以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[外観構造の説明]
本発明の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rの各中断Mを横切る1本の入賞ラインLが定められている。この入賞ラインLは、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定する際の基準となるラインである。すなわち、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLが通過する停止表示位置(各リールの中段M)に停止表示された3つの図柄からなる組合せがいずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。なお、以下では、単に「図柄組合せが停止表示された」と記載されている場合は、その図柄組合せが入賞ラインLに沿って停止表示されたことを意味する。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、単位遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。
ここで、スロットマシン10で単位遊技を行うために投入するメダルは遊技媒体の一種であり、遊技媒体は、メダルに限らず、遊技球(いわゆるパチンコ球)や、磁気カード、非接触式ICカードまたはICチップを内蔵したコインなどの記録媒体に記録された、単位遊技を行うことができる価値情報であってもよい。スロットマシン10では、3枚のメダルが投入されると1回の単位遊技が可能となり、入賞ラインLが有効ラインとされる。クレジット数表示器27(貯留数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述する主制御回路100内のRAMに記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28(付与数表示手段)は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において単位遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、後述する主制御回路100へメダル検出信号を出力するメダルセンサが設けられている。これにより、主制御回路100においてメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。
また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち、現在の単位遊技において投入が許容される最大枚数(規定枚数)のメダルを、遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。なお、スロットマシン10においては、後述するMB遊技における規定枚数は2枚であり、MB遊技ではない遊技(通常遊技)における規定枚数は3枚である。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していく。また、前述した主制御回路100のRAM(貯留手段に相当)に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値も減算される。さらに、規定枚数のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、主制御回路100のRAMに記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値に加算される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。スタートスイッチ36は、遊技者がスロットマシン10に規定枚数のメダルを投入すると操作が有効となる。なお、単位遊技で後述する再遊技役が入賞したときは、メダルが投入されなくても、ベット数表示ランプ26a,26b,26cが規定枚数分だけ点灯し、次の単位遊技のための、スタートスイッチ36の操作が有効となる。この状態で遊技者がスタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。
操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、いわゆる自照式の押しボタンスイッチであり、押しボタンの部分が複数色に発光し得る構造になっている。また、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分。単に定速ともいう。)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。ここで、各ストップスイッチの操作が無効になっているときは、各ストップスイッチの押しボタン部分における発光色が赤くなっており、定常回転速度に達して操作が有効になると、押しボタン部分の発光色は青に変化する。
そして、遊技者が左ストップスイッチ37Lを押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置と、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央位置とが、一致するように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置といい、スロットマシン10がリールを停止させるときは、リールの各図柄が必ず定位置で停止するようなリール停止制御が行われる。
操作パネル部30の左側には、精算スイッチ38が設けられており、メダル投入の受付期間内に操作されると、クレジットされていたメダルがすべて払い戻され、クレジット数表示器27に表示されている値が「0」になる。ここで、メダル投入の受付期間は、例えば、スタートスイッチ36の操作が有効と見なされてリール40L、40C及び40Rが回転を開始してから、全てのリールが停止するまで(メダルが払い出される場合は、メダルの払い出しが終了するまで)の間とする。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。例えば、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、入賞ラインLに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置が作動してその小役に対応した枚数のメダルが払い出される。また、メダルがクレジットされている状態で精算スイッチ38が操作されると、クレジットされていたメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、単位遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、単位遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
[リール図柄の説明]
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。図2(a)に示すように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、21等分に区画された各図柄領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄領域に表示される図柄の種類は、図2(b)に示すように、7種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。スロットマシン10における図柄の種類には、数字の7を赤色で表した「赤セブン」図柄、“BAR”と標記された「黒バー」図柄、水色のプラムをモチーフとした「リプレイ」図柄、黄色のベルをモチーフとした「ベル」図柄、赤いサクランボをモチーフとした「チェリー」図柄、緑色のスイカをモチーフとした「スイカ」図柄、薄いグレーの目立たない色で表され、いずれの役にも関連しない大木をモチーフとした「ブランク」図柄がある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄領域には、図2(a)に示すように「0」〜「20」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号に対応する図柄の種別コードが、主制御回路100のROMに記憶されている。各リールの図柄番号および対応する種別コードは、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を認識し、後述するリール停止制御を行う際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2(a)に示す各リールテープは、図柄番号「0」と「1」の間を切り離して展開した状態を示し、実際にリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けたときは、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「19」,「20」,「0」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「20」,「0」,「1」→図柄番号「0」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「0」から「20」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
[制御回路の説明]
次に、図3に示す機能ブロック図を参照して、スロットマシン10の制御を行う制御回路について説明する。スロットマシン10の制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とによって構成されており、主制御回路100は、スロットマシン10における単位遊技の制御を行い、副制御回路200は、主制御回路100から送信された情報に基づいてスロットマシン10で行われる演出の制御を行っている。なお、主制御回路100と副制御回路200との間の情報伝達は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が直接送信されることはない。
≪主制御回路の説明≫
<主制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
主制御回路100は、CPU、ROM、RAM、および、外部と信号のやり取りを行うためのI/Oポートに加え、擬似乱数を発生するための乱数発生器や、CPUなどが作動するためのクロック信号や割込信号を発生するクロック発生回路などによって構成されている。ここで、乱数発生器は0〜65535の数値範囲で擬似乱数を発生している。主制御回路100には、操作手段300と、遊技情報表示手段400と、モータ駆動回路44と、インデックスセンサ46と、ホッパー駆動回路80およびメダル払出装置82と、外部集中端子基板84とが電気的に接続されている。
操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320と、1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35からなる投入指示手段330と、精算スイッチ38とによって構成されている。また、遊技情報表示手段400は、図1に示したベット数表示ランプ26a〜26cと、クレジット数表示器27と、獲得枚数表示器28とによって構成されている。
モータ駆動回路44は、主制御回路100から出力される励磁信号に従って、各リール用のステッピングモータ42L,42C,42Rを個々に励磁し、対応するリールを回転または停止させる。インデックスセンサ46L,46C,46Rは、リール40L,40C,40Rに各々対応して設けられており、対応するリールの基準位置に設けられているインデックスを検出すると、主制御回路100に対して基準位置信号を出力する。これにより主制御回路100は、当該基準位置から計数を開始したステッピングモータのステップ数に基づいて、リールの回転位置(換言すると、表示窓22に表示されている図柄)を認識している。ホッパー駆動回路80は、メダルを払い出す際に主制御回路100から出力される駆動信号に従って、メダル払出装置82を駆動する。また、メダル払出装置82は、メダルを1枚払い出すごとに払出信号を主制御回路100に対して出力し、主制御回路100は、当該払出信号をカウントすることで、メダル払出装置82から払い出すメダルの枚数を制御する。
外部集中端子基板84は、スロットマシン10が現在行われている遊技に関する情報を外部へ出力する際に、それらの情報を中継する基板である。これにより、スロットマシン10が、例えばスロットマシン10に対応して別途設置されている遊技情報表示装置や、遊技場に設置されている各遊技機の遊技状態や出玉などを管理しているいわゆるホールコンピュータへ情報を送信する場合は、この外部集中端子基板84を介して行われる。ここで、スロットマシン10から外部へ送信される情報としては、単位遊技が行われる際にスロットマシン10へメダルが投入されたことを示す信号(IN信号)、単位遊技の結果、遊技者にメダルが払い出されたことを示す信号(OUT信号)、遊技状態が「MB遊技」になったことを示す信号(MB発生信号)、再遊技役が入賞したことを示す信号(RP発生信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、スタートスイッチ36が操作されたことを示す信号(スタート信号)、および、後述するART遊技が行われていることを示す信号(ART信号)を出力する。
<主制御回路の機能ブロック>
次に、主制御回路100の機能ブロックについて説明する。主制御回路100は、役抽選手段110と、リール制御手段120と、擬似遊技演出手段130と、入賞判定手段140と、入賞処理手段150と、貯留手段160と、外部信号出力手段170と、を含んでいる。なお、以下に説明する各手段の機能は、主制御回路100を構成するROMに記憶された制御プログラムを、CPUによって実行することで実現されるものとする。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段110は、遊技者によるスタートスイッチ36の操作に応じて、主制御回路100が有する乱数発生器によって発生された擬似乱数をサンプリングし、当該サンプリングした擬似乱数に基づいて、予め定められた役のうちいずれか1つまたは複数の役を当選した役(当選役)とするか否かを定めるものである。スロットマシン10では、予め定められている役として、図4に示す様に、MB役、再遊技役、小役1、小役2、小役3a〜3fの10種類があり、各々の役には、図4に示すように各図柄組合せが対応付けられている。そして、図1に示した入賞ラインLに沿って停止表示された図柄組合せが、役抽選によって当選役に定められた役の図柄合せと一致すると、その役が入賞したことになる。なお、小役2の図柄組合せにおいて、中リールおよび右リールの図柄が「ANY」と示されているのは、任意の図柄でよいことを意味している。すなわち小役2は、左リール40Lの「スイカ」図柄が中段Mに停止すれば、中リール40Cおよび右リール40Rが回転中であっても入賞が確定することになる。
図4に示した各役について、まず、MB役は、入賞すると次の単位遊技からMB遊技が開始されることとなる役である。MB遊技中は、役抽選が行われるか否かに関係なく、全ての小役が強制的に当選役とされ、当選役とされた小役のうち、小役1または小役2が必ず入賞するようになっている。なお、MB遊技中でない単位遊技(以下、通常遊技という)において、小役1が入賞すると5枚のメダルが払い出され、小役2が入賞すると3枚のメダルが払い出されるが、MB遊技中小役1または小役2が入賞したときは、いずれの場合も2枚のメダルしか払い出されない。そして、MB遊技中に合計で18枚のメダルが払い出されると、当該MB遊技が終了する。
次に、再遊技役は、入賞すると次の単位遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技(再遊技またはリプレイともいう)を行うことができる役である。なお、上述したMB役も、この再遊技役も、それぞれの役が入賞したことによるメダルの払い出しは無い。これに対して、小役は、入賞すると予め定められていた枚数のメダルが払い出されることになる。入賞時に払い出されるメダルの枚数は、小役1は5枚(MB遊技中は2枚)、小役2は3枚(MB遊技中は2枚)、小役3a〜3fは、通常遊技中またはMB遊技中の区別無く、いずれの場合も1枚になっている。
また、図4に示すように、役抽選手段110が行う役抽選では、MB役、再遊技役、小役2については、各役が個々に当選役と定められるが(単独抽選対象)、小役1および小役3a〜3fは、複数の役が同時に当選役に定められる(複合抽選対象)。すなわち、小役1および小役3a〜3fについては、各々複数の役で構成された複合A、複合B、複合Cおよび特殊複合が抽選対象となっている。そして、図4中、「○」印で示すように、複合Aが当選したときは、小役1および小役3a〜3dが当選役となり、複合Bが当選したときは、小役1および小役3a〜3eが当選役となり、複合Cが当選したときは、小役1および小役3a〜3d,3fが当選役となり、特殊複合が当選したときは、小役3eおよび3fが当選役となる。
一般に、役抽選の結果、何らかの役が当選した場合は、その状態は当選した役が入賞するか否かを問わず、単位遊技が終了するとクリアされる。しかしながら、MB役が当選したときは、その単位遊技でMB役を入賞させることができなくても、入賞するまで次の単位遊技以降に当選した状態が維持される。すなわち、MB役が入賞するまで、MB役を入賞させることができるチャンスが継続する。以下、MB役の当選状態が維持されている期間を、ボーナス持越中または内部中という。なお、後述するように、内部中における役抽選ではMB役が抽選対象とはされず、MB役が当選役になっているときに重ねて当選役と定められることはない。また、以下では、MB役が当選していない通常遊技が行われている状態を「非内部中」といい、MB役の当選が維持されている通常遊技が行われている状態を「内部中」という。また、単に「通常遊技中」といった場合は、特に定義がなされていなければ、「非内部中」および「内部中」の双方状態を意味する。
次に、図5に示す役抽選テーブルを参照して、役抽選における各抽選対象の当選確率について説明する。図5に示す役抽選テーブルは、非内部中および内部中における各抽選対象について、主制御回路100の乱数発生器が発生する乱数値(0〜65535のいずれかの整数)のうち、当選と見なされる数値の数(以下、置数という。)を示している。なお、乱数値「0」も数値に含まれるため、乱数発生器が発生し得る乱数値の数は65536となる。よって、各抽選対象の当選確率は、対応する置数を65536で割った値となる。また、図5に示す役抽選テーブルにおいて、MB役および再遊技役の行は、破線によって上下段に分割されているが、上段は非内部中における置数、下段は内部中における置数を示している。さらに、「設定1」〜「設定6」は、スロットマシン10の内部に設けられたスイッチ等を操作することで設定されるものであり、遊技場の関係者が、スロットマシン10における各役の当選確率を変更する際に適宜設定される。以下では、「設定1」〜「設定6」の設定について言及する際には、カギ括弧を付して「設定」と記載することで、一般的な意味で用いる設定の文言と区別することにする。
この図に示す役抽選テーブルでは、複合A〜Cおよび特殊複合の当選確率は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても一定の値となっている。これに対して、小役2の当選確率は、「設定1」のときに最も低く、「設定」の値が大きくなるに連れて高くなっている。MB役については、非内部中は、小役2と同様に、当選確率が「設定1」のときに最も低く、設定の値が大きくなるに連れて高くなっているが、前述したように、MB役が当選して内部中になると、抽選対象から除外されるため、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても当選確率が「0」となる。これに対して、再遊技役は、非内部中は、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても同じ当選確率になっているが、内部中になると、「設定1」〜「設定6」のいずれにおいても置数が増大しており、再遊技役の当選確率が大幅に上昇している。また、「設定1」〜「設定6」の内部中における再遊技役、小役2、複合A〜Cおよび特殊複合の置数を合計すると、いずれの「設定」においても65536となる。すなわち、内部中はいずれかの役が必ず当選し、ハズレが無い状態となる。
ここで、内部中となって再遊技役の当選確率が上昇した状態を「RT」中といい、内部中になる前(非内部中)の再遊技役の当選確率が低い状態を「非RT」中という。図6を参照して、役抽選の観点から見た遊技状態(換言すると、主制御回路100が直接的に認識し得る遊技状態)の遷移について説明すると、まず、スロットマシン10の電源投入直後、または、遊技状態をリセットした直後は、「非RT」中になっており、再遊技役の当選確率は、約1/7.30になっている。そして、この遊技状態でMB役が当選すると、「設定」による差はあるものの、再遊技役の当選確率が1/2.69〜1/2.74と大幅に上昇する「RT」中に移行する。「RT」中の状態はMB役が入賞するまで継続し、入賞ラインL上に「赤セブン−BAR−BAR」の図柄組合せが揃ってMB役が入賞すると、次の単位遊技からMB遊技が開始される。そして、「MB遊技」中に払い出されたメダルの枚数が、合計18枚を超えると、遊技状態は再び「非RT」中となる。このように、スロットマシン10では、「非RT」中、「RT」中、「MB遊技」中という3つの遊技状態を循環的に遷移している。
<リール制御手段の説明>
図3に戻り、リール制御手段120は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されると、モータ駆動回路44によってステッピングモータ42L,42C,42Rの回転を開始させる。そして、リール40L,40C,40Rの回転速度を加速していき、毎分80回転の回転速度に達すると定速回転に移行し、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が有効な状態にする。
リール停止制御手段122は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作が有効になった後、遊技者によっていずれかのストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。停止制御は、通常遊技中と、MB遊技中とで異なる。通常遊技中は、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる制御を行う。したがって、定速回転速度が約80回転/分であり、1つのリールに配置された図柄数が21個であるため、リール停止制御手段122は、ストップスイッチが操作された時のリール位置から、最大で約5.32図柄分だけ移動するまでの間に、リールを停止させることになる。ここで、前述したように、図柄の停止位置のばらつきを無くすため、リール上の図柄が定位置で停止表示されるように、リールを停止させなくてはならないという制約がある。このため、直ちにリールを停止させたい場合でも、ストップスイッチの操作タイミングによっては、ほぼ1図柄分、リールを回動させなくてはならない場合が生じ得る。したがって、この分のマージンを考慮すると、ストップスイッチが操作されてから、最大で4図柄分リールが回動するまでの間が、停止制御可能範囲(すなわち、滑りコマ数が4)となる。
よって、リール停止制御手段122が引込制御を行う場合は、ストップスイッチが操作された時に、入賞ラインLから上流側にある4つの図柄のうち、当選役に対応する図柄組合せを構成する図柄があるときは、その図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの回転を停止させる。これに対して、リール停止制御手段122が蹴飛ばし制御を行う場合は、全てのリールが停止するまでに、入賞ラインL上に何らかの役に対応した図柄組合せが停止表示されないように、リールの回転を停止させる。
一方、MB遊技中は、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作された場合は、通常遊技中と同様のリール停止制御を行うが(操作されてから190ミリ秒以内に対応するリールを停止)、左ストップスイッチ37Lについては、操作されてから75ミリ秒以内に左リール40Lの回転を停止させる制御を行う。したがって、MB遊技中においては、左ストップスイッチ37Lが操作されてから左リール40Lが最大で約2.1図柄分、回動するまでの間に停止させなくてはならない。よって、図柄を定位置で停止させるためのマージンを1図柄分取るとすると、停止制御可能範囲は最大で1図柄分となる。
