以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。なお本実施の形態では、図2に示すように、制御基板として遊技の進行を制御するメイン基板10と、メイン基板10から送信される信号を受けて遊技の進行状況に合わせた表示演出や音響演出を実行するための制御を行うサブ基板20とを含む複数種類の電子回路基板が設けられている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステッピングモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステッピングモータの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステッピングモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールに関する図柄の表示位置の組合せによって有効ラインL1〜L3が設定されている。特に本実施の形態では、第1リールR1の上段、第2リールR2の中段、および第3リールR3の下段の表示位置の組合せによって有効ラインL1が設定され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの中段の表示位置の組合せによって有効ラインL2が設定され、第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれの下段の組合せによって有効ラインL3が設定されている。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインL1〜L3に停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。なお、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数のメダルが投入されたことに基づいて有効ラインL1〜L3が設定される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うためのベットボタン(投入操作手段)B0、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1〜B3などが設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1〜第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1〜第3リールR3をステッピングモータの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を解放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段(制御基板)100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、音響装置340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、投入受付手段105、乱数発生手段110、内部抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
投入受付手段105は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(例えば、3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1〜第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダル投入スイッチ210が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ220が作動することに伴って、投入受付手段105が、規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
内部抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル記憶手段191に、図3に示すような5種類の抽選テーブルA〜抽選テーブルEが記憶されている。そして各抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役が対応づけられている。
なお本実施形態の遊技機では、小役として、正解ベル(正解小役)、不正解ベル1(不正解小役)、不正解ベル2(不正解小役)、不正解ベル3(不正解小役)、不正解ベル4(不正解小役)、不正解ベル5(不正解小役)、不正解ベル6(不正解小役)、不正解ベル7(不正解小役)、不正解ベル8(不正解小役)、不正解ベル9(不正解小役)、スイカが用意されており、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDにおける打順ベル(特定当選態様)や、内部抽選テーブルEにおける共通ベルは、1回の内部抽選で複数種類の小役が重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類の小役が対応づけられていることを意味する。
各打順ベルについて図4(A)を参照しながら具体的に説明すると、打順ベルA1は、正解ベル、不正解ベル1、不正解ベル5、および不正解ベル9が重複して当選することを示している。また打順ベルA2は、正解ベル、不正解ベル2、不正解ベル6、および不正解ベル7が重複して当選することを示している。また打順ベルA3は、正解ベル、不正解ベル3、不正解ベル4、および不正解ベル8が重複して当選することを示している。また打順ベルB1は、正解ベル、不正解ベル1、不正解ベル2、および不正解ベル3が重複して当選することを示している。また打順ベルB2は、正解ベル、不正解ベル4、不正解ベル5、および不正解ベル6が重複して当選することを示している。また打順ベルB3は、正解ベル、不正解ベル7、不正解ベル8、および不正解ベル9が重複して当選することを示している。また打順ベルC1は、正解ベル、不正解ベル1、不正解ベル4、および不正解ベル7が重複して当選することを示している。また打順ベルC2は、正解ベル、不正解ベル2、不正解ベル5、および不正解ベル8が重複して当選することを示している。また打順ベルC3は、正解ベル、不正解ベル3、不正解ベル6、および不正解ベル9が重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベルのそれぞれにおいて正解ベルと3種類の不正解ベルとが重複して当選し、正解ベルと重複して当選する不正解ベルの組合せが互いに異なっている。また図4(B)に示すように、共通ベルでは、正解ベルと、不正解ベル1〜不正解ベル9の全てが重複して当選するようになっている。
また本実施形態の遊技機では、リプレイとして、通常リプレイ、昇格リプレイ、制御リプレイ1、制御リプレイ2、制御リプレイ3が用意されており、内部抽選テーブルBにおける打順リプレイA〜打順リプレイCは、1回の内部抽選で複数種類のリプレイが重複して当選するように同一の乱数値に対して複数種類のリプレイが対応づけられていることを意味する。
打順リプレイA〜打順リプレイCについて図5を参照しながら具体的に説明すると、打順リプレイAは、通常リプレイ、昇格リプレイ、および制御リプレイ1が重複して当選することを示している。また打順リプレイBは、通常リプレイ、昇格リプレイ、および制御リプレイ2が重複して当選することを示している。また打順リプレイCは、通常リプレイ、昇格リプレイ、および制御リプレイ3が重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順リプレイA〜打順リプレイCにおいて通常リプレイ、昇格リプレイ、および制御リプレイが重複して当選し、通常リプレイおよび昇格リプレイと重複して当選する制御リプレイの種類が互いに異なっている。
また本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルCでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブルDおよび内部抽選テーブルEでは、ビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外されている。
