JP2013054842A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の停止制御を最適化する。
【解決手段】アノードガス及びカソードガスを燃料電池1に供給して発電し、発電電力によって車両を走行させる燃料電池システム100であって、燃料電池1の暖機時に燃料電池システム100の停止指令がでたときは、暖機が終了するまで燃料電池1の発電を継続し、発電電力をバッテリ55に供給する停止後暖機運転手段と、停止後暖機運転時に、車両走行時に設定される通常上限充電率を超えてもバッテリ55への充電を許可する充電許可手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに関する。
従来の燃料電池システムとして、燃料電池システムを停止させるときに、燃料電池の運転を継続させて、燃料電池が所定温度まで上昇したことを確認してから停止させるものがある(特許文献1参照)。
特開2003−151601号公報
燃料電池の昇温速度は、燃料電池の発電電力を増大させるほど熱損失が大きくなるので速くなる。しかしながら、燃料電池システムの停止後に通電可能な電気部品は、燃料電池の運転を継続させるために必要な最低限の補機類に限られるため、補機類が消費する電力以上の電力を発電することができなかった。そのため、燃料電池システムの停止後に燃料電池を所定温度まで上昇させるために必要な時間が長くなるという問題点があった。
本発明はこのような従来の問題点に着目してなされたものであり、燃料電池システムの停止後における燃料電池の発電電力を増大させて、燃料電池の昇温速度を向上させることを目的とする。
本発明は、アノードガス及びカソードガスを燃料電池に供給して発電し、発電電力によって車両を走行させる燃料電池システムである。そして、その燃料電池システムが、燃料電池の暖機時に燃料電池システムの停止指令がでたときに、暖機が終了するまで燃料電池の発電を継続して発電電力をバッテリに供給する停止後暖機運転手段と、停止後暖機運転時に車両走行時に設定される通常上限充電率を超えてもバッテリへの充電を許可する充電許可手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、停止後暖機運転時には、車両走行時に設定される通常上限充電率を超えてもバッテリへの充電を許可するので、停止後暖機運転時における燃料電池の発電電力を増大させることができる。これにより、停止後暖機運転時における燃料電池の昇温速度を向上させることができる。
本発明の一実施形態による燃料電池システムの概略図である。 本発明の一実施形態による燃料電池システムの停止制御について説明するフローチャートである。 乾燥運転時間算出処理について説明するフローチャートである。 必要熱量と平均セル電圧とに基づいて、燃料電池スタックの温度が暖機完了温度になるまでの推定生成水収支量を算出するマップである。 外気温に基づいて、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサの回転速度を算出するテーブルである。 停止後暖機運転完了時の電解質膜の膜中の水分量と、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサの回転速度と、に基づいて乾燥運転時間を算出するマップである。 許容上限充電率算出処理について説明するフローチャートである。 目標充電電力算出処理について説明するフローチャートである。 暫定目標充電電力処理について説明するフローチャートである。 第1制限充電電力算出処理について説明するフローチャートである。 電力積算値に基づいてインバータの上昇温度を算出するテーブルである。 停止後暖機運転の実施時間、バッテリ温度及びバッテリ充電率に基づいて、第1制限充電電力を算出するマップである。 第2制限充電電力算出処理について説明するフローチャートである。 最低減少充電率に基づいて最低放電電力量を算出するテーブルである。 最低放電電力量とバッテリ温度とに基づいて、第2制限充電電力を算出するマップである。 乾燥運転処理について説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態による燃料電池システムの停止制御の動作について説明するタイムチャートである。 本発明の一実施形態による燃料電池システムの停止制御の動作について説明するタイムチャートである。
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
燃料電池は電解質膜をアノード電極(燃料極)とカソード電極(酸化剤極)とによって挟み、アノード電極に水素を含有するアノードガス(燃料ガス)、カソード電極に酸素を含有するカソードガス(酸化剤ガス)を供給することによって発電する。アノード電極及びカソード電極の両電極において進行する電極反応は以下の通りである。
アノード電極 : 2H2 →4H+ +4e- …(1)
カソード電極 : 4H+ +4e- +O2 →2H2O …(2)
この(1)(2)の電極反応によって燃料電池は1ボルト程度の起電力を生じる。
