JP2013054927A5 - - Google Patents
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上述のように、ケイ酸鉄リチウムLi2FeSiO4やケイ酸マンガンリチウムLi2MnSiO4、及びそれらを基本構造として元素置換や組成変化させた誘導体は、理論上又は組成上高い容量(330mAh/g)が期待できる。実際には、1Li以上の実容量(165mAh/g)が得られたという例はまだ数少なく、1.5Liの実容量(247mAh/g)にまではまだ達成されていないが、特許文献7では、60〜130mAh/gの容量となっており、非特許文献6では190mAh/gの実容量、非特許文献7では225mAh/gの実容量が報告されている。
しかしながら、ケイ酸鉄リチウムLi2FeSiO4やケイ酸マンガンリチウムLi2MnSiO4、及びそれらの誘導体は、1μmより小さな微粒子にしないと高い容量が得られない。これは、これらの材料の導電性が低いため、Li+イオンや電子の拡散経路を短くするというものである。
このように、ナノサイズの微粒子にすれば高い容量が得られるようになるものの、ナノサイズの微粒子とした場合、当該微粒子をスラリーにして集電体に塗工してリチウムイオン二次電池の正極を作製する工程において、塗工性が良くないという問題が明らかとなった。例えば、塗工過程や乾燥過程でクラックが発生するという問題が生じる。また、クラックの発生は、高塗布量にしようとする際に顕著に表れる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構成元素として、Fe及びMnの少なくとも1つを含み、かつ、Li及びSiを含む酸化物と炭素材との複合粒子を有するリチウムイオン二次電池用正極材料であって、高い放電容量が得られ、かつ塗工性に優れたリチウムイオン二次電池用正極材料、それを用いたリチウムイオン二次電池用正極部材、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法を提供することを目的とする。
しかしながら、ケイ酸鉄リチウムLi2FeSiO4やケイ酸マンガンリチウムLi2MnSiO4、及びそれらの誘導体は、1μmより小さな微粒子にしないと高い容量が得られない。これは、これらの材料の導電性が低いため、Li+イオンや電子の拡散経路を短くするというものである。
このように、ナノサイズの微粒子にすれば高い容量が得られるようになるものの、ナノサイズの微粒子とした場合、当該微粒子をスラリーにして集電体に塗工してリチウムイオン二次電池の正極を作製する工程において、塗工性が良くないという問題が明らかとなった。例えば、塗工過程や乾燥過程でクラックが発生するという問題が生じる。また、クラックの発生は、高塗布量にしようとする際に顕著に表れる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、構成元素として、Fe及びMnの少なくとも1つを含み、かつ、Li及びSiを含む酸化物と炭素材との複合粒子を有するリチウムイオン二次電池用正極材料であって、高い放電容量が得られ、かつ塗工性に優れたリチウムイオン二次電池用正極材料、それを用いたリチウムイオン二次電池用正極部材、リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電池用正極材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明における炭素材は、元素状炭素を含むものであり、複合粒子中の炭素材に含まれるグラファイト骨格炭素の含有率は20〜70%であることが好ましい。グラファイト骨格炭素の含有率が20%未満であると、炭素材の電気伝導率が低くなり、高い容量が得られ難くなる場合がある。一方、グラファイト骨格炭素の含有率が70%を超えると疎水性が強まり、電解質溶液が浸透し難くなるため、高容量が得られ難くなる場合がある。
また、電解質溶液の他に次の様な固体電解質を使用することができる。固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。
無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などが挙げられる。中でも、Li3 N、LiI、Li5 NI 2、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 −(1-x) Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合物(例えば、Li10GeP2S12等)などが有効である。
