JP2013038828A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチングトランジスタの異常を精度よく検知することのできる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置が備えるスイッチング回路SWには、並列に接続された2個のトランジスタTra、Trbと、各トランジスタの温度を計測する温度センサQa、Qbが備えられている。電力変換装置のコントローラは、温度センサが計測した2個のトランジスタの温度差が予め定められた温度差閾値を超えている場合に、そのスイッチング回路SWに含まれるトランジスタに異常が発生していることを示す診断結果を出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電圧の大きさを変換する装置、直流を交流に変換する装置(インバータ)、交流を直流に変換する装置に関する。本明細書では、それらの装置を電力変換装置と総称する。
電力変換装置には多くのスイッチングトランジスタ(パワートランジスタとも呼ばれる)が使われている。それらのトランジスタには通常、還流ダイオードが並列に接続されている。従って、トランジスタがONしない異常(オープン故障)が発生しても、還流ダイオードを通じて電流が流れる。その結果、電力変換装置の出力からは、そのような異常を検知できない場合がある。そこで、トランジスタの異常を検知する技術が望まれている。以下、本明細書では、特に断らない限り、「トランジスタ」とは「スイッチングトランジスタ」を意味する。
特許文献1にトランジスタの異常を検知する技術が開示されている。その技術では、各トランジスタの温度を計測する温度センサを設け、複数のトランジスタの温度を比較し、温度の低いトランジスタがあればそのトランジスタが異常であると判断する。あるいは、各トランジスタの温度を雰囲気温度又は冷却水温度と比較し、温度の低いトランジスタがあればそのトランジスタが異常であると判断する。その技術は、機能していないトランジスタは他の機能しているトランジスタよりも温度が低くなっているはずである、という知見に基づいている。
特開2011−10480号公報
特許文献1の技術を採用することによって、多くの場合はトランジスタの異常を検知できる。しかしながら、複数のトランジスタの間でもともと温度がばらつく状況においては特許文献1の技術は適切に機能しない。例えば、もともと異なる目的の複数のトランジスタは温度が異なって当然である。また、本来は似たような動きをするインバータ各アームのトランジスタであっても、モータがロックしたときには1つのアームに電流が集中するため他のアームのトランジスタとは温度が異なることになる。また、トランジスタ温度を雰囲気温度や冷却水温度と比較する場合、それらの温度はトランジスタの温度とはもともと異なるため、温度比較による異常検知精度は高くはない。
本明細書が開示する技術は、上記の課題を解決する。本明細書は、電力変換装置においてスイッチングトランジスタの異常を従来よりも精度よく検知することのできる技術を提供する。
本明細書が開示する技術では、従来は一つのトランジスタが配置されていた箇所に2個のトランジスタを並列に接続する。例えば、インバータの各アームには従来は一つのトランジスタがスイッチング素子として接続されていた。本明細書が開示する電力変換装置は、インバータの少なくとも一つのアーム(トランジスタの異常を検知したい箇所)に、2個のトランジスタを並列に配置する。2個のトランジスタのゲート(ベース)は短絡しておく。即ち、2個の並列のトランジスタで一つのスイッチング回路を構成させる。電力変換装置のコントローラは、それぞれのトランジスタの温度を計測し、温度差をとる。コントローラは、温度差が所定の温度差閾値を超えている場合に、そのスイッチング回路で異常が発生していることを示す診断結果を出力する。好ましくはコントローラは、温度の低い方のトランジスタが異常であることを示す診断結果を出力する。上記の電力変換装置は、トランジスタの異常を確実に検知することができる。なお、「診断結果を出力する」とは、具体的には、診断結果を示す信号を外部へ出力すること、あるいは、診断結果を示すデータを記憶装置に記憶することである。