燃料電池を自動車用動力源として使用する場合には、要求される電力が大きいため、数百枚の燃料電池を積層した燃料電池スタックとして使用する。そして、燃料電池スタックにアノードガス及びカソードガスを供給する燃料電池システムを構成して、車両駆動用の電力を取り出す。
図1は、本発明の一実施形態による燃料電池システム100の概略図である。
燃料電池システム100は、燃料電池スタック1と、カソードガス給排装置2と、アノードガス給排装置3と、スタック冷却装置4と、電力系5と、コントローラ6と、を備える。
燃料電池スタック1は、数百枚の燃料電池を積層したものであり、アノードガス及びカソードガスの供給を受けて、車両の駆動に必要な電力を発電する。燃料電池スタック1は、電力を取り出す端子として、アノード電極側出力端子11と、カソード電極側出力端子12と、を備える。
カソードガス給排装置2は、燃料電池スタック1にカソードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスを外気に排出する装置である。カソードガス給排装置2は、カソードガス供給通路21と、フィルタ22と、カソードコンプレッサ23と、カソードガス排出通路24と、を備える。
カソードガス供給通路21は、燃料電池スタック1に供給するカソードガスが流れる通路である。カソードガス供給通路21は、一端がフィルタ22に接続され、他端が燃料電池スタック1のカソードガス入口孔に接続される。
フィルタ22は、カソードガス供給通路21に取り込むカソードガス中の異物を取り除く。
カソードコンプレッサ23は、カソードガス供給通路21に設けられる。カソードコンプレッサ23は、フィルタ22を介してカソードガスとしての空気(外気)をカソードガス供給通路21に取り込み、燃料電池スタック1に供給する。
カソードガス排出通路24は、燃料電池スタック1から排出されるカソードオフガスが流れる通路である。カソードガス排出通路24は、一端が燃料電池スタック1のカソードガス出口孔に接続され、他端が開口端となっている。
アノードガス給排装置3は、燃料電池スタック1にアノードガスを供給するとともに、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスを、カソードガス排出通路24に排出する装置である。アノードガス給排装置3は、高圧タンク31と、アノードガス供給通路32と、減圧弁33と、アノードガス排出通路34と、パージ弁35と、を備える。
高圧タンク31は、燃料電池スタック1に供給するアノードガスを高圧状態に保って貯蔵する。
アノードガス供給通路32は、高圧タンク31から排出されるアノードガスを燃料電池スタック1に供給するための通路である。アノードガス供給通路32は、一端が高圧タンク31に接続され、他端が燃料電池スタック1のアノードガス入口孔に接続される。
調圧弁33は、アノードガス供給通路32に設けられる。調圧弁33は、コントローラ6によって開閉制御されて、高圧タンク31からアノードガス供給通路32に流れ出したアノードガスの圧力を所望の圧力に調節する。
アノードガス排出通路34は、燃料電池スタック1から排出されるアノードオフガスが流れる通路である。アノードガス排出通路34は、一端が燃料電池スタック1のアノードガス出口孔に接続され、他端がカソードガス排出通路24に接続される。
パージ弁35は、アノードガス排出通路34に設けられる。パージ弁35は、コントローラ6によって開閉制御され、アノードガス排出通路34からカソードガス排出通路24に排出するアノードオフガスの流量を制御する。
スタック冷却装置4は、燃料電池スタック1を冷却し、燃料電池スタック1を発電に適した温度に保つ装置である。スタック冷却装置4は、冷却水循環通路41と、ラジエータ42と、バイパス通路43と、三方弁44と、循環ポンプ45と、PTCヒータ46と、水温センサ47と、を備える。
冷却水循環通路41は、燃料電池スタック1を冷却するための冷却水が循環する通路である。
ラジエータ42は、冷却水循環通路41に設けられる。ラジエータ42は、燃料電池スタック1から排出された冷却水を冷却する。
バイパス通路43は、ラジエータ42をバイパスさせて冷却水を循環させることができるように、一端が冷却水循環通路41に接続され、他端が三方弁44に接続される。
三方弁44は、ラジエータ42よりも下流側の冷却水循環通路41に設けられる。三方弁44は、冷却水の温度に応じて冷却水の循環経路を切り替える。具体的には、冷却水の温度が相対的に高いときは、燃料電池スタック1から排出された冷却水が、ラジエータ42を介して再び燃料電池スタック1に供給されるように冷却水の循環経路を切り替える。逆に、冷却水の温度が相対的に低いときは、燃料電池スタック1から排出された冷却水から排出された冷却水が、ラジエータ42を介さずにバイパス通路43を流れて再び燃料電池スタック1に供給されるように冷却水の循環経路を切り替える。
循環ポンプ45は、三方弁44よりも下流側の冷却水循環通路41に設けられて、冷却水を循環させる。
PTCヒータ46は、三方弁44と循環ポンプ45との間の冷却水循環通路41に設けられる。PTCヒータ46は、燃料電池スタック1の暖機時に通電されて、冷却水の温度を上昇させる。
