以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[外観構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rを横切る4本の入賞ラインが定められている。この4本の入賞ラインは、表示窓22内において、各リールの上段Uを通過する上段水平入賞ラインL1と、左リール40Lの下段L、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの上段Uを通過する右上がりの斜め入賞ラインL2と、各リールの中段Mを通過する中段水平入賞ラインL3と、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、右リール40Rの下段Lを通過する斜め右下がり斜め入賞ラインL4と、によって構成されている。このように各入賞ラインは、リール40L,40C,40Rの、各々3つの停止表示位置(上段U、中段M、下段L)のうち、いずれか1つを必ず通過する。
入賞ラインL1〜L4は、各々、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、4本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)が通過する停止表示位置に各々停止表示された3つの図柄からなる組合せが、いずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、単位遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。ここで、スロットマシン10は、3枚のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、入賞ラインL1〜L4が全て有効ラインとなる。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するRAM110に記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルセンサを備えたメダルセレクタ(後述する)が設けられており、このメダルセンサが、メダル投入口32から投入されたメダルを検出するとメダル検出信号を出力する。よって、メダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の単位遊技において投入が許容される最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していき、入賞ラインL1〜L4がすべて有効ラインに設定される。また、各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴ってクレジット数表示器27に表示されている値も減算される。規定枚数(ここでは3枚とする)のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値に加算される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。
そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置と、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央位置とが、一致するように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置という。スロットマシン10においては、遊技者がストップスイッチを操作したことによって対応するリールを停止させる際に、各図柄が必ず定位置で停止するように、リール停止制御が行われる。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。すなわち、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが、小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置83(後述する)が作動してその小役に対応した枚数のメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、特別遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、単位遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[内部構造の説明]
次に、図2を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図2において、図1に示した各部と同じものについては同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。スロットマシン10の筐体は、各種装置を収容する本体部11と、本体部11に開閉自在に取り付けられた前面扉12と、で構成されている。図2は前面扉12を開けた状態を示しており、前面扉12の裏側(筐体内部側)と、本体部11の内側とを図示している。また、図示は省略するが、前面扉12の開閉状態を検知するためのリミットスイッチが本体部11に取り付けられている。
この図において、前面扉12の上方、図1に示した表示装置70の裏側に位置する箇所には、スロットマシン10で行われる単位遊技の演出を制御する副制御回路200がケースに収容された状態で取り付けられている。また、表示窓22の下側には、前述したメダルセレクタ80が設けられており、図1に示したメダル投入口32へ投入されたメダルを選別している。例えば、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に合わなかった場合は、そのメダルを図1のメダル払出口61に連接する返却通路81aへと導き、受け皿61へ排出する。これに対して、投入されたメダルの外形寸法や材質などが所定の規格に適合していた場合は、そのメダルを後述するメダル払出装置83の収容部83a(メダルを貯留する容器)へ送るための受入通路81bへ導く。また、メダルセレクタ80は、前述したメダルセンサ(図示略)を備えており、これによって受入通路81bへ導かれるメダルを検出している。また、このメダルセンサからの出力信号によって、メダルの移動方向やメダルの通過に要した時間などを判断し、投入されたメダルについて異常が発生したか否かも判断することができる。なお、前面扉12の下側には、図1に示した透音孔62R,62Lに対応する位置に、各々スピーカ64R,64Lが取り付けられている。
次に本体11の内部において、奥側の垂直壁面上方には、単位遊技の制御を行う主制御回路100がケースに収容された状態で取り付けられている。また、本体部11の内部下側には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、メダル払出装置83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に対して供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。この設定値は後述する役抽選において、ボーナス役の当選確率を設定するものであり、一般に、「1」から「6」までの6通りの設定が可能あって、その値が大きくなる程ボーナス役の当選確率が高くなっている。遊技場の経営者は、この設定値を適宜設定することで、スロットマシン10の出玉率を調整することができる。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式のリセットスイッチ82cが設けられている。このリセットスイッチ82cは、後述する各種異常が検知されたことによって単位遊技の制御が強制的に停止された場合に、検知された異常を解消した後、再び単位遊技の制御を開始させるために、遊技場の係員などによって操作されるものである。
メダル払出装置83は、単位遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、メダルを払い出す装置である。具体的には、メダル払出装置83の内部に設けられた円盤状のディスク(図示略)が回転すると、前述した収容部83aに貯留されたメダルが、排出口83bから一枚ずつ飛び出し、これによりメダルが排出される。すなわち、前面扉12の裏面には、メダル払出口61に連接する(よって、返却通路81aの端部とも繋がっている)払出通路81cが設けられており、この払出通路81cに穿設されたメダル孔81dに、排出口83bから飛び出したメダルが飛び込むことで、受け皿61へメダルが払い出される。なお、メダル払出装置83内において、排出口83bの近傍には、排出されるメダルの通過を検知するメダル排出センサが設けられており、当該メダル排出センサの出力信号(後述するメダル排出信号)に基づいて払い出したメダルを計数すると共に、メダルが検出されている時間を判断して、メダルの払い出しに異常が生じたか否かを判断している。
メダル補助収容庫84は、メダル払出装置38の収容部83aに大量のメダルが貯留されたことなどにより、収容部83aから溢れたメダルを受けるための箱である。メダル補助収容庫84の奥側の垂直壁面には、開口Kの近くに2つ、底面の近くに1つ、丸穴84aが穿設されている。そして、メダル補助収容庫84を、本体部11内の所定の位置に置いたときに、本体部11に取り付けられている2本の棒状電極85aと、1本の棒状電極85bとが、各々対応する丸穴84aを通して、メダル補助収容庫84内に貫入される。これにより、スロットマシン10は、メダル補助収容庫84内にメダルが蓄積されていき、蓄積されたメダルが、棒状電極85aの位置に達すると、メダル自身の導電性によって棒状電極85aおよび85b間が電気的に導通し、これを検知することで、貯留されているメダルが上限に達したものと判断している。
本体部内、右内側面上方には、外部集中端子基板86が設置されている。外部集中端子基板86は、スロットマシン10で行われている単位遊技に関する情報を含んだ信号を、外部の各種機器に対して出力するための中継基板である。ここで、外部へ出力される信号に含まれる「単位遊技に関する情報」としては、投入されたメダルの枚数を示すメダル投入情報、メダル払出装置83から払い出されたメダルの枚数を示すメダル払出情報、いわゆるボーナスゲーム中であることを示す特別遊技中情報、再遊技中であることを示す再遊技中情報、何らかの異常が発生したことを示す異常発生情報などがある。これら各種情報は、各々、個別のパルス信号によって外部の各種機器へ出力される。
ここで、外部の各種機器としては、例えば、遊技場に設置された各遊技機を管理するいわゆるホールコンピュータや、各遊技機に対応して遊技場の設備として設置された遊技履歴表示装置などがある。また、上述した異常発生情報を含む信号は、前面扉12が開けられたことが検知されたとき、メダルセレクタ80のメダルセンサによって前述した異常が検知されたとき(メダル詰まり、不正行為など)、メダル払出装置38のメダル排出センサによって前述した異常が検知されたとき(排出するメダルがない、メダル詰まりなど)、上述した棒状電極85aおよび85b間の導通が検知されたとき(メダルが満杯)、などに出力されるが、発生した異常の種類については出力していない。
次に、図3を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、21等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、10種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。本実施形態における図柄の種類には、各々数字の7を赤色および青色で表した「赤7」図柄、「青7」図柄と、棒状の塊をモチーフとした「BAR」図柄と、サクランボをモチーフとして各々赤色、青色、黒色で表した「赤チェリー」図柄、「青チェリー」図柄および「黒チェリー」図柄と、スイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、ベルをモチーフとした「ベル」図柄、プラムをモチーフとした「プラム」図柄と、所定のキャラクタを描いた「キャラクタ」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、「1」〜「21」の図柄番号が予め定められており、図3に示すように、各図柄番号には、当該図柄番号に対応する図柄領域に印刷された図柄の種別コードが対応付けられ、後述するROM108に記憶されている。これらの情報は、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を識別する際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図3に示した内容のリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けると、図3の図柄配列において、図柄番号「1」と「21」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「19」,「20」,「21」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「20」,「21」,「1」→図柄番号「21」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「1」から「21」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
[制御回路の説明]
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図を図4に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図5に示す。なお、これらの図において、図1および図2示した各部と同じものについては、同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
≪主制御回路の説明≫
図4に示す中央処理装置(以下、CPUと称する)106は、入出力バス104を介して入力される各種情報に応じて、ROM108に記憶されている各種制御プログラムを実行することで、スロットマシン10における単位遊技の制御を行う。CPU106は、各種制御プログラムの処理を行っている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、前述した図柄識別情報の他、例えば、後述する各種の役に対応する図柄組合せ(図7参照)や、各種役抽選テーブル(後述する)などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図8に示すメインルーチンプログラムなどがある。
入出力バス104には、RAM110も接続されており、CPU106が、上述した制御プログラムの処理を行う過程で参照する各種フラグ(たとえば、後述する役抽選による当選役に対応した当選フラグ、再遊技入賞フラグなど)や、変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号、メダル投入枚数、クレジット枚数、メダル払出枚数、各種遊技状態における遊技回数などの値など)が一時的に記憶される。また、RAM110には、スロットマシン10の遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。この遊技状態情報には、「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」という3つの遊技状態を示す情報と、通常遊技中におけるRT状態(「非RT」、「RT1」および「RT2」)を示す情報がある。などがある。スロットマシン10では、これらの遊技状態に応じて、役抽選で使用する役抽選テーブルを切り替えている。なお、上述した各遊技状態については後に詳しく説明する。
CPU106に入力される各種情報には、図1に示した1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37R、並びに、図2に示したキースイッチ82b、リセットスイッチ82cおよび棒状電極85b,85cから出力される信号があり、これらの信号は、入出力バス104に接続されたインターフェイス回路102を介してCPU106に入力される。さらに、CPU106に入力される情報には、乱数発生器112によって0〜65535(2の16乗)の数値範囲内で発生される乱数(整数)があり、この乱数は、入出力バス104を介してCPU106へ入力される。
CPU106は、上述した制御プログラムを実行することで、入出力バス104に接続された各種装置の制御を行う。まず、CPU106は、モータ駆動回路114に対して駆動パルスを出力し、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御を行う。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトにリール40L、40C及び40Rの回転中心が取り付けられている。モータ駆動回路114は、ステッピングモータ80L、80C及び80Rと接続されており、CPU106から駆動パルスが出力されるごとに、各ステッピングモータを1ステップずつ回転駆動する。また、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、クレジット数表示器27の各セグメントを点灯させる。また、CPU106は、1回の単位遊技が行われた結果、遊技者にメダルを払い出すこととなったときに、そのメダルの枚数の数値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、獲得枚数表示器28の各セグメントを点灯させる。
また、CPU106は、単位遊技の結果、小役が入賞したとき、または、クレジットしていたメダルを遊技者へ返却するときに、ホッパー駆動回路118に対してメダルの払い出しの開始を指示する。これにより、ホッパー駆動回路118はメダル払出装置83のディスクを回転させてメダル払出装置83にメダルを一枚ずつ排出させる。このとき、メダル払出装置83のメダル排出センサから、メダルが一枚排出されるごとに1つのパルス信号(メダル排出信号)が、インターフェイス回路102を介してCPU106へ送信される。CPU106は、受信したメダル排出信号をカウントすることで排出したメダルの枚数を認識し、排出すべき枚数のメダルを排出したと判断すると、ホッパー駆動回路118に対してメダルの払い出しの停止を指示する。これにより、ホッパー駆動回路118はメダル払出装置83内のディスクの回転を停止させて、メダルの排出を終了させる。さらに、CPU106は、メダル排出信号のパルス幅や出力間隔を監視し、パルス幅が所定時間以上になったり、メダル排出信号の出力間隔が所定時間以上になったりすると、メダル詰まりなどの異常が発生したものと判断する。
また、入出力バス104には外部集中端子基板86が接続されており、CPU106は、前述した単位遊技に関する情報を含んだ信号を、外部集中端子基板86を介して外部の各種機器へ出力している。
≪副制御回路の説明≫
次に、図5を参照して副制御回路200の構成について説明する。図5(a)に示すように、副制御回路200は、スロットマシン10で行われる演出を制御する演出制御部210と、演出制御部210から送信されるコマンドに基づいて画像および音声を生成する画像音声制御部230と、で構成されている。まず、演出制御部210において、上述した接続線120は、演出制御部210のインターフェイス部(以下、I/F部という)220に接続される。なお、主制御回路100と演出制御部210との間でやり取りされる情報は、常に主制御回路100から演出制御部210への一方向であり、演出制御部210から主制御回路100に対して何らかの情報が送信されることはない。主制御回路100から演出制御部210に送信された各種情報は、I/F部220において所定の信号に変換された後、内部バスBsmに供給され、RAM216に一旦格納される。この内部バスBsmには、上述したI/F部220の他に、サブ−メインCPU212、演出制御ROM214、RAM216、および、ランプ駆動回路218が接続されている。
演出制御ROM214は、サブ−メインCPU212によって、単位遊技中に実行する演出の内容を決定するための処理や、決定した演出の内容または発生した異常の種類に従って各種発光部材(ランプおよびLED)、後述する表示装置70およびスピーカ64L,64Rを駆動制御するための演出制御プログラムや、演出制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。
RAM216には、上述した各種制御プログラムを実行する過程で発生/変動する各種データや、フラグのオン/オフ状態の他、主制御回路100から送信されてきた役抽選の結果、操作されたストップスイッチを示す情報、単位遊技の結果、現在の遊技状態、および、発生した異常の内容に関する情報なども記憶される。
ランプ駆動回路218は、予め上部演出ランプ72(図1参照)の点灯または点滅パターンを複数種類記憶しており、サブ−メインCPU212から供給されるコマンドによって指定される点灯または点滅パターン従って、上部演出ランプ72を駆動する。
なお、サブ−メインCPU212は、ランプ駆動回路218だけではなく、次に説明する画像音声制御部230に対しても、演出を実行し、または、異常の発生を報知するための画像および音声を制御するためのコマンドを送信している。
画像音声制御部230は、サブ−メインCPU212から出力されたコマンドに従って、表示装置70に表示する画像(静止画および動画)およびスピーカ64L,64Rから出力する音声を制御する。具体的には、サブ−サブCPU232は、内部バスBssに接続された画像音声制御ROM234に記憶されている画像音声制御プログラムを実行することで、サブ−メインCPU212からコマンドを受信すると、受信したコマンドに従って、内部バスBssに接続されている画像処理IC238及び音源IC244を制御して、表示装置70に画像を表示し、かつ、スピーカ64L,64Rから音声を発生させる。また、サブ−サブCPU232は、サブ−メインCPU212から出力されたコマンドや、画像音声制御プログラムを実行中に生成される中間的なデータ(入力されたデータ又は出力されるデータではないデータ)をRAM236に一時記憶する。
画像処理IC238は、サブ−サブCPU232から出力されたコマンドに応じて、表示すべき各種オブジェクトの画像データ、または演出用として表示するムービーの動画データを、画像データROM240から読み出して、表示装置70の各画素に対応する描画データに変換し、各画素に対応しているVRAM242の各記憶領域に記憶する。そして、各記憶領域に記憶された描画データに基づいて、対応する画素の液晶セルを駆動して、表示装置70に画像を表示させる。このVRAM242の詳しい内容については、後述する。
音源IC244は、複数の音声信号生成用チャンネルを有し、サブ−サブCPU232によって指定された音声データをサウンドROM246から読み出し、該音声データに基づく音声をスピーカ64L,64Rから音声を発生させるための音声信号を、指定されたチャンネルにおいて、指定された音量で生成する。これら音声データ、使用するチャンネルおよび音量の指定は、サブ−サブCPU232から、内部バスBssを介して音源IC244へ送信されるサウンドコマンドによって行われる。また、音源IC244は、複数のチャンネルで生成された音声信号を合成するミキサを備えており、これにより、各チャンネルで生成された音声信号に基づく音声を同時に発生させることができる。
<VRAMの構成>
次に、VRAM242の構成について、図5(b)を参照して説明する。図5(b)は、VRAM242の構成を概念的に示すブロック図である。VRAM242は、演出用画像の描画データが書き込まれる演出画像描画用メモリ2420と、異常が発生したときに、そのことを報知する画像の描画データが書き込まれる異常報知画像描画用メモリ2422と、演出画像描画用メモリ2420および異常報知画像描画用メモリ2422に書き込まれた描画データのうち、いずかれ一方を表示装置70へ出力するためのセレクタ2424と、により構成されている。演出画像描画用メモリ2420および異常報知画像描画用メモリ2422は、各々、表示装置70の画面を構成している各画素に対応した記憶領域を備えている。セレクタ2424は、演出画像描画用メモリ2420から出力される描画データ、または、異常報知画像描画用メモリ2422から出力される描画データの、いずれか一方を選択して表示装置70へ出力する。
演出画像描画用メモリ2420および異常報知画像描画用メモリ2422には、各々、イネーブル端子、書込/読出制御端子、アドレス端子、データ入力端子および、データ出力端子を備えている。そして、画像処理IC238が各描画用メモリに描画データを書き込むときは、まず、イネーブル端子に入力するイネーブル信号をハイレベルにするとともに、書込/読出制御端子に入力する書込/読出制御信号をハイレベル(書込みを指定)にする。そして、画像処理IC238は、描画データを書き込む記憶領域を指定するアドレスデータを、逐次アドレス端子へ供給するとともに、指定した記憶領域に書き込むデータを、データ入力端子へ供給する。なお、一方の描画用メモリに描画データを書き込んでいるときは、他方のイネーブル端子には、ローレベルのイネーブル信号を供給して、書込/読出不可状態にする。
