JP2017212805A - 車両用電圧変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧変換部でのスイッチング動作を停止するモードへの切り替えが可能であり、スイッチング動作を停止する場合であっても発電機の発電電力を出力側の経路に供給し得る構成を、より簡易に実現する。【解決手段】車両用電圧変換装置1Aは、電圧変換部3を制御する制御部2を有する。制御部2は、発電機の出力電圧が第1の電圧状態又は第1の電圧状態のときよりも電圧が低い第2の電圧状態のいずれであるかを検知する検知部を有し、発電機91の出力が第1の電圧状態であるときに、電圧変換部3のスイッチング素子4に対してPWM信号を出力する第1制御を行い、発電機91の出力が第2の電圧状態であるときにスイッチング素子4に対してオン信号を継続的に出力する第2制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用電圧変換装置に関するものである。
特許文献1には、車両の電源制御装置の一例が開示されている。この電源制御装置は、蓄電装置と第1の車両電気負荷とをDC/DCコンバータを介して接続する第1の給電回路と、蓄電装置と第1の車両電気負荷とをDC/DCコンバータと並列に配設されたバイパススイッチを介して接続する第2の給電回路と、蓄電装置と第2の車両電気負荷とをDC/DCコンバータを介して接続する第3の給電回路とを備える。
特開2013−119331号公報
ところで、車両に搭載されるDC/DCコンバータでは、環境条件や負荷条件などが様々に想定され、DC/DCコンバータの出力性能を超える状況が発生する場合もありうるため、このような状況を想定した対策が求められる。特許文献1の技術では、消費電流が所定値よりも多い状態が所定時間以上継続した場合において入出力電圧の差が所定電圧以下である場合、発電機の発電電圧をDC/DCコンバータの出力電圧と同程度とし、バイパススイッチをオン状態に設定している。つまり、負荷電流が大きい場合には発電機の発電電圧を低く抑えつつ、DC/DCコンバータとは別経路で設けられたバイパスラインを介して発電機による発電電力を車両用電気負荷に供給している。しかし、特許文献1の技術は、DC/DCコンバータとは別経路のバイパスラインやバイパススイッチが必須となるため、この点で、回路規模を増大させることになる。
本発明は上述した事情に基づいてなされたものであり、電圧変換部でのスイッチング動作を停止するモードへの切り替えが可能であり、スイッチング動作を停止する場合であっても発電機の発電電力を出力側の経路に供給し得る構成を、より簡易に実現することを目的とするものである。
本発明の車両用電圧変換装置は、
出力電圧が可変である発電機に電気的に接続された第1導電路と第2導電路との間に設けられたスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により前記第1導電路に印加された入力電圧を降圧して前記第2導電路に出力する電圧変換部と、
前記発電機の出力電圧が第1の電圧状態又は前記第1の電圧状態のときよりも電圧が低い第2の電圧状態のいずれであるかを検知する検知部を有し、当該検知部により前記発電機の出力が前記第1の電圧状態であると検知されたときに前記電圧変換部の前記スイッチング素子に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する第1制御を行い、前記発電機の出力が前記第2の電圧状態であると検知されたときに前記スイッチング素子に対してオン信号を継続的に出力する第2制御を行う制御部と、
を有する。
本発明の車両用電圧変換装置は、発電機の出力が第1の電圧状態であるときに、電圧変換部のスイッチング素子に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する第1制御を行い、発電機の出力が第2の電圧状態であるときにスイッチング素子に対してオン信号を継続的に出力する第2制御を行う。この構成によれば、電圧変換部のスイッチング素子をオンオフ動作させる第1制御と、電圧変換部に設けられたスイッチング素子を継続的にオン状態とする第2制御とを切り替えて行うことができる。第2制御では、スイッチング素子を高速にオンオフ動作させる必要が無いため温度上昇を抑えることができ、低く抑えられた発電機の発電電力を出力側の経路に供給することで、出力側への電力供給をより適正に維持することができる。
実施例1の車両用電圧変換装置を含んだ車載電源システムを例示する回路図である。 実施例1の車両用電圧変換装置における第1制御時の動作を説明する説明図である。 実施例1の車両用電圧変換装置における第2制御時の動作を説明する説明図である。 実施例1の車両用電圧変換装置において、第1制御から第2制御に切り替わる際の電圧変換部に対する入力電圧及び電圧変換部からの出力電圧の変化を簡略的に示すグラフである。 実施例2の車両用電圧変換装置を含んだ車載電源システムを例示する回路図である。 実施例2を変形した他の実施例の車両用電圧変換装置を含んだ車載電源システムを例示する回路図である。
ここで、発明の望ましい例を示す。
本発明は、第2導電路に、蓄電部が電気的に接続されていてもよい。蓄電部は、満充電時の出力電圧が第1の電圧状態のときの発電機の出力電圧よりも低くなっていてもよい。
この構成によれば、発電機の出力が相対的に高い第1の電圧状態であるときには、第1制御に応じた電圧変換部でのスイッチング動作により、発電機の発電電圧を降圧して蓄電部の電圧に近づけた出力電圧を第2導電路に対して出力することができる。また、発電機の出力が相対的に低い第2の電圧状態であるときには、第2制御に応じた電圧変換部でのオン動作により、スイッチング損失を抑え得る方式で蓄電部の電圧に近づけた出力電圧を第2導電路に対して出力することができる。
本発明は、第2導電路に設けられ、第2導電路において出力方向とは逆方向に電流が流れることを許容しないオフ状態と許容するオン状態とに切り替わるスイッチ部と、第2導電路を流れる電流の逆流状態を検出する逆流検出部と、制御部によって第1制御が行われているときに逆流検出部によって第2導電路の逆流状態が検出された場合にスイッチ部をオフ状態に切り替え、制御部によって第2制御が行われているときにはスイッチ部をオン状態で維持するスイッチ制御部と、を有していてもよい。
