JP2013243022A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】暖機時の結露水量を低減して燃費及び商品性を向上させ得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池10において相対的に結露水量の少ない第1の負荷から第2の負荷までの範囲、即ち、暖機完了までの結露水量が相対的に多く所定水量Wq以上となる発電出力(電流)の領域(結露水大電流領域B)を、領域下限値及び領域上限値によって定めておき、該領域内を暖機中の発電では用いない電流域として扱う。また、暖機運転時に、SOC検出センサ62により検出される残容量が所定値未満であり、且つ、要求負荷検出手段63により検出される要求負荷が第1の負荷(領域下限値)より大きく第2の負荷(領域上限値)未満の負荷領域(結露水大電流領域B)内にある場合に、燃料電池10から要求負荷よりも大きな電力を出力させ、DC/DCコンバータ61を介してその余剰電力を蓄電装置60に充電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムにおける暖機時の運転制御に関する。
燃料電池は、例えば、氷点以下の低温環境で運転を開始すると、カソード極やアノード極、拡散層に残留する水が凍結してガス流通を阻害したり、高分子電解質膜内部に残留する水が凍結してプロトン伝導性を低下させたりする。このため、低温起動時には燃料電池の暖機運転を行ってから高効率運転に移行する。暖機運転では、発電効率を低下させて自己発熱量を増大させることで暖機を促進させるが、特許文献1では、この暖機時に水の量を推測し、過剰に水分が発生しているときにはガス量を制限することで、余分な水を発生させずに暖機運転を行う手法が提案されている。
また、特許文献2には、例えば、低温起動時に起きるおそれのあるフラッディング(燃料電池の内部で生成水が凝縮する現象)を防止する目的で、燃料電池が自己発熱により暖機されるまで、発電電力が増加するにつれてエアストイキが減少するように、従来の標準流量より過大な流量の酸化剤ガスを燃料電池に供給する手法が提案されている。
特許第4831417号公報 特許第4500032号公報
しかしながら、特許文献1では、ガス量を制限することで余剰な水分の発生を抑制することはできるが、水の発生しやすい電流領域を使用している場合には、ガス量を制限したとしても、他の電流領域を使用する場合と比較して、多くの水が発生してしまうという事情がある。また、ガス量の制限により発生してしまった結露水が滞留してしまう可能性もある。
また、特許文献2では、結露水削減を目的とする場合、酸化ガスの過大な増量のみでは対応しきれないおそれがある。また、必要とされる酸化剤ガス量が多すぎて、騒音の発生により商品性の悪化を招くという懸念、或いは、燃費の悪化を招く懸念もある。
そこで、本発明は、過大な酸化剤ガスの増量を伴うことなく暖機時の滞留水(結露水)量を低減して、燃費及び商品性を向上させ得る燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、前記燃料電池と接続されて充放電可能な蓄電装置と、前記燃料電池及び前記蓄電装置からそれぞれ出力される電力の供給先を制御する供給制御手段と、前記燃料電池に対する要求負荷を検出する要求負荷検出手段と、前記蓄電装置の残容量を検出する残容量検出手段と、前記燃料電池における暖機完了までの結露水量の負荷に対する特性に基づき、結露水の生じやすい第1の負荷から第2の負荷までの範囲を予め定めておき、暖機運転時に、前記残容量検出手段により検出される残容量が所定値未満であり、且つ、前記要求負荷検出手段により検出される要求負荷が前記第1の負荷より大きく前記第2の負荷未満の負荷領域内にある場合に、前記燃料電池から前記要求負荷よりも大きな電力を出力させ、前記供給制御手段によりその余剰電力を前記蓄電装置に供給させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、蓄電装置の残容量が所定値未満で不十分であり、且つ、要求負荷が第1の負荷及び第2の負荷に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)内にあるときは、燃料電池において要求負荷より大きい負荷を想定した(相対的に結露水量の少ない)負荷領域での発電が行われる。この負荷領域では発電効率も相対的に低く、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となるので、結露水量、滞留水量を低減することができる。