次に、描画用データに記憶されている描画データを表示装置70へ出力する場合、画像処理IC238は、描画データを出力すべき描画用メモリに対して、ハイレベルのイネーブル信号と、ローレベルの書込/読出制御信号(読出しを指定)を供給し、アドレスデータを順次変化させていくことで、各記憶領域に記憶されている描画データを順次読み出す。なお、画像処理IC238は、セレクタ2424に対して、出力しようとしている描画データを記憶している、描画用メモリの出力が選択される切替信号を供給することはいうまでもない。ここでセレクタ2424は、切替信号がハイレベルの時は、異常報知画像描画用メモリ2422の出力を選択し、ローレベルの時は、演出画像描画用メモリ2420の出力を選択するものとする。
画像処理IC238は、通常時は、図5(a)に示したサブ−メインCPU212によって決定された演出を実行するための画像表示制御および音声発生制御を行っている。例えば、前述したムービー演出を行う場合は、画像データROM240に記憶されている動画データに基づいて、フレーム周期ごとに、演出画像描画用メモリ2420の記憶内容を更新して読み出すことによって、表示装置70における動画表示を実現することができる。また、このときに、例えば主制御回路100において何らかの異常が検出された場合は、サブ−メインCPU212からのコマンドに基づいて出力されたサブ−サブCPU232からのコマンドに従って、画像制御IC238により、異常報知画像描画用メモリ2422に異常発生報知画像を表示するための描画データが書き込まれる。そして、書き込まれた描画データが逐次読み出されて表示装置70へ出力される。
このように、異常が発生しているときは、異常報知画像描画用メモリ2422に書き込まれた描画データが表示装置70へ出力されるが、画像処理IC238は、この間にも、異常が発生する直前まで行っていた演出画像を表示するための描画データの更新を、演出画像描画用メモリ2420に対して引き続き行っている。但し、このとき切替信号はハイレベルになっており、セレクタ2424は、異常報知画像描画用メモリ2422から読み出された描画データを表示装置70へ出力する。このため、この間に演出画像描画用メモリ2420で更新された描画データに基づく画像は、表示装置70に表示されることはない。そして、異常が解消されると(発生した異常によっては異常解消後、リセットスイッチ82cが操作されると)、画像処理IC238は、切替信号をローレベルに切り替えて、セレクタ2424から演出画像描画用メモリ2420に書き込まれた描画データが出力されるように制御する。
なお、例えば、イネーブル信号がローレベルのときに、データ出力端子がハイインピーダンス状態になる描画用メモリであれば、一方の描画用メモリから描画データを読み出している間は、他方の描画用メモリのデータ出力端子をハイインピーダンス状態にする、という制御を常に実行することにより、双方の描画用メモリのデータ出力端子をワイヤードオアしてセレクタ2424を省略することができる。
また、図5(b)の構成では、演出画像描画用メモリ2420と、異常報知画像描画用メモリ2422とを、個別のメモリで構成していたが、例えば、1つのメモリの中に、表示装置70の二画面分の記憶領域を設けることができる場合は、その記憶領域を、演出画像描画用と、異常報知画像描画用と、に分けて、アドレスデータの内容によって、描画データを書き込むまたは読み出す描画用記憶領域を切り替えるようにしてもよい。この場合は、1つの描画用メモリによって、図5(b)に示した構成と同等の機能を発揮することできる。
[機能ブロック図の説明]
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図6に示す。なお、以下の説明において、図1、図2および図4に示した各部と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。まず、制御回路として主制御回路100と副制御回路200とがあり、両者は電気的に接続されている。ここで、主制御回路100から副制御回路200へは、図4および図5に示した接続線120を介して、スロットマシン10における単位遊技に関する各種情報(詳しくは後述する)が送信される。この各種情報の送信は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が送信されることはない。
主制御回路100には、操作手段300と、モータ駆動回路114と、ホッパー駆動回路118およびメダル払出装置83と、棒状電極85a,85bと、外部集中端子基板86とが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部演出ランプ72Rを備える演出報知手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35からなる投入指示手段330と、電源ユニット82に設けられたキースイッチ82bおよびリセットスイッチ82cとを有している。この操作手段300は、スイッチに限らず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、演出報知手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
≪主制御回路の説明≫
主制御回路100は、役抽選手段410と、フリーズ演出抽選手段420と、リール制御手段430と、入賞判定手段440と、入賞処理手段450と、異常検出手段460と、外部信号出力手段470と、遊技進行禁止手段480と、を含む。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段410は、役抽選を行うことによって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。以下では、当選した役のことを当選役ともいう。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技(リプレイともいう)役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、入賞すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、入賞すると次の単位遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技またはリプレイともいう)を行うことができる役である。再遊技における有効ラインは、再遊技役が入賞した単位遊技における有効ラインと同一となる。
ボーナス役は、通常遊技中に入賞すると、次の単位遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。スロットマシン10における特別遊技には、終了条件の違いに応じてビッグボーナスゲーム(以下、BB遊技という)と、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB遊技という)とがある。BB遊技は、メダルの払い出し枚数が、予め定められた枚数(ここでは300枚とする)を超えると終了条件が成立し、特別遊技へ移行する前の遊技(通常遊技)へ戻る。また、RB遊技は、単位遊技を所定回数(例えば12回)行うか、小役が入賞した回数が所定回数(例えば8回)になると、RB遊技の終了条件が成立して通常遊技に戻る。そして、入賞するとBB遊技が開始されることとなる役をBB役、RB遊技が開始されることとなる役をRB役という。
役抽選手段410は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機として、図4に示した乱数発生器112が発生した乱数を抽出し、当該乱数と、ROM108に記憶された複数種類の役抽選テーブル(図8〜図10参照)のうち、現在の遊技状態に対応する役抽選テーブルに基づいて1つまたは複数の役の当否を決定する役抽選を行う。この役抽選テーブルは、抽選対象になっている役の各々に対して乱数発生装置112が発生し得る数値範囲内の値(0〜65535)を適宜割り当てたものである。そして、乱数発生器112から抽出された乱数の値と、役抽選テーブルにおいて、各役に割り当てられている値とを比較し、乱数の値と同じ値が割り当てられている役が、当選役として決定され、いずれの役にも割り当てられていなかった場合ははずれとなる。
抽選対象となり得る役の種類について、図7を参照して説明する。図7は、各役の名称と、役が入賞することとなる図柄組合せと、役が入賞したときに遊技者へ払い出されるメダルの枚数(配当)とを対応付けた、配当情報の内容を示している。この配当情報は、図3に示した主制御回路100のROM108に記憶されている。
図7に示すように、スロットマシン10で入賞し得る各役には、それぞれ左リール40L,中リール40C,右リール40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。この図柄組合せは、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って停止表示された図柄組合せを意味しており、後述する入賞判定手段430が入賞判定を行う際に参照される。また、これらの図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されると、対応する役が入賞したことになり、各々の役に対応した特典が遊技者に付与される。
例えばBB役が入賞すると、次の単位遊技から前述したBB遊技が開始される。なお、図7には、BB役aおよびBB役bの2種類のBB役が示されているが、これらの役は、対応する図柄組合せが異なっているだけであり、行われるBB遊技の内容に違いはない。また、再遊技役が入賞した場合は、特典として次の単位遊技が再遊技となる。小役が入賞した場合は、特典として入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者へ払い出される。より詳細には、小役1が入賞した場合は1枚のメダルが払い出され、小役2a〜2cのいずれかが入賞した場合は3枚のメダルが払い出され、小役3が入賞した場合には、6枚のメダルが払い出される。
また図7において、小役2aの図柄組合せは「ANY−ベル−ANY」と示されているが、左リール40Lおよび右リール40Rの図柄「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを示している。したがって、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uに停止したときは、有効ラインL1に「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せが停止表示されたことになるため、小役2aが単一入賞して3枚のメダルが払い出されることになる。これに対して、中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止したときは、有効ラインL2,L3,L4に、各々「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せの図柄組合せが停止したと見なせることから、小役2aが3重に入賞したことになり、3枚×3=9枚のメダルが払い出されることとなる。
また、この場合、左リール40Lおよび右リール40Rについては、中リール40Cにおける「ベル」図柄の停止位置に応じて、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示されるようなリール停止制御がなされる。たとえば、役抽選で小役2aが当選役に定められたときに、左リール40Lが最初に操作された場合は、左リール40Lにおける「ベル」図柄が上段Uに停止するように、リール停止制御を行う。これにより、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uまたは中段Mのどちらに停止しても、有効ラインL1またはL4のいずれかに、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せを停止表示させることが可能となる。また、右リール40Rが最初に操作されたときは、右リール40Rの「ベル」図柄が上段Uに停止するように、リール停止制御を行う。
次に、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの内容について図8〜図10を参照して説明する。まず、図8および図9は、通常遊技中に参照される役抽選テーブルの内容を示し、図10は、特別遊技中(RB遊技中またはBB遊技中)に参照される役抽選テーブルの内容を示している。また、図8および図9の(a)はRT状態が「非RT」のとき、(b)はRT状態が「RT1」のとき、(c)はRT状態が「RT2」のときに、各々参照される役抽選テーブルの内容を示している。
役抽選テーブルは、乱数発生器112が発生し得る乱数値(0〜65535)と、抽選結果とを対応付けたものであり、乱数発生器112から抽出された乱数値が、役抽選テーブルのどの数値範囲に属するかによって、1つの抽選結果(抽選結果番号)が導出される。そして、導出された抽選結果番号に対応する役が当選役となる。ただし、導出された抽選結果番号にハズレが対応付けられていた場合は、いずれの役にも当選しなかった(ハズレになった)ことになる。なお、各抽選結果番号に対応する数値範囲に含まれる数字の数を置数といい、例えば抽選結果番号「1」(BB役a)の置数は、65535−65428+1=108となる。また、各抽選結果番号に対する置数を65536で割った値が、その抽選結果番号に対応する当選役の当選確率となる。
例えば、図8(a)に示す非RT用の役抽選テーブルの場合、抽出された乱数が「0」〜「41736」の範囲内に含まれる値だったときは、抽選結果番号「16」が導出され、役抽選の結果はハズレとなる。また、抽出された乱数値が「65319」〜「65427」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「2」が導出され、役抽選の結果はBB役bが当選役となる。さらに、抽出された乱数値が「51377」〜「54652」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「8」が導出され、小役2a、小役2bおよび小役2cが重複して当選したことになる。また、抽出された乱数値が「41737」〜「50718」の範囲内に含まれる値だった場合は、図9(a)に示す抽選結果番号「10」〜「15」に各々対応する数値範囲のうち、該当する数値範囲に対応する抽選結果番号が導出され、再遊技役aおよびbを含む複数の再遊技役が重複して当選したことになる。
また、図8(b)に示すRT1用の役抽選テーブルの場合、抽選結果番号「1」〜「9」までの各番号に関する数値範囲は、図8(a)の役抽選テーブルと全く同じであるが、いずれかの再遊技役が当選役となる数値範囲が大幅に拡張されている。すなわち、図9(b)に示すように、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されると、再遊技役gおよびbを含む複数の再遊技役が重複して当選し、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出されると、再遊技役bおよびcを含む複数の再遊技役が重複して当選する。ここで、図7では図示されていないが、再遊技役gに対応する図柄組合せは、「プラム−プラム−ベル」である。そして、抽選結果番号「10」〜「21」に渡る数値範囲は、1〜50718となっているため、全体的な再遊技役の当選確率は、50718/65536≒1/1.292となる。これにより、RT1は再遊技役の当選確率が大幅に上昇し、遊技者にとって有利な状態になっているといえる。
図8(c)に示すRT2用の役抽選テーブルにおいても、抽選結果番号「1」〜「9」までの各番号に関する数値範囲は、非RT用およびRT1用の役抽選テーブルと全く同じである。また、図9(c)に示すように、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されると、再遊技役aおよびbを含む複数の再遊技役が重複して当選し、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出されると、再遊技役bおよびcを含む複数の再遊技役が重複して当選する。そして、抽選結果番号「10」〜「21」に渡る数値範囲は、5071〜50718となっているため、全体的な再遊技役の当選確率は、45648/65536≒1/1.436となる。すなわち、RT2における再遊技役の当選確率は、RT1よりも低くなっているものの、非RTに比べれば大幅に高くなっているといえる。
次に、図10に示すRB遊技およびBB遊技用の役抽選テーブルでは、小役のみが役抽選の対象になっており、特別役および再遊技役は対象になっていない。また、ハズレとなる数値範囲は大幅に縮小されており(0〜743)、取りこぼしが生じない小役2aの数値範囲が最も広く設定されている(1402〜64807)。したがって、小役2aが極めて入賞しやすい状態になっており、RT1に加えて、特別遊技中も遊技者にとって有利な状態になっているといえる。
<フリーズ演出抽選手段の説明>
フリーズ演出抽選手段420は、通常遊技中(但し、後述するART遊技中を除く)における役抽選で所定の抽選結果になると、乱数抽選(以下、フリーズ抽選という)を行ってフリーズ演出を行うか否かを決定する。ここで、フリーズ演出とは、ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36、または、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたときに、通常であればそれらの操作に応じて、メダルが投入され、リールが回転し、または、リールが停止すべきところ、それらの制御が行われない状態となる演出である。
フリーズ演出抽選手段420は、役抽選で小役1が当選したとき、または、ハズレたときにフリーズ抽選を行うが、それぞれの抽選結果に対するフリーズ演出の当選確率(フリーズ演出を行うことが決定される確率)は異なっている。また、フリーズ演出の当選確率が高くなる高確率状態と、低くなる低確率状態とがあり、同じ役抽選の結果でも、フリーズ演出の当選確率が異なっている。具体的には、図11に示す様に、低確率状態において、役抽選で小役1が当選役に定められたときのフリーズ演出の当選確率は1/200であるが、高確率状態において1/10となる。また、低確率状態において、役抽選でハズレになったときのフリーズ演出の当選確率は1/1000であるが、高確率状態において1/30となる。
フリーズ演出抽選手段420は、上述した低確率状態と高確率状態との間の移行を、全リールが停止したときに表示される図柄組合せに応じて行う。具体的には、役抽選で小役1が当選したにも拘わらず、遊技者が小役1を入賞させることができなかったとき(小役1を取りこぼしたとき)に停止表示される特定の図柄組合せ(ベル−プラム−スイカ)が、いずれかの入賞ラインに沿って停止表示されたときに、確率状態を移行させるものとする。すなわち、低確率状態のときに特定の図柄組合せが停止表示された場合は高確率状態へ移行させ、高確率状態のときに特定の図柄組合せが停止表示された場合は低確率状態へ移行させる。
なお、上述した低確率状態から高確率状態へ、またはその逆方向に移行する条件は、特定の図柄組合せが停止表示された場合に限らず、例えば役抽選で特定の抽選結果となったときや、乱数に基づく移行抽選を行ってそれに当選したときに行ってもよい。また、当該移行抽選を行う契機は、単位遊技を行うごとに、役抽選で特定の抽選結果となったとき、予め定めていた図柄組合せが停止表示されたときなど適宜定めればよい。
<リール制御手段の説明>
リール制御手段430は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信すると、モータ駆動回路114を介してステッピングモータ42L,42C,42Rを駆動する。これによりリール40L,40C,40Rを回転させた後、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号が発信されると、発信したストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。
リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号が発信されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。すなわち、定常回転速度が80回転/分であり、1リール当たりの図柄数を21とすると、ストップスイッチが操作されたときのリールの回転位置から、最大でも5図柄分、回動するまでの間に、当選役に対応した図柄組合せ(図7参照)を構成している図柄(以下、当選図柄という)が、有効ラインが通過する停止表示位置(以下、有効ラインの位置という)に到達し得るときは、その当選図柄が有効ラインの位置に達したときにリールを停止させる。
ここで、リールの回転位置とは、リールの回転方向における位置、例えば、図柄番号「21」の図柄が中段Mの定位置にあるときの位置を基準位置とした場合、当該基準位置からの位置をいう。また、既に他のリールが停止しており、そのリールの当選図柄がいずれかの有効ラインの位置に停止しているときは、停止させようとしているリール上の当選図柄が、同じ有効ラインの位置で停止するように、上述した範囲内で移動(回動)させた後、リールを停止させる。例えば、左リール40Lにおける当選図柄が上段Uに停止しているときに、右リール40Rの停止制御を行うときは、右リール40Rにおける当選図柄を、上段U(有効ラインL1の位置)または下段L(有効ラインL4の位置)のうち、いずれか停止可能な方に停止させる。
これに対して、対応するリールを5図柄分、回動させても、当選図柄が有効ラインの位置に到達しないときは、当選役ではない役が入賞しないようにリールを停止させる。この場合、役抽選で何らかの役が当選していたとしても、その役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないため、その役は入賞しない。以下では、このような遊技結果を「取りこぼし」という。また、当選役を取りこぼしたときに停止表示される図柄組合せを、「こぼし目」(取りこぼしたときに停止表示される出目)という。よって、前述した「ベル−プラム−スイカ」は、小役1のこぼし目ということになる。
ここで、上述したリール停止制御を前提として図3に示した各リールの図柄配列を見ると、全リールにおける「ベル」図柄および「プラム」図柄は、その配置間隔から、ストップスイッチをどのようなタイミングで操作しても、上段U、中段M、下段Lのいずれにも停止させることができる。また、右リール40Rについては、「スイカ」図柄も同様である。このため、図7に示した配当情報によれば、小役2a(図柄組合せ:ANY−ベル−ANY)、再遊技役a(図柄組合せ:プラム−プラム−プラム)、再遊技役b(図柄組合せ:プラム−プラム−スイカ)、再遊技役c(図柄組合せ:プラム−プラム−ベル)および再遊技役g(図柄組合せ:プラム−ベル−プラム)は、役抽選で当選すれば、上述したリール停止制御によって取りこぼしが生じない。これに対して、上述した役以外の役については、上述したリール停止制御を行ったとしても、ストップスイッチの操作タイミングによっては、有効ラインの位置に停止させることができない図柄を含んだ図柄組合せになっている。すなわち、取りこぼしが生じる可能性がある。
また、役抽選の結果がハズレとなったときは、リール制御手段420は、いかなるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたとしても、何らかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないように、リール40L,40C,40Rを停止させる。リール制御手段420は、このようなリール停止制御を行うことによって、役抽選で何らかの役に当選した場合は、予め定められた許容範囲内で当選役が入賞するように、また、それができない場合は当選役以外の役が入賞しないように、各リールを停止させている。さらに、役抽選の結果がハズレだった場合は、いずれの役も入賞しないように、各リールを停止させている。
なお、役抽選の結果は、1回の単位遊技が終了すると消去されるが、特別役については、当選した特別役が入賞するまで、当選した状態が維持される。すなわち、役抽選で何らかの役が当選役に定められたときは、図3のRAM110に記憶されているその当選役に対応する当選フラグの状態がオン(「1」)にされ、各役に対応する当選フラグの状態は、基本的には、単位遊技が終了するとオフにされる。しかしながら、BB役a、BB役bおよびRB役の各当選フラグについては、一旦オンにされると、その役が入賞するまでオンの状態が保持される(以下、この状態を「ボーナスフラグの持ち越し中」ともいう)。すなわち、当選した状態(当選フラグのオン状態)が維持されている間は、リール制御手段420は、予め定められた許容範囲内で当選した特別役が入賞するように、各リールを停止させる。
そして、ボーナスフラグの持ち越し中の役抽選で、小役または再遊技役が当選した場合は、当該当選した役および持ち越し中の特別役の、どちらかを入賞させることができる状態となる。この場合、リール制御手段420は、特別役の当選図柄よりも、当選した小役または再遊技役の当選図柄を、優先的に有効ラインの位置へ停止させるリール停止制御を行う。なお、ボーナスフラグの持ち越し中における役抽選で、小役または再遊技役が当選した場合、上述したリール停止制御とは逆に、持ち越し中の特別役を優先的に入賞させるようなリール停止制御を行うように定めてもよい。