この構成によれば、制御部が第1制御を行うことで電圧変換部においてスイッチング素子のオンオフ動作が繰り返されているときに第2導電路において電流の逆流が発生した場合、スイッチ部をオフ状態に切り替えて逆流方向の通電を遮断することができる。一方、制御部が第2制御を行うことで電圧変換部においてスイッチング素子が継続的にオン動作しているときにはスイッチ部をオン状態で維持する。つまり、制御部が第2制御を行う時期には、第1導電路と第2導電路とが導通して近い電圧となるため、第2導電路において逆流が生じやすくなる。このような時期には、スイッチ部を継続的にオン動作させ、スイッチ部が頻繁にオフ動作すること、及びこれによるスイッチ部での損失増大を防ぐことができる。
本発明は、第2導電路と基準導電路との間に接続され、制御部によって第1制御が行われているときに電流が流れる第3導電路を有していてもよい。そして、制御部によって第2制御が行われているときに電圧変換部から第3導電路を介して基準導電路へ電流が流れることが遮断される構成であってもよい。更に、少なくとも制御部によって第2制御が行われているときの第3導電路の通電状態を検出する通電検出部を有していてもよい。
この構成によれば、制御部が第2制御を行うことで電圧変換部においてスイッチング素子が継続的にオン動作しているときに、素子故障等によって基準導電路側へ電流が流れた場合に、その状態を把握することが可能となる。
本発明に係る車両用電圧変換装置と、発電機の出力電圧を第1の電圧状態と第2の電圧状態とに切り替える発電機制御部と、を含んだ構成で車両用電源装置を構成してもよい。
本発明は、電圧変換部の所定の過負荷状態を検出する過負荷検出部を有していてもよい。発電機制御部は、過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合に発電機の出力を第2の電圧状態に切り替える構成であってもよい。
この構成では、電圧変換部が所定の過負荷状態となった場合に、発電機の出力が第2の電圧状態に切り替えられ、これに応じて制御部が第2制御を行うことになる。つまり、電圧変換部が所定の過負荷状態となった場合にスイッチング損失を抑えつつ発電機の発電電力を低く抑えて出力側の経路に供給することができるため、電圧変換部の負荷を抑制しながらも出力側への電力供給をより適正に維持することができる。
制御部は、検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合、少なくとも第2制御を開始するまでの間に電圧変換部の出力電流を抑える抑制制御を行ってもよい。
この構成では、電圧変換部が所定の過負荷状態となった場合、第2制御が開始するまでの間に、出力電流を抑える期間が設定される。よって、第2制御の実行によりスイッチング損失が抑えられるまでの間についても、過負荷状態の軽減が図られる。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1について説明する。
図1で示す車載電源システム100は、高圧系と低圧系の二種類の電源系統を有する電源システムとして構成されている。この車載電源システム100は、相対的に低い電圧(例えば14V程度)が印加される低圧系の電源ラインと、相対的に高い電圧(例えば24V程度)が印加される高圧系の電源ラインとを有する。低圧系の電源ラインには蓄電部92や負荷95が接続され、高圧系の電源ラインには発電機91が接続されており、これらの間には車両用電源装置1(以下、電源装置1ともいう)が設けられている。
発電機91は、例えば公知の可変電圧式オルタネータとして構成されている。この発電機91は、例えばエンジンの運転中にエンジンのクランク軸によりベルトを介して回転駆動され、発電機制御部1Bの制御によって、エンジンにより駆動されて発電する発電状態と、エンジンにより駆動されても発電しない非発電状態とに切り替え可能となっている。また、発電機91が発電状態であるときには、発電機制御部1Bの制御によって発電電圧(出力電圧)を変更可能とされており、発電機制御部1Bは、発電機91の発電電圧を例えば12V〜25Vの範囲で変化させ得る。
蓄電部92は、例えば、鉛バッテリなどの蓄電手段によって構成されており、第2導電路16に電気的に接続されている。蓄電部92は、満充電時の出力電圧が例えば14Vであり、満充電時には高電位側の端子が14V程度に保たれる。蓄電部92の低電位側の端子は、例えばグラウンド電位(0V)に保たれている。蓄電部92の満充電時の出力電圧値は、後述する第1の電圧状態のときの発電機91の出力電圧値(例えば、24V)よりも低くなっている。
図1で示す電源装置1は、例えば、車両用の降圧型スイッチング電源装置として構成されている。電源装置1は、主に、電圧変換装置1Aと発電機制御部1Bとを備える。電圧変換装置1Aは、入力側導電路(第1導電路15)に印加された直流電圧を降圧して出力側導電路(第2導電路16)に出力する機能を有する。発電機制御部1Bは、例えば、発電機91を制御し得るECUとして構成され、発電機91の出力電圧を、第1の電圧状態と第1の電圧状態のときよりも電圧が低い第2の電圧状態とに切り替える機能を有する。
電圧変換装置1Aは、第1導電路15、第2導電路16、基準導電路17、制御部2、電圧変換部3、第1電流センサ31、第2電流センサ32、スイッチング素子20,スイッチング素子24、電圧検出部38などを備える。
第1導電路15及び第2導電路16は、高電位側の電源ラインとして構成されており、第1導電路15は、相対的に高い電圧が印加される一次側(高圧側)の電源ラインとして構成されている。第1導電路15は、発電機91の出力端子に導通し、発電機91で生成された直流電圧(発電電圧)が印加される。第2導電路16は、相対的に低い電圧が印加される二次側(低圧側)の電源ラインとして構成されている。第2導電路16は、例えば、蓄電部92の高電位側の端子に導通するとともに、蓄電部92から所定の直流電圧が印加される。基準導電路17は、これら電源ラインの電位よりも低い一定の基準電位(グラウンド電位)に保たれるグラウンドとして構成されている。