また本実施形態の遊技機では、上記したように5種類の遊技状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の内部抽選テーブル記憶手段191に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、記憶手段190の抽選フラグ記憶手段192に格納される。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選すると、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナス(BB)が入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段120は、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、ビッグボーナス(BB)の抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナス(BB)の抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ230からのスタート信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1〜第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1〜B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3の押下順序が変化すると、第1リールR1〜第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1〜B3が押下された時点から190ms以内に、第1リールR1〜第3リールR3のうち、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止し、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、リール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3のうち押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンの押下された時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ〜4コマの範囲内(0ms〜190msに対応する引き込み範囲)に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
そして本実施形態では、図6に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、赤7図柄「赤7」、白7図柄「白7」、BAR図柄「BAR」、リプレイ図柄「RP」、ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、ベル図柄C「BLC」、スイカ図柄「WM」、チェリー図柄「CH」、およびダミー図柄「DUM」が配列されており、役の入賞形態を構成する図柄がリールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されていれば、押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができる。
具体的には、リール制御手段130は、ロジック演算により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算処理)と、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算処理では、役毎に定められた優先順位データに従ってストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置から0コマ〜4コマの範囲内に存在する5コマ分の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算処理では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算処理では、2種類以上の役に関する抽選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補について、小役について予め定められている配当に応じて優先度が求められ、配当が多い小役を入賞させることができる停止位置ほど優先度が高くなるように5コマ分の停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
そして本実施形態では、打順ベルが当選した場合に、正解ベルと、3種類の不正解ベルとが重複して当選するが、各小役の配当はいずれも同一であるため、各小役が同一の優先順位で扱われ、正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度と不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を有効ライン上に表示させる停止位置の候補の優先度とは同一の優先度となる。
またロジック演算処理では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補を求める処理である。このようにリール制御手段130は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算処理を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス315を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックス315で検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわちリール制御手段130は、ストップスイッチ240の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
テーブル参照処理では、ロジック演算処理を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
そして内部抽選で打順ベルが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図7(A)に示すように、それぞれの打順ベルに対して正解打順となるストップボタンB1〜B3の押下順序が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図7(B)に示すように、正解ベルが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図7(C)に示すように、不正解ベルが入賞する場合と、図7(D)または図7(E)に示すように、いずれの役も入賞せずにRT変動ブランクを示す図柄組合せ(特定図柄組合せ)が表示される場合とが存在するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。特に本実施形態では、打順ベルの当選時にいずれの役も入賞しない場合に、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインにRT変動ブランク1(第1の特定図柄組合せ)を表示するようにリールの停止位置を決定する制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランク2(第2の特定図柄組合せ)を表示するようにリールの停止位置を決定する制御とが、所定条件下で切り替えられる。例えば、ストップボタンB1〜B3の押下順序や、各リールを停止させる際の押下検出位置や、既に停止しているリールの停止位置などに応じて、RT変動ブランク1を表示させる制御と、RT変動ブランク2を表示させる制御が切り替えられる。なお本実施形態では、ボーナス状態において当選する共通ベルについては、いずれの押下順序でストップボタンB1〜B3が押下されても正解打順で停止操作が行われたものとして扱われ、正解ベルが入賞するようになっている。ただしボーナス状態においてもストップボタンB1〜B3の押下順序に応じて役の取りこぼしが発生するように、共通ベルに代えて打順ベルを抽選対象としたり、共通ベルと打順ベルの双方を抽選対象とするようにしてもよい。
また内部抽選で打順リプレイが当選した場合に参照される停止制御テーブルでは、図8(A)に示すように、それぞれの打順リプレイに対して正解打順が設定されており、正解打順と異なる押下順序は不正解打順として扱われる。そして本実施形態では、いずれかの打順リプレイが当選した場合に、正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(B)に示すように、昇格リプレイが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。また、いずれかの打順リプレイが当選した場合に、不正解打順でストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(C)に示すように、通常リプレイが入賞するように押下検出位置に対する滑りコマ数が設定されている。
また本実施形態の遊技機では、リール制御手段130が、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われてからストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化されるまでの期間を調整する。具体的には、リール制御手段130が遊技の間隔を計測しており、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われた時点で遊技の間隔がウェイト期間(例えば、4.1秒)を経過していることを条件に第1リールR1〜第3リールR3を所定速度(例えば、80rpm)で定常回転させる(通常挙動の一例)。遊技の間隔は、遊技開始操作の間隔や第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動の開始間隔などによって計測される。そして本実施形態では、上述したように第1リールR1〜第3リールR3が所定速度で定常回転していることを条件にストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化されるようになっており、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われた時点で遊技の間隔がウェイト期間を経過していなければ、第1リールR1〜第3リールR3の定常回転での駆動が保留されることに伴ってストップボタンB1〜B3に対する停止操作の有効化も保留され、その結果、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われてからストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化されるまでの期間が調整される。