また、リール停止制御手段122は、図3に示すインデックスセンサ46L,46C,46Rから出力される各基準位置信号と、モータ駆動回路44からステッピングモータ42L,42C,42Rへ各々出力される励磁信号のパターンを更新した回数(すなわち、各ステッピングモータが1ステップ分、回動した回数)とに基づいて、表示窓22に表示されている図柄を認識している。リール上の図柄の認識方法については、従来の方法が採用可能であるため、詳細な説明は省略する。
上述したリール停止制御を前提として、図2(a)に示した各リールの図柄配列と、図4に示した各役に対応した図柄組合せをみると、リール40L,40C,40Rに各々配置されている「リプレイ」図柄は、最大でも4つの図柄を挟んで配置されているため、通常遊技中は、役抽選で再遊技役が当選したときは、如何なるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、必ず入賞させることができる。また、「ベル」図柄および左リール40Lにおける「スイカ」図柄も同様に配置されているため、通常遊技中であれば、小役1および小役2も必ず入賞させることができる。
さらに、左リール40Lにおいて、「ベル」図柄と「スイカ」図柄とは、1つの図柄を挟んで交互に配置されているため、MB遊技中であっても、遊技者による左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を、必ず入賞させることができる。ここで、MB遊技中は、全ての小役が当選役とされるが、リール停止制御手段122は、左ストップスイッチ37Lの操作タイミングに応じて小役1または小役2のいずれか一方を入賞させるリール停止制御を行い、その他の小役を入賞させることはないものとする。
次に、図4に示された小役3a〜3dの図柄組合せを見ると、通常遊技中に、左リール40Lについては「リプレイ」図柄が、中リール40Cおよび右リール40Rについては、各々、「チェリー」図柄または「スイカ」図柄のいずれか一方が、入賞ラインL上に停止表示されれば、小役3a〜3dのいずれか1つが入賞することになる。これを踏まえて図2(a)の図柄配列を見ると、通常遊技中に小役3a〜3dが当選した場合は、如何なるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しても、小役3a〜3dのうちいずれか1つを入賞させることができる。
ここで、図4に示す様に、複合A〜複合Cが当選したときに、小役1および小役3a〜3dが同時に当選することになる。このとき、リール停止制御手段122は、複合Aが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。また、複合Bが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右または中→右→左の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。さらに、複合Cが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが右→左→中または右→中→左の順序で操作されたときに、小役1を入賞させ、それ以外の順序でストップスイッチが操作された時は、そのタイミングに応じて小役3a〜3dのいずれか1つを入賞させるリール停止制御を行う。
このように、リール停止制御手段122は、複合A〜複合Cのいずれかが当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて入賞させる小役を変更している。なお、上述したリール停止制御では、最初に操作されたストップスイッチの種類に応じて入賞させる小役を変更していたが(いわゆる3択のAT)、さらに複合抽選対象を増やして、最初から最後までのストップスイッチの操作順序(すなわち、6通りの操作順序)について、小役1が入賞することとなる操作順序を個々に異ならせても良い(いわゆる6択のAT)。
また、図4に示す様に、特殊複合が当選した時は、小役3eおよび3fが同時に当選することになるが、この場合、リール停止制御手段122は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作タイミングに応じて、各役に対応する図柄組合せを構成している図柄の引込制御を行う。ここで、図2(a)に示されている図柄配列によれば、左リール40Lおよび中リール40Cにおける「BAR」図柄は1つしか配置されておらず、右リール40Rにおける「BAR」図柄と「赤セブン」図柄との間には、少なくとも7つの図柄が配置されている。このため、特殊複合が当選した場合は、各図柄を目押しできなければ、小役3eおよび3fのいずれも入賞させることができない(すなわち、取りこぼす)可能性が高くなる。
さらに、内部中はMB役が当選した状態が維持されることから、MB役と、小役または再遊技役とが、同時に当選した状態となる。この場合、リール停止制御手段122は、再遊技役または小役を優先的に入賞させるリール停止制御を行う。これにより、図5を参照して説明したように、内部中における役抽選ではハズレとなる場合がないため、MB役を入賞させることができるのは、特殊複合に当選し、かつ、小役3eまたは3fを入賞させることができないタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した時に限られる。
<擬似遊技演出手段の説明>
図3に戻り、擬似遊技演出手段130は、非内部中または内部中の単位遊技において、スタートスイッチ36の操作によって、リール40L,40C,40Rを回転させ、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に応じて対応するリールの回転を停止させる、擬似遊技演出を行う。なお、擬似遊技演出中は、入賞判定(入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが何らかの役に対応しているか否かの判定)を行わない、または、入賞判定を行う場合であっても、何らの役が入賞しても、その入賞を無効として扱う。このため、擬似遊技演出中に停止表示された図柄組合せが、たとえ何らかの役に対応する図柄組合せと一致していたとしても、その役が入賞したことによる特典が遊技者に付与されることはない。また、擬似遊技演出を行う毎に、次にどのような擬似遊技演出を行うか、および、擬似遊技演出を継続するか否かの決定も行う。
スロットマシン10においては、擬似遊技演出の内容に応じて5種類が存在しており、各擬似遊技演出には、固有の擬似遊技演出番号PD(=1〜5)が付与されている。なお、擬似遊技演出が行われていない初期状態においては、擬似遊技演出番号PDの値が「0」とされる。また、これら5種類の擬似遊技演出は、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に対するリール停止制御の違いによって、擬似遊技演出A,B,Cの3種類に分類される。さらに擬似遊技演出Aについては、リール停止制御の内容は同じであるが、引き続き擬似遊技演出を行うか否かの判断や、次に行う擬似遊技演出番号PDの決定内容が、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて互いに異なる、3種類の遷移パターンが存在する。
ここで、擬似遊技演出番号PDの値が「1」のときは擬似遊技演出Aで遷移パターン1、擬似遊技演出番号PDの値が「2」のときは擬似遊技演出Aで遷移パターン2、擬似遊技演出番号PDの値が「3」のときは、擬似遊技演出Aで遷移パターン3、擬似遊技演出番号PDの値が「4」のときは擬似遊技演出B、擬似遊技演出番号PDの値が「5」のときは擬似遊技演出Cであることを示している。
擬似遊技演出手段130は、まず、遊技者によるスタートスイッチ36の操作を契機として、擬似遊技演出を行うか否かを決定する。この決定は、図7に示す擬似遊技演出抽選テーブルに基づく乱数抽選によって行われる。すなわち、現在の擬似遊技演出番号が初期状態(PD=0)であれば、各々1/32の確率で、擬似遊技演出Aにおける遷移パターン1、2または3(PD=1〜3)が実行される。また、現在の擬似遊技演出番号が「4」であれば(すなわち、前回の擬似遊技演出が、擬似遊技演出番号PDの値が「4」の状態で終了した)、3/32の確率で再び擬似遊技演出B(PD=4)が実行される。さらに、現在の擬似遊技演出番号が「5」であれば、3/32の確率で再び擬似遊技演出C(PD=5)が実行される。
次に、図8を参照して各擬似遊技演出の内容について説明する。ここで、図8(a)は擬似遊技演出Aの内容を、(b)は擬似遊技演出Bの内容を、(c)は擬似遊技演出Cの内容を、各々示している。まず、擬似遊技演出Aは、図8(a)に示す様に、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、入賞ラインL上に、必ず左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄、中リール40Cにおける図柄番号「0」の「ブランク」図柄、右リール40Rにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄の図柄組合せ(以下、「ベル−ブランク−ベル」と表記する。他の図柄組合せについても同様。)が停止表示される。
なお、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作に応じてリールを停止させる際は、擬似遊技演出中であっても通常遊技中と同様に、停止させるリールの基準位置と、当該基準位置からのステップ数とに基づいて、表示窓22に表示される図柄の種類を認識しつつリール停止制御を行っている。また、上述したリール停止制御を行う場合、例えば左リール40Lにおける図柄番号「1」の「ブランク」図柄が入賞ライン上に位置するときに、左ストップスイッチ37Lが操作された場合は、図柄番号「0」の「ベル」図柄が入賞ラインLに達するまで左リール40Lが回動することになる。よってこの場合、遊技者は、通常遊技中と異なるリール停止制御が行われていることを明確に認識することができる。
また、擬似遊技演出Aにおいては、遷移パターンごとに、更新される擬似遊技演出番号PDの値(「0」,「4」,「5」のいずれか)と、擬似遊技演出を引き続き行うか否か(「継続」または「終了」)が、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて異なっている(図8(a)参照)。そして、擬似遊技演出を引き続き行うことが決定された場合は、スタートスイッチ36の操作に応じてリール40L,40C,40Rを回転させて、更新された擬似遊技演出番号PDの演出を行う。
なお、擬似遊技演出手段130は、擬似遊技演出が行われているときに、遊技者が所定時間(ここでは20秒間とする)スロットマシン10に対して何ら操作を行わなかった場合は、回転中のリールを自動的に停止させる。このときに停止表示させる図柄は、図8(a)の「操作順序」欄における「自動停止」の行に示す様に、左リール40Lを停止させる場合は図柄番号「0」の「ベル」図柄を、中リール40Cを停止させる場合は図柄番号「0」の「ブランク」図柄、右リール40Rを停止させる場合は図柄番号「0」の「ベル」図柄を停止表示させる。なお、自動停止を行う際に既に停止表示されている図柄がある場合は、その図柄をそのまま停止表示させておいてもよいし、リールを自動的に再回転させて「ベル−ブランク−ベル」の図柄組合せが停止表示されるように停止制御を行っても良い。
次に、図8(b)に示す様に擬似遊技演出Bにおいては、遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを左→中→右、左→右→中、中→左→右または中→右→左の順序で操作した場合、擬似遊技演出手段130は、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを停止表示させる。そして、擬似遊技演出番号PDの値を現在の「4」から「0」に更新し、擬似遊技演出を終了することを決定する。また、遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを右→左→中または右→中→左の順序で操作した場合、擬似遊技演出手段130は、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せを停止表示させる。そして、擬似遊技演出番号PDの値を現在に「4」に維持したまま、擬似遊技演出を終了することを決定する。
ここで、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを停止表示させるときは、擬似遊技演出Aと同様に、ストップスイッチの操作タイミングによっては、通常遊技中には起こり得ない滑りコマ数でリールが停止することがあるため、遊技者が、通常遊技中と異なるリール停止制御が行われていることを認識できる場合がある。これに対して、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せを停止表示させるときは、通常遊技中の役抽選において再遊技役が当選した時と全く同じリール停止制御を行ってもよい。すなわち、通常遊技中にいわゆるコントロール制御を行っている場合は同じアルゴリズムに従って、また、いわゆるテーブル制御を行っている場合は同じ停止制御テーブルを用いることによって、リール停止制御を行ってもよい。これにより、少なくとも「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが停止表示される際のリールの挙動によって、遊技者に擬似遊技演出が行われていることが悟られることはない。
また、図8(c)に示す様に擬似遊技演出Cにおいては、遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを左→中→右、左→右→中、中→左→右または中→右→左の順序で操作した場合、擬似遊技演出手段130は、入賞ラインL上に「黒バー−黒バー−黒バー」の図柄組合せを停止表示させる。そして、擬似遊技演出番号PDの値を現在の「5」から「0」に更新し、擬似遊技演出を終了することを決定する。また、遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを右→左→中または右→中→左の順序で操作した場合、擬似遊技演出手段130は、擬似遊技演出Bと同様に、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せを停止表示させる。そして、擬似遊技演出番号PDの値を現在に「5」に維持したまま、擬似遊技演出を終了することを決定する。
<入賞判定手段の説明>
図3に戻り、入賞判定手段140は、遊技状態制御手段142を有し、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが、何らかの役に対応するか否か(すなわち、何らかの役が入賞したか否か)を判定する。また、その判定結果に基づいて、遊技状態制御手段142に遊技状態の移行制御を行わせる。ここで、入賞判定手段140は、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを直接認識しなくともよく、各リールにおいて、予め定められた位置(例えば、各リールの下段Uや、各リールの表示窓22の枠上など)の図柄を認識することで、間接的に入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せを判断しても良い。また、入賞判定後に、小役または再遊技役の当選状態(MB役の当選状態を除く)を非当選状態にし、当選していたMB役が入賞したときに、MB役の当選状態を非当選状態にする。
遊技状態制御手段142は、図6の遷移図に示すように、遊技状態が「非内部中」(「非RT」中)のときにMB役が当選すると、遊技状態を「内部中」(「RT」中)に移行させる。また、「内部中」にMB役が入賞すると、遊技状態を「MB遊技」中に移行させる。さらに、MB遊技の終了条件が成立したか否かを判断し、成立したと判断したときは、遊技状態を「非内部中」に移行させる。
<入賞処理手段の説明>
入賞処理手段150は、入賞判定手段140によりいずれかの小役が入賞したと判定されると、図3に示すホッパー駆動回路80によってスロットマシン10の内部に設けられているメダル払出装置82を駆動して、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出すための制御を行う。すなわち、メダル払出装置82が、1枚ずつメダルを払い出すたびに出力する払出信号を計数し、入賞した小役に対応する枚数が排出されたと判断すると、メダル払出装置82の駆動を停止する。
<貯留手段の説明>
貯留手段160は、図1に示したメダル投入口32から投入されたメダルを最大で50枚まで貯留する。すなわち、単位遊技の終了後、メダル投入口32からメダルが投入されたメダルのうち、規定枚数を越えた分のメダルを貯留し、現在貯留しているメダルの枚数を、クレジット数表示器27に表示する。なお、貯留されているメダルの枚数が50枚になっているときに、メダル投入口32にメダルが投入されると、投入されたメダルはそのままメダル排出口60から排出される。また、メダルの投入受付期間中に精算スイッチ38が操作されると、ホッパー駆動回路80によってメダル払出装置82を駆動して、貯留していたメダルをメダル排出口60から排出させる。
<外部信号出力手段の説明>
外部信号出力手段170は、前述したIN信号、OUT信号、MB発生信号、RP発生信号、異常発生信号、スタート信号、および、ART信号を、外部集中端子基板84へ出力する。これらの各信号は、外部集中端子基板84で1つのコネクタにまとめられ、当該コネクタを介して、前述した遊技情報表示装置やホールコンピュータなどと接続される。
≪副制御回路の説明≫
<副制御回路およびその周辺のハードウェア構成>
副制御回路200は、CPU、ROM、RAM、音声や画像を生成するための各種専用IC、および、主制御回路100や演出報知手段500と情報の授受を行うためのインターフェイス回路などによって構成されている。副制御回路200は、主制御回路100の他に、演出報知手段500と電気的に接続されている。演出報知手段500は、図1に示した表示装置70および上部演出ランプ72と、スロットマシン10の下方内部に設けられたスピーカ64L,64Rと、を含んで構成されている。
<副制御回路の機能ブロック>
次に、副制御回路200の機能ブロックについて説明する。副制御回路200は、主に演出制御手段210と、報知遊技制御手段220と、擬似遊技演出報知手段230と、からなっている。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段210は、演出データ記憶手段212と、演出抽選手段214とを有し、演出報知手段500において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出データ記憶手段212は、演出データとして、各種演出を実行するための、画像(動画または静止画)データ、音声、楽音及び効果音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータ等を記憶している。演出抽選手段214は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。そして、演出制御手段210は、演出抽選手段214によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータに基づく各種制御信号を生成し、演出報知手段500へ出力する。
<報知遊技制御手段の説明>
報知遊技制御手段220は、報知期間制御手段222と、操作態様報知手段224と、特典付与手段226とを有し、通常遊技中において、より多くのメダルが獲得可能な遊技者にとって有利な遊技状態となる報知遊技の制御を行う。以下、この報知遊技をART遊技と称する。報知期間制御手段222は、報知遊技の開始および終了を制御する。具体的には、主制御回路100の役抽選手段110による役抽選によって、特殊複合が当選すると(入賞するか否かは不問)ART抽選を行い、当該ART抽選に当選すると、ART遊技を開始させる。また、基本的に、ART遊技が開始してから単位遊技が50回(50ゲーム)行われるとART遊技を終了させるが、ART遊技中の役抽選で特殊複合が当選したときは上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選に当選すると、実施しているART遊技の残りゲーム数に30ゲームを加算(上乗せ)する。
操作態様報知手段224は、報知期間制御手段222によってART遊技が開始されると、主制御回路100の役抽選手段110による役抽選で、複合A〜Cが当選した時に、小役1が入賞する操作順序を遊技者に報知する。この操作順序の報知は、表示装置70に表示される画像や、スピーカ64L,64Rから出力される音声によって行われるが、その他にも、従来と同様の報知手段および報知方法による操作態様の報知が可能である。
特典付与手段226は、主制御回路100から受信した情報に基づいて、擬似遊技演出中に停止表示された図柄組合せに応じて遊技者に特典を付与する。例えば、擬似遊技演出において、入賞ラインL上に所定の図柄組合せが停止表示されたことが主制御回路100から送信されてきた場合は、ART遊技中で無ければ、上述したART抽選と同様の抽選を行い、当選した場合は、擬似遊技演出が終了して通常遊技が再開されたときに、報知遊技制御手段220にART遊技を開始させる。また、ART遊技中であれば、上述した上乗せT抽選と同様の抽選を行い、当選した場合は、報知遊技制御手段220に、ART遊技の残りゲーム数に30ゲームを上乗せさせる。
なお、擬似遊技演出中において、例えば、主制御回路100から図9に示した各リールの対応するリール停止受付コマンドを送信するようにしておき、副制御回路200側において、受信したリール停止受付コマンドに含まれた情報に基づいて、入賞ラインL上に停止表示される図柄組合せを判断するようにしてもよい。
<擬似遊技演出報知手段の説明>
擬似遊技演出報知手段230は、擬似遊技演出中に所定の条件が満たされると、擬似遊技演出が行われていることを報知する。擬似遊技演出中であることを報知する条件としては、例えば、主制御回路100の擬似遊技演出手段130が擬似遊技演出を開始させたとき、擬似遊技演出Aのように所定の図柄組合せを入賞ラインL上に停止させるとき(すなわち、通常遊技中とは異なるリール停止制御が行われるとき)、または、通常とは異なるリール停止制御が行われたとき(例えば、4コマを超える滑りコマ数が生じたとき)、などが挙げられる。なお、擬似遊技演出中であることの報知は、例えば、所定時間が経過するまで、所定の操作(メダル投入口32へのメダルの投入、ベットスイッチ34,35、スタートスイッチ36、ストップスイッチ37L,37C,37R、または、精算スイッチ38の操作)が行われるまで、または、擬似遊技演出が終了するまで、継続して行ってもよい。
また、擬似遊技演出中は、一切、擬似遊技演出中であることの報知を行わず、擬似遊技演出が終了したときに、擬似遊技演出が行われていたことを報知してもよい。さらには、擬似遊技演出中に、所定時間が経過しても遊技者がスロットマシン10に対して何ら操作をしなかったときに、何らかの操作(もしくは所定の操作)を行うように遊技者を促すメッセージなどを表示する(通常遊技中にはそのようなメッセージなどは表示されない)ことによって、擬似遊技演出中であることを報知してもよい。また、擬似遊技演出中に、所定時間が経過しても遊技者がスロットマシン10に対して何ら操作をしなかった場合、擬似遊技演出が終了してしまう場合などは、当該所定時間が経過する前に、何らかの操作(もしくは所定の操作)を行うように遊技者を促すメッセージなどを表示するようにしてもよい。
なお、上述した「所定の操作」は、例えば、擬似遊技演出を進行させるための操作であってもよい。具体的には、擬似遊技演出中にリールが回転している状態で、所定時間が経過したとき、または経過する前であれば、ストップスイッチの操作であり、全リールが停止している状態で、所定時間が経過したとき、または経過する前であれば、スタートスイッチの操作である。
≪主制御回路から副制御回路へ送信される情報の説明≫
次に図9を参照して、1回の単位遊技中に主制御回路100から副制御回路200へ送信される主な情報について説明する。主制御回路100から副制御回路200へ送信される情報は、コマンドという形態で送信される。1つのコマンドは、コマンドの種類を識別するための識別情報と、そのコマンドによって送信する情報の内容を示す送信情報とによって構成されている。副制御回路200は、主制御回路100から受信したコマンドの種類およびコマンドと共に送られて来た情報に基づいて、単位遊技の進行について認識し得るとともに、各種演出に関する処理を行う。
なお、図9に示すコマンドの一覧は、1回の単位遊技が行われるごとに副制御回路200へ送信される主立った情報を示しているが、擬似遊技演出中においても、例えば各種スイッチの操作が行われたときや、リールの回転開始時または停止時などに、通常遊技中と同様のコマンドが送信されるようにしてもよい。また、図9に示すコマンド以外にも、擬似遊技演出中に、副制御回路200において演出や報知に関する制御を行わせる場合は、必要な情報を適宜送信するようにしても良い。
(主なコマンドの内容)
以下に、図9に示す各種コマンドの内容について説明する。
(1)設定値指定コマンド