無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などが挙げられる。中でも、Li3 N、LiI、Li5 NI 2、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 −(1-x) Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合物(例えば、Li10GeP2S12等)などが有効である。
なお、前記粒子を更に不活性雰囲気で又は還元雰囲気下で300℃以上融点Tm(K)の0.757Tm以下の温度で熱処理してもよい。
前記熱処理温度としては、著しい粒成長しない温度(表面拡散が起こる温度以下)が好ましい。特に、結晶性が高くならない温度、即ち、XRDパターンの2θ=33±2゜の範囲に存在する回折ピークの半値幅が4.00°を超えることなく、かつ、0.55゜未満にならないように熱処理するのがより好ましい。
前記熱処理温度としては、著しい粒成長しない温度(表面拡散が起こる温度以下)が好ましい。特に、結晶性が高くならない温度、即ち、XRDパターンの2θ=33±2゜の範囲に存在する回折ピークの半値幅が4.00°を超えることなく、かつ、0.55゜未満にならないように熱処理するのがより好ましい。
次に、焙焼法を利用した作製方法の例を示す。
焙焼法で用いる原料は、所望の金属酸化物を構成する元素を含む化合物であって、水に溶解する化合物を使用する。鉄の元素を含む金属酸化物の場合には、前記原料に鉄鋼酸洗廃液又は圧延スケールを塩酸に溶解して調製した水溶液を使用するのが好ましい。前記化合物を溶解した水溶液を、ルスナー型、ルルギー型やケミライト型等の焙焼炉に導入して熱分解することで粒子を作製することができる。
焙焼法で用いる原料は、所望の金属酸化物を構成する元素を含む化合物であって、水に溶解する化合物を使用する。鉄の元素を含む金属酸化物の場合には、前記原料に鉄鋼酸洗廃液又は圧延スケールを塩酸に溶解して調製した水溶液を使用するのが好ましい。前記化合物を溶解した水溶液を、ルスナー型、ルルギー型やケミライト型等の焙焼炉に導入して熱分解することで粒子を作製することができる。
なお、前記粒子を更に不活性雰囲気で又は還元雰囲気下で300℃以上融点Tm(K)の0.757Tm以下の温度で熱処理してもよい。
前記熱処理温度としては、著しい粒成長しない温度(表面拡散が起こる温度以下)が好ましい。特に、結晶性が高くならない温度、即ち、XRDパターンの2θ=33±2゜の範囲に存在する回折ピークの半値幅が4.00°を超えることなく、かつ、0.55゜未満にならないように熱処理するのがより好ましい。
前記熱処理温度としては、著しい粒成長しない温度(表面拡散が起こる温度以下)が好ましい。特に、結晶性が高くならない温度、即ち、XRDパターンの2θ=33±2゜の範囲に存在する回折ピークの半値幅が4.00°を超えることなく、かつ、0.55゜未満にならないように熱処理するのがより好ましい。
上述の炭素源となる有機化合物としては、例えば、アスコルビン酸、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース等)、二糖(スクロース、マルトース、ラクトース等)、多糖(アミロース、セルロース、デキストリン等)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、フェノール、ヒドロキノン、カテコール、マレイン酸、クエン酸、マロン酸、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。
上述の酸化物を構成する元素を含む化合物としては、例えば、金属、水酸化物、硝酸塩、塩化物、有機酸塩、酸化物、炭酸塩、金属アルコキシド等が例示できる。
上述の酸化物を構成する元素を含む化合物としては、例えば、金属、水酸化物、硝酸塩、塩化物、有機酸塩、酸化物、炭酸塩、金属アルコキシド等が例示できる。
(実施例1)
出発原料として、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、テトラエトキシシラン(以下、TEOSと言う)、アルミニウムsec-ブトキシドを用いた。表1の各組成比になるように、前記原料を水に溶解して水溶液を調製した。
ここで、TEOSは、予めメトキシエタノールに溶解し、その溶液を水に溶解させた。また、アルミニウムsec-ブトキシドを使用する場合には、アセト酢酸エチルで化学改質したものをTEOSを溶解したメトキシエタノールに添加して溶解し、その溶液を水に溶解させた。更に、前記水溶液に炭素材となる有機化合物としてグルコースを添加した。これらの水溶液を、それぞれ、窒素ガスからなるキャリヤーガスを用いて400〜1100℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解することにより、試料を作製した。