水温センサ47は、ラジエータ42よりも上流側の冷却水循環通路41に設けられる。水温センサ47は、燃料電池スタック1から排出された冷却水の温度(以下「スタック冷却水温」という。)を検出する。本実施形態では、スタック冷却水温を燃料電池スタック1の温度として使用する。
電力系5は、電流センサ51と、電圧センサ52と、駆動モータ53と、インバータ54と、バッテリ55と、DC/DCコンバータ56と、を備える。
電流センサ51は、燃料電池スタック1から取り出される電流(以下「出力電流」という。)を検出する。
電圧センサ52は、アノード電極側出力端子11とカソード電極側出力端子12の間の端子間電圧(以下「出力電圧」という。)を検出する。
駆動モータ53は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルを巻き付けた三相交流同期モータである。駆動モータ53は、燃料電池スタック1及びバッテリ55から電力の供給を受けて回転駆動する電動機としての機能と、ロータが外力によって回転させられる車両の減速時にステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機としての機能と、を有する。
インバータ54は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数の半導体スイッチから構成される。インバータ54の半導体スイッチは、コントローラ6によって開閉制御され、これにより直流電力が交流電力に、又は、交流電力が直流電力に変換される。インバータ54は、駆動モータ53を電動機として機能させるときは、燃料電池スタック1の発電電力とバッテリ55の出力電力との合成直流電力を三相交流電力に変換して駆動モータ53に供給する。一方で、駆動モータ53を発電機として機能させるときは、駆動モータ53の回生電力(三相交流電力)を直流電力に変換してバッテリ55に供給する。
バッテリ55は、燃料電池スタック1の発電電力(出力電流×出力電圧)の余剰分及び駆動モータ53の回生電力を充電する。バッテリ55に充電された電力は、必要に応じてカソードコンプレッサ23やPTCヒータ46などの補機類及び駆動モータ53に供給される。
DC/DCコンバータ56は、燃料電池スタック1の出力電圧を昇降圧させる双方向性の電圧変換機である。DC/DCコンバータ56によって燃料電池スタック1の出力電圧を制御することで、燃料電池スタック1の出力電流、ひいては発電電力が制御される。
コントローラ6は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ6には、前述した水温センサ47、電流センサ51及び電圧センサ52の他にも、外気温を検出する外気温センサ61や、始動キーのオン・オフに基づいて燃料電池システムの始動要求及び停止要求を検出するキーセンサ62、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルストロークセンサ63、バッテリ55の充電率(以下「バッテリ充電率」という。)を検出するSOC(State Of Charge)センサ64、バッテリ55の温度を検出するバッテリ温度センサ65などの燃料電池システム100を制御するために必要な各種センサからの信号が入力される。
コントローラ6は、これらの入力信号に基づいて、燃料電池システム100を制御する。
ここで、本実施形態のように燃料電池システム100を車両に搭載する場合、外気温度が0℃を下回るような低温環境下においても、速やかな始動ができることが求められる。そのため、発電時の電極反応によって生じた水(以下「生成水」という。)の凍結に起因する次回始動時の発電性能の低下を抑制する必要がある。したがって、始動キーがオフにされた後に、次回始動時に備えてカソードコンプレッサ23を駆動して燃料電池スタック1内の水分を外部に排出し、電解質膜を乾燥させる乾燥運転を実施することが望ましい。
燃料電池システム100の始動後は、安定した発電を行える温度まで、電極反応によって発生した熱を利用して燃料電池スタック内の温度を上げる暖機運転が行われる。しかしながら、暖機運転中に始動キーがオフにされてしまうと、まだ暖機が完了しておらずスタック温度が相対的に低い状態なので、乾燥運転を実施しても生成水の凍結を防止できずに電解質膜を乾燥させることができないおそれがある。また、スタック温度が低い状態のときは、スタック温度が高い状態のときと比べて電解質膜を乾燥させるために必要な時間も長くなる。
したがって、暖機運転中に始動キーがオフにされたときは、引き続き暖機運転を実施し、暖気が完了した後に乾燥運転を実施するのが望ましい。以下、この暖機運転中に始動キーがオフにされた後に引き続き実施される暖機運転のことを「停止後暖機運転」という。
しかしながら、この停止後暖機運転は、始動キーがオフにされた後に実施されるものなので、停止後暖機運転の時間が長くなると、始動キーをオフにしてから燃料電池システム100が完全に停止されるまでの時間が長くなる。そうすると、ドライバによっては違和感を覚えるおそれがあるので、できるだけ停止後暖機運転の時間は短くしたい。
燃料電池スタック1の昇温速度は、燃料電池スタック1の発電電力が大きくなるほど損失として外部へ放出される熱エネルギの量が多くなるので速くなる。したがって、停止後暖機運転の時間を短くするには、停止後暖機運転時の発電電力を大きくすることが有効である。