新たな単位遊技の処理を開始する時に、現在、スロットマシン10にセットされている「設定」の値(設定1〜6のいずれか。図5参照)を送信するためのコマンドである。ここで、「新たな単位遊技の処理を開始する時」とは、後述する単位遊技終了コマンドの送信直後の状態をいう。
(2)遊技状態コマンド
上述した設定値指定コマンドに続いて送信されるコマンドであり、次に行われる単位遊技が、MB遊技、再遊技、または、それらのいずれでもない遊技の、いずれであるかを示す情報を送信する。
(3)RT状態コマンド
上述した遊技状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、現在のRT状態が「非RT」中であるか、「RT」中であるかを示す情報を送信する。
(4)MB獲得可能枚数コマンド
MB遊技中のときに、上述したRT状態コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB遊技の終了条件が成立するまでに獲得することができる残りのメダル枚数を示す情報を送信する。
(5)メダル投入コマンド
ベットスイッチ34,35が操作されたとき、または、メダル投入口32にメダルが投入されたときに、投入されたメダルの枚数を送信するためのコマンドである。ここで、1−ベットスイッチ34が操作されたときは、自動メダル投入(1)コマンドが送信される。また、最大ベットスイッチ35が操作されたときは、MB遊技中は自動メダル投入(2)コマンドが、MB遊技中でなければ自動メダル投入(3)コマンドが送信される。さらに、メダル投入口32にメダルが投入されるごとに、手動メダル投入コマンドが送信される。
(6)スタートスイッチ受付コマンド
スタートスイッチ36の操作が有効なときに、スタートスイッチ36が操作されると送信されるコマンドであり、スタートスイッチ36が操作されたときに投入されていたメダル枚数(2枚または3枚)の値を送信する。
(7)役抽選結果1コマンド
スタートスイッチ36が操作されたことによって役抽選が行われると送信されるコマンドであり、役抽選の結果を示す情報を送信する。ここでは、役抽選によって当選とされた抽選対象(但しMB役を除く)が送信される。すなわち、「再遊技役」、「小役2」、「複合A」、「複合B」、「複合C」または「特殊複合」のいずれかが送信される。また、役抽選の結果いずれの抽選対象も決定されなかった場合(「非RT」中に起こり得る)は、「ハズレ」を示す情報が送信される。さらに、MB遊技中は、役抽選とは無関係に全ての小役が当選とされるため、「全小役当選」を示す情報が送信される。
(8)役抽選結果2コマンド
役抽選結果1コマンドに続いて送信されるコマンドであり、MB役が当選している状態になっているか否かを送信する。ここで、内部中は単位遊技が行われる毎に、MB役が当選していることが送信される。
(9)回転待機終了コマンド
役抽選結果2コマンドの送信後、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから4.1秒が経過すると、送信されるコマンドである。なお、役抽選結果2コマンドを送信したときに、既に4.1秒が経過していたときは、直ちに回転待機終了コマンドが送信される。
(10)回転開始コマンド
回転待機終了コマンドに続いて送信されるコマンドであり、左リール40Lが回転を開始したときに左リール回転開始コマンドが送信され、中リール40Cが回転を開始したときに中リール回転開始コマンドが送信され,右リール40Rが回転を開始したときに右リール回転開始コマンドが送信される。
(11)リール停止受付コマンド
回転中のリールに対応するストップスイッチが操作されると、操作されたストップスイッチに応じて、左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンド、または、右リール停止受付コマンドが送信される。また、各リール停止受付コマンドが送信される際に、併せて、対応するリールに対する停止制御について、入賞ラインL上に停止させる予定の図柄番号(以下、停止図柄番号という。)を示す情報と、滑りコマ数を示す情報とが送信される。
(12)リール停止コマンド
送信されたリール停止受付コマンドに対応するリールが、回転を停止したときに送信されるコマンドである。
(13)作動図柄コマンド
全リールの回転が停止し、入賞判定が行われると送信されるコマンドであり、入賞判定の結果、入賞した役を示す情報を送信する。また、入賞した役がなかった場合は、その旨を示す情報が送信される。
(14)メダル払出開始コマンド
作動図柄コマンドに続いて送信されるコマンドであり、小役が入賞した場合は、そのときの遊技状態(MB遊技中か否か)に応じた払出枚数を示す情報を送信する。また、MB役もしくは再遊技役が入賞したとき、または、いずれの役も入賞しなかったときは、払出枚数が0枚であることを示す情報を送信する。
(15)メダル払出終了コマンド
単位遊技の結果、小役が入賞したことによってメダルが払い出され、当該メダルの払い出しが終了したときに送信されるコマンドである。
(16)MB遊技終了コマンド
MB遊技中にメダル払出終了コマンドが送信された後に送信されるコマンドであり、小役が入賞したことによりメダルが払い出された結果、MB遊技の終了条件が満たされたときに送信されるコマンドである。
(17)単位遊技終了コマンド
1回の単位遊技で行うべき処理が全て終了したときに送信されるコマンドである。
(18)擬似遊技演出開始コマンド
前述した役抽選結果2コマンドが送信された後に行われる擬似遊技演出処理(後述する)において、図7に示した擬似遊技演出抽選テーブルに基づく抽選の結果、擬似遊技演出を開始することが決定されたときに送信されるコマンドである。
(19)擬似遊技演出終了コマンド
上述した擬似遊技演出処理において、擬似遊技演出が終了したときに送信されるコマンドである。
[制御回路で行われる各種処理の説明]
次に、上述した制御回路によって行われる各種の制御について、フローチャートを参照して説明する。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
まず、主制御回路100において実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図10のフローチャートを用いながら説明する。
まず、スロットマシン10の電源を投入すると、主制御回路100は、スロットマシン10の内部に設けられている各種スイッチにおいて、「設定」の値を変更するための操作がなされているか否かを判断し、「設定」の値を変更するための操作がなされている場合は、その後の操作に応じて現在の「設定」を変更する電源投入処理を行う(ステップS10)。次に、主制御回路100は、スロットマシン10に設定されている設定値(1〜6のいずれか)の情報を含んだ設定値指定コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS12)。そして、これから行う単位遊技がBB遊技または再遊技であれば、そのいずれであるのかを示す情報を含んだ遊技状態コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS14)。さらに、現在のRT状態が、非RT中であるのか、RT中であるのかを示す情報を含んだRT状態コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS16)。
次に、主制御回路100は、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断し(ステップS18)、MB遊技中である(YES)と判断したときは、MB遊技の終了条件が成立するまでの残りメダル枚数を含むMB獲得可能枚数コマンドを副制御回路200に対して送信する(ステップS20)。主制御回路100が、ステップS20の処理を行うと、または、ステップS18の判断処理でMB遊技中ではない(NO)と判断したときは直ちに、次に行う単位遊技が再遊技であるか否かを判断する(ステップS22)。主制御回路100が次に行う単位遊技が再遊技である(YES)と判断したときは、規定枚数が2枚となるMB遊技中には再遊技役が入賞しないことから、副制御回路200に対して自動メダル投入(3)コマンドを送信する(ステップS24)。
主制御回路100がステップS24の処理を行うと、または、ステップS22の判断処理で次に行う単位遊技が再遊技でない(NO)と判断したときは直ちに、遊技者によってメダルの投入操作(ベットスイッチの操作またはメダル投入口へのメダルの投入)が行われた否かを判断する(ステップS26)。メダルの投入操作が行われた(YES)と判断したときは、主制御回路100は、再度、次に行う単位遊技が再遊技であるか否かを判断する(ステップS28)。そして、次に行う単位遊技が再遊技では無い(NO)と判断したときは、1−ベットスイッチ34または最大ベットスイッチ35が操作されたか否かを判断する(ステップS30)。主制御回路100が、いずれかのベットスイッチが操作された(YES)と判断したときは、操作されたベットスイッチの種類と、現在の遊技状態に応じて自動メダル投入(1)〜(3)コマンドのいずれかを副制御回路200へ送信する(ステップS32)。
一方、ステップS30の判断処理で、主制御回路100がいずれのベットスイッチも操作されなかった(NO)と判断したときは、メダル投入口32にメダルが投入されたか否かを判断する(ステップS34)。そして、メダルが投入された(YES)と判断したときは、副制御回路200に対して手動メダル投入コマンドを送信する(ステップS36)。なお、このときスロットマシン10に投入されているメダルの枚数が、規定枚数に到達していたときは、投入されたメダルの枚数を、記憶しているクレジット数(貯留枚数)に加算する。次に、主制御回路100は、ステップS32またはS36の処理が終了すると、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達したか否かを判断する(ステップS38)。なお、ステップS26の判断処理で、メダルの投入操作が行われなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS38の判断処理へ移行する。
ステップS38の判断処理で、主制御回路100が、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達していない(NO)と判断したときは、前述したステップS26の判断処理へ戻る。これに対して、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達した(YES)と判断したときは、次にスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS40)。ここで、ステップS22およびS28で、次に行う単位遊技が再遊技である(YES)と判断された時は、ステップS38の判断結果はYESとなる。そして、ステップS40の判断処理で、主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS26の判断処理に戻る。このように、投入されたメダルの枚数が規定枚数に達し、かつ、スタートスイッチ36が操作されるまで、ステップS26〜S36のメダル投入処理が繰り返し行われる。
ステップS40の判断処理で、主制御回路100が、スタートスイッチ36が操作されたと判断したときは、判断結果がYESとなって、副制御回路200へスタートスイッチ受付コマンドを送信する(ステップS42)。次に、主制御回路100は、役抽選処理を行う(ステップS44)。すなわち、現在の遊技状態が非内部中または内部中であれば、図5に示した役抽選テーブルに基づいて役抽選を行う。また、MB遊技中であれば、全ての小役を当選した状態とする。さらに、遊技状態が「非内部中」であるときに、MB役が当選したときは、遊技状態を「内部中」に更新する。この役抽選処理を終えると、主制御回路100は、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを、副制御回路200へ送信する(ステップS46)。
次に主制御回路100は、図7に示した疑似遊技演出抽選テーブルに基づいて、疑似遊技演出を行うか否かを決定し、疑似遊技演出を行うことを決定したときは、図8に示した内容の疑似遊技演出を行う、疑似遊技演出処理を行う(ステップS48)。この疑似遊技演出処理の内容については、図11〜図17を参照して後に詳しく説明する。
ステップS48の疑似遊技演出処理を終えると、主制御回路100は、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから、4.1秒が経過したか否かを判断する(ステップS50)。そして、4.1秒が経過していない(NO)と判断したときは、4.1秒が経過するまで待機状態となり、4.1秒が経過した(YES)と判断すると、回転待機終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS52)。次に、主制御回路100は、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させるためのリール回転制御を開始し(ステップS54)、次いで副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップS56)。
なお、主制御回路100は、ステップS48の疑似遊技演出処理によって、疑似遊技演出を実行したときは、ステップS54のリール回転制御処理において、リール40L,40C,40Rの回転を開始するタイミングを、各々ランダムに遅延させる。これにより、リール40L,40C,40Rを用いる疑似遊技演出を行ったことによって、当該疑似遊技演出を行わなかった場合に比べて、例えば遊技者の目押しが有利になる、といったことを避けることができる。なお、疑似遊技演出を行った後は、再びリール40L,40C,40Rの回転を開始する際に、一旦、前回の単位遊技で表示窓22に停止表示された図柄に戻してから、各リールを一斉に回転させるようにしてもよい。また、各リールの回転を、各々ランダムに遅延させる場合と、前回の単位遊技の停止表示図柄に一旦戻してから一斉に回転させる場合とを、適宜切り替えて回転させてもよい。
次に主制御回路100は、リール回転速度が所定の定常回転速度(例えば、約80回転/分)に達したことにより、ストップスイッチの操作を受け付けることができる状態になると、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS58)。そして、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS60)。これにより、副制御回路200では、各リール停止受付コマンドの受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
ステップS60の処理を行うと、主制御回路100は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、役抽選の結果と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに基づいてリール停止制御を行う(ステップS62)。なお、このリール停止制御の内容は、図3に示したリール制御手段122によるリール停止制御について説明した通りである。そして、リール停止制御を行ったことによりリールが停止すると、主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信する(ステップS64)。次に主制御回路100は、全てのリールが停止したか否かを判断し(ステップS66)、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップS58の処理へ戻る。これに対して、全てのリールが停止した(YES)と判断したときは、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う(ステップS68)。このとき、MB役が入賞したと判定した場合は、遊技状態を「内部中」から「MB遊技」に更新する。
これにより主制御回路100は、何らかの役が入賞したと判定したときは、その入賞役の種類を、また、いずれの役も入賞しなかったと判定したときは、その旨を示す情報を、作動図柄コマンドによって副制御回路200へ送信する(ステップS70)。次に主制御回路100は、入賞判定の結果に応じて払い出すメダルの枚数(0〜5枚)の情報を含むメダル払出開始コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS72)。ここで、入賞判定によっていずれの役も入賞しなかったと判定されたときは、メダル払出開始コマンドによって送信される払い出しメダルの枚数は0枚となる。
次に主制御回路100は、入賞判定の結果、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS74)。そして、いずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、図3に示したホッパー駆動回路80を制御してメダル払出装置82を駆動し、入賞した小役に対応する払出枚数(図4参照)のメダルを払い出す(ステップS76)。そして、メダルの払い出し終えると、主制御回路100は、メダル払出終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS78)、MB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS80)。現在の遊技状態が「MB遊技」中であり、当該MB遊技中におけるメダルの払出枚数が18枚を超えた(YES)と判断すると、主制御回路100は、MB遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップS82)、ついで単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップS84)。
これに対して、ステップS80の判断処理で、現在の遊技状態が「MB遊技」中ではないとき、または、「MB遊技」中であっても払出枚数が18枚を超えていないときは、判断結果がNOとなって、直ちにステップS84の処理へ移行し、単位遊技終了コマンドのみを副制御回路200へ送信する。そして、単位遊技終了コマンドを副制御回路200へ送信すると、再びステップS12の処理へ戻り、次の単位遊技を行うための処理を開始する。以下、ステップS12〜S84の処理を繰り返し行うことにより、遊技者は単位遊技を継続して繰り返し行うことができる。
<疑似遊技演出処理の説明>
次に、図10のステップS48に示した疑似遊技演出処理の詳細な内容について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。主制御回路100(より厳密には擬似遊技演出手段130)は、図10のステップS48の処理へ進むと、図11の疑似遊技演出処理を開始し、現在の遊技状態が「MB遊技」中であるか否かを判断する(ステップS100)。そして、「MB遊技」中である(YES)と判断したときは図11の疑似遊技演出処理を終了し、図10のステップS50の判断処理へ移行する。これに対して「MB遊技」中ではなかったとき、すなわち、「非内部中」または「内部中」であったときは、判断結果がNOとなり、主制御回路100は乱数発生器から、乱数RND(0〜31のいずれかの整数)を抽出する(ステップS102)。
次に主制御回路100は、抽出した乱数RNDの値が「3」未満、すなわち「2」以下であるか否かを判断する(ステップS100)。乱数RNDの値が「3」以上である(NO)と判断したときは、図11の疑似遊技演出処理を終了し、図10のステップS50の判断処理へ移行する。これに対して乱数RNDの値が「2」以下である(YES)と判断したときは、次に現在の疑似遊技演出番号PD(図4参照)が「4」または「5」であるか否かを判断する(ステップS106)。そして、疑似遊技演出番号PDが「4」または「5」ではない(NO)と判断したときは、ステップS102で抽出した乱数RNDの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS108)、乱数RNDの値が「0」である(YES)と判断したときは、現在の疑似遊技演出番号PDを「1」に更新する(ステップS110)。
これに対して、乱数RNDの値が「0」でない(NO)と判断したときは、次に主制御回路100は、乱数RNDの値が「1」であるか否かを判断し(ステップS112)、乱数RNDの値が「1」である(YES)と判断したときは、現在の疑似遊技演出番号PDを「2」に更新する(ステップS114)。また、ステップS112の判断処理で、乱数RNDの値が「1」ではない(NO)と判断したときは、さらに乱数RNDの値が「2」であるか否かを判断し(ステップS116)、乱数RNDの値が「2」である(YES)と判断したときは、現在の疑似遊技演出番号PDを「3」に更新する(ステップS118)。なお、ステップS116の判断処理で、ステップS102で抽出した乱数RNDの値が「2」ではない(NO)と判断したときは、図11の疑似遊技演出処理を終了し、図10のステップS50の判断処理へ移行する。
上述したステップS106で、現在の疑似遊技演出番号PDが「4」もしくは「5」と判断したとき、または、ステップS110、S114またはS118の処理によって、疑似遊技演出番号PDが「1」〜「3」のいずれかに更新された場合、主制御回路100は、疑似遊技演出フラグF_PDを「1」にセットする(ステップS120)。そして、副制御回路200へ疑似遊技演出開始コマンドを送信し(ステップS122)、疑似遊技演出制御処理を開始する(ステップS124)。この疑似遊技演出制御処理の内容については、後に詳しく説明する。疑似遊技演出制御処理を終えると、主制御回路100は、副制御回路200へ疑似遊技演出終了コマンドを送信し(ステップS126)、疑似遊技演出フラグF_PDを「0」にリセットしてから(ステップS128)、図11の疑似遊技演出処理を終了し、図10のステップS50の判断処理へ移行する。
<疑似遊技演出制御処理の説明>
次に、図11のステップS124に示した疑似遊技演出制御処理の詳細な内容について、図12〜図16のフローチャートを参照しつつ説明する。主制御回路100は、図11のステップS124の処理へ進むと、図12の疑似遊技演出制御処理を開始し、無操作許容時間WTの値を「20」にセットする(ステップS130)。ここで、無操作許容時間WTは主制御回路100のRAMなどに記憶されている変数であり、擬似遊技演出中に遊技者が操作を行うことができる許容時間を示している。後述するように、無操作許容時間WTの値は、後述する割込処理である計時処理によって1秒間に「1」ずつ減少していき、「0」になると制御回路100は擬似遊技演出を強制的に終了させる。したがって、無操作許容時間WTの値が「20」ということは、20秒後に擬似遊技演出が終了することを示している。
次に主制御回路100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始させる(ステップS132)。ここで、主制御回路100は、単位遊技中における回転速度(約毎分80回転)よりも速い回転速度(例えば毎分90回転)となるように、リール40L,40C,40Rを加速させる。なお、これに限らず、単位遊技中における回転速度よりも遅い速度回転させる、単位遊技中とは異なる方向にリールを回転させる、各リールの回転を開始させるタイミングを任意に、または、遊技状態や役抽選の結果などに応じて変更する等、単位遊技中とは異なる回転制御を行っても良い。また、これらの回転制御を、擬似遊技演出の実行毎に適宜切り替えても良い。さらに、単位遊技中におけるリール回転制御と、同じ加速度および回転速度で定速回転させても良い。
次に主制御回路100は、現在の擬似遊技演出番号PDが「4」未満であるか否かを判断する(ステップS130)。換言すると、擬似遊技演出Aを行うべきであるか否かを判断する(図7参照)。主制御回路100は、擬似遊技演出番号PDが「4」未満である(YES)と判断したときは、図8(a)に示した擬似遊技演出Aを行うための制御を開始する。
(A)擬似遊技演出Aを行うための制御
まず、主制御回路100は、ステップS132の処理によって全リールの回転を開始させた後、一定の回転速度になると、遊技者によりいずれかのストップスイッチに対して最初の操作(第1停止操作)が行われたか否かを判断し(ステップS136)、第1停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS138)。そして、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、後述する許容時間を超過したときの処理(許容時間超過処理)を行う。また、無操作許容時間WTの値が「0」になっていない(NO)と主制御回路100が判断したときは、ステップS136の判断処理に戻る。以下、遊技者によって第1停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS136およびS138の判断処理が繰り返し行われる。