また、相対的に高負荷運転となるので暖機運転時間を相対的に短くして、結露水量を低減することができる。結果として、酸化剤ガスの過大な増量を伴うことなく暖機時の滞留水(結露水)量を低減し、従来と比較して燃費及び商品性を向上させ得る燃料電池システムを実現することができる。
ここで、燃料電池において発電する際に、燃料ガスと酸化剤ガスとが電気化学反応して生成される水を生成水と称し、また、その生成水が結露して液滴になったものを結露水と称し、また、燃料電池のカソード流路及びアノード流路に滞留する水を滞留水と称し、また、燃料電池から排出される水を排出水と称す。
また、前記制御手段は、前記残容量検出手段により検出される残容量が所定値以上であり、且つ、前記要求負荷検出手段により検出される要求負荷が前記負荷領域内にある場合に、前記燃料電池から前記要求負荷よりも小さな電力を出力させ、前記供給制御手段により前記燃料電池及び前記蓄電装置からそれぞれ出力される電力を負荷に供給させることが好ましい。
このような構成によれば、蓄電装置の残容量が所定値以上で十分に高く、且つ、要求負荷が第1の負荷及び第2の負荷に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)内にあるときには、燃料電池において要求負荷より小さい負荷を想定した(相対的に結露水量の少ない)負荷領域での発電が行われる。この負荷領域では発電効率も相対的に低く、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となり、結露水量、滞留水量を低減することができる。
また、前記制御手段は、前記要求負荷検出手段により検出される要求負荷が前記負荷領域外にある場合に、前記燃料電池から前記要求負荷に応じた電力を出力させ、前記供給制御手段により前記燃料電池から出力される電力を前記負荷に供給させることが好ましい。
このような構成によれば、要求負荷が第1の負荷及び第2の負荷に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)外にあるときには、燃料電池において相対的に低い発電効率の領域での発電が行われるので、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となり、結露水量、滞留水量を低減することができる。また、高負荷運転となる場合には、暖機運転時間を相対的に短くして、結露水量、滞留水量を低減することができる。
本発明により、暖機時の滞留水(結露水)量を低減して、燃費及び商品性を向上させ得る燃料電池システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池における暖機完了までの結露水量の電流に対する特性を例示する説明図である。 実施形態の燃料電池システムにおける暖機時の運転制御方法を説明するフローチャートである。 暖機時の運転制御方法の内(a)は余剰発電時、(b)は低負荷発電時のフローチャートである。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。なお、以下では、本発明の燃料電池システムを車両に搭載した態様を一例として説明する。
〔実施形態〕
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。同図において、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池10、ガス供給装置21、蓄電装置60、負荷制御装置(供給制御手段)51、DC/DCコンバータ61(供給制御手段)、制御部71(制御手段)、SOC検出センサ62(残容量検出手段)及び要求負荷検出手段63を備えて構成されている。また、本実施形態の燃料電池システムが電力供給する負荷は、負荷50及び補機52である。
燃料電池10は、例えば固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)を図示しない導電性のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セルを厚み方向に複数積層し、各単セルを電気的に直列に接続した構造を有している。
燃料電池10にはガス供給装置21から燃料ガス(水素)及び酸化剤ガス(圧縮空気)が供給され、供給された燃料ガスと酸化剤ガスが燃料電池10内で電気化学反応を起こすことにより発電が行われ、発電電力が負荷50及び/または蓄電装置60に供給される。なお、燃料電池システムは、燃料電池10から排出される燃料オフガス、酸化剤オフガス、生成水などを外部に排出する排出系や、燃料電池10の温度制御を行う冷却系など図示しない系を備えている。