停止後暖機運転中の発電電力の供給先は、発電を継続させるとともに暖機を促進させるために駆動する必要のある補機類(カソードコンプレッサ23、PTCヒータ46及び冷却水循環ポンプ45)及びバッテリ55に限られる。このとき、補機類に供給可能な電力は概ね決まっているので、停止後暖機運転時の発電電力を増やすにはバッテリ55への供給電力を増やすしかない。
ここで従来は、バッテリ55への充電を禁止するバッテリ充電率(以下「上限充電率」という。)を、車両走行時における駆動モータ53からの回生電力の受け入れや、高電位状態が長時間保持されることによるバッテリ55の劣化を考慮して、70%程度の比較的低いバッテリ充電率(以下「通常上限充電率」という。)に設定していた。
しかしながら、停止後暖機運転は、始動キーがオフにされた後に実施されるものなので、駆動モータ53からの回生電力の受け入れのためにバッテリ充電率を通常上限充電率に制限する必要はない。また、高電位状態が長時間保持されることによるバッテリ55の劣化に対しては、停止後暖機運転の後に実施される乾燥運転時にバッテリ55の電力を消費してカソードコンプレッサ23を駆動し、バッテリ充電率を通常上限充電率まで下げればよい。
そこで本実施形態では、停止後暖機運転時には、上限充電率を通常上限充電率よりも高くすることにした。これにより、停止後暖機運転時の発電電力を増やすことができるので、始動キーがオフにされてから燃料電池システム100を完全に停止するまでの時間を短縮することができる。以下、この本実施形態による燃料電池システム100の停止制御について説明する。
図2は、本実施形態による燃料電池システム100の停止制御について説明するフローチャートである。
ステップS1において、コントローラ6は、燃料電池システム100の始動キーがオフになっているか否かを判定する。コントローラ6は、燃料電池システム100の始動キーがオフになっていればステップS2の処理を行う。一方で、燃料電池システム100の始動キーがオンになっていれば今回の処理を終了する。
ステップS2において、コントローラ6は、燃料電池スタック1の暖機が完了しているか否かを判定する。具体的には、スタック冷却水温が、所定の暖機完了温度以上か否かを判定する。コントローラ6は、スタック冷却水温が暖機完了温度よりも低く、燃料電池スタック1の暖機が完了していないと判定したときは、ステップS3の処理を行う。一方で、スタック冷却水温が暖機完了温度以上で、燃料電池スタック1の暖機が完了していると判定したときは、ステップS7の処理を行う。
ステップS3において、コントローラ6は、停止後暖機運転の終了後に実施される乾燥運転の継続時間(以下「乾燥運転時間」という。)の算出処理を実施する。乾燥運転時間算出処理については、図3を参照して後述する。
ステップS4において、コントローラ6は、停止後暖機運転時の上限充電率(以下「許容上限充電率」という。)の算出処理を実施する。許容上限充電率算出処理については、図7を参照して後述する。
ステップS5において、コントローラ6は、停止後暖機運転時にバッテリ55に供給する電力の目標値(以下「目標充電電力」という。)を算出する。目標充電電力算出処理については、図8を参照して後述する。
ステップS6において、コントローラ6は、目標充電電力をバッテリ55に供給し、バッテリ55を充電する。
ステップS7において、コントローラ6は、乾燥運転処理を実施する。乾燥運転処理については、図16を参照して後述する。
以下、図3から図6を参照して乾燥運転時間算出処理について説明する。乾燥運転時間算出処理では、スタック冷却水温を暖機完了温度まで上昇させたときの電解質膜の膜中の水分量を推定し、乾燥運転時に駆動されるカソードコンプレッサ23の回転速度に応じて電解質膜を乾燥させるために必要な時間を算出する。
図3は、乾燥運転時間算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS31において、コントローラ6は、暖機完了温度と始動キーがオフにされたときのスタック冷却水温との温度差に、予め実験等によって求めておいた燃料電池スタック1の熱容量を掛けて、燃料電池スタック1の温度を暖機完了温度にするために必要な熱量(以下「必要熱量」という。)を算出する。
ステップS32において、コントローラ6は、電圧センサ52で検出した出力電圧を燃料電池スタック1の燃料電池の枚数で割ることで、各燃料電池の電圧の平均値(以下「平均セル電圧」という。)を算出する。
ステップS33において、コントローラ6は、後述する図4のマップを参照し、必要熱量と平均セル電圧とに基づいて、スタック冷却水温が暖機完了温度になるまでの燃料電池スタック内における生成水の収支量(以下「推定生成水収支量」という。)を推定する。推定生成水収支量は、スタック冷却水温が暖機完了温度になるまでに発電によって生じる生成水量から、カソードガスによって水蒸気として燃料電池スタック1の外部に排出される生成水量を引いたものと考えることができる。