そして、主制御回路100が、遊技者によって第1停止操作が行われたと判断したときは、ステップS136の判断結果がYESとなり、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直す(ステップS140)。そして、第1停止操作がされたのは、左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断し(ステップS142)、左ストップスイッチ37Lである(YES)と主制御回路100が判断したときは、擬似遊技演出Aにおいて、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだった場合のリール停止制御および擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。
(A−1)第1停止操作が左ストップスイッチだったときの制御
(a)リール停止制御
ステップS142の判断処理において、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作された(YES)と、主制御回路100が判断したときは、左リール40Lの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置(基準位置からの角度)を認識しつつ、図柄番号「0」の「ベル」図柄が入賞ラインLの位置(中段Mの位置)で停止するように、左リール40Lを回動させてから停止させる(ステップS144)。そして、主制御回路100は、遊技者により中または右ストップスイッチのいずれかに対して2番目の操作(第2停止操作)が行われたか否かを判断し(ステップS146)、第2停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS148)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第2停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS146およびS148の判断処理を繰り返し行う。
主制御回路100が、遊技者によって第2停止操作が行われたと判断すると、ステップS146の判断結果がYESとなり、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直す(ステップS150)。そして、第2停止操作が行われたのは、中ストップスイッチ37Cに対してであるか否かを判断する(ステップS152)。中ストップスイッチ37Cである(YES)と主制御回路100が判断したときは、単位遊技中と同様に、中リール40Cの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置を認識しつつ、図柄番号「0」の「ブランク」図柄が入賞ラインLの位置で停止するように、中リール40Cを回動させてから停止させる(ステップS154)。なお、この第2停止操作によって、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、左→中→右であることが確定する。
次いで主制御回路100は、遊技者により右ストップスイッチ37Rに対して3番目の操作(第3停止操作)が行われたか否かを判断し(ステップS156)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS158)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS156およびS158の判断処理を繰り返し行う。そして、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、ステップS156の判断結果がYESとなり、右リール40Rの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置を認識しつつ、図柄番号「0」の「ベル」図柄が入賞ラインLの位置で停止するように、右リール40Rを回動させてから停止させる(ステップS160)。
前述したステップS152の判断処理で、主制御回路100が、第2停止操作されたのは中ストップスイッチ37Cでは無かった(NO)と判断したときは、右ストップスイッチ37Rが第2停止操作されたこととなり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、左→右→中であることが確定する。この場合、主制御回路100はステップS160の処理と同様にして右リール40Rにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS162)。
次いで主制御回路100は、遊技者により中ストップスイッチ37Cに対して第3停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS164)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS166)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS164およびS166の判断処理を繰り返し行う。そして、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、ステップS164の判断結果がYESとなり、ステップS154の処理と同様にして中リール40Cにおける図柄番号「0」の「ブランク」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS168)。
(b)擬似遊技演出番号PDの更新処理
上述したステップS160またはS168のリール停止制御を行ったことにより、全てのリールが停止すると、主制御回路100は、擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。まず、現在の擬似遊技番号PDが「1」(擬似遊技演出Aの遷移パターン1)であるか否かを判断し(ステップS170)、擬似遊技番号PDが「1」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、擬似遊技番号PDを「4」に更新する(ステップS172)。また、ステップS170の判断処理で、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「1」ではない(NO)と判断したときは、次に、現在の擬似遊技番号PDが「3」(擬似遊技演出Aの遷移パターン3)であるか否かを判断する(ステップS174)。そして、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「3」である(YES)と判断したときは、擬似遊技番号PDを「5」に更新し(ステップS176)、「3」ではない(すなわち、PD=2(擬似遊技演出Aの遷移パターン2))と判断したときは、擬似遊技番号PDを「0」に更新する(ステップS178)。
以上の処理によって擬似遊技演出番号PDを更新すると、主制御回路100は、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直し(ステップS180)、ベットスイッチ34,35のいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS182)。そして、ベットスイッチ34,35のいずれも操作されていない(NO)と、主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS184)、ベットスイッチ34,35のいずれかが操作されるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS182およびS184の判断処理を繰り返し行う。
また、ステップS182の判断処理で、主制御回路100が、ベットスイッチ34,35のいずれかが操作された(YES)と判断したときは、図1に示したベット数表示ランプ26a〜26cを操作されたベットスイッチの種類に応じて点灯させる(但し、クレジット数表示器27の表示は更新しない)。そして、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直し(ステップS186)、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS188)。スタートスイッチ36が操作されていない(NO)と、主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS190)、以下、スタートスイッチ36が操作されるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS188およびS190の判断処理を繰り返し行う。
主制御回路100が、ステップS188の判断処理でスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したとき、もしくは、ステップS184またはS190において、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と判断したときは、次いで、擬似遊技演出番号PDが「4」未満であるか否かを判断する(ステップS192)。そして、擬似遊技演出番号PDが「4」未満である(YES)と主制御回路100が判断したときは、クリア処理を行ってから(ステップS194)、図12に示した擬似遊技演出制御処理を終了し、図11のステップS126の処理へ移行する。これにより、ステップS178の処理によって擬似遊技演出番号PDが「0」に更新されたときは、擬似遊技演出が終了することになる。また、ステップS192の判断処理において、擬似遊技演出番号PDが「4」以上であったときは、再度、擬似遊技演出を行うために、ステップS130の処理へ移行する。
なお、ステップS194のクリア処理は、擬似遊技演出を終了して、単位遊技を再開させるための処理であり、ここでは、図10のステップS54におけるリール回転制御において、例えば、リール40L,40C,40Rの回転を開始するタイミングを、各々ランダムに遅延させるための時間を決定するといった処理を行うものとする。
(c)許容時間超過処理
前述したステップS138、S148、S158またはS166において、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と判断されたとき、すなわち、全リールが停止する前に、遊技者による操作が何ら行われることなく無操作許容時間(20秒間)が経過すると、主制御回路100は、許容時間超過処理を行う。すなわち、上述した各ステップで、無操作許容時間WTの値が「0」になったと判断したときは、図12のステップS196の処理へ移行して、未だ回転中のリールについて、現在のリールの回転角度を認識しつつ、各リールの図柄番号「0」の図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの自動停止制御を行う。
ここで、既に停止しているリールについては、現状の停止位置を維持してもよいし、回転中のリールに合わせて図柄番号「0」の図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの再回転および停止制御を行っても良い。また、未だ回転中のリールが複数ある場合は、予め定められた順番でリールを停止させてもよいし、乱数抽選により、または、遊技状態や役抽選の結果に応じて、リールの停止順序を適宜定めてもよい。さらに、リールを自動停止させるときに停止表示させる図柄についても、予め定められたものに限らず、乱数抽選により、または、遊技状態や役抽選の結果に応じて適宜定めた図柄を停止表示させてもよい。
(A−2)第1停止操作が中ストップスイッチだったときの制御
次に、前述したステップS142の判断処理において、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lに対して行われなかった(NO)と、主制御回路100が判断したときは、図13に示すフローチャートへ移行し、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cに対して行われたか否かを判断する(ステップS200)。そして、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cに対して行われた(YES)と、主制御回路100が判断したときは、擬似遊技演出Aにおいて、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cだった場合のリール停止制御および擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。
(a)リール停止制御
図13のステップS200の判断処理において、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作された(YES)と、主制御回路100が判断したときは、図12のステップS154およびS168の処理と同様にして中リール40Cにおける図柄番号「0」の「ブランク」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS168)。次に、主制御回路100は、遊技者により左または右ストップスイッチのいずれかに対して第2停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS204)、第2停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS206)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第2停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS204およびS206の判断処理を繰り返し行う。
主制御回路100が、遊技者によって第2停止操作が行われたと判断すると、ステップS204の判断結果がYESとなり、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直す(ステップS208)。そして、第2停止操作が行われたのは、左ストップスイッチ37Lに対してであるか否かを判断する(ステップS210)。左ストップスイッチ37Lである(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS144の処理と同様にして左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS212)。なお、この第2停止操作によって、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、中→左→右であることが確定する。
次いで主制御回路100は、遊技者により右ストップスイッチ37Rに対して第3停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS214)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS216)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS214およびS216の判断処理を繰り返し行う。そして、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、ステップS214の判断結果がYESとなり、図12のステップ160およびS162の処理と同様にして、右リール40Rの図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインLの位置で停止させる(ステップS218)。
また、前述したステップS210の判断処理で、主制御回路100が、第2停止操作されたのは左ストップスイッチ37Lでは無かった(NO)と判断したときは、右ストップスイッチ37Rが第2停止操作されたこととなり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、中→右→左であることが確定する。この場合、主制御回路100はステップS218の処理と同様にして右リール40Rにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS220)。
次いで主制御回路100は、遊技者により左ストップスイッチ37Lに対して第3停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS222)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS224)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS222およびS224の判断処理を繰り返し行う。そして、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、ステップS222の判断結果がYESとなり、ステップS212の処理と同様にして左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS226)。
(b)擬似遊技演出番号PDの更新処理
上述したステップS218またはS226のリール停止制御を行ったことにより、全てのリールが停止すると、主制御回路100は、擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。まず、現在の擬似遊技番号PDが「2」(擬似遊技演出Aの遷移パターン2)であるか否かを判断し(ステップS228)、擬似遊技番号PDが「2」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、擬似遊技番号PDを「4」に更新する(ステップS230)。また、ステップS228の判断処理で、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「2」ではない(NO)と判断したときは、次に、現在の擬似遊技番号PDが「1」(擬似遊技演出Aの遷移パターン1)であるか否かを判断する(ステップS232)。そして、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「1」である(YES)と判断したときは、擬似遊技番号PDを「5」に更新する(ステップS234)。以上の処理によって擬似遊技演出番号PDを更新すると、主制御回路100は、図12のステップS180以降の処理へ進み、次の擬似遊技演出を行うための処理を行う。
また、ステップS232の判断処理で、現在の擬似遊技番号PDは「1」ではない(すなわち、PD=3(擬似遊技演出Aの遷移パターン3))と判断したときは、図12のステップS178の処理へ移行し、擬似遊技番号PDを「0」に更新する。これにより、図12のステップS192の判断結果がYESとなって、擬似遊技演出が終了することになる。
(c)許容時間超過処理
上述した図13のステップS206、S216およびS224の判断処理で、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS196の処理へ移行して、未だ回転中のリールについて、各リールの図柄番号「0」の図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの自動停止制御を行う。そして、図12のステップS178以降の処理を行って、擬似遊技演出を終了する。
(A−3)第1停止操作が右ストップスイッチだったときの制御
次に、前述したステップS200の判断処理において、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cに対して行われなかった(NO)と、主制御回路100が判断したときは、第1停止操作が右ストップスイッチ37Rに対して行われたことになる。これにより、主制御回路100は、図14に示すフローチャートへ移行し、第1停止操作が右ストップスイッチ37Rに対して行われたときのリール停止制御および擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。
(a)リール停止制御
図14に示すフローチャートにおいて、まず、主制御回路100は、図12のステップS160およびS162等の処理と同様にして右リール40Rにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS240)。次に、主制御回路100は、遊技者により左または中ストップスイッチのいずれかに対して第2停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS242)、第2停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS244)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第2停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS242およびS244の判断処理を繰り返し行う。
ステップS242において、主制御回路100が、遊技者によって第2停止操作が行われたと判断すると、ステップS242の判断結果がYESとなり、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直す(ステップS246)。そして、第2停止操作が行われたのは、左ストップスイッチ37Lに対してであるか否かを判断する(ステップS248)。左ストップスイッチ37Lである(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS144等の処理と同様にして左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS250)。なお、この第2停止操作によって、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、右→左→中であることが確定する。
次いで主制御回路100は、遊技者により中ストップスイッチ37Cに対して第3停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS252)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS254)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS252およびS254の判断処理を繰り返し行う。そして、ステップS252において、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、判断結果がYESとなり、図12のステップ154およびS168等の処理と同様にして、中リール40Cの図柄番号「0」の「ブランク」図柄を入賞ラインLの位置で停止させる(ステップS256)。
また、前述したステップS248の判断処理で、主制御回路100が、第2停止操作されたのは左ストップスイッチ37Lでは無かった(NO)と判断したときは、中ストップスイッチ37Cが第2停止操作されたこととなり、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が、右→中→左であることが確定する。この場合、主制御回路100はステップS256の処理と同様にして中リール40Cにおける図柄番号「0」の「ブランク」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS258)。
次いで主制御回路100は、遊技者により左ストップスイッチ37Lに対して第3停止操作が行われたか否かを判断し(ステップS260)、第3停止操作が行われていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS262)。以下、主制御回路100は、遊技者によって第3停止操作が行われるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS260およびS262の判断処理を繰り返し行う。そして、主制御回路100が、第3停止操作が行われたと判断すると、ステップS260の判断結果がYESとなり、ステップS250の処理と同様にして左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップS266)。
(b)擬似遊技演出番号PDの更新処理
上述したステップS256またはS264のリール停止制御を行ったことにより、全てのリールが停止すると、主制御回路100は、擬似遊技演出番号PDの更新処理を行う。まず、現在の擬似遊技番号PDが「3」(擬似遊技演出Aの遷移パターン3)であるか否かを判断し(ステップS266)、擬似遊技番号PDが「3」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、擬似遊技番号PDを「4」に更新する(ステップS268)。また、ステップS266の判断処理で、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「3」ではない(NO)と判断したときは、次に、現在の擬似遊技番号PDが「2」(擬似遊技演出Aの遷移パターン2)であるか否かを判断する(ステップS270)。そして、主制御回路100が、現在の擬似遊技番号PDは「2」である(YES)と判断したときは、擬似遊技番号PDを「5」に更新する(ステップS272)。以上の処理によって擬似遊技演出番号PDを更新すると、主制御回路100は、図12のステップS180以降の処理へ進み、次の擬似遊技演出を行うための処理を行う。