また、負荷50は例えば走行用のモータである。そして、補機52には、燃料電池10周辺のガス供給装置21を含む各系が持つ各種機器の内の電気駆動の機器(コンプレッサや循環ポンプなど;これらを総称して燃料電池補機と称す)と、当該燃料電池システムが搭載される車両が持つモータ以外の電気駆動の機器(これらを総称して車両補機と称す)とが含まれる。なお、特許請求の範囲にいう負荷には、負荷50及び補機52の両方を含めても良い。
また、負荷制御装置51は、制御部71の制御指令に応じて負荷50及び補機52に対する電力供給を制御する。負荷制御装置51には、例えば、直流を三相交流に変換して負荷50(走行用モータ)に供給するインバータや、低電圧で駆動される補機52に電力供給する降圧器などが含まれる。
また、蓄電装置60は、DC/DCコンバータ61を介して燃料電池10に接続され、例えばリチウムイオン電池等の充放電可能な2次電池で構成される。蓄電装置60には、該蓄電装置60の残容量(SOC)[%]を検出するSOC検出手段62が付設されており、検出された残容量は制御部71に出力される。
また、DC/DCコンバータ61は、制御部71の制御指令に応じて、燃料電池10から出力される電力と、蓄電装置60から出力される電力とについて、その供給先を切り替える。また、DC/DCコンバータ61は、燃料電池10及び蓄電装置60間の電力変換(昇圧または降圧)を行う機能も備える。
また、要求負荷検出手段63は、燃料電池10に対する要求負荷を検出するもので、例えば、車両の場合、アクセル開度センサ、加速度センサなどで具現される。検出された物理量(アクセル開度、加速度)は検出結果として制御部71に出力される。
また、制御部71は、MPU(Micro-Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、プログラムや各種データを記憶したROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリなどで構成され、ガス供給装置21及び図示しない各種系に制御指示を出力して、燃料電池10の運転制御を行う。
図中、破線は各種センサ(SOC検出センサ62及び要求負荷検出手段63)から出力され制御部71に入力される検出信号を示し、また一点鎖線は、制御部71から各構成要素に出力される制御指令信号を示す。すなわち、制御部71は、ガス供給装置21から燃料電池10への燃料ガス及び酸化剤ガスの供給や、排出系、冷却系など図示しない系を制御して燃料電池10の運転制御を行う。また、制御部71は、DC/DCコンバータ61に制御指令を与えて、燃料電池10及び蓄電装置60からそれぞれ出力される電力の供給先を制御し、負荷制御装置51に制御指令を与えて、負荷50及び補機52に対する電力供給を制御する。
ここで、制御部71が行う燃料電池10の暖機時の運転制御手法の基本的な考え方について、図2を参照して説明する。前記したように、低温環境下での暖機運転時には結露水が発生し易い。本実施形態では、この結露水を低減する手法として次の手法を採る。まず第1の手法として暖機運転の時間を短くする。(暖機運転時間を短くすればその分、結露水が低減される。)また第2の手法として、発電効率の低い発電域での運転を敢えて行い、生成水に対する放熱量を大きくして結露水量を低減する。(発電効率の高い発電では、熱損失が少ない分だけ発熱量も少なく、水の発生量に対して暖機運転時間が長くなる。)
燃料電池10の発電出力に対する発電効率は、所定の発電出力の時に最大発電効率となり、発電出力が増加するに伴って発電効率は徐々に低下し、また、最大発電効率の発電出力より発電出力を減少させると急激に発電効率が低下する。つまり、低い発電効率域は低負荷運転時及び高負荷運転時となる。したがって、発電効率特性において、予め、発電効率が相対的に高い発電出力(制御部71の電流指令値)の領域を、領域下限値及び領域上限値によって定めておき、暖機時には、発電出力(電流)を領域下限値未満または領域上限値以上となるよう制御すれば、結露水量を低減することができる。
このように、発電出力(電流)の領域を領域下限値及び領域上限値によって定量的に設定するためには、発電効率特性を用いれば良いが、ここでは結露水量の低減が主目的であることから、本実施形態では、図2に示す燃料電池10における暖機完了までの結露水量の電流に対する特性を用いることとした。なお、図中、結露水大電流領域Bは発電効率の高い発電域とほぼ重なり、結露水大の電流領域Bの領域外となる低電流側領域A及び高電流側領域Cは発電効率の低い発電域とほぼ重なる。