並列に接続されたトランジスタの温度に差がない場合には、それらのトランジスタは正常である蓋然性が高い。この知見を利用し、本明細書が開示する技術は次の構成を備えることも好適である。即ち、コントローラは、モータを一定回転で駆動した後、温度センサが計測した2個のトランジスタの温度差をとる。コントローラは、温度差が予め定められた第1温度差閾値よりも小さく、かつ、一定回転後の温度とモータ一定回転前の温度との温度差が予め定められた第2温度差閾値よりも小さい場合に、温度計測したトランジスタ以外で異常が発生していることを示す診断結果を出力する。並列に接続された2個のトランジスタの温度差が小さいということはトランジスタが正常に動作していることを示す。にもかかわらず、一定回転後のトランジスタの温度が上昇しないということは、並列に接続されたトランジスタのいずれにも電流が流れていないことを示す。そのような状況は、温度計測したトランジスタ以外で異常が発生している可能性が極めて高い。本明細書が開示する電力変換装置の一態様は、トランジスタ以外で異常が発生したことも検知することができる。
ここまで、インバータのアームに挿入されたトランジスタの異常を検知することを例に本発明を説明した。本明細書が開示する技術は、インバータのアームに挿入されたトランジスタに限定されるものではない。例えば、電圧を変換するコンバータに含まれるスイッチングトランジスタに適用することも好適である。なお、「インバータのアーム」とは、インバータと負荷(モータ)との間の電力経路を意味する。さらに、「上アーム」とは、インバータから負荷へ電力を供給する経路を意味し、「下アーム」とは、電流が負荷から戻る経路を意味する。「上アーム」、「下アーム」という場合には、特に、電力経路をON/OFFするスイッチング回路を指すこともある。本明細書が開示する技術のさらなる詳細は、以下の「実施の形態」において説明する。
実施例の電力変換装置の回路図である。 スイッチング回路の回路図である。 異常診断処理のフローチャートである。 他の例の異常診断処理のフローチャートである。
図1に、実施例に係る電力変換装置20の回路図を示す。この電力変換装置20は、ハイブリッド車両に搭載される装置であり、バッテリBTの直流電力をモータMGへ供給する交流電力に変換する装置である。バッテリBTの出力は例えば直流200Vであり、電力変換装置20の出力(即ちモータMGへの供給電力)は、例えば交流600Vである。電力変換装置20は、インバータを含み、交流出力の周波数を変えることによって、モータMGの回転数を制御することができる。
電力変換装置20の概要を説明する。電力変換装置20は、主なモジュール(部品)として、システムメインリレーSMR1、SMR2、電圧コンバータ23、インバータ21、平滑化コンデンサC1、C2、及び、モータコントローラ25を備える。システムメインリレーSMR1、SMR2は、バッテリBTと電力変換装置20との電力供給路を遮断/接続する所謂メインスイッチである。システムメインリレーSMR1、SMR2は、モータコントローラ25からの指令SCによりON/OFFする。
電圧コンバータ23は、バッテリBTの200V電圧を600Vに昇圧する所謂DCDCコンバータである。電圧コンバータ23は、リアクトルL1と、2個のスイッチング回路SW7、SW8で構成される。スイッチング回路とは、スイッチングトランジスタ(IGBTなど)と還流ダイオードが並列接続された回路である。スイッチングトランジスタを特にスイッチング素子と呼ぶこともある。
電圧コンバータ23は、モータコントローラ25からのスイッチング指令(PWMA)を受けて動作する。スイッチング指令は、いわゆるパルス幅変調信号(PWM信号)である。スイッチング回路については後に具体的に説明する。
平滑化コンデンサC1はバッテリBTの出力電流を平滑化するために挿入されており、平滑化コンデンサC2は電圧コンバータ23の出力(即ちインバータ21への入力)の電流を平滑化するために挿入されている。