溶液中の金属イオンの濃度は、Feイオンで0.05〜0.9mol/Lの範囲で溶液を調製した。前記グルコースは、グルコース/酸化物のモル比0.5〜4の範囲で添加した。なお、添加したグルコースは、グルコース/酸化物のモル比で0.5以下ならば粒子中に炭素として殆ど残らない。またグルコース添加量がそれより多い場合でも、加熱温度が高ければ粒子中に炭素として残らない。
グルコース添加量及び炉温によって、結晶性(半値幅)を制御した。残留炭素が多くなるほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。炉温が低いほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。また、液滴中の金属イオン濃度、グルコース含有量によって、粒子のサイズを制御した。
また、表1の試料No.1-5は、試料No.1-1を更に1%H2/Ar中、700℃、3hで熱処理したものである。表1の試料No.1-6は、試料No.1-1を更に1%H2/Ar中、600℃、3hで熱処理したものである。表1の試料No.1-7は、試料No.1-1を更に湿式粉砕した後、スプレードライで乾燥しながら造粒したものである。表1の試料No.1-9は、試料No.1-1を更に湿式粉砕し、凍結乾燥して造粒しないようにしたものである。表1の試料No.1-11は400℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解し、それ以外の試料では500℃以上で噴霧熱分解している。
なお、各試料の噴霧炉温(加熱炉の温度)、グルコース添加量、溶液中の金属イオン濃度は表1に示す通りである。
出発原料として、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、テトラエトキシシラン(以下、TEOSと言う)、アルミニウムsec-ブトキシドを用いた。表1の各組成比になるように、前記原料を水に溶解して水溶液を調製した。
ここで、TEOSは、予めメトキシエタノールに溶解し、その溶液を水に溶解させた。また、アルミニウムsec-ブトキシドを使用する場合には、アセト酢酸エチルで化学改質したものをTEOSを溶解したメトキシエタノールに添加して溶解し、その溶液を水に溶解させた。更に、前記水溶液に炭素材となる有機化合物としてグルコースを添加した。これらの水溶液を、それぞれ、窒素ガスからなるキャリヤーガスを用いて400〜1100℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解することにより、試料を作製した。
溶液中の金属イオンの濃度は、Feイオンで0.05〜0.9mol/Lの範囲で溶液を調製した。前記グルコースは、グルコース/酸化物のモル比0.5〜4の範囲で添加した。なお、添加したグルコースは、グルコース/酸化物のモル比で0.5以下ならば粒子中に炭素として殆ど残らない。またグルコース添加量がそれより多い場合でも、加熱温度が高ければ粒子中に炭素として残らない。
グルコース添加量及び炉温によって、結晶性(半値幅)を制御した。残留炭素が多くなるほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。炉温が低いほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。また、液滴中の金属イオン濃度、グルコース含有量によって、粒子のサイズを制御した。
また、表1の試料No.1-5は、試料No.1-1を更に1%H2/Ar中、700℃、3hで熱処理したものである。表1の試料No.1-6は、試料No.1-1を更に1%H2/Ar中、600℃、3hで熱処理したものである。表1の試料No.1-7は、試料No.1-1を更に湿式粉砕した後、スプレードライで乾燥しながら造粒したものである。表1の試料No.1-9は、試料No.1-1を更に湿式粉砕し、凍結乾燥して造粒しないようにしたものである。表1の試料No.1-11は400℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解し、それ以外の試料では500℃以上で噴霧熱分解している。
なお、各試料の噴霧炉温(加熱炉の温度)、グルコース添加量、溶液中の金属イオン濃度は表1に示す通りである。
(実施例3)
出発原料として、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸マンガン(II)六水和物(Mn(NO3)2・6H2O)、硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、TEOS、アルミニウムsec-ブトキシド、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O)を用いた。表3の各組成比になるように、前記原料を水に溶解して水溶液を調製した。ここで、TEOSは、予めメトキシエタノールに溶解し、その溶液を水に溶解させた。また、アルミニウムsec-ブトキシドを使用する場合には、アセト酢酸エチルで化学改質したものを、TEOSを溶解したメトキシエタノールに添加して溶解し、その溶液を水に溶解させた。更に、前記水溶液に炭素材となる有機化合物としてグルコースを添加した。これらの水溶液を、それぞれ、窒素ガスからなるキャリヤーガスを用いて400〜1100℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解することにより、試料を作製した。