また、上述した以外にも、1回の役抽選によって複数の役が重複して当選役とされる場合がある。例えば、図8(a)〜(c)に示す様に、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときは、複数の小役2が当選役とされる。また、非RTにおいては抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されたとき(図8(a)参照)、RT1またはRT2においては抽選結果番号「10」〜「21」のいずれかが導出されたとき(図8(b),(c)参照)には、複数の再遊技役が当選役とされる。このような場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、リール停止制御の内容を切り替えている。
すなわち、図12に示す様に、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「5」が導出された場合、当選役は小役2aのみであり、ストップスイッチ37L,37C,37Rをどのような順序で操作しても、中リールの「ベル」図柄が中段Mに停止するリール停止制御を行う。この結果、小役2aが三重入賞して9枚の払い出しとなる。これに対して、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された場合は、小役2aを含む複数の小役2が当選役となり、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、導出された抽選結果番号に予め割り当てられている操作パターンで操作された場合に、中リール40Cにおける「ベル」図柄を中段Mに停止させ、小役2aを三重入賞させている。これに対して、導出された抽選結果番号に割り当てられている操作パターン以外で操作された場合は、中リール40Cにおける「ベル」図柄を上段Uに停止させ、小役2aを単一入賞させている。
ここで、上述した操作パターンは、6通りある操作順序のうち、左ストップスイッチ37Lを最初に操作するパターン(左→中→右および左→右→中)、中ストップスイッチ37Cを最初に操作するパターン(中→左→右および中→右→左)、右ストップスイッチ37Rを最初に操作するパターン(右→左→中および右→中→左)の、3パターンが用意されている。
なお、小役2aを含む複数の小役2が当選役となる抽選結果番号を5つに増やし、そのうち1つの抽選結果番号に対しては、中ストップスイッチ37Cを最初に操作する2つの操作順序(中→左→右および中→右→左)を割り当て、残りの4つの抽選結果番号に対しては、左→中→右、左→右→中、右→左→中および右→中→左の4つの操作順序を1つずつ割り当てるようにしてもよい(いわゆる5択の押し順ART)。そして、これら5つの抽選結果番号のいずれかが導出されたときは、その導出された抽選結果番号に割り当てられた操作順序でストップスイッチが操作された場合に、小役2を三重入賞させ、それ以外の操作順序でストップスイッチが操作された場合は小役2を単一入賞させるようにする(いわゆる5択の押し順ART)。
また、図9(a)に示したように、非RT中に抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aおよびbを含む複数の再遊技役が当選役となる。この場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、再遊技役aまたはbのいずれか一方が入賞するように各リールの停止制御を行う。すなわち、抽選結果番号「10」〜「15」の各々には、固有の操作順序(有利操作順序)が対応付けられており、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、導出された抽選結果番号に対応する有利操作順序で操作された場合は再遊技役aが入賞し、有利操作順序以外の操作順序(非有利操作順序)で操作された場合は再遊技役bが入賞するように各リールを停止させる。
次に、RT1中に抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、図9(b)に示したように、再遊技役gおよびbを含む複数の再遊技役が当選役となる。この場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は再遊技役gが入賞し、非有利操作順序で操作された場合は再遊技役bが入賞するように各リールの停止制御を行う。また、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bおよびcを含む複数の再遊技役が当選役となる。この場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は再遊技役bが入賞し、非有利操作順序で操作された場合は再遊技役cが入賞するように各リールの停止制御を行う。
さらに、RT2中に抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、図9(c)に示したように、再遊技役aおよびbを含む複数の再遊技役が当選役となる。この場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は再遊技役aが入賞し、非有利操作順序で操作された場合は再遊技役bが入賞するように各リールの停止制御を行う。また、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bおよびcを含む複数の再遊技役が当選役となる。この場合、リール制御手段430は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は再遊技役bが入賞し、非有利操作順序で操作された場合は再遊技役cが入賞するように各リールの停止制御を行う。
前述したように、再遊技役a,b,c,gは取りこぼしが起こらないため、非RTのときに役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合、RT1およびRT2のときに役抽選で抽選結果番号「10」〜「21」が導出された場合は、必ずいずれかの再遊技役が入賞することになる(図9参照)。ここで、図8に示した各種RT状態における役抽選テーブルを比較すると、非RTにおいては、いずれかの再遊技役が入賞する確率は、約1/7.296なのに対して、RT1においては約1/1.292、RT2においては約1/1.436になっている。よって、RT1およびRT2は、非RTに比べて再遊技役が入賞する確率(役抽選で再遊技役が当選する確率と同じ)が高くなっていることから、少ないメダル枚数の消費で、役抽選を行う機会を数多く得られることになるため、遊技者に有利な遊技状態になっているといえる。
なお、図8に示したストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御の例では、複数の再遊技役が重複して当選したときは、当選した各再遊技役に対応する当選フラグを全てオンにしていたが、代わりに、予め用意していた対応する1つの当選フラグをオンにするようにしてもよい。たとえば、図9(a)に示す抽選結果番号「10」(数値範囲:48535〜50718)が導出されたときに、再遊技役a,b,dに各々対応する3つの当選フラグをオンにするのではなく、再遊技役a,b,dが重複して当選したことを意味する1つの当選フラグ(重複当選フラグともいえる)を予め用意しておき、それをオンにするようにしてもよい。また、この重複当選フラグがオンになった場合は、ストップスイッチが有利操作順序で操作されたときは再遊技役aが入賞し、非有利操作順序で操作されたときは再遊技役bが入賞するようなリール停止制御を行う。
また、1つの再遊技役に、複数の図柄組合せと、これら複数の図柄組合せのうちいずれを停止表示させるのかを定める操作順序と、を対応付けるようにしても良い。たとえば、図9(a)において、抽選結果番号「10」(数値範囲:48535〜50718)に対しては、再遊技役Aという1つの再遊技役を対応させ、再遊技役Aが当選したときに停止表示し得る図柄組合せとして、「プラム−プラム−スイカ」、「プラム−プラム−プラム」および「黒チェリー−青7−キャラクタ」を対応付けておく。そして、抽選結果番号「10」が導出されたときに、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右の順序で操作されたときは、「プラム−プラム−スイカ」の図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させ、それ以外の順序で操作された場合は、「プラム−プラム−プラム」の図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させるリール停止制御を行う。
このように、他の抽選結果番号についても、1つの再遊技役に、複数の図柄組合せと、操作順序に応じて停止表示される図柄組合せを定めておくことによって、図8(a),(b)に示した内容と同様のリール停止制御を行うことができる。
<入賞判定手段の説明>
入賞判定手段440は、遊技状態制御手段442を有し、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定を行うとともに、遊技状態制御手段442に、入賞判定の結果などに応じて前述した遊技状態の移行制御を行わせる。入賞判定手段440は、図3に示した各リールの図柄番号に対応する種別コードを記憶しており、有効ラインL1〜L4の各々に沿って停止表示された各図柄組合せを認識する。そして、図7に示した配当情報を参照し、何らかの役が入賞したか否かを判定する。また、当該判定後に、役抽選結果(但し当選している特別役を除く)をクリアし、当選している特別役が入賞したときは、その特別役の当選状態をクリアする(非当選状態にする)。
遊技状態制御手段442は、特別役の入賞および特別遊技の終了条件の成立に応じて、遊技状態(「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」)の移行を制御する。すなわち、「通常遊技」状態のときにRB役が入賞した場合は「RB遊技」状態へ移行させ、BB役aまたはBB役bが入賞した場合は「BB遊技」状態へ移行させる。また「RB遊技」状態のときに、単位遊技が12回行われるか、小役が8回入賞すると、「通常遊技」状態へ移行させる。さらに、「BB遊技」状態のときに、300枚のメダルが払い出されると、「通常遊技」状態へ移行させる。
また、遊技状態制御手段442は、通常遊技中に所定の条件が成立すると、現在のRT状態から他のRT状態へ移行させる。ここで、図13に示す状態遷移図を参照して、RT状態が移行する条件と、RT状態の遷移とについて説明する。この図において、電源投入直後の初期状態における遊技状態は「通常遊技」であり、RT状態は「非RT」である。この状態で再遊技役aが入賞すると、遊技状態制御手段442は、RT状態を「RT1」へ移行させる。すなわち、図8(a)に示す役抽選テーブルにおいて、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は、RT状態が「RT1」へ移行する(図9(a)参照)。
また「RT1」において再遊技役gが入賞すると、RT状態が「RT2」へ移行する。すなわち、図8(b)に示す役抽選テーブルにおいて、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は、RT状態が「RT2」へ移行する(図9(b)参照)。これに対して、再遊技役cが入賞したとき、または、小役2aが単一入賞したときは、RT状態が「非RT」へ移行する。すなわち、図8(b)に示す役抽選テーブルにおいて、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが非有利操作順序で操作されたとき(すなわち、再遊技役cの入賞)、または、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出され、かつ、中リール40Cにおける「ベル」図柄が上段Uに停止する操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたときは(図12参照)、RT状態が「非RT」へ移行する。なお、「RT1」において再遊技役bが入賞したときは、RT状態が移行せず「RT1」の状態が維持される。
次に、「RT2」において再遊技役aが入賞すると、RT状態が「RT1」へ移行する。すなわち、図8(c)に示す役抽選テーブルにおいて、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は、RT状態が「RT1」へ移行する(図9(c)参照)。これに対して、再遊技役cが入賞したとき、または、小役2aが単一入賞したときは、RT状態が「非RT」へ移行する。すなわち、図8(c)に示す役抽選テーブルにおいて、抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが非有利操作順序で操作されたとき(すなわち、再遊技役cの入賞)、または、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出され、かつ、中リール40Cにおける「ベル」図柄が上段Uに停止する操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたときは(図12参照)、RT状態が「非RT」へ移行する。なお、「RT2」において再遊技役bが入賞したときは、RT状態が移行せず「RT2」の状態が維持される。
<入賞処理手段の説明>
入賞処理手段450は、入賞判定手段440によりいずれかの小役が入賞したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているメダル払出装置83(図2参照)を駆動して、入賞した小役に対応する枚数(図7参照)のメダルを払い出すための制御を行う。すなわち、小役が入賞すると、メダル払出装置83の駆動を開始し、メダル払出装置83のメダル排出センサから出力されるメダル排出信号の数を計数し、図7に示す配当情報に定められている枚数のメダルを排出すると、メダル払出装置83の駆動を停止する。
<異常検出手段の説明>
異常検出手段460は、スロットマシン10に異常が発生したか否かを判断し、異常が発生したと判断したときは、その異常に対応するエラーコードを、図1に示した獲得枚数表示器28に表示し、さらに、副制御回路200へ発生した異常を示す情報を送信する。また、発生した異常が遊技場の係員などによって解消された場合は、その旨を示す異常解除情報を副制御回路200へ送信する。
ここで、異常検出手段460が検出する異常の種類としては、機器の故障、不正行為および遊技場の係員による確認を要するものなどがある。具体的には、RAM110に対して正常な読み書きが行うことができない、メダルセレクタ80を流下するメダルが逆方向に移動した、役抽選の結果と入賞した役の種類とが異なる、メダルセレクタ80内でメダルが詰まった、メダル払出装置83から排出されるメダルが途中で詰まった、メダル払出装置83に貯留されているメダルがない、メダル補助収容庫84内のメダルが上限に達した、前面扉12が開いている、などの項目が異常として検出される。なお、これら列挙した項目以外にも、従来、異常とみなしていた項目を検出するようにしてもよい。
<外部信号出力手段の説明>
外部信号出力手段470は、異常検出手段460によって異常が検出されると、その異常が遊技場の係員などによって解消されるまで、前述した異常発生情報を含んだ信号、すなわち、異常が発生したことを示す異常発生信号を、外部集中端子基板86を介して外部の遊技履歴表示装置やホールコンピュータなどへ出力する。また、外部信号出力手段470は、異常発生信号の他にも、メダルが投入されるごとにオンとなるメダル投入信号、メダルが払い出されるごとにオンとなるメダル払出信号、BB遊技が開始してから終了するまでオンになるBB遊技信号、RB遊技が開始してから終了するまでオンになるRB遊技信号、および、再遊技が開始してから終了するまでオンになる再遊技信号など、単位遊技に関するその他の情報も出力する。
なお、外部信号出力手段470が外部へ出力する信号の種類は、上述したものに限らず、従来のスロットマシンから外部集中端子基板を介して外部へ出力されていた各種情報を含む信号を出力するようにしても良い。このような信号としては、例えば後述するART遊技が開始されたことを示す信号(ART実行信号)などがある。また、異常発生信号の代わりに、または異常発生信号に加えて、発生した異常の種類を示す情報(例えばエラーコード)を出力するようにしてもよい。例えばエラーコードを送信する場合は、エラーコードをシリアルデータで送信するようにしてもよいし、パラレルデータで送信するようにしても良い。
<遊技進行禁止手段の説明>
遊技進行禁止手段480は、異常検出手段460によって検出された異常に応じて、単位遊技の進行を禁止する。例えば、投入されたメダルを受け付けずに受け皿61に戻す、ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rを無効にすることによって、単位遊技を進行させないようにする。
≪副制御回路の説明≫
副制御回路200は、主に演出制御手段510と、演出信号生成手段520と、報知データ記憶530と、通信エラー検出手段535と、演出報知切替手段550と、特殊遊技実行手段560と、からなっている。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段510は、演出データ記憶手段512と、演出抽選手段514とを有し、演出報知手段600において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出データ記憶手段512は、演出データとして、各種演出を実行するための、画像(動画または静止画)データ、音声、楽音及び効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータを記憶している。演出抽選手段514は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。これにより、後述する演出信号生成手段520によって、演出抽選手段514によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータに基づく各種信号が生成される。
<演出信号生成手段の説明>
演出信号生成手段520は、演出データ記憶手段512に記憶されている演出データのうち、演出抽選手段514によって決定された演出内容に対応する演出データに基づいて、演出報知手段600で演出を行うための演出信号を生成する。また、演出信号生成手段520は、上述した画像データに基づいて、表示装置70に画像を表示するための画像信号を生成する演出画像信号生成手段522と、上述した音声データに基づいて、スピーカ64L,64Rから音声を発生させるための音声信号を生成する演出音声信号生成手段524とを含んでいる。
さらに、画像信号生成手段522は、表示装置70の画面を構成している各画素に対する演出用の描画データを一時的に記憶する演出描画データ記憶手段5220と、演出用の画像として動画を表示する場合に、演出描画データ記憶手段5220に記憶されている描画データを、演出用の動画データに基づいて所定の周期で(例えば予め設定されたフレームレートに従って)更新する演出描画データ更新手段5222とを有している。そして画像信号生成手段522は、演出用の描画データが更新されるごとに、当該描画データに基づいて各画素に対する画像信号を生成する。
なお、演出描画データ記憶手段5220は、図5(b)に示した演出画像描画用メモリ2420に相当するものであり、演出描画データ更新手段5222は、図5(a)に示した画像処理IC238に相当するものである。また、前述した演出音声信号生成手段524は、図5(a)に示した音源IC244に相当するものである。
<報知データ記憶手段の説明>
報知データ記憶手段530は、異常検出手段450によって検出され得る異常の種類毎に、その異常が発生したことを報知するための、画像(動画または静止画)データ、音声、楽音及び効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータを、報知データとして記憶している。なお、前述した演出データ記憶手段512および報知データ記憶手段530は、図5(a)に示した画像データROM240およびサウンドROM246に相当する。
<通信エラー検出手段の説明>
通信エラー検出手段535は、1回の単位遊技が行われる過程で、主制御回路100から送信されるその単位遊技に関する各種情報を、欠落することなく副制御回路200が受信できているか否かを判断する。そして、当該判断に基づいて主制御回路100と副制御回路200との間の通信に異常が発生したことを検出する。ここで、1回の単位遊技中に主制御回路100から副制御回路200へ送信される主な情報について、図14を参照しつつ説明する。主制御回路100から副制御回路200へ送信される情報は、コマンドという形態で送信される。1つのコマンドは、コマンドの識別するための1バイトの識別情報と、そのコマンドに対応する情報の内容を示す1バイトの送信情報とによって構成されている。
なお、図14に示すコマンドの一覧は、1回の単位遊技が行われるごとに副制御回路200へ送信される主立った情報を示しており、これ以外にも、例えば、異常検出手段460によって異常が検出された時に、その異常の内容がコマンドによって副制御回路200へ送信される。また図14において、送信情報は、Bit0〜7の8ビットの情報であり、何らかの数値を2進法で送信するときは、Bit0がLSB(Least Significant Bit)、Bit7がMSB(Most Significant Bit)となる。
(主なコマンドの内容)
以下に、図14に示す各種コマンドの内容について説明する。なお、以下の識別情報を示す2桁の値に付与されている「H」は、当該2桁の値が16進法で表されていることを意味する。
(1)設定値コマンド(識別情報:82H)
送信情報のBit0〜2を用いて、前述したように、図2に示したキースイッチ82bによって設定された、現在の設定値(1〜6のいずれか)を2進法で送信する。
(2)遊技状態1コマンド(識別情報:83H)
BB遊技中のときに、BB遊技aとBB遊技bとのいずれが行われているのかを示す情報を送信する。送信情報のBit0の値が「1」であればBB遊技a、Bit1の値が「1」であればBB遊技bが行われていることを示している。また、いずれのBB遊技中でもないときは、双方のビットの値は「0」となる。
(3)遊技状態2コマンド(識別情報:84H,94H)
送信情報のBit0〜4を用いて、現在の遊技状態が、再遊技、MB遊技(いわゆる第2種特別役物に係る役物連続作動装置)、CB遊技(いわゆる第2種特別役物)、BB遊技またはRB遊技のいずれであるかを示す情報を送信する。Bit0〜4に対して各々、遊技状態が対応しており(図14参照)、値が「1」になっているビットに対応する遊技状態が、現在の遊技状態を示している。なお、スロットマシン10では、MB遊技およびCB遊技が行われることがないため、これらに対応するビットの値は常に「0」となる。また、遊技状態2コマンドは、1回の単位遊技中に2回送信され、最初に送信される遊技状態2コマンドの識別情報は84H、2回目に送信される遊技状態2コマンドの識別情報は94Hとなっている。
(4)RT状態コマンド(識別情報:85H,95H)
送信情報のBit0〜1を用い、2桁の2進数によって現在のRT状態を示す情報を送信する。すなわち、その値が「00」であれば非RT、「01」であればRT1、「10」であればRT2であることを示している。RT状態コマンドも、1回の単位遊技が終了してから、次の単位遊技が終了するまでの間に2回送信され、最初に送信されるRT状態コマンドの識別情報は85H、2回目に送信されるRT状態コマンドの識別情報は95Hとなっている。
(5)フリーズ確率状態コマンド(識別情報:86H,96H)
送信情報のBit0を用いて、図11に示したフリーズ抽選テーブルを用いて主制御回路100において行われるフリーズ演出抽選において、現在のフリーズ演出当選確率の状態を示す情報を送信する。Bit0の値が「0」のときは、フリーズ演出の当選確率が低確率状態であることを示し、「1」のときは高低確率状態であることを示している。フリーズ確率状態コマンドも、1回の単位遊技中に2回送信され、最初に送信されるフリーズ確率状態コマンドの識別情報は86H、2回目に送信されるフリーズ確率状態コマンドの識別情報は96Hとなっている。なお、識別情報が86Hのフリーズ確率状態コマンドにおける送信情報では、Bit1が不使用となるが、識別情報が96Hのフリーズ確率状態コマンドにおける送信情報では、Bit1の値が「0」のときはフリーズ演出抽選にハズレたことを示し、「1」のときはフリーズ演出抽選に当選したことを示すものとする。
(6)メダル投入コマンド(識別情報:90H)
送信情報のBit0〜1を用いて、スロットマシン10に投入されたメダルの枚数を2進数で送信する。また、図1に示したベットスイッチ34,35を用いてメダルが投入された場合は、Bit5〜7の値が「000」となり、メダル投入口32からメダルが投入された場合は、Bit5〜7の値が「111」となる。
(7)スタートスイッチ受付コマンド(識別情報:93H)
スロットマシン10に規定数のメダルが投入されて、スタートスイッチの操作が有効になっているときに、スタートスイッチ36が操作されたことを示す情報として、本コマンドが送信される。これと併せて、送信情報のBit0〜1を用い、スタートスイッチ36の操作時に投入されていたメダルの枚数を2進法で送信する。
(8)小役・再遊技役抽選結果番号コマンド(識別情報:97H)