ステップS34において、コントローラ6は、推定生成水収支量と、始動キーがオフにされたときの電解質膜の膜中の水分量と、を足し合わせて、停止後暖機運転終了時の電解質膜の膜中の水分量を推定する。電解質膜の膜中の水分量は、例えば交流インピーダンス法によって燃料電池スタック1の内部抵抗を算出し、その内部抵抗に基づいて算出することができる。電解質膜の膜中の水分量と燃料電池スタック1の内部抵抗との間には相関関係があることが知られており、電解質膜の膜中の水分量が少なく、電解質膜が乾いた状態のときほど燃料電池スタック11の内部抵抗は高くなる。
ステップS35において、コントローラ6は、後述する図5のテーブルを参照し、外気温センサ61で検出した外気温に基づいて、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサ23の回転速度を推定する。
ステップS36において、コントローラ6は、後述する図6のマップを参照し、停止後暖機運転完了時の電解質膜の膜中の水分量と、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサ23の回転速度と、に基づいて乾燥運転時間を算出する。
図4は、必要熱量と平均セル電圧とに基づいて、燃料電池スタック1の温度が暖機完了温度になるまでの推定生成水収支量を算出するマップである。
図4に示すように、生成水収支量は、発熱量が大きくなるほど、また、平均セル電圧が高くなるほど多くなる。
図5は、外気温に基づいて、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサ23の回転速度を算出するテーブルである。
図5に示すように、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサ23の回転速度は、外気温が所定温度を超えるまでは、最大回転速度に設定される。しかしながら、カソードコンプレッサ23を最大回転速度で駆動すると、外気温によっては吐出温度が仕様上定められた上限温度を超えるおそれがある。そこで、外気温が所定温度よりも高くなったときは、外気温が高くなるほど、カソードコンプレッサ23の回転速度を低くすることにしたのである。
図6は、停止後暖機運転完了時の電解質膜の膜中の水分量と、乾燥運転時に駆動するカソードコンプレッサ23の回転速度と、に基づいて乾燥運転時間を算出するマップである。
図6に示すように、乾燥運転時間は、停止後暖機運転完了時の電解質膜の水分量が多くなるほど、また、乾燥運転時のカソードコンプレッサ23の回転速度が低くなるほど長くなる。
次に、図7を参照して許容上限充電率算出処理について説明する。許容上限充電率算出処理では、カソードコンプレッサ23を乾燥運転時間だけ駆動したときの消費電力量に応じて、停止後暖機運転時の許容上限充電率を算出する。これは、停止後暖機運転時において、バッテリ充電率を乾燥運転時の消費電力量に相当する充電率分だけ通常上限充電率よりも増加させても、停止後暖機運転の終了後に実施される乾燥運転時にその充電率分は低下させることができるためである。
図7は、許容上限充電率算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS41において、コントローラ6は、乾燥運転時に駆動されるカソードコンプレッサ23の回転速度に基づいて、乾燥運転時のカソードコンプレッサ23の消費電力を算出する。
ステップS42において、コントローラ6は、乾燥運転時間と、乾燥運転時のカソードコンプレッサ23の消費電力と、を掛け合わせて、乾燥運転時の消費電力量を算出する。この乾燥運転時の消費電力量は、換言すれば暖機運転時にバッテリ55に充電可能な電力量である。
ステップS43において、コントローラ6は、乾燥運転時の消費電力量をバッテリ容量で割ることで、乾燥運転時の消費電力量、すなわち暖機運転時にバッテリ55に充電可能な電力量[kW]をバッテリ充電率[%]に変換する。以下では、この暖機運転時に許容できるバッテリ充電率の増加量を「許容増加充電率」という。
ステップS44において、コントローラ6は、始動キーをオフにしたときのバッテリ充電率に、許容増加充電率を足して、暫定許容上限充電率を算出する。
ステップS45において、コントローラ6は、暫定許容上限充電率と限界上限充電率との大小を比較して、小さいほうを許容上限充電率として算出する。限界上限充電率は、バッテリ55の規格によって決まる充電率であって、本実施形態では85%に設定される。
次に、図8から図15を参照して目標充電電力算出処理について説明する。目標充電電力算出処理では、基本的に停止後暖機運転終了時にバッテリ充電率が許容上限充電率となるようにバッテリ55の充電電力を算出する。しかしながら、バッテリ55の充電電力は、バッテリ55の電力入力特性によって制限される。また、バッテリ55の温度が、バッテリ55ごとに予め決められている管理上限温度を超えないように充電する必要がある。そこで本実施形態では、バッテリ55の電力入力特性及び温度も考慮してバッテリ55の目標充電電力を算出する。
図8は、目標充電電力算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS51において、コントローラ6は、停止後暖機運転終了時にバッテリ充電率を許容上限充電率にするために必要な充電電力(以下「暫定目標充電電力」という。)の算出処理を実施する。暫定目標充電電力算出処理については、図9を参照して後述する。
