JP2013041978A - 窒化物半導体発光素子、及び窒化物半導体発光素子を作製する方法 - Google Patents

窒化物半導体発光素子、及び窒化物半導体発光素子を作製する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013041978A
JP2013041978A JP2011177725A JP2011177725A JP2013041978A JP 2013041978 A JP2013041978 A JP 2013041978A JP 2011177725 A JP2011177725 A JP 2011177725A JP 2011177725 A JP2011177725 A JP 2011177725A JP 2013041978 A JP2013041978 A JP 2013041978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride semiconductor
layer
etching
film
group iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011177725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5786548B2 (ja
Inventor
Norihiro Saga
宣弘 嵯峨
Shinji Tokuyama
慎司 徳山
Kazuhide Sumiyoshi
和英 住吉
Koji Katayama
浩二 片山
Takatoshi Ikegami
隆俊 池上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2011177725A priority Critical patent/JP5786548B2/ja
Publication of JP2013041978A publication Critical patent/JP2013041978A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5786548B2 publication Critical patent/JP5786548B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】リーク電流の増加を縮小可能な、窒化物半導体発光素子を作製する方法を提供する。
【解決手段】誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33から金属膜31を介して窒化物半導体領域39までのエッチングを行って、リフトオフ層33a、電極31a及びエッチングされた窒化物半導体領域41を形成すると共に、窒化物半導体領域39の半極性主面39aをエッチングして半導体リッジ41aを形成する。このエッチング中に、リッジ部41aの形成のためにエッチングされるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存して、エッチングされた表面41bにはピラー状の微小突起43が形成される。半極性面では、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。エッチングにおける基板温度が摂氏60度以上摂氏200度以下の範囲にあるとき、微小突起の面密度の増大を避けることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、窒化物半導体発光素子、及び窒化物半導体発光素子を作製する方法に関する。
特許文献1には、GaAs基板、GaN基板を用いて化合物半導体レーザを作製することが記載されている。c面GaN基板上には、窒化ガリウム系化合物半導体レーザが作製される。特許文献1の作製方法では、窒化ガリウム系化合物半導体積層構造のp型GaNコンタクト層の表面に、Pdコンタクト電極層を形成した後に、更にその上に、Siよりなるマスク層を、Alよりなるマスク層、及びSiよりなるマスク層を形成する。
これらのマスク層上に設けたレジストマスクを用いて、これら3つのマスク層及びPdコンタクト電極層を順次エッチングして、積層マスク部及びPdコンタクト電極部を形成する。このエッチングにより窒化ガリウム系化合物半導体積層構造の表面が露出される。窒化ガリウム系化合物半導体積層構造をエッチングしてリッジを形成する。次いで、Alよりなるマスクを塩酸を用いて選択的にエッチングして、積層マスク部中に窪み部を形成する。この後に、上面全域に絶縁層63を成長した後に、エッチング溶液を用いてAlマスクを除去する。この結果、コンタクト電極部43aの表面が露出する。
非特許文献1は、GaNのエッチングにより「nano tips」が形成されることを開示する。
特開2008−98349号公報
Tatsuhiro URUSHIDO, Harumasa YOSHIDA, Hideto MIYAKE and Kazumasa HIRAMATSU、"Influence of Ge and Si on Reactive Ion Etching of GaN in Cl2 Plasma"、 Jpn. J. Appl. Phys. Vol. 41 (2002) pp. L31-L33
c面と異なる面方位の半極性面上に窒化物半導体発光素子を作製するとき、III族窒化物半導体のエッチングは、エピタキシャル基板上に発光素子のための電極を形成する際の一連の工程内に含まれる。発明者らの実験によれば、例えばIII族窒化物半導体のエッチング後の外観の観察によれば、半極性面は、c面に比べてピラー形状の突起が生成されるやすい性質を有している。
例えばリッジ構造を有する窒化物半導体発光素子を作製するとき、エッチングによりIII族窒化物半導体を加工してリッジ構造を形成する。エッチングにより形成されたIII族窒化物半導体面上に保護層を形成する。この半導体面がピラー形状の突起を有するときには、窒化物半導体発光素子のリーク電流が目立つようになる。つまり、ピラー状突起はリーク電流を増加させる。
また、リッジ構造形成のための加工に加えて、電極の形成も必要である。発明者らの知見によれば、III族窒化物半導体の半極性面に接触を成す電極を形成する際には、良好なオーミック接触を得ることもまた容易ではない。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、半極性面上に作製され半導体発光素子においてリーク電流の増加を縮小可能な窒化物半導体発光素子を提供することを目的とし、また、リーク電流の増加を縮小可能な、窒化物半導体発光素子を作製する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る窒化物半導体発光素子は、(a)III族窒化物からなる半極性主面を有する基板と、(b)前記半極性主面上に設けられIII族窒化物半導体からなる半導体積層と、(c)前記半導体積層上に設けられた電極と、(d)前記半導体積層の表面を覆う保護層とを備える。前記半導体積層は活性層を含み、前記半導体積層は、第1、第2及び第3部分並びにリッジ部を含み、前記半導体積層において、前記第2部分は前記第1部分と前記第3部分とに挟まれ、前記半導体積層において、前記リッジ部は前記第2部分上に位置し、前記第1及び第3部分の表面は、複数のピラー形状突起を有し、前記ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下であり、前記保護層は、前記リッジ部の上面に開口を有し、前記電極は、前記保護層の前記開口を介して前記リッジ部の前記上面に接合を成し、前記リッジ部は六方晶系のIII族窒化物半導体層を含み、前記III族窒化物半導体層のc軸と前記上面の法線軸との成す角度は、45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にある。
この窒化物半導体発光素子によれば、基板の半極性主面上のIII族窒化物半導体をエッチングしてリッジ部を形成するとき、その形成に係るエッチングにより、半導体積層の第1及び第3部分の表面には、ピラー状の微小突起が形成される。発明者らの知見によれば、微小突起の生成は、リッジ部の形成のためのエッチングにより形成されるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存しており、また、半極性面においては、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。発明者らの観察によれば、エッチングされるIII族窒化物半導体のc軸とリッジ部の上面の法線軸との成す角度が45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあるとき、微小突起の生成がc面に比べて特に顕著になる。発明者らの実験によれば、微小突起がリッジ部の近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子にリーク電流を増加させる。該ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下であるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流の増加の程度は小さいレベルにまで低減できる。
本発明に係る窒化物半導体発光素子では、前記電極は前記III族窒化物半導体層の表面に接触を成し、前記リッジ部は、前記活性層と前記III族窒化物半導体層との間に設けられた別のIII族窒化物半導体層を含み、前記III族窒化物半導体層の材料は前記別のIII族窒化物半導体層の材料と異なり、前記別のIII族窒化物半導体層は、III族構成元素としてインジウムを含む。
この窒化物半導体発光素子によれば、リッジ部が別のIII族窒化物半導体層を含むので、リッジ部を形成する際のエッチングの結果、別のIII族窒化物半導体層がリッジ部の表面に現れる。エッチング雰囲気においてインジウムの蒸気圧が他の構成元素(例えばGa)に比べて低いので、インジウムは、別のIII族窒化物半導体層のエッチングにおいてピラー状の微小突起の形成の基点になりやすい。したがって、構成元素としてインジウムを含む別のIII族窒化物半導体層のエッチングされた表面には、ピラー状の微小突起が形成されやすい。
本発明に係る窒化物半導体発光素子では、前記電極は、パラジウム層及び金層、白金層の少なくともいずれかを含むことができる。
この窒化物半導体発光素子によれば、これらの金属は、III族窒化物半導体の半極性面に対して良好なコンタクト抵抗を提供する。
本発明に係る窒化物半導体発光素子では、前記電極は前記リッジ部の前記上面の全体を覆い、前記保護層は前記リッジ部の側面を覆って前記リッジ部の前記上面のエッジを覆うように設けられることができる。
この窒化物半導体発光素子によれば、電極は、リッジ部の上面の全体を覆って自己整合的に形成される。保護層がリッジ部の上面のエッジを覆うように設けられるので、保護層は、リッジ部の上面と電極との界面が側面に現れる部位を覆って、該部分を保護できる。
本発明に係る窒化物半導体発光素子では、前記複数のピット形状突起のうちの全部又は一部は、前記保護層を突き抜けており、前記パッド電極に接触することができる。
この窒化物半導体発光素子によれば、発明者らの観察によれば、ピット形状突起のうちのいくつかのピット形状突起は、窒化物半導体発光素子の保護層を突き抜けて、該ピット形状突起の先端が保護膜に覆われていない。突き抜けたピット形状突起のいくつかはパッド電極に接触を成す。この接触により、リッジ部を経由しない電流経路が形成される。