送信情報のBit0〜4を用いて、役抽選によって導出された抽選結果番号を2進数で送信する。ただし、このコマンドによって送信される抽選結果番号は、小役または再遊技役を当選役とするもの、および、ハズレとするものに限られている。よって、特別遊技中にこのコマンドによって送信され得る抽選結果番号は「1」〜「4」のいずれかであり(図10参照)、通常遊技中は、非RT中であれば「4」〜「16」(図8(a)参照)、RT1またはRT2中であれば「4」〜「22」(図8(b),(c)参照)のいずれかとなる。
(9)特別役抽選結果番号コマンド(識別情報:98H)
送信情報のBit0〜1を用いて、役抽選によってBB役a、BB役bまたはRB役を当選役とする抽選結果番号が導出された場合に、その抽選結果番号を2進数で送信する。よって、本コマンドによって情報が送信されるのは通常遊技中に限られ、送信情報の内容は、BB役aが当選役に定められたときは「1」、BB役bが当選役に定められたときは「2」、RB役が当選役に定められたときは「3」となる(図8(a)〜(c)参照)。
(10)回転開始コマンド(識別情報:9BH)
本コマンドは、全リール40L,40C,40Rが回転を開始したことを示す情報として送信される。すなわち、本コマンドを送信すること自体が、全リールの回転開始を意味しており、本コマンドの送信情報は、Bit0〜7の値がすべて「0」に固定されている。
(11)リール停止受付コマンド(識別情報:9EH〜A0H)
回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されたことを示す情報として、本コマンドが送信される。すなわち、各々対応するリールが回転しているときに、左ストップスイッチ37Lが操作されたときは、左リール停止受付コマンド(識別情報:9EH)が送信され、中ストップスイッチ37Cが操作されたときは、中リール停止受付コマンド(識別情報:9FH)が送信され、ストップスイッチ37Rが操作されたときは、右リール停止受付コマンド(識別情報:A0H)が送信される。
また、各ストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドが送信される際に、その送信情報によって、対応するリールの回転位置やリール停止制御に関する情報も送信される。具体的には、送信情報のBit0〜4を用いて、ストップスイッチが操作された時に、当該ストップスイッチ表示窓22の中段Mに位置していた図柄の図柄番号(「1」〜「21」のいずれか。図3参照)を2進数で送信する。また、Bit5〜7を用いて、ストップスイッチが操作された後に、対応するリールが停止するまでに、リール停止制御によって移動させる距離(いわゆる滑りコマ数)を2進数で送信する。なお、滑りコマ数の数値範囲は「0」〜「5」となっている。
(12)リール停止コマンド(識別情報:A1H)
本コマンドは、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止するごとに、そのことを示す情報として送信される。よって、本コマンドは、1回の単位遊技につき、3回送信されることになる。また、本コマンドの送信情報は、Bit0〜7の値がすべて「0」に固定されている。
(13)作動図柄1コマンド(識別情報:A4H)
全リールが停止したときに、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿ってBB役に対応する図柄組合せが表示された場合、その図柄組合せがBB役aに対応しているか、BB役bに対応しているかを示す情報を送信する。具体的には、BB役aに対応していたときは、送信情報のBit0の値が「1」となり、BB役bに対応していたときはBit1の値が「1」となる。
(14)作動図柄2コマンド(識別情報:A5H)
全リールが停止したときに、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って表示された図柄組合せが、いずれの役に対応しているのかを示す、情報を送信情報のBit0〜4を用いて送信する。すなわち、Bit0〜4の各ビットに対し、Bit0から順に再遊技役、MB役、CB役、BB役、RB役が対応しており、これらの役に対応する図柄組合せが有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って表示されたときは、その役に対応するビットの値が「1」となる。なお、スロットマシン10では、MB役およびCB役が設けられていないため、これらに対応するビットの値は常に「0」となる。
(15)メダル払出開始コマンド(識別情報:A6H)
送信情報のBit0〜3を用いて、小役が入賞したときに払い出されるメダルの枚数を2進数で送信する。スロットマシン10の場合、「1」(小役1入賞時)、「3」(小役2a単一入賞時)、「6」(小役3入賞時)または「9」(小役2a三重入賞時)となる。
(16)単位遊技終了コマンド(識別情報:A9H)
送信情報のBit0〜2を用いて、所定の遊技状態またはRT状態が終了したことを示す情報を送信する。具体的には、BB遊技の終了条件が成立したときにはBit0の値が「1」となり、RT1またはRT2から非RTへの移行条件が成立したときにはBit1の値が「1」となり、RB遊技の終了条件が成立したときにはBit2の値が「1」となる。
(各コマンドの送信契機)
上述した16種類のコマンドは、基本的には、かっこ内の数字の順番で主制御回路100から副制御回路200へ送信されるが、各リール停止受付コマンドについては、ストップスイッチが操作された順に応じて送信順序が入れ替わる。また、各コマンドは、遊技者がスロットマシン10に対して行った操作を契機として送信される。例えば、単位遊技が行われているときに、3つ目の(最後の)ストップスイッチが操作されると、より厳密には、最後に押下されたストップスイッチから遊技者の指が離されたことにより、押下された状態が解除されたことを契機として、(13)作動図柄1コマンドおよび(14)作動図柄2コマンドが送信される。そして、当該単位遊技で小役が入賞した場合は、引き続き(15)メダル払出開始コマンドが送信される。また、小役の入賞如何を問わず、その後、(16)単位遊技終了コマンド、(1)設定値コマンド、(2)遊技状態1コマンド、(3)遊技状態2コマンド、(4)RT状態コマンド、および、(5)フリーズ確率状態コマンドが順次送信される。
次に、メダル投入口32に投入されたメダルが検出されたとき、または、ベットスイッチ34,35が操作されたときに、(6)メダル投入コマンドが送信される。そして、投入されたメダルの枚数が規定数に達し、スタートスイッチ36が操作されると、(7)スタートスイッチ受付コマンド、(3)遊技状態2コマンド、(4)RT状態コマンド、(5)フリーズ確率状態コマンド、(8)小役・再遊技役抽選結果番号コマンド、および、(9)特別役抽選結果番号コマンドが順次送信される。
ここで、スタートスイッチ36の操作後に再度送信される(3)遊技状態2コマンド、(4)RT状態コマンドおよび(5)フリーズ確率状態コマンドについては、最後に押下されたストップスイッチの押下状態が解除されてから送信されたときと、同じ内容の送信情報が再度送信されている。また、最後に押下されたストップスイッチの押下状態が解除されると送信される(3)〜(5)のコマンドの識別情報は、順に84H,85H,86Hであり、スタートスイッチ36の操作後に再度送信される(3)〜(5)のコマンドの識別情報は、順に94H,95H,96Hである。
そして、(9)特別役抽選結果番号コマンドが送信されると、引き続き(10)回転開始コマンドが送信されるが、このとき、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから4.1秒が経過していなかった場合は、4.1秒が経過したときに回転開始コマンドが送信される。そして、ストップスイッチの操作が有効となって、各ストップスイッチが操作されるごとに、対応する(11)リール停止受付コマンドが送信されるとともに、対応するリールが停止するごとに(12)リール停止コマンドが送信される。
これにより、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドが一巡し、最後のストップスイッチが押下され、その押下状態が解除されると、前述したように、(13)作動図柄1コマンドおよび(14)作動図柄2コマンド以降のコマンドが、順次送信されていく。
(チェック番号)
チェック番号は、図14に示した16種類のコマンドのうち、通信エラー検出手段535によって、受信できたか否かがチェックされる対象となっているコマンドに、予め付与されている番号である。スロットマシン10では、(3)遊技状態2コマンド、(4)RT状態コマンド、(5)フリーズ確率状態コマンド、(8)小役・再遊技役抽選結果番号コマンド、および、(11)リール停止受付コマンドに、チェック番号が付与されている。チェック番号は、1回の単位遊技が終了してから、次の単位遊技が終了するまでの間に送信される順序に従って、その値が増えていくように付与されている。ここで、本実施形態においては、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドに関する「1回の単位遊技」の期間を、(16)単位遊技終了コマンドを受信した後から、次の(16)単位遊技終了コマンドを受信するまでとする。
また、1回の単位遊技中に2回送信されるコマンド((3)遊技状態2コマンド、(4)RT状態コマンドおよび(5)フリーズ確率状態コマンド)については、2つのチェック番号が付与されている。さらに、左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンドおよび右リール停止受付コマンドについては、各コマンドに対応するチェック番号は付与されておらず、ストップスイッチの操作順序に応じてチェック番号が定められている。
通信エラー検出手段535は、チェック番号が付与されているコマンドについて、各々、主制御回路100から受信できたか否かを判断し、受信できなかった回数に基づいて、主制御回路100と、副制御回路200との間の通信に、異常(通信エラー)が発生したか否かの判断を行っている。
<異常報知信号生成手段の説明>
異常報知信号生成手段540は、報知データ記憶手段530に記憶されている報知データのうち、異常検出手段450または通信エラー検出手段535によって検出された異常の種類に対応する報知データに基づいて、演出報知手段600によって検出された異常を報知するための報知信号を生成する。また、異常報知信号生成手段540は、上述した報知データに含まれる画像データに基づいて、表示装置70に画像を表示するための画像信号を生成する異常報知画像信号生成手段542と、上述した報知データに含まれる音声データに基づいて、スピーカ64L,64Rから音声を発生させるための音声信号を生成する異常報知音声信号生成手段544とを含んでいる。
異常報知画像信号生成手段542は、表示装置70の画面を構成している各画素に対する異常報知用の描画データを一時的に記憶する、異常報知描画データ記憶手段5220を備えている。そして、異常報知画像信号生成手段542は、異常報知描画データ記憶手段5220に記憶されている異常報知用の描画データに基づいて表示装置70の各画素に対する画像信号を生成する。
なお、異常報知描画データ記憶手段5440は、図5(b)に示した異常報知画像描画用メモリ2422に相当する。
異常報知音声信号生成手段544は、報知データ記憶手段530に記憶されている異常報知用の音声データに基づいて、スピーカ64L,64Rから音声を発生させるための音声信号を生成する。より詳しくは、異常報知音声信号生成手段544は、各々別個の音声データに基づいて別々の音声信号を生成する、第1異常音声信号生成手段5440および第2異常音声信号生成手段5442を有している。さらに、前述した演出音声信号生成手段524、第1異常音声信号生成手段5440および第2異常音声信号生成手段5442で生成された各音声信号を混合して、スピーカ64L,64Rへ出力する音声信号混合手段5444を有している。このように、2つの音声信号生成手段を有しているため、同時に複数の異常が発生した場合でも、各々の異常について並行して音声により報知することができる。
なお、前述した演出音声信号生成手段524、第1異常音声信号生成手段5440および第2異常音声信号生成手段5442は、図5(a)に示した音源IC244が備えている「複数の音声信号発生用チャンネル」に相当し、音声信号混合手段5444は、同じく音源IC244が備えている「ミキサ」に相当する。
<演出報知切替手段の説明>
演出報知切替手段550は、演出報知手段600へ出力する画像信号および音声信号を、演出信号生成手段520によって生成されたものと、異常報知信号生成手段540によって生成されたものと、の間で切り替える。なお、演出を実行中に、演出報知手段600へ出力される画像信号が、演出報知切替手段550によって演出用画像信号から異常報知用画像信号へ切り替えられた場合、演出描画データ更新手段5222は、異常報知用画像信号が演出報知手段600へ出力されている間も、継続して演出描画データ記憶手段5220に記憶される描画データを更新する。
また、演出報知切替手段550は、音声信号を演出用から異常報知用へ切り替える場合、出力する信号を切り替えるのではなく、各音声信号生成手段において生成される音声信号の音量を調節することによって実質的な切り替えを行う。例えば、スピーカ64L,64Rから発生させる音声を、異常を報知する音声に切り替える場合は、演出用の音声信号の音量を「0」(ゼロ)にして、演出用の音声が遊技者などに聞こえないようにする。
これにより、演出を実行中に、演出報知手段600へ出力される音声信号が、演出報知切替手段550によって演出用音声信号から異常報知用音声信号へ切り替えられた場合に、演出音声信号生成手段524が、異常報知用音声信号が演出報知手段600へ出力されている間も、継続して演出用の音声信号を生成するようにしてもよい。
<特殊遊技実行手段の説明>
特殊遊技実行手段560は、特殊遊技(以下、ART遊技という)を制御する。ART遊技は、遊技者に有利な単位遊技の結果が得られることとなる、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作態様が報知される遊技をいう。
たとえば、ART遊技中の通常遊技において、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときは、小役2aが三重入賞する(中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する)ための、ストップスイッチの操作順序(図12参照)が報知される。これにより、現在のRT状態が「RT1」または「RT2」のときに、遊技者が報知された操作順序通りにストップスイッチを操作した場合は、小役2aが三重入賞するだけでなく、「非RT」へ移行することとなる小役2aの単一入賞(図13参照)を回避することができる。
また、現在のRT状態が「非RT」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aが入賞する有利操作順序(図9(a)参照)が報知される。これにより、報知された操作順序通りに遊技者がストップスイッチを操作した場合は「RT1」に移行する(図13参照)。
また、現在のRT状態が「RT1」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役gが入賞する有利操作順序(図9(b)参照)が報知される。これにより、報知された操作順序通りに遊技者がストップスイッチを操作した場合は「RT2」に移行する(図13参照)。また、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bが入賞する有利操作順序(図9(b)参照)が報知される。これにより、「非RT」へ移行してしまう再遊技役cの入賞が阻まれ、「RT1」の状態が維持される。
さらに、現在のRT状態が「RT2」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aが入賞する有利操作順序(図9(c)参照)が報知される。これにより、報知された操作順序通りに遊技者がストップスイッチを操作した場合は「RT1」に移行する(図13参照)。また、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bが入賞する有利操作順序(図9(c)参照)が報知される。これにより、「非RT」へ移行してしまう再遊技役cの入賞が阻まれ、「RT2」の状態が維持される。
ここで、ストップスイッチに対して、最初になされる操作を第1停止操作、2番目になされる操作を第2停止操作、最後になされる操作を第3停止操作ともいう。また、ストップスイッチの操作順序を報知する態様としては、公知の報知態様を適宜採用してもよい。例えば、スタートスイッチ36の操作後に、第1〜第3停止操作に対応するストップスイッチの種類(左/中/右)を示す報知画像を表示装置70に表示してもよいし、左/中/右ストップスイッチに各々対応するランプを備え、スタートスイッチ36が操作された後に第1停止操作すべきストップスイッチに対応するランプを点灯し、以下、ストップスイッチに対して停止操作がされるごとに、次に操作すべきストップスイッチに対応するランプを点灯させるようにしてもよい。また、複数の報知態様により、並行してストップスイッチの操作順序を報知するようにしてもよい。
また、特殊遊技実行手段560は、役抽選で小役1または小役3に当選すると、図15(a)に示すストック抽選テーブルの確率に従った乱数抽選(ストック抽選)を行う。ここで、ストック抽選の当選確率は、小役1当選時よりも小役3当選時の方が高く、また、ART遊技中でないとき(非ART遊技中)よりもART遊技中の方が、当選確率は高くなっている。さらに、ストック抽選の当選確率は、主制御回路100で行われるフリーズ演出抽選の結果によっても変動し、図11に示したフリーズ抽選テーブルにおいて、高確率状態のときにフリーズ抽選に当選した場合は、図15(a)に示すストック抽選の当選確率が、現行の当選確率の10倍に上昇する。この高確率状態は、フリーズ抽選の当選確率が低確率状態になるまで継続する。ストック抽選に当選すると、特殊遊技実行手段560は、RAM216に記憶されているストック数STの値に「1」を加算する。なお、ストック数STの値が1以上になっているときに、「RT1」へ移行すると、1セット分(30ゲームとする)のART遊技が開始されるものとする。
また、特殊遊技実行手段560は、ART遊技中に役抽選で小役1に当選するか、またはハズレになると、そのときのRT状態に応じて、図15(b)に示す上乗せ抽選テーブルの確率に従った乱数抽選(上乗せ抽選)を行う。ここで、上乗せ抽選の当選確率は、「非RT」中はハズレ時の当選確率が極めて低いが(1/5000)、「RT1」および「RT2」におけるハズレ時の当選確率は、それぞれ1/2,1/5と、極めて高くなっている。また、小役1に当選した時は、「非RT」(1/500)、「RT2」(1/100)、「RT1」(1/10)、の順に当選確率が高くなっている。上乗せ抽選に当選すると、特殊遊技実行手段560は、ART遊技の残りゲーム数にART遊技1セット分のゲーム数(30ゲーム)を加算する。
なお、本実施形態ではストックは当選時に1つしか発生しないが、発生させるストックの数(「0」を含む)を抽選によって決定するようにして、一度に複数のストックが発生するようにしてもよい。
[制御処理の説明]
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図8のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させてから停止させるまでを1回の遊技とする単位遊技の制御処理を示す。
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定の初期化処理を行い、主制御回路100の各部に異常がないかチェックし、RAM110に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。このとき、RAM110への読み書きが正常に行うことができなかった場合は、CPU106は、RAM110に異常が発生したことを示すRAM異常情報を、副制御回路200へ送信し、RAM異常が発生したことを示すエラーコードを獲得枚数表示器28に表示し、さらに、外部集中端子基板86を介して、外部の遊技履歴表示装置や管理コンピュータへ異常発生信号を出力する。
次に、CPU106は、スロットマシン10に設定されている設定値(1〜6のいずれか)を送信情報とする設定値コマンド(識別情報:82H)を、副制御回路200へ送信する(ステップS12)。そして、BB遊技中であれば、BB遊技aまたはbの種別を送信情報とする遊技状態1コマンド(識別情報:83H)を、副制御回路200へ送信する(ステップS14)。次に、現在の遊技状態が、再遊技、BB遊技またはRB遊技のいずれであるかを送信情報とする遊技状態2コマンド(識別情報:84H,チェック番号:1)を、副制御回路200へ送信する(ステップS16)。また、現在のRT状態の種別を送信情報とするRT状態コマンド(識別情報:85H,チェック番号:2)を、副制御回路200へ送信する(ステップS18)。さらに、フリーズ抽選の当選確率状態(低確率状態または高確率状態)の種別を送信情報とするフリーズ確率状態コマンド(識別情報:86H,チェック番号:3)を、副制御回路200へ送信する(ステップS20)。
次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグがオフになっているか否かを判断する(ステップS22)。この再遊技入賞フラグは、前回の遊技で再遊技役が入賞したときにオンにされるフラグである。再遊技入賞フラグがオフになっている(YES)と判断した場合、CPU106は単位遊技を開始するためのメダルが投入されたか否かを判断し(ステップS24)、投入されない(NO)と判断した場合は、メダルが投入されるまでステップS24の判断処理を繰り返し行う。一方、メダルが投入された(YES)と判断した場合は投入されたメダルに応じた処理を行うと共に、投入されたメダルの枚数を送信情報とするメダル投入コマンド(識別情報:90H)を、副制御回路200へ送信する(ステップS26)。
すなわち、遊技者によってベットスイッチ34または35が操作されると、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値が、操作されたベットスイッチに対応するメダル枚数(以下、投入枚数という)の値以上であった場合に、RAM110に記憶されているクレジット数の値から、投入枚数の値を減算する。そして、CPU106は、投入枚数の値を、RAM110に記憶されているベット数の値に加算し、加算後のベット数の値に応じて、図1に示したベット数表示ランプ26a,26b,26cの点灯状態を更新する。また、併せて、ベット数の値を表す投入枚数を送信情報とするメダル投入コマンドを、図4および図5に示した接続線120を介して副制御回路200へ送信する。
また、ベットスイッチ34または35が操作されなかった場合は、CPU106は、メダル投入口32からメダルが投入されたか否かを判断する。そして、メダル投入口32の内部に設置されたメダルセレクタ80のメダルセンサによって、メダル投入口32から投入されたメダルが検出された場合は、RAM110に記憶されているベット数の値に「1」を加算するとともに、ベット数の値を表す投入枚数を送信情報とするメダル投入コマンドを、副制御回路200へ送信する。さらに、図14に示したコマンドの一覧には含まれていないが、メダルセンサによって、投入されたメダルについて異常が検出された場合は、その旨を示すメダル投入異常情報を、棒状電極85aと85bとの間に電気的な導通が認められた場合は、メダル満杯情報を、それぞれ対応するコマンドによって、副制御回路200へ送信する。そして、各異常に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示するとともに、外部集中端子基板86を介して、外部の遊技履歴表示装置や管理コンピュータへ異常発生信号を出力する。
以上のメダル投入処理を行うと、次にCPU106は、RAM110に記憶されているベット数の値が規定数(3枚)になったか否かを判断し(ステップS28)、規定数に達していない(NO)と判断した場合は、ステップS24へ戻り、達した(YES)と判断した場合は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS30)。なお、メダルの投入枚数が規定数に達している状態で(ステップS28,YES)、メダル投入口32からメダルが投入された場合は、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値に投入されたメダルの枚数を加算する。
一方、前述したステップS12において、CPU106が、再遊技入賞フラグがオンになっている(NO)と判断した場合はステップS26へ進み、前回の遊技で投入されたメダル枚数の投入枚数を送信情報とするメダル投入コマンドを、副制御回路200へ送信する。また、この場合は再遊技が行われることとなるため、ステップS28の判断結果はYESとなり、ステップS30へ進み、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する。これにより、再遊技役が入賞した次の遊技では、メダルを新たに投入し、またはクレジットされているメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。なお、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている前回の遊技で投入されたベット数となる。