ステップS52において、コントローラ6は、バッテリ55の電力入力特性によって制限されるバッテリ55の上限充電電力(以下「第1制限充電電力」という。)の算出処理を実施する。第1制限充電電力算出処理については、図10を参照して後述する。
ステップS53において、コントローラ6は、バッテリ55の温度によって制限されるバッテリ55の上限充電電力(以下「第2制限充電電力」という。)の算出処理を実施する。第2制限充電電力については、図13を参照して後述する。
ステップS54において、コントローラ6は、暫定目標充電電力、第1制限充電電力及び第2制限充電電力のうち、最も小さいものをバッテリ55の目標充電電力として算出する。
図9は、暫定目標充電電力処理について説明するフローチャートである。
ステップS511において、コントローラ6は、許容上限充電率からSOCセンサ64で検出されたバッテリ充電率を引いたものにバッテリ容量を掛けて、バッテリ充電率を許容上限充電率にするためにバッテリ55に充電する必要のある電力量(以下「暫定目標充電電力量」という。)を算出する。
ステップS512において、コントローラ6は、暫定目標充電電力量を乾燥運転時間で割って、暫定目標充電電力を算出する。
図10は、第1制限充電電力算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS521において、コントローラ6は、図11のマップを参照し、燃料電池スタック1の発電電力と平均セル電圧とに基づいて、単位時間当たりの燃料電池スタック1の発熱量を算出する。
ステップS522において、コントローラ6は、必要熱量を燃料電池スタック1の発熱量で割ることで、停止後暖機運転の実施時間、すなわち、スタック冷却水温が暖機完了温度に到達するまでに必要な時間を算出する。
ステップS523において、コントローラ6は、図12のマップを参照し、停止後暖機運転の実施時間、バッテリ温度及びバッテリ充電率に基づいて、第1制限充電電力を算出する。
図11は、燃料電池スタック1の発電電力と平均セル電圧とに基づいて、単位時間当たりの燃料電池スタック1の発熱量を算出するマップである。
図11に示すように、燃料電池スタック1の発電電力が大きくなるほど、また、平均セル電圧が低くなるほど、燃料電池スタック1の発熱量は大きくなる。
図12は、停止後暖機運転の実施時間、バッテリ温度及びバッテリ充電率に基づいて、第1制限充電電力を算出するマップである。
図12に示すように、バッテリ充電率が高くなるほど、また、バッテリ温度が低くなるほど、第1制限充電電力は小さくなる。一方、停止後暖機運転の実施時間が短くなるほど、図中破線で示したように、第1制限充電電力は大きくなる。
図13は、第2制限充電電力算出処理について説明するフローチャートである。
ステップS531において、コントローラ6は、SOCセンサ64で検出したバッテリ充電率から通常上限充電率を引いて、乾燥運転時に最低限減らさなければならないバッテリ充電率(以下「最低減少充電率」という。)を算出する。
ステップS532において、コントローラ6は、図14のテーブルを参照し、最低減少充電率に基づいて、燃料電池システム100の停止時にバッテリ充電率を通常上限充電率まで低下させるために最低限放電しなくてはならない電力量(以下「最低放電電力量」という。)を算出する。
ステップS533において、コントローラ6は、図15のマップを参照し、最低放電電力量とバッテリ温度とに基づいて、第2制限充電電力を算出する。
図14は、最低減少充電率に基づいて最低放電電力量を算出するテーブルである。
図14に示すように、最低減少充電率が負の値のときは、最低放電電力量はゼロとなる。一方で、最低減少充電率が正の値のときは、最低限小充電率が大きくなるほど最低放電電力量も大きくなる。
図15は、最低放電電力量とバッテリ温度とに基づいて、第2制限充電電力を算出するマップである。
図15に示すように、最低放電電力が大きくなるほど、また、バッテリ温度が低くなるほど、第2制限充電電力は大きくなる。
次に、図16を参照して乾燥運転処理について説明する。乾燥運転処理では、乾燥運転の終了時、すなわち燃料電池システム100を完全に停止させるときに、バッテリ充電率が通常上限充電率以下となるように、カソードコンプレッサ23及びその他の補機類を駆動する。
図16は、乾燥運転処理について説明するフローチャートである。
ステップS71において、コントローラ6は、SOCセンサ64で検出したバッテリ充電率から通常上限充電率を引いたものにバッテリ容量を掛けて、最低放電電力量を算出する。
ステップS72において、コントローラ6は、最低放電電力量を乾燥運転時間で割って、バッテリ55の最低放電電力を算出する。
ステップS73において、コントローラ6は、バッテリ55の最低放電電力と、カソードコンプレッサ23の消費電力と、の大小を比較する。コントローラ6は、バッテリ55の最低放電電力がカソードコンプレッサ23の消費電力以上のときは、ステップS74の処理を行う。一方で、バッテリ55の最低放電電力がカソードコンプレッサ23の消費電力未満のときは、ステップS75の処理を行う。