インバータ21は、直流電力を3相(U相、V相、W相)の交流電力に変換して出力する。インバータ21は、6個のスイッチング回路SW1〜SW6を備えている。図1に示す構成から明らかな通り、スイッチング回路SW1は、3相のモータ駆動指令のうちのU相の上アームに挿入されたスイッチング回路に相当し、スイッチング回路SW2は、U相の下アームに挿入されたスイッチング回路に相当する。同様に、スイッチング回路SW3とSW4は夫々、V相の上アームと下アームに挿入されたスイッチング回路に相当する。また、スイッチング回路SW5とSW6は夫々、W相の上アームと下アームに挿入されたスイッチング回路に相当する。スイッチング回路SW1〜SW6は、モータコントローラ25からのスイッチング指令(PWMB)を受けて動作する。インバータ21に対するスイッチング指令もパルス幅変調信号である。
モータコントローラ25は、上位のコントローラであるHVコントローラ10からの指令を受けてモータMGを制御する。HVコントローラ10は、車両の状態(例えば車速、アクセルペダルの踏み込み量、バッテリの充電量など)を収集し、適宜にモータコントローラ25へ指令を出す。図1の符号2は、モータMGの温度を計測する温度センサである。図1の符号4は、メモリである。メモリ4は、不揮発性のメモリであり、車両の状態(本実施例では、電力変換装置20内で発生した異常)を通知するデータが格納される。メモリ4に格納されたデータは、例えば外部のメンテナンスコンピュータによって読み出され、車両の修理/保全に役立てられる。
スイッチング回路SW1〜SW8は、いずれも同じ構成を有している、以下、スイッチング回路SW1〜SW8のいずれか一つをスイッチング回路SWと称することにする。図2にスイッチング回路SWの回路図を示す。スイッチング回路SWは、2個のトランジスタ(第1トランジスタTraと第2トランジスタTrb)が並列に接続された構成を有している。より詳しくは、2個のトランジスタのソースS同士が接続されており、ドレインD同士も接続されており、ゲートG同士も接続されている。また、第1トランジスタTraと第2トランジスタTrbは同じ性能のパワートランジスタであり、典型的にはIGBTである。夫々のトランジスタのソースSとゲートGの間に還流ダイオード(ダイオードDa、Db)が挿入されている。一般には、一つのトランジスタと一つの還流ダイオードが並列に接続された回路でスイッチング回路が構成される。従って別言すれば、図2のスイッチング回路SWは、トランジスタと還流ダイオードからなる組が2組並列に接続されて一つのスイッチング回路を構成している。夫々のトランジスタのゲートGには、同時に、モータコントローラ25から出力されるスイッチング信号(PWMAもしくはPWMB)に対応したゲート信号が入力される。
スイッチング回路SWにはさらに、それぞれのトランジスタTra、Trbの温度を計測する温度センサQa、Qbが備えられている。以後、第1トランジスタTraの温度を符号Ttaで表し、第2トランジスタTrbの温度を符号Ttbで表す。電力変換装置20が正常に動作しているときには、第1トランジスタTraと第2トランジスタTrbは同じように動作し、それらの温度Ttaと温度Ttbはほぼ同じとなる。この事情は、スイッチング回路SW1〜SW8のいずれでも同じである。
図示を省略しているが、電力変換装置20は、いくつかの電圧センサ、電流センサ、及び他の温度センサを備えている。また、モータMGにも温度センサ2が備えられている。モータコントローラ25は、スイッチング回路SWの温度センサQa、Qbを含むいずれかのセンサの計測値が、予め定められた範囲(正常動作を保証する範囲)を外れた場合、異常が発生していると判断する。何らかの異常を検知すると、モータコントローラ25は、いずれかのトランジスタで異常が発生していないかをチェックするため、図3の異常診断処理を実行する。なお、モータコントローラ25は、図3の異常診断処理だけでなく、他の部品をチェックする処理を実行し得るが、ここではトランジスタの異常診断のみを説明する。