ステップS30において、CPU106は、スタートスイッチ36が遊技者によって操作されたことによって出力される遊技開始信号を受信したか否かを判断する。遊技開始信号を受信しておらず、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断した場合は、再度ステップS22の処理へ戻る。このように、遊技者によってスタートスイッチが操作されるまで、ステップS22→S24→S26→S28(再遊技の場合はステップS22→S26→S28)の処理を繰り返し行う。
ステップS30において、CPU106が遊技開始信号を受信したことにより、遊技者によってスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断すると、CPU106は、1回の遊技を行うために投入された最終的なメダルの枚数を送信情報とする、スタートスイッチ受付コマンド(識別情報:93H)を副制御回路200へ送信する(ステップS32)。そして、再遊技入賞フラグをオフにした後、図4に示した乱数発生装置112から乱数を取得して役抽選処理を行う(ステップS34)。すなわち、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの中から、現在の遊技状態に応じた役抽選テーブルを選択し、選択した役抽選テーブルと、乱数発生装置112から取得した抽選用乱数と、に基づいて役抽選を行う。
次いでCPU106は、ステップS16で送信した送信情報を再び送信するための遊技状態2コマンド(識別情報:94H,チェック番号:4)を副制御回路200へ送信する(ステップS36)。さらに、ステップS18で送信した送信情報を再び送信するためのRT状態コマンド(識別情報:95H,チェック番号:5)および、ステップS20で送信した送信情報を再び送信するためのフリーズ確率状態コマンド(識別情報:96H,チェック番号:6)を、それぞれ副制御回路200へ送信する(ステップS38,S40)。
そして、CPU106は、役抽選の結果、導出された抽選結果番号を送信情報とするコマンドを、副制御回路200へ送信する。すなわち、小役もしくは再遊技役を当選役とする抽選結果番号、またはハズレとなる抽選結果番号が導出されたときは、その抽選結果番号を送信情報とする小役・再遊技役抽選結果番号コマンド(識別情報:97H,チェック番号:7)を副制御回路200へ送信する(ステップS42)。また、通常遊技中において、特別役を当選役とする抽選結果番号が導出されたときは、その抽選結果番号を送信情報とする特別役抽選結果番号コマンド(識別情報:98H)を副制御回路200へ送信する(ステップS44)。これにより副制御回路200では、受信した役抽選の結果に関する情報に基づいて、実行する演出内容を決定するための抽選を行う等の処理が行われる。
次にCPU106は、前回の遊技においてリール40L,40C,40Rが回転を開始してから4.1秒間が経過したか否かを判断する(ステップS46)。未だ4.1秒間が経過していない(NO)と判断したときは、4.1秒間が経過するまでステップS46の判断処理を繰り返し行う。そして、4.1秒間が経過した(YES)と判断すると、次にCPU106は、リール40L,40C,40Rを回転させるためのリール回転制御を開始する(ステップS48)。すなわち、CPU106は、まず、モータ駆動回路114(図6参照)への駆動パルスの出力を開始し、ステッピングモータ80L、80C、および80Rを駆動し、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させる。また、リール40L,40C,40Rが回転を開始したことを知らせるために、CPU106は、回転開始コマンド(識別情報:9BH,チェック番号:8)を副制御回路200へ送信する(ステップS50)。
リール回転速度が所定の定常回転速度(例えば、約80回転/分)に達すると、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を行うことが可能となり、CPU106は、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。すなわち、まず左ストップスイッチ37Lが操作された(ステップS52,YES)と判断したときは、副制御回路200に対して左リール停止受付コマンド(識別情報:9EH)を送信する(ステップS54)。また、中ストップスイッチ37Cが操作された(ステップS52,NOかつS56,YES)と判断したときは、副制御回路200に対して中リール停止受付コマンド(識別情報:9FH)を送信する(ステップS58)。さらに、右ストップスイッチ37Rが操作された(ステップS56,NOかつS60,YES)と判断したときは、副制御回路200に対して右リール停止受付コマンド(識別情報:A0H)を送信する(ステップS62)。これにより、副制御回路200では、停止操作情報(リール停止受付コマンド)の受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
なお、ステップS52,S56,S60の判断処理において、既に停止しているリールに対応するストップスイッチが操作された場合は、そのストップスイッチに対応する判断処理の結果はNOとなる。また、ステップS54,S58,S62の処理において、各々送信するリール停止受付コマンドのチェック番号は、最初に操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドについては「9」、次に操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドについては「10」、最後に操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドについては「11」とする。
ステップS54、S58またはS62のコマンド送信処理を行うと、次にCPU106は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、各当選フラグのオン/オフ状態(役抽選によって導出された抽選結果番号)と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じたリール停止制御を行う(ステップS64)。なお、このリール停止制御の内容は、図6に示したリール制御手段420が行うリール停止制御と同様である。また、通常遊技中に小役2aを含む複数の小役2が当選役として選択された場合、または、複数の再遊技役が当選役として選択された場合は、ストップスイッチの操作順序に応じてリール停止制御の内容を切り替える(図9および図12参照)。
また、
またCPU106は、ステップS64のリール停止制御によってリールが停止するごとに、副制御回路200に対してリール停止コマンド(識別情報:A1H)を送信する(ステップS66)。そして、全てのリールが停止したか否かを判断し(ステップS68)、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップS52の処理へ戻る。なお、ステップS60の判断処理で、右ストップスイッチ37Rが操作されなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS68の判断処理へ移行する。
ステップS68の判断処理で、全てのリールが停止した(YES)とCPU106が判断すると、次にCPU106は、何らかの役が入賞したか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理などを行う入賞判定処理を行う(ステップS70)。すなわち、CPU106は、有効ラインL1〜L4に停止表示された各図柄組合せを認識し、図7に示した配当情報に基づいて、何らかの役が入賞したか否かを判断する。このとき、何らかの役が入賞したと判断した場合は、役抽選の結果と比較して、当選役でない役が入賞していた場合は、リール停止異常情報を、副制御回路200へ送信する。そして、リール停止異常に対応するエラーコードを、獲得枚数表示器28に表示するとともに、外部集中端子基板86を介して、外部の遊技履歴表示装置や管理コンピュータへ異常発生信号を出力する。
また、入賞判定処理の結果、通常遊技中にRB役またはBB役が入賞したと判断したときは、遊技状態を「通常遊技」から入賞した役に応じて「RB遊技」または「BB遊技」へ移行させる。また、「通常遊技」において再遊技役が入賞したと判断したときは、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグのオン/オフ状態をオンにして、入賞した再遊技役と、現在のRT状態と、に応じて他のRT状態へ移行させる。さらに、遊技状態が「RB遊技」または「BB遊技」だった場合は、実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かを判断し、終了条件が成立した場合は、遊技状態を「通常遊技」に更新する。また、小役が入賞したと判断したときは、次に行う払い出し処理のために、入賞した小役に対応する払出枚数(図7参照)を、RAM110の所定の記憶領域に記憶する。また、CPU106は、RAM110に記憶されている役抽選の結果をクリアする。ただし、BB役またはRB役が当選している場合は、その役が入賞するまで当選した状態を維持し、その役が入賞したときに、当選した状態をクリアする。これによってボーナスフラグの持越しが実現される。
また、小役1を取りこぼしたことにより、有効ライン上に「ベル−プラム−スイカ」の図柄組合せが停止表示されたときは、フリーズ抽選における確率状態が低確率状態だった場合は、高確率状態へ変動させる。一方、高確率状態だったときは、低確率状態へ変動させる。なお、上述した入賞判定処理の詳細な内容については、後に図17に示すフローチャートを参照して説明する。
以上のように、入賞判定および遊技状態の移行制御を行うと、CPU106は、副制御回路200に対して、何らかの役が入賞した否か示す情報を送信する。まずCPU106は、BB役が入賞した場合に、BB役aとBB役bのいずれの図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されたのかを示す作動図柄1コマンド(識別情報:A4H)を送信する(ステップS72)。次にCPU106は、再遊技役、BB役またはRB役の、いずれの役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されたのかを示す作動図柄2コマンド(識別情報:A5H,チェック番号:12)を送信する(ステップS74)。ここで、単位遊技の結果がいずれかの小役入賞またはハズレだった場合は、作動図柄2コマンドの送信情報における全ビットが「0」となる。
次にCPU106は、ステップS70の入賞判定処理の結果、小役が入賞したか否かを判断し(ステップS76)、小役が入賞した(YES)と判断したときは、RAM110の所定の記憶領域に記憶されていたメダルの払出枚数を遊技者へ払い出すための払い出し処理(ステップS78)を行う。この払い出し処理は、ホッパー駆動回路118によってメダル払出装置83を駆動して、メダル払出口60からメダルを排出させることも可能であるし、排出するメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。なお、ステップS78の払い出し処理を行うCPU106は、図6に示した入賞処理手段450に相当する。次にCPU106は、払い出すメダルの枚数を示すメダル払出開始コマンド(識別情報:A6H)を、副制御回路200へ送信する(ステップS80)。そして、CPU106は、各種遊技状態が終了した場合に、そのことを示す単位遊技終了コマンド(識別情報:A9H)を、副制御回路200へ送信する(ステップS82)。これにより、CPU106は再びステップS12の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は単位遊技を継続して繰り返し行うことができる。
<入賞判定処理の説明>
図16に示したメインルーチンのステップS70における入賞判定処理の詳細な内容について、図17に示すフローチャートを参照しつつ詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、有効ラインL1〜L4に沿って停止表示された図柄組合せを各々認識する(ステップS100)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS102)。以下、通常遊技中でなかった(すなわち特別遊技中)と判断した場合と、通常遊技中と判断した場合とに分けて説明する。
(1)特別遊技中と判断した場合
ステップS102の判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が通常遊技中でない(NO)と判断した場合、CPU106は、特別遊技中の入賞処理を行う(ステップS104)。まず、CPU106は、現在実行中の特別遊技において、小役が入賞したか否かを判断し、いずれかの小役が入賞したと判断したときは、図7に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる。次にCPU106は、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かの判断を行う。すなわち、BB遊技中であれば、BB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が300枚を超えたか否かを判断する。また、RB遊技中であれば、RB遊技中の単位遊技を12回行ったか、または、いずれかの小役が8回入賞したかを判断する。
そして、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したと判断したときは、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態を示す情報を「通常遊技」に更新し、さらにRT状態を示す情報を「非RT」に更新して、ステップS104の処理を終了する。一方、特別遊技の終了条件が成立していないと判断したときは、遊技状態およびRT状態を維持したまま、ステップS104の処理を終了する。ステップS104の特別遊技中の入賞処理を終えると、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役以外の当選フラグでオンになっているものがあったときはオフにする(ステップS106)。これによりCPU106は、図17に示す入賞判定処理を終了して、図16のステップS72の処理へ進む。
(2)通常遊技中と判断した場合
前述したステップS102の判断処理において、CPU106が、現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断した場合、通常遊技における単位遊技の結果についての処理を行う。まずCPU106は、ステップS100の処理によって認識した図柄組合せに基づいて、いずれかの再遊技役が成立したか否かを判断する(ステップS108)。そして、いずれかの再遊技役が成立していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップS110)。この再遊技入賞フラグのオン/オフ状態は、前述した図16のメインルーチンにおけるステップS22の判断処理で参照される。
次にステップS108の判断処理で、再遊技役は成立していない(NO)とCPU106が判断したときは、次に、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS112)。そして、CPU106が小役1、小役2aまたは小役3のいずれかが入賞した(YES)と判断したときは、図7に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップS114)。また、ステップS112において、いずれの小役も入賞していない(NO)とCPU106が判断したときは、特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップS116)。そして、特別役が入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、特別役入賞処理を行う(ステップS118)。この特別役入賞処理では、まず、当選していた特別役に対応する当選フラグをオフにし、入賞した特別役に応じた終了条件をセットし、さらに、RAM110に記憶されている遊技状態を、「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「BB遊技」または「RB遊技」)に更新する。
このように、単位遊技の結果に応じた処理(ステップS110、S114またはS116の処理)を行うと、RAM110に記憶されている変数CNTの値に「1」を加算する(ステップS120)。この変数CNTの値は、ART遊技が開始されたことを示すART実行信号が、後述するステップS130の処理によって外部へ出力された後に行われた単位遊技の回数を示している。なお、ステップS118の判断処理で、特別役が入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、そのままステップS120の処理へ移行する。ステップS120の処理を終えると、CPU106は、現在のRT状態と、入賞した役の種類とに応じて、RT状態の移行制御を行う。以下では、現在のRT状態が「非RT」のとき、「RT1」のとき、および「RT2」とき、の3つに分けて説明する。
(2−1)現在のRT状態が「非RT」のとき
まずCPU106は、RAM110に記憶されている変数RTの値が「0」であるか否かを判断する(ステップS122)。ここで、RTの値は現在のRT状態を示しており、「0」のときは「非RT」であることを、「1」のときは「RT1」であることを、「2」のときは「RT2」であることを、各々示している。RTの値が「0」(非RT)のときは、判断結果がYESとなり、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS124)。再遊技役aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、RT状態の移行を行うことなく、前述したステップS106の処理へ移行する。これに対して、再遊技役aが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されているRTの値を「0」から「1」(RT1)に更新して(ステップS126)、前述したCNTの値が30を越えているか否かを判断する(ステップS128)。
CPU106が、CNTの値が30を越えている(ステップS128,YES)と判断したときは、外部集中端子基板86を介してART実行信号を外部へ出力する(ステップS130)。そして、CNTの値を「0」にクリアして(ステップS132)、前述したステップS106の処理へ進む。このように、CPU106は、RT状態が「非RT」から「RT1」へ移行した場合は、副制御回路200においてART遊技が開始されたものとみなしてART実行信号を外部へ出力している。一方、ステップS128の判断処理で、CPU106が、CNTの値は30を越えていない(NO)と判断したときは、直ちにステップS106の処理へ進み、RT状態が「非RT」から「RT1」へ移行してもART実行信号を出力しない。
(2−2)現在のRT状態が「RT2」のとき
前述したステップS122の判断処理において、RTの値が「0」ではない(NO)とCPU106が判断すると、次にRTの値が「2」(RT2)であるか否かを判断する(ステップS134)。そして、RTの値が「2」であった(YES)場合は、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS136)。再遊技役aが入賞した(YES)と判断したときは、前述したステップS126の処理へ進み、RAM110に記憶されているRTの値を「2」から「1」(RT1)に更新する。そして、ステップS128の判断処理を行い、CNTの値が30を越えていた場合は、ステップS130の処理へ移行してART実行信号を出力した後、ステップS132の処理によりCNTの値をクリアし、ステップS106の処理を行う。これに対してステップS128の判断処理で、CNTの値が30を越えていなかった場合は、直ちにステップS106の処理へ移行する。
ステップS136の判断処理で、再遊技役aは入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、次に小役2aの図柄組合せが、有効ラインL1上にのみ停止表示された(小役2aが単一入賞した)か否かを判断する(ステップS138)。小役2aが単一入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されているRTの値を「2」から「0」(非RT)に更新し(ステップS140)、前述したステップS106の処理へ進む。一方、ステップS138の判断処理において、小役2aが単一入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS142)。そして、再遊技役cが入賞した(YES)と判断したときは、ステップS140の処理へ進み、RTの値を「2」から「0」に更新して、ステップS106の処理へ進む。これに対して再遊技役cが入賞しなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS106の処理へ進む。
このように、現在のRT状態が「RT2」の場合にも、「非RT」と同様、再遊技役aが入賞すると「RT1」へ移行する。また、小役2aが単一入賞したとき、または再遊技役cが入賞したときは、「非RT」へ移行する。
(2−3)現在のRT状態が「RT1」のとき
前述したステップS134の判断処理において、RTの値が「2」ではない(NO)とCPU106が判断すると、現在のRT状態は「RT1」(RT=1)ということになる。よってCPU106は、まず、今回の単位遊技で再遊技役gが入賞したか否かを判断する(ステップS146)。再遊技役gが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されているRTの値を「1」から「2」(RT2)に更新し(ステップS148)、その後、ステップS106の処理へ移行する。
これに対して、再遊技役gが入賞しなかった(NO)と判断したときは、前述したステップS138の判断処理へ進み、小役2aが単一入賞したか否かを判断し、小役2aが単一入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、ステップS140の処理へ進み、RAM110に記憶されているRTの値を「1」から「0」に更新する。また、ステップS138の判断処理で、小役2aが単一入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、ステップS142の判断処理へ移行し、再遊技役cが入賞したか否かを判断する。そして、再遊技役cが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、ステップS140の処理へ進み、RAM110に記憶されているRTの値を「1」から「0」に更新する。そして、ステップS140の処理を終えると、または、ステップS142の判断処理において、再遊技役cが入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは直ちに、ステップS106の処理へ移行する。
このように、現在のRT状態が「RT1」のときには、再遊技役gが入賞すると「RT2」へ移行し、小役2aが単一入賞したとき、または再遊技役cが入賞したときは、「非RT」へ移行する。
≪副制御回路における制御処理の説明≫
次に、副制御回路200において実行される各種処理の内容について、図18〜図23に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、図18および図19は、主制御回路100から図14に示した各種コマンドを受信したとき行う受信コマンド処理の内容を示すフローチャートである。図20は、上述した受信コマンド処理内で行われる通信エラー発生処理の詳細な内容を示すフローチャートである。図21はART遊技中において、当該ART遊技の残り遊技回数に、所定の遊技回数を加算するか否かを決定する上乗せ抽選処理の内容を示すフローチャートである。図22は、上述した通信エラー発生処理によって通信エラーが検出されたことを報知するための通信エラー報知処理の内容を示すフローチャートである。図23は、図5(a)に示したサブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232へ各種コマンドを送信する際に実行されるコマンド発行処理の内容を示すフローチャートである。
<受信コマンド処理の説明>
