JP2019169997A - 車載用の多相コンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の電圧変換部を備えた車載用の多相コンバータにおいて、異常が生じている電圧変換器をより正確に検出し得る構成を提供する。【解決手段】車載用の多相コンバータ10において、異常相検出部は、複数の個別温度検出部TH1,TH2,…THnによって得られた複数の検出温度の各々が規定温度範囲内であるか否かをそれぞれ判定し、複数の検出温度のうちの規定温度範囲を外れた個数又は規定温度範囲内の個数に基づいて、多相変換部12における異常な電圧変換部を検出する。【選択図】図1

Description

本発明は、車載用の多相コンバータに関するものである。
スイッチング素子の駆動によって直流電圧を昇圧又は降圧するDCDCコンバータでは、複数の電圧変換部を並列に接続した構成の多相DCDCコンバータが知られている。この種の多相DCDCコンバータの例としては、例えば特許文献1のような技術が存在する。
特開2006−311776号公報
特許文献1の多相DCDCコンバータは、駆動する電圧変換器の数を減らすように駆動相数の切り替えを行う場合に、素子温度が高い電圧変換器を停止し、素子温度が低い電圧変換器を優先的に使用する方式を採用しているが、この方式では、異常相が優先的に採用される虞がある。例えば、スイッチング素子のオープン故障などによって、いずれかの電圧変換器に電流が流れなくなるような異常が生じた場合、異常が生じている電圧変換器は非通電状態が継続し、その分、他の電圧変換器の負担が増加するため、異常が生じている電圧変換器は他の電圧変換器よりも温度が大幅に低くなる。特許文献1の多相DCDCコンバータでは、このような事態が生じると異常が生じている電圧変換器が優先的に使用されてしまう。
本発明は上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、複数の電圧変換部を備えた車載用の多相コンバータにおいて、異常が生じている電圧変換器をより正確に検出し得る構成を提供することを目的とする。
本発明の一つである車載用の多相コンバータは、
駆動用のスイッチング素子を備えるとともに前記駆動用のスイッチング素子のオンオフ動作によって電圧変換を行う電圧変換部が、第1導電路と第2導電路との間に複数設けられた多相変換部と、
各々の前記電圧変換部に設けられた各々の前記駆動用のスイッチング素子に対してオン信号とオフ信号とを交互に切り替える制御信号を出力する制御部と、
前記多相変換部を構成する複数の前記電圧変換部のそれぞれの温度を検出する複数の個別温度検出部と、
複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の検出温度の各々が予め定められた規定温度範囲内であるか否かをそれぞれ判定し、複数の前記検出温度のうちの前記規定温度範囲を外れた個数と前記規定温度範囲内の個数とに基づいて、前記多相変換部における異常な電圧変換部を検出する異常相検出部と、
を有する。
上述の車載用の多相コンバータは、複数の個別温度検出部によって得られた複数の検出温度のうちの規定温度範囲を外れた個数と規定温度範囲内の個数とに基づいて異常な電圧変換部を検出する構成であるため、複数の電圧変換部の各検出温度が規定温度範囲内であるか否か個別に判定した上で、規定温度範囲内を外れた個数と規定温度範囲内の個数とのバランスを相対的に評価し、異常な電圧変換部をより正確に検出することができる。
実施例1の車載用の多相コンバータを備えた車載用電源システムを概略的に例示する回路図である。 実施例1の車載用の多相コンバータにおける異常相検出制御の流れを例示するフローチャートである。 複数の電圧変換部の温度検出結果の組合せ毎に異常の判定結果を対応付けて示す表である。 実施例1の車載用の多相コンバータにおける出力電流及び温度の経時変化を例示するグラフである。
発明の望ましい形態を以下に例示する。
本発明において、異常相検出部は、複数の個別温度検出部によって得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも多い場合、規定温度範囲内の温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するように動作してもよい。
複数の電圧変換部のそれぞれの温度を複数の個別温度検出部によってそれぞれ検出して得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも多い場合、規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部において正常な駆動がなされておらず、その分、残余の電圧変換部(規定温度範囲を外れた検出温度が得られた電圧変換部)において駆動の負担が大きくなっている可能性が高い。つまり、規定温度範囲を外れた温度となっている電圧変換部よりも、寧ろ、規定温度範囲内の温度となっている電圧変換部のほうが異常である可能性が高い。よって、このような場合に、規定温度範囲内の検出温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出すれば、異常が生じている電圧変換部をより正確に検出することができ、正常に動作している電圧変換部を異常とするような誤検出を防ぎやすくなる。
規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも多い場合に規定温度範囲内の検出温度の電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するような方式を採用する場合、制御部は、複数の個別温度検出部によって得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも多い場合、多相変換部を構成する複数の電圧変換部のうち、異常な電圧変換部の電圧変換動作を停止させ、異常な電圧変換部以外の正常な電圧変換部の電圧変換動作を停止させた後、所定条件が成立した場合に、正常な電圧変換部に電圧変換動作を行わせるようにしてもよい。
複数の電圧変換部のそれぞれの温度を複数の個別温度検出部によってそれぞれ検出して得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも多い場合、異常な電圧変換部として検出されるもの以外の残余の電圧変換部(規定温度範囲を外れた検出温度が得られた電圧変換部)については故障である可能性は低いが、異常な電圧変換部と判定されるもの(規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部)の故障によって負担が大きくなっている可能性が高い。このような状態のまま、残余の電圧変換部の電圧変換動作を継続すると過昇温や過電流となる虞がある。よって、このような場合、残余の電圧変換部の電圧変換動作を一旦停止させた後、所定条件が成立した場合に、電圧変換動作を行わせるようにすれば、過昇温等を抑えつつ、故障の可能性が低い残余の電圧変換部を利用して電圧変換を継続することができる。