ステップS74において、コントローラ6は、バッテリ55の電力によってカソードコンプレッサ23を駆動するとともに、バッテリ55の放電電力が最低放電電力以上となるように、カソードコンプレッサ23以外の補機類に対してもバッテリ55の電力を供給する。この場合は、燃料電池スタック1の発電は停止される。
ステップS75において、コントローラ6は、バッテリ55の電力と燃料電池スタック1の発電電力とによって、カソードコンプレッサ23を駆動する。
ステップS76において、コントローラ6は、乾燥運転が開始されてから乾燥運転時間が経過したか否かを判定する。コントローラ6は、乾燥運転時間が経過していなければ今回の処理を終了する。一方で、乾燥運転時間が経過していればステップS77の処理を行う。
ステップS77において、コントローラ6は、カソードコンプレッサ23に対する電力供給を停止して燃料電池システム100を完全に停止させる。
図17は、本実施形態による燃料電池システム100の停止制御の動作について説明するタイムチャートである。なお、このタイムチャートは、目標充電電力算出処理において、目標暫定充電電力が目標充電電力として設定された場合のタイムチャートである。また、発明の理解を容易にするため、停止後暖機運転時の上限充電率を通常上限充電率に制限した場合のタイムチャートを比較例として示した。
時刻t1で、暖機運転中に始動スイッチがオフにされると、停止後暖機運転が開始される。
ここで、比較例の場合は、停止後暖機運転中の上限充電率が通常上限充電率に制限されるため、時刻t2でバッテリ充電率が通常上限充電率に到達すると、バッテリ55への充電電力がゼロになる。そのため、時刻t2以降は、燃料電池スタック1の発電電力が減少して燃料電池スタック1の昇温速度が低下する。
これに対して本実施形態の場合は、停止後暖機運転中の上限充電率が通常上限充電率よりも高い大きい許容上限充電率に設定されるため、時刻t2でバッテリ充電率が通常上限充電率に到達した後も、バッテリ55への充電が継続される。
そのため、時刻t2以降も燃料電池スタック1の発電電力の減少がないので、燃料電池スタック1の昇温速度が比較例よりも速くなる。その結果、スタック冷却水温が暖機完了温度まで到達する時刻が比較例では時刻t6であるのに対し、本実施形態では時刻t4となり、本実施形態ではスタック冷却水温が暖機完了温度まで到達する時刻が比較例よりも早くなる。
時刻t3で、スタック冷却水温が暖機完了温度に到達すると、停止後暖機運転が終了して乾燥運転が実施される。乾燥運転が開始されると、バッテリ充電率が通常上限受電率まで低下するようにバッテリ55の電力をカソードコンプレッサ23に供給する。これにより、カソードコンプレッサ23を駆動して電解質膜を乾燥させる。
時刻4で、乾燥運転開始からの時間が乾燥運転時間になると、乾燥運転が終了される。
図18は、本実施形態による燃料電池システム100の停止制御の動作について説明するタイムチャートである。なお、このタイムチャートは、充電電力算出処理において、第2制限充電電力が目標充電電力として設定された場合のタイムチャートである。
時刻t11で、暖機運転中に始動スイッチがオフにされると、停止後暖機運転が開始される。
停止後暖機運転中は、燃料電池スタック1の発電電力がバッテリ55に供給され、それに伴ってバッテリ55の充電率及びバッテリ温度が上昇する。このとき、前述した図15のマップに示すように、第2制限充電電力はバッテリ温度が高くなるにつれて小さくなる。
そのため、時刻t12で、第2制限充電電力が暫定目標充電電力よりも小さくなると、充電電力が第2制限充電電力に制限され、時刻t12以降は、バッテリ温度の上昇にあわせてバッテリ55充電電力も減少する。バッテリ55充電電力が減少することで、バッテリ温度の上昇が抑えられる。
時刻t13で、スタック冷却水温が暖機完了温度に到達すると、停止後暖機運転が終了して乾燥運転が実施される。乾燥運転が開始されると、バッテリ充電率が通常上限受電率まで低下するようにバッテリ55の電力をカソードコンプレッサ23に供給する。このとき、バッテリ55の電力をカソードコンプレッサ23に供給することによって、バッテリ55の温度が上昇するが、停止後暖機運転時に充電電力が制限されてバッテリ温度の上昇が抑制されているので、乾燥運転時にバッテリ温度が上限温度よりも高くなるのを抑制できる。
以上説明した本実施形態によれば、暖機運転中に始動キーがオフにされたときは、停止後暖機運転を実施した後に乾燥運転を実施することにした。そして、停止後暖機運転時には、バッテリ充電率が車両走行時に設定される通常上限充電率を超えてもバッテリ55への充電を許可することにした。
これにより、停止後暖機運転時には、バッテリ充電率が通常上限充電率を超えた後も燃料電池スタック1の発電電力をバッテリ55に供給することができるので、発電電力の低下を抑制することができる。これにより、停止後暖機運転時の燃料電池スタック1の昇温速度の低下を抑制でき、始動キーがオフにされてから乾燥運転が開始されるまでの時間を短縮することができる。
また本実施形態によれば、乾燥運転時には、バッテリ55の充電率が少なくとも通常上限充電率まで低下するように、バッテリ55の電力を消費してカソードコンプレッサ23を駆動し、電解質膜を乾燥させることにした。
これにより、乾燥運転終了時には、必ずバッテリ充電率が通常上限充電率以下となっているので、次回始動時まで期間が長くなったとしても、高電位状態が長時間保持されることがない。そのため、バッテリ55の劣化を抑制することができる。