本発明は窒化物半導体発光素子を作製する方法に係る。この方法は、(a)窒化物半導体領域の半極性主面の酸洗浄を行うと共に、該酸洗浄された主面上に金属膜を蒸着する工程と、(b)リフトオフのための犠牲膜を前記金属膜上に形成する工程と、(c)誘電体膜を前記金属膜上に成長する工程と、(d)リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜上に形成する工程と、(e)前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、(f)前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜から前記金属膜を介して前記窒化物半導体領域までのエッチングを行って、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程とを備える。前記窒化物半導体領域は活性層を含み、前記誘電体膜を成長する前記工程において、前記犠牲膜は前記誘電体膜と前記金属膜との間に設けられ、前記犠牲膜は絶縁性を示し、前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含み、前記エッチングにおける基板温度は摂氏80度以上であり、前記基板温度は摂氏200度以下である。
この窒化物半導体発光素子を作製する方法(以下、「作製方法」と記す)によれば、窒化物半導体領域の半極性主面の酸洗浄を行うと共に、該酸洗浄された主面上に金属膜を蒸着するので、酸化されやすい窒化物半導体半極性主面をリッジ形成のためのプロセス雰囲気にさらすことなく、電極のための金属膜で半極性主面を覆うことができる。これ故に、良好なコンタクト抵抗を得ることができる。
また、誘電体マスクを用いて犠牲膜から金属膜を介して窒化物半導体領域までのエッチングを行って、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成するとき、窒化物半導体領域の半極性主面をエッチングして半導体リッジを形成する。発明者らの知見によれば、このエッチング中に、エッチングされた表面には、ピラー状の微小突起が形成される場合がある。微小突起の生成は、リッジ部の形成のためにエッチングされるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存しており、また、半極性面においては、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。微小突起がリッジ部の近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を増加させる。発明者らの実験によれば、エッチングにおける基板温度が摂氏80度以上摂氏200度以下の範囲にあるとき、微小突起の面密度の増大を避けることができる。
本発明に係る作製方法では、前記犠牲膜は樹脂からなることができる。この作製方法によれば、犠牲膜が樹脂からなるとき、樹脂犠牲膜は、誘電体マスクから金属膜への応力を低減できる。
本発明は窒化物半導体発光素子を作製する方法に係る。この方法は、(a)窒化物半導体領域の半極性主面上に、金属膜、犠牲膜、及び誘電体膜を順に成長する工程と、(b)リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜上に形成する工程と、(c)前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、(d)前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜、前記金属膜、及び前記窒化物半導体領域を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程とを備える。前記金属層は金層を含み、前記犠牲膜は樹脂からなり、前記犠牲膜の前記反応性イオンエッチングにおけるエッチャントは酸素を含み、前記窒化物半導体領域は活性層を含み、前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含む。
この作製方法によれば、樹脂の犠牲膜の形成には、塗布(例えば、スピンコートでの塗布)を用いるので、犠牲膜に膜厚分布が生じることがある。これ故に、犠牲膜のオーバーエッチングを行わない場合、犠牲膜の膜厚の不均一がそのまま金属膜や窒化物半導体領域のエッチングに引き継がれる。これは、リッジ深さの面内分布を引き起こす。しかしながら、犠牲膜の反応性イオンエッチングにおけるエッチャントが酸素を含むので、金を侵すハロゲン系ガスを用いることなく、犠牲膜のオーバーエッチングを行うことができる。
金属層の金(Au)は、犠牲膜の樹脂をエッチング可能なハロゲン系ガス(例えばCHF、Cl等)によりエッチングされる。犠牲膜のオーバーエッチングの際に金層の表面がハロゲン系ガスにさらされるとき、発明者らの知見によれば、金層の表面モフォロジが低下する場合がある。窒化物半導体領域のエッチングにおいて、金層の表面モフォロジが窒化物半導体領域に転写されることがあり、これがピラー状突起の生成の基点となることがある。
本発明は窒化物半導体発光素子を作製する方法に係る。この方法は、(a)窒化物半導体領域の半極性主面上に、金属膜、犠牲膜、及び誘電体膜を順に成長する工程と、(b)リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜上に形成する工程と、(c)前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、(d)前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜、前記金属膜、及び前記窒化物半導体領域を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程とを備える。前記金属層はパラジウム層または白金層を含み、前記犠牲膜は樹脂からなり、前記犠牲膜の異方性エッチングにおけるエッチャントは、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含み、前記窒化物半導体領域は活性層を含み、前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含む。
金属層のパラジウム(Pd)は、犠牲膜の樹脂をエッチング可能な酸素(酸素プラズマ)により侵される。犠牲膜のオーバーエッチングの際にパラジウム層の表面が酸素プラズマにさらされるとき、発明者らの知見によれば、パラジウム層の表面に変質層が形成されることがある。窒化物半導体領域のエッチングにおいて、変質層がピラー状突起の生成の基点となることがある。
本発明に係る上記の作製方法では、前記犠牲膜は、レジスト、ポリイミド、及びベンゾシクロブテンの少なくともいずれかを含むことができる。この作製方法によれば、これらの樹脂を異方性エッチングにより加工してリフトオフ層を形成でき、またこのリフトオフ層を使用してリフトオフが可能になる。
本発明に係る上記の作製方法は、前記エッチングされた窒化物半導体領域の前記半導体リッジを形成した後に、前記エッチングされた窒化物半導体領域及び前記誘電体マスク上に絶縁膜を形成する工程と、前記リフトオフ層を用いて前記絶縁膜のリフトオフを行って、前記エッチングされた窒化物半導体領域上に保護層を形成する工程とを更に備えることができる。前記保護層は、前記半導体リッジ上の前記電極上に開口を有することができる。
この作製方法によれば、半導体リッジの形成から、エッチングされた窒化物半導体領域を覆う保護層の形成までのプロセスに、電極に接合を成す半極性面を露出することなく、電極、半導体リッジ及び保護層を形成できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記誘電体膜は、電子ビーム蒸着法で成長されたシリコン系無機絶縁層を含むことができる。この作製方法によれば、樹脂膜を保護するように、シリコン系無機絶縁層を成長できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記活性層の発光スペクトルのピーク波長は500nm以上570nm以下の波長範囲内にあることが好ましい。この作製方法によれば、半極性面の利用により、500nm以上570nm以下の波長範囲内に発光スペクトルのピーク波長を有する発光素子を提供できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記電極は金層及びパラジウム層または白金層の少なくとも一方を含むことができる。この作製方法によれば、窒化物半導体半極性面に良好なコンタクト抵抗を提供できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記金属層は、蒸着またはスパッタにより成長されたパラジウム層またはPt層を含むことが好ましく、前記犠牲層はレジストからなることが好ましく、前記犠牲層のエッチングにおけるエッチャントはフッ素系ガスを含むことが好ましい。この作製方法によれば、このエッチング中に生成されるピラー状の微小突起の密度を低減でき、又は実質的のゼロにできる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記犠牲層のエッチングにおけるエッチャントは、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含むことが好ましい。この製方法によれば、フッ素系ガスとして、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを使用できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記金属層は、蒸着により成長された金層を含むことが好ましく、前記犠牲層はレジストからなることが好ましく、前記犠牲層のエッチングにおけるエッチャントは酸素を含むことが好ましい。この作製方法によれば、このエッチング中に生成されるピラー状の微小突起の密度を低減でき、又は実質的のゼロにできる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記エッチングは、インダクティブ・カップリング・プラズマ・反応性イオンエッチング法で行われることが好ましい。この作製方法によれば、エッチングにおける異方性及び所望のリッジ高を実現できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記窒化物半導体領域は、第1III族窒化物半導体層及び第2III族窒化物半導体層を含み、前記第2III族窒化物半導体層は、前記第1III族窒化物半導体層上に設けられ前記電極と接触を成し、前記エッチングでは、前記第1III族窒化物半導体層及び前記第2III族窒化物半導体層がエッチングされ、前記第1III族窒化物半導体層の材料は前記第2III族窒化物半導体層の材料と異なり、前記第1III族窒化物半導体層は、III族構成元素としてインジウムを含むことができる。
この作製方法によれば、半導体リッジに加工される窒化物半導体領域が、第1及び第2III族窒化物半導体層を含むので、半導体リッジを形成する際にエッチングの結果、第1及び第2III族窒化物半導体層の両方がエッチングされて、第1及び第2III族窒化物半導体層は半導体リッジの表面に現れる。発明者らの知見によれば、エッチング雰囲気においてインジウムの蒸気圧が他の構成元素(Ga)に比べて低いので、インジウムはピラー状の微小突起の形成の基点になりやすい。
本発明に係る上記いくつかの作製方法は、III族窒化物半導体基板の主面上に前記窒化物半導体領域を成長する工程を更に備えることができる。前記III族窒化物半導体基板のc軸と前記主面の法線軸との成す角度は45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあり、前記III族窒化物半導体基板のc軸と前記窒化物半導体領域の前記半極性主面の法線軸との成す角度は45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあることができる。
この作製方法によれば、エッチングされるIII族窒化物半導体のc軸とリッジ部の上面の法線軸との成す角度が45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあるとき、微小突起の生成がc面に比べて顕著になる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記エッチングされた窒化物半導体領域のエッチングされた表面におけるピラー密度は2×10cm−2以下であることができる。