モータコントローラ25は、スイッチング回路ごとに図3の処理を繰り返す。例えばまず、スイッチング回路SW1に着目する。モータコントローラ25は、スイッチング回路SW1内の温度センサQa、Qbを使ってその回路内の第1トランジスタTraの温度Ttaと第2トランジスタTrbの温度Ttbを計測する(S2)。次にモータコントローラ25は、2個のトランジスタの温度差dT=|Tta−Ttb|が、予め定められた温度差閾値dThを超えているか否かを判定する(S3)。ここで温度差閾値dThは、例えば10℃に定められている。第1トランジスタTraと第2トランジスタTrbは、並列に接続されており同じ性能を有しているので、両者ともに正常であれば温度はほぼ同じはずである。従って、両者が正常に動作していれば温度差dTは温度差閾値dThよりも小さくなるはずである。温度差dTが温度差閾値dThよりも小さい場合(S3:NO)、モータコントローラ25は、スイッチング回路SW1内の2個のトランジスタは正常であると判断し、プログラム上の変数であるフラグに、正常であることを示す「0」をセットする(S5)。ここで、変数「フラグ」は、チェックするスイッチング回路の数と同数が用意されている。具体的にはスイッチング回路SW1〜SW8に対応して8個のフラグが、診断処理のプログラム内に用意されている。
温度差dTが温度差閾値dThを超えている場合(S3:YES)、モータコントローラ25は、スイッチング回路SW1のトランジスタに異常が発生していると判断する。この場合モータコントローラ25は、温度TtaとTtbを比較し、いずれが大きいかを判定する(S4)。第1トランジスタTraの温度Ttaが第2トランジスタTrbの温度Ttbよりも大きい場合(S4:YES)、モータコントローラ25は、第2トランジスタTrbに異常が発生していることを示す「b」をフラグにセットする(S6)。逆に、第1トランジスタTraの温度Ttaが第2トランジスタTrbの温度Ttbよりも小さい場合(S4:NO)、モータコントローラ25は、第1トランジスタTraに異常が発生していることを示す「a」をフラグにセットする(S7)。これらの処理は、トランジスタの温度が低いということは、そのトランジスタが動作していないことを示すという知見に基づく。
モータコントローラ25は、以上の処理を、診断対象の全てのスイッチング回路に対して実施する(S8:YES)。全てのスイッチング回路に対して上記の処理が終了したら(S8:NO)、モータコントローラ25は、全てのフラグをメモリ4に書き込み(S9)、処理を終了する。
以上説明したように、電力変換装置20は、従来は一つのトランジスタ(スイッチングトランジスタ)でスイッチング回路を構成すればよかったところを2個並列のトランジスタでスイッチング回路を構成する。並列接続されたトランジスタは、両者ともに正常であれば両者の温度に差はほとんど生じない。いずれか一方のトランジスタに異常が発生して機能していない場合、両者に温度差が生じる。上記の電力変換装置20は、その温度差により異常の発生を検知する。メモリ4に記憶されたフラグは、他のデバイス、例えばメンテナンス用のコンピュータによって読み出される。メンテナンス用のコンピュータは、フラグの値により、どのトランジスタで異常が発生しているかを把握することができる。
図4に、異常診断処理の別の例を示す。ハードウエア構成は図1、図2に示した構成と同じでよい。図4の異常診断処理は、モータを一定時間一定回転させる前後の温度差を用いる点に特徴がある。
図4の異常診断処理ではまず、モータコントローラ25は、全てのスイッチング回路(SW1〜SW8)の各トランジスタの温度を計測する(S12)。ここでは、各スイッチング回路において一方のトランジスタ(例えば第1トランジスタ)の温度を計測して記憶しておけばよい。ステップS12にて計測した温度を、初期温度Tt_iniと称する。次にモータコントローラ25は、モータMGを一定回転駆動する指令を出力する(S13)。この指令は、具体的には、電圧コンバータ23へのスイッチングパルス指令PWMAと、インバータ21に対するスイッチングパルス指令PWMBである。
モータコントローラ25は、一定時間(例えば1分)モータの回転を維持する(S14)。その後、モータコントローラ25は、スイッチング回路毎に以下の処理(S22〜S30)を繰り返す。モータコントローラ25は、第1トランジスタTraの温度Ttaと第2トランジスタTrbの温度Ttbを計測する(S22)。次にモータコントローラ25は、2個のトランジスタの温度差dT=|Tta−Ttb|が、予め定められた第1温度差閾値dThを超えているか否かを判定する(S23)。ここで第1温度差閾値dThは、先の実施例の場合と同じく例えば10℃でよい。