制御部2は、演算機能を有する制御回路2Aと、制御回路2Aからの信号に応じたPWM信号を出力する駆動部2Bとを有する。制御回路2Aは、例えば、マイクロコンピュータとして構成され、CPU等の演算装置、ROMやRAM等のメモリ素子などを有する。
電圧変換部3は、発電機91に電気的に接続された第1導電路15と、蓄電部92に電気的に接続された第2導電路16との間に設けられている。電圧変換部3は、DCDCコンバータとして構成され、制御部2からPWM信号が出力されることに応じてスイッチング動作し、入力側導電路である第1導電路15に印加された直流電圧を降圧して出力側導電路である第2導電路16に出力する。
電圧変換部3は、スイッチング素子4を備え、PWM信号に応じたスイッチング素子4のオンオフ動作により第1導電路15に印加された入力電圧を降圧して第2導電路16に出力する。具体的には、MOSFETとして構成されるハイサイド側のスイッチング素子4が第1導電路15と第2導電路16の間に設けられ、スイッチング素子4と基準導電路17の間には、MOSFETとして構成されるローサイド側のスイッチング素子6が設けられている。なお、ローサイド側のスイッチング素子6は、ダイオードに置き換えてもよい。更に、コイル12や図示しない入力側コンデンサ及び出力側コンデンサなどを備えている。
電圧変換部3において、ハイサイド側のスイッチング素子4のドレインには、第1導電路15が接続されている。スイッチング素子4のドレインは、第1導電路15に介在するスイッチング素子20がオン状態のときに発電機91の高電位側端子に導通する。スイッチング素子4のソースには、ローサイド側のスイッチング素子6のドレイン及びコイル12の一端が電気的に接続されている。スイッチング素子4のゲートには、制御部2からのオン信号(駆動信号)又はオフ信号(非駆動信号)が入力される。ローサイド側のスイッチング素子6のソースは、第3導電路18を介して基準導電路と導通している。ローサイド側のスイッチング素子6のゲートには、制御部2からのオン信号(駆動信号)又はオフ信号(非駆動信号)が入力される。コイル12の他端は、出力側導電路である第2導電路16に接続され、この他端はスイッチング素子24のソースに導通している。なお、第1導電路15と基準導電路17の間には、図示しない入力コンデンサが設けられ、第2導電路16と基準導電路17の間には、図示しない出力コンデンサが設けられている。
第1電流センサ31は、公知の電流検出回路によって構成され、第2導電路16を流れる電流の電流値を検出する機能を有する。第1電流センサ31は、シャント抵抗部31A及び差動増幅器31Bを有する。出力電流によってシャント抵抗部31Aに生じた電圧降下は、差動増幅器31Bで増幅されて出力電流に対応する検出電圧となり、第2導電路16を流れる電流の大きさを示す検出値として制御部2に入力される。制御部2は、第1電流センサ31から入力される検出値によって第2導電路16の電流値(出力電流値)を把握する。
第2電流センサ32は、公知の電流検出回路によって構成され、第3導電路18を流れる電流の電流値を検出する機能を有する。第2電流センサ32は、シャント抵抗部32A及び差動増幅器32Bを有する。出力電流によってシャント抵抗部32Aに生じた電圧降下は、差動増幅器32Bで増幅されて出力電流に対応する検出電圧となり、第3導電路18を流れる電流の大きさを示す検出値として制御部2に入力される。制御部2は、第2電流センサ32から入力される検出値によって第3導電路18の電流値(出力電流値)を把握する。
電圧検出部38は、第2導電路16の電圧の大きさを示す値を検出値として出力する機能を有する。図1の例では、電圧検出部38は、第2導電路16と制御部2とを接続する入力線として構成され、第2導電路16における所定位置の電圧値が電圧検出部38を介して制御部2に入力される。制御部2は、この入力値(検出値)によって第2導電路16の電圧値を把握する。なお、図2の例では、電圧検出部38によって第2導電路16の電圧値を制御部2に入力しているが、分圧回路によって第2導電路16の電圧を分圧し、その分圧値を制御部2に入力する構成であってもよい。
温度センサ35は、電圧変換部3の温度を検出する機能を有する。この温度センサ35は、例えば、電圧変換部3を構成する上述のスイッチング素子4,6が実装される基板において、例えばスイッチング素子4の近傍に実装されている。温度センサ35は、サーミスタなどによって構成され、例えばスイッチング素子4の近傍温度を示す検出値を出力する。温度センサ35から出力される検出値(検出温度を示す値)は、図示しない入力線を介して制御部2に入力される。制御部2は、温度センサ35から入力される検出値によって電圧変換部3の温度を把握する。
次に、電源装置1の基本動作について説明する。ここでいう基本動作とは、後述する逆流状態や短絡状態などが発生していないときの動作である。
制御部2は、所定の開始条件の成立時(例えばイグニッション信号がオフからオンに切り替わった時)に動作を開始し、動作開始後には、電圧変換部3を動作させる機能と、温度センサ35の検出温度を監視する機能とを継続して行う。そして、電圧変換部3の動作制御は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である場合には通常モードでの制御方式で行い、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である場合には保護モードでの制御方式で行う。そして、このように制御方式を変更する上で、発電機91の動作の切り替えを行うことが前提となっている。
制御部2は、発電機91の動作の切り替えを、発電機制御部1Bを介して行う。例えば、制御部2は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である間、発電機制御部1Bに対して第1信号(発電機91の出力を第1の電圧状態に切り替えることを要求する要求信号)を出力し、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である間、発電機制御部1Bに対して第2信号(発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替えることを要求する要求信号)を出力するようになっている。なお、第1信号は例えばLレベルの信号とすることができ、第2信号は、例えばHレベルの信号とすることができるが、この例には限定されない。