まず、図18および図19を参照して受信コマンド処理の内容について説明する。通常、サブ−メインCPU212は、図18および図19に示す受信コマンド処理を定期的に実行し、主制御回路100から各種コマンドを受信したか否かを判断している。受信コマンド処理を開始すると、まず、サブ−メインCPU212は、設定値コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS200)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「82H」であるか否かを判断し、「82H」である(YES)と判断した場合は、受信した設定値コマンドの送信情報(設定値を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS202)。例えば、図15に示したストック抽選テーブルおよび上乗せ抽選テーブルが、設定値(1〜6)ごとに用意されていた場合は、受信した設定値に応じた各抽選テーブルを選択する。そして、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS200の判断処理で、サブ−メインCPU212が設定値コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に遊技状態1コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS204)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「83H」であるか否かを判断し、「83H」である(YES)と判断した場合は、受信した遊技状態1コマンドの送信情報(BB遊技aまたはbの種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS206)。例えば、BB役aが入賞したことによってBB遊技が開始された場合と、BB役bが入賞したことによってBB遊技が開始された場合とで、実行する演出の内容が異なる場合は、各BB遊技に対応する演出を実行するようにする。そして、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS204の判断処理で、サブ−メインCPU212が遊技状態1コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に遊技状態2コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS208)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「84H」または「94H」であるか否かを判断し、「84H」または「94H」である(YES)と判断した場合は、受信した遊技状態2コマンドの送信情報(再遊技、RB遊技またはBB遊技の種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS210)。例えば、受信した送信情報が示す遊技状態に応じて、スピーカ64L,64R、表示装置70および上部演出ランプ72を用いて行う演出の内容を切り替える。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算する(ステップS212)。この通信エラーチェックカウンタの値は、主制御回路100から送信された各種コマンドのうち、特定のコマンドについて、正常に受信できたか否かをチェックするための値である。この値は、後述するように単位遊技が終了するごとにクリアされるため、その後、最初にステップS212の処理が行われたとき(図16、ステップS16の処理によって送信された遊技状態2コマンドを受信したとき)は、通信エラーチェックカウンタの値が「1」になっている。そして、サブ−メインCPU212は、通信エラーチェックカウンタの値が、受信したコマンドに割り当てられたチェック番号と一致するか否かを判断する(ステップS214)。
すなわち、図14に示す様に、遊技状態2コマンドには、チェック番号として「1」(識別情報が「84H」の遊技状態2コマンド)または「4」(識別情報が「94H」の遊技状態2コマンド)が予め割り当てられているため、ステップS214の処理では、通信エラーチェックカウンタの値が「1」または「4」であるか否かを判断する。そして、サブ−メインCPU212は、通信エラーチェックカウンタの値が「1」または「4」である(YES)と判断したときは、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「1」および「4」のいずれでもない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行う(ステップS216)。この通信エラー発生処理については後に詳しく説明する。図20に示す通信エラー発生処理を終えると、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS208の判断処理で、サブ−メインCPU212が遊技状態2コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にRT状態コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS218)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「85H」または「95H」であるか否かを判断し、「85H」または「95H」である(YES)と判断した場合は、受信したRT状態コマンドの送信情報(非RT、RT1またはRT2の種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS220)。例えば、RAM216に記憶している現在のRT状態を更新し、上乗せ抽選における当選確率を切り替える(図15(b)参照)などの処理を行う。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS222)、加算後の値が、RT状態コマンドに割り当てられたチェック番号と一致するか否かを判断する(ステップS224)。すなわち、図14に示す様に、RT状態コマンドには、チェック番号として「2」(識別情報が「85H」のRT状態コマンド)または「5」(識別情報が「95H」のRT状態コマンド)が予め割り当てられているため、ステップS224の処理では、通信エラーチェックカウンタの値が「2」または「5」であるか否かを判断する。
そして、サブ−メインCPU212は、通信エラーチェックカウンタの値が「2」または「5」である(YES)と判断したときは、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「2」および「5」のいずれでもない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行う(ステップS226)。そして、図20に示す通信エラー発生処理を終えると、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS218の判断処理で、サブ−メインCPU212がRT状態コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にフリーズ確率状態コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS228)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「86H」または「96H」であるか否かを判断し、「86H」または「96H」である(YES)と判断した場合は、受信したフリーズ確率状態コマンドの送信情報(低確率状態または高確率状態を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS230)。
例えば、主制御回路100において、図11に示したフリーズ抽選テーブルに基づく抽選で当選した場合、副制御回路200で実行するフリーズ演出を、レアなフリーズ演出とするか、通常のフリーズ演出とするかについて、当該確率状態に応じた確率で決定する。そして、高確率状態のときは、レアなフリーズ演出の選択確率が低確率状態よりも高くなるように設定しておき、受信したフリーズ確率状態コマンドの送信情報に基づいて、レアなフリーズ演出の選択確率を切り替える。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS232)、加算後の値が、フリーズ確率状態コマンドに割り当てられたチェック番号と一致するか否かを判断する(ステップS234)。すなわち、図14に示す様に、フリーズ確率状態コマンドには、チェック番号として「3」(識別情報が「86H」のフリーズ確率状態コマンド)または「6」(識別情報が「96H」のフリーズ確率状態コマンド)が予め割り当てられているため、ステップS234の処理では、通信エラーチェックカウンタの値が「3」または「6」であるか否かを判断する。
そして、サブ−メインCPU212は、通信エラーチェックカウンタの値が「3」または「6」である(YES)と判断したときは、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「3」および「6」のいずれでもない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行う(ステップS236)。そして、図20に示す通信エラー発生処理を終えると、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS228の判断処理で、サブ−メインCPU212がフリーズ確率状態コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にメダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS238)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「90H」であるか否かを判断し、「90H」である(YES)と判断した場合は、受信したメダル投入コマンドの送信情報(投入されたメダルの枚数および、ベットスイッチまたはメダル投入口からのメダル投入の種別を示す情報)に応じて、例えば、メダル投入音の発生処理などを行う(ステップS240)。そして、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップS238の判断処理で、サブ−メインCPU212がメダル投入コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次にスタートスイッチ受付コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS242)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「93H」であるか否かを判断し、「93H」である(YES)と判断した場合は、受信したスタートスイッチ受付コマンドの送信情報(単位遊技開始時のメダル投入枚数を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS244)。例えば、特別遊技中における純増枚数を表示している場合は、表示している純増枚数からメダル投入枚数を引いた値に更新する。ステップS244の処理を行うと、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップS242の判断処理で、サブ−メインCPU212がスタートスイッチ受付コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に小役・再遊技役抽選結果番号コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS246)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「97H」であるか否かを判断し、「97H」である(YES)と判断した場合は、受信した小役・再遊技役抽選結果番号コマンドの送信情報(当選役に定められた小役若しくは再遊技役、またはハズレの種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS248)。例えば、図15に示したART遊技に関する各種抽選テーブルを用いた抽選や、実行する演出の選択などの処理を行う。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS250)、加算後の値が、小役・再遊技役抽選結果番号コマンドに割り当てられたチェック番号(「7」)と一致するか否かを判断する(ステップS252)。そして、通信エラーチェックカウンタの値が「7」である(YES)と判断したときは、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「7」ではない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行う(ステップS254)。そして、図20に示す通信エラー発生処理を終えると、サブ−メインCPU212は、図18に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS246の判断処理で、サブ−メインCPU212が小役・再遊技役抽選結果番号コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に特別役抽選結果番号コマンドを受信したか否かを判断する(図19,ステップS256)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「98H」であるか否かを判断し、「98H」である(YES)と判断した場合は、受信した特別役抽選結果番号コマンドの送信情報(当選役に定められた特別役の種別を示す情報)に応じた演出の実行するための処理を行う(ステップS258)。そしてステップS258の処理を行うと、サブ−メインCPU212は、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップS256の判断処理で、サブ−メインCPU212が特別役抽選結果番号コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS260)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「9BH」であるか否かを判断し、「9BH」である(YES)と判断した場合は、リール40L,40C,40Rが回転を開始したことに応じた処理を行う(ステップS262)。例えば、図15に示したART遊技に関する各種抽選テーブルを用いた抽選や、実行する演出の選択などの処理を行う。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS264)、加算後の値が、回転開始コマンドに割り当てられたチェック番号(「8」)と一致するか否かを判断する(ステップS266)。そして、通信エラーチェックカウンタの値が「8」である(YES)と判断したときは、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「8」ではない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行う(ステップS268)。そして、図20に示す通信エラー発生処理を終えると、サブ−メインCPU212は、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS260の判断処理で、サブ−メインCPU212が回転開始コマンドを受信しなかった(NO)と判断したときは、次に左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンドまたは右リール停止受付コマンドのいずれかを受信したか否かを判断する(ステップS270)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「9EH」、「9FH」または「A0H」のいずれかであるか否かを判断し、いずれかである(YES)と判断した場合は、受信したリール停止受付コマンドに応じた処理を行う(ステップS272)。例えば、停止操作音の発生、演出内容の切り替え、ストップスイッチの操作順序の判断などの処理を行う。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS274)、加算後の値が、リール停止受付コマンドに割り当てられたチェック番号(「9」〜「11」)と一致するか否かを判断する(ステップS276)。ここで、前述したように、リール停止受付コマンドに対するチェック番号は、操作された順番に対応している。よって、ステップS276の処理は、1回の回転開始コマンドを受信してから最初に受信したリール停止受付コマンドのチェック番号を「9」、次に受信したリール停止受付コマンドのチェック番号を「10」、最後に受信したリール停止受付コマンドのチェック番号を「11」として、各リール停止受付コマンドを受信したときの通信エラーチェックカウンタの値と一致すれば、ステップS276の判断結果をYESとする処理を行ってもよい。
または、受信したコマンドの識別番号が、「9EH」、「9FH」または「A0H」のいずれかであったときは、通信エラーチェックカウンタの値が「9」〜「11」の範囲内になっていれば、ステップS276の判断結果をYESとする処理を行ってもよい。
これにより、ステップS276の判断結果がYESとなった場合は、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS276の判断結果がNOとなった場合は、図20に示す通信エラー発生処理を行い(ステップS278)その後、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS270の判断処理で、サブ−メインCPU212がいずれのリール停止受付コマンドも受信しなかった(NO)と判断したときは、次にリール停止コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS280)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「A1H」であるか否かを判断し、「A1H」である(YES)と判断した場合は、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止したことに応じた処理を行うと(ステップS282)、図19に示した受信コマンド処理を終了して他の処理を行う。
ステップS280の判断処理で、サブ−メインCPU212がリール停止コマンドを受信しなかった(NO)と判断した場合、詳しい説明は省略するが、サブ−メインCPU212は、以下、作動図柄1コマンド(識別番号:A4H)および作動図柄2コマンド(識別番号:A5H)を受信したか否かを順次判断し、受信したと判断した場合は、上述した各種コマンドを受信したときと同様に、各々受信したコマンドの送信情報に応じた処理を行う。また、作動図柄2コマンドを受信したときは、通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算して、チェック番号(「12」)と比較し、不一致の場合は図20に示す通信エラー発生処理を行う。
そして、作動図柄1コマンドおよび作動図柄2コマンドのいずれも受信しなかった場合、サブ−メインCPU212は、単位遊技終了コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS284)。すなわち、受信したコマンドの識別情報が「A9H」であるか否かを判断し、「A9H」である(YES)と判断した場合は、受信した単位遊技終了コマンドの送信情報(終了した遊技状態(BB遊技、RB遊技またはRT状態)の種別を示す情報)に応じた処理を行う(ステップS286)。たとえば、それまで行っていたBB遊技、RB遊技またはRT中の演出を終了させて、通常遊技の「非RT」状態に応じた演出に切り替える。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラーチェックカウンタの値に「1」を加算し(ステップS288)、加算後の値が、単位遊技終了コマンドに割り当てられたチェック番号(「14」)と一致するか否かを判断する(ステップS290)。そして、通信エラーチェックカウンタの値が「14」である(YES)と判断したときは、通信エラーチェックカウンタの値を「0」にクリアして(ステップS294)、図19に示した受信コマンド処理を終了する。これに対して、通信エラーチェックカウンタの値が「14」ではない(NO)と判断したときは、図20に示す通信エラー発生処理を行ってから(ステップS292)、ステップS294の処理へ移行して通信エラーチェックカウンタの値をクリアして、図19に示した受信コマンド処理を終了する。
<通信エラー発生処理の説明>
次に、図20を参照して、通信エラーチェックカウンタの値と、受信したコマンドに付与されたチェック番号との値が一致しなかった場合(例えば、図18および図19のステップS214、S224、S234、252、S266、S276およびS290の判断結果がNOのとき)に実行される、通信エラー発生処理の内容について説明する。
まず、サブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている通信エラー発生カウンタの値に「1」を加算する(ステップS300)。ここで、通信エラー発生カウンタは、通信エラーのチェック対象になっているコマンド(すなわちチェック番号が付与されているコマンド)に各々対応して設けられており、対応するコマンドの通信エラーが発生した場合に、その値に「1」が加算される。すなわち、通信エラーチェックカウンタの値と、受信したコマンドに付与されたチェック番号との値が一致しなかった場合は、通信エラーが発生したものとして扱っている。
例えば、回転開始コマンド(チェック番号:8)を受信した際に(図19、ステップS260,YES)、通信エラーチェックカウンタの値が「8」にならなかった(同図19、ステップS266,NO)ということは、回転開始コマンドの1つ前のチェック対象になっているコマンド(小役・再遊技役抽選結果番号コマンド(チェック番号:7))が正常に受信できなかったために、通信エラーチェックカウンタの値に「1」が加算されていなかった(通信エラーチェックカウンタの値が「7」にされなかった)ことを意味する。
そして、サブ−メインCPU212は、通信エラーチェックカウンタの値を本来の値に修正する(ステップS302)。すなわち、受信したコマンドの識別情報に基づいて、そのコマンドに割り当てられたチェック番号の値を認識し、通信エラーチェックカウンタの値とする。また、左・中・右リール停止受付コマンドについては、各コマンドに固有のチェック番号が定められてないため、受信した順序に応じて「9」、「10」または「11」に修正する。次にサブ−メインCPU212は、受信したコマンドに対応する通信エラー発生カウンタの値が所定値以上になったか否かを判断する(ステップS304)。そして、通信エラー発生カウンタの値が所定値未満である(NO)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、図20の通信エラー発生処理を終了する。これに対して、通信エラー発生カウンタの値が所定値以上である(YES)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、次にRAM216に記憶されている通信エラーフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS306)。この通信エラーフラグは、後述する通信エラー報知処理によって、通信エラーが発生したことを報知するか否かを判断するためのフラグであり、オンになっていた場合に通信エラーの発生が報知されることになる。
ステップS306の判断処理で、通信エラーフラグがオフになっている(NO)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、通信エラーフラグをオンにして(ステップS308)、通信エラーの発生を報知する時間を指定する表示タイマの値をセットする(ステップS310)。これに対して、ステップS306の判断処理で、通信エラーフラグが既にオンになっている(YES)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、直ちにステップS310の処理へ移行して、改めて表示タイマの値をセットし直す。そして、ステップS310の処理を行うと、図20の通信エラー発生処理を終了する。
上述した図18および図19に示す受信コマンド処理および図20の通信エラー発生処理によれば、主制御回路100から、チェック番号が割り当てられたコマンドが送信されたときに、当該コマンドが副制御回路200で正常に受信できたか否かを判断し、その判断結果に基づいて、主制御回路100と副制御回路200との間で行われる通信に異常(コマンドの欠落)が発生したことを報知することができる。これにより、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドを意図的に欠落させることで、現在の遊技状態を、遊技者にとって有利な状態に改変してしまうという不正行為を発見できる可能性がある。
例えば、前述したようにART遊技中は、副制御回路200において図15(b)に示した上乗せ抽選テーブルに基づきART遊技の上乗せ抽選が行われる。この上乗せ抽選テーブルによれば、役抽選の結果がハズレとなったときの当選確率は、RT状態が「RT1」のとき1/2、「RT2」のとき1/5であるのに対して、「非RT」のときは1/5000になっている。また、役抽選でハズレとなる確率を含めて上乗せされる確率を考えると、「RT1」のときは1/131072、「RT2」のときは約1/64.62、「非RT」のときは約1/7851となる。
ここで、例えばRT状態が「非RT」から「RT1」へ移行してART遊技が開始された後、再遊技役cが入賞したために、ART遊技中にRT状態が「RT1」から「非RT」へ戻ってしまったとする(図13参照)。この場合、通常であればRT状態コマンドによって、副制御回路200に対してRT状態が「非RT」へ移行したことが知らされるため、副制御回路200において、役抽選でハズレになったときの上乗せ抽選における当選確率が、1/2から1/5000へ変動する。しかしながら、このときのRT状態コマンドを、何らかの不正行為によって副制御回路200が受信できないようにした場合は、副制御回路200は「非RT」へ移行した後も、依然として「RT1」における当選確率で上乗せ抽選を行うことになる。すなわち、上乗せ抽選におけるハズレ時の当選確率を1/2に維持したまま、役抽選でハズレとなる確率が約1/1.57(図8(a)参照)に上昇する。よって、単位遊技が行われるごとに、約1/3.14の確率でART遊技が上乗せされることになってしまう。