そして本実施形態の遊技機では、リール制御手段130が、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことに基づいて、リール演出抽選を実行し、リール演出抽選に当選したことに基づいて、第1リールR1〜第3リールR3を定常回転させる場合とは逆方向に回転させるリール演出(特殊挙動を示すリール演出の一例)の実行を予約する。本実施形態では、リール演出の実行が予約されると、ビッグボーナス(BB)が入賞した遊技の次回の遊技(ボーナス状態での最初の遊技)においてリール演出が実行され、リール演出の所定の実行期間(例えば、10秒間)を経過するとリール演出を終了して各リールを定常回転させる制御を行う。なお本実施形態では、リール演出の実行期間はウェイト期間よりも長期間となるように設定されており、リール演出が行われる場合には、スタートレバーSLに対する遊技開始操作が行われてからストップボタンB1〜B3に対する停止操作が有効化されるまでの期間が長期化する。また本実施形態では、リール演出抽選において、0〜65535までの65536個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値をリール演出抽選テーブルと比較して、リール演出抽選に当選したか否かを判定する。リール演出抽選テーブルでは、図9に示すように、0〜65535までの65536個の乱数値のそれぞれに対して、当選またはハズレのいずれかが対応付けられており、リール演出抽選で取得した乱数値に当選が対応付けられている場合に、リール演出抽選に当選したと判定される。また本実施形態では、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてリール演出抽選の当選確率を調整しており、RT変動ブランク1が表示された場合にはリール演出低確率状態に設定され、RT変動ブランク2が表示された場合にはリール演出高確率状態に設定される。そしてリール制御手段130は、ビッグボーナス(BB)の当選時にリール演出低確率状態である場合には、図9に示すリール演出抽選テーブルAを参照してリール演出抽選を行い、ビッグボーナス(BB)の当選時にリール演出高確率状態である場合には、リール演出抽選テーブルAよりも当選確率が高いリール演出抽選テーブルBを参照してリール演出抽選を行う。
なおリール演出抽選の抽選状態については、リール演出低確率状態あるいはリール演出高確率状態のいずれか一方を初期状態として、抽選状態の変動が発生してから所定の遊技回数を消化すると初期状態にリセットされるようにしてもよいし、所定の契機で抽選を行って初期状態にリセットされるようにしてもよいし、ボーナス状態の終了を契機として遊技状態が通常状態に復帰されることに伴って初期状態にリセットされるようにしてもよいし、抽選状態が変動する際に初期状態に復帰するまでの遊技回数を抽選によって決定するようにしてもよいし、初期状態にリセットされる契機を設定していなくてもよくRT変動ブランクが表示された場合に限ってリール演出抽選の抽選状態が変動するようにしてもよい。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。そして、各リールが停止した状態における有効ライン上に表示された図柄組合せによって、図10および図11に示すように、ビッグボーナス(BB)、通常リプレイ、昇格リプレイ、制御リプレイ1〜制御リプレイ3、正解ベル、不正解ベル1〜不正解ベル9、スイカの入賞の有無やRT変動ブランク1およびRT変動ブランク2の表示の有無が判定できるように入賞判定テーブルが用意されている。特に本実施形態では、図11に示すように、RT変動ブランクとして、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄(ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、ベル図柄C「BLC」)を含むRT変動ブランク1と、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄を含まないRT変動ブランク2とが設定されている。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、入賞時処理が実行される。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている規定投入数に応じた配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニット320(払出装置)に払い出させる制御を行う。
ホッパーユニット320は、払出制御手段150によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。ホッパーユニット320には、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出メダル検出スイッチ325が備えられており、払出制御手段150は、払出メダル検出スイッチ325からの入力信号に基づいてホッパーユニット320から実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。
なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパーユニット320によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
リプレイ処理手段160は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
遊技状態移行制御手段170は、図12に示すように、通常状態、第1リプレイタイム状態、第2リプレイタイム状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からは第1リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された場合には第1リプレイタイム状態へ移行し、通常状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、リプレイの当選確率が約1/7.2に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルAを参照した内部抽選が行われる。
第1リプレイタイム状態は、RT変動ブランクを示す図柄組合せが表示されたことを契機として移行する遊技状態で、第1リプレイタイム状態からは第2リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、第1リプレイタイム状態において昇格リプレイが入賞した場合には第2リプレイタイム状態へ移行し、第1リプレイタイム状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また第1リプレイタイム状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルBを参照した内部抽選が行われる。
第2リプレイタイム状態は、昇格リプレイが入賞したことを契機として移行する遊技状態で、第2リプレイタイム状態からは第1リプレイタイム状態およびボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、第2リプレイタイム状態においてRT変動ブランクを示す図柄組合せが表示された場合には第1リプレイタイム状態へ移行し、第2リプレイタイム状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合にはボーナス成立状態へ移行する。また第2リプレイタイム状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、リプレイの当選確率が約1/1.3に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象として設定されている内部抽選テーブルCを参照した内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナス(BB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、リプレイの当選確率が約1/7.1に設定され、かつビッグボーナス(BB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルDを参照した内部抽選が行われる。