発電機制御部1Bは、制御部2から第1信号を受けている間は、発電機91の出力を第1の電圧状態とする制御を行う。具体的には、発電機制御部1Bは、発電機91の出力電圧(発電電圧)を所定の高電圧(例えば24V)とするように発電機91を制御する。このように発電機91の出力を第1の電圧状態とする制御が行われているときに制御部2から発電機制御部1Bに与えられる信号が第1信号から第2信号に切り替わると、発電機制御部1Bは、発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替えるように制御を変更する。具体的には、発電機制御部1Bは、発電機91の出力電圧(発電電圧)を所定の低電圧(例えば14V)とするように発電機91を制御する。このときの発電機91の出力電圧(発電電圧)は、蓄電部92の満充電時の出力電圧と同一又は同程度である。
ここで、通常モードの制御方式について説明する。
図2は、通常モードの制御方式で電圧変換部3の動作制御がなされているときの説明図である。制御部2は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である場合、即ち、発電機91の出力電圧が上述した所定の高電圧に制御される場合に、電圧変換部3の動作制御を通常モードでの制御方式で行う。
制御部2は、電圧変換部3の動作制御を通常モードの制御方式で行う場合、制御回路2Aにより、電圧検出部38からの検出値によって把握される出力電圧値と目標電圧値とに基づき、出力電圧値を目標電圧値に近づけるように公知の方式でフィードバック制御を行い、電圧変換部3に与えるPWM信号のデューティを設定する。フィードバック制御では、電圧検出部38によって特定される出力電圧値と予め設定された目標電圧値とに基づいて出力電圧値を目標電圧値に近づける新たなデューティ生成するフィードバック演算を、PID演算方式などの公知の演算方式を用いて短い時間間隔で行い、制御回路2Aでデューティが更新される毎に、新たに設定されたデューティのPWM信号を駆動部2Bに出力する。なお、駆動部2Bは、制御回路2Aで生成されたPWM信号をスイッチング素子4,6の各々に相補的に分配する回路である。
制御部2は、通常モードの制御方式で電圧変換部3を制御する場合、電圧変換部3を同期整流方式の降圧型コンバータとして機能させ、ハイサイド側のスイッチング素子4のオン動作とオフ動作との切り替えを、ローサイド側のスイッチング素子6のオフ動作とオン動作の切り替えと同期させて行う。具体的には、制御部2は、電圧変換部3のスイッチング素子4及びスイッチング素子6の各ゲートに対してデッドタイムを設定した形でPWM信号を相補的に出力する。これにより、スイッチング素子4をオン状態とし、スイッチング素子6をオフ状態とした第1状態と、スイッチング素子4をオフ状態とし、スイッチング素子6をオン状態とした第2状態とが交互に切り替えられ、この切り替えが繰り返されると、第1導電路15に印加された入力電圧(直流電圧)が降圧され、降圧された出力電圧が第2導電路16に印加される。なお、第2導電路16に印加される出力電圧は、スイッチング素子4のゲートに与えるPWM信号のデューティ比に応じて定まる。制御部2は、このような通常モードでの制御を、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である間、継続的に実行する。
このように、制御部2は、発電機91の出力が第1の電圧状態であるとき(具体的には発電電圧が所定の高電圧Va1であるとき)に、電圧変換部3のスイッチング素子4,6に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する制御(第1制御)を行うようになっている。
次に、保護モードでの制御方式について説明する。
図3は、保護モードの制御方式で電圧変換部3の動作制御がなされているときの説明図である。制御部2は、通常モードでの制御方式で電圧変換部3を動作させているときに温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上となった場合、制御方式を保護モードの制御方式に移行させる。制御部2は、制御方式を保護モードの制御方式に移行させる場合、発電機91の動作の切り替えと、電圧変換部3の動作の切り替えを行う。
図4は、発電機91の発電電圧(電圧変換部3に対する入力電圧)が所定の高電圧Va1に保たれているときに時間T1で発電機制御部1Bに対する信号が第1信号から第2信号に切り替えられ、発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替えることが要求された例である。発電機制御部1Bはこのような要求がなされた場合に発電機91の発電電圧を所定の高電圧Va1から所定の低電圧Va2に切り替える制御を行うようになっている。図4の例では、時間T1に発電機制御部1Bによる発電機91の電圧低下制御が開始され、時間T2に発電機91の発電電圧が所定の低電圧Va2に切り替わっている。
制御部2は、電圧変換部3に対する制御を所定のタイミングで上述した通常モードのときの第1制御から保護モードのときに行うべき第2制御に切り替える。上述した通常モード時の制御(第1制御)は、出力電圧値を目標電圧値に近づけるためにデューティの調整を行う制御であったが、保護モード時の制御(第2制御)は、スイッチング素子4を継続的にオンさせ、スイッチング素子6を継続的にオフする制御である。また、第1制御から第2制御に切り替える「所定のタイミング」は、例えば、電圧変換部3に対する入力電圧(第1導電路15の電圧)が所定の電圧閾値(例えば、高電圧Va1よりも低く、低電圧Va2よりも高い値)未満に低下したタイミングであってもよく、温度センサ35による検出温度が閾値温度を超えてから一定時間を経過したタイミングや発電機制御部1Bによる発電機91の電圧低下制御が開始されてから一定時間を経過したタイミングなどであってもよい。いずれにしても、発電機91の電圧が高電圧Va1よりもある程度低下したタイミングで第2制御を行うことが望ましい。