温度差dTが第1温度差閾値dThを超えている場合(S23:YES)、モータコントローラ25は、現在着目しているスイッチング回路SWのトランジスタに異常が発生していると判断する。この場合モータコントローラ25は、温度TtaとTtbのいずれが大きいかを判定する(S25)。第1トランジスタTraの温度Ttaが第2トランジスタTrbの温度Ttbよりも大きい場合(S25:YES)、モータコントローラ25は、第2トランジスタTrbに異常が発生していることを示す「b」をフラグにセットする(S28)。逆に、第1トランジスタTraの温度Ttaが第2トランジスタTrbの温度Ttbよりも小さい場合(S25:NO)、モータコントローラ25は、第1トランジスタTraに異常が発生していることを示す「a」をフラグにセットする(S29)。ステップS25、S28、及び、S29の処理は、図3のフローチャートでの処理(S4、S6、及び、S7)と同一である。
温度差dTが第1温度差閾値dThよりも小さい場合(S23:NO)、モータコントローラ25は、一定時間の一定回転後の第1トランジスタTraの温度Ttaと、ステップS12にて計測した初期温度Tt_iniとの温度差(Tta−Tt_ini)が所定の第2温度差閾値dTiniよりも大きいか小さいかをチェックする(S24)。ここで、温度差閾値dTiniは例えば50℃である。第2温度差閾値dTiniは、スイッチング回路SWが正常に動作すると仮定したときのモータ一定回転後の温度上昇幅に相当する。第2温度差閾値dTiniは、モータを一定時間駆動する際の指令電流値(ステップS13でのパルス指令によって定まる電流値)と持続時間(ステップS14での待機時間)によって定められる。
温度差(Tta−Tt_ini)が第2温度差閾値dTiniよりも大きい場合、モータコントローラ25は、スイッチング回路SWが正常に動作していることを示す値「0」をフラグにセットする(S24:YES、S27)。温度差(Tta−Tt_ini)が第2温度差閾値dTiniよりも小さい場合は、スイッチング回路SWが正常に機能していないことを示す。ただし、ステップS23の判断により第1トランジスタTraと第2トランジスタTrbはいずれも正常であることが確認されているので、ステップS24の判断がNOの場合は、スイッチング回路SWに電流が供給されていないことを意味する。従ってその場合には、モータコントローラ25は、現在着目しているスイッチング回路内のトランジスタ以外で異常が発生していることを示す符号「c」をフラグにセットする(S26)。この場合は、例えば冷却系統の異常や、モータMGそのものの異常が考えられる。
モータコントローラ25は、上記ステップS22〜S29までの処理を、スイッチング回路毎に繰り返す(S30:YES)。全てのスイッチング回路に対して上記処理を行った後、モータコントローラ25は、全のフラグをメモリ4に記憶し(S31)、処理を終了する。
図4の異常診断処理においてメモリ4に記憶されたフラグは、他のデバイス、例えばメンテナンス用のコンピュータによって読み出される。メンテナンス用のコンピュータは、フラグの値により、どのトランジスタで異常が発生しているかを把握することができる。
以上説明したように、実施例の電力変換装置20では、本来は一つのトランジスタ(スイッチングトランジスタ)を配置すればよい場所に2個のトランジスタ(スイッチングトランジスタ)を並列に接続し、その両者の温度差に基づいてトランジスタの異常を検知する。さらに図4の異常診断処理では、並列接続された2個のトランジスタの温度差が小さい場合にはその2個のトランジスタは正常であるという蓋然性に基づき、他の箇所で異常が発生していることを検知する。
図4に示した異常診断処理の変形例を説明する。この変形例では、ステップS12において、スイッチング回路内の2個のトランジスタそれぞれの初期温度(Tta_ini、Ttb_ini)を計測する。そして、ステップS23の処理では、それぞれのトランジスタの温度上昇幅(dTa=Tta−Tta_ini、dTb=Ttb−Ttb_ini)を算出し、さらにその温度上昇幅の差分(ddT=|dTa−dTb|)が、所定の温度差閾値dTよりも大きいか否かをチェックする。温度上昇分の差分ddTが温度差閾値dTよりも大きかった場合、温度上昇幅(dTa又はdTb)が小さかったトランジスタで異常が発生していると判断する。温度上昇分の差分ddTが温度差閾値dTよりも小さかった場合、双方の温度上昇幅(dTa及びdTb)が共に所定の上昇幅閾値よりも小さかった場合には、そのスイッチング回路以外で異常が発生していると判断する。この方法は、並列接続されたそれぞれのトランジスタについてモータ一定回転前後の温度上昇幅をチェックするので、より精密な異常診断ができる。