またボーナス成立状態では、ビッグボーナス(BB)が入賞するまでビッグボーナス(BB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態移行制御手段170は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ボーナス成立状態においてビッグボーナス(BB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、図3に示す内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルEのうち、ビッグボーナス(BB)およびリプレイが内部抽選の対象から除外され、かつ小役の当選確率が内部抽選テーブルA〜内部抽選テーブルDよりも高く設定された内部抽選テーブルEを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、他の遊技状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、他の遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、300枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態移行制御手段170は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
演出制御手段180は、演出データ記憶手段195に記憶されている演出データに基づいて、表示装置330(演出装置の一例)を用いて行う表示演出や音響装置340(演出装置の一例)を用いて行う音響演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカから音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態の遊技機では、演出制御手段180が、通常演出状態、AT準備状態、およびAT状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を変化させており、所定条件下で演出状態をAT状態(アシストタイム状態:特別演出状態)に設定し、AT終了判定カウンタ197の記憶値に基づいてAT状態の終了条件を判定して、AT状態の終了条件の成立に伴いAT状態を終了させる制御を行う。
具体的に説明すると、演出制御手段180は、演出状態が通常演出状態である場合に内部抽選でビッグボーナス(BB)が当選したことを契機としてAT抽選(所定の演出抽選)を行う。AT抽選では、0〜32767までの32768個の乱数値のいずれかを取得して、取得した乱数値を演出抽選テーブル記憶手段196に記憶されているAT抽選テーブルと比較して、比較結果に応じてAT抽選に当選したか否かを判定する。AT抽選テーブルでは、例えば、0〜32767までの32768個の乱数値のそれぞれに対して、当選あるいはハズレのいずれかが対応付けられており、AT抽選で取得した乱数値がAT抽選テーブルにおいて当選に対応付けられている場合に、AT抽選に当選したと判定される。そして演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて演出状態をAT準備状態に設定し、AT準備状態においてリプレイの抽選状態がRT2状態に移行したことに基づいて演出状態をAT状態に設定する。
また演出制御手段180は、ビッグボーナス(BB)の当選時におけるAT抽選の結果が「ハズレ」であった場合でも、リール演出の実行予約がなされた場合には、ボーナス状態の最初の遊技でリール演出が実行されたことに基づいてAT抽選の結果を「当選」に書き換えて演出状態をAT準備状態に設定する。なおビッグボーナス(BB)が当選した遊技では、演出制御手段180が、リール制御手段130によるリール演出抽選の結果を受けてAT抽選を行うようにして、リール演出抽選の当選によってリール演出の実行予約がなされている場合には、必ず当選するように設定されたAT抽選テーブルを参照してAT抽選を行うようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT抽選に当選したことに基づいて、AT終了判定カウンタ197の記憶値に所与の加算値を加算する処理を行う。特に本実施形態では、加算値が例えば、50回分の遊技に相当する値として「50」に設定される。なお加算値は、上記の例に限らず任意に設定することができ、またAT状態の遊技においてスイカなどの予め定められた役が当選した場合にAT終了判定カウンタ197の記憶値に所与の加算値を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選したことに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値に所与の加算値を上乗せすることができるようにしてもよい。またビッグボーナス(BB)の当選時におけるAT抽選とリール演出抽選の双方に当選している場合には、AT抽選またはリール演出抽選の一方のみに当選している場合よりもAT終了判定カウンタ197への加算値が大きくなるようにしてもよい。
また演出制御手段180は、AT状態での遊技(アシストタイム遊技)が行われる毎にAT終了判定カウンタ197の記憶値から1回分の遊技回数に相当する値(例えば、1)を減算するデクリメント更新を行う。本実施形態では、AT終了判定カウンタ197の記憶値のデクリメント更新は、昇格リプレイが入賞した遊技の次回の遊技(第2リプレイタイム状態での最初の遊技)から開始される。そしてAT終了判定カウンタ197の記憶値がしきい値(例えば、0)に達すると、AT状態の終了条件が成立したものと判断して、AT状態を終了させ演出状態を通常演出状態に復帰させる制御を行う。なお本実施形態では、AT状態においてビッグボーナス(BB)が当選した場合には、AT終了判定カウンタ197の更新中断条件が成立したと判断され、この場合には、演出状態をAT準備状態に移行させ、AT終了判定カウンタ197の記憶値に関するデクリメント更新を中断し、ボーナス状態の終了後に昇格リプレイが入賞して遊技状態が第2リプレイタイム状態に移行したことを契機に演出状態をAT状態に復帰させるとともに、AT終了判定カウンタ197のデクリメント更新を再開させて未消化分の遊技を行わせる。またAT状態の終了時やAT状態の終了後のRT変動ブランクの表示時などにおいて復帰抽選を行って、復帰抽選に当選した場合には、AT準備状態を経由してAT状態に復帰させるようにしてもよい。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態あるいはAT状態である場合に、打順ベルが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して正解ベルの入賞を補助する第1入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。ただし演出状態がAT準備状態である場合に、遊技状態が通常状態である場合には遊技状態を第1リプレイタイム状態に誘導するために打順ベルが当選しても第1入賞補助演出は実行されないようになっている。第1入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順ベルに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、第1入賞補助演出で報知された正解打順に沿ってストップボタンを押下すると必ず正解ベルが入賞して9枚のメダルを獲得することができるようになっている。
また演出制御手段180は、演出状態がAT準備状態である場合に、打順リプレイが当選すると、ストップボタンの押下順序を報知して昇格リプレイの入賞を補助する第2入賞補助演出を表示装置330や音響装置340に実行させる制御を行う。ただしAT状態において打順ベルの当選時に遊技者が第1入賞補助演出に従った停止操作を行わずにRT変動ブランクが表示されてしまって遊技状態が第1リプレイタイム状態に転落している場合には、例外的にAT状態であっても打順リプレイの当選時に第2入賞補助演出を実行して遊技状態を第2リプレイタイム状態に誘導するようになっている。第2入賞補助演出としては、種々の演出を採用することができ、例えば、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知する演出画像を液晶ディスプレイLCDに表示させたり、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知するランプを点灯させたり、当選した打順リプレイに応じた正解打順を報知する音声をスピーカから出力させたりすることができる。なお本実施形態では、第2入賞補助演出で報知された正解打順に沿ってストップボタンを押下すると必ず昇格リプレイが入賞して遊技状態を第2リプレイタイム状態へ移行させることができるようになっている。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
本実施の形態では、打順ベルが当選した遊技においていずれの役も入賞しない場合に、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインに、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を含むRT変動ブランク1を表示するようにリールの停止位置を決定する制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインとは異なる有効ラインに、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を含まないRT変動ブランク2を表示するようにリールの停止位置を決定する制御とを、所定条件下で切り替える手法を採用する。以下では、図13〜図16を参照しながら打順ベルA1の当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合を例にとり具体的に説明する。