制御部2が電圧変換部3に対する制御を第1制御から第2制御に変更すると、スイッチング素子4が継続的にオン状態となり、スイッチング素子6が継続的にオフ状態となるため、図3のように、第1導電路15と第2導電路16とが継続的に導通した状態となる。これにより、第1導電路15と第2導電路16とがほぼ同程度の電圧となり、発電機91の発電電圧(所定の低電圧Va2)と同程度の電圧で保たれる。このような発電機91からの電力供給により、負荷95に対して必要な電流の供給を維持することができる。
本構成では、制御部2が検知部の一例に相当し、発電機91の出力電圧が第1の電圧状態又は第2の電圧状態のいずれであるかを検知する機能を有する。上述したように、制御部2は、発電機91の出力が第1の電圧状態であると検知されたとき(具体的には、発電電圧が所定の高電圧Va1であるとき)にスイッチング素子4に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する第1制御を行い、発電機91の出力が第2の電圧状態であるとき(具体的には、発電機91の発電電圧が所定の低電圧Va2であるとき)にスイッチング素子4に対してオン信号を継続的に出力する制御(第2制御)を行うようになっている。
本構成では、温度センサ35及び制御部2が過負荷検出部の一例に相当し、電圧変換部3の所定の過負荷状態を検出する機能を有する。具体的には、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である状態が「所定の過負荷状態」の一例に相当し、温度センサ35及び制御部2は、電圧変換部3が「所定の過負荷状態」となっているか否かを判断する機能を有する。そして、発電機制御部1Bは、過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合、即ち、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上であると制御部2によって判断された場合に、発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替える構成となっている。
なお、制御部2は、上述した過負荷検出部によって「所定の過負荷状態」が検出された場合、少なくとも上記第2制御を開始するまでの間に、電圧変換部3の出力電流を抑える抑制制御を行ってもよい。例えば、制御部2は、図4で示す時間T1のタイミングで温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上であると判断した場合、その後、第1制御から第2制御に切り替えるまでの間、電圧変換部3の出力電流を抑える制御を行ってもよい。電圧変換部3の出力電流を抑える制御の方法は様々に考えられる。
例えば、制御部2は、通常モードのときに、電圧変換部3から出力される出力電流を予め設定された上限電流値以下に抑えるように電圧変換部3の動作制御を行うことができ、電圧変換部3からの出力電流が上限電流値を超えようとした場合、出力電流を上限電流値以下に抑えるように出力を制御することができる。この構成では、制御部2は、例えば図4で示す時間T1のタイミングで温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上に切り替わったと判断した場合、時間T1の後、第2制御の実行を開始するまでの間、上記上限電流値を通常モードのときの値よりも低く抑えることで、出力電流を抑制することができる。時間T1の後、第2制御を実行するまでの間の上限電流値は、通常モードのときの上限電流値よりも低い範囲において、温度センサ35による検出温度が大きいほど上限電流値を低く抑えるように設定してもよく、予め定められた一定値(通常モードのときの上限電流値よりも低い値)に設定してもよく、時間T1のタイミングでの出力電流値よりも低い値に設定してもよい。
次に、逆流保護に関する構成について説明する。
図1の電圧変換装置1Aに設けられた制御部2は、上述した第1電流センサ31によって入力された値に基づき、第2導電路16を流れる電流を把握している。この制御部2は、第2導電路16を流れる電流の値だけでなく、電流の向きも検出している。そして、制御部2は、第2導電路16を流れる電流の向きが電圧変換部3側から蓄電部92側に向かう第1の向き(即ち、スイッチング素子24において、ソース側からドレイン側に向かう向き)であるか、蓄電部92側から電圧変換部3側へ向かう第2の向き(即ち、スイッチング素子24において、ドレイン側からソース側に向かう向き)であるかを判定し得る。
一方、第2導電路16には、MOSFETとして構成されるスイッチング素子24が設けられている。このスイッチング素子24は、スイッチ部の一例に相当し、第2導電路16において電圧変換部3の出力方向(上述の第1の向き)とは逆方向に電流が流れることを許容しないオフ状態と、許容するオン状態とに切り替わる構成をなす。スイッチング素子24は、MOSFETとして構成され、ソースがコイル12に電気的に接続され、ドレインが蓄電部92や負荷95に電気的に接続されている。
制御部2及び第1電流センサ31は、逆流検出部の一例に相当する。また、制御部2は、スイッチ制御部の一例に相当する。
制御部2は、電圧変換部3の動作制御を上述した通常モードの制御方式で行う場合、少なくとも上述の第1制御(出力電圧値を目標電圧値に近づけるためにデューティの調整を行う制御)の実行中、第1電流センサ31の検出値を監視する。そして、制御部2は、第1電流センサ31の検出値が第2導電路16における正常な電流方向を示す値となっている間、即ち、第2導電路16を流れる電流の向きが上述した「第1の向き」であると判定している間は、スイッチング素子24に対して継続的にオン信号を出力し、スイッチング素子24を継続的にオン状態とする。スイッチング素子24がオン状態のときには、第2導電路16において電圧変換部3と蓄電部92との間が双方向に通電可能となる。制御部2は、第1電流センサ31の検出値が第2導電路16での逆流状態を示す値となっている間、即ち、第2導電路16を流れる電流の向きが上述した「第2の向き」であると判定している間は、スイッチング素子24のゲートに対してオフ信号を継続的に出力し、スイッチング素子をオフ状態で継続的に維持する。このように、第2導電路16を流れる電流の向きが逆流状態となった場合、スイッチング素子24がオフ状態に切り替えられ、このとき、スイッチング素子24は、出力方向とは逆方向(第2の向き)に電流が流れることを防ぐ。