異常相検出部は、規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも多い場合に規定温度範囲内の検出温度の電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するような方式を採用する場合であっても、複数の個別温度検出部によって得られた複数の検出温度の全てが規定温度範囲を外れている場合には、全ての電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するように動作することが望ましい。
複数の検出温度の全てが規定温度範囲を外れている場合、いずれかの電圧変換部に負担が集中しているのではなく、全ての電圧変換部が異常状態で動作している可能性が高いため、このような場合に、全ての電圧変換部を異常な電圧変換部として検出すれば、全ての電圧変換部をより適切に保護しやすくなる。
本発明において、異常相検出部は、複数の個別温度検出部によって得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも少ない場合、規定温度範囲を外れた温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するように動作してもよい。
複数の電圧変換部のそれぞれの温度を複数の個別温度検出部によってそれぞれ検出して得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも少ない場合、規定温度範囲を外れた温度となっている電圧変換部のほうが異常である可能性が高い。よって、このような場合に、規定温度範囲を外れた検出温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出すれば、異常が生じている電圧変換部をより正確に検出することができ、正常に動作している電圧変換部を異常とするような誤検出を防ぎやすくなる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示す車載用の多相コンバータ10(以下、単に多相コンバータ10ともいう)は、例えば、車載用の降圧型多相DCDCコンバータとして構成されており、図1で示す車載用電源システム1の一部をなすものである。まず、車載用電源システム1の全体的な構成を説明する。
(車載用電源システムの全体構成)
図1で示す車載用電源システム1は、主に、第1電源部91、第2電源部92、発電機93、多相コンバータ10などを備え、負荷94などの様々な車載用負荷に電力を供給し得るシステムとして構成されている。負荷94は、車載用電気部品であり、その種類や数は限定されない。
第1電源部91は、例えば、リチウムイオン電池、或いは電気二重層キャパシタ等の蓄電手段によって構成され、第1の所定電圧を発生させるものである。例えば、第1電源部91の高電位側の端子は所定電圧(例えば、24V、或いは48Vなど)に保たれ、低電位側の端子はグラウンド電位(0V)に保たれる。第1電源部91の高電位側の端子は、車両内に設けられた配線部81に電気的に接続され、第1電源部91は、配線部81に対して所定電圧を印加する。第1電源部91の低電位側の端子は、車両内のグラウンド部として構成される図示しない基準導電路に電気的に接続されている。配線部81は、図示しない端子を介して多相コンバータ10の第1導電路21に電気的に接続されている。
第2電源部92は、例えば、鉛蓄電池等の蓄電手段によって構成され、第1電源部91で発生する第1の所定電圧よりも低い第2の所定電圧を発生させるものである。例えば、第2電源部92の高電位側の端子は12Vに保たれ、低電位側の端子はグラウンド電位(0V)に保たれる。第2電源部92の高電位側の端子は、車両内に設けられた配線部82に電気的に接続されており、第2電源部92は、配線部82に対して所定電圧を印加する。第2電源部92の低電位側の端子は車両内のグラウンド部として構成される図示しない基準導電路に電気的に接続されている。配線部82は、図示しない端子を介して多相コンバータ10の第2導電路22に電気的に接続されている。
発電機93は、公知のオルタネータとして構成され、例えばエンジンの動作中にエンジンにより駆動されて発電し、配線部81に電力を供給し得る。
多相コンバータ10は、第1導電路21に印加された直流電圧(入力電圧)を多相方式且つ降圧方式で電圧変換し、入力電圧を降圧した出力電圧を第2導電路22に出力する構成をなす。多相コンバータ10は、入力側導電路として機能し得る第1導電路21と、出力側導電路として機能し得る第2導電路22と、入力された電圧を変換して出力するn個の電圧変換部CV1,CV2…CVnを備えた多相変換部12と、電圧変換部CV1,CV2…CVnを制御信号によって個々に制御する制御部18とを備える。なお、電圧変換部の個数(多相変換部12における最大相数)であるnは3以上の自然数であればよい。
第1導電路21は、例えば、相対的に高い電圧が印加される一次側(高圧側)の電源ラインとして構成され、一次側電源部である第1電源部91の高電位側の端子に導通するとともに、その第1電源部91から所定の直流電圧(例えば、48V)が印加される構成をなす。この第1導電路21は、各電圧変換部CV1,CV2,CV3における個別入力路LA1,LA2,LA3の各々に電気的に接続されている。
第2導電路22は、相対的に低い電圧が印加される二次側(低圧側)の電源ラインとして構成されている。この第2導電路22は、二次側電源部である第2電源部92や負荷94などに電気的に接続されている。