予め、暖機完了までの排出水量が相対的に多く所定水量Wq以上となる発電出力(電流)の領域(図中、結露水大電流領域B)を、領域下限値(最小値)及び領域上限値(最大値)によって定めておき、この結露水大電流領域Bを暖機中の発電では用いないようにする。すなわち、暖機時に、発電出力(電流)を領域下限値未満の電流領域Aまたは領域上限値以上の電流領域Cに含まれる発電電力(電流値)となるよう制御することにより、結露水量を低減する。
暖機完了までの結露水量の電流に対する特性は、予め行われる予備実験またはシミュレーション実験によって得ることができ、該特性上で所定水量Wq以上となる発電出力(電流)の領域を規定する。そして、該領域の領域下限値及び領域上限値を求めて制御部71のメモリに保持しておけば良い。なお、図2では、1つの所定水量Wqによって領域下限値及び領域上限値を決定しているが、領域下限値及び領域上限値のそれぞれについて別々の所定水量を設定して、領域下限値及び領域上限値を決定するようにしても良い。
また、暖機完了までの結露水量の電流に対する特性は、燃料電池10の温度に応じて結露水量が増減することから、複数の温度について予備実験またはシミュレーション実験を行い、各温度における領域下限値及び領域上限値を決定し、温度に応じた領域下限値及び領域上限値のテーブルをメモリに保持しておくようにするのが望ましい。
暖機時に、領域上限値以上の電流領域Cでの発電を行う場合は、発電効率の低い発電域での運転を行って生成水に対する放熱量を大きくして結露水量を低減する第2の手法が適用されていると共に、暖機運転時間が相対的に短くなることから第1の手法も適用されていることになる。これに対して、領域下限値未満の電流領域Aでの発電を行う場合は、第2の手法のみが適用され、暖機時間は相対的に長くなることとなる。
また、要求負荷検出手段63で検出された要求負荷が、暖機中の発電では用いない結露水大電流領域Bの電流値である場合には、制御部71は、電流指令値を領域下限値(最小値)または領域上限値(最大値)の何れかに設定する。すなわち、要求負荷より小さい負荷を想定した発電、或いは、要求負荷より大きい負荷を想定した発電の何れかを行う。要求負荷より小さい負荷の発電では要求負荷に対して供給電力が不足し、また、要求負荷より大きい負荷の発電では、要求負荷に対して供給電力が過剰となる。本実施形態では、このような供給電力の過不足を、基本的に、余剰電力の蓄電装置60への充電または不足電力分の蓄電装置60からの放電によって対応する。
つまり、SOC検出センサ62で検出されたSOC(残容量)に応じて、SOCが所定値未満で残容量が不十分であるときには、電流指令値を領域上限値(最大値)に設定して要求負荷より大きい負荷を想定した発電を行い、要求負荷に対しての余剰電力を蓄電装置60に充電する。また、SOCが所定値以上で残容量が十分に高いときには、電流指令値を領域下限値(最小値)に設定して要求負荷より小さい負荷を想定した発電を行い、要求負荷に対する不足電力は蓄電装置60からの放電によって補う。
したがって、(1)要求負荷が結露水大電流領域Bの電流値で、且つSOCが不十分であるときには、要求負荷より大きい負荷を想定した電流領域Cでの発電を行うので、結露水量が低減する(第2の手法適用)と共に、暖機運転時間が相対的に短くなる(第1の手法適用)。これに対して、(2)要求負荷が結露水大電流領域Bの電流値で、且つSOCが十分に高いときには、要求負荷より小さい負荷を想定した電流領域Aでの発電を行うので、結露水量は低減する(第2の手法適用)が、暖機運転時間が相対的に長くなることになる。しかしながら、前記(2)の状況下では蓄電装置60の放電が継続されSOCは徐々に低下するので、あるタイミングでSOCが所定値未満となれば、前記(1)に切り替わることになる。
次に、以上のような構成要素を備えた燃料電池システムの暖機時の運転制御方法について、図3及び図4を参照して説明する。ここで、図3は実施形態の燃料電池システムにおける暖機時の運転制御方法を説明するフローチャートであり、図4は暖機時の運転制御方法の内、(a)は余剰発電時、(b)は低負荷発電時のサブルーチンのフローチャートである。なお、図3の手順は、制御部71によって所定周期で繰り返し実行されるものである。また、本実施形態では、暖機は、燃料電池10の運転に伴う自己発熱によって行われるものとする。すなわち、制御部71は、暖機中には、ガス量、ガス圧、ストイキ、冷却系の冷媒流量を制御しており、例えば、温度が低いほど、ガス量=増、ガス圧=増、ストイキ=大となるよう制御する。