一方、制御部2は、電圧変換部3の動作制御を上述した保護モードの制御方式で行う場合、上述した第2制御(スイッチング素子4を継続的にオン状態とし、スイッチング素子6を継続的にオフ状態とする制御)の実行中、スイッチング素子24をオン状態で維持する。つまり、保護モードにおいて第2制御を実行している間は、第2導電路16が逆流状態となってもスイッチング素子24をオフ状態に切り替えない。
また、本構成の電圧変換装置1Aは、第2導電路16と基準導電路17との間に第3導電路18が接続されており、制御部2によって通常モード時の制御(第1制御)が行われているときには第3導電路18に電流を流す。一方、制御部2によって保護モード時の第2制御が行われているときには、スイッチング素子6が継続的にオフ状態で維持されるため、電圧変換部3から第3導電路18を介して基準導電路17へ電流が流れることが遮断される。
このように制御部2による第2制御(スイッチング素子4を継続的にオン状態とし、スイッチング素子6を継続的にオフ状態とする制御)の実行中には電圧変換部3から基準導電路17への電流の流れ込みが遮断される。但し、スイッチング素子6の短絡故障等が生じていると、制御部2が第2制御の実行によってスイッチング素子6を継続的にオフ制御している間でも第3導電路18を介して基準導電路17へ電流が流れ込む虞がある。そこで、図1等で示す構成では、第3導電路18を流れる電流を検出する第2電流センサ32を設けている。第2電流センサ32は、通電検出部の一例に相当し、少なくとも制御部2によって第2制御が行われているときの第3導電路18の通電状態を検出する機能を有する。
制御部2は、電圧変換部3の動作制御を上述した保護モードの制御方式で行う場合、少なくとも上述の第2制御(スイッチング素子4を継続的にオン状態とし、スイッチング素子6を継続的にオフ状態とする制御)の実行中、第2電流センサ32の検出値を監視する。そして、第2電流センサ32によって検出される電流値が第3導電路の通電状態を示す値(即ち、基準導電路17側への電流の流れ込みを示す値)である場合、所定の保護動作を行う。具体的には、制御部2は、第2電流センサ32によって検出される電流値が所定の電流閾値以上である場合に所定の保護動作を行う。保護動作としては、スイッチング素子4,20,24をオフ状態に切り替える動作などが挙げられ、このような保護動作により発電機91から第3導電路18への電流の流れ込みを防ぐとともに、蓄電部92から第3導電路18への電流の流れ込みも防ぐ。
また、電圧変換装置1Aは、短絡保護機能も有する。
制御部2は、第2導電路16に過電流が生じているか否かを判定することで電源ライン(第1導電路15及び第2導電路16)での短絡状態の発生を判断している。具体的には、制御部2が把握した第2導電路16の電流値Ioを予め定められた閾値Itと比較し、Io≦Itであれば過電流状態ではないと判断し、Io>Itであれば過電流状態であると判断することで、電源ラインの短絡状態を検出している。また、制御部2には、第2導電路16の電圧が入力され、第2導電路16に過電圧が生じているか否かを判定することでも、電源ラインでの短絡状態の発生を判断している。具体的には、制御部2が検出した第2導電路16の電圧値Voを予め定められた閾値Vtと比較し、Vo≦Vtであれば過電圧状態ではないと判断し、Vo>Vtであれば過電圧状態であると判断することで、電源ラインでの短絡状態を検出している。一方で、第1導電路15には、MOSFETとして構成される短絡保護用のスイッチング素子20が設けられている。
第2導電路16の電流値Ioが閾値It以下であること及び第2導電路16の電圧値Voが閾値Vt以下であることを制御部2が検出している間は、制御部2からスイッチング素子20のゲートに対してオン信号が継続的に出力される。このようにスイッチング素子20のゲートにオン信号が継続的に入力され、スイッチング素子20がオン状態で維持されている間は、発電機91と電圧変換部3との間が導通状態となり、電圧変換部3には、発電機91で発生する直流電圧が入力され続ける。
一方、第2導電路16の電流値Ioが閾値Itを超えていること、又は、第2導電路16の電圧値Voが閾値Vtを超えていることを制御部2が検出した場合には、制御部2からスイッチング素子20のゲートに対しオフ信号が出力される。このようにスイッチング素子20のゲートにオフ信号が入力され、スイッチング素子20がオフ状態に切り替わると、第1導電路15において発電機91側から電圧変換部3側への通電が遮断され、保護が図られる。
以上のように、本構成の車両用電源装置1は、発電機91の出力が第1の電圧状態であるときに、電圧変換部3のスイッチング素子4に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する第1制御を行い、発電機91の出力が第2の電圧状態であるときにスイッチング素子4に対してオン信号を継続的に出力する第2制御を行う。この構成によれば、電圧変換部3のスイッチング素子4をオンオフ動作させる第1制御と、電圧変換部3に設けられたスイッチング素子4を継続的にオン状態とする第2制御とを切り替えて行うことができる。第2制御では、スイッチング素子4を高速にオンオフ動作させる必要が無いため温度上昇を抑えることができ、発電機91の発電電力を低く抑えて出力側の経路に供給することで、出力側への電力供給をより適正に維持することができる。
また、第2導電路16には蓄電部92が電気的に接続されている。そして、蓄電部92は、満充電時の出力電圧が第1の電圧状態のときの発電機91の出力電圧(所定の高電圧Va1)よりも低くなっている。この構成によれば、発電機91の出力が相対的に高い第1の電圧状態であるときには、第1制御に応じた電圧変換部3でのスイッチング動作により、発電機91の発電電圧を降圧して蓄電部92の電圧に近づけた出力電圧を第2導電路16に対して出力することができる。また、発電機91の出力が相対的に低い第2の電圧状態であるときには、第2制御に応じた電圧変換部3でのオン動作により、スイッチング損失を抑え得る方式で蓄電部92の電圧に近づけた出力電圧を第2導電路16に対して出力することができる。