第1導電路21と第2導電路22との間には、多相変換部12が設けられている。この多相変換部12は、第1導電路21と第2導電路22との間に並列に接続された複数個(n個)の電圧変換部CV1,CV2…CVnを備え、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnは、駆動用のスイッチング素子SA1,SA2,SA3をそれぞれ備えた同様の構成をなし、いずれも同期整流方式の降圧型コンバータとして機能し、駆動用のスイッチング素子のオンオフ動作によって電圧変換を行う構成をなしている。第1導電路21からはn個の電圧変換部CV1,CV2…CVnの各個別入力路LA1,LA2…LAnが分岐し、第1導電路21と各個別入力路LA1,LA2…LAnとが電気的に接続されている。また、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnの各個別出力路LB1,LB2…LBnは、共通の出力路である第2導電路22に電気的に接続されている。なお、本明細書では、「相に対応する電圧変換部」を単に「相」と称することもあり、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnは、それぞれ第1相、第2相…第n相とされている。また、図1の代表例では、第3相までの構成を開示しているが、nを4以上とする場合には、CV1,CV2,CV3と同様の電圧変換部を並列に増やせばよい。
ここで、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnのうち、第k相の電圧変換部CVkについて説明する。また、第k相の電圧変換部CVkに対応付けられた個別温度検出部THkについても説明する。なお、以下において、kは、n以下の自然数であり、例えば、k=1(第1相)に関する構成は、電圧変換部CV1(スイッチング素子SA1,SB1、インダクタL1等)、スイッチング素子SC1,SD1、個別温度検出部TH1などである。同様に、k=2(第2相)に関する構成は、電圧変換部CV2(スイッチング素子SA2,SB2、インダクタL2等)、スイッチング素子SC2,SD2、個別温度検出部TH2などであり、k=3(第3相)に関する構成は、電圧変換部CV3(スイッチング素子SA3,SB3、インダクタL3等)、スイッチング素子SC3,SD3、個別温度検出部TH3などである。
第k相の電圧変換部CVkは、ハイサイド側のスイッチング素子SAkと、ローサイド側のスイッチング素子SBkと、インダクタLkと、保護用のスイッチング素子SCk,SDkとを備える。例えば、第1相の電圧変換部CV1は、ハイサイド側のスイッチング素子SA1と、ローサイド側のスイッチング素子SB1と、インダクタL1と、保護用のスイッチング素子SC1,SD1とを備え、第2相の電圧変換部CV2は、ハイサイド側のスイッチング素子SA2と、ローサイド側のスイッチング素子SB2と、インダクタL2と、保護用のスイッチング素子SC2,SD2とを備え、第3相の電圧変換部CV3は、ハイサイド側のスイッチング素子SA3と、ローサイド側のスイッチング素子SB3と、インダクタL3と、保護用のスイッチング素子SC3,SD3とを備える。
第k相の電圧変換部CVkにおいて、スイッチング素子SAkは、Nチャネル型のMOSFETとして構成され、スイッチング素子SAkのドレインは、第1導電路21から分岐した個別入力路LAkに接続され、個別入力路LAkを介してスイッチング素子SCkのソースに電気的に接続されている。スイッチング素子SAkのソースには、ローサイド側のスイッチング素子SBkのドレイン及びインダクタLkの一端が接続されている。スイッチング素子SBkは、スイッチング素子SAkとインダクタLkとの接続点にドレインが接続され、ソースはグラウンド部に電気的に接続されている。インダクタLkの他端は、スイッチング素子SDkのソースに接続されている。
第k相の電圧変換部CVkにおいて、スイッチング素子SCkは、個別入力路LAkに介在する保護用のスイッチング素子であり、スイッチング素子SCkのドレインは第1導電路21に電気的に接続され、スイッチング素子SCkのソースは、スイッチング素子SAkのドレインに電気的に接続されている。スイッチング素子SCkは、制御部18によってオンオフが制御される。例えば、所定の過電流状態や所定の過電圧状態が発生した異常状態のときに制御部18によってオフ状態に切り替えられ、オフ状態のときには、個別入力路LAkにおける第1導電路21側から電圧変換部CVk側への通電を遮断する。一方、スイッチング素子SCkは、上記異常状態ではない通常状態のときには制御部18によってオン状態に切り替えられ、オン状態のときには、個別入力路LAkの通電を許容する。
第k相の電圧変換部CVkにおいて、スイッチング素子SDkは、個別出力路LBkに介在する保護用のスイッチング素子であり、スイッチング素子SDkのドレインは第2導電路22に電気的に接続され、スイッチング素子SDkのソースは、インダクタLkの他端に電気的に接続されている。スイッチング素子SDkは、制御部18によってオンオフが制御され、例えば、所定の過電流状態、所定の過電圧状態、所定の逆流状態が発生した異常状態のときに制御部18によってオフ状態に切り替えられ、オフ状態のときには、個別出力路LBkにおける第2導電路22側から電圧変換部CVk側への通電を遮断する。一方、スイッチング素子SDkは、上記異常状態ではない通常状態のときには制御部18によってオン状態に切り替えられ、オン状態のときには、個別出力路LBkの通電を許容する。なお、図1ではスイッチング素子SAk,SBk,SCk,SDk(kは1〜n)の各ゲートに接続される信号線は省略している。
多相コンバータ10は、多相変換部12を構成する複数の電圧変換部CV1,CV2,CV3のそれぞれの温度を検出する複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnを備える。これら複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnは、サーミスタ等の公知の温度センサによって構成され、多相変換部を構成するn個の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれの温度を特定し得る電圧信号を出力する。これら複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによる各検出温度(各電圧変換部の温度を示す電圧信号)は、制御回路18AのA/D変換器に入力される。例えば、第k相の電圧変換部CVkの温度を検出するものとして電圧変換部CVkに対応付けられた個別温度検出部THkは、電圧変換部CVkを構成するいずれかの素子近傍の温度を検出する構成であることが望ましく、例えば、電圧変換部CVkを構成するスイッチング素子SAk,SBk,SCk,SDk及びインダクタLkの中で、スイッチング素子SAk又はスイッチング素子SBkが最も近くなる位置に配置される。このような配置は、kが1〜nのいずれの場合にも適用することができる。なお、図1では複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnから制御回路18Aへの各信号線は省略している。