このように、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンド(情報)を欠落させることで、通常では生じることのない有利な状態へ移行してしまう虞がある。特に主制御回路100からコマンドが送信される契機が、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37L,37C,37Rおよびベットスイッチ34,35などの操作に因る場合は、不正行為を行う者がコマンドを欠落させるタイミングが計りやすくなるという問題もある。そこで、本実施形態では、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドのうち、主立ったコマンドについてはチェック番号を付与し、図18〜図20に示した処理を行うことにより、副制御回路200が正常に受信できたか否かを監視している。
また、上述したART遊技の上乗せ抽選の例では、副制御回路200におけるRT状態コマンドの受信を阻止することで、遊技者に有利な状態にしていたが、上乗せ抽選が行われる条件は、役抽選において特定の結果(小役1の当選またはハズレ)が得られたことである。よって、副制御回路200において小役・再遊技役抽選結果番号コマンドの受信が阻止されてしまった場合は、上乗せ抽選そのものが行われないため、遊技者は何ら恩恵を蒙ることはない。そこで本実施形態では、主制御回路100から小役・再遊技役抽選結果番号コマンドが送信される契機(スタートスイッチ36の操作)によって、RT状態コマンド(識別情報:95H)も併せて副制御回路200へ送信している。これにより、不正行為によって副制御回路200におけるRT状態コマンドの受信を妨害しようとしても、同時に小役・再遊技役抽選結果番号コマンドの受信も一緒に妨害してしまう可能性が高くなり、不正行為による恩恵を受け難くすることができる。
フリーズ確率状態コマンドについても同様に、前述したように、フリーズ抽選の当選確率が高確率状態のときにフリーズ抽選に当選すると、図15(a)に示したストック抽選の当選確率が10倍上昇する。これにより、例えばスタートスイッチ36の操作を契機にフリーズ抽選の結果を副制御回路200へ送信し、最後のストップスイッチが操作されたことを契機にフリーズ抽選の当選確率状態(低確率状態または高確率状態)を送信しただけでは、フリーズ抽選の当選確率状態を送信するコマンドを欠落させることで、遊技者に有利なストック抽選の当選確率を維持することができる場合が生じる。このため、フリーズ抽選の当選確率状態を、最後のストップスイッチが操作されたことを契機に送信するだけでなく(識別番号:86H)、スタートスイッチ36が操作されたときにも送信している(識別番号:96H)。しかも、識別番号96Hのフリーズ確率状態コマンドは、フリーズ抽選の当選確率状態と、フリーズ抽選の結果とを一緒に送信している。これにより、識別番号86Hのフリーズ確率状態コマンドを欠落させたとしても、よって、識別番号96Hのフリーズ確率状態コマンドによって本来の当選確率状態が送信され、かつ、識別番号96Hのフリーズ確率状態コマンドを欠落させた場合は、ストック抽選の当選確率が上昇するチャンスも失うことになるため、そのような不正行為による恩恵を受け難くすることができる。
なお、図18〜図20に示した処理を行うことにより、主制御回路100と副制御回路200との間の通信に異常が検出された場合は、当該異常が発生したことを表す異常信号を、図4に示した外部集中端子基板86から外部へ出力するようにしてもよい。これを実現する方法としては、例えば、図20のステップS308の処理によって通信エラーフラグがオンにされると、サブ−メインCPU212は、主制御回路100の役抽選において、ストップスイッチの操作順序に関係なく入賞する役を当選役とする抽選結果(例えば図8(a)〜(c)における抽選結果番号「5」の小役2a)が導出されたときに、予め定めておいた操作順序(例えば順押し(左→中→右))を報知する。これにより、主制御回路100において、抽選結果番号「5」が導出されたときに、ストップスイッチが予め定められた順序(ここでは順押し)で操作された場合は、主制御回路100と副制御回路200との間の通信に異常が発生したものとして、その旨の異常信号を外部集中端子基板86から外部へ出力する。ここで、主制御回路100は、抽選結果番号「5」が導出されたときに、ストップスイッチが予め定められた順序で操作された回数が、予め定められた回数を超えたときに、異常信号を出力してもよい。また、抽選結果番号「5」が導出されたときに、上述した予め定められた操作順序が報知されていないにも関わらず、ストップスイッチが当該予め定められた操作順序で操作された場合は、ARTに関する周知のいわゆるペナルティを遊技者に課すようにしてもよい。
また、図20に示した通信エラー発生処理において、ステップS304の判断処理における、通信エラー発生カウンタの値と比較される所定値は、比較するコマンドの種類に応じて異ならせるようにしても良い。例えば、上述した理由から、欠落させる目標とされやすいRT状態コマンドに対応する所定値は、他のコマンドに対応する所定値よりも大きな値に設定するようにしてもよい。このように所定値を設定することで、不正行為ではない偶発的なコマンドの欠落によって、通信エラーが報知されにくくすることができる。また、通信エラーフラグを各コマンドに対応して個別に設けておき、ステップS308の処理において、ステップS304で判断対象となったコマンドに対応する通信エラーフラグをオンにするようにしてもよい。また、ステップS310の処理によってセットされる表示タイマの値を予め各コマンドに対応して定めておき、ステップS310において、オンになっている通信エラーフラグに応じた値をセットするようにしてもよい。さらに、ステップS310の処理において、表示タイマの時間をセットするのに加えて、または、代わりに、通信エラーフラグがオンになったコマンドに対応するエラーメッセージやエラーコードを報知するようにしてもよい。
また、例えば、図6の機能ブロック図において破線で示したように、操作手段300から出力される各信号を副制御回路200にも供給するようにして、操作手段300が操作されたときに、対応するコマンドを主制御回路100から受信したか否かによって、コマンドが欠落しているか否かを判断するようにしても良い。例えば、スタートスイッチ36から信号が出力されたときに、主制御回路100からスタートスイッチ受付コマンドを受信したか否か、ストップスイッチ37L,37C,37Rから各々信号が出力されたときに、左/中/右リール停止受付コマンドを受信したか否か、および、ベットスイッチ34,35(メダルセレクタに設けられたメダルセンサも含む)から各々信号が出力されたときに、メダル投入コマンドを受信したか否か、によってコマンドが欠落しているか否かを判断するようにしても良い。
また、例えば、BB遊技およびRB遊技が終了したときに、次の単位遊技から演出内容を切り替える場合において、各種遊技状態の終了を示す送信情報を伴う単位遊技終了コマンドが欠落したときは(偶発的か、または不正行為によるかは問わず)、他のコマンドの送信情報に基づいて、各種遊技状態の終了を判断してもよい。例えば、スタートスイッチ36の操作を契機として主制御回路100から送信される遊技状態2コマンド(識別番号:94H)の送信情報を、前回と今回の単位遊技について記憶しておき、双方を対比してBit3(BB遊技)またはBit4(RB遊技)が「1」から「0」に変化した場合、対応するBitの遊技が終了したものと判断し、次の単位遊技から通常遊技中の演出に切り替えるようにしてもよい。
<上乗せ抽選処理の説明>
次に図21に示すフローチャートを参照して、副制御回路200で行われるART遊技の上乗せ抽選処理の内容について説明する。この上乗せ抽選処理は、図18に示した受信コマンド処理のステップS248における小役・再遊技役抽選結果番号コマンドに応じた処理に含まれる処理である。まず、サブ−メインCPU212は、現在、ART遊技を実行中であるか否かを判断する(ステップS400)。この判断は、例えばRAM216に記憶されているストック数STの値が「1」以上のときに、RT状態が「非RT」から「RT1」へ移行したときにオンとなり、その後、30ゲームが行われるとオフになる、ARTフラグを予め設定しておき、このARTフラグのオン/オフ状態によって判断する。
ステップS400の判断処理で、サブ−メインCPU212が、ART遊技中ではない(NO)と判断したときは、図21の上乗せ抽選処理を終了して他の処理へ移行する。これに対して、ART遊技中である(YES)と判断したときは、小役・再遊技役抽選結果番号コマンドの送信情報を参照し、主制御回路100で行われた役抽選の結果、小役1が当選役に定められたか、または、ハズレとなったかを判断する(ステップS402)。そして、小役1以外の役が当選役に定められた(NO)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、図21の上乗せ抽選処理を終了して他の処理へ移行する。
ステップS402の判断処理で、サブ−メインCPU212が、小役1が当選役に定められた、または、ハズレになった(YES)と判断したときは、次に、スタートスイッチ受付コマンドの受信前に受信したRT状態コマンド(識別番号:85H)の送信情報と、スタートスイッチ受付コマンドの受信後に受信したRT状態コマンド(識別番号:95H)の送信情報とが、一致しないか否かを判断する(ステップS404)。双方の送信情報が一致した(NO)とサブ−メインCPU212が判断したときは、スタートスイッチ受付コマンドの受信前に受信したRT状態コマンド(識別番号:85H)の送信情報に基づいて、ART遊技の上乗せ抽選を行う(ステップS406)。そして、サブ−メインCPU212は、図21の上乗せ抽選処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、ステップS404の判断処理で、双方の送信情報が一致しなかった(YES)とサブ−メインCPU212が判断したときは、RAM216に記憶されているRT状態コマンドの通信エラー発生カウンタの値に「1」を加算する(ステップS408)。そしてサブ−メインCPU212は、スタートスイッチ受付コマンドの受信後に受信したRT状態コマンド(識別番号:95H)の送信情報に基づいて、ART遊技の上乗せ抽選を行い(ステップS410)、図21の上乗せ抽選処理を終了して他の処理を行う。
このように、スタートスイッチ受付コマンドの前後に送信されたRT状態コマンドの送信情報が食い違っていた場合、小役・再遊技役抽選結果番号コマンドと同じ契機(スタートスイッチ36の操作)で送信されたRT状態コマンド(識別番号:95H)の送信情報に基づいて、ART遊技の上乗せ抽選が行われる。これにより、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドを欠落させるという不正行為によって、遊技者に有利な状態に改変されてしまう虞を少なくすることができる。
なお、ART遊技の終了条件が「RT1」または「RT2」から「非RT」への移行であり、「非RT」への移行によってART遊技が終了したときに、次の単位遊技から演出内容を切り替える場合において、RT遊技の終了を示す送信情報を伴った単位遊技終了コマンドが欠落したときは(偶発的か、または不正行為によるかは問わず)、他のコマンドの送信情報に基づいて、ART遊技の終了を判断してもよい。
例えば、ART遊技中に、RT状態コマンド(識別番号:95H)の送信情報を、前回と今回の単位遊技について記憶しておき、双方を対比してRTの値が「1」または「2」から「0」へ変化したときに、「非RT」へ移行したと判断して、ART遊技を終了するようにしてもよい。ただし、この場合、副制御回路200では、直ちにART遊技を終了させるのではなく、RT状態コマンド(識別番号:95H)によって送られてきた送信情報(すなわち、「非RT」を示す情報)に基づいてART遊技の上乗せ抽選を行い、その後、単位遊技が終了したときに、ART遊技の演出を終了し、次の単位遊技から通常遊技中の演出に切り替えるようにするとよい。このように、単位遊技の終了および開始に合わせて遊技状態に応じた演出の切り替えを行うことで、遊技者に違和感を与えなくすることができる。なお、上述したRT状態コマンド(識別番号:95H)に基づく上乗せ抽選に当選したときは、その単位遊技が終了した後に、上乗せされた分のART遊技を引き続き行うようにしてもよいことはいうまでもない。
また、前述したように、遊技状態2コマンド、RT状態コマンドおよびフリーズ確率状態コマンドは、最後のストップスイッチが操作されたとき、および、スタートスイッチ36が操作されたときに、副制御回路200にそれぞれ送信されていたが、さらに、他の送信契機(例えばメダル投入操作時や第1・第2停止操作時など)によって再度送信する回数を増やしてもよい。また、再度送信する回数を1回にして、その送信契機をスタートスイッチ36の操作に限らず、メダル投入操作や第1・第2停止操作も含め、それらの中から適宜選択し、選択した送信契機に応じてコマンドを再度送信するようにしてもよい。
<通信エラー報知処理の説明>
次に図22に示すフローチャートを参照して、副制御回路200で行われる通信エラー報知処理の内容について説明する。この通信エラー報知処理は、サブ−サブCPU232(図5参照)によって定期的に実行される処理である。まず、サブ−サブCPU232は、通信エラーフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS450)。ここで、図20に示した通信エラー発生処理のステップS308の処理によって通信エラーフラグがオンにされるときに、併せてサブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232に対し、通信エラーフラグがオンになった旨の情報が送信されるものとする。これにより、サブ−サブCPU232は、RAM236の所定記憶領域に記憶している通信エラーフラグのオン/オフ状態をオンにする。
また、遊技場の係員などによってスロットマシン10に対して所定のエラー解除操作が行われると、サブ−メインCPU212は通信エラーフラグをオフにして、その旨をサブ−サブCPU232へ送信する。これにより、サブ−サブCPU232は、RAM236に記憶された通信エラーフラグの状態をオフにする。
ステップS450の判断処理で、通信エラーフラグがオフになっている(NO)とサブ−サブCPU232が判断したときは、図22の通信エラー報知処理を終了して、他の処理を行う。これに対して通信エラーフラグがオンになっている(YES)とサブ−サブCPU232が判断したときは、次に図5(b)に示した異常報知画像描画用メモリ2422に、通信エラーが発生したことを示す通信エラー画像の描画データを書き込む(ステップS452)。そして、サブ−サブCPU232は、異常報知画像描画用メモリ2422に書き込まれた描画データを、図5(b)に示したセレクタ2424によって選択し、表示装置70へ出力する。これにより表示装置70の画面には、上述した通信エラー画像が表示される。
次にサブ−サブCPU232は、現在、ムービー演出を実行中であるか否かを判断する(ステップS456)。そして、ムービー演出を実行中である(YES)とサブ−サブCPU232が判断したときは、図5(b)に示した演出画像描画用メモリ2420に対する、ムービー演出用の描画データの更新(ムービー画像(動画)の再生)を一時停止する(ステップS458)。また、描画データの更新を一時停止したことに伴って、同時進行していたムービー音声の再生処理についても一時停止する。
これに対してステップS456の判断処理で、ムービー演出を実行中ではない(NO)とサブ−サブCPU232が判断したときは、演出画像描画用メモリ2420の描画デーを、主制御回路100から受信した各種コマンドの送信情報に基づいて、サブ−メインCPU212によって選択された演出に対応する画像を表示するための描画データに更新する。すなわち、ステップS454の処理により、表示装置70には通信エラー画像を表示するための描画データが出力されているが、ムービー演出中でなければ(ステップS456,NO)、通信エラー画像が表示されている間も、演出画像描画用メモリ2420内の描画データは、主制御回路100からのコマンドに応じて引き続き更新されている。
これにより、例えば図21に示した上乗せ抽選処理も同様に、通信エラー画像が表示されている間でも、ART遊技中に役抽選で小役1が当選するか、ハズレになったときは、上乗せ抽選が行われ、当選した時には、ART遊技の残り回数に1セット分の遊技回数が加算される。また、上述した用に、ART遊技中に通信エラーが発生した場合、ステップS460の処理により、遊技者にとって有利な単位遊技の結果が得られるストップスイッチの操作順序を、報知するための描画データの更新処理は行われるが、当該更新処理による描画データに基づく画像(操作順序の報知画像)は表示装置70に表示されない。ここで、操作順序の報知態様として、表示装置70に報知画像を表示する態様に加えて、例えば、前述したように、各ストップスイッチに対応するランプを設け、それらを遊技者の操作に応じて順次点灯させることによっても操作順序を報知している場合において、ランプを用いた操作順序の報知だけは、通信エラーが発生している間(異常報知が行われている間)も継続して行うようにしてもよい。また、ART遊技中に、残りの遊技回数を表示装置70に表示する場合において、通信エラーの発生中に上乗せ抽選に当選した場合は、通信エラーが解消されて再び操作順序の報知を開始する際に、上乗せ分が加算された残り遊技回数を表示するようにしてもよい。
上述したステップS458またはS460の処理を行うと、次にサブ−サブCPU232は、通信エラーが解除されたか否かを判断する(ステップS462)。そして、RAM236に記憶されている通信エラーフラグの状態がオンになっている(NO)とサブ−サブCPU232が判断したときは、図22の通信エラー報知処理を終了して他の処理へ移行する。これに対して、ステップS462の判断処理で、通信エラーフラグの状態がオフ、すなわち通信エラーが解除された(YES)とサブ−サブCPU232が判断したときは、前述したステップS458の処理によって、描画データの更新および音声データに基づく音声の再生を一時停止しているか否かを判断する(ステップS464)。
ステップS464の判断処理で、ムービー演出を一時停止している(YES)とサブ−サブCPU232が判断したときは、演出画像描画用メモリ2420に記憶されている描画データ(すなわち、ムービー演出の画像表示用の描画データ)の更新を再開する(ステップS466)。次に、サブ−サブCPU232は、セレクタ2424によって選択していた異常報知画像描画用メモリ2422内の描画データを、演出画像描画用メモリ2420内の描画データに切り替える(ステップS468)。これにより、演出画像描画用メモリ2420に書き込まれた描画データが表示装置70へ出力され、表示装置70の画面には、それまで表示されていた通信エラー画像が、直ちにムービー演出の画像に切り替わる。また、このときサブ−サブCPU232は、ムービー演出の音声についても再生処理を再開する。
一方、ステップS464の判断処理で、ムービー演出を一時停止していない(NO)とサブ−サブCPU232が判断したときは、直ちにステップS468の処理へ移行する。そして、セレクタ2424によって選択していた異常報知画像描画用メモリ2422内の描画データを、演出画像描画用メモリ2420内の描画データに切り替える。これにより、ステップS460の処理によって更新されていた演出画像表示用の描画データが、表示装置70へ出力され、それまで表示されていた通信エラー画像が、演出用の画像に切り替わる。そして、サブ−サブCPU232は、ステップS468の処理を終えると、図22の通信エラー報知処理を終了して他の処理へ移行する。
上述した図22の通信エラー報知処理においては、ムービー演出のように、演出時間が長いものについては、演出中に通信エラーが発生すると、その演出を一時停止して通信エラーが発生した旨の報知を行うが、通信エラーが解除されると一時停止した内容から引き続き演出を再開する。このため、通信エラーの発生中に、例えばムービー演出が進行してしまうことがなく、遊技者は、ムービーの内容を見逃してしまうことがない。
また、ムービー演出ではない演出については、通信エラー中においても、セレクタ2424によって遊技者に対して呈示されることはないが、演出の内容は通常と変わらずに進行している。これにより、通信エラーが解除されたときに、セレクタ2424による切り替え制御を行うだけで演出の内容を切り替えることができるため、演出内容を短時間で切り替えることができるとともに、演出の切り替えに伴う処理の負荷を大幅に軽減することができる。
なお、図22の通信エラー報知処理では、ムービー演出中に通信エラーが発生したときは、ムービー演出をその時点で一時停止していたが、例えばムービー演出中に停電が発生した場合など、スロットマシン10の電源がオフにされた場合は、電源がオンにされたときに、ムービー演出を改めて最初から開始するようにしても良い。また、通信エラーが解消されてムービー演出を再開する場合、再開する位置を、一時停止した位置から所定時間遡った位置にしてもよい。また、複数の動画ファイルを連続して再生することで一連のムービー演出を実行している場合は、一時停止したときに再生していた動画ファイルの冒頭から再開しても良い。さらに、1つの動画ファイルにおいて、予め再開位置を指定する指定情報を複数設定しておき、ムービー演出を再開するときは、一時停止した位置の直前の指定情報によって指定される位置から、ムービー演出を再開してもよい。
<コマンド発行処理の説明>
次に、図23に示すフローチャートを参照して、図5(a)に示したサブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232へ各種コマンドを送信する際に実行されるコマンド発行処理の流れについて説明する。
まず、サブ−メインCPU212は、サブ−サブCPU232に対して発行するコマンドがサウンドコマンドであるか否かを判断する(ステップS500)。ここで、サウンドコマンドは、発生すべき音声の内容や音量などを指定するコマンドである。また、サブ−メインCPU212は、サウンドコマンド以外にも、画像コマンドをサブ−サブCPU232へ送信する。この画像コマンドには、演出用画像および異常報知用画像のそれぞれに対して、表示する画像の内容を指定するものや、演出用の画像信号と、異常報知用の画像信号と、のいずれの画像信号を表示装置70へ出力するかの切り替えるためのものがある。
ステップS500において、サブ−メインCPU212が、発行するコマンドはサウンドコマンドではない(NO)と判断したときは、そのコマンドをサブ−サブCPU232に対して発行する(ステップS502)。そして、図23に示すコマンド発行処理を終了して、他の処理を行う。これにより、画像コマンドは異常の発生とは関係なく、サブ−サブCPU232へ送信され、当該画像コマンドに基づく処理が行われることとなる。これに対して、発行するコマンドがサウンドコマンドである(YES)と、サブ−メインCPU212が判断したときは、次に、発行するコマンドが音量を指定する音量コマンドであるか否かを判断する(ステップS504)。そして、音量コマンドであった場合は(YES)、サブ−メインCPU212は、図5(a)のRAM216に音量コマンドによって指定されるボリュームの値を記憶する(ステップS506)。
次にサブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている発行禁止フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS508)。この発行禁止フラグは、原則として、サブ−サブCPU232に対するコマンドの発行を禁止すべき状態になっているか否かを表すものである。この発行禁止フラグは、主制御回路100から何らかの異常情報が送信されてくるとオンになり、前述した異常解除情報が送信されてくるとオフになる。
ステップS508の判断処理で、発行禁止フラグがオフになっている(NO)とサブ−メインCPU212が判断したときは、ステップS502の処理へ移行して、音量コマンドを、サブ−サブCPU232へ送信する。そして、図23に示すコマンド発行処理を終了して、他の処理を行う。これに対して、発行禁止フラグがオンになっている(YES)とサブ−メインCPU212が判断したときは、次に、送信しようとしている音量コマンドが、エラーチャンネル用のものであるか否かを判断する(ステップS510)。ここで、エラーチャンネルとは、図5(a)に示した音源IC244が備える複数の音声信号発生用チャンネルのうち、異常報知用の音声信号を生成するためのチャンネルとして予め定められたチャンネルをいう。また、このエラーチャンネルは、図6に示した第1異常報知音声信号生成手段5440および第2異常報知音声信号生成手段5442に相当するものである。
そして、ステップS510の判断処理で、サブ−メインCPU212がエラーチャンネル用の音量コマンドである(YES)と判断したときは、ステップS502へ移行して、発行禁止フラグがオン(ステップS508:YES)であっても、その音量コマンドをサブ−サブCPU232へ送信する。これに対して、ステップS510の判断処理で、エラーチャンネル用の音量コマンドでない(NO)と判断したときは、その音量コマンドを破棄して、図23に示すコマンド発行処理を終了する。