また、本構成の電源装置1及び電圧変換装置1Aは、電圧変換部3の所定の過負荷状態を検出する過負荷検出部を有している。そして、発電機制御部1Bは、過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合に発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替える構成となっている。この構成では、電圧変換部3が所定の過負荷状態となった場合に、発電機91の出力が第2の電圧状態に切り替えられ、これに応じて制御部2が第2制御を行うことになる。つまり、電圧変換部3が所定の過負荷状態となった場合にスイッチング損失を抑えつつ発電機91の発電電力を低く抑えて出力側の経路に供給することができるため、電圧変換部3の負荷を抑制しながらも出力側への電力供給をより適正に維持することができる。
上述したように、制御部2は、過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合、少なくとも第2制御を開始するまでの間に電圧変換部3の出力電流を抑える抑制制御を行ってもよい。この構成では、電圧変換部3が所定の過負荷状態となった場合、第2制御が開始するまでの間に、出力電流を抑える期間が設定される。よって、第2制御の実行開始によってスイッチング損失の抑制が開始されるまでの間の期間(移行期間)についても、過負荷状態の軽減が図られる。
本構成の電源装置1及び電圧変換装置1Aは、第2導電路16において出力方向とは逆方向に電流が流れることを許容しないオフ状態と許容するオン状態とに切り替わるスイッチング素子24と、第2導電路16を流れる電流の逆流状態を検出する逆流検出部(制御部2及び第1電流センサ31)と、制御部2によって第1制御が行われているときに逆流検出部によって第2導電路16の逆流状態が検出された場合にスイッチング素子をオフ状態に切り替え、制御部2によって第2制御が行われているときにはスイッチング素子をオン状態で維持するスイッチ制御部(制御部2)とを有する。この構成によれば、第1制御の実行によってスイッチング素子4のオンオフ動作が繰り返されているときに第2導電路16で電流の逆流が発生した場合、スイッチ制御部(制御部2)によってスイッチング素子をオフ状態に切り替えることができ、これにより逆流方向の通電を遮断することができる。一方、第2制御の実行によってスイッチング素子4が継続的にオン動作しているときには、スイッチ制御部(制御部2)は、スイッチング素子24をオン状態で維持する。制御部2が第2制御を行う時期には、第1導電路15と第2導電路16とが導通して近い電圧となるため、第2導電路16において逆流が生じやすくなる。このような時期に、スイッチング素子24を継続的にオン動作させることで、スイッチング素子24が頻繁にオフ動作すること、及びこれによるスイッチング素子24での損失増大を防ぐことができる。
本構成の電源装置1及び電圧変換装置1Aは、第2導電路16と基準導電路17との間に接続される第3導電路18を有する。制御部2によって第1制御が行われているときには、スイッチング素子6のオンオフ動作に応じて第3導電路18に電流が流れ、制御部2によって第2制御が行われているときには、スイッチング素子6の継続的なオフ動作により、電圧変換部3から第3導電路18を介して基準導電路17へ電流が流れることが遮断される。更に、少なくとも制御部2によって第2制御が行われているときの第3導電路18の通電状態を検出する通電検出部(制御部2及び第2電流センサ32)を有する。この構成によれば、制御部2が第2制御を行うことでスイッチング素子4が継続的にオン動作しているときに、素子故障等によって基準導電路17側へ電流が流れた場合に、その状態を把握することが可能となる。そして、第2制御時に第3導電路18で異常な流れ込みが生じた場合には、その状態を検出して適切な処理(上述した保護動作など)を行うことが可能となる。
<実施例2>
次に、実施例2について、主に図5を参照して説明する。
なお、以下の説明では、実施例1の電源装置1と同様の構成、機能については図1で示す電源装置1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図1で示す車載電源システム200は、車両用電源装置201(以下、電源装置201ともいう)と、発電機91と、蓄電部92と、負荷95とを備える。この車載電源システム200は、相対的に低い電圧(例えば14V程度)が印加される低圧系の電源ラインである第2導電路16と、相対的に高い電圧(例えば24V程度)が印加される高圧系の電源ラインである第1導電路15とを有する。第2導電路16には蓄電部92や負荷95が接続され、第1導電路15には発電機91が接続されており、これらの間には電源装置201が設けられている。発電機91、蓄電部92、負荷95の構成、機能は実施例1のそれぞれと同一である。
図1の電源装置201は、車両用電圧変換装置201A(以下、電圧変換装置201Aともいう)と、発電機制御部1Bとを有する。電圧変換装置201Aは、入力側導電路(第1導電路15)に印加された直流電圧を降圧して出力側導電路(第2導電路16)に出力する機能を有する。発電機制御部1Bは、実施例1の発電機制御部1Bと同様の構成、機能を有し、発電機91の出力電圧を、第1の電圧状態(発電電圧が所定の高電圧Va1である状態)と第1の電圧状態のときよりも電圧が低い第2の電圧状態(発電電圧が所定の低電圧Va2である状態)とに切り替える機能を有する。
電圧変換装置1Aは、第1導電路15、第2導電路16、基準導電路17、制御部202、電圧変換部203A,203B,203C、第1電流センサ31、第2電流センサ232A,232B,232C、スイッチング素子220A,220B,220C,スイッチング素子224A,224B,224C、電圧検出部38などを備える。
複数の電圧変換部203A,203B,203Cは、発電機91に電気的に接続された第1導電路15と蓄電部92に電気的に接続された第2導電路16の間に並列に接続されている。複数の電圧変換部203A,203B,203Cはいずれも、第1導電路15と第2導電路16との間に設けられたスイッチング素子(スイッチング素子204A,204B,204Cの各々)を備え、スイッチング素子のオンオフ動作により第1導電路15に印加された入力電圧を降圧して第2導電路16に出力する機能を有する。