まず、制御部71は、現在暖機中であるか否かを判断する(ステップS101)。例えば、制御部71による暖機時の運転制御が、暖機運転フラグ(オン時に暖機運転制御)に基づき行われている場合には、該暖機運転フラグを参照して判断すれば良い。暖機中である場合(S101:Yes)にはステップS102に進み、また、暖機中でない場合(S101:No)にはステップS112に進む。なお、暖機運転は、起動時の燃料電池10の温度が例えば60℃未満の場合に行い、該温度を超えたときに暖機完了と判断する。
暖機中である場合、制御部71は、要求負荷検出手段63から燃料電池10に対する要求負荷を取得して、通常発電の運転制御を行う(ステップS112)。この通常発電では、制御部71は、要求負荷検出手段63から取得した燃料電池10に対する要求負荷に応じて電力が出力されるよう、後記する要求IFCを電流指令値として設定する。なお、当該ステップS112は、ステップS101以外のステップからの分岐で進む場合もあるが、そのような場合には、要求負荷の取得は不要である。
暖機中である場合、制御部71は、SOC検出センサ62からSOC(残容量)を、要求負荷検出手段63から燃料電池10に対する要求負荷を、それぞれ取得する(ステップS102)。また、温度に応じた領域下限値及び領域上限値のテーブルがメモリに保持されている場合には、この時に、燃料電池10の温度を検出する温度センサ(図示せず)から燃料電池10の温度も取得する。
なお、要求負荷検出手段63をアクセル開度センサとした場合、要求負荷検出手段63から制御部71にアクセル開度が出力される。制御部71は、アクセル開度に対する要求IFC(要求される燃料電池10からの出力電流;燃料電池10に対する要求負荷に該当する)のマップを参照して、要求IFCを求める。
次に、制御部71は、SOC検出センサ62から取得したSOC(残容量)に応じて、SOCが所定値未満であるか否かを判断する(ステップS103)。SOCが所定値未満で残容量が不十分である場合(S103:Yes)にはステップS104に進み、SOCが所定値以上で残容量が十分に高い場合(S103:No)にはステップS107に進む。
ステップS103においてSOCが所定値未満の場合、制御部71は、要求負荷検出手段63から取得した要求負荷(要求IFC)が、結露水大電流領域Bの領域下限値(最小値)を超えているか否かを判断する(ステップS104)。また制御部71は、要求IFCが領域下限値を超えている場合(S104:Yes)にはステップS104に進み、また、要求IFCが領域下限値以下である場合(S104:No)には、制御部71は、要求IFCは結露水大電流領域Bの領域外であるので、ステップS112に進んで通常発電の運転制御を行う。
ステップS104において要求IFCが領域下限値を超えている場合、制御部71は、さらに、要求IFCが結露水大電流領域Bの領域上限値(最大値)を下回っているか否かを判断する(ステップS105)。要求IFCが領域上限値を下回っている場合(S105:Yes)にはステップS111に進んで余剰発電の運転制御を行い、また、要求IFCが領域下限値以上である場合(S105:No)には、ステップS112に進んで通常発電の運転制御を行う。
また、ステップS103においてSOCが所定値以上の場合、要求負荷検出手段63から取得した要求負荷(要求IFC)が、結露水大電流領域Bの領域下限値(最小値)を超えているか否かを判断する(ステップS107)。要求IFCが領域下限値を超えている場合(S107:Yes)にはステップS108に進み、また、要求IFCが領域下限値以下である場合(S107:No)には、要求IFCは結露水大電流領域Bの領域外であるので、ステップS112に進んで通常発電の運転制御を行う。
ステップS107において要求IFCが領域下限値を超えている場合、さらに、要求IFCが結露水大電流領域Bの領域上限値(最大値)を下回っているか否かを判断する(ステップS108)。要求IFCが領域上限値を下回っている場合(S108:Yes)にはステップS113に進んで低負荷発電の運転制御を行い、また、要求IFCが領域下限値以上である場合(S108:No)には、ステップS112に進んで通常発電の運転制御を行う。