図13は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB2→B1→B3の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第2リールR2に関して、不正解打順であることに基づいて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄(ベル図柄A、ベル図柄B、ベル図柄C)のいずれかを1の有効ラインのみを構成する表示位置である下段に表示するように停止位置が決定される。例えば、図13(A)に示すように、第2リールR2の下段に不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」が表示されるように停止位置が決定され、図13(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL3において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル1のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第1リールR1に関しては、不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」が4コマ以内の間隔で配列されているため、図13(B)に示すように、押下検出位置に関わらずに不正解ベル1を入賞させることが可能な有効ラインL3の表示位置である下段にベル図柄A「BLA」を表示するように停止位置が決定される。そして図13(B)に示す停止態様によれば、依然として有効ラインL3において不正解ベル1の入賞の可能性が残っていることになる。
そして、最後に停止する第3リールR3に関しては、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3において不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示されるように停止位置が決定される。そして図13に示す例では、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3にはRT変動ブランク1,2をいずれも表示させることができず、有効ラインL2においてRT変動ブランク2を表示可能であるので、不正解ベル1を入賞させることができない場合には、図13(C)に示すように、第3リールR3において中段にリプレイ図柄「RP」を表示させるように停止位置を決定し、有効ラインL2にRT変動ブランク2を示す図柄組合せ「WM・RP・RP」が表示される。
図14は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB2→B3→B1の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第2リールR2に関しては、図13に示す例と同様に停止位置を決定し、例えば、図14(A)に示すように、第2リールR2の下段に不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」が表示されるように停止位置が決定され、図14(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL3において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル1のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第3リールR3に関しては、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3において不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示できるように停止位置が決定される。そして図14(A)に示す停止態様では、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3にはRT変動ブランク1表示させることが可能であって、有効ラインL1,L2にはRT変動ブランク2を表示させることが可能である。
ここで本実施の形態では、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合に、打順ベルに含まれる不正解ベルの入賞が不可能となった場合であっても、2番目に停止するリールにおいては、押下検出位置に対する引き込み範囲内にある任意のベル図柄(ベル図柄A「BLA」、ベル図柄B「BLB」、ベル図柄C「BLC」)を有効ライン上に表示させるように停止位置を決定する。このようにすれば、有効ライン上にRT変動ブランクを表示可能にしつつ、全てのリールを停止させるまでは、不正解ベル1〜不正解ベル9のいずれかが入賞可能であるかのような出目を形成することができる。
例えば、2番目に停止する第3リールR3に関して、正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」を引き込むことができない場合であっても、例えば、図14(B)に示すように、下段にベル図柄C「BLC」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図14(C)に示すように、下段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL3にRT変動ブランク1を示す図柄組合せ「WM・BLA・BLC」を表示させることができる。
図15は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB3→B1→B2の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第3リールR3に関して、不正解打順であることに基づいて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄(ベル図柄A、ベル図柄B、ベル図柄C)のいずれかを1の有効ラインのみを構成する表示位置である中段に表示するように停止位置が決定される。例えば、図15(A)に示すように、第3リールR3の中段に不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」が表示されるように停止位置が決定され、図15(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL2において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル9のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第1リールR1に関しては、不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」が4コマ以内の間隔で配列されているため、図15(B)に示すように、押下検出位置に関わらずに不正解ベル9を入賞させることが可能な有効ラインL2の表示位置である中段にベル図柄A「BLA」を表示するように停止位置が決定される。そして図15(B)に示す停止態様によれば、依然として有効ラインL2において不正解ベル9の入賞の可能性が残っていることになる。
そして、最後に停止する第2リールR2に関しては、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2において不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示されるように停止位置が決定される。そして図15に示す例では、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2にはRT変動ブランク1,2をいずれも表示させることができず、有効ラインL1においてRT変動ブランク2を表示可能であるので、不正解ベル9を入賞させることができない場合には、図15(C)に示すように、第2リールR2において中段にリプレイ図柄「RP」を表示させるように停止位置を決定し、有効ラインL1にRT変動ブランク2を示す図柄組合せ「WM・RP・RP」が表示される。