この作製方法によれば、微小突起がリッジ部の近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を増加させる。発明者らの実験によれば、該ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下であるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を低減できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記基板温度は摂氏80度以上であることができる。この作製方法によれば、ピラー形状突起の面密度を充分に低減できる。
本発明に係る上記の作製方法では、前記絶縁膜は、電子ビーム蒸着法で成長されたシリコン系無機絶縁膜を含むことができる。この作製方法によれば、リフトオフ層を保護するように、シリコン系無機絶縁層を成長できる。
以上説明したように、本発明によれば、半極性面上に作製され半導体発光素子においてリーク電流の増加を縮小可能な窒化物半導体発光素子が提供される。また、本発明によれば、リーク電流の増加を縮小可能な、窒化物半導体発光素子を作製する方法が提供される。
図1は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法及び窒化物半導体発光素子のための電極を形成する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図2は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図3は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図4は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図5は、エピタキシャル積層13の一例から形成したエッチングされたエピタキシャル積層を示す図面である。 図6は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図7は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。 図8は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を模式的に示す図面である。
引き続いて、添付図面を参照しながら、窒化物半導体発光素子、窒化物半導体発光素子を作製する方法、及び窒化物半導体発光素子のための電極を形成する方法に係る本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1〜図7は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子を作製する方法及び窒化物半導体発光素子のための電極を形成する方法における主要な工程を模式的に示す図面である。図1〜図4及び図6、図7の模式図では、矩形の基板が描かれているが、基板の形状はこれに限定されない。また、理解を容易にするために、引き続く説明では、一素子のサイズの基板上に窒化物半導体発光素子を作成する手順を説明する。
この方法では、最初の工程で、窒化物半導体発光素子のためのエピタキシャル成長層を形成するための基板を準備する。基板(図1の(a)部における参照符号「11」)は、例えば六方晶系III族窒化物からなる主面(図1の(a)部における参照符号「11a」)を有する。基板11は、例えば六方晶系III族窒化物からなることができ、六方晶系III族窒化物は、例えば窒化ガリウム系半導体からなることができ、窒化ガリウム系半導体は例えばGaN、AlN等を含む。
図1の(a)部に示されるように、工程S101において、基板11を成長炉10aに置いた後に、基板11上に窒化物半導体発光素子のためのエピタキシャル積層13を形成する。エピタキシャル積層13は複数のIII族窒化物層を含む。基板11は六方晶系III族窒化物からなる主面11aを有し、またこの主面11aは半極性を示す。エピタキシャル積層13は、六方晶系III族窒化物からなる主面11aに対してエピタキシャルに成長される。エピタキシャル積層13のIII族窒化物層の各々におけるc軸の向きは、該六方晶系III族窒化物のc軸の向きに一致する。図1の(a)部を参照すると、六方晶系III族窒化物のc軸Cxを示すc軸ベクトルCVが描かれており、結晶方位を示す結晶座標系CRが示されている。結晶座標系CRは、六方晶系III族窒化物のc軸、a軸及びm軸を示す軸を有する。本実施例では、基板11のc軸Cxは、基板主面11aの法線ベクトルNVで表される法線軸Nxを基準にして角度ALPHAで傾斜している。引き続き説明された実施例では、リッジ構造は、m軸及びc軸によって規定されるm−c面に沿って延在する。基板11のc軸Cxと基板主面11aの法線軸Nxとの成す角度ALPHAは45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にある。
基板11のc軸Cxとエピタキシャル積層13の半極性主面13aの法線軸(本実施例では、法線軸Nxと同じ)との成す角度は45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあることができる。エピタキシャル積層13のIII族窒化物半導体のc軸とエピタキシャル積層13の半極性主面13a(後工程においてリッジ部の上面)の法線軸との成す角度が45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあるとき、微小突起の生成がc面に比べて顕著になる。
成長炉10aでは、エピタキシャル積層13の複数のIII族窒化物層が、例えば有機金属気相成長法で成長されて、法線軸Nxの方向に順に配列される。エピタキシャル積層13は、n型窒化ガリウム系半導体層15、n型窒化ガリウム系半導体クラッド層17、n側窒化ガリウム系半導体光ガイド層19、活性層21、p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層23、窒化ガリウム系半導体電子ブロック層25、p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層26、p型窒化ガリウム系半導体クラッド層27、及びp型窒化ガリウム系半導体コンタクト層29を含むことができる。活性層21は、井戸層21a及び障壁層21bを含み、これら井戸層21a及び障壁層21bが、法線軸Nxの方向に交互に配列されている。
エピタキシャル積層13の一例。
n型窒化ガリウム系半導体層15:Siドープn型GaN。
n型窒化ガリウム系半導体クラッド層17:Siドープn型AlGaN。
n側窒化ガリウム系半導体光ガイド層19:Siドープn型GaN、アンドープInGaN。
活性層21:単一又は多重量子井戸構造。
井戸層21a:アンドープInGaN。
障壁層21b:アンドープInGaN又はアンドープGaN。
p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層23:アンドープInGaN。
窒化ガリウム系半導体電子ブロック層25:Znドープp型AlGaN。
p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層26:Znドープp型GaN。
p型窒化ガリウム系半導体クラッド層27:Znドープp型AlGaN。
p型窒化ガリウム系半導体コンタクト層29:Znドープp型GaN。
活性層21の発光スペクトルのピーク波長は500nm以上570nm以下の波長範囲内にあることが好ましい。エピタキシャル積層13の成長が完了した後に、成長炉10aからエピタキシャル基板Eを取り出す。エピタキシャル基板Eの窒化物半導体領域は、基板主面11aの面方位を引き継いで半極性主面を示す。エピタキシャル基板Eの窒化物半導体領域は活性層21を含み、この活性層21も半極性に従う性質を有する。半極性の利点を生かして、500nm以上540nm以下の波長範囲内に発光スペクトルのピーク波長を有する発光素子を提供できる。
成長炉10aから取り出されたエピタキシャル基板Eは、酸素を含む大気にさらされる。これ故に、その表面に自然酸化膜が形成される。発明者らの実験によれば、窒化ガリウム系半導体の半極性主面は酸素と結合しやすく、これ故に、c面に比べて厚い自然酸化膜が成長する。
次いで、エピタキシャル基板Eの表面13aの自然酸化膜やコンタミネーションを除去するために、図1の(b)部に示されるように、電極のための金属層の成長に先立って、処理装置10bに配置される。工程S102では、処理装置10bを用いて、自然酸化膜やコンタミネーションを除去するためのウエット処理が行われ、好適な例では、エピタキシャル基板Eは酸溶液に浸される。この酸溶液は例えば塩酸を含むことが好ましい。
エピタキシャル基板Eの酸洗浄の後に、速やかに(例えば30分以下に)、図2の(a)部に示されるように、該エピタキシャル基板Eを成膜装置10cに配置することが好ましい。工程S103では、成膜装置10cを用いて、該酸洗浄された主面13a上に金属膜31を蒸着する。金属膜31は、例えば金層、パラジウム層及び白金層、Ti層の少なくともいずれかを含むことができる。これらの金属は、窒化物半導体半極性面に良好なコンタクト抵抗を提供できる。金属膜31は、例えば蒸着法で形成されることができる。金属膜31の厚さは例えば10nm以上であり、例えば200nm以下であることができる。
工程S104では、図2の(b)部に示されるように、金属膜31上に、リフトオフのための犠牲膜33を形成する。犠牲膜33は絶縁性を示すことが好ましい。犠牲膜33が樹脂からなるとき、犠牲膜33は、誘電体マスクから金属膜への応力を低減できる。犠牲膜33の樹脂は、例えばレジスト、ポリイミド、及びベンゾシクロブテンの少なくともいずれかを含むことができる。これらの樹脂を異方性エッチングにより加工してリフトオフ層を形成でき、またこれをリフトオフのために使用できる。犠牲膜33の樹脂膜の形成は、例えばスピナーといった成膜装置10dを用いた塗布により行われる。犠牲膜33は金属膜31に接触し、覆う。
また、金属膜31上に、誘電体膜35を成長する。誘電体膜35を成長する工程において、犠牲膜33は誘電体膜35と金属膜31との間に設けられる。誘電体膜35はシリコン系無機絶縁層、AlN、TiOを含むことができ、シリコン系無機絶縁層は例えばシリコン酸化物(具体的にはSiO)、SiN等からなることができる。誘電体膜35は例えば電子ビーム蒸着法、スパッタ法を適用可能な成膜装置10eで成長されることが好ましい。この方法によれば、成膜の際の熱から樹脂膜35を保護するように、電子ビーム蒸着法でシリコン系無機絶縁層を成長できる。
工程S105では、図3の(a)部に示されるように、リッジのためのパターンを有するマスク37を誘電体膜35上に形成する。マスク37は例えばフォトレジストからなることができる。このレジストマスクの作成は例えば以下のように行われる。塗布器10fを用いてフォトレジストを誘電体膜35上に塗布した後に、露光装置10gでフォトマスクを介してフォトレジストに露光し、さらに露光したフォトレジストを現像装置10hで現像する。図3の(a)部に示される実施例では、マスク37は例えばストライプ形状を成す。ストライプ幅は例えば2μmである。
工程S106では、図3の(b)部に示されるように、マスク37を用いて誘電体膜35をエッチング装置10jでエッチングして、誘電体マスク35aを形成する。このエッチングは、例えばインダクティブ・カップリング・プラズマ・反応性イオンエッチング法(ICP−RIE法)で行われることが好ましい。このエッチング法によれば、異方的なエッチングを実現できる。誘電体膜35がシリコン酸化物からなるときは、エッチャントとしてCHFを用いることができる。誘電体膜35のエッチングにおけるエッチャントは、CHFといったフッ素系ガスを用いることができる。エッチャントとして、CHF、CF、CF4+Arの少なくともいずれかを使用できる。