本明細書が開示する技術に関する留意点をいくつか述べる。図3と図4のフローチャート内の処理(ステップS3、S4、S23、S24、S25等)において用いられた不等号「>」は、「≧」であってもよい。それらの処理では2個の値を比較することが重要であり、等号を含むか否かは重要ではない点に留意されたい。
実施例の電力変換装置は、電圧コンバータとインバータを含むものであった。本明細書が開示する技術は、DCDCコンバータやインバータ単体に適用することも可能である。また、実施例の電力変換装置は、ハイブリッド車のモータを駆動するための装置であった。本明細書が開示する技術は、ハイブリッド車用の装置に限られるものではない。また、実施例では、一つのスイッチング回路に2個のトランジスタを並列に接続した。一つのスイッチング回路に3個以上のトランジスタを並列に接続することも好適である。3個のトランジスタの温度を比較し、温度差が所定の温度差閾値よりも小さい2個は正常に動作していることが確認でき、温度差が大きい残りの一つのトランジスタに異常が発生しているものと特定することができる。
異常診断を行うスイッチング回路は、電力変換装置が有する複数のスイッチング回路のうちのいくつかであってもよい。スイッチング回路を構成するトランジスタは、典型的にはIGBTであるが、例えばMOSFETなど、別のタイプのトランジスタであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2:温度センサ
4:メモリ
10:HVコントローラ
20:電力変換装置
21:インバータ
23:電圧コンバータ
25:モータコントローラ
BT:バッテリ
C1:平滑化コンデンサ
C2:平滑化コンデンサ
D:還流ダイオード
L1:リアクトル
MG:モータ
Qa、Qb:温度センサ
SW:スイッチング回路
Tra、Trb:トランジスタ

Claims (5)

  1. トランジスタのスイッチング動作によって電力を変換する電力変換装置であって、
    並列に接続された2個のトランジスタと、
    各トランジスタの温度を計測する温度センサと、
    温度センサが計測した2個のトランジスタの温度差が予め定められた温度差閾値を超えている場合に、異常発生を示す診断結果を出力するコントローラと、
    を備えることを特徴とする電力変換装置。
  2. コントローラは、温度が低かったトランジスタを特定する診断結果を出力することを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記電力変換装置はモータを制御するインバータを含み、インバータの少なくとも一つのアームが、並列に接続されたトランジスタと各トランジスタの温度を計測する温度センサを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. コントローラは、モータを一定回転で駆動した後に温度センサが計測した2個のトランジスタの温度差をとり、温度差が予め定められた温度差閾値を超えている場合に異常発生を示す診断結果を出力することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
  5. コントローラは、モータを一定回転で駆動した後に温度センサが計測した2個のトランジスタの温度差をとり、温度差が予め定められた第1温度差閾値よりも小さく、かつ、一定回転後のトランジスタ温度とモータ一定回転前のトランジスタ温度との温度差が予め定められた第2温度差閾値よりも小さい場合に、温度計測したトランジスタ以外で異常が発生していることを示す診断結果を出力することを特徴とする請求項3又は4に記載の電力変換装置。
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