また、ステップS270の判断処理で、現在の擬似遊技番号PDは「2」ではない(すなわち、PD=1(擬似遊技演出Aの遷移パターン1))と判断したときは、図12のステップS178の処理へ移行し、擬似遊技番号PDを「0」に更新する。これにより、図12のステップS192の判断結果がYESとなって、擬似遊技演出が終了することになる。
(c)許容時間超過処理
上述した図14のステップS244、S254およびS262の判断処理で、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS196の処理へ移行して、未だ回転中のリールについて、各リールの図柄番号「0」の図柄が入賞ラインL上に停止表示されるように、リールの自動停止制御を行う。そして、図12のステップS178以降の処理を行って、擬似遊技演出を終了する。
(B)擬似遊技演出BまたはCを行うための制御
図12のステップS134の判断処理において、主制御回路100が、現在の擬似遊技演出番号PDが「4」以上である(NO)と判断したときは、図15に示すフローチャートの処理を開始する。この図に示すフローチャートは、図8(b)および(c)に示した擬似遊技演出BおよびCを行うための処理の内容を示すものであって、特に、左または中ストップスイッチが第1停止操作されたときのための処理を示している。
(B−1)左または中ストップスイッチが第1停止操作された場合
図15に示すフローチャートにおいて、まず、主制御回路100は、操作回数xの値を「0」にクリアする(ステップS280)。ここで、操作回数xは主制御回路100のRAMなどに記憶されている変数であり、擬似遊技演出が開始され、リール40L,40C,40Rが回転を開始した後に、遊技者によってストップスイッチが操作された回数を示している。次に主制御回路100は、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップS282)。そして、いずれのストップスイッチも操作されなかった(NO)と、主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS284)。
以下、主制御回路100は、遊技者によっていずれかのストップスイッチが操作されるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS282およびS284の判断処理を繰り返し行う。そして、ステップS284の判断処理において、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS196の処理へ移行して、前述した「許容時間超過処理」を行う。
一方、ステップS282の判断処理において、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と主制御回路100が判断したときは、操作回数xの値に「1」を加算し(ステップS286)、遊技者によって操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ37Lであったか否かを判断する(ステップS288)。そして、左ストップスイッチ37Lが操作された(YES)と、主制御回路100が判断したときは、現在の擬似遊技番号PDが「4」(すなわち、擬似遊技演出B)であるか否かを判断する(ステップS288)。そして、現在の擬似遊技番号PDが「4」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、左リール40Lにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、左リール40Lを停止させる(ステップS292)。
これに対して、現在の擬似遊技番号PDが「4」ではない、すなわち「5」(擬似遊技演出C)である(NO)と主制御回路100が判断したときは、左リール40Lにおける図柄番号「18」の「黒バー」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、左リール40Lを停止させる(ステップS294)。ここで、主制御回路100が、ステップS292およびS294によるリール停止制御を行う際は、単位遊技中と同様に、左リール40Lの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置を認識しつつ、図柄番号「7」の「赤セブン」図柄または図柄番号「18」の「黒バー」図柄が入賞ラインLの位置で停止するように、左リール40Lの回転を停止させる。
ステップS292またはS294の処理によるリール停止制御を行うと、主制御回路100は、操作回数xの値が「3」であるか否かを判断する(ステップS296)。そして、左ストップスイッチ37Lに対する操作が第3停止操作であった場合は、ステップS296の判断結果がYESとなり、図12のステップS178の処理に移行し、擬似遊技番号PDの値を「0」にして、以下、擬似遊技演出を終了するための処理を行う。これに対して、左ストップスイッチ37Lに対する操作は第3停止操作ではない(NO)と主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値を再び「20」にセットしてから(ステップS298)ステップS282の処理へ戻る。
次に、ステップS288の判断処理において、操作されたストップスイッチは左ストップスイッチ37Lでない(NO)、と主制御回路100が判断したときは、次に、中ストップスイッチ37Cが操作されたか否かを判断する(ステップS300)。そして、中ストップスイッチ37Cが操作された(YES)と、主制御回路100が判断したときは、現在の擬似遊技番号PDが「4」であるか否かを判断する(ステップS302)。そして、現在の擬似遊技番号PDが「4」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、中リール40Cにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、中リール40Cを停止させる(ステップS304)。
これに対して、現在の擬似遊技番号PDが「4」ではない、すなわち「5」である(NO)と主制御回路100が判断したときは、中リール40Cにおける図柄番号「17」の「黒バー」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、中リール40Cを停止させる(ステップS306)。なお、ステップS304およびS306によるリール停止制御を行う際も、単位遊技中と同様に、中リール40Cの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置を認識しつつ、図柄番号「7」の「赤セブン」図柄または図柄番号「17」の「黒バー」図柄が入賞ラインLの位置で停止するように、中リール40Cの回転を停止させる。
ステップS304およびS306の処理によるリール停止制御を行うと、主制御回路100は、ステップS296の処理へ移行して、中ストップスイッチ37Cに対する操作が第3停止操作であったか否かを判断する。そして、第3停止操作だった場合は、ステップS296の判断結果がYESとなり、図12のステップS178の処理に移行し、擬似遊技番号PDの値を「0」にして、以下、擬似遊技演出を終了するための処理を行う。これに対して、中ストップスイッチ37Cに対する操作は第3停止操作ではない(NO)と主制御回路100が判断したときは、ステップS298の処理を行った後、ステップS282の処理へ戻る。
次に、ステップS300の判断処理において、操作されたストップスイッチは中ストップスイッチ37Cでない(NO)と、主制御回路100が判断したときは、次に操作回数xの値が「1」であるか否かを判断する(ステップS308)。ここで、ステップS308がYESと判断された場合は、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたことを意味する。すなわち、右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、ステップS288およびS300の判断結果が必ずNOとなり、ステップS308の判断結果がYESとなる。この場合、主制御回路100は、擬似遊技演出BまたはCにおいて右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときの処理として、それ以降の処理は図16に示すフローチャートに従って行う。よって、図15に示すフローチャートは、擬似遊技演出BまたはCにおいて、左または中ストップスイッチが第1停止操作されたときの処理を示しているといえる。
ステップS308の判断処理において、操作回数xの値が「1」ではない(NO)と主制御回路100が判断したとき、すなわち、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されていた場合、主制御回路100は、現在の擬似遊技番号PDが「4」であるか否かを判断する(ステップS310)。そして、現在の擬似遊技番号PDが「4」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、右リール40Rにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、右リール40Rを停止させる(ステップS312)。
これに対して、現在の擬似遊技番号PDが「4」ではない、すなわち「5」である(NO)と主制御回路100が判断したときは、右リール40Rにおける図柄番号「17」の「黒バー」図柄が、入賞ラインL上に停止するように、右リール40Rを停止させる(ステップS314)。なお、ステップS312およびS314によるリール停止制御を行う際も、単位遊技中と同様に、右リール40Rの基準位置からのステップ数に基づいて現在の回転位置を認識しつつ、図柄番号「7」の「赤セブン」図柄または図柄番号「17」の「黒バー」図柄が入賞ラインLの位置で停止するように、右リール40Rの回転を停止させる。
ステップS312またはS314の処理によるリール停止制御を行うと、主制御回路100は、ステップS296の処理へ移行して、右ストップスイッチ37Rに対する操作が第3停止操作であったか否かを判断する。そして、第3停止操作だった場合は、ステップS296の判断結果がYESとなり、図12のステップS176の処理に移行し、擬似遊技番号PDの値を「0」にして、以下、擬似遊技演出を終了するための処理を行う。これに対して、右ストップスイッチ37Rに対する操作は第3停止操作ではない(NO)と主制御回路100が判断したときは、ステップS298の処理を行った後、ステップS282の処理へ戻る。
図15に示す処理を行うことで、擬似遊技演出BまたはCが行われる場合において、左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cが第1停止操作されたときは、全てのリールが停止したときに、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」(擬似遊技演出Bのとき)または、「黒バー−黒バー−黒バー」(擬似遊技演出Cのとき)の図柄組合せが停止表示されることになる。また、図15の処理を終えると、図12のステップS178の処理へ移行するため、擬似遊技番号PDが「0」に更新された後に、擬似遊技演出が終了することになる。
(B−2)右ストップスイッチが第1停止操作された場合
図15に示したフローチャートにおけるステップS308の判断処理において、主制御回路100が、操作回数xの値を「1」(YES)と判断した場合は、図16のフローチャートに示す処理を行う。まず、主制御回路100は、右リール40Rについて、図10のステップS62に示したリール停止制御処理と同様に、役抽選で再遊技役が当選した時と同じリール停止制御を行う(ステップS330)。すなわち、右ストップスイッチ37Rが操作された時点で、直ちに入賞ラインL上に停止させることができる図柄と、その図柄よりもさらにリールの回転方向に対して上流側に配置された4つ図柄と、を認識し、それらの図柄の中に「リプレイ」図柄があった場合は、その「リプレイ」図柄を入賞ラインL上に停止させる。
次に主制御回路100は、左または中ストップスイッチ37Lまたは37Cが操作されたか否かを判断する(ステップS332)。そして、左または中ストップスイッチ37Lまたは37Cが操作されていない(NO)と判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS334)。以下、主制御回路100は、遊技者によって左または中ストップスイッチ37Lまたは37Cが操作されるか、無操作許容時間WTの値が「0」になるまで、ステップS332およびS334の判断処理を繰り返し行う。そして、ステップS334の判断処理において、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、図12のステップS196の処理へ移行して、前述した「許容時間超過処理」を行う。
これに対して、ステップS332において、主制御回路100が、遊技者によって左または中ストップスイッチ37Lまたは37Cが操作された(YES)と判断すると、操作回数xの値に「1」を加算して(ステップS336)、無操作許容時間WTの値を「20」にセットし直す(ステップS338)。そして、停止操作がされたのは、左ストップスイッチ37Lに対してであるか否かを判断する(ステップS340)。左ストップスイッチ37Lである(YES)と主制御回路100が判断したときは、ステップS330において右リール40Rに対して行ったのと同様に、左リール40Lについて、役抽選で再遊技役が当選した時と同じリール停止制御を行う(ステップS342)。すなわち、左ストップスイッチ37Lが操作された時点で、直ちに入賞ラインL上に停止させることができる図柄と、その図柄よりもさらにリールの回転方向に対して上流側に配置された4つ図柄と、を認識し、それらの図柄の中に「リプレイ」図柄があった場合は、その「リプレイ」図柄を入賞ラインL上に停止させる。
これに対して、ステップS340の判断結果がNO、すなわち、左ストップスイッチ37Lに対する停止操作ではないと判断したときは、中ストップスイッチ37Cに対して停止操作されたことになるため、主制御回路100は、中リール40Cについて、役抽選で再遊技役が当選した時と同じリール停止制御を行う(ステップS342)。すなわち、中ストップスイッチ37Cが操作された時点で、直ちに入賞ラインL上に停止させることができる図柄と、その図柄よりもさらにリールの回転方向に対して上流側に配置された4つ図柄と、を認識し、それらの図柄の中に「リプレイ」図柄があった場合は、その「リプレイ」図柄を入賞ラインL上に停止させる。
そして、ステップS342またはS344の処理を終えると、主制御回路100は、操作回数xの値が「3」になったか否かを判断し(ステップS346)、操作回数xの値が「3」になっていない(NO)と判断したときは、ステップS332の処理へ戻る。これに対してステップS346の判断処理において、操作回数xの値が「3」になった(YES)と主制御回路100が判断したときは、スタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS348)。スタートスイッチ36が操作されていない(NO)と主制御回路100が判断したときは、第3停止操作後(最後のストップスイッチが操作された後)に、ステップS338の処理でセットされた無操作許容時間WTの値が「0」になったか否かを判断する(ステップS350)。そして、無操作許容時間WTの値が「0」になっていない(NO)と判断したときは、ステップS348の判断処理に戻る。
そして、主制御回路100が、ステップS348の判断処理でスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断するか、ステップS350の判断処理で、無操作許容時間WTの値が「0」になった(YES)と判断すると、図12に示したステップS194のクリア処理へ移行し、現在の擬似遊技演出番号PDの値を維持したまま、擬似遊技演出を終了させる。
≪擬似遊技演出中におけるリールの挙動≫
次に、図17に示すタイミングチャートを参照し、擬似遊技演出中におけるリール4L,40C,40Rの挙動について説明する。ここで、図17においては、スタートスイッチ37およびストップスイッチ37L,37C,37Rのオン/オフ状態を示すとともに、リール4L,40C,40Rの回転速度の変化を示している。また、図17(a)は擬似遊技演出が行われていないときの、各リールの挙動を示し、図17(b)は、擬似遊技演出番号PDが「0」のときに、遷移パターン2の擬似遊技演出A(PD=2)が行われ、かつ、最初の擬似遊技演出において、遊技者が中→左→右の順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した場合の、リールの挙動を示している。
<擬似遊技演出が行われないとき>
まず、図17(a)に示す様に、擬似遊技演出が行われないときは、規定枚数のメダルが投入された後、スタートスイッチ36が操作されると(図10のステップS40,YES)、役抽選処理および擬似遊技演出処理(図10のステップS44,S48)を経た後、単位遊技におけるリール回転制御(図10のステップS54)が行われて、各リールが一斉に回転を開始する。このとき、ストップスイッチ37L,37C,37Rは操作受付状態になっていないため(ボタン部分が)赤く発光している。そして、各リールの回転速度が定速(約80回転/分)に達すると、各ストップスイッチは操作受付状態となり、発光色が赤から青に変化する。
そして、この状態で左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると(図10のステップS58,YES)、左ストップスイッチ37Lの発光色が青から赤へ変化し、役抽選の結果に従って、左リール40Lの停止制御(図10のステップS62)が行われ、190ミリ秒以内にその回転が停止する。以下、中ストップスイッチ37Cが第2停止操作され、右ストップスイッチ37Rが第3停止操作されるごとに(図10のステップS58,YES)、それぞれストップスイッチの発光色が青から赤へ変化すると共に、対応するリールについて、左リール37Lと同様の停止制御(図10のステップS62)が行われる。これにより、すべてのリールが停止すると(図10のステップS66,YES)、入賞判定が行われ(図10のステップS68)、小役が入賞したときは(図10のステップS74,YES)、払い出し処理が行われた後(図10のステップS76)、1回の単位遊技が終了する(図10のステップS84)。
そして、次の単位遊技に備えて、主制御回路100から副制御回路200へ、各種コマンドが送信される(図10のステップS12〜S16,S20,S24)。その後、遊技者によってメダルが投入されると(図10のステップS26,YES)、ベットスイッチ34,35の操作またはメダル投入口32へのメダル投入に応じた処理が行われ(図10のステップS28〜S36)、規定枚数に達すると(図10のステップS38,YES)、スタートスイッチ36が操作されたか否かの判断が行われる(図10のステップS40)。以下、上述した処理が繰り返される。なお、図17(a)に示す2回目の単位遊技では、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序が左→右→中(いわゆるハサミ押し)された場合を示している。
<擬似遊技演出が行われるとき>
次に、図17(b)に示す様に、例えば、遷移パターン2の擬似遊技演出A(PD=2)が行われる場合は、単位遊技においてスタートスイッチ36が操作されると(図10のステップS40,YES)、役抽選(図10のステップS44)が行われた後、擬似遊技演出処理(図10のステップS48)が行われる。そして、抽出された乱数RNDの値(図11のステップS102)が「1」であったとすると、擬似遊技演出番号PDが「2」に更新され(図11のステップS112,YES→S114)、擬似遊技演出制御処理(図11のステップS124)が開始される。
これにより、まず全リールの回転が開始され(図12のステップS132→S134,YES)、各リールの回転速度が約90回転/分に到達すると、一定の回転速度となって、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作の受付状態になり、発光色が赤から紫へ変化する。この状態でまず中ストップスイッチ37Cが操作されると(図12のステップS136,YES→S142,NO→図13のステップS200,YES)、中ストップスイッチ37Cの発光色が紫から赤に変化し、中リール40Cにおける図柄番号「0」の「ブランク」図柄が入賞ラインL上に停止表示される(図13のステップS202)。また、この状態で中リール40Cが小刻みに上下動し(以下、揺れ変動という)、中リール40Cが完全には停止していないことを遊技者に知らせる。
次いで、左ストップスイッチ37Lが第2停止操作されると(図13のステップS204,YES→S210,YES)、左ストップスイッチ37Lの発光色が紫から赤に変化して、左リール40Lにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄が入賞ラインL上に停止表示される(図13のステップS212)。さらに、右ストップスイッチ37Rが第3停止操作されると(図13のステップS214,YES)、右ストップスイッチ37Rの発光色が紫から赤に変化して、右リール40Rにおける図柄番号「0」の「ベル」図柄が入賞ラインL上に停止表示される(図13のステップS218)。なお、左リール40Lおよび右リール40Rが停止したときは、中リール40Cと同様、揺れ変動が行われる。
そして、擬似遊技演出番号PDが「2」から「4」(擬似遊技演出B)に更新され(図13のステップS228,YES→S230)、ベットスイッチ34,35およびスタートスイッチ36の操作を経て(図12のステップS182,YES→S188,YES)、全リールが再び回転させられる(図12のステップS192,NO→S132)。このとき、擬似遊技演出番号PDが「4」であるため(図12のステップS134,NO)、図15の処理へ移行する。
そして、各リールの回転速度が約90回転/分に達して、ストップスイッチ37L,37C,37Rの発光色が赤から紫へ変化し、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると(図15のステップS288,YES)、左ストップスイッチ37Lの発光色が紫から赤に変化するとともに、左リール40Lにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、揺れ変動を伴って入賞ラインL上に停止表示される(図15のステップS290,YES→S292)。また、第1停止操作(x=1)が行われたため、再びストップスイッチが操作されたか否かを判断して(図15のステップS296,NO→S298→S282)、次に右ストップスイッチ37Rが第2操作されると(図15のステップS288,NO→S300,NO→S308,NO)、右ストップスイッチ37Rの発光色が紫から赤に変化するとともに、右リール40Rにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、揺れ変動を伴って入賞ラインL上に停止表示される(図15のステップS310,YES→S312)。
また、第2停止操作(x=2)が行われたため、再びストップスイッチが操作されたか否かを判断して(図15のステップS296,NO→S298→S282)、次に中ストップスイッチ37Rが第3操作されると(図15のステップS288,NO→S300,YES)、中ストップスイッチ37Cの発光色が紫から赤に変化するとともに、中リール40Cにおける図柄番号「9」の「赤セブン」図柄が、揺れ変動を伴って入賞ラインL上に停止表示される(図15のステップS302,YES→S304)。なお、中ストップスイッチ37Cに対する操作は第3停止操作(x=3)であるため、図12のステップS178へ移行して、擬似遊技演出番号PDを「0」に更新する。
そして、ベットスイッチ34,35およびスタートスイッチ36の操作が行われると(図12のステップS182,YES→S188,YES)、擬似遊技演出番号PDが「0」であることから、クリア処理が行われ(図12のステップS192,YES→S194)、擬似遊技演出制御処理が終了する。このクリア処理によって、各リールの揺れ変動が停止し、単位遊技を再開する際に、各リールの回転を開始するまでの遅延時間がランダムに決定される(ランダム遅延)。そして、主制御回路100から副制御回路200へ擬似遊技演出終了コマンドが送信され(図11のステップS126)、図10のステップS54におけるリール回転制御が行われる。このとき、図12におけるステップS194のクリア処理において決定された各リールの遅延時間が経過してから、それぞれのリールが回転を開始する。