工程S107では、図4の(a)部に示されるように、誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33のエッチングを行って、リフトオフ層33aを形成する。犠牲膜33が樹脂からなるときは、リフトオフ層33aも樹脂からなる。犠牲膜33のエッチングにおけるエッチャントはフッ素系ガス又は酸素を含むことが好ましい。フッ素系ガスとして、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを使用できる。このエッチングは、例えばICP−RIE法で行われることが好ましい。このエッチング法によれば、エッチングにおける異方性を実現できる。これ故に、リフトオフ層33aの幅は誘電体マスク35aの幅とほぼ同じであり、リフトオフ層33aに実質的なサイドエッチは生じない。リフトオフ層33aは電極31aの表面に接触し、覆う。
なお、犠牲膜33のエッチングの際にレジスト製のマスク37もエッチャントにさらされる。誘電体マスク35aの形成から窒化物半導体領域のエッチングまでのエッチングにおいて不都合がなければ、マスク37を除去することなく、犠牲膜33から窒化物半導体領域までのエッチングを行うことができる。引き続く工程の処理においてマスク37の一部が残ることがあるが、理解を容易にするために、積層マスクの最上層に誘電体マスク35aを描く。
工程S108では、図4の(b)部に示されるように、誘電体マスク35aを用いて金属層31のエッチングを行って、電極31aを形成する。電極31aは、金層、パラジウム層及び白金層の少なくともいずれかを含むことができる。金属層31のエッチングは例えばアルゴン(Ar)を用いることができる。次いで、工程S108では、金属層31のエッチングが完了した後に、窒化物半導体領域39のエッチングを行って、エッチングされた窒化物半導体領域41を形成する。このエッチングは、ICP−RIE法で行われることが好ましい。このエッチング法によれば、エッチングにおける異方性及び所望のリッジ高を実現できる。窒化物半導体領域39のエッチングにおける基板温度は摂氏80度以上であることが好ましい。
このエッチング中に、エッチングにより形成された窒化物表面には、ピラー状の微小突起43が形成される場合がある。微小突起の生成は、リッジ部の形成のためにエッチングされるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存しており、また、半極性面においては、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。一例を示せば、ピラー状の微小突起43の径の範囲は例えば0.1μm以上2μm以下であり、ピラー状の微小突起43の高さの範囲は例えば50nm以上700nm以下である。微小突起がリッジ部の近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子リーク電流を増加させる。発明者らの実験によれば、エッチングにおける基板温度が摂氏80度以上の範囲にあるとき、微小突起43の面密度の増大を避けることができる。
エッチングされた窒化物半導体領域41の表面におけるピラー状の微小突起43の面密度は例えばゼロより大きく2×10cm−2以下であることができる。微小突起43がリッジ部41aの近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を増加させる。発明者らの実験によれば、該ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下であるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を実用的なレベルにまで低減できる。
また、窒化物半導体領域39のエッチングにおける基板温度は摂氏100度以上であることができる。この温度範囲によれば、ピラー形状突起43の面密度を充分に低減できる。
本実施例では、エッチング装置10jにおいて、誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33から金属膜31を介して窒化物半導体領域39までのエッチングを行って、リフトオフ層33a、電極31a及びエッチングされた窒化物半導体領域41を形成できる。エッチングされた窒化物半導体領域41は半導体リッジ41aを含む。この一連のエッチングにおいて、基板温度は摂氏200度以下であることが好ましい。この基板温度の範囲であれば、エッチング中の熱により犠牲膜33が変質することを避けることができる。
誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33から金属膜31を介して窒化物半導体領域39までのエッチングを行って、リフトオフ層33a、電極31a及びエッチングされた窒化物半導体領域41を形成するとき、窒化物半導体領域39の半極性主面39aをエッチングして半導体リッジ41aを形成する。発明者らの知見によれば、このエッチング中の結果として形成された表面41bには、ピラー状の微小突起43が形成される場合がある。微小突起43の生成は、リッジ部41aの形成のためにエッチングされるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存しており、また、半極性面においては、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。微小突起43がリッジ部41aの近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子のリーク電流を増加させる。発明者らの実験によれば、エッチングにおける基板温度が摂氏80度以上摂氏200度以下の範囲にあるとき、微小突起の面密度の増大を避けることができる。
図5は、エピタキシャル積層13の一例から形成したエッチングされたエピタキシャル積層を示す図面である。エピタキシャル積層13は、半極性面上にエピタキシャル成長された半導体層を含むので、エピタキシャル積層13内の半導体層界面(接合)は、基板の結晶軸に従った半極性面にある。エッチング及びリフトオフのための積層マスクをエピタキシャル基板上に形成した後に、エッチングのために、エッチング装置10jのステージ9上にエピ基板が搭載される。ステージ9は基板温度の調整を行うことができる。本実施例では、エピタキシャル積層13に含まれる3つ半導体層(図4の(a)部に示されたIII族窒化物半導体層A、III族窒化物半導体層B及びIII族窒化物半導体層C)がエッチングされる。これら半導体層のうち隣接する層の材料は互いに異なる。エピタキシャル積層13の一例に基づいて説明すると、p型窒化ガリウム系半導体コンタクト層29(例えば、Znドープp型GaN)、p型窒化ガリウム系半導体クラッド層27(例えば、Znドープp型AlGaN)及びp側窒化ガリウム系半導体光ガイド層26(例えば、Znドープp型GaN)がエッチングされる。
半導体リッジを形成する際のエッチングの結果、III族窒化物半導体層A〜Cがエッチングされて、これらのIII族窒化物半導体層A〜Cが半導体リッジ41aの側面及びエッチングされた窒化物半導体領域41の表面41bに現れる。エッチングされるIII族窒化物半導体層が、III族構成元素としてインジウムを含むとき、エッチング雰囲気においてインジウムの蒸気圧が他の構成元素(Ga)に比べて低いので、インジウムはピラー状の微小突起の形成の基点になりやすい。p型窒化ガリウム系半導体コンタクト層29は例えばGaN、InGaN等からなることができ、p型窒化ガリウム系半導体クラッド層27例えばAlGaN、InAlGaN、GaN等からなることができ、p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層26例えばGaN、InGaN、InAlGaN等からなることができる。本実施例の方法によれば、ピラー状の微小突起の面密度を低減できる。
また、この作製方法によれば、図2の(b)部及び図3の(a)部に示されるように、窒化物半導体領域39の半極性主面39aの酸洗浄を行うと共に、該酸洗浄された主面上に金属膜31を蒸着するので、酸化されやすい窒化物半導体半極性主面13aをリッジ形成のためのプロセスさらすことなく、電極31aのための金属膜31で半極性主面13aを覆うことができる。これ故に、良好なコンタクト抵抗を得ることができる。
好ましい実施例の一つを説明する。金属層31は、蒸着により成長されたパラジウム層を含むことが好ましく、犠牲層33はレジストからなることが好ましい。犠牲層33のエッチングにおけるエッチャントはフッ素系ガスを含むことが好ましい。この方法によれば、このエッチング中に生成されるピラー状の微小突起の密度を低減でき、又は実質的のゼロにできる。このとき、犠牲層33のエッチングにおけるエッチャントは、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
好ましい実施例の別の一つを説明する。金属層31は、蒸着により成長された金層を含むことが好ましく、犠牲層33はレジストからなることが好ましい。犠牲層33のエッチングにおけるエッチャントは酸素を含むことが好ましい。この方法によれば、このエッチング中に生成されるピラー状の微小突起の密度を低減でき、又は実質的のゼロにできる。
次の工程S109では、図6の(a)部に示されるように、エッチングされた窒化物半導体領域41の半導体リッジ41aを形成した後に、成膜装置10kを用いて、エッチングされた窒化物半導体領域41及び誘電体マスク35a上に絶縁膜45を形成する。これによって、基板生産物SP1が形成される。絶縁膜45は第1部分45a及び第2部分45bを含む。第1部分45aは半導体リッジ41a上の誘電体マスク35aの上面35b及び側面35c上に成長され、これらを覆う。第2部分45bはエッチングされた窒化物半導体領域41のエッチングされた表面41b、半導体リッジ41aの側面41c、電極31aの側面31c上に成長され、これらを覆う。リフトオフ層33aは樹脂からなるので、リフトオフ層33aの側面に沿って形成され第1部分45a及び第2部分45bを繋ぐブリッジ状の絶縁体が成長する。成膜装置10kは、例えば電子ビーム蒸着法、スパッタ等により成膜を適用できる。例えば、絶縁膜45は、電子ビーム蒸着法で成長されたシリコン系無機絶縁膜を含むことができる。この方法によれば、リフトオフ層33aを保護するように、絶縁膜45のためのシリコン系無機絶縁層を成長できる。このシリコン系無機絶縁層は例えばシリコン酸化物(具体的にはSiO)、AlN,TiO等からなることができる。
工程S110では、図6の(b)部に示されるように、リフトオフ層33aを用いて絶縁膜45のリフトオフを装置10mで行う。このリフトオフにより、誘電体マスク35aの上面35b及び側面35c上の第1部分45を除去すると共に、エッチングされた窒化物半導体領域41の表面41b、半導体リッジ41aの側面41c、及び電極31aの側面31c上には第2部分45bを残す。第2部分45bからなる保護層47が、エッチングされた窒化物半導体領域41のエッチングされた表面41b、半導体リッジ41aの側面41c、及び電極31aの側面31c上に形成される。保護層47は、半導体リッジ41a上の電極31a上に開口47aを有する。絶縁膜45の堆積に際して、リフトオフ層33aが電極31の上面31bの全体を覆っているので、保護層47の開口47aは、電極31aに対して自己整合的に位置決め可能である。保護層47の厚さD1は例えば200nm以上であり、例えば700nm以下であることができる。
これまでの一連の工程によれば、半導体リッジ41aの形成から、エッチングされた窒化物半導体領域41を覆う保護層の形成までのプロセスに、電極に接合を成す半極性面41dを露出することなく、電極31a、半導体リッジ41a及び保護層47を形成できる。これによって、基板生産物SP2が形成される。また、電極31aと半導体リッジ41aの上面との接合J1のエッジを覆う。
工程S111では、図7の(a)部に示されるように、基板生産物SP2のパッド電極49を電極31a及び保護層47上に形成する。パッド電極49は例えばAu、Ti/Pt/Auからなることができる。パッド電極49の導電膜の堆積として蒸着法を用いることができ、導電膜のパターン形成はリフトオフ法を用いることができる。パッド電極49は保護層47を覆っており、電極31aの上面31bに接触を成す。