制御部18は、複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnの各々を構成する複数の駆動用のスイッチング素子SA1,SA2…SAnに対してオン信号とオフ信号とを交互に切り替える制御信号(具体的にはPWM信号)を出力し得る回路である。この制御部18は、主として、制御回路18Aと駆動部18Bとを備える。制御回路18Aは、例えばCPUを有するマイクロコンピュータを含んでなり、後述する異常相検出部として機能する部分(CPU等)、ROM、RAMなどによって構成される記憶部、アナログ電圧をデジタル信号に変換するA/D変換器、などを備える。A/D変換器には、後述する電流検出部14、電圧検出部16、複数の個別温度検出部THk(kは、1〜nの自然数)などから出力される各電圧値が入力される。
制御部18において、制御回路18Aは、デューティを決定する機能、及び決定したデューティのPWM信号を生成し出力する機能を有しており、具体的には、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれに対するPWM信号を生成し、出力する。例えば、定常出力状態において、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnを全て駆動する場合、制御回路18Aは、位相が2π/nずつ異なるPWM信号を生成し、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれに出力する。図1の例のように多相変換部12が3個の電圧変換部CV1,CV2,CV3によって構成されていれば、制御部18からそれぞれに対して位相が2π/3ずつ異なるPWM信号が与えられる。
駆動部18Bは、制御回路18Aで生成された各相に対するPWM信号に基づき、各相のスイッチング素子SAk,SBk(kは、1〜nの自然数)のそれぞれを交互にオンするためのオン信号をスイッチング素子SAk,SBkのゲートに印加する。スイッチング素子SAk,SBkへのPWM信号の出力中においてスイッチング素子SBkのゲートに与えられる信号は、デッドタイムが確保された上で、スイッチング素子SAkのゲートに与えられる信号に対して位相が反転する。
多相コンバータ10は、複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnからの共通の出力経路(第2導電路22)における電流値及び電圧値をそれぞれ検出する検出部を備える。電流検出部14は、第2導電路22を流れる電流の値を特定し得る電圧信号を制御回路18AのA/D変換器に入力し得る構成であればよく、図1の例では、電流検出部14は、第2導電路22に介在する抵抗器(第2導電路22を流れる電流が通過する抵抗器)と差動増幅器とを有し、抵抗器の両端電圧が差動増幅器に入力され、第2導電路22を流れる電流によって抵抗器に生じた電圧降下量が差動増幅器で増幅され、これを検出値として制御回路18AのA/D変換器に入力するようになっている。電圧検出部16は、第2導電路22に印加された電圧の値(第2導電路22の電位)を特定し得る電圧信号を制御回路18AのA/D変換器に入力し得る構成であればよく、例えば、第2導電路22に印加される電圧の値を制御回路18Aに入力する構成であってもよく、第2導電路22に印加される電圧を分圧した値を制御回路18Aに入力する構成であってもよい。
このように構成される多相コンバータ10では、制御部18は、n個の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれに対して、デッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力する。例えば、第k相の電圧変換部CVkを構成するスイッチング素子SAk,SBkの各ゲートに対しては、制御部18は、デッドタイムを設定した上で、スイッチング素子SAkのゲートへのオン信号の出力中には、スイッチング素子SBkのゲートにオフ信号を出力し、スイッチング素子SAkのゲートへのオフ信号の出力中には、スイッチング素子SBkのゲートにオン信号を出力する。電圧変換部CVkは、このような相補的なPWM信号に応じて、スイッチング素子SAkのオン動作とオフ動作との切り替えをスイッチング素子SBkのオフ動作とオン動作との切り替えと同期させて行い、これにより、個別入力路LAkに印加された直流電圧を降圧し、個別出力路LBkに出力する。個別出力路LBkの出力電圧は、スイッチング素子SAk,SBkの各ゲートに与えるPWM信号のデューティに応じて定まる。このような制御は、上述した自然数kが1からnのいずれの場合でも、即ち、第1相から第n相までのいずれの電圧変換部においても、同様に行われる。
制御部18は、多相変換部12を動作させる場合、複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnの一部又は全部を、制御信号(PWM信号)によって個々に制御し、多相変換部12からの出力が設定された目標値となるようにフィードバック制御を行う。具体的には、制御部18は、制御回路18Aに入力された第2導電路22の電圧値と、出力電圧の目標値(目標電圧値)とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定する。或いは、制御部18は、制御回路18Aに入力された第2導電路22の電流値と、出力電流の目標値(目標電流値)とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定する。
(多相変換部の制御)
次に、異常相検出制御について説明する。図2で示す異常相検出制御は、所定の動作開始条件が成立した後に制御回路18Aによって繰り返し行われる制御である。動作開始条件は、例えば車両動作停止状態から始動状態への切り替わり(例えば、イグニッション信号のオフからオンへの切り替わり)等であり、これ以外の動作開始条件であってもよい。
まず、図2を参照し、多相変換部12を構成する全相数(電圧変換部の数)nが3以上のいずれの場合でも適用できるように一般化した制御の流れを説明する。図2で示す異常相検出制御の開始に伴い、制御回路18Aは、まず、ステップS1においてi=1とする初期化を行い、続くステップS2にて、第i相(i番目の電圧変換部)の温度を確認する。なお、多相変換部12では、複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnにおいて、各々が何番目の電圧変換部であるか(何番目の相であるか)予め定められており、制御回路18Aは、その情報を予め把握している。第i相の電圧変換部をCViとし、第i相の電圧変換部CViの温度を検出する個別温度検出部をTHiとしたとき、制御回路18Aは、ステップS2において個別温度検出部THiから与えられた検出値(検出温度)を取得し、第i相の電圧変換部CViの検出温度を把握する。例えば、ステップS2の実行時にi=1であれば、ステップS2では、制御回路18Aが第1相の電圧変換部CV1に対応付けられた個別温度検出部TH1からの検出値を確認し、第1相の電圧変換部CV1の検出温度を把握する。