そして、全てのリールが定速に達すると、各ストップスイッチ37L,37C,37Rの発光色が赤から青へ変化し、ストップスイッチの操作受付状態となる。以下は、図17(a)を参照して説明したように、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行い、全リールが停止すると入賞判定を行い、その結果に応じてメダルを払い出し、1回の単位遊技を終了する。
なお、図17(b)に示した例では、擬似遊技演出が終了してから、単位遊技を再開すべくリールの加速を開始するまでのランダム遅延の間、揺れ変動を停止していたが、ランダム遅延中も揺れ変動を継続し、ランダム遅延時間が経過すると、揺れ変動の状態からリールの加速を開始させるようにしてもよい。このとき、揺れ変動の状態から強引にリールを加速させると、ステッピングモータが脱調する虞があるため、次のような補正処理を行うようにしてもよい。例えば、揺れ変動として、定位置(第1の位置)と、定位置より所定ステップ分離れた位置(第2の位置)との間を、一定の周期(以下、揺動周期という)で往復させたとする。この場合、ランダム遅延時間が終了してから揺動周期の一周期分の時間を待機時間とし、この待機時間中において、ステッピングモータが第1の位置にとどまっているときに(第1の位置にとどまるまでは揺れ変動を継続)、リールの加速を開始させる。例えば、ランダム遅延時間が終了したときに、ステッピングモータが第2の位置であったときは、第1の位置へ移動して安定した状態になったときに、リールの加速を開始させるようにする。なお、ステッピングモータが第2の位置にとどまっているときに、リールの加速を開始させてもよいが、常に、第1の位置または第2の位置のいずれか一方から加速が開始するように定めておく。
また、これとは異なる処理として、上述した待機時間中において、第1の位置と第2の位置との間を変動しているときであって、なおかつ、順方向(図1に示した表示窓22内において、図柄が上方から下方へ移動する方向)に向かって変動している最中に、リールの加速を開始するようにしてもよい。このような処理を行うことで、違和感なく、かつ、一時的な停止を伴わずに加速処理を開始することができる。なお、上述した第2の位置は、定位置(第1の位置)よりも上流側(リールの回転方向の逆方向側)に設定してもよいし、下流側(リールの回転方向の順方向側)に設定してもよい。
また、待機時間をランダム遅延時間が終了してから設定したが、ランダム遅延時間が経過する前に待機時間を設定し、擬似遊技演出の終了後であってランダム遅延時間が終了する前に加速を開始するようにしてもよい。
≪擬似遊技演出処理に関する変形例≫
以上、図11〜図17を参照して、擬似遊技演出処理について説明したが、上述した以外にも、擬似遊技演出中に以下の様な内容の処理を行っても良い。
(1)擬似遊技演出の発生条件について
上述した擬似遊技演出処理では、図7に示した内容の抽選(擬似遊技演出抽選)に当選した時に、擬似遊技演出を行っていたが、このような個別の抽選によらず、役抽選の結果のみに応じて擬似遊技演出を行うか否かを決定してもよい。また、擬似遊技演出抽選は、図11のステップS100の判断処理によってMB遊技中で無いときに行っていたが、内部中のみ、または、MB遊技中のみ行っても良いし、いかなる遊技状態にも行って良い。また、擬似遊技演出抽選によらず、例えば、MB遊技が終了してから所定回数の単位遊技を行った時、役抽選で所定の小役が当選してから所定回数の単位遊技を行った時、または、前回の擬似遊技演出が終了してから所定回数の単位遊技を行った時に、擬似遊技演出を行うようにしてもよい。さらに、前回の単位遊技において特定の図柄組合せが停止表示された時に、次の単位遊技で擬似遊技演出を行うようにしてもよい。
(2)擬似遊技演出の開始条件について
上述した擬似遊技演出処理では、擬似遊技演出抽選に当選すると、擬似遊技演出を直ちに開始していたが、擬似遊技演出を行う権利の発生条件と、発生した権利に基づく擬似遊技演出の開始条件とを異ならせても良い。例えば、擬似遊技演出抽選に当選した場合、それによる擬似遊技演出を、第1停止操作、第2停止操作もしくは第3停止操作が行われたときに開始するようにしても良い。この場合、既に停止しているリールはそのままの状態を維持し、回転中のリールに対して擬似遊技演出を行ってもよいし、一旦、全てのリールを停止させてから擬似遊技演出を開始し、擬似遊技演出が終了したときに、演出開始前に停止していたリールについては、そのときに停止表示していた図柄を再び停止表示し、回転していたリールについては改めて回転を再開させてから、単位遊技に復帰するようにしてもよい。また、前回の単位遊技で発生した権利に基づく擬似遊技演出を、次の単位遊技におけるスタートスイッチ36の操作時に開始するようにしても良い。
また、擬似遊技演出を行う権利を蓄積可能とし、従来のいわゆるストック機と同様のストック放出条件が成立したときに、蓄積した権利を消費して擬似遊技演出を行うようにしてもよい。または、遊技者が、1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36またはストップスイッチ37L,37C,37R、または精算スイッチ38のいずれかに対して特定の操作を行った場合又は、リールを特定の停止順序で停止させた場合などに、蓄積した権利を消費して擬似遊技演出を行うようにしてもよい。さらには、蓄積した権利を消費して擬似遊技演出を開始するための専用スイッチをスロットマシン10の筐体に設け、当該専用のスイッチを遊技者が操作したときに、蓄積した権利を消費して擬似遊技演出を開始するようにしてもよい。
(3)役抽選の結果を副制御回路200へ送信するタイミングについて
上述した擬似遊技演出処理は、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドが主制御回路100から副制御回路200へ送信された後に行われていたが、図10のステップS46とS48の順序を入れ換えて、擬似遊技演出が行われた後に、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを副制御回路200へ送信するようにしてもよい。
(4)擬似遊技演出中に停止表示する図柄組合せについて
上述した擬似遊技演出処理では、小役に対応する図柄組合せについては表示していなかったが、小役に対応する図柄組合せを停止表示しても良い。このとき、主制御回路100は、図1に示した獲得枚数表示器28に、停止表示させた小役に対応する払出枚数を表示するが、クレジット数表示器27の表示内容は更新しないようにする。
また、上述した擬似遊技演出処理では、役抽選の結果とは関係のない図柄組合せが停止表示されるように、各リールの停止制御を行っていたが、擬似遊技演出を行う直前の役抽選において当選した役に対応する図柄組合せを停止表示するようにしても良い。また、上述した擬似遊技演出処理では、予め定められていた図柄組合せを停止表示していたが、例えば、擬似遊技演出中に、停止表示する図柄組合せを決定するための抽選(図柄組合せ抽選)を行い、その抽選結果に応じた図柄組合せが停止表示されるようにしても良い。
なお、この図柄組合せ抽選は、擬似遊技演出中において、例えばスタートスイッチ36が操作されるごとに行っても良い。また、例えば単位遊技において、ART抽選の契機となるような特殊なリプレイ役に対応する図柄組合せが設けられていた場合、単位遊技中の役抽選の結果に基づいて当該特殊なリプレイ役に対応する図柄組合せが停止表示される確率よりも、上述した図柄組合せ抽選において、当該特殊なリプレイ役に対応する図柄組合せが選択される確率の方を高く設定するようにしても良い。
また、擬似遊技演出中に停止表示する図柄組合せは、その擬似遊技演出を開始する直前の遊技状態とは関係なく定めて良い。たとえば、擬似遊技演出を開始する直前の単位遊技における遊技状態が、「非内部中」(MB役が当選していない状態)であっても、擬似遊技演出において、「内部中」にのみ停止表示され得る図柄組合せ(たとえば、リーチ目など)を停止表示させても良い。また、単位遊技中には表示されることのない図柄組合せを、擬似遊技演出中のみ停止表示するようにしてもよい。この単位遊技中には表示されない図柄組合せとしては、例えば、「チェリー−チェリー−チェリー」、「スイカ−スイカ−スイカ」または「ブランク−ブランク−ブランク」など、同じ図柄で構成された図柄組合せであっても良い。
さらに、上述した擬似遊技演出処理では、許容時間超過処理(図12のステップS196→S178)が行われたときは、各リールについて図柄番号「0」(擬似遊技演出Aのときと同じ図柄)を停止表示していたが、許容時間超過処理が行われたとき特有の図柄が表示されるようにしてもよい。
(5)擬似遊技演出中におけるリール停止制御について
上述した擬似遊技演出処理では、操作順序に応じて停止表示される図柄組合せが変化する場合(擬似遊技演出BまたはC)があるが、常に同じ図柄組合せが停止表示されるようにしても良い。また、擬似遊技演出中は、滑りコマ数が必ず4コマを超えるようにリールを停止させることで、遊技者に単位遊技とは異なる状態にあることが分かるようにしてもよい。また、単位遊技中には、ストップスイッチの操作タイミングによっては停止表示させることができない(すなわち、取りこぼす)図柄組合せであっても、必ず停止表示されるリール停止制御を行っていたが、例えば、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」を停止表示する場合に、単位遊技中の役抽選でMB役が当選した時と全く同じリール停止制御を行っても良い。この場合、擬似遊技演出中であっても、操作タイミングによっては、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」を取りこぼす場合が生じ、その際に、操作タイミングが同じであれば、取りこぼした際に停止表示される図柄組合せも、単位遊技中と全く同じになる。
また、単位遊技中と同様に、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒が経過するまでの間に対応するリールの回転を停止させる(すなわち、最大滑りコマ数が4コマ)が、単位遊技中とは異なる引込制御を行うようにしてもよい。例えば、単位遊技中と同じ図柄組合せを停止表示させる場合において、ストップスイッチの操作タイミングが同じであっても、滑りコマ数が異なるようにしてもよい。さらに、単位遊技中と、擬似遊技演出中とで、同じ図柄を停止表示させる場合でも、リール停止制御の内容を異ならせてもよい。例えば、単位遊技中はリールを停止させる最後の段階で、全相励磁を行っていたものを、擬似遊技演出中は、1−2相励磁や3相励磁などを行うことによってリールを停止させるなどして、ステッピングモータの励磁パターンを異ならせてもよい。また、この場合、ストップスイッチが操作されてから、ステッピングモータを減速させるための励磁パターンへ移行するまでのタイミングを異ならせてもよい。さらに、単位遊技中は、テーブル制御によってリールの停止制御を行い、単位遊技演出中は、コントロール制御によってリール停止制御を行うようにしてもよい。
また、リール停止制御を行う際の処理として、例えば、擬似遊技演出中に停止表示されると、当該擬似遊技演出が終了する図柄組合せ(以下、終了図柄組合せという。)を停止表示するための停止制御テーブルに従ってリール停止制御を行ったときに、実際に終了図柄組合せが停止表示されると、擬似遊技演出が終了するように構成したとする。この場合、擬似遊技演出を開始する際には、擬似遊技演出を終了するか継続するかが確定していない場合であっても、リール停止制御を行う際に参照する停止制御テーブルとして、終了図柄組合せを停止表示するための停止制御テーブルを指定しておく。そして、当該擬似遊技演出中に、擬似遊技演出を継続させることが決定されたとき、または、終了図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示させることが決定されたときに、他の停止制御テーブルを参照するように変更しても良い。
(6)擬似遊技演出中におけるリールの停止時の挙動について
上述した擬似遊技演出処理では、擬似遊技演出中にリールが停止した場合、揺れ変動を行うようにしているが、単位遊技中と同様に静止させても良い。また、リールが停止する際に、通常時とは異なる励磁パターンでステッピングモータを停止させることにより、振動を伴った停止をさせる、いわゆるバウンドストップを行っても良いし、リールを定位置以外の位置、例えば、定位置から半コマ分ずれた位置でリールを停止させても良い。
(7)擬似遊技演出の継続について
上述した擬似遊技演出処理では、擬似遊技演出Aにおいて、停止表示される図柄組合せとは関係なく、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、擬似遊技演出が継続するか終了するかが決まっていたが(図8(a)参照)、例えば、継続することなく1回のみ擬似遊技演出を行うようにしてもよいし、予め定められた回数、または、擬似遊技演出の開始時に抽選よって決定された回数だけ、擬似遊技演出を継続させてもよい。また、擬似遊技演出を行う毎に継続抽選を行い、当該抽選にハズレるまで擬似遊技演出を継続させてもよいし、特定の図柄組合せが所定回数(1回を含む)だけ停止表示されるまで擬似遊技演出を継続させてもよい。
また、擬似遊技演出が継続するごとに、リール停止制御を切り替えてもよく、例えば、擬似遊技演出が継続するごとに、各リールにおける所定の図柄を停止表示させる際の、滑りコマ数を減らしていく、または、増やしていくようにしてもよい。
(8)擬似遊技演出中に操作可能なスイッチについて
上述した擬似遊技演出処理では、スタートスイッチ36の操作によってリール40L,40C,40Rが回転を開始し、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作によって、対応するリールの回転が停止していたが、ベットスイッチ34,35や精算スイッチ38の操作によって、リールの回転開始または停止が行われるようにしてもよい。また、1回の擬似遊技演出において、1つのスイッチの操作を複数回操作することで、リールの回転開始または停止が行われるようにしてもよい。例えば、擬似遊技演出が開始されてから、最初に精算スイッチ38を操作すると、左リール40Lの回転が停止し、以下、精算スイッチ38が操作されるごとに、中リール40C、右リール40Rの順に停止していき、さらに精算スイッチ38が操作されると、リール40L,40C,40Rが回転を開始する。また、特定のスイッチが1回操作されただけで、すべてのリールを停止させるようにしてもよい。
また、擬似遊技演出中において、全リールが停止しているときに、または任意のタイミングで、特定のスイッチが操作された場合、または特定の操作がなされた場合は、当該擬似遊技演出を強制終了させても良い。例えば、遊技者によって1−ベットスイッチ34が操作された場合や、1−ベットスイッチ34と最大ベットスイッチ35とが同時に操作された場合などに、擬似遊技演出を強制終了させても良い。
(9)外部出力信号について
図3に示した外部信号出力手段170が、擬似遊技演出中においても、外部集中端子基板84を介して外部へ各種信号を出力するようにしても良い。例えば、擬似遊技演出中において、スタートスイッチ36が操作された時に外部へ出力するIN信号によって示されるメダルの投入枚数と、全リールが停止したときに外部へ出力するOUT信号によって示されるメダルの払出枚数とが、擬似遊技演出の終了時に同じ値となるようにし、擬似遊技演出中におけるメダル枚数の増減が「0」となるようにする。これにより、外部のデータ表示器や、ホールコンピュータにおいて、擬似遊技演出が行われた回数も、単位遊技が行われた合計回数に含めることが可能となる。また、擬似遊技演出中は継続してオンとなる信号を別途出力するようにして、この信号がオンになっている間のIN信号およびOUT信号を無視するようにすれば、擬似遊技演出が行われた回数を、単位遊技が行われた合計回数に反映させないようにすることができる。
また、単位遊技中に例えばART遊技の開始条件が成立したときに、擬似遊技演出を開始し、当該擬似遊技演出において「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを強制的に又は、遊技者の操作により停止表示されるまで当該擬似遊技演出を継続させて「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを停止表示させ、そのときに外部集中端子基板84を介して外部にART信号を出力するようにしてもよい。また、このときに副制御回路200において、ART遊技を開始する演出及びART遊技中に行う演出を開始してもよい。このように構成することにより、あたかも、特定の図柄組合せが停止表示されたことによってART遊技が開始されたかのような印象を、遊技者に与えることができ、ART遊技を従来のボーナスゲームに似せることができる。
また、例えばMB役のような、入賞すると特別遊技が開始されることとなる特別役に対応する図柄組合せを、取りこぼしが起こらない図柄で構成したとする(例えば、図2に示す図柄配列における「ベル」図柄と「リプレイ」図柄とが混在する図柄組合せ)。この場合、役抽選で特別役が当選した単位遊技において擬似遊技演出を開始させ、当該擬似遊技演出で「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを強制的に又は、遊技者の操作により停止表示されるまで当該擬似遊技演出を継続させて「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せを停止表示させて、当該特別役に対応する特別遊技が開始されることを示す信号を、外部集中端子基板84を介して外部に出力するようにしてもよい。また、当該擬似遊技演出で「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが停止表示されたことを契機として、副制御回路200において、特別遊技を開始する演出及び当該特別遊技中に行う演出を開始してもよい。
(10)その他の制御について
図17(b)に示した擬似遊技演出中の状態では、ストップスイッチの操作受付状態になると、ストップスイッチが通常の単位遊技中と異なる色(紫色)で発光していたが、これと同様に、擬似遊技演出中に各種の役に対応する図柄組合せが停止表示されたときは、通常の単位遊技中にそれらと同じ図柄組合せが停止表示されたときと同じ演出(例えば、筐体に設けられた演出用ランプおよびリールバックランプの点滅パターンや発光色、入賞時やメダル投入時の演出音など)を行ってもよいが、異なる態様で演出を行うようにしてもよい。また、擬似遊技演出が行われている間のみ点灯する専用のランプなどを設けたり、擬似遊技演出中が行われている間だけ流れる特別なBGMを発生させたりしてもよい。
また、擬似遊技演出中に停止表示された図柄組合せに応じてまたは、停止操作した順序、または、擬似遊技演出中にスタートスイッチ36が操作されたことを契機として行われる抽選の結果に応じて、ART抽選の当選確率(いわゆる高確率状態や低確率状態)を変動してもよいし、擬似遊技演出終了後の本来の単位遊技において実行されるフリーズ演出(一定時間、単位遊技に関する処理(例えば、リールの回転/停止制御など)が遅延させられる演出)のような特殊演出を行うか否かの決定や、特殊演出の発生確率を変化させてもよい。これにより、従来は1回の単位遊技につき、1回の抽選機会しか得られなかったものが、擬似遊技演出を行うことで、1回の単位遊技中に複数回の抽選機会を設けることができる。
さらに、特定の図柄組合せが停止表示されたときに、上述したようなART抽選などを行う場合において、前述した許容時間超過処理における自動停止制御によって特定の図柄組合せが停止表示されたときは、ART抽選などを行わないようにしてもよいし、遊技者による停止操作によって特定の図柄組合せが停止表示されたときとは異なる抽選を行うようにしてもよい。
≪副制御回路における制御処理の説明≫
次に、図18〜図21に示すフローチャートを参照して、主制御回路100から送信される各種コマンドに応じて、副制御回路200が行う処理について説明する。なお、図18〜図21のフローチャートに示す処理は、いずれも周期的に副制御回路200によって実行されるものである。
<擬似遊技演出中報知処理>
図18に示すフローチャートを参照して、擬似遊技演出が行われていることを遊技者に報知するための擬似遊技演出中報知処理の内容について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS400)。ここで、いずれのコマンドも受信していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図18の擬似遊技演出中報知処理を終了する。これに対して、主制御回路100から何らかのコマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したコマンドが、図11のステップS122の処理によって送信された擬似遊技演出開始コマンドであるか否かを判断する(ステップS402)。
ステップS402の判断処理において、受信したコマンドは擬似遊技演出開始コマンドである(YES)と、副制御回路200が判断したときは、副制御回路200のRAMに記憶されている疑似遊技演出フラグF_PDを「1」にセットする(ステップS404)。そして、副制御回路200は、表示装置70、スピーカ64L,64R、上部演出ランプ72を駆動して、現在、擬似遊技演出が行われていることを遊技者に報知し(ステップS406)、図18の擬似遊技演出中報知処理を終了する。なお、図18の擬似遊技演出中報知処理を終了しても、擬似遊技演出が行われている旨の報知(擬似遊技演出中報知)は継続して行われる。
これに対して、ステップS402の判断処理で、受信したコマンドは擬似遊技演出終了コマンドである(YES)と、副制御回路200が判断したときは、次に副制御回路200のRAMに記憶されている疑似遊技演出フラグF_PDが「1」にセットされているか否かを判断する(ステップS410)。疑似遊技演出フラグF_PDが「1」にセットされている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、疑似遊技演出フラグF_PDを「0」にリセットする(ステップS412)。そして、ステップS406の処理によって開始した擬似遊技演出中報知を終了し(ステップS414)、図18の擬似遊技演出中報知処理を終了する。
以上の処理により、疑似遊技演出を行っている間は、継続してそのことを遊技者に報知することで、例えばリールが停止する際に、正常な単位遊技中には起こり得ない挙動(例えば、滑りコマ数が4コマを超えて停止するなど)を示したとしても、スロットマシン10に故障が発生した等の誤解を、遊技者に与えることがない。なお、図18に示した擬似遊技演出中報知処理では、主制御回路100から擬似遊技演出開始コマンドを受信したときに、擬似遊技演出中であることを報知していたが(ステップS406)、擬似遊技演出が開始されて、リールが停止する所定のタイミング又は、すべてのリールが停止し、その後、遊技者によって所定の操作が行われたときに、擬似遊技演出中であることを報知してもよい。
<操作指示報知処理>
次に図19に示すフローチャートを参照して、擬似遊技演出中に、遊技者がスロットマシン10に対して何ら操作を行わなかったときに、各種スイッチ類の操作を促す報知を行うための操作指示報知処理の内容について説明する。まず、図19(a)のフローチャートを参照して、主制御回路100において、例えば図12のステップS130,S140,S150,S180,S186等の処理によってセットされた無操作許容時間WTの値に基づいて、無操作許容時間の残り時間を計時する計時処理について説明する。なお、図19(a)に示す計時処理は、例えば、1秒間に1回発生する割込信号に応じて実行される割込処理とする。
主制御回路100は、上述した割込信号が発生すると、図19(a)の計時処理を開始し、疑似遊技演出フラグF_PD(図11、ステップS120参照)の値が「1」にセットされているか否かを判断する(ステップSm420)。そして、疑似遊技演出フラグF_PDの値が「0」である(NO)と判断したときは、主制御回路100は、無操作許容時間WTの値を「0」にクリアして(ステップSm422)、図19(a)の計時処理を終了する。これに対して、ステップSm420の判断処理において、疑似遊技演出フラグF_PDの値が「1」である(YES)と、主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSm424)。
そして、無操作許容時間WTの値が「0」以下である(NO)と主制御回路100が判断したときは、図19(a)の計時処理を終了する。これに対して、無操作許容時間WTの値が「0」を超えている(YES)と判断したときは、次に主制御回路100は、スタートスイッチ36またはストップスイッチ37L,37C,37Rがオンになっているか否かを判断する(ステップSm426)。ここで、上述した各種スイッチがオンになっている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、図19(a)の計時処理を終了し、無操作許容時間WTの値を減少させない。これにより、リールを停止させるときに、例えば遊技者がストップスイッチを操作し続けたときは、その間の無操作許容時間WTのカウントダウンは停止することになる。