工程S112では、図7の(b)部に示されるように、基板生産物SP3に電極51を形成する。必要な場合には、基板11の裏面を研磨して研磨された基板12を形成した後に、基板12の研磨面12bに電極51を形成する。これらの工程により、窒化物半導体発光素子が形成される。
(実施例1)
GaNウエハの{2021}面上に、n型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型InGaN光ガイド層、InGaN活性層、p型AlGaN電子ブロック層、p型InGaN光ガイド層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順にエピタキシャル成長して、レーザ構造のエピタキシャルウエハを作製する。このエピタキシャルウエハ上に、パラジウムからなるp側Pd膜を蒸着法にて作製する。この電極膜の膜厚は30nmである。電極膜上に、リフトオフの際の犠牲層となるレジスト層(厚さ約0.8μm)を塗布した後に、続いてリッジ形成用のマスクとなるシリコン酸化膜(厚さ300nm、SiO)を電子ビーム蒸着により形成する。これらの工程により、基板生産物が準備される。シリコン酸化膜上に、リッジストライプを規定するレジストマスク(2μm幅)を形成する。CHFガスをICP−RIE装置に供給して、レジストマスクを用いてシリコン酸化膜をエッチングして、酸化膜マスクを形成する。次いで、以下の2条件でレジスト層をエッチングしてレジスト犠牲層を形成する。レジスト犠牲層を形成した後に、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてArを供給して、Pd膜をエッチングする。続けて、Cl及びBClをICP−RIE装置に供給して、GaNエピタキシャル層をエッチングする。
条件(a)。
レジスト層のちょうど平均的厚みのレジスト部分のエッチングが終わる終点でエッチングを終了すると、レジスト塗布膜厚分布に依存してレジストのエッチング残りが発生する。これを避けるために、オーバーエッチングを行う。平均レジスト厚みの1.3倍の厚みのレジストのエッチングが終わる時間までエッチングを行う。この条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてOを供給して、レジスト層のエッチングを行う。その後、Pd膜をエッチングすると共にGaN層のリッジの深さまでエッチングする。SEMを用いて外観を観察すると、エッチングされたGaN面にピラー状の突起が発生している。発明者の実験によれば、レジスト層のエッチングガス(酸素)により、Pd表面が変質して、変質物がPdエッチング後にもマイクロマスクとしてGaN表面に残り、エッチング残渣を生じさせている可能性がある。この条件の微細突起の面密度は例えば1×1011cm−2である。
条件(b)
平均レジスト厚みの1.3倍の厚みのレジストのエッチングが終わる時間までエッチングを行う。この条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてAr/CHFガスを供給して、レジスト層のエッチングを行う。その後、Pd膜をエッチングすると共にGaN層のリッジの深さまでエッチングする。Clガスを用いてICP−RIE法でGaN層をエッチングする。エッチングされたGaN面にピラー状の突起は実質的にゼロと言える程度にまで少なく、観察した領域範囲では、非常に良好な表面では、ピラー状の突起は見られない。
(実施例2)
Pd膜の替わりにAu膜(100nm)を形成した点を除いて、実施例1と同様に基板生産物を準備する。犠牲層はレジストとする。基板生産物のシリコン酸化膜上に、リッジストライプを規定するレジストマスク(2μm幅)を形成する。次いで、以下の2条件でレジスト層をエッチングしてレジスト犠牲層を形成する。レジスト犠牲層を形成した後に、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてArを供給して、Pd膜をエッチングする。続けて、Cl及びBClをICP−RIE装置に供給して、GaNエピタキシャル層をエッチングする。
条件(a)。
平均レジスト厚みの1.3倍の厚みのレジストのエッチングが終わる時間までエッチングを行う。この条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてAr/CHFガスを供給して、レジスト層のエッチングを行う。AuがCHFと反応してエッチングされるので、オーバーエッチング中にレジスト膜の塗布厚の分布に応じてAuがエッチングされてしまう。AuはCl、CF、やCHFでエッチングされる。オーバーエッチング中のAuエッチングの結果として、Au膜をArでエッチングする前に、Au膜の膜厚分布が生じる。このAu膜をArでエッチングする。ICP−RIEエッチング装置にエッチングガスとしてArを供給する。Arエッチングは反応性がなく、エッチングされる材料による選択性の差が比較的小さい(ここではAuとGaNとの選択比)。Arを用いたAu膜のオーバーエッチング中に、GaN層がエッチングされる。Clを用いたGaNエッチング後に表面を観察すると、Auの膜厚ばらつきの結果として、リッジ深さに分布が発生する。リッジ深さが適切な深さよりも浅いとき、半導体レーザのしきい値電流Ithの上昇を引き起こし、リッジ深さが適切な深さより深いとき半導体レーザの信頼性が低下する。そのため、素子歩留まりが悪化することになる。この条件のピラー状の微細突起の面密度は例えば1×1010cm−2である。
条件(b)
平均レジスト厚みの1.3倍の厚みのレジストのエッチングが終わる時間までエッチングを行う。この条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてOを供給して、レジスト層のエッチングを行う。その後、Au膜をArでエッチングすると共にGaN層のリッジの深さまでエッチングする。Clガスを用いてICP−RIE法でGaN層をエッチングする。エッチングされたGaN面にピラー状の突起は実質的にゼロと言える程度にまで少なく、観察した領域範囲では、非常に良好な表面では、ピラー状の突起は見られない。
(実施例3)
GaNウエハの{2021}面上に、n型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層、n型InGaN光ガイド層、InGaN活性層、p型AlGaN電子ブロック層、p型InGaN光ガイド層、p型AlGaNクラッド層、p型GaNコンタクト層を順にエピタキシャル成長して、レーザ構造のエピタキシャルウエハを作製する。このエピタキシャルウエハ上に、パラジウムからなるp側Pd膜を蒸着法にて作製する。この電極膜の膜厚は30nmである。電極膜上に、リフトオフの際の犠牲層となるレジスト層(厚さ約0.4μm)を塗布した後に、続いてリッジ形成用のマスクとなるシリコン酸化膜(厚さ300nm、SiO)を電子ビーム蒸着により形成する。これらの工程により、基板生産物が準備される。シリコン酸化膜上に、リッジストライプを規定するレジストマスク(2μm幅)を形成する。CHFガスをICP−RIE装置に供給して、レジストマスクを用いてシリコン酸化膜をエッチングして、酸化膜マスクを形成する。実施例1と同じ条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてAr/CHFガスを供給して、レジスト層のエッチングを行う。その後、Cl及びBClをICP−RIE装置に供給して、GaN層をエッチングする。GaN層のエッチングにおける基板温度として、摂氏50度、摂氏60度、摂氏80度、摂氏100度、摂氏200度を用いる。
エッチャントClを用いてエッチングされたGaN面におけるピラー状微細突起を観察すると、以下の結果となる。
基板温度 :摂氏50度、摂氏60度、摂氏80度、摂氏100度、摂氏200度。
突起面密度(cm−2):2×1010、1×10、2×10、実質ゼロ、 実質ゼロ。
また、この実験及び他の実験に基づけば、2×10cm−2の突起面密度を得るには、基板温度が摂氏80度以上であることが好ましい。
さらに、共振器長600μmの半導体レーザを作製したとき、レーザ発振歩留まりを求める。摂氏200度では、犠牲層のレジストが損傷をうけるためリフトオフ性が悪化し、歩留まりが大幅に低下する。
基板温度 :歩留まり。
摂氏50度 :5%。
摂氏60度 :10%。
摂氏80度 :70%。
摂氏100度:80%。
摂氏200度:10%。
(実施例4)
Pd膜の替わりにPt膜(100nm)を形成した点を除いて、実施例1と同様に基板生産物を準備する。犠牲層はBCBとする。基板生産物のシリコン酸化膜上に、リッジストライプを規定するレジストマスク(2μm幅)を形成する。次いで、以下の条件でBCB層をエッチングしてBCB犠牲層を形成する。BCB犠牲層を形成した後に、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてArを供給して、Pt膜をエッチングする。続けて、Cl2及びBCl3をICP−RIE装置に供給して、GaNエピタキシャル層をエッチングする。
条件(a)。
Si酸化膜をCFガスでエッチングした後、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてCF4ガスを供給して、BCB層のエッチングを行う。エッチング時間は平均BCB厚みの1.1倍の厚みのBCBのエッチングが終わる時間までとする。その後、Pt膜をArでエッチングすると共にGaN層のリッジの深さまでエッチングする。Clガスを用いてICP−RIE法でGaN層をエッチングする。エッチングされたGaN面にピラー状の突起は実質的にゼロと言える程度にまで少なく、観察した領域範囲では、非常に良好な表面では、ピラー状の突起は見られない。
条件(b)。
Si酸化膜をCFガスでエッチングした後、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてOを供給して、レジスト層のエッチングを行う。エッチング時間は平均BCB厚みの1.1倍の厚みのBCBのエッチングが終わる時間までとする。この条件で、ICP−RIE装置にエッチングガスとしてその後、Pt膜をArでエッチングすると共にGaN層のリッジの深さまでエッチングする。Cl2ガスを用いてICP−RIE法でGaN層をエッチングする。エッチングされたGaN面にピラー状の突起は1×1010cm−2と、BCB犠牲層をCFでエッチングした場合に比べて非常に多い。
特許文献1では、犠牲層としてたとえばAl金属層を使用している。Al層を使用するとき、アルミニウムは、GaNをエッチングするClガスといったハロゲン系ガスと容易に反応するので、素子歩留まりの低下の可能性がある。GaNのエッチング後に、基板生産物を反応性イオンエッチングのチャンバから取り出したとき、リッジ部周辺に残留するClガスとアルミニウムとが反応してこの反応生成物がリッジ周辺に残る。これは、リフトオフ性を悪化させ、或いは保護層のための絶縁膜の密着性やカバリッジを悪化させることになる。これらは、歩留まり低下要因となる。
特許文献1では、幅1〜2μm程度のAl犠牲層にサイドエッチングをウエットエッチングで行う。しかしながら、サイドエッチング量を再現性よく制御することは困難であり、たとえばサイドエッチングの不足はリフトオフ不良を発生させる。また、過剰なサイドエッチングは、サイドエッチング形成工程でその上層のシリコン酸化物マスクのはがれを引き起こす。この場合も、リフトオフ不良を発生される。
これに対して、レジスト層を犠牲層として用いるとき、発明者らの知見によれば、犠牲層のレジスト側面に付着したシリコン酸化物等の絶縁膜は容易に除去できる。このため、サイドエッチングを意図的に導入しなくても、リフトオフが可能である。この場合、シリコン酸化膜の蒸着後に、レジスト用の剥離液やアセトンといった有機溶剤に、レジスト犠牲膜を(例えば1時間)浸漬することにより、リフトオフが可能である。
犠牲層のレジストの厚みは0.2μm以上であることがよい。また、レジストの厚みは1μm以下であることが好ましい。厚すぎるレジスト層は、長いレジストエッチング時間を必要とし、生産性に影響を低下させる。これに加え、長時間エッチングは、レジストエッチング中にエッチングされたレジストからの加工変質層がレジスト犠牲層の側面に形成される。この変質層はリフトオフを悪化させる。薄すぎるレジストは、犠牲層の側面に付着したシリコン酸化物の除去が容易ではなくなる。この場合も、リフトオフの悪化につながる。