こうして、SOCが所定値未満で残容量が不十分(S103:Yes)であり、且つ、要求IFCが暖機中の発電では用いない結露水大電流領域B内の電流値である場合(S104:Yes,S105:Yes)には、余剰発電の運転制御(ステップS111)が行われる。具体的には、図4(a)に示す手順が実行される。まず、制御部71は、電流指令値を結露水大電流領域Bの領域上限値に設定する(ステップS201)。これにより、燃料電池10では、要求IFCより大きいIFC(領域上限値)を想定した発電が行われることとなり、要求IFCに対して供給電力が過剰となる。そして、この要求IFCに対しての余剰電力を用いて蓄電装置60に充電する(ステップS202)。
また、SOCが所定値以上で残容量が十分に高く(S103:No)、且つ、要求IFCが暖機中の発電では用いない結露水大電流領域B内の電流値である場合(S107:Yes,S108:Yes)には、低負荷発電の運転制御(ステップS113)が行われる。具体的には、図4(b)に示す手順が実行される。まず、制御部71は、電流指令値を結露水大電流領域Bの領域下限値に設定する(ステップS211)。これにより、燃料電池10では、要求IFCより小さいIFC(領域下限値)を想定した発電が行われることとなり、要求IFCに対して供給電力が不足する。そして、この要求IFCに対する不足電力は蓄電装置60からの放電によって補充する(ステップS212)。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムでは、制御部(制御手段)71により、燃料電池10において、暖機完了までの結露水量が相対的に多く所定水量Wq以上となる発電出力(電流)の領域(結露水大電流領域B)を、領域下限値及び領域上限値によって定めておき、該領域内を暖機中の発電では用いない電流域として扱う。また、暖機運転時に、SOC検出センサ(残容量検出手段)62により検出される残容量が所定値未満であり、且つ、要求負荷検出手段63により検出される要求負荷が第1の負荷(領域下限値)より大きく第2の負荷(領域上限値)未満の負荷領域(結露水大電流領域B)内にある場合に、燃料電池10から要求負荷よりも大きな電力を出力させ、DC/DCコンバータ(供給制御手段)61によりその余剰電力を蓄電装置60に供給させる。
このように、蓄電装置60の残容量が所定値未満で不十分であり、且つ、要求負荷が第1の負荷(領域下限値)及び第2の負荷(領域上限値)に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)内にあるときには、燃料電池10において要求負荷より大きい負荷を想定した(相対的に結露水量の少ない)負荷領域での発電が行われる.この負荷領域では発電効率も相対的に低く、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となり、結露水量、滞留水量を低減することができる。また、高負荷運転となるので暖機運転時間を相対的に短くして、結露水量、滞留水量を低減することができる。
また、従来のガス量のみを制限した場合と比較して、結露水の発生量を大幅に削減することができる。また、従来のようにガス量制限を用いないので、結露水が発生してもガスの差圧により滞留させることなく排出することができる。このように、暖機時の滞留水(結露水)量を低減することができ、また従来のように過剰な酸化剤ガスの増量を行わないため、燃費及び商品性を向上させ得る燃料電池システムを実現することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、制御部71により、SOC検出センサ(残容量検出手段)62により検出される残容量が所定値以上であり、且つ、要求負荷検出手段63により検出される要求負荷が負荷領域(結露水大電流領域B)内にある場合に、燃料電池10から要求負荷よりも小さな電力を出力させ、DC/DCコンバータ(供給制御手段)61により燃料電池10及び蓄電装置60からそれぞれ出力される電力を負荷50に供給させる。
このように、蓄電装置60の残容量が所定値以上で十分に高く、且つ、要求負荷が第1の負荷及び第2の負荷に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)内にあるときには、燃料電池10において要求負荷より小さい負荷を想定した(相対的に結露水量の少ない)負荷領域での発電が行われる。したがって、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となり、結露水量、滞留水量を低減することができる。
また、本実施形態の燃料電池システムでは、制御部71により、要求負荷検出手段63により検出される要求負荷が負荷領域(結露水大電流領域B)外にある場合に、燃料電池10から要求負荷に応じた電力を出力させ、負荷制御装置51及びDC/DCコンバータ61(供給制御手段)により該燃料電池10から出力される電力を負荷50に供給させる。