前述したステップS504の判断処理において、サブ−メインCPU212が、サブ−サブCPU232へ送信するサウンドコマンドが音量コマンドではない(NO)と判断したときは、次にRAM216に記憶されている発行禁止フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS512)。そして、発行禁止フラグがオフになっている(NO)と判断したときは、ステップS502へ移行して、音量コマンド以外のサウンドコマンドを、サブ−サブCPU232へ送信する。これに対して、ステップS512の判断処理で、サブ−メインCPU212が、発行禁止フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、次に、送信しようとしている音量コマンド以外のサウンドコマンドが、BGM用のチャンネルまたはエラーチャンネル用のコマンドであるか否かを判断する(ステップS514)。
そして、BGM用のチャンネルまたはエラーチャンネル用のコマンドではない(NO)と判断したときは、直ちに図23に示すコマンド発行処理を終了して他の処理を行う。これに対して、BGM用のチャンネルまたはエラーチャンネル用のコマンドである(YES)と判断したときは、ステップS502へ移行して、その音量コマンド以外のサウンドコマンドを、サブ−サブCPU232へ送信する。
このように、主制御回路100において何らかの異常が発生したと判断された場合(すなわち、発行禁止フラグがオンになっている場合)であっても、サウンドコマンド以外のコマンド(例えば、画像コマンド)は、サブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232へ送信される(ステップS500,YES→S502)。また、サウンドコマンドであっても、エラーチャンネル用のコマンドであれば、サブ−サブCPU232へ送信される(ステップS510,YES→S502)。さらに、BGM用のチャンネルに対するサウンドコマンドのうち、音量コマンド以外のサウンドコマンド(例えば、異なるBGMに変更するコマンドなど)については、発行禁止フラグがオンになっていても、サブ−サブCPU232へ送信される(ステップS514,YES→S502)。
<異常検出時における各種コマンドの流れの説明>
次に、図24〜図26を参照して、主制御回路100において異常が検出されたときに、各部間で送受される各種コマンドの流れ、およびそれらコマンドに応じた制御内容について説明する。ここで、図24および図25は、主制御回路100、サブ−メインCPU212、サブ−サブCPU232および音源IC244の間で送受されるコマンドの内容、および各コマンドに基づく処理の内容を説明するための説明図である。
また、図26は、図24および図25に示した処理によって、音源IC244の各チャンネルで生成される音声信号の状態を時系列で示した図である。この図において、各チャンネルで、音声信号を生成するための処理が行われている状態をハッチングによって表し、音声信号の音量の変化を折れ線によって表している。音源IC244のチャンネルには、メイン−サブCPU212から送信されるコマンドに基づいて音声信号を生成する第1〜第3チャンネルがある。このうち、第1および第2チャンネルは、異常が検出されたときにそのことを報知する音声信号を生成するために使用されるチャンネル(以下、異常報知用チャンネルという)であり、前述したエラーチャンネルに相当するものである。また、第1および第2チャンネルは、図6に示した第1異常報知音声信号生成手段5440および第2異常報知音声信号生成手段5442にも相当する。
また、第3チャンネルは、スロットマシン10で単位遊技が行われているときに演出として発生させる音声信号を生成するために使用されるチャンネル(以下、演出用チャンネルという)であり、前述したBGM用のチャンネルに相当するものである。また、図6に示した演出音声信号生成手段524にも相当する。演出として発生させる音声には、図6に示した操作手段300が操作された時や、単位遊技の過程や結果など応じて発生する効果音(いわゆる、スタート音、停止音、テンパイ音、入賞時の効果音など)、および、遊技状態に応じたBGM(特にBB遊技中、RB遊技中などに流れるBGM)等が含まれるものとする。
音源IC244は、第1〜第3チャンネル以外にも、メイン−サブCPU212からのコマンドによらず、サブ−サブCPU232によって独立して制御されるチャンネル(以下、サブ管理チャンネルという)を有している。このチャンネルでは、遊技状態に影響されない音声信号が生成される。例えば、演出として表示される一連の動画(ムービー)に付随する音声信号などがサブ管理チャンネルにおいて生成される。
図24〜図26を参照して説明する制御内容は、遊技が正常に行われている状態でBGMが演奏されているときに、メダル投入口32から投入されたメダルが、スロットマシン10の内部において本来の流下方向とは反対方向へ移動した(すなわち、不正行為が行われた可能性が有る)ことにより、メダルセレクタ80のメダルセンサによってメダル投入異常が検出され、その後、前面扉12が開扉されたことが検出された場合の制御内容を示している。なお以下では、上述したメダル投入異常をCFという。
まず、図26において、正常な遊技状態で、第3チャンネルでBGMの音声信号が生成され、サブ管理チャンネルでは、サブ−サブCPU232の制御に従って音声信号が生成されている状態では、各チャンネルにおける音量が、第1および第2チャンネルも含めて「100」に設定されている。ただし、マスター音量は正常時においても「79」に設定されている。このマスター音量は、すべてのチャンネルで生成される音声信号に一様に作用する音量であり、最大値の「100」に設定されているときは、各チャンネルで生成された音声信号が、そのチャンネルで設定された音量によって再生される。これに対して、マスター音量が「100」未満のときは、その値に応じて、各チャンネルで設定された音量よりも小さい音量で再生される。したがって、BGM等の演出用の音声は、正常な遊技状態であっても、第3チャンネルで設定された最大音量(音量値「100」)よりも若干小さい音量で発生している。
このとき、主制御回路100で、CFが検出されると(図24,ステップM1)、CPU106は、副制御回路200(より具体的にはサブ−メインCPU212)へ、メダル投入異常情報(CFコマンド)を送信する(ステップM2)。これにより、サブ−メインCPU212は、メダル投入異常が発生した場合の処理を開始する(ステップSm1)。すなわち、サブ−メインCPU212は、RAM216に記憶されている発行禁止フラグの状態をオンにして、CFが発生したことを報知するための画像(CF報知画像)を表示装置70に表示させるためのコマンド(CF画像表示コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm2)。すなわち、図23に示したコマンド発行処理において、CF画像表示コマンドはサウンドコマンドではないため、ステップS500の判断結果がNOとなり、ステップS502の処理へ移行してCF画像表示コマンドがサブ−サブCPU232へ送信される。
サブ−サブCPU232は、CF画像表示コマンドを受信すると、CF報知画像を表示するための制御を行う(ステップSs1)。まず、サブ−サブCPU232は、図5(a)に示した画像処理IC238に対して、CFが発生したことを報知する画像を表示させるコマンドを出力する(図示略)。これにより、画像処理IC238は、画像データROM240に記憶されている画像データに基づいて、CF報知画像を表示するための描画データを、図5(b)に示した異常報知画像描画用メモリ2422に展開する。また、画像処理IC238は、図5(b)に示したセレクタ2424に対してハイレベルの切替信号を出力し、それまで表示装置70へ出力していた演出画像描画用メモリ2420の描画データを、異常報知画像描画用メモリ2422の描画データへ切り替える。
なお、異常報知画像描画用メモリ2422に書き込まれた描画データが表示装置70へ出力されている間も、画像処理IC238は、演出画像描画用メモリ2420に対して、それまで表示装置70に表示されていたムービーの描画データを更新し続けている。
次に、サブ−サブCPU232は、サブ管理チャンネルで生成する音声信号の音量を「0」にするサウンドコマンドを音源IC244へ出力する(ステップSs2)。これにより、音源IC244はサブ管理チャンネルにおける音声信号の生成処理を継続して行うが、生成した音声信号の音量を「0」にして、サブ管理チャンネルで生成される音声信号に基づく音声、例えばムービーに付随する音声が、遊技者に聞こえないように制御する(ステップSg1)。
サブ−メインCPU212は、ステップSm2の処理により、サブ−サブCPU232に対してCF画像表示コマンドを送信すると、次に、第3チャンネルで生成しているBGMの音声信号の音量を「0」にするコマンド(BGM音量最小コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm3)。これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対して、第3チャンネルで生成している音声信号(すなわちBGMの音声信号)の音量を「0」にするサウンドコマンドを送信し(ステップSs3)、音源IC244はBGMの音量を「0」に制御する(ステップSg2)。
次に、サブ−メインCPU212は、マスター音量を最大にするコマンド(マスター音量最大コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm4)。これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対してマスター音量を「100」にするサウンドコマンドを送信し(ステップSs4)、音源IC244はマスター音量を「100」に制御する(ステップSg3)。このように、マスター音量を「100」にすることによって、この後に生成するCFが発生したことを報知するための警報音(CF警報音)を、より大きな音量で再生することができる。
次に、サブ−メインCPU212は、CF警報音をスピーカ64L,64Rから出力させるためのコマンド(CF警報音発生コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信し(ステップSm5)、これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対してCF警報音の音声信号を生成させるサウンドコマンドを送信する(ステップSs5)。このサウンドコマンドを受信した音源IC244は、図5(a)に示したサウンドROM246に記憶されている、CF警報音に対応する音声データに基づいて、CF警報音の音声信号を生成する(ステップSg4)。
この音声信号の生成は、第1および第2チャンネルのうち、音声信号を生成していない(すなわち、空いている)チャンネルで行われる。双方のチャンネルが空いている場合は、予め定められたチャンネル(ここでは第1チャンネルとする)で生成される(図26(a)参照)。さらに、双方のチャンネルで音声信号が生成されていた場合は、2つのチャンネルのうち、先に音声信号の生成を開始したチャンネルで生成中の音声信号を終了させて、CF警報音の音声信号を生成する。また、CF警報音の具体例としては、CF警報音に固有のメロディを繰り返し発生する、単に異常が発生した旨を、若しくは具体的にCFが発生した旨を、日本語で、または複数の言語で、繰り返し報知するものが考えられる。
そして、サブ−メインCPU212は、ステップSm5の処理により、CF警報音発生コマンドを、サブ−サブCPU232へ送信すると、図5(a)に示したRAM216に記憶されている発行禁止フラグの状態をオンして、他の処理を行う(ステップSm6)。なお、音源IC244で生成されるCF警報音の音声信号は、遊技場の係員などによって図2に示したリセットスイッチ82cが操作されることによりCFが解除(より厳密には異常報知が停止)されるまで、繰り返し生成されるものとする。
この状態で、主制御回路100において前面扉12が開けられたことが検出されると、(ステップM3)、CPU106は、副制御回路200に対して、開扉異常情報(開扉コマンド)を送信する(ステップM4)。これにより、サブ−メインCPU212は、前面扉12が開けられた場合の処理を開始する(ステップSm7)。まず、サブ−メインCPU212は、前面扉12の開扉を報知するための画像(開扉発生画像)を表示装置70に表示させるためのコマンド(開扉画像表示コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm8)。
サブ−サブCPU232は、開扉画像表示コマンドを受信すると、開扉発生画像を表示するための制御を行う(ステップSs6)。すなわち、サブ−サブCPU232は、図5(a)に示した画像処理IC238に対して、前面扉12が開けられたことを報知する画像(開扉報知画像)を表示させるコマンドを出力する(図示略)。これにより、画像処理IC238は、画像データROM240に記憶されている画像データに基づいて、開扉報知画像を表示するための描画データを、図5(b)に示した異常報知画像描画用メモリ2422に展開する。これにより、異常報知画像描画用メモリ2422に展開された描画データが、順次、表示装置70へ出力される。
次に、サブ−メインCPU212は、前面扉12が開いていることを報知するための音声(扉異常音)をスピーカ64L,64Rから出力させるためのコマンド(扉異常音発生コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信し(ステップSm9)、これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対して扉異常音の音声信号を生成させるサウンドコマンドを送信する(ステップSs7)。このサウンドコマンドを受信した音源IC244は、図5(a)に示したサウンドROM246に記憶されている、扉異常音に対応する音声データに基づいて、扉異常音の音声信号を生成する(ステップSg5)。ここでは、ステップSg4の処理によって、既に第1チャンネルでCF警報音の音声信号が生成されているため、空いている第2チャンネルで扉異常音の音声信号が生成される(図26(b)参照)。このように、CF警報音の音声信号と、扉異常音の音声信号とは、各々別個のチャンネルで生成されるため、CF警報音と扉異常音を同時期に重複して発生させることができる。
図25へ移り、遊技場の係員などによって図2に示したメダルセレクタ80に異常が無いことが確認され、リセットスイッチ82cが操作されると、主制御回路100のCPU106は、CFが解消されたものとみなしてCFが解除されたことを示す異常解除情報(CF解除コマンド)を副制御回路200へ送信する(ステップM5)。これにより、サブ−メインCPU212は、CFが解除された場合の処理を開始する(ステップSm10)。まず、サブ−メインCPU212は、CF警報音を停止させるべく、サブ−サブCPU232へCF警報音の停止を指示するコマンド(CF警報音停止コマンド)を送信する(ステップSm11)。
サブ−サブCPU232がCF警報音停止コマンドを受信すると、音源IC244に対して、CF警報音の音声信号を生成する処理を停止させるためのサウンドコマンドを送信する(ステップSs8)。そして、このサウンドコマンドを受信した音源IC244は、CF警報音の音声信号の生成処理を終了し、スピーカ64L,64Rから発生されるCF警報音を停止させる(ステップSg6)。次にサブ−メインCPU212は、現在、表示装置70に表示されている開扉報知画像から、CFが解除されたことを示す画像(CF解除画像)を表示させるCF解除画像表示コマンドを、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm12)。
これにより、サブ−サブCPU232は、表示装置70にCF解除画像を表示するための制御を行う(ステップSs9)。まず、サブ−サブCPU232は、画像処理IC238に対して、CF解除画像を表示させるコマンドを出力し、これにより画像処理IC238は、画像データROM240に記憶されている画像データに基づいて、CF解除画像を表示するための描画データを、異常報知画像描画用メモリ2422に展開する。そして、画像処理IC238は、展開した描画データを、順次、表示装置70へ出力し、表示装置70にCF解除画像を所定時間だけ表示させると、画像処理IC238は、再び開扉報知画像を表示装置70に表示させるための処理を行う。
次に、前述したステップSm6で、サブ−メインCPU212により発行禁止フラグがオンにされた後に、主制御回路100から単位遊技中に送信される各種コマンドが送信されてきた場合、サブ−メインCPU212は、それに応じて画像表示および音声の発生に関する制御を行う。例えば、主制御回路100から送信された各種コマンドに応じて(ステップM6)、サブ−メインCPU212が、音声信号を生成中のBGMについて、その本来の音量(実際には、ステップSg2の処理によって音量は「0」になっている)をフェードする(下げる)処理が必要になったとする(ステップSm13)。たとえば、BGMと並行して画像を伴う演出が行われているときに、その演出に登場するキャラクタがセリフを言う場合、そのセリフが聞き取り易いように、BGMの音量が下げられる場合がある。
この場合、現時点では扉異常音を発生中なので、図24のステップSg2の処理によってBGMの音量が「0」に設定されているため、遊技者にはBGMが聞こえないが、それらの異常が解消したときに、BGMが直ちに本来の音量で再生されるように、BGMに関する音量コマンドの値は常にRAM216に保存、更新される(ステップSm14)。
すなわち、図23のコマンド発行処理に示したように、サブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232へ送信するコマンドが、サウンドコマンドの場合は(図23,ステップS500,YES)、音量に関するコマンドであれば(図23,ステップS504,YES)、まず、RAM216の所定の記憶領域にその音量の値が記憶されるものの(図23,ステップS506、図26(d)参照)、BGM用のチャンネル(第3チャンネル)に対する音量コマンドの場合は、サブ−サブCPU232へ送信されることはない(図23,ステップS510,NO→リターン)。
これに対して、エラーチャンネル(第1または第2チャンネル)用の音量コマンドであった場合は(図23,ステップS510,YES)、サブ−サブCPU232へ送信される(同図,ステップS502)。
また、サブ−メインCPU212からサブ−サブCPU232へ送信しようとするコマンドが、音量以外に関するサウンドコマンドの場合は(図23,ステップS504,NO)、第1〜第3チャンネル用のコマンドであれば、サブ−サブCPU232へ送信されることとなる(同図,ステップS514,YES→S502)。ここで、音量以外に関するBGM用のチャンネルのサウンドコマンドとしては、例えば再生するBGMの曲を変更するコマンドなどがある。
次に、遊技場の係員などによって遊技扉12が閉められたことによって、主制御回路100において開扉状態が解除されたことが検出されると、主制御回路100のCPU106は、開扉状態が解除されたことを示す異常解除情報(開扉解除コマンド)を副制御回路200へ送信する(ステップM7)。これにより、サブ−メインCPU212は、開扉状態が解除された場合の処理を開始する(ステップSm15)。まず、サブ−メインCPU212は、全ての異常状態が解消されたことにより、演出再開条件が満たされたとみなして、RAM216に記憶している発行禁止フラグの状態をオフに更新する(ステップSm16)。次に、サブ−メインCPU212は、表示装置70に表示されている開扉報知画像を、元の演出用画像に切り替えるべく、演出画像表示コマンドをサブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm17)。
上述した演出画像表示コマンドを受信すると、まずサブ−サブCPU232は、演出報知画像を表示するための制御を行う(ステップSs10)。すなわち、サブ−サブCPU232は、画像処理IC238に対して、演出報知画像を表示させるコマンドを出力する。これにより、画像処理IC238は、異常報知画像描画用メモリ2422に対する描画データの書き込みを終了する。また、画像処理IC238は、セレクタ2424に対してローレベルの切替信号を出力し、それまで表示装置70へ出力していた異常報知画像描画用メモリ2422の描画データを、演出画像描画用メモリ2420の描画データへ切り替える。これにより、表示装置70にCF報知画像および開扉報知画像が表示されている間も、演出画像描画用メモリ2420において更新され続けていた演出画像表示用の描画データが、再び表示装置70へ出力されるようになる。
次に、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対して、サブ管理チャンネルで生成する音声信号の音量を元に戻す(すなわち、音量設定値を「100」にする)サウンドコマンドを音源IC244へ出力する(ステップSs11)。音源IC244は、前述したステップSg1の処理によって音量が「0」にされた後も、生成を継続していたサブ管理チャンネルにおける音声信号の音量を「100」にする(ステップSg7)。これにより、サブ管理チャンネルで生成される音声信号に基づく音声が、スピーカ64L,64Rから聞こえるようになる。
サブ−メインCPU212は、ステップSm17の処理により、サブ−サブCPU232に対して演出画像表示コマンドを送信すると、次に、第2チャンネルで生成している扉異常音の発生を停止させるコマンド(扉異常音停止コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm18)。これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対して、第2チャンネルにおける扉異常音の音声信号の生成を終了させるサウンドコマンドを送信し(ステップSs12)、音源IC244は扉異常音の音声信号の生成を終了する(ステップSg8)。
次に、サブ−メインCPU212は、マスター音量を通常の音量に戻すコマンド(マスター音量通常コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信し(ステップSm19)、これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対してマスター音量を「79」にするサウンドコマンドを送信する(ステップSs13)。このサウンドコマンドを受信した音源IC244は、マスター音量を「79」に制御する(ステップSg9)。
また、サブ−メインCPU212は、BGMを本来の音量で発生させるため、ステップSm14の処理によってRAM216に記憶していた音量の設定値を読み出し、BGMの音量を読み出した設定値に制御させるコマンド(BGM音量制御コマンド)を、サブ−サブCPU232へ送信する(ステップSm20)。ここでは、図26(d)に示すように、開扉が解除された時に、RAM216に記憶されていた音量の設定値は「20」だとする。これにより、サブ−サブCPU232は、音源IC244に対して音量が「20」となるBGMの音声信号を生成させるサウンドコマンドを送信する(ステップSs14)。そして、このサウンドコマンドを受信した音源IC244は、それまで音量を「0」に設定していたBGMの音量が「20」となるような音声信号を生成する(ステップSg10)。
なお、例えば演出として長時間のムービーを表示装置70に表示する場合、画像処理IC238は、画像データROM240から、表示するムービーに対応する動画データを読み出し、その動画データに従って順次、演出画像描画用メモリ2420に一画面単位で描画データを書き込んでいき、所定のフレーム周期ごとに描画データを更新していく。ここで、前述したように、ムービーを表示している最中に何らかの異常が生じたとしても、演出画像描画用メモリ2420に書き込む描画データは、所定のフレーム周期ごとに更新されていくが、そのようなときのために、動画データの何カ所かに、一時停止情報(チャプター情報)を含めておくと良い。
そして、画像処理IC238が、上述したように動画データを時系列で処理していく過程で、一時停止情報を読み出したときは、RAM216に記憶されている発行禁止フラグの状態を参照する。発行禁止フラグがオフになっていた場合は、そのまま描画データの更新を継続するが、オンになっていた場合は、画像処理IC238は、現在更新中の一画面分の描画データを、演出画像描画用メモリ2420に書き終えたときに、描画データの更新を一時停止する。なお、このムービーに対応する音声信号は、音源IC244のサブ管理チャンネルで生成されるが、音源IC244は、画像処理IC238が一時停止情報を読み出して、描画データの更新が一時停止したときに、その位置に対応する箇所で、音声信号の生成を一時停止させる。そして、発行禁止フラグがオフになると、一時停止していた位置から描画データの更新および音声信号の生成を再開する。
このように、動画データに予め一時停止情報を含めておき、当該動画データを処理中に異常が発生した場合、一時停止情報を認識すると、描画データの更新および音声信号の生成を一時停止させる。これにより、例えば演出としてムービーを表示してるときに異常が発生し、その報知を行っている間にも、ムービーの画像の更新を継続させる場合であっても、所定の位置でムービーを一時停止させることができる。このため、異常が解消されてムービーの表示を再開したときには、既にそのムービーが終わっていた(最後まで表示されていた)、ということがない。