図16は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB3→B2→B1の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第3リールR3に関しては、図14に示す例と同様に停止位置を決定し、例えば、図16(A)に示すように、第3リールR3の中段に不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」が表示されるように停止位置が決定され、図16(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL2において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル9のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第2リールR2に関しては、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2において不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示できるように停止位置が決定される。そして図16(A)に示す停止態様では、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2にはRT変動ブランク1表示させることが可能であって、有効ラインL1,L3にはRT変動ブランク2を表示させることが可能である。
ここで本実施の形態では、図14に示す例と同様に、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合に、打順ベルに含まれる不正解ベルの入賞が不可能となった場合であっても、2番目に停止するリールにおいては、押下検出位置に対する引き込み範囲内にある任意のベル図柄を有効ライン上に表示させるように停止位置を決定し、有効ライン上にRT変動ブランクを表示可能にしつつ、全てのリールを停止させるまでは、不正解ベル1〜不正解ベル9のいずれかが入賞可能であるかのような出目を形成する。
例えば、2番目に停止する第2リールR2に関して、正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」を引き込むことができない場合であっても、例えば、図16(B)に示すように、中段にベル図柄A「BLA」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図16(C)に示すように、中段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL2にRT変動ブランク1を示す図柄組合せ「WM・BLA・BLC」を表示させることができる。
また本実施の形態では、正解ベルの入賞形態と不正解ベルの入賞形態とにおいて、第1リールR1に関して共通のベル図柄A「BLA」が割り当てられており、打順ベルの当選時に、不正解打順で停止操作が行われたことによって、いずれの役も入賞しない場合には、第1リールR1に関してベル図柄A「BLA」が有効ライン上の表示位置に表示されている場合に、第1リールR1においてベル図柄A「BLA」が表示された有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランクを表示させるように第2リールR2や第3リールR3の停止位置を決定する手法を採用する。以下では、図17を参照しながら打順ベルB1の当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合を例にとり具体的に説明する。
図17は、打順ベルB1の当選時にストップボタンB1〜B3がB1→B2→B3の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第1リールR1に関しては、正解ベルと不正解ベルとにおいて共通の図柄が割り当てられているので、正解打順および不正解打順のいずれの場合であっても、正解ベルおよび不正解ベルの入賞形態に共通に割り当てられているベル図柄A「BLA」を1の有効ラインのみを構成する表示位置に表示するように停止位置が決定される。例えば、図17(A)に示すように、第1リールR1の上段にベル図柄A「BLA」が表示されるように停止位置が決定され、図17(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL1において打順ベルB1に含まれる複数種類の小役の全て(正解ベル、不正解ベル1、不正解ベル2、および不正解ベル3)について入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第2リールR2に関しては、不正解打順であることに基づいて、不正解ベル1〜不正解ベル3のそれぞれの入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」を優先的に有効ライン上に引き込むことになるが、ベル図柄A「BLA」を引き込むことができない場合であっても、任意のベル図柄を引き込んで不正解ベルが入賞可能であるかのように見えつつRT変動ブランクが表示できる出目を形成するように停止位置が決定され、例えば、図17(B)に示すように、有効ラインL1上の表示位置である中段にベル図柄C「BLC」を表示するように停止位置が決定される。そして図17(B)に示す停止態様によれば、いずれの有効ラインにおいても打順ベルB1に含まれる小役はいずれも入賞不可能となっているが、有効ラインL2においてRT変動ブランク1を表示可能となっている。
そして、最後に停止する第3リールR3に関しては、第1リールR1および第2リールR2の停止態様によって、いずれの役も入賞しないことが確定しているので、RT変動ブランクが表示されるように停止位置が決定される。具体的には、図17(C)に示すように、第3リールR3において中段にベル図柄(例えば、ベル図柄C「BLC」)を表示させるように停止位置を決定し、有効ラインL2にRT変動ブランク1を示す図柄組合せ「RP・BLC・BLC」が表示される。
また本実施の形態では、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じて第1リールR1〜第3リールR3が定常回転時とは逆方向に回転するリール演出の実行に関する制御を行う手法を採用している。具体的には、リール演出の実行可否を決定するリール演出抽選の抽選状態として、リール演出抽選の当選確率に応じた2種類の抽選状態を設定可能としており、一方をリール演出低確率状態とし、他方をリール演出低確率状態よりもリール演出抽選の当選確率が高いリール演出高確率状態としている。
そして有効ライン上にRT変動ブランク1が表示された場合にはリール演出低確率状態に設定し、ビッグボーナス(BB)の当選時には図9のリール演出抽選テーブルAを参照してリール演出抽選を行ってリール演出を実行するか否かを決定し、有効ライン上にRT変動ブランク2が表示された場合にはリール演出高確率状態に設定し、ビッグボーナス(BB)の当選時には図9のリール演出抽選テーブルBを参照してリール演出抽選を行ってリール演出を実行するか否かを決定する。すなわち本実施の形態では打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われたことに基づいて表示されたRT変動ブランクの種類に応じてリール演出抽選の当選確率が変動し、リール演出が実行される場合には演出状態がAT状態へ移行することが確定するため、リール演出高確率状態に滞在している方がリール演出低確率状態に滞在しているよりもAT状態へ移行しやすくなる。このように本実施の形態では、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてリール演出の実行確率を変動させ、その結果、遊技者がメダルを獲得しやすいAT状態への移行確率を変化させるため遊技の単調化を防ぐことができる。
また本実施の形態では、RT変動ブランクとして、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄を表示している有効ラインに表示可能なRT変動ブランク1と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインとは異なる有効ラインに表示可能なRT変動ブランク2とが設定されており、打順ベルの当選時に、いずれの役も入賞しない場合に、RT変動ブランク1またはRT変動ブランク2を選択的に有効ラインに表示させるようにリールの停止位置を決定している。このため本実施の形態によれば、RT変動ブランクを表示させる有効ラインが限定されないため、打順ベルの当選時に役の取りこぼしが発生する場合にRT変動ブランクを表示するための停止位置の決定に関して自由度を向上させることができる。
特に従来では正解小役と不正解小役が重複当選する当選態様において役の取りこぼしが発生する場合に、不正解小役の入賞形態を構成する図柄を表示させた有効ラインにRT変動ブランクを表示させるようにしていたため、本実施の形態のように2番目に停止させるリールまではベル図柄を引き込む制御を行う場合には、全ての不正解打順においてRT変動ブランクを表示可能とするために、図18に示すように最低でもRT変動ブランクの図柄組合せの管理データを3種類(RT変動ブランク1「(WM/赤7/白7/RP)・(BLA/BLB/BLC)・(BLA/BLB/BLC)」、RT変動ブランク2「(BLA)・(RP)・(BLA/BLB/BLC)」、RT変動ブランク3「(BLA)・(BLA/BLB/BLC)・(RP)」)は用意する必要があった。
これに対して、本実施の形態では、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を引き込んでいない有効ラインでもRT変動ブランクを表示させることができるため、図11に示すようにRT変動ブランクの図柄組合せの管理データを2種類(RT変動ブランク1「(WM/赤7/白7/RP)・(BLA/BLB/BLC)・(BLA/BLB/BLC)」、RT変動ブランク2「(WM/白7/DUM)・(RP/白7/BAR)・(RP)」)とすることができ、従来のように不正解小役の入賞形態を構成する図柄を引き込んだ有効ラインに必ずRT変動ブランクを表示させる場合に比べてRT変動ブランクの図柄組合せの管理データを少なくすることができ、図柄組合せに関する管理データを従来よりも圧縮することができる。