これに対して、上述した各種スイッチがオフになっている(ステップSm426,NO)と、主制御回路100が判断したときは、無操作許容時間WTの値を「1」減少する(ステップSm428)。そして、主制御回路100は、無操作許容時間WTの値が「5」未満(すなわち、残り時間が4秒以下)になったか否かを判断し(ステップSm430)、無操作許容時間WTの値が「5」未満になった(YES)と判断したときは、副制御回路200に対して、操作指示報知コマンドを送信する(ステップSm432)。そして、図19(a)の計時処理を終了する。一方、ステップSm430の判断処理で、無操作許容時間WTの値が「5」以上である(NO)と、主制御回路100が判断したときは、直ちに図19(a)の計時処理を終了する。
なお、ステップSm432の処理によって、副制御回路200へ送信される操作指示報知コマンドは、図9に示したコマンドの一覧表に含まれてはいないが、無操作許容時間の残り時間が少なくなってきたため、遊技者に対して何らかの操作を行うことを促す報知を行うことを、副制御回路200に対して指示するためのコマンドである。
次に、図19(b)に示すフローチャートを参照して、副制御回路200が上述した操作指示報知コマンドを受信したときに行う操作指示報知処理について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信された何らかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップSs420)。ここで、いずれのコマンドも受信していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図19(b)の操作指示報知処理を終了する。これに対して、主制御回路100からいずれかのコマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したコマンドが、図19(a)のステップSm432の処理によって送信された操作指示報知コマンドであるか否かを判断する(ステップSs422)。
そして、受信したコマンドが操作指示報知コマンドではない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図19(b)の操作指示報知処理を終了する。一方、受信したコマンドが操作指示報知コマンドである(YES)と、副制御回路200が判断したときは、リールを回転または停止させるための操作を行うことを遊技者に促す、操作指示報知を行い(ステップSs424)、図19(b)の操作指示報知処理を終了する。ここで、操作指示報知の内容としては、例えば、疑似遊技演出中において、主制御回路100から各リールの回転開始コマンドを受信してから、3つ目の(最後の)リール停止受付コマンドを受信するまでの間に、上述した操作指示報知コマンドを受信したときは、遊技者に対して未だ回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を促す報知を行う。また、最後のリール停止受付コマンドを受信してから各リールの回転開始コマンドを受信するまでの間に、上述した操作指示報知コマンドを受信したときは、遊技者に対してスタートスイッチの操作を促す報知を行う。
さらに、図19(a)に示す計時処理では、無操作許容時間の残り時間が4秒以下になった時に、副制御回路200に対して操作指示報知コマンドを送信しているが、無操作許容時間が経過したときに、副制御回路200へ操作指示報知コマンドを送信し、副制御回路200は、このコマンドを受信した場合、それまで疑似遊技演出を行っていたことを、事後的に報知するようにしてもよい。また、副制御回路200において無操作許容時間を計時して、図19(b)のステップS424の操作指示報知を行うタイミングを判断してもよい。
<報知遊技制御処理>
次に図20に示すフローチャートを参照して、図3に示した報知遊技制御手段220の機能を実現するための、報知遊技制御処理について説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS450)。ここで、いずれのコマンドも受信していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図20の報知遊技制御処理を終了する。これに対して、主制御回路100からいずれかのコマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したコマンドが、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンド(図10のステップS46参照)であるか否かを判断する(ステップS452)。
副制御回路200が、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを受信した(YES)と判断したときは、受信したコマンドに含まれた当選役に応じた演出を実行する(ステップS454)。次に副制御回路200は、ARTフラグF_ARTの値が「1」にセットされているか否かを判断する(ステップS456)。ここで、ARTフラグF_ARTは、現在、ART遊技中であるか否かを示すフラグであり、その値が「0」のときは、ART遊技中でないことを示し、「1」のときは、ART遊技中であることを示している。
ステップS456の判断処理で、ARTフラグF_ARTの値が「1」ではない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、受信した役抽選結果1コマンドを参照して、特殊複合(小役3eおよび3f。図4参照)が当選したか否かを判断する(ステップS458)。そして、特殊複合は当選しなかった(NO)と副制御回路200が判断したときは、図20に示す報知遊技制御処理を終了する。これに対して、特殊複合が当選した(YES)と副制御回路200が判断したときは、予め定められた当選確率に従って、ART遊技を開始するか否かを決定するART抽選を行う(ステップS460)。
そして、副制御回路200は、ART抽選に当選したか否かを判断し(ステップS462)、当選しなかった(NO)と判断したときは、図20に示す報知遊技制御処理を終了する。これに対して、ART抽選に当選した(YES)と副制御回路200が判断したときは、上述したARTフラグF_ARTの値を「1」にし(ステップS464)、さらにART遊技の残りゲーム数Gの値を「50」にセットしてから(ステップS466)、図20に示す報知遊技制御処理を終了する。これにより、次の単位遊技からART遊技が開始される。
一方、前述したステップS456の判断処理において、ARTフラグF_ARTの値が「1」である、すなわち、現在ART遊技中である(YES)と副制御回路200が判断したときは、ステップS458の判断処理と同様、受信した役抽選結果1コマンドを参照して、特殊複合が当選したか否かを判断する(ステップS468)。そして、特殊複合が当選した(YES)と副制御回路200が判断したときは、予め定められた当選確率に従って、現在の残りゲーム数Gの値に所定のゲーム数を加算する(すなわち、上乗せする)か否かを決定する上乗せ抽選を行う(ステップS470)。そして、副制御回路200は、この上乗せ抽選に当選したか否かを判断し(ステップS472)、当選した(YES)と判断したときは、現在の残りゲーム数Gの値に「30」を加算する(ステップS474)。
ステップS474の処理を終えると、副制御回路200は、ART遊技中の報知処理を行う。なお、ステップS468またはS472の判断結果がNOであった場合は、直ちにART遊技中の報知処理を行う。すなわち、まず副制御回路200は、受信した役抽選結果1コマンドを参照して、複合Aが当選したか否かを判断する(ステップS476)。そして、複合Aが当選した(YES)と判断したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、左→中→右または左→右→中の操作順序を報知する(ステップS478)。ここで、左→中→右および左→右→中のうち、どちらの操作順序を報知するかは適宜定めてよく、あるいは、左ストップスイッチ37Lを最初に操作すべきであることを報知してもよい。また、操作順序の報知態様は、従来のものを採用することができる。
ステップS476の判断処理で、複合Aは当選しなかった(NO)と副制御回路200が判断したときは、次に複合Bが当選したか否かを判断する(ステップS480)。そして、複合Bが当選した(YES)と判断したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、中→左→右または中→右→左の操作順序を報知する(ステップS482)。なお、ここでも中→左→右および中→右→左のうち、どちらの操作順序を報知するかは適宜定めてよく、あるいは、中ストップスイッチ37Cを最初に操作すべきであることを報知してもよい。
さらに、ステップS480の判断処理で、複合Bは当選しなかった(NO)と副制御回路200が判断したときは、次に複合Cが当選したか否かを判断する(ステップS484)。そして、複合Cが当選した(YES)と判断したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序として、右→左→中または右→中→左の操作順序を報知する(ステップS486)。こでも右→左→中および右→中→左のうち、どちらの操作順序を報知するかは適宜定めてよく、あるいは、右ストップスイッチ37Rを最初に操作すべきであることを報知してもよい。
上述したステップS478、S482またはS486の処理によってストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関する報知を行うと、または、ステップS484の判断処理で、複合Cに当選しなかった(NO)と判断したときは、何ら報知を行うことなく、副制御回路200は、ART遊技の残りゲーム数Gの値を「1」減算する(ステップS488)。そして、残りゲーム数Gの値が「0」になったか否かを判断し(ステップS490)、「0」になった(YES)と判断したときは、ARTフラグF_ARTの値を「0」にリセットして(ステップS492)、図20の報知遊技制御処理を終了する。これに対して、ステップS490の判断処理で、残りゲーム数Gの値が「0」ではない(NO)と副制御回路200が判断したときは、ARTフラグF_ARTの値を「1」に維持したまま、図20の報知遊技制御処理を終了する。
さて、前述したステップS452の判断処理において、副制御回路200が、役抽選結果1コマンドおよび役抽選結果2コマンドを受信していない(NO)と判断したときは、再遊技役停止表示コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS494)。この再遊技役停止表示コマンドは、図9に示したコマンドの一覧表に含まれてはいないが、図15のステップS308の判断処理において、主制御回路100が操作回数xの値が「1」である(YES)と判断したときに、すなわち、疑似遊技演出BまたはCにおいて右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときに、副制御回路200へ送信されるコマンドである。
ステップS494の判断処理で、再遊技役停止表示コマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、ステップS454の処理で、役抽選によって再遊技役が当選したときの演出と々演出を行い(ステップS496)、図20の報知遊技制御処理を終了する。一方、ステップS494の判断処理で、再遊技役停止表示コマンドを受信しなかった(NO)と、副制御回路200が判断したときは、直ちに図20の報知遊技制御処理を終了する。
<疑似遊技特典付与処理>
次に図21に示すフローチャートを参照して、疑似遊技演出を行った結果に応じて、遊技者に対して特典を付与する疑似遊技特典付与処理について説明する。なお、以下に説明する疑似遊技特典付与処理においては、疑似遊技演出中であっても、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたときは、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンド(図9参照)が、主制御回路100から副制御回路200へ送信されるものとする。
まず、副制御回路200は、疑似遊技演出フラグF_PD(図18のステップS404参照)の値が「1」になっているか否かを判断する(ステップS500)。そして、疑似遊技演出フラグF_PDの値が「0」になっている(NO)と、副制御回路200が判断したときは、現在、疑似遊技演出が行われてないことから、図21の疑似遊技特典付与処理を終了する。
これに対して、疑似遊技演出フラグF_PDの値が「1」になっている(YES)と、副制御回路200が判断したときは、次に、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS502)。そして、いずれのコマンドも受信していない(NO)と、副制御回路200が判断したときは、図21の疑似遊技特典付与処理を終了する。これに対して、主制御回路100からいずれかのコマンドを受信した(YES)と、副制御回路200が判断したときは、受信したコマンドが、左リール停止受付コマンド、中リール停止受付コマンドまたは右リール停止受付コマンドのいずれかであるか否かを判断する(ステップS504)。
ステップS504の判断処理において、副制御回路200が、いずれのリール停止受付コマンドも受信しなかった(NO)と判断したときは、そのまま図21の疑似遊技特典付与処理を終了する。これに対して、いずれかのリール停止受付コマンドを受信した(YES)と副制御回路200が判断したときは、受信したリール停止受付コマンドに含まれている停止図柄番号を記憶する(ステップS506)。次に副制御回路200は、全てのリールに関する停止図柄番号を記憶したか否かを判断し(ステップS508)、未だ記憶していないリールの停止図柄番号がある(NO)と判断したときは、そのまま図21の疑似遊技特典付与処理を終了する。
一方、ステップS508の判断処理で、全リールの停止図柄番号を記憶した(YES)と、副制御回路200が判断すると、次に、記憶した停止図柄番号に基づいて、「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが、入賞ラインL上に停止表示されるか否かを判断する(ステップS510)。ここで、副制御回路200が、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せは停止表示されない(NO)と判断すると、直ちに図21の疑似遊技特典付与処理を終了する。これに対して、入賞ラインL上に「赤セブン−赤セブン−赤セブン」の図柄組合せが停止表示される(YES)と判断したときは、遊技者に対して特典を付与するための処理を行う。
すなわち、副制御回路200は、まず、ARTフラグF_ARTの値が「0」にリセットされているか否かを判断し(ステップS512)、リセットされている(YES)と判断したときは、予め定められた当選確率に従って、ART遊技を開始するか否かを決定するART抽選を行う(ステップS514)。なお、このART抽選の当選確率は、図20のステップS460に示したART抽選の当選確率と同じである必要はない。
そして、副制御回路200は、ART抽選に当選したか否かを判断し(ステップS516)、当選しなかった(NO)と判断したときは、図21に示す疑似遊技特典付与処理を終了する。これに対して、ART抽選に当選した(YES)と副制御回路200が判断したときは、上述したARTフラグF_ARTの値を「1」にし(ステップS518)、さらにART遊技の残りゲーム数Gの値を「50」にセットしてから(ステップS520)、図21に示す疑似遊技特典付与処理を終了する。これにより、現在の疑似遊技演出処理が終了したことにより復帰した単位遊技の、次の単位遊技からART遊技が開始される。
一方、前述したステップS512の判断処理において、ARTフラグF_ARTの値が「1」である、すなわち、現在ART遊技中である(YES)と副制御回路200が判断したときは、現在の残りゲーム数Gの値に所定のゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う(ステップS522)。なお、この上乗せ抽選の当選確率も、図20のステップS470に示したART抽選の当選確率と同じである必要はない。そして、副制御回路200は、この上乗せ抽選に当選したか否かを判断し(ステップS524)、当選しかなった(NO)と判断したときは、直ちに図21に示す疑似遊技特典付与処理を終了し、当選した(YES)と判断したときは、現在の残りゲーム数Gの値に「30」を加算してから(ステップS526)、図21に示す疑似遊技特典付与処理を終了する。
なお、ステップS526の処理によって上乗せをするゲーム数は、図20のステップS474の処理によって上乗せされるゲーム数と同じにする必要はなく、例えば、上乗せするゲーム数を乱数抽選によって定めてもよい。
このように、図21に示す疑似遊技特典付与処理によれば、疑似遊技演出の結果に応じて、遊技者に対してART遊技に関する特典を付与することができる。
[擬似遊技演出中に停止表示された図柄組合せに応じた処理]
次に、上述した擬似遊技演出中に停止表示された図柄の組合せに応じて、様々な処理を可能とする実施形態について説明する。
まず、図3に示した主制御回路100は、図22(a)に示すように、1回の擬似遊技演出中に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが入賞ラインに沿って停止表示された場合と、「リプレイ」図柄および「ベル」図柄で構成された図柄組合せ(以下、「不正解図柄組合せ」という。)とで、実行する処理の内容を切り替える。例えば図22(a)中、「図柄対応処理」欄に示す「パターン1」〜「パターン4」のうち、予め定めたいずれか1つのパターンに示す処理の切り替えを行うようにしてもよい。
なお、上述した「1回の擬似遊技演出中」とは、全リールが回転してからストップスイッチの操作によって全リールが停止するまでの期間をいう。また、上述した「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せを「正解図柄組合せ」といい、「リプレイ」図柄および「ベル」図柄で構成された図柄組合せを「不正解図柄組合せ」という。
ここで、「パターン1」では、正解図柄組合せが停止表示された場合には、再度、擬似遊技演出を行い(すなわち、スタートスイッチ36の操作に応じてリールを回転させ、ストップスイッチの操作に応じてリールを停止させる)、不正解図柄組合せが停止表示された場合には、擬似遊技演出を終了して本来の単位遊技を再開させる。また、「パターン2」では、正解図柄組合せが停止表示された場合には、図3に示した外部信号出力手段170から外部集中端子基板84を介して外部へ、前述したART信号を所定時間出力する。一方、不正解図柄組合せが停止表示された場合には、外部に対して何ら信号を出力しない。
また、「パターン3」では、正解図柄組合せが停止表示された場合には、図3に示した外部信号出力手段170から外部集中端子基板84を介して外部へ、副制御回路200において何らかの異常が発生したことを示す異常信号を出力する。一方、不正解図柄組合せが停止表示された場合には、外部に対して何ら信号を出力しない。さらに、「パターン4」では、正解図柄組合せが停止表示された場合には、擬似遊技演出を終了したときに単位遊技の再開を、所定のリセット操作(例えばホッパー内のメダルが空になったなど、何らかのエラーが発生したときに、そのエラー状態から復帰させるための操作)が行われるまで一時停止し、不正解図柄組合せが停止表示された場合には、そのまま単位遊技を再開する。
また、主制御回路100(より具体的には、リール停止制御手段122)は、1回の擬似遊技演出において、リールの停止制御を行う際に、正解図柄組合せまたは不正解図柄組合せのいずれを停止表示するのかを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて切り替えるようにしている。ここで、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序は6通りあるが、これらの操作順序のうち、いずれの操作順序を正解図柄組合せが停止表示される操作順序(以下、「正解操作順序」という。)とするかは、乱数RND2に基づく抽選によって決定する。なお、乱数RND2は、0〜5のいずれかの整数である。
本実施形態では、例えば図22(b)の抽選デーブルに示すように、乱数RND2の値が「0」のときは、左ストップスイッチ37L→中ストップスイッチ37C→右ストップスイッチ37R(以下、「左→中→右」という。他の操作順序についても同様。)の操作順序を正解操作順序とする。同様に、乱数RND2の値が「1」のときは「左→右→中」、乱数RND2の値が「2」のときは「中→左→右」、乱数RND2の値が「3」のときは「中→右→左」、乱数RND2の値が「4」のときは「右→左→中」、乱数RND2の値が「5」のとき「右→中→左」が、それぞれ正解操作順序とされる。なお、図22(b)に示す抽選デーブルは、副制御回路200にも記憶されており、主制御回路100から送信された乱数RND2の値に基づいて正解操作順序を認識する。
<疑似遊技演出処理の説明>
次に、本実施形態における擬似遊技演出処理の内容について、図23のフローチャートを参照しつつ説明する。この図に示す擬似遊技演出処理は、図10に示したメインルーチンのステップS48において実行される処理であり、前述した図11〜図16に示した擬似遊技演出処理(擬似遊技演出制御処理を含む)の代わりに実行されるものである。
まず、主制御回路100(より厳密には擬似遊技演出手段130)は、図10のステップS48の処理へ進むと、図23の疑似遊技演出処理を開始し、擬似遊技演出を開始するか否かの抽選(擬似遊技演出抽選)を行う(ステップSa100)。ここで、ステップSa100の擬似遊技演出抽選は、通常遊技中または特別遊技中のいずれで行っても良いことになっているが、いずれか一方の遊技中に行うように定めてもよい。次に主制御回路100は、擬似遊技演出抽選に当選したか否かを判断し(ステップSa102)、擬似遊技演出抽選に当選しなかった(NO)と判断したときは、図23に示す擬似遊技演出処理を終了する。そして、図10に示したメインルーチンのステップS50の処理へ移行する。
これに対して、ステップSa100の擬似遊技演出抽選で当選した(YES)と判断したときは、疑似遊技演出フラグF_PDの状態を「1」にセットし(ステップSa104)、疑似遊技演出開始コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップSa106)。次に主制御回路100は、乱数RND2を発生し、図22(b)に示す抽選デーブルに基づいて正解操作順序を決定する(ステップSa108)。そして、発生した乱数RND2を副制御回路200へ送信する(ステップSa110)。次に主制御回路100は、前回の単位遊技でスタートスイッチ36が操作されてから、4.1秒が経過したか否かを判断する(ステップSa112)。そして、4.1秒が経過していない(NO)と判断したときは、4.1秒が経過するまで待機状態となり、4.1秒が経過した(YES)と判断すると、主制御回路100は回転待機終了コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップSa114)。
次に主制御回路100は、リール40L,40C,40Rの回転を開始させ、擬似遊技演出におけるリール回転制御を行い(ステップSa116)、副制御回路200へリール回転開始コマンドを送信する(ステップSa118)。そして、各リールの回転速度が所定の定常回転速度に達し、ストップスイッチの操作受付可能状態になると、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されたか否かを判断する(ステップSa120)。そして、いずれかのストップスイッチが操作された(YES)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール停止受付コマンドを副制御回路200へ送信する(ステップSa122)。これにより、副制御回路200では、各リール停止受付コマンドの受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
次に主制御回路100は、操作されたストップスイッチがステップSa108の正解操作順序に合致するものであるか否かを判断する(ステップSa124)。例えば、正解操作順序が「左→中→右」に定められたときに、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだった場合は、ステップSa124の判断結果はYESとなり、それ以外のストップスイッチだった場合はNOとなる。また、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lであり、かつ、第2停止操作が中ストップスイッチ37Cだった場合は、ステップSa124の判断結果はYESとなるが、右ストップスイッチ37Rだった場合はNOとなる。