リフトオフ用犠牲Al層の直下にSi層が設けられて、リフトオフの際にこのSi層も同時に除去する作製方法では、リフトオフの結果としてリッジ部上面にGaNコンタクト層を露出させた後に、p側電極のための金属層を蒸着する。この場合、コンタクト層表面に酸化物層が形成され、或いは不純物層が形成される。特に、c軸をm面方向に傾斜させた半極性の面方位を窒化ガリウム系半導体面は、その不安定性から高いコンタクト抵抗を示すことがある。それに対して、本実施の形態では、エピタキシャルウエハの作製完了直後に、まず王水、塩酸、フッ酸、燐酸などで表面を酸洗浄した後に、直ちに金属層(例えばPd、Au、Pt)を形成することができる。この金属層でエピタキシャルウエハの表面を被覆した後に、犠牲層、絶縁膜マスク層を形成するので、良好なコンタクト層を有する半導体レーザといった半導体発光素子を作製できる。
また、エピタキシャルウエハの窒化ガリウム系半導体の最表面の法線軸がc軸を基準にして75度の角度で傾斜する面方位、或いはこの傾斜角から−30度以上+5度の範囲における面方位では、これまで用いられてきた極性c面を有する半導体面と比較して、ピラー状の突起がエッチングにおいて容易に形成される。この理由は、リフトオフ用マスク及び金属層の微量な残渣、並びに表面酸化層といったマイクロマスクが、ピラー状突起に関連づけられる。本実施の形態によれば、リフトオフ用マスク及び金属層の微量な残渣並びに表面酸化層からのマイクロマスクに起因するピラー状突起を低減できる。
上記の実施の形態に加えて、以下の手順を適用できる。図2の(b)部に示されるように、リフトオフのためのマスクのための金属膜(ここではAu層)31、犠牲膜(ここでは樹脂膜)33、及び誘電体膜35を窒化物半導体領域39の半極性主面39a上に順に成長する。次に、図3の(a)部に示されるように、リッジのためのパターンを有するマスク37を誘電体膜35上に形成する。図3の(b)部に示されるように、マスク37を用いて誘電体膜35のエッチングを行って誘電体マスク35aを形成する。図4の(a)部及び(b)部に示されるように、誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33、金属膜31、及び窒化物半導体領域39を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層33a、電極31a及びエッチングされた窒化物半導体領域41を形成する。これらの工程により、半導体リッジ41aを含む窒化物半導体領域41を形成できる。犠牲膜33の反応性イオンエッチングにおけるエッチャントとして酸素を用いる。
金属層31に金(Au)を含むとき、金は、犠牲膜33の樹脂をエッチング可能なハロゲン系ガス(例えばCHF、Cl等)によりエッチングされる。犠牲膜33のオーバーエッチングの際に金属層31の金表面がハロゲン系ガスにさらされるとき、発明者らの知見によれば、金層の表面モフォロジが低下する場合がある。この表面モフォロジは、窒化物半導体領域39のエッチングにおいて下地に転写されることがあり、これがピラー状突起の生成の基点となることがある。
この作製方法によれば、樹脂犠牲膜33の形成には、塗布(例えば、スピンコートでの塗布)を用いるので、犠牲膜33の膜厚分布は生じる。これ故に、犠牲膜33のオーバーエッチングを行わない場合、犠牲膜33の膜厚の不均一性がそのまま金属膜31や窒化物半導体領域39のエッチングに引き継がれる。これは、リッジ深さの面内分布を引き起こす。しかしながら、犠牲膜33の反応性イオンエッチングにおけるエッチャントが酸素を含むので、金を侵すハロゲン系ガスを用いることなく、犠牲膜のオーバーエッチングを行うことができる。
また、上記の実施の形態に加えて、以下の手順を適用できる。図2の(b)部に示されるように、リフトオフのためのマスクのための金属膜(ここではPd層)31、犠牲膜(ここでは樹脂膜)33、及び誘電体膜35を窒化物半導体領域39の半極性主面39a上に順に成長する。次に、図3の(a)部に示されるように、リッジのためのパターンを有するマスク37を誘電体膜35上に形成する。図3の(b)部に示されるように、マスク37を用いて誘電体膜35のエッチングを行って誘電体マスク35aを形成する。図4の(a)部及び(b)部に示されるように、誘電体マスク35aを用いて犠牲膜33、金属膜31、及び窒化物半導体領域39を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層33a、電極31a及びエッチングされた窒化物半導体領域41を形成する。これらの工程により、半導体リッジ41aを含む窒化物半導体領域41を形成できる。犠牲膜33の反応性イオンエッチングにおけるエッチャントとして、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含むガスを用いることができる。
金属層31のパラジウム(Pd)は、犠牲膜33の樹脂をエッチング可能な酸素(酸素プラズマ)と反応する。犠牲膜33のオーバーエッチングの際にパラジウム層の表面が酸素プラズマにさらされるとき、発明者らの知見によれば、パラジウム層の表面に変質層が形成されることがある。窒化物半導体領域39のエッチングにおいて、変質層がピラー状突起の生成の基点となることがある。
上記作製方法によれば、樹脂の犠牲膜33の形成には、塗布(例えば、スピンコートでの塗布)を用いるので、犠牲膜33の膜厚分布が生成される。犠牲膜33のオーバーエッチングを行わない場合、犠牲膜33の膜厚の不均一性がそのまま金属層31や窒化物半導体領域41のエッチングに引き継がれる。これは、リッジ深さの面内分布を引き起こす。しかしながら、犠牲膜33の反応性イオンエッチングにおけるエッチャントが酸素を含むので、金を侵すハロゲン系ガスを用いることなく、犠牲膜のオーバーエッチングを行うことができる。
図8は、本実施の形態に係る窒化物半導体発光素子の構造を模式的に示す図面である。窒化物半導体発光素子61は、III族窒化物からなる半極性主面63aを有する基板63と、半極性主面63a上に設けられIII族窒化物半導体からなる半導体積層65と、半導体積層65上に設けられた電極67と、半導体積層65の表面65aを覆う保護層69と、電極67と、保護膜69上に設けられたパッド電極71と、基板裏面63b上の裏面電極73を備える。基板63は例えばIII族窒化物半導体基板のを含む。
半導体積層65は、第1、第2及び第3部分65a、65b、65c並びにリッジ部65dを含む。第1、第2及び第3部分65a、65b、65cは、半極性主面63aに沿って配列され、第2部分65bは第1部分65aと第3部分65cとの間に設けられる。リッジ部65dは第2部分65b上に位置する。第1及び第3部分65a、65cの表面は複数のピラー形状突起を有する。ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下である。保護層69は、リッジ部65dの上面65eに開口69aを有する。電極67は保護層69の開口69aを介してリッジ部65dの上面65eに接合を成す。
リッジ部65dはIII族窒化物半導体エピタキシャル層として、以下のものを含む:p型窒化ガリウム系半導体コンタクト層73(例えばGaN)、p型窒化ガリウム系半導体クラッド層75(例えばAlGaN)、及びp型窒化ガリウム系半導体光ガイド層77(例えばInGaN)。リッジ部65dの側面は、窒化ガリウム系半導体コンタクト層73の側面、窒化ガリウム系半導体クラッド層75の側面、窒化ガリウム系半導体光ガイド層77の側面から構成される。窒化物半導体領域(図4の(b)部における参照符号41)の表面41bは、窒化ガリウム系半導体光ガイド層77の側面及び上面から構成される。
半導体積層65は、リッジ部65dのIII族窒化物半導体エピタキシャル層73、75、77に加えて、以下のIII族窒化物半導体エピタキシャル層を含む:p型窒化ガリウム系半導体電子ブロック層79(例えばAlGaN)、窒化ガリウム系半導体光ガイド層81(例えばInGaN)、窒化ガリウム系半導体活性層83(例えばInGaN、GaN)、n型窒化ガリウム系半導体光ガイド層85(例えばInGaN)、n型窒化ガリウム系半導体クラッド層87(例えばAlGaN)、及びn型窒化ガリウム系半導体バッファ層89(例えばGaN)。これらのIII族窒化物半導体エピタキシャル層のc軸とリッジ上面65e(又は基板63の半極性主面63a)の法線軸との成す角度は、45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にある。
この窒化物半導体発光素子61によれば、基板63の半極性主面63a上のIII族窒化物半導体をエッチングしてリッジ部65dを形成するとき、その形成に係るエッチングにより、半導体積層65の第1及び第3部分65a、65cの表面にはピラー状の微小突起が形成される。発明者らの知見によれば、微小突起の生成は、リッジ部65dの形成のためにエッチングされるIII族窒化物半導体表面の面方位に依存しており、また、半極性面においては、微小突起の生成がc面に比べて生成されやすい。発明者らの観察によれば、エッチングされるIII族窒化物半導体73、75、77のc軸とリッジ部65dの上面65e(又は基板63の半極性主面63a)の法線軸との成す角度が45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあるとき、微小突起の生成がc面に比べて顕著になる。発明者らの実験によれば、微小突起がリッジ部65dの近傍に形成されるとき、窒化物半導体発光素子61にリーク電流を増加させる。該ピラー形状突起の面密度がゼロより大きく2×10cm−2以下であるとき、窒化物半導体発光素子61のリーク電流を0.5μAに低減できる。
窒化物半導体発光素子61では、III族構成元素としてインジウムを含む窒化ガリウム径半導体層がリッジ部の表面に現れるとき、エッチング雰囲気においてインジウムの蒸気圧が他の構成元素(Ga)に比べて低いので、インジウムは、窒化ガリウム径半導体層のエッチングにおいてピラー状の微小突起の形成の基点になりやすい。しかしながら、GaN系半導体に先立つ樹脂や金属のエッチングに起因するマイクロマスクの生成が低減されているので、インジウムの低蒸気圧に起因するピラー状微小突起生成を低減できる。
電極67はリッジ部65dの上面65eの全体を覆い、保護層69はリッジ部65dの側面65fを覆ってリッジ部65dの上面65eのエッジを覆うように設けられる。電極67は、リッジ部65dの上面65e全体を覆って自己整合的に形成される。保護層69がリッジ部65dの上面65eのエッジを覆うように設けられるので、保護層69がリッジ部65dの上面65eと電極67との界面J0が側面65fに現れる部位65gを覆って、該部分65gを保護できる。
複数のピット形状突起91(図4の(b)部の43)のうちの全部又は一部は、保護層69を突き抜けていることができる。発明者らの観察によれば、ピット形状突起のうちのいくつかのピット形状突起は、保護層69を突き抜けて、該ピット形状突起の先端が保護層69に覆われていない。突き抜けたピット形状突起のいくつかはパッド電極71に接触を成す。この接触により、リッジ部65dを経由しない電流経路が形成される。
本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、半極性面上に作製され半導体発光素子においてリーク電流の増加を縮小可能な窒化物半導体発光素子が提供される。また、本実施の形態によれば、リーク電流の増加を縮小可能な、窒化物半導体発光素子を作製する方法が提供される。