制御回路18Aは、ステップS2の後、ステップS3において、iが相数n(多相変換部12を構成する全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnの数)であるか否かを判定し、i=nでないと判定した場合(ステップS3でNoの場合)、ステップS4において、現在のiの値に1を加算するインクリメント処理を行い、ステップS4の後には、ステップS2以降の処理を再び行う。このような処理を繰り返すことで、第1相(1番目の電圧変換部CV1)から第n相(n番目の電圧変換部CVn)までの各電圧変換部CV1,CV2…CVnの温度が検出される。
制御回路18Aは、ステップS3においてi=nであると判定した場合(ステップS3でYesの場合)、ステップS5において、多相変換部12を構成する全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnの検出温度に基づき、第1温度条件を満たすか否かを判定する。第1温度条件は、「いずれかの電圧変換部の検出温度が規定温度範囲外であり、且つ、規定温度範囲外の検出温度が得られた電圧変換部の個数が、規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部の個数よりも少ない」という条件である。規定温度範囲は、例えば、予め定められた閾値温度以下の範囲である。制御回路18Aは、ステップS5において第1温度条件を満たすと判定した場合(ステップS5でYesの場合)、ステップS6において規定温度範囲外の検出温度が得られた電圧変換部を異常(故障)と判定する。制御回路18Aは、ステップS6の後、出力目標値を変更し、ステップS6で異常と判定した電圧変換部に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止して動作を停止させ、その電圧変換部における個別入力路側の保護用のスイッチング素子も個別出力路側の保護用のスイッチング素子もオフ状態とする。ステップS7の処理が行われた場合、それ以降の制御では、制御部18は、出力電流の目標値(目標電流値)を通常状態のとき(全ての電圧変換部が正常状態であるとき)の値よりも低い目標電流値に変更し、制御回路18Aに入力された第2導電路22の電流値と、変更された目標電流値とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定し、そのデューティのPWM信号を正常相(ステップS6で異常と判定された電圧変換部以外の残余の電圧変換部)に出力して駆動するようなディレーティング制御を行う。例えば、ステップS6で異常と判定された電圧変換部が電圧変換部CV1である場合、ステップS7では、スイッチング素子SA1,SB1に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止するとともに、その電圧変換部CV1における個別入力路LA1側の保護用のスイッチング素子SC1も個別出力路LB1側の保護用のスイッチング素子SD1もオフ状態とする。そして、それ以降の制御では、制御部18は、制御回路18Aに入力された第2導電路22の電流値と、変更された目標電流値とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定し、そのデューティのPWM信号を正常相(電圧変換部CV1以外の残余の電圧変換部)に出力して駆動するようなディレーティング制御を行う。
制御回路18Aは、ステップS5において第1温度条件を満たさないと判定した場合(ステップS5でNoの場合)、ステップS8において、多相変換部12を構成する全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnの検出温度に基づき、第2温度条件を満たすか否かを判定する。第2温度条件は、「いずれかの電圧変換部の検出温度が規定温度範囲内であり、規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部の個数が、規定温度範囲外の検出温度が得られた電圧変換部の個数よりも少ない」という条件である。制御回路18Aは、ステップS8において第2温度条件を満たすと判定した場合、ステップS9において規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部を異常(故障)と判定する。
制御回路18Aは、ステップS9の後、出力目標値を変更し、ステップS10で異常と判定した電圧変換部(異常相)に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止して動作を停止させ、その電圧変換部(異常相)における個別入力路側の保護用のスイッチング素子も個別出力路側の保護用のスイッチング素子もオフ状態とする。この場合、規定温度範囲外の検出温度が得られた複数の電圧変換部(正常相)については、過昇温又は過電流などから保護することが望ましい。従って、制御回路18Aは、ステップS10では、規定温度範囲外の検出温度が得られた複数の電圧変換部(正常相)に対する制御信号(PWM信号)の出力を一旦停止して、これら複数の電圧変換部(正常相)の動作を停止する。但し、このように動作を一旦停止させた後、所定条件が成立した場合、(例えば、それら複数の電圧変換部(正常相)の温度が規定温度範囲内になった場合やそれら複数の電圧変換部(正常相)の停止から一定時間経過した場合など)には、制御回路18Aは、出力電流の目標値(目標電流値)を通常状態のときの値(全ての電圧変換部が正常状態であるときに設定する値である第1目標電流値)よりも低い第2目標電流値に変更し、ステップS10で異常と判定した電圧変換部(異常相)を除く残余の複数の電圧変換部(正常相)の電圧変換動作を行う。即ち、制御回路18Aに入力された第2導電路22の電流値と、変更された第2目標電流値とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定し、そのデューティのPWM信号を正常相(ステップS6で異常と判定された電圧変換部以外の残余の電圧変換部)に出力して駆動するようなディレーティング制御を行う。