このように、要求負荷が第1の負荷及び第2の負荷に基づく負荷領域(結露水の生じやすい範囲)外にあるときには、燃料電池10において相対的に低い発電効率の領域での発電が行われるので、相対的に大きい熱損失が生成水に対する放熱量となり、結露水量を低減することができる。また、高負荷運転となる場合には、暖機運転時間を相対的に短くして、結露水量、滞留水量を低減することができる。
〔変形例〕
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施形態においても説明したように、要求負荷が結露水大電流領域Bの電流値で、且つSOCが不十分であるときには、要求負荷より大きい負荷を想定した電流領域Cでの発電を行うが、この場合、第2の手法適用による結露水量の低減と、第1の手法適用による暖機運転時間が相対的に短いという2つの効果が相乗的に得られる。
したがって、暖機運転の前段階でSOCが不十分となるようにしておくことが望ましいが、そのための手法として、例えば以下の手法がある。
第1に、燃料電池システムを停止する時に、次の起動時における暖機を想定し、蓄電装置60のSOCが第1所定値以下となるようにして停止制御を行う。
第2に、特に燃料電池システム停止時に、寝燃料電池10の温度が低いときには、蓄電装置60のSOCが更に低い第2所定値(第2所定値<第1所定値)以下となるようにして停止制御を行う。
ここで、蓄電装置60のSOCを低下させる方法としては、例えば停止時の所定時間の間は蓄電装置60からのみ負荷50及び補機52に対して電力供給を行うようにすれば良い。
これら第1及び第2の手法は次の起動時における暖機を想定して前もって行うものであるが、起動時の初期段階でSOCが不十分となるようにしても良い。すなわち、第3に、起動時の所定時間の間は、蓄電装置60からのみ負荷50及び補機52に対して電力供給を行うようにして、蓄電装置60のSOCを低下させた後に、暖機運転制御に移行する。このようにすれば、SOCが不十分であるので、要求負荷が結露水大電流領域Bの電流値である場合には、要求負荷より大きい負荷を想定した電流領域Cでの発電を行われ、この場合、第1の手法及び第2の手法適用による相乗的効果が得られることとなる。
10 燃料電池
21 ガス供給装置
50 負荷
51 負荷制御装置(供給制御手段)
52 補機
60 蓄電装置
61 DC/DCコンバータ(供給制御手段)
62 SOC検出センサ(残容量検出手段)
63 要求負荷検出手段
71 制御部(制御手段)

Claims (3)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池と接続されて充放電可能な蓄電装置と、
    前記燃料電池及び前記蓄電装置からそれぞれ出力される電力の供給先を制御する供給制御手段と、
    前記燃料電池に対する要求負荷を検出する要求負荷検出手段と、
    前記蓄電装置の残容量を検出する残容量検出手段と、
    前記燃料電池における暖機完了までの結露水量の負荷に対する特性に基づき、結露水の生じやすい第1の負荷から第2の負荷までの範囲を予め定めておき、暖機運転時に、前記残容量検出手段により検出される残容量が所定値未満であり、且つ、前記要求負荷検出手段により検出される要求負荷が前記第1の負荷より大きく前記第2の負荷未満の負荷領域内にある場合に、前記燃料電池から前記要求負荷よりも大きな電力を出力させ、前記供給制御手段によりその余剰電力を前記蓄電装置に供給させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記残容量検出手段により検出される残容量が所定値以上である場合に、前記燃料電池から前記要求負荷よりも小さな電力を出力させ、前記供給制御手段により前記燃料電池及び前記蓄電装置からそれぞれ出力される電力を前記負荷に供給させること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記要求負荷検出手段により検出される要求負荷が前記負荷領域外にある場合に、前記燃料電池から前記要求負荷に応じた電力を出力させ、前記供給制御手段により前記燃料電池から出力される電力を前記負荷に供給させること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
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