11…基板、11a…基板の主面、10a…成長炉、13…エピタキシャル積層、13a…エピタキシャル積層の半極性主面、Cx…c軸、CV…c軸ベクトル、CR…結晶座標系、NV…法線ベクトル、Nx…法線軸、15…n型窒化ガリウム系半導体層、17…n型窒化ガリウム系半導体クラッド層、19…n側窒化ガリウム系半導体光ガイド層、21…活性層、21a…井戸層、21b…障壁層、23…p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層、25…窒化ガリウム系半導体電子ブロック層、26…p側窒化ガリウム系半導体光ガイド層、27…p型窒化ガリウム系半導体クラッド層、29…p型窒化ガリウム系半導体コンタクト層、E…エピタキシャル基板、31…金属膜、31a…電極、33…犠牲膜、33a…リフトオフ層、35…誘電体膜、35a…誘電体マスク、37…マスク、39…窒化物半導体領域、41…エッチングされた窒化物半導体領域、43…微小突起、41a…半導体リッジ、45…絶縁膜、45a…絶縁膜の第1部分、45b…絶縁膜の第2部分、47…保護層、51…電極。

Claims (23)

  1. 窒化物半導体発光素子であって、
    III族窒化物からなる半極性主面を有する基板と、
    前記半極性主面の上に設けられIII族窒化物半導体からなる半導体積層と、
    前記半導体積層の上に設けられた電極と、
    前記半導体積層の表面を覆う保護層と、
    前記電極及び前記保護層の上に設けられたパッド電極と、
    を備え、
    前記半導体積層は活性層を含み、
    前記半導体積層は、第1、第2及び第3部分並びにリッジ部を含み、
    前記半導体積層において、前記第2部分は前記第1部分と前記第3部分とに挟まれ、
    前記半導体積層において、前記リッジ部は前記第2部分の上に位置し、
    前記第1及び第3部分の表面は、複数のピラー形状突起を有し、
    前記ピラー形状突起の面密度は2×10cm−2以下であり、
    前記保護層は、前記リッジ部の上面に開口を有し、
    前記電極は、前記保護層の前記開口を介して前記リッジ部の前記上面に接合を成し、
    前記リッジ部は六方晶系のIII族窒化物半導体層を含み、
    前記III族窒化物半導体層のc軸と前記リッジ部の前記上面の法線軸との成す角度は、45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にある、窒化物半導体発光素子。
  2. 前記電極は前記III族窒化物半導体層の表面に接触を成し、
    前記リッジ部は、前記活性層と前記III族窒化物半導体層との間に設けられた別のIII族窒化物半導体層を含み、
    前記III族窒化物半導体層の材料は前記別のIII族窒化物半導体層の材料と異なり、
    前記別のIII族窒化物半導体層は、III族構成元素としてインジウムを含む、請求項1に記載された窒化物半導体発光素子。
  3. 前記電極は、パラジウム層及び金層の少なくともいずれかを含む、請求項1又は請求項2に記載された窒化物半導体発光素子。
  4. 前記電極は前記リッジ部の前記上面の全体を覆い、
    前記保護層は前記リッジ部の側面を覆って前記リッジ部の前記上面のエッジを覆うように設けられる、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子。
  5. 前記複数のピット形状突起のうちのいくつかのピット形状突起は、前記保護層を突き抜けており、前記パッド電極に接触する、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子。
  6. 窒化物半導体発光素子を作製する方法であって、
    窒化物半導体領域の半極性主面の酸洗浄を行うと共に、該酸洗浄された主面の上に金属膜を蒸着する工程と、
    リフトオフのための犠牲膜を前記金属膜の上に形成する工程と、
    誘電体膜を前記金属膜の上に成長する工程と、
    リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜の上に形成する工程と、
    前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、
    前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜から前記金属膜を介して前記窒化物半導体領域までのエッチングを行って、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程と、
    を備え、
    前記窒化物半導体領域は活性層を含み、
    前記誘電体膜を成長する前記工程において、前記犠牲膜は前記誘電体膜と前記金属膜との間に設けられ、
    前記犠牲膜は絶縁性を示し、
    前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含み、
    前記窒化物半導体領域のエッチングにおける基板温度は摂氏80度以上であり、
    前記基板温度は摂氏200度以下である、窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  7. 前記犠牲膜は樹脂からなる、請求項6に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  8. 前記犠牲膜は、レジスト、ポリイミド、及びベンゾシクロブテンの少なくともいずれかを含む、請求項6又は請求項7に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  9. 前記エッチングされた窒化物半導体領域の前記半導体リッジを形成した後に、前記エッチングされた窒化物半導体領域及び前記誘電体マスクの上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記リフトオフ層を用いて前記絶縁膜のリフトオフを行って、前記エッチングされた窒化物半導体領域の上に保護層を形成する工程と、
    を更に備え、
    前記保護層は、前記半導体リッジの上の前記電極の上に開口を有する、請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  10. 前記誘電体膜は、電子ビーム蒸着法で成長されたシリコン系無機絶縁層を含む、請求項6〜請求項9のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  11. 前記活性層の発光スペクトルのピーク波長は500nm以上540nm以下の波長範囲内にある、請求項6〜請求項10のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  12. 前記電極は金層及びパラジウム層の少なくともいずれかを含む、請求項6〜請求項11のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  13. 前記金属膜は、蒸着により成長されたパラジウム層を含み、
    前記犠牲膜はレジストからなり、
    前記犠牲膜のエッチングにおけるエッチャントはフッ素系ガスを含む、請求項6〜請求項12のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  14. 前記犠牲膜のエッチングにおけるエッチャントは、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含む、請求項6〜請求項13のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  15. 前記金属膜は、蒸着により成長された金層を含み、
    前記犠牲膜はレジストからなり、
    前記犠牲膜のエッチングにおけるエッチャントは酸素を含む、請求項6〜請求項12のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  16. 前記エッチングは、インダクティブ・カップリング・プラズマ・反応性イオンエッチング法で行われる、請求項6〜請求項15のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  17. 前記窒化物半導体領域は、III族窒化物半導体層及び別のIII族窒化物半導体層を含み、
    前記III族窒化物半導体層は、前記別のIII族窒化物半導体層の上に設けられ前記電極と接触を成し、
    前記エッチングでは、前記III族窒化物半導体層及び前記別のIII族窒化物半導体層がエッチングされ、
    前記III族窒化物半導体層の材料は前記別のIII族窒化物半導体層の材料と異なり、
    前記別のIII族窒化物半導体層は、III族構成元素としてインジウムを含む、請求項6〜請求項16のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  18. III族窒化物半導体基板の主面の上に前記窒化物半導体領域を成長する工程を更に備え、
    前記III族窒化物半導体基板のc軸と前記主面の法線軸との成す角度は45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にあり、
    前記III族窒化物半導体基板のc軸と前記窒化物半導体領域の前記半極性主面の法線軸との成す角度は45度以上80度以下又は100度以上135度以下の角度範囲にある、請求項6〜請求項17のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  19. 前記エッチングされた窒化物半導体領域の表面におけるピラー形状突起の面密度は、2×10cm−2以下である、請求項6〜請求項18のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  20. 前記基板温度は摂氏100度以上である、請求項6〜請求項18のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  21. 前記絶縁膜は、電子ビーム蒸着法で成長されたシリコン系無機絶縁膜を含む、請求項6〜請求項20のいずれか一項に記載された窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  22. 窒化物半導体発光素子を作製する方法であって、
    窒化物半導体領域の半極性主面の上に、金属膜、犠牲膜、及び誘電体膜を順に成長する工程と、
    リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜の上に形成する工程と、
    前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、
    前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜、前記金属膜、及び前記窒化物半導体領域を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程と、
    を備え、
    前記金属膜は金層を含み、
    前記犠牲膜は樹脂からなり、
    前記犠牲膜の異方性エッチングにおけるエッチャントは酸素を含み、
    前記窒化物半導体領域は活性層を含み、
    前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含む、窒化物半導体発光素子を作製する方法。
  23. 窒化物半導体発光素子を作製する方法であって、
    窒化物半導体領域の半極性主面の上に、金属膜、犠牲膜、及び誘電体膜を順に成長する工程と、
    リッジのためのパターンを有するマスクを前記誘電体膜の上に形成する工程と、
    前記マスクを用いて前記誘電体膜のエッチングを行って、誘電体マスクを形成する工程と、
    前記誘電体マスクを用いて前記犠牲膜、前記金属膜、及び前記窒化物半導体領域を異方的エッチング法によりエッチングして、リフトオフ層、電極及びエッチングされた窒化物半導体領域を形成する工程と、
    を備え、
    前記金属膜はパラジウム層を含み、
    前記犠牲膜は樹脂からなり、
    前記犠牲膜の異方性エッチングにおけるエッチャントは、CF、CHF、CHF/Arの少なくともいずれかを含み、
    前記窒化物半導体領域は活性層を含み、
    前記エッチングされた窒化物半導体領域は半導体リッジを含む、窒化物半導体発光素子を作製する方法。