制御回路18Aは、ステップS8において第2温度条件を満たさないと判定した場合(ステップS8でNoの場合)、ステップS11において、多相変換部12を構成する全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnの検出温度に基づき、第3温度条件を満たすか否かを判定する。第3温度条件は、「全ての電圧変換部の検出温度が規定温度範囲外である」という条件である。制御回路18Aは、ステップS11において第3温度条件を満たすと判定した場合(ステップS11でYesの場合)、ステップS12において全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnを異常(故障)と判定し、ステップS13において、全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnに対する制御信号(PWM信号)の出力を停止することで全ての動作を停止させ、全てのスイッチング素子SC1,SC2,…SCn及び全てのスイッチング素子SD1,SD2,…SDnをオフ状態とする。
制御回路18Aは、ステップS11において第3温度条件を満たさないと判定した場合(ステップS11でNoの場合)、全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnを正常と判定し、図2の制御を終了する。制御回路18Aは、ステップS14で全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnを正常と判定した場合、全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnに対して通常の制御(制御回路18Aに入力された第2導電路22の電流値と、通常状態のときの目標電流値とに基づき、公知のPID制御方式によるフィードバック演算によって制御量(デューティ)を決定し、そのデューティのPWM信号を全ての電圧変換部CV1,CV2,…CVnに出力する制御)を継続する。
次に、図1で示す代表例の構成(即ち、n=3の構成)において図2の異常相検出制御を行う場合を具体的に説明する。
図1で示すような三相構成の場合でも、制御回路18Aは、図2で示す異常相検出制御の開始に伴い、ステップS1においてi=1とする初期化を行い、ステップS2では、第i相(i番目の電圧変換部)の温度を確認する。更に、制御回路18Aは、ステップS2の後に、ステップS3においてiが3であるか否かを判定し、iが3でないと判定した場合、ステップS4において、現在のiの値に1を加算するインクリメント処理を行い、ステップS4の後には、ステップS2以降の処理を再び行う。このような処理を繰り返すことで、第1相(1番目の電圧変換部CV1)から第3相(3番目の電圧変換部CV3)までの各電圧変換部CV1,CV2,CV3の温度が検出される。
制御回路18Aは、ステップS3においてiが3であると判定した場合、ステップS5において第1温度条件を満たすか否かを判定し、いずれか1つの電圧変換部の検出温度のみが規定温度範囲外である場合、ステップS6において規定温度範囲外の検出温度が得られた電圧変換部を異常(故障)と判定する。この場合、図3におけるパターンB、C,Dのいずれかに該当し、例えば、パターンBのように、電圧変換部CV3の検出温度のみが規定温度範囲外である場合、電圧変換部CV3を異常と判定し、パターンCのように、電圧変換部CV2の検出温度のみが規定温度範囲外である場合、電圧変換部CV2を異常と判定し、パターンDのように、電圧変換部CV1の検出温度のみが規定温度範囲外である場合、電圧変換部CV1を異常と判定する。制御回路18Aは、ステップS6の後、ステップS6で異常と判定した電圧変換部に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止することで、その電圧変換部の動作を停止させ、その電圧変換部における個別入力路側の保護用のスイッチング素子も個別出力路側の保護用のスイッチング素子もオフ状態とする。そして、それ以降の制御では、異常と判定した電圧変換部を除く残余の2つの電圧変換部に対し、目標電流値を抑えた形で電圧変換を行わせる。
制御回路18Aは、ステップS5において第1温度条件を満たさないと判定した場合、ステップS8において、第2温度条件を満たすか否かを判定し、いずれか1つの電圧変換部の検出温度のみが規定温度範囲内である場合、ステップS9において規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部を異常(故障)と判定する。この場合、図3におけるパターンE、F,Gのいずれかに該当し、例えば、パターンEのように、電圧変換部CV3の検出温度のみが規定温度範囲内である場合、電圧変換部CV3を異常と判定し、パターンFのように、電圧変換部CV2の検出温度のみが規定温度範囲内である場合、電圧変換部CV2を異常と判定し、パターンGのように、電圧変換部CV1の検出温度のみが規定温度範囲内である場合、電圧変換部CV1を異常と判定する。制御回路18Aは、ステップS9の後、ステップS10では、ステップS9で異常と判定した電圧変換部に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止することで、その電圧変換部の動作を停止させ、その電圧変換部における個別入力路側の保護用のスイッチング素子も個別出力路側の保護用のスイッチング素子もオフ状態とする。また、異常と判定した電圧変換部を除く残余の2つの電圧変換部については、一旦動作を停止させて過昇温や過電流などを抑えた後、所定条件が成立した場合、(例えば、それら複数の電圧変換部(正常相)の温度が規定温度範囲内になった場合やそれら複数の電圧変換部(正常相)の停止から一定時間経過した場合など)に電圧変換動作を開始し、目標電流値を抑えた形で電圧変換を行わせる。
制御回路18Aは、ステップS8において第2温度条件を満たさないと判定した場合、ステップS11において、第3温度条件を満たすか否かを判定し、全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3の検出温度が規定温度範囲外である場合、ステップS12において全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3を異常(故障)と判定する。この場合、図3におけるパターンHに該当し、ステップS13において、全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3に対する制御信号(PWM信号)の出力を停止することで、全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3の動作を停止させる。そして、全てのスイッチング素子SC1,SC2,SC3及び全てのスイッチング素子SD1,SD2,SD3をオフ状態とする。