溶液中の金属イオンの濃度は、酸化物組成モル換算で0.05〜0.9mol/Lの範囲で溶液を調製した。前記グルコースは、グルコース/酸化物のモル比0.5〜4の範囲で添加した。グルコース添加量及び炉温によって、結晶性(半値幅)を制御した。残留炭素が多くなるほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。炉温が低いほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。また、液滴中の金属イオン濃度、グルコース含有量によって、粒子のサイズを制御した。
また、表3の試料No.3-2は、試料No.3-1を更に1%H2/Ar中、750℃、3hで熱処理したものである。表3の試料No.3-3は、試料No.3-1を更に湿式粉砕した後、凍結乾燥して造粒しないようにしたものである。表3の試料No.3-9は、試料No.3-1を更に湿式粉砕した後、スプレードライで乾燥しながら造粒したものである。表3の試料No.3-7は、400℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解し、それ以外の試料では500℃以上で噴霧熱分解している。
なお、各試料の噴霧炉温、グルコース添加量、溶液中の金属イオン濃度は表3に示す通りである。
出発原料として、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸マンガン(II)六水和物(Mn(NO3)2・6H2O)、硝酸鉄(III)九水和物(Fe(NO3)3・9H2O)、TEOS、アルミニウムsec-ブトキシド、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2・6H2O)を用いた。表3の各組成比になるように、前記原料を水に溶解して水溶液を調製した。ここで、TEOSは、予めメトキシエタノールに溶解し、その溶液を水に溶解させた。また、アルミニウムsec-ブトキシドを使用する場合には、アセト酢酸エチルで化学改質したものを、TEOSを溶解したメトキシエタノールに添加して溶解し、その溶液を水に溶解させた。更に、前記水溶液に炭素材となる有機化合物としてグルコースを添加した。これらの水溶液を、それぞれ、窒素ガスからなるキャリヤーガスを用いて400〜1100℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解することにより、試料を作製した。
溶液中の金属イオンの濃度は、酸化物組成モル換算で0.05〜0.9mol/Lの範囲で溶液を調製した。前記グルコースは、グルコース/酸化物のモル比0.5〜4の範囲で添加した。グルコース添加量及び炉温によって、結晶性(半値幅)を制御した。残留炭素が多くなるほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。炉温が低いほど、結晶成長し難くなるので結晶性が低くなる。また、液滴中の金属イオン濃度、グルコース含有量によって、粒子のサイズを制御した。
また、表3の試料No.3-2は、試料No.3-1を更に1%H2/Ar中、750℃、3hで熱処理したものである。表3の試料No.3-3は、試料No.3-1を更に湿式粉砕した後、凍結乾燥して造粒しないようにしたものである。表3の試料No.3-9は、試料No.3-1を更に湿式粉砕した後、スプレードライで乾燥しながら造粒したものである。表3の試料No.3-7は、400℃に加熱した加熱炉中で噴霧熱分解し、それ以外の試料では500℃以上で噴霧熱分解している。
なお、各試料の噴霧炉温、グルコース添加量、溶液中の金属イオン濃度は表3に示す通りである。
上述のようにして得られた試料No.3-1〜No.3-14のそれぞれについて、実施例1と同様に分析及び評価を行った。
試料No.3-1〜No.3-14をX線回折したところ、試料No.3-7は400℃の低温で噴霧熱分解しているので2θ=33±2°には回折ピークが現れなかったが、それ以外の試料では同範囲に回折ピークが存在し、該回折ピークの半値幅は表3のような値が得られた。試料No.3-2は、試料No.3-1を750℃で熱処理して結晶性が高くなっているので、半値幅が0.50になった。試料No.3-14は、1100℃の高温で噴霧熱分解しているので、結晶性が高くなっており、半値幅が0.45になった。