JP2011177725A 2011-08-15 2011-08-15 窒化物半導体発光素子を作製する方法 Active JP5786548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011177725A JP5786548B2 (ja) 2011-08-15 2011-08-15 窒化物半導体発光素子を作製する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011177725A JP5786548B2 (ja) 2011-08-15 2011-08-15 窒化物半導体発光素子を作製する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013041978A true JP2013041978A (ja) 2013-02-28
JP5786548B2 JP5786548B2 (ja) 2015-09-30

Family

ID=47890110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011177725A Active JP5786548B2 (ja) 2011-08-15 2011-08-15 窒化物半導体発光素子を作製する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5786548B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013093382A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 窒化物半導体発光素子
WO2016193909A1 (en) * 2015-06-04 2016-12-08 The Silanna Group Pty Limited Efficient dual metal contact formation for a semiconductor device
WO2020096859A1 (en) * 2018-11-06 2020-05-14 The Regents Of The University Of California Micro-leds with ultra-low leakage current

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6395648A (ja) * 1986-10-13 1988-04-26 Fuji Xerox Co Ltd 半導体装置の製造方法
JPS63170925A (ja) * 1986-08-27 1988-07-14 Hitachi Ltd 基板上に配線を形成する方法およびリフトオフ膜
JP2003257939A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd ドライエッチング方法及びドライエッチング装置
JP2003282543A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体のドライエッチング方法
JP2004289031A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体の形成方法および窒化物系半導体素子
JP2004289149A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Osram Opto Semiconductors Gmbh 層または層シーケンスにおいて電気的にポンピングされる少なくとも1つの領域または少なくとも1つのメサ構造またはリッジ構造を形成する方法
JP2004335763A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Sharp Corp 窒化ガリウム系半導体レーザ及びその製造方法
WO2006134717A1 (ja) * 2005-06-16 2006-12-21 Sharp Kabushiki Kaisha 窒化物半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2010199237A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体素子の製造方法
JP2010205829A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Mitsubishi Electric Corp 半導体発光素子及びその製造方法
JP2011138891A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Nichia Corp 窒化物半導体素子

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63170925A (ja) * 1986-08-27 1988-07-14 Hitachi Ltd 基板上に配線を形成する方法およびリフトオフ膜
JPS6395648A (ja) * 1986-10-13 1988-04-26 Fuji Xerox Co Ltd 半導体装置の製造方法
JP2003257939A (ja) * 2002-02-28 2003-09-12 Matsushita Electric Ind Co Ltd ドライエッチング方法及びドライエッチング装置
JP2003282543A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 窒化ガリウム系化合物半導体のドライエッチング方法
JP2004289149A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Osram Opto Semiconductors Gmbh 層または層シーケンスにおいて電気的にポンピングされる少なくとも1つの領域または少なくとも1つのメサ構造またはリッジ構造を形成する方法
JP2004289031A (ja) * 2003-03-25 2004-10-14 Sanyo Electric Co Ltd 窒化物系半導体の形成方法および窒化物系半導体素子
JP2004335763A (ja) * 2003-05-08 2004-11-25 Sharp Corp 窒化ガリウム系半導体レーザ及びその製造方法
WO2006134717A1 (ja) * 2005-06-16 2006-12-21 Sharp Kabushiki Kaisha 窒化物半導体レーザ装置およびその製造方法
JP2010199237A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体素子の製造方法
JP2010205829A (ja) * 2009-03-02 2010-09-16 Mitsubishi Electric Corp 半導体発光素子及びその製造方法
JP2011138891A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Nichia Corp 窒化物半導体素子

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013093382A (ja) * 2011-10-24 2013-05-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 窒化物半導体発光素子
US8731016B2 (en) 2011-10-24 2014-05-20 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Nitride semiconductor light emitting device
WO2016193909A1 (en) * 2015-06-04 2016-12-08 The Silanna Group Pty Limited Efficient dual metal contact formation for a semiconductor device
US9590157B2 (en) 2015-06-04 2017-03-07 The Silanna Group Pty Ltd Efficient dual metal contact formation for a semiconductor device
WO2020096859A1 (en) * 2018-11-06 2020-05-14 The Regents Of The University Of California Micro-leds with ultra-low leakage current

Also Published As

Publication number Publication date
JP5786548B2 (ja) 2015-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4880456B2 (ja) 窒素化合物系半導体装置およびその製造方法
JP5301418B2 (ja) 半導体発光装置および半導体発光装置の製造方法
JP2008263214A (ja) 半導体発光素子およびその製造方法
JP2009126727A (ja) GaN基板の製造方法、GaN基板及び半導体デバイス
JPWO2006041134A1 (ja) 窒化化合物半導体素子およびその製造方法
JP5786548B2 (ja) 窒化物半導体発光素子を作製する方法
US8368111B2 (en) Semiconductor light emitting device and method for manufacturing thereof
WO2012098964A1 (ja) 発光素子と発光素子および半導体素子の製造方法
JP2008034587A (ja) 半導体レーザの製造方法、半導体素子の製造方法および素子の製造方法
JP4314188B2 (ja) 窒化物系化合物半導体素子の製造方法
CN101527427A (zh) 半导体光元件的制造方法
JP2009004524A (ja) 窒化物系半導体レーザ素子及び窒化物系半導体レーザ素子の作製方法
JP4889930B2 (ja) 窒化物半導体レーザ素子の製造方法
TWI509828B (zh) 製造氮化物半導體裝置的方法
JP5032511B2 (ja) 半導体発光装置の製造方法と、それを用いて製造した半導体発光装置
JP4627850B2 (ja) Iii族窒化物半導体の電極形成方法
JP2014049637A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子を作製する方法
JP5403023B2 (ja) 窒化物半導体発光素子を作製する方法
JP5403024B2 (ja) 窒化物半導体発光素子を作製する方法
JP2010147117A (ja) 窒化物半導体装置の製造方法
JP2013062315A (ja) Iii族窒化物半導体レーザ、レーザ装置、及びiii族窒化物半導体レーザを製造する方法
KR20110093635A (ko) 반도체기판, 그 제조방법, 반도체 디바이스 및 그 제조방법
JP2010205829A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JP5841340B2 (ja) 窒化物半導体レーザ装置の製造方法
US8564134B2 (en) Semiconductor substrate, semiconductor device, and manufacturing methods thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140424

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150331

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5786548

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250