制御回路18Aは、ステップS11において第3温度条件を満たさないと判定した場合、ステップS14において全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3を正常と判定し、図2の制御を終了する。この場合、図3におけるパターンAに該当し、全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3に対して上述した通常の制御(通常状態の目標電流値に設定して全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3で電圧変換動作を行う制御であって、かつ、全てのスイッチング素子SC1,SC2,SC3及び全てのスイッチング素子SD1,SD2,SD3をオン状態とする制御)を継続する。
図4の上段には、図1で示す代表例の構成が電圧変換動作を行う場合に関し、第2導電路22を流れる出力電流、及び、各電圧変換部CV1,CV2,CV3の各個別出力路LB1,LB2,LB3を流れる各出力電流の変化の一例を示している。また、図4の下段には、図4の上段のように第2導電路22及び各個別出力路LB1,LB2,LB3の電流が変化する場合の各電圧変換部CV1,CV2,CV3の温度変化の一例を、図4の上段と対応付けて示している。
図4の例では、時間t1から時間t2までの間、制御部18によって多相変換部12において定常状態で電圧変換が行われており、この期間において、多相変換部12全体の出力電流(第2導電路22を流れる出力電流)が通常状態のときの目標電流値(第1目標電流値)に制御されている。そして、t1〜t2の間は、電圧変換部CV1,CV2,CV3のいずれも正常に動作しており、各個別出力路LB1,LB2,LB3を流れる出力電流も同程度となっている。しかし、時間t2に保護用のスイッチング素子SC1においてオフ故障(オン信号が与えられているのにオフ状態で維持されてしまう故障)が発生したため、時間t2以降には、電圧変換部CV1が電流を出力できなくなり、個別出力路LB1の電流が停止している。このような場合、制御部18は、多相変換部12全体の出力電流を目標電流値(第1目標電流値)に維持しようと制御するため、電圧変換部CV2,CV3のデューティを増大させるように制御がなされ、電圧変換部CV2,CV3の各個別出力路LB2,LB3を流れる出力電流は増大する。一方、時間t2以降の電圧変換部CV1,CV2,CV3の各温度は、電圧変換部CV1は電流が流れなくなるため低下し、電圧変換部CV2,CV3は電流が増大するため増大する。そして、時間t3以降には、電圧変換部CV2,CV3の温度(個別温度検出部TH2,TH3によって検出される各検出温度)が規定温度範囲を外れ、電圧変換部CV1の温度(個別温度検出部TH1によって検出される検出温度)が規定温度範囲内となるような温度状態となる。制御部18は、図2の制御を繰返し行っており、時間t1〜時間t3までの間のように全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3の温度が規定温度範囲内である場合には、全ての電圧変換部CV1,CV2,CV3を正常状態と判定し、上述の通常の制御を継続することになる。しかし、時間t3以降のように電圧変換部CV2,CV3の温度が規定温度範囲を外れ且つ電圧変換部CV1の温度が規定温度範囲内となっている状態で図2の制御を行った場合、図2のステップS9、S10の処理が行われることになる。この場合、制御部18は、規定温度範囲内の温度となっている電圧変換部CV1を異常(故障)と判定し、電圧変換部CV1(異常相)の動作を停止させる。また、規定温度範囲を外れた検出温度が得られた電圧変換部CV2,CV3(正常相)に対する制御信号(PWM信号)を一旦停止することで、電圧変換部CV2,CV3を過電流又は過昇温から保護する。このように電圧変換部CV2,CV3の動作を停止させた後、一定条件が成立した場合、(例えば、電圧変換部CV2,CV3の温度が規定温度範囲内になった場合や電圧変換部CV2,CV3の停止から一定時間経過した場合など)には、多相変換部12の目標電流値を上述の通常状態のときの目標電流値(第1目標電流値)よりも低い第2目標電流値に設定して、残余の電圧変換部CV2,CV3に電圧変換動作を行わせる。
(効果)
次に、本構成の効果を例示する。
上述の車載用の多相コンバータ10は、複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによって得られた複数の検出温度のうちの規定温度範囲を外れた個数と規定温度範囲内の個数とに基づいて異常な電圧変換部を検出する構成であるため、複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnの各検出温度が規定温度範囲内であるか否か個別に判定した上で、規定温度範囲内を外れた個数と規定温度範囲内の個数とのバランスを相対的に評価し、異常な電圧変換部をより正確に検出することができる。
具体的には、異常相検出部に相当する制御回路18Aは、複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによって得られた複数の検出温度の各々が規定温度範囲内であるか否かをそれぞれ判定し、それら複数の検出温度において規定温度範囲を外れた個数が規定温度範囲内の個数よりも多い場合、規定温度範囲内の検出温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するように動作する。
複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれの温度を複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによってそれぞれ検出して得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも多い場合、例えばスイッチング素子のオープン故障などにより規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部が正常に駆動していない可能性があり、その分、残余の電圧変換部(規定温度範囲を外れた検出温度が得られた電圧変換部)において駆動の負担が大きくなっている可能性がある。つまり、規定温度範囲を外れた温度となっている電圧変換部よりも、寧ろ、規定温度範囲内の温度となっている電圧変換部のほうが異常である可能性が高い。よって、このような場合に、規定温度範囲内の検出温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出すれば、異常が生じている電圧変換部をより正確に検出することができ、正常に動作している電圧変換部を異常とするような誤検出を防ぎやすくなる。
