて、シリンダライナ、シリンダカバーおよび補強金物の外径のさらなる小径化、軽量化を図ることができる。
以下、本発明の第1実施形態に係るシリンダライナ、シリンダカバーおよび補強金物について、図1から図4を参照しながら説明する。
図1は本実施形態に係るシリンダライナの斜視図、図2は本実施形態に係る内燃機関の冷却構造を示す要部の断面図、図3は図2の要部を拡大して示す図、図4は図2のIV−IV矢視図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る補強金物10は、シリンダライナ20とシリンダカバー40との接合部近傍(シリンダライナ20の上端部(一端部))において、シリンダライナ20の外周面に嵌って、周溝21を形成するシリンダライナ20の外周面、およびシリンダカバー40の下端面との間に、周方向に沿って連続する(第1の)冷却水通路(冷却水流路)11を形成するとともに、内燃機関運転時(温態時)におけるシリンダライナ20の半径方向外側への拡がりを抑制(拘束)するリング状(環状)の部材である。
また、図2および図3中の符号33は、シリンダカバー40の外周面との間に、周方向に沿って連続する(第2の)冷却水通路(冷却水流路)34を形成する水室金物であり、冷却水通路34は、冷却水通路11と連通するようにして形成されている。
そして、図3において矢印で示すように、水室32内に供給された冷却水は、冷却水穴12、補強金物10とシリンダライナ20との間に形成された冷却水通路11、冷却水穴13、補強金物10とシリンダカバー40との間に形成された冷却水通路11を順次通過して、冷却水通路(冷却水流路)34に導かれることになる。
シリンダカバー40は、上部ボアクーリング穴41と、下部ボアクーリング穴42とを備えている。
上部ボアクーリング穴41は、補強金物10の上方(一方)に位置するシリンダカバー40の外周面と、補強金物10の外周面との間に跨るようにして水室金物(カバー外筒)33が嵌められた際に、シリンダカバー40の外周面に設けられた(第1の)水室43と、この水室43の上方(一方)に位置するシリンダカバー40の外周面に設けられた(第2の)水室44とを連通する直線状の穴であり、シリンダカバー40の周方向に沿って複数本設けられている。また、上部ボアクーリング穴41の長手方向軸線(中心軸線)は、シリンダ軸に垂直な平面に対して傾いている。
そして、冷却水通路34内に供給された冷却水は、下部ボアクーリング穴42、水室43、上部ボアクーリング穴41を順次通過して、水室44に導かれることになる。
これにより、従来採用されていたボアクーリング穴をなくし(撤廃し)、ボアクーリング穴の出口における応力集中をなくすことができる。その結果、シリンダライナ20の肉厚を低減させて軽量化を図ることができる。
また、本実施形態に係るシリンダライナ20、シリンダカバー40および補強金物10を備えた内燃機関の冷却構造によれば、内燃機関運転時におけるシリンダライナ20の半径方向外側への拡がりが、補強金物10により抑制(拘束)されることになる。
これにより、シリンダライナ20の肉厚をさらに低減させて、シリンダライナ20、シリンダカバー40および補強金物10の外径のさらなる小径化、軽量化を図ることができる。
これにより、内燃機関休止時(冷態時)における補強金物10の、シリンダライナ20からの取り外し作業を容易なものとすることができ、内燃機関運転時(温態時)における(ガスおよび冷却水の)シール性を向上させることができる。
なお、FC250は250N/mm2以上の引張強さが保証された片状黒鉛鋳鉄(ねずみ鋳鉄)、S25Cは炭素含有率0.25%の一般構造用炭素鋼、SS400は400N/mm2以上の引張強さが保証された一般構造用圧延鋼材のことである。
本発明の第2実施形態に係るシリンダライナ、シリンダカバーおよび補強金物について、図5から図7を参照しながら説明する。
図5は本実施形態に係る内燃機関の冷却構造を示す要部の断面図、図6は図5の要部を拡大して示す図、図7は図5のVII−VII矢視図である。