試料No.3-10は、炭素材が含まれず複合粒子ではないので、海島構造は観察されなかったが、それ以外の試料では海島構造が観察され、円換算径を表3に併記した。
試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-14は、表3の「粒子サイズ」欄に示したような値であった。試料No.3-3は、試料No.3-1の粒子を0.2μmサイズに粉砕したものであるので、球状粒子ではなく、同サイズの異形微粒子である。また、試料No.3-9は、試料No.3-1を粉砕して造粒したものなので、球状に造粒された粒子のサイズである。
試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-8、No.3-10〜No.14は、表3の「粒子内の空隙」の「面積率」欄に示したような値であった。試料No.3-9は、試料No.3-1を粉砕して造粒した球状粒子であるので、粒子内はち密であり、200nmサイズのような大きな空隙は存在しなかった。
各試料の炭素含有量は、表3のような値であった。試料No.3-10は、グルコースの添加量を減らして炭素が残らないように作製したものである。
表3では、試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-7、No.3-10〜No.3-14がクラックの発生が見られず、塗工性は良好であった。試料No.3-3は、粒子を粉砕したものであるので、球状粒子でもなく、1μmより小さな微粒子となって、塗膜を乾燥するとクラックが発生し、良好な塗工性が得られなかった。試料No.3-8試料は、1μmより小さな微粒子であったので、塗膜を乾燥するとクラックが発生し、良好な塗工性が得られなかった。No.3-9は、粒子のサイズが大きすぎるので、粒子による表面凹凸が問題になる。
試料No.3-1、No.3-3〜No.3-6、No.3-8、No.3-11〜No.3-13は、190mAh/g以上の高い初期放電容量を示すものであった。これらの中で、試料No.3-3、No.3-8は、高い初期放電容量ではあるものの、良好な塗工性が得られるものではない。
試料No.3-1〜No.3-14をX線回折したところ、試料No.3-7は400℃の低温で噴霧熱分解しているので2θ=33±2°には回折ピークが現れなかったが、それ以外の試料では同範囲に回折ピークが存在し、該回折ピークの半値幅は表3のような値が得られた。試料No.3-2は、試料No.3-1を750℃で熱処理して結晶性が高くなっているので、半値幅が0.50になった。試料No.3-14は、1100℃の高温で噴霧熱分解しているので、結晶性が高くなっており、半値幅が0.45になった。
試料No.3-10は、炭素材が含まれず複合粒子ではないので、海島構造は観察されなかったが、それ以外の試料では海島構造が観察され、円換算径を表3に併記した。
試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-14は、表3の「粒子サイズ」欄に示したような値であった。試料No.3-3は、試料No.3-1の粒子を0.2μmサイズに粉砕したものであるので、球状粒子ではなく、同サイズの異形微粒子である。また、試料No.3-9は、試料No.3-1を粉砕して造粒したものなので、球状に造粒された粒子のサイズである。
試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-8、No.3-10〜No.14は、表3の「粒子内の空隙」の「面積率」欄に示したような値であった。試料No.3-9は、試料No.3-1を粉砕して造粒した球状粒子であるので、粒子内はち密であり、200nmサイズのような大きな空隙は存在しなかった。
各試料の炭素含有量は、表3のような値であった。試料No.3-10は、グルコースの添加量を減らして炭素が残らないように作製したものである。
表3では、試料No.3-1〜No.3-2、No.3-4〜No.3-7、No.3-10〜No.3-14がクラックの発生が見られず、塗工性は良好であった。試料No.3-3は、粒子を粉砕したものであるので、球状粒子でもなく、1μmより小さな微粒子となって、塗膜を乾燥するとクラックが発生し、良好な塗工性が得られなかった。試料No.3-8試料は、1μmより小さな微粒子であったので、塗膜を乾燥するとクラックが発生し、良好な塗工性が得られなかった。No.3-9は、粒子のサイズが大きすぎるので、粒子による表面凹凸が問題になる。
試料No.3-1、No.3-3〜No.3-6、No.3-8、No.3-11〜No.3-13は、190mAh/g以上の高い初期放電容量を示すものであった。これらの中で、試料No.3-3、No.3-8は、高い初期放電容量ではあるものの、良好な塗工性が得られるものではない。
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