また本実施形態によれば、停止後暖機運転時にバッテリ55に供給する電力を、バッテリ55の電力入力特性に応じて制限することにした。
これにより、バッテリ55の特性に応じた最適な充電を行うことができる。
また本実施形態によれば、乾燥運転終了時にバッテリ温度が管理上限温度を超えないように、バッテリ温度に応じて停止後暖機運転時にバッテリ55に供給する電力を制限することにした。
これにより、バッテリ温度が管理上限温度よりも高くなるのを抑制でき、バッテリ55の劣化を抑制することができる。
また本実施形態によれば、乾燥運転時のバッテリの消費電力を、通常上限充電率とバッテリ充電率の差分が小さくなるにつれて少なくなるようにした。
これにより、次回始動時において、バッテリ充電率が低くなりすぎるのを抑制でき、燃料電池システムを起動するために必要な電力を確実に確保することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
1 燃料電池スタック(燃料電池)
55 バッテリ
100 燃料電池システム
S3〜S6 停止後暖機運転手段
S4 充電許可手段
S7 乾燥運転手段
S34 水分量推定手段
S36 乾燥運転時間推定手段
S42 消費電力量算出手段
S45 上限充電率算出手段
S74、S75 放電手段

Claims (8)

  1. アノードガス及びカソードガスを燃料電池に供給して発電し、発電電力によって車両を走行させる燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の暖機時に前記燃料電池システムの停止指令がでたときは、暖機が終了するまで前記燃料電池の発電を継続し、発電電力をバッテリに供給する停止後暖機運転手段と、
    停止後暖機運転時に、車両走行時に設定される通常上限充電率を超えても前記バッテリへの充電を許可する充電許可手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 停止後暖機運転の終了後に、前記燃料電池内の水分量を減少させる乾燥運転手段と、
    乾燥運転時に、前記バッテリの電力を消費し、少なくとも前記バッテリの充電率を前記通常上限充電率まで低下させる放電手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記充電許可手段は、
    前記燃料電池の温度を暖機完了温度まで上昇させたときの燃料電池内の水分量を推定する水分量推定手段と、
    前記燃料電池内の水分量に基づいて、乾燥運転の継続時間を推定する乾燥運転時間推定手段と、
    前記乾燥運転の継続時間に基づいて、乾燥運転時の消費電力量を推定する消費電力量推定手段と、
    前記乾燥運転時の消費電力量に基づいて、停止後暖機運転時における前記バッテリの上限充電率を算出する上限充電率算出手段と、
    を備え、
    前記バッテリの充電率が前記上限充電率になるまで前記バッテリへの充電を許可する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記停止後暖機運転手段は、
    停止後暖機運転の終了時に前記バッテリの充電率が前記上限充電率となるように、前記上限充電率と前記バッテリの充電率との差分に基づいて前記バッテリへの最大供給電力を算出し、その最大供給電力を前記バッテリへ供給する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記停止後暖機運転手段は、
    前記バッテリの電力入力特性に基づいて、前記バッテリに供給可能な供給可能電力を算出し、
    前記最大供給電力が前記供給可能電力よりも大きいときは、その供給可能電力を前記バッテリに供給する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記停止後暖機運転手段は、
    前記バッテリの温度が前記乾燥運転の終了時に所定の上限温度を超えないように、前記バッテリの温度に基づいて、前記バッテリに供給可能な供給可能電力を算出し、
    前記最大供給電力が前記供給可能電力よりも大きいときは、その供給可能電力を前記バッテリに供給する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  7. 前記停止後暖機運転手段は、
    前記バッテリの温度が高くなるほど、前記バッテリに供給可能な供給可能電力を小さくする、
    ことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
  8. 前記放電手段は、
    乾燥運転時の前記バッテリの充電率と前記通常上限充電率との差分が大きいときほど、前記バッテリの消費電力を大きくして、前記バッテリの充電率を前記通常上限通電率まで低下させる、
    ことを特徴とする請求項2から請求項7までのいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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