そして、ステップSa124の判断結果はYESとなったときは、操作されたストップスイッチに対応するリールにおいて、入賞ラインL上(中段M)に「リプレイ」図柄を停止させる(ステップSa126)。これに対して、ステップSa124の判断結果はNOとなったときは、すでに停止しているリールにおいて入賞ラインL上に停止している図柄に応じて、操作されたリールにおける「ベル」図柄または「リプレイ」図柄を入賞ラインL上に停止させる(ステップSa128)。ここで、「ベル」図柄または「リプレイ」図柄のいずれを停止表示させるのかは、全リールが停止したときに入賞ラインL上に停止している図柄組合せが、「ベル」図柄と「リプレイ」図柄とで構成された図柄組合せになっていればよい。
ステップSa126またはSa128の処理によって、操作されたストップスイッチに対応するリールが停止すると、主制御回路100は、副制御回路200に対してリール停止コマンドを送信する(ステップSa130)。そして主制御回路100は、全てのリールが停止したか否かを判断し(ステップSa132)、未だ回転しているリールがある(NO)と判断したときは、ステップSa120の処理へ戻る。これに対して、全てのリールが停止した(YES)と判断したときは、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せが「リプレイ−リプレイ−リプレイ」であるか否かを判断する(ステップSa134)。
主制御回路100が、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが停止表示された(YES)と判断したときは、変数AGの値に「1」を加算する(ステップSa136)。この変数AGは、実行中の擬似遊技演出において、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが、連続して停止表示された回数を示している。よって、以下ではこの変数AGを、連続回数AGという。次に主制御回路100は、連続回数AGの値が「3」未満であるか否かを判断し(ステップSa138)、連続回数AGの値が「3」未満である(YES)と判断したときは、次にスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップSa140)。
主制御回路100は、スタートスイッチ36が操作されるまで、ステップSa140の判断処理を繰り返し行い、スタートスイッチ36が操作された(YES)と判断したときは、副制御回路200へスタートスイッチ受付コマンドを送信した後(ステップSa142)、次の擬似遊技演出を行うべく、ステップSa108へ移行して再び正解操作順序の抽選を行う。これに対して、ステップSa138の判断処理で、連続回数AGの値が「3」以上である(NO)と主制御回路100が判断したときは、外部集中端子基板84を介して外部のホールコンピュータや情報表示装置へ、所定の信号を出力する(ステップSa144)。
ここで所定の信号は、図22(a)に示した「図柄対応処理」欄の「パターン1」〜「パターン4」のうち、予め定めておいたいずれかの「パターン」において、各ストップスイッチ37L,37C,37Rが「正解」の操作順序で操作されたときに出力する信号となる。また、詳しくは後述するが、図25に示す電源復帰処理を行う場合は、外部へ所定の信号を出力したときにセットされる外部信号出力フラグを設けておき、擬似遊技演出を終了したときに、外部信号出力フラグをリセットするようにしてもよい。
そして、主制御回路100は、単位遊技停止フラグF_STPの状態を「1」にする(ステップSa146)。この単位遊技停止フラグF_STPは、現在行っている擬似遊技演出が終了したときに、単位遊技を再開すべきか、停止すべきかを表すフラグである。すなわち、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「0」だった場合、主制御回路100は、擬似遊技演出が終了すると引き続き単位遊技を再開する。これに対して「1」だった場合、主制御回路100は、擬似遊技演出が終了しても単位遊技に関する処理を再開しない。
次に主制御回路100は、副制御回路200へ擬似遊技演出終了コマンドを送信した後(ステップSa148)、前述した連続回数AGの値を「0」にクリアし、疑似遊技演出フラグF_PDの状態を「0」にリセットする(ステップSa150)。そして主制御回路100は、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「0」であるか否かを判断し(ステップSa152)、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「0」である(YES)と主制御部100が判断したときは、図23の擬似遊技演出処理を終了し、図10のステップS50に移行する。これに対して、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「1」である(NO)と主制御部100が判断したときは、遊技場の係員などによってスロットマシン10に予め定められているリセット操作が行われるまで、単位遊技に関する制御を停止する。なお、上述したリセット操作が行われたときは、単位遊技を再開するとともに、単位遊技停止フラグF_STPの状態を「0」にする。
上述した本実施形態における擬似遊技演出においては、擬似遊技演出が開始されると(ステップSa102,YES)、正解操作順序が抽選によって決定され(ステップSa108)、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rが正解操作順序とおりに操作されたときは(ステップSa124,YES)、入賞ラインL上に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが停止表示され(ステップSa126)、連続回数AGの値に「1」が加算される(ステップSa136)。そして、連続回数AGの値が「3」未満であれば(ステップSa138,YES)、再度、擬似遊技演出が行われる(ステップSa108へ移行。)。
このように、再遊技役に対応する「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが入賞ラインL上に停止表示されたときに、再び擬似遊技演出を行うようにしているため、メダル投入操作を行うことなく、スタートスイッチ36の操作に応じてリール40L,40C,40Rを回転させても遊技者に違和感を与えることがない。さらに、このときに単位遊技において再遊技役が入賞したときと同じ演出を行えば、より遊技者に違和感を与えにくくすることができる。
また、連続回数AGの値が「3」以上になると(ステップSa138,NO)、所定の状態、すなわち、図22(a)の「パターン1」〜「パターン4」のうち、予め定められていたパターンにおける「正解」時の状態を表す信号を外部へ出力して(ステップSa144)、図23の擬似遊技演出処理を終了する。この場合、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「1」にセットされるので(ステップSa146)、単位遊技は再開されず、中断した状態となる(ステップSa152,NO)。
一方、擬似遊技演出において、遊技者が正解操作順序以外の順序でストップスイッチを操作したことにより(ステップSa124,NO)、入賞ラインL上に「ベル」図柄と「リプレイ」図柄とからなる図柄組合せが停止表示された場合は(ステップSa128)、そのまま擬似遊技演出が終了する(ステップSa134,NO→Sa148)。ただしこの場合、単位遊技停止フラグF_STPの状態が「1」にセットされることがないため(ステップSa146が行われない。)、単位遊技は再開される(ステップSa152,YES→リターン)。
なお、上述した擬似遊技演出では、ステップSa108で正解操作順序抽選を行った後、ステップSa110の処理により、副制御回路200に対して発生した乱数RND2の値を送信していたが、代わりに、正解操作順序抽選によって決定された正解操作順序を示す情報を、副制御回路200へ送信するようにしても良い。また、ステップSa138の処理により、3回以上連続してストップスイッチが正解操作順序で操作された場合(ステップSa138,NO)は擬似遊技演出が終了することになるが、図22(a)の「図柄対応処理」欄に示す「パターン1」の場合は、ステップSa134の判断結果がYESになったときは、直ちにステップSa140へ移行して擬似遊技演出を継続するようにしてもよい。またこのとき、擬似遊技演出が継続することを示す信号を外部へ出力するようにしてもよい。
また、ステップSa138の処理により、3回以上連続してストップスイッチが正解操作順序で操作されたときに、所定の状態(例えばART遊技中、副制御回路200で異常発生中など)を示す信号を外部へ出力していたが(ステップSa138,NO→ステップSa144)、ストップスイッチが一回でも正解操作順序で操作されれば、ステップSa144の処理へ移行するようにしてもよい。また、ステップS134では、入賞ラインL上に停止表示された図柄組合せに基づいて、各ストップスイッチが正解操作順序で操作されたか否かを判断していたが、停止表示された図柄組合せによってではなく、遊技者による各ストップスイッチの操作順序を認識し、直接、正解操作順序で操作されたか否かを判断するようにしてもよい。
また、ステップSa144による外部への信号出力、および、ステップSa146およびSa152の処理による擬似遊技演出終了後の単位遊技の停止は、いずれか一方のみを実行するようにしてもよいし、双方とも実行するようにしてもよい。例えば、図22(a)の「図柄対応処理」欄に示す「パターン3」の処理を行う場合は、ART遊技中であることを示す信号を外部へ出力した後、必ずしも単位遊技停止フラグF_STPを「1」にする必要はない。さらに、ステップSa152の判断結果がNOとなった場合は、単位遊技を停止する旨の報知を行うことを指示するコマンドを副制御回路200へ送信し、単位遊技が停止することを副制御回路200が遊技者に報知するようにしてもよい。
<操作順序報知処理の説明>
次に、主制御回路100で図23に示した擬似遊技演出処理を行う場合に、副制御回路200において、当該擬似遊技演出処理で決定された正解操作順序を報知するか否かを制御する、操作順序報知処理について図24に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップSa200)。副制御回路200が、主制御回路100から何らかのコマンドを受信した(YES)と判断したときは、当該コマンドが、図23のステップSa110の処理によって送信された乱数RND2であるか否かを判断する(ステップSa202)。
ステップSa202の判断処理で、副制御回路200が乱数RND2である(YES)と判断したときは、次に正解操作順序を報知する条件を満たしているか否かを判断する(ステップSa204)。ここで、正解操作順序の報知条件としては、例えば図22(a)の「図柄対応処理」欄に示す「パターン1」または「パターン4」の処理を行う場合は、正解操作順序を報知するか否かを決定する報知抽選を行って、当選した場合に報知条件が満たされたと判断してもよい。また、「パターン2」の処理を行う場合は、図20のステップS464でARTフラグF_ARTの値が「1」にされていた場合に報知条件が満たされたと判断してもよい。さらに、「パターン3」の処理を行う場合は、副制御回路200が何らかの異常を検出していた場合に報知条件が満たされたと判断してもよい。
ステップSa204の判断処理において、報知条件が満たされた(YES)と副制御回路200が判断したときは、主制御回路100から受信した乱数RND2と、図22(b)に示した抽選テーブルとに基づいて正解操作順序を判断し、その正解操作順序を遊技者に対して報知する(ステップSa206)。そして正解操作順序を報知すると、副制御回路200は、図24に示す操作順序報知処理を終了して他の処理を行う。
なお、ステップSa206の処理において、主制御回路100から正解操作順序を示す情報が送信される場合は、その情報に基づいて(図22(b)の抽選テーブルを必要とせず)、正解操作順序を報知することができる。また、ストップスイッチの操作順序の報知は、従来の報知方法を用いることができ、さらに、報知された操作順序に従ってストップスイッチが操作されなかった場合は、従来のスロットマシンと同様に、いわゆるペナルティを遊技者に課すようにしてもよい。もしくは、報知された操作順序に従って遊技者がストップスイッチを操作した場合は、その報酬として例えばART抽選を行うなど、何らかの特典を付与してもよい。
また、副制御回路200が、ステップSa200の判断処理で主制御回路100からコマンドを受信していない(NO)と判断したとき、ステップSa202の判断処理で主制御回路100から受信したコマンドが乱数RND2ではなかった(NO)と判断したとき、または、ステップSa204の判断処理で正解操作順序の報知条件が満たされていない(NO)と判断したときは、直ちに図24の操作順序報知処理を終了して他の処理を行う。
このように、副制御回路200は、所定の報知条件を満たしたときに正解操作順序を報知し(図24、ステップSa204,YES→Sa206)、これにより、3回連続して遊技者が報知された正解操作順序でストップスイッチを操作すると(図23、ステップSa138,YES)、主制御回路100は、正解操作順序で操作されたことに応じた処理を行う(図23、ステップSa144,Sa146)。このため、主制御回路100は、操作順序が報知されないにも関わらず、遊技者がたまたま正解操作順序でストップスイッチを操作した、といった偶然性を排除でき、より高い正確度で副制御回路200の状態を主制御回路100が認識でき、外部に対しても知らせることができる(例えば、図22(a)の「図柄対応処理」欄に示す「パターン2」および「パターン3」の場合)。
また、図23の擬似遊技演出処理は、1回の単位遊技の中で行われる処理であるため、主制御回路100は、より少ない単位遊技の回数で、より正確に副制御回路200の状態を把握することができる。さらに、ステップSa204における報知条件によっては、副制御回路200が、主制御回路100における処理に影響を与えることができる(例えば、図22(a)の「図柄対応処理」欄に示す「パターン1」および「パターン4」の場合)。
なお、図23に示した擬似遊技演出処理における連続回数AGの値は、擬似遊技中にストップスイッチが正解操作順序で操作されたときに、「1」加算されていたが、本来の単位遊技においても図23および図24に示した処理と同様の処理を行い、単位遊技中であっても、正解操作順序が操作されたときには、同じ連続回数AGの値に「1」を加算するようにしてもよい。
<電源復帰処理の説明>
次に、スロットマシン10の電源がオフにされ、再び電源がオンにされたときに主制御回路100で実行される電源復帰処理について、図25に示すフローチャートを参照して説明する。なお、以下に説明する電源復帰処理を行うにあたり、従来のスロットマシンにおいて電源オフ時にバックアップされる各種情報に加え、図23の擬似遊技演出処理で参照される各種変数の値およびフラグの状態も、スロットマシン10の電源オフ時にバックアップされるものとする。
まず、主制御回路100は、スロットマシン10の電源がオフからオンにされると、電源がオフにされたとき(以下、「電断時」ともいう。)の遊技状態に復帰するための処理を行う(ステップSa170)。例えば、電断時にクレジットされていたメダルの枚数を再びクレジット数表示器27に表示し、電断時の遊技状態が、再遊技を開始するところであったときは再遊技状態に、MB遊技などの特別遊技中だったときはその特別遊技状態に復旧させる。また、図23の擬似遊技演出処理で参照される各種変数の値およびフラグの状態についても、電断時の状態に復旧させる。
次に主制御回路100は、疑似遊技演出フラグF_PDの状態が「1」であるか否かを判断する(ステップSa172)。そして、疑似遊技演出フラグF_PDの状態が「1」である(YES)と主制御回路100が判断したときは、次に連続回数AGの値が「2」未満であるか否かを判断する(ステップSa174)。連続回数AGの値が「2」未満である(YES)と主制御回路100が判断したときは、主制御回路100は、連続回数AGの値を「0」にクリアする(ステップSa176)。この処理によって、たとえば電断時に行われていた擬似遊技演出において、正解操作順序でストップスイッチが操作された回数が1回だったときは、最初から擬似遊技演出を再開することになる。
次に主制御回路100は、擬似遊技演出開始コマンドを副制御回路200へ送信し(ステップSa178)、さらに主制御回路100は、連続回数AGの値(AG=0)を副制御回路200へ送信する(ステップSa180)。なお、連続回数AGの値は、その直前で送信する擬似遊技演出開始コマンドに含めて、送信するようにしてもよい。そして、ステップSa180の処理を終えると、主制御回路100は、図23に示した擬似遊技演出処理のステップSa140の処理へ移行し、スタートスイッチ36が操作されるまで待機状態となる。
一方、ステップSa174の判断処理において、連続回数AGの値が「2」を越えている(NO)と主制御回路100が判断したときは、次に連続回数AGの値が「2」であるか否かを判断する(ステップSa182)。連続回数AGの値が「2」である(YES)と判断したときは、そのままステップSa178以降の処理を行い、擬似遊技演出開始コマンドおよび連続回数AGの値(AG=2)を副制御回路200へ送信する。これにより、遊技者はストップスイッチを2回連続して正解操作順序で操作した状態から、擬似遊技演出を再開することとなる。また、これに合わせて副制御回路200においても擬似遊技演出中に行う各種報知処理または演出処理を再開する。
これに対し、ステップSa182の判断処理で、連続回数AGの値が「2」でない、すなわち「3」以上である(NO)と主制御回路100が判断したときは、例えば前述した外部信号出力フラグをチェックして、外部信号が出力された後であるか否かを判断する(ステップSa184)。そして、未だ外部信号が出力されいない(NO)と主制御回路100が判断したときは、前述した「所定の信号」を外部へ出力する。次に主制御回路100は、連続回数AGの値を「0」にクリアするとともに、疑似遊技演出フラグF_PDの状態を「0」にリセットして(ステップSa188)、図10に示したメインルーチンのステップS12の処理へ移行する。一方、ステップSa184の判断処理で、すでに外部信号が出力されている(YES)と、主制御回路100が判断したときは、直ちにステップSa188の処理を行う。
このように、擬似遊技演出において、ストップスイッチが3回連続して正解操作順序で操作されたときに、スロットマシン10の電源がオフにされた場合は、電源が復帰した後に擬似遊技演出を再開することなく、電断時の遊技状態から単位遊技が再開される。
なお、前述したステップSa172の判断処理で、疑似遊技演出フラグF_PDの状態が「0」である、すなわち、電断時は擬似遊技演出が行われていなかったと、主制御回路100が判断したときは、そのまま図10に示したメインルーチンのステップS12の処理へ移行する。
≪副制御回路の状態判別方法に関する変形例≫
上述した擬似遊技演出処理では、主制御回路100は、停止表示された図柄組合せが、ストップスイッチ37L,37C,37Rが正解操作順序で操作されたときのもの(「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)であるか否かに基づいて、副制御回路200の状態を判断していた(例えば図22(a)の「図柄対応処理」欄の「パターン2」および「パターン3」参照)。これに対して、以下で説明する擬似遊技演出処理では、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序と、停止表示させる図柄組合せとで、副制御回路200の状態を判断するものである。ここで、「停止表示させる図柄組合せ」とは、ストップスイッチの操作順序によらず、リール停止制御によって必ず停止表示させる図柄組合せをいう。
まず、本変形例では、副制御回路200の状態について、停止表示される図柄組合せに応じて6種類の状態を判別することができる。例えば、図26(a)に示すように、停止表示させる図柄組合せが「ベル−ベル−ベル」の場合、副制御回路200の異常に関して、異常なし(状態1)、スロットマシン10筐体の扉が開いている(状態2)、主制御回路100から送信されたコマンドが受信できなかった(状態3)、RAMエラーが発生した(状態4)、表示装置70に対する表示制御において異常が発生した(状態5)、スピーカ64L,64Rから出力する音声に異常が発生した(状態6)といった状態を判別することができる。
なお、主制御回路100が、上述した状態2〜状態6のいずれかである(すなわち、状態1は除く)と判断したときは、副制御回路200に異常が発生したことを示す信号を外部へ出力し、さらに、擬似遊技演出が終了しても単位遊技を再開させないようにしてもよい。また、外部への信号出力と、擬似遊技演出後の単位遊技の停止との、いずれか一方のみを行うようにしてもよい。
また、停止表示させる図柄組合せが「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の場合は、ART遊技について、ART遊技中で残りゲーム数が「5」以下(状態1)、ART遊技中で残りゲーム数が「6」以上「10」以下(状態2)、ART遊技中で残りゲーム数が「11」以上(状態3)、ART遊技中ではなくストック数が「0」(状態4)、ART遊技中ではなくストック数が「1」以上「5」以下(状態5)、ART遊技中ではなくストック数が「6」以上(状態6)といった状態を判別することができる。
ここで、上述した「ストック」は、従来のスロットマシンにおける「ストック」と同様に、ART遊技を行うことができるいわば“権利”であり、例えば、抽選よってその数が加算されていくものとする。そして、ART遊技の開始条件を満たすと、蓄積していたストックを1つ消費してART遊技を開始させる。よって、ART遊技の開始条件を満たしても、ストックの数が「0」であれば、ART遊技は開始されない。なお、主制御回路100が、上述した状態1〜状態3のいずれかであると判断したときは、外部に対してART信号を出力するようにしてもよい。
また、主制御回路100は、図26(b)に示すように、上述した状態1〜状態6と、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対する6通りの操作順序との対応を、前述した乱数RND2の値に応じて決定する。そして主制御回路100は、この乱数RND2の値と、擬似遊技演出において「ベル」図柄と「リプレイ」図柄の、いずれの図柄組合せを停止表示させるのかを、ストップスイッチが第1停止操作される前に副制御回路200へ送信する。なお、以下では、停止表示させる図柄組合せ(表示予定図柄)の情報を含むコマンドを、表示予定図柄コマンドという。
以上のような方法によって主制御回路100が副制御回路200の状態を判断する場合、例えば発生した乱数RND2の値が「2」、ストップスイッチの操作順序が「中→左→右」、停止表示された図柄組合せが「リプレイ−リプレイ−リプレイ」だったとすると、主制御回路100は、現在、ART遊技中ではなく、ストックの数が「1」以上「5」以下(状態5)であると判断する。
<操作順序報知処理の変形例>
次に、主制御回路100が、上述した方法によって副制御回路200の状態を判断する場合に、副制御回路200で実行される操作順序報知処理の内容について、図27に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図27に示す操作順序報知処理を行うにあたり、副制御回路200は、図26(a)および(b)に示した各種情報を予め記憶しているものとする。
まず、副制御回路200は、主制御回路100から送信されたいずれかのコマンドを受信したか否かを判断する(ステップSb200)。副制御回路200が、主制御回路100から何らかのコマンドを受信した(YES)と判断したときは、前述した表示予定図柄コマンドと、乱数RND2の値とを受信したか否かを判断する(ステップSb202)。そして、副制御回路200が表示予定図柄コマンドおよび乱数RND2の値の双方を受信した(YES)と判断したときは、次に、主制御回路100から受信した表示予定図柄に対応する状態1〜6のいずれに該当するのかを判断する(ステップSb204)。
そして副制御回路200は、ステップSb204で判断した「状態」に対応する操作順序を、受信した乱数RND2の値と、図26(b)に示した情報とに基づいて判断し、その判断に基づく操作順序を遊技者に報知する(ステップSb206)。そして当該操作順序を報知すると、副制御回路200は、図27に示す操作順序報知処理を終了して他の処理を行う。なお、副制御回路200が、ステップSb200の判断処理で主制御回路100からコマンドを受信していない(NO)と判断したとき、または、ステップSb202の判断処理で、表示予定図柄コマンドおよび乱数RND2の双方を受信していない(NO)と判断したときは、直ちに図27の操作順序報知処理を終了して他の処理を行う。
このように、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序と、停止表示された図柄組合せとに基づいて、副制御回路200の状態を判断することにより、実行する擬似遊技演出の回数が少ない場合であっても、副制御回路200のより詳細な状態を判断することができる。
なお、図26(a)に示した例では、表示予定図柄ごとに、異常に関するもの、ART遊技に関するもの、というように判断対象となる副制御回路200の状態が分類されていたが、これに限定されず、表示予定図柄に対応する状態1〜6の内容は任意に設定してもよい。