但し、複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによって得られた複数の検出温度の全てが規定温度範囲を外れている場合には、全ての電圧変換部を異常な電圧変換部として検出する。なぜなら、複数の検出温度の全てが規定温度範囲を外れている場合、いずれかの電圧変換部に負担が集中しているのではなく、全ての電圧変換部が異常状態で動作している可能性が高いからである。よって、このような場合に、全ての電圧変換部を異常な電圧変換部として検出すれば、全ての電圧変換部をより適切に保護しやすくなる。
複数の電圧変換部CV1,CV2…CVnのそれぞれの温度を複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによってそれぞれ検出して得られた複数の検出温度において、規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも多い場合、異常な電圧変換部として検出されるもの以外の残余の電圧変換部(規定温度範囲を外れた検出温度が得られた電圧変換部)については故障である可能性は低いが、異常な電圧変換部と判定されるもの(規定温度範囲内の検出温度が得られた電圧変換部)の故障によって負担が大きくなっている可能性が高い。このような状態のまま、残余の電圧変換部の電圧変換動作を継続すると過昇温や過電流となる虞がある。よって、このような場合、残余の電圧変換部の電圧変換動作を一旦停止させた後、所定条件が成立した場合に、電圧変換動作を行わせるようにすれば、過昇温等を抑えつつ、故障の可能性が低い残余の電圧変換部を利用して電圧変換を継続することができる。
また、複数の個別温度検出部TH1,TH2…THnによって得られた複数の検出温度において規定温度範囲を外れた検出温度の個数が規定温度範囲内の検出温度の個数よりも少ない場合、規定温度範囲を外れた温度となっている電圧変換部のほうが異常である可能性が高く、上述の多相コンバータ10では、このような場合に、規定温度範囲を外れた検出温度が個別温度検出部によって検出された電圧変換部を異常な電圧変換部として検出するため、異常が生じている電圧変換部をより正確に検出することができ、正常に動作している電圧変換部を異常とするような誤検出を防ぎやすくなる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わせてもよい。
実施例1では、同期整流式のDCDCコンバータを例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、各々の電圧変換部の一部のスイッチング素子(例えば、図1の例では、スイッチング素子SB1,SB2,SB3)をダイオードに置き換えたダイオード方式のDCDCコンバータとしてもよい。
実施例1では、多相コンバータを構成するスイッチング素子として、Nチャネル型のMOSFETとして構成されるスイッチング素子を例示したが、実施例1又は実施例1を変更したいずれの例においても、スイッチング素子は、Pチャネル型のMOSFETであってもよいし、バイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子であってもよい。
実施例1では、制御回路18Aがマイクロコンピュータによって構成されていたが、制御回路18Aがマイクロコンピュータ以外のハードウェア回路によって構成されていてもよい。
1…車載用電源システム
10…車載用の多相コンバータ
12…多相変換部
18…制御部
18A…制御回路(異常相検出部)
CV1,CV2,CV3…電圧変換部
SA1,SA2,SA3…スイッチング素子
TH1,TH2,TH3…個別温度検出部

Claims (5)

  1. 駆動用のスイッチング素子を備えるとともに前記駆動用のスイッチング素子のオンオフ動作によって電圧変換を行う電圧変換部が、第1導電路と第2導電路との間に複数設けられた多相変換部と、
    各々の前記電圧変換部に設けられた各々の前記駆動用のスイッチング素子に対してオン信号とオフ信号とを交互に切り替える制御信号を出力する制御部と、
    前記多相変換部を構成する複数の前記電圧変換部のそれぞれの温度を検出する複数の個別温度検出部と、
    複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の検出温度の各々が予め定められた規定温度範囲内であるか否かをそれぞれ判定し、複数の前記検出温度のうちの前記規定温度範囲を外れた個数と前記規定温度範囲内の個数とに基づいて、前記多相変換部における異常な電圧変換部を検出する異常相検出部と、
    を有する車載用の多相コンバータ。
  2. 前記異常相検出部は、複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の前記検出温度において前記規定温度範囲を外れた個数が前記規定温度範囲内の個数よりも多い場合、前記規定温度範囲内の温度が前記個別温度検出部によって検出された前記電圧変換部を前記異常な電圧変換部として検出する請求項1に記載の車載用の多相コンバータ。
  3. 前記制御部は、複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の前記検出温度において前記規定温度範囲を外れた個数が前記規定温度範囲内の個数よりも多い場合、前記多相変換部を構成する複数の前記電圧変換部のうち、前記異常な電圧変換部の電圧変換動作を停止させ、前記異常な電圧変換部以外の正常な電圧変換部の電圧変換動作を停止させた後、所定条件が成立した場合に、前記正常な電圧変換部に電圧変換動作を行わせる請求項2に記載の車載用の多相コンバータ。
  4. 前記異常相検出部は、複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の前記検出温度の全てが前記規定温度範囲を外れている場合、全ての前記電圧変換部を前記異常な電圧変換部として検出する請求項2又は請求項3に記載の車載用の多相コンバータ。
  5. 前記異常相検出部は、複数の前記個別温度検出部によって得られた複数の前記検出温度において前記規定温度範囲を外れた個数が前記規定温度範囲内の個数よりも少ない場合、前記規定温度範囲を外れた温度が前記個別温度検出部によって検出された前記電圧変換部を前記異常な電圧変換部として検出する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載用の多相コンバータ。
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