本実施形態に係る補強金物50には、(第1の)冷却水穴12および(第2の)冷却水穴13の代わりに(第1の)冷却水穴52、(第2の)冷却水穴53、および(第3の)冷却水穴54が設けられており、本実施形態に係るシリンダライナ60には、周溝21の代わりに周溝61が設けられているという点で上述した第1実施形態のものと異なる。その他の構成要素については上述した第1実施形態のものと同じであるので、ここではそれら構成要素についての説明は省略する。
なお、上述した第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付している。
そして、図6において矢印で示すように、水室32内に供給された冷却水は、冷却水穴52、冷却水穴53、補強金物50とシリンダライナ60との間に形成された冷却水通路61、冷却水穴54、補強金物50とシリンダカバー60との間に形成された冷却水通路61を順次通過して、冷却水通路(冷却水流路)34に導かれることになる。
また、冷却水通路34内に供給された冷却水は、下部ボアクーリング穴42、水室43、上部ボアクーリング穴41を順次通過して、水室44に導かれることになる。
これにより、従来採用されていたボアクーリング穴をなくし(撤廃し)、ボアクーリング穴の出口における応力集中をなくすことができる。その結果、シリンダライナ60の肉厚を低減させて軽量化を図ることができる。
また、本実施形態に係るシリンダライナ60、シリンダカバー40および補強金物50を備えた内燃機関の冷却構造によれば、内燃機関運転時におけるシリンダライナ60の半径方向外側への拡がりが、補強金物50により抑制(拘束)されることになる。
これにより、シリンダライナ60の肉厚をさらに低減させて、シリンダライナ60、シリンダカバー40および補強金物50の外径のさらなる小径化、軽量化を図ることができる。
これにより、内燃機関休止時(冷態時)における補強金物50の、シリンダライナ60からの取り外し作業を容易なものとすることができ、内燃機関運転時(温態時)における(ガスおよび冷却水の)シール性を向上させることができる。
なお、FC250は250N/mm2以上の引張強さが保証された片状黒鉛鋳鉄(ねずみ鋳鉄)、S25Cは炭素含有率0.25%の一般構造用炭素鋼、SS400は400N/mm2以上の引張強さが保証された一般構造用圧延鋼材のことである。
例えば、第1実施形態のところで説明した冷却水穴12および冷却水穴13、第2実施形態のところで説明した冷却水穴52、冷却水穴53、および冷却水穴54の延びる方向や傾きは、適宜必要に応じて変更され得るものであり、第1実施形態および第2実施形態のところで説明したものに限定されるものではない。
11 冷却水通路
12 冷却水穴
20 シリンダライナ
21 周溝
50 補強金物
51 冷却水通路
52 (第1の)冷却水穴
53 (第2の)冷却水穴
60 シリンダライナ
61 周溝
Claims (4)
- 周方向に沿って連続するとともに、一端部外周面から半径方向内側に向かって彫り込まれた周溝を備えたシリンダライナと、
前記シリンダライナの一端部外周面に嵌って、前記周溝を形成する前記シリンダライナの外周面との間に、周方向に沿って連続する冷却水通路を形成するとともに、内燃機関運転時における前記シリンダライナの半径方向外側への拡がりを抑制するリング状の補強金物と、を備えた内燃機関の冷却構造であって、
前記冷却水通路に冷却水を導く冷却水穴が、前記補強金物に穿設されていることを特徴とする内燃機関の冷却構造。 - 前記冷却水穴は、前記補強金物の下端面と、前記補強金物の下半部に位置する内周面とを連通する直線状の穴とされていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。
- 前記冷却水穴は、前記補強金物の下端面から上端面に向かって延びるとともに、前記補強金物の下端面において開口し、前記補強金物の上半部内において閉塞する直線状の第1の冷却水穴と、前記補強金物の内周面と、前記第1の冷却水穴とを連通する直線状の第2の冷却水穴と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却構造。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の冷却構造を具備していることを特徴とする内燃機関。
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