また本実施の形態では、第2リールR2と第3リールR3に関する図柄の表示位置について、複数の有効ラインを構成する表示位置と1の有効ラインのみを構成する表示位置とが存在し、打順ベルの当選時に不正解打順である場合には、第1リールR1〜第3リールR3のうち第2リールR2や第3リールR3が最初に停止する際には、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄を1の有効ラインのみを構成する表示位置に表示させるように、リールの停止位置を決定している。
このため本実施の形態によれば、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合に、不正解ベルを入賞可能な有効ラインを1ラインに制限することができるとともに、当選している打順ベルに含まれる不正解ベルの入賞形態を構成する図柄の引き込み範囲を必要以上に広げることなくRT変動ブランクを構成する図柄の引き込み範囲を広く確保することができる。すなわち本実施の形態では、2番目以降に停止するリールに関して不正解ベルの入賞形態を構成する図柄の引き込み範囲を最小限に抑えつつ、RT変動ブランクを有効ライン上に表示しやすい出目を形成することができる。
また本実施の形態では、図10に示すように、正解ベルの入賞形態と不正解ベルの入賞形態とにおいて、第1リールR1に関して共通のベル図柄A「BLA」が割り当てられており、打順ベルの当選時にいずれの役も入賞しない場合には、第1リールR1に関してベル図柄A「BLA」が有効ライン上の表示位置に表示されている場合に、ベル図柄A「BLA」が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランク2を表示させるように第2リールR2や第3リールR3の停止位置を決定している。
このため本実施の形態によれば、打順ベルの当選時に不正解打順で停止操作が行われた場合に、少なくとも不正解ベルの入賞の可能性を残しつつ、RT変動ブランクを有効ライン上に表示可能な出目を形成することができる。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能であり、以下に変形例を紹介する。なお、上記実施形態や、以下において変形例として説明する各種の手法は、本発明を実現する制御手法として適宜組み合わせて採用することができる。
上記実施の形態では、打順ベルの当選時に2番目に停止するリールまではベル図柄を有効ライン上に引き込み、最後のリールを停止させる際に、既に停止しているリール(最初に停止させたリールと2番目に停止させたリール)の停止態様に応じて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御とを切り替える場合を例に取り説明をしたが、押下検出位置に応じて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御とを切り替えるようにしてもよい。
図19は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB2→B3→B1の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第2リールR2に関しては、図13に示す例と同様に停止位置を決定し、例えば、図19(A)に示すように、第2リールR2の下段に不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」が表示されるように停止位置が決定され、図19(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL3において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル1のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第3リールR3に関しては、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3において不正解ベル1の入賞形態を構成するベル図柄A「BLA」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示できるように停止位置が決定される。そして図19(A)に示す停止態様では、不正解ベル1の入賞が可能な有効ラインL3にはRT変動ブランク1表示させることが可能であって、有効ラインL1,L2にはRT変動ブランク2を表示させることが可能であるので、本実施の形態では、RT変動ブランク1,2がいずれも表示可能な場合に、押下検出位置からの引き込みコマ数(押下検出位置から停止位置までのリールの回転量)が少なくなるように停止位置を決定する。このようにすれば、RT変動ブランクを表示させるための制御において、消費電力を抑えつつリールを駆動する部材への負荷を軽減できる。
例えば、2番目に停止する第3リールR3に関して、RT変動ブランク1を構成する図柄を表示する停止位置の方が押下検出位置からの引き込みコマ数が少ない場合には、図19(B)に示すように、下段にベル図柄C「BLC」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図19(C)に示すように、下段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL3にRT変動ブランク1を示す図柄組合せ「WM・BLA・BLC」を表示させる。
また例えば、2番目に停止する第3リールR3に関して、RT変動ブランク2を構成する図柄を表示する停止位置の方が押下検出位置からの引き込みコマ数が少ない場合には、図19(D)に示すように、中段にリプレイ図柄「RP」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図19(E)に示すように、中段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL2にRT変動ブランク2を示す図柄組合せ「WM・RP・RP」を表示させる。
また図20は、打順ベルA1の当選時にストップボタンB1〜B3がB3→B2→B1の順序で押下された場合の停止位置の決定例を説明する図である。
まず、最初に停止する第3リールR3に関しては、図20に示す例と同様に停止位置を決定し、例えば、図20(A)に示すように、第3リールR3の中段に不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」が表示されるように停止位置が決定され、図20(A)に示す停止態様によれば、有効ラインL2において打順ベルA1に含まれる複数種類の小役のうち不正解ベル9のみが入賞の可能性が残っていることになる。
次に、2番目に停止する第2リールR2に関しては、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2において不正解ベル9の入賞形態を構成するベル図柄C「BLC」を引き込むことができない場合にRT変動ブランクが表示できるように停止位置が決定される。そして図20(A)に示す停止態様では、不正解ベル9の入賞が可能な有効ラインL2にはRT変動ブランク1表示させることが可能であって、有効ラインL1,L3にはRT変動ブランク2を表示させることが可能であるので、本実施の形態では、RT変動ブランク1,2がいずれも表示可能な場合に、押下検出位置からの引き込みコマ数が少なくなるように停止位置を決定する。
例えば、2番目に停止する第2リールR2に関して、RT変動ブランク1を構成する図柄を表示する停止位置の方が押下検出位置からの引き込みコマ数が少ない場合には、図20(B)に示すように、中段にベル図柄A「BLA」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図20(C)に示すように、中段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL2にRT変動ブランク1を示す図柄組合せ「WM・BLA・BLC」を表示させる。
また例えば、2番目に停止する第2リールR2に関して、RT変動ブランク2を構成する図柄を表示する停止位置の方が押下検出位置からの引き込みコマ数が少ない場合には、図20(D)に示すように、中段にリプレイ図柄「RP」を表示させるように停止位置を決定し、最後に停止する第1リールR1においては、例えば、図20(E)に示すように、上段にスイカ図柄「WM」を表示させるように停止位置を決定して有効ラインL1にRT変動ブランク2を示す図柄組合せ「WM・RP・RP」を表示させる。
なお図19および図20に示す例では、RT変動ブランク1,2がいずれも表示可能な場合に、押下検出位置からの引き込みコマ数が少なくなるように停止位置を決定するようにしたが、RT変動ブランク1を表示するように停止位置が決定される押下検出位置とRT変動ブランク2を表示するように停止位置が決定される押下検出位置とが予め定められていてもよいし、押下検出位置からの引き込みコマ数が多くなるように停止位置を決定するようにしてもよいし、引き込みコマ数が少なくなるように停止位置を決定する場合と押下検出位置からの引き込みコマ数が多くなるように停止位置を決定する場合とが押下検出位置毎に予め定められていてもよいし、引き込みコマ数が少なくなるように停止位置を決定する場合と押下検出位置からの引き込みコマ数が多くなるように停止位置を決定する場合とがストップボタンB1〜B3の押下順序毎に予め定められていてもよいし、引き込みコマ数が少なくなるように停止位置を決定する場合と押下検出位置からの引き込みコマ数が多くなるように停止位置を決定する場合とが打順ベルの種類毎に予め定められていてもよい。
すなわち打順ベルの当選時に、不正解打順で停止操作が行われたことによっていずれの役も入賞しない場合には、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ライン、または不正解ベルの入賞形態を構成する図柄を表示している有効ラインとは異なる有効ラインのいずれにRT変動ブランクを表示するかを、押下検出位置およびストップボタンB1〜B3の押下順序の少なくとも一方に応じて決定することができる。言い換えれば、いずれの有効ラインにRT変動ブランクを表示するかについては、押下検出位置に応じて決定してもよいし、ストップボタンB1〜B3の押下順序に応じて決定してもよいし、押下検出位置とストップボタンB1〜B3の押下順序との組合せに応じて決定してもよい。このようにすれば、不正解打順で停止操作が行われた場合の操作態様に応じて多様な出目を形成することができる。
またストップボタンの押下順序に応じて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御とを切り替えるようにしてもよい。
例えば、打順ベルA1の当選時において、ストップボタンB1〜B3がB2→B3→B1の順序で押下された場合には、図19(A)、図19(B)、および図19(C)に示すように、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄が表示されている有効ラインにRT変動ブランク1が表示されるようにリールを停止させ、ストップボタンB1〜B3がB3→B2→B1の順序で押下された場合には、図20(A)、図20(D)、および図20(E)に示すように、不正解ベルの入賞形態を構成するベル図柄が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランク2が表示されるようにリールを停止させることができる。
また内部抽選で当選した打順ベルの種類に応じて、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御と、不正解ベルの入賞形態を構成する図柄が表示されている有効ラインとは異なる有効ラインにRT変動ブランクが表示されるようにリールを停止させる制御とを切り替えるようにしてもよい。この場合に、打順ベルの種類に応じて有効ライン上に表示されやすいRT変動ブランクの種類が予め定められていてもよく、例えば、打順ベルA1〜A3ではRT変動ブランク1をRT変動ブランク2に優先して表示させ、打順ベルB1〜B3および打順ベルC1〜C3ではRT変動ブランク2をRT変動ブランク1に優先して表示させるようにしてもよい。
また上記実施形態では、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてリール演出の実行確率を変動させる場合を例に取り説明をしたが、2種類のRT変動ブランクの一方に基づいてリール演出の実行を予約し、他方に基づいてリール演出の実行予約をキャンセルするようにしてもよい。
例えば、通常状態で有効ライン上にRT変動ブランク2が表示されたことに基づいて、リール制御手段130がリール演出の実行を予約し、RT変動ブランク2が表示されてから所定回数(例えば、32回)の遊技を行われると、次回の遊技においてリール演出を実行する。このとき演出制御手段180は、リール演出が実行された場合に演出状態が通常演出状態である場合にはAT準備状態に設定し、リール演出が実行された場合に演出状態がAT準備状態やAT状態である場合には、AT終了判定カウンタ197の記憶値に所与の加算値(例えば、50)を上乗せする制御を行うことができる。なおAT終了判定カウンタ197の記憶値に所定の上限値が設けられており、当該上限値を超えるような場合には当該上限値を超えない範囲で上乗せを行うようにしてもよいし、上乗せをキャンセルするようにしてもよい。そして本変形例では、第1リプレイタイム状態で有効ライン上に表示されたことに基づいて、リール制御手段130がリール演出の実行予約をキャンセルする。すなわち本変形例では、2種類のRT変動ブランクの一方によってリール演出の実行が予約され、他方によってリール演出の実行予約が取り消されることによって、リール演出の実行が予約されも必ずしもリール演出が実行されるわけではないという新たな遊技性を提供することができ、遊技の単調化を防ぐことができる。
また有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じて演出制御手段180がAT状態の延長に関連づけられた特典を付与するための制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてAT状態の延長に関連づけられた特典を付与する制御が行われるため遊技の単調化を防ぐことができる。
例えば、ボーナス状態の終了後における通常状態において演出状態がAT準備状態である場合に、RT変動ブランク1が有効ライン上に表示されたことに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値に10回分の遊技に相当する値「10」を上乗せし、RT変動ブランク2が有効ライン上に表示されたことに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値に50回分の遊技に相当する値「50」を上乗せすることができる。すなわち2種類のRT変動ブランクのうち一方のRT変動ブランクが有効ライン上に表示された場合には他方のRT変動ブランクが有効ライン上に表示された場合よりも遊技者に有利となるようにAT終了判定カウンタ197の記憶値に値を上乗せする制御を行うことができる。このようにすれば、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてAT状態の延長に関わる値の上乗せについて遊技者の有利度合いが変化することによって遊技の単調化を防ぐことができる。
また例えば、AT準備状態において上乗せモードに応じて内部抽選の結果に応じて上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選したことに基づいてAT終了判定カウンタ197の記憶値に値を上乗せするような場合において、第1の上乗せモードでは、内部抽選での打順ベルの当選時に上乗せ抽選を行い、第2の上乗せモードでは、内部抽選でのハズレ時に上乗せ抽選を行うものとする。このときボーナス状態の終了後における通常状態において演出状態がAT準備状態である場合に、RT変動ブランク1が有効ライン上に表示されたことに基づいて上乗せモードを第1の上乗せモードに設定し、RT変動ブランク2が有効ライン上に表示されたことに基づいて上乗せモードを第2の上乗せモードに設定することができる。すなわちRT変動ブランク1が有効ライン上に表示された場合とRT変動ブランク2が有効ライン上に表示された場合とにおいて上乗せ抽選の実行契機を異ならせる制御を行うことができる。このようにすれば、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてAT状態の延長に関連づけられた特典を付与する条件が変化することによって遊技の単調化を防ぐことができる。なおRT変動ブランクの種類に応じて上乗せ抽選の実行契機を異ならせるばかりでなく、RT変動ブランクの種類に応じて上乗せ抽選の当選確率を異ならせるようにしてもよい。
また有効ライン上にRT変動ブランク1が表示されたことに基づいてリール演出が実行される場合と、有効ライン上にRT変動ブランク2が表示されたことに基づいてリール演出が実行される場合とを設けて、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じて異なる挙動のリール演出が実行されるようにしてもよい。このようにすれば、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じてリール演出でのリールの挙動が異なることによって遊技の単調化を防ぐことができる。
例えば、通常状態でのRT変動ブランクの表示に基づいてリール制御手段130がリール演出を実行し、RT変動ブランク1の表示に基づいてリール演出を実行する場合には、第1リールR1〜第3リールR3をR1→R2→R3の順に始動させ、RT変動ブランク2の表示に基づいてリール演出を実行する場合には、第1リールR1〜第3リールR3をR3→R2→R1の順に始動させるようにしてもよい。この場合に、リール演出の実行に基づいて演出制御手段180がAT抽選や上乗せ抽選を実行し、AT抽選や上乗せ抽選の当選確率やAT抽選や上乗せ抽選に当選した場合のAT終了判定カウンタ197への加算値などを、リール演出の実行契機となったRT変動ブランクの種類に応じて異ならせるようにしてもよい。このようにすれば、有効ライン上に表示されたRT変動ブランクの種類に応じて特典の内容が異なることによって遊技の単調化を防ぐことができる。