第1導電路15には、複数の電圧変換部203A,203B,203Cの各々への入力経路となる個別入力路215A,215B,215Cが設けられている。複数の個別入力路215A,215B,215Cは、電圧変換部203A,203B,203Cの各々に接続されている。第2導電路16には、複数の電圧変換部203A,203B,203Cの各々からの出力経路となる個別出力路216A,216B,216Cが設けられており、複数の個別出力路216A,216B,216Cは、電圧変換部203A,203B,203Cの各々に接続されている。基準導電路17は、グラウンドとして構成され、一定電位(例えばグラウンド電位である0V)に保たれている。
電圧変換部203A,203B,203Cは、同期整流方式の降圧型コンバータとして機能する。電圧変換部203Aは、スイッチング素子204A、スイッチング素子206A、コイル212Aなどを備える。電圧変換部203Bは、スイッチング素子204B、スイッチング素子206B、コイル212Bなどを備える。電圧変換部203Cは、スイッチング素子204C、スイッチング素子206C、コイル212Cなどを備える。なお、第1導電路15側に設けられた入力コンデンサや、第2導電路16側に設けられた出力コンデンサの図示は省略している。
制御部202は、実施例1の制御部2と同様のハードウェア構成であり、マイクロコンピュータとして構成された制御回路202Aと、制御回路202Aからの信号に応じたPWM信号を出力する駆動部202Bとを有する。
第1電流センサ31は、実施例1と同様の構成、機能を有する。第2電流センサ232A,232B,232Cは、いずれも公知の電流検出回路によって構成され、具体的には、実施例1の第2電流センサ32と同様の電流センサとして構成されている。本構成では、第2導電路16と基準導電路17との間に複数の第3導電路218A,218B,218Cが接続されている。具体的には、電圧変換部203Aのスイッチング素子206Aと基準導電路17との間に第3導電路218Aが設けられ、電圧変換部203Bのスイッチング素子206Bと基準導電路17との間に第3導電路218Bが設けられ、電圧変換部203Cのスイッチング素子206Aと基準導電路17との間に第3導電路218Cが設けられる。第2電流センサ232Aは、第3導電路218Aを流れる電流の大きさを示す検出値を図示しない入力線を介して制御部2に入力する構成をなす。第2電流センサ232Bは、第3導電路218Bを流れる電流の大きさを示す検出値を、図示しない入力線を介して制御部2に入力する構成をなす。第2電流センサ232Cは、第3導電路218Cを流れる電流の大きさを示す検出値を、図示しない入力線を介して制御部2に入力する構成をなす。制御部2は、第2電流センサ232A,232B,232Cから入力される各検出値によって第3導電路218A,218B,218Cのそれぞれの電流値(出力電流値)を個別に把握する。
電圧検出部38は、実施例1の電圧検出部38と同様の構成をなす。制御部202は、電圧検出部38からの入力値に基づき、実施例1の制御部2と同様の方法で第2導電路16の電圧値を把握する。温度センサ35は、実施例1の温度センサ35と同様の構成をなす。制御部202は、温度センサ35からの入力値に基づき、実施例1の制御部2と同様の方法で電圧変換部3の温度を把握する。
ここで、通常モードでの制御方式について説明する。
制御部202は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である場合、発電機制御部1Bに対して第1信号を出力する。発電機制御部1Bは、この第1信号に応じて、発電機91の出力電圧(発電電圧)を上述した所定の高電圧Va1に制御する。制御部202は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である場合、即ち、発電機91の出力電圧が所定の高電圧Va1に制御される場合に、電圧変換部3の動作制御を通常モードでの制御方式で行う。
制御部202は、電圧変換部203A,203B,203Cの動作制御を通常モードの制御方式で行う場合、制御回路202Aにより、電圧検出部38からの検出値によって把握される出力電圧値と目標電圧値とに基づき、出力電圧値を目標電圧値に近づけるように公知の方式でフィードバック制御を行い、電圧変換部203A,203B,203Cの各々(各相)に与えるPWM信号のデューティを設定する。制御回路202Aは、デューティを更新する毎に、新たに設定されたデューティのPWM信号を駆動部202Bに出力する。駆動部202Bは、制御回路202Aで生成されたPWM信号を相補的な信号として電圧変換部203A,203B,203Cの各々に分配する回路である。なお、電圧変換部203A,203B,203Cに与えるPWM信号のタイミングは特に限定されず、例えば、制御部202は、電圧変換部203A,203B,203Cの各々出力される相補的なPWM信号を、公知の方法によって相毎に位相をずらして出力する。
このように、制御部202は、発電機91の出力が第1の電圧状態であるとき(具体的には発電電圧が所定の高電圧Va1であるとき)に、電圧変換部203A,203B,203Cのスイッチング素子204A,204B,204C,206A,206B,206Cに対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する制御(第1制御)を行う。制御部202は、このような通常モードでの制御を、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である間、継続的に実行し、この期間は電圧変換部203A,203B,203Cによる降圧動作が継続する。
次に、保護モードでの制御方式について説明する。
制御部202は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である場合、発電機制御部1Bに対して第2信号を出力する。発電機制御部1Bは、この第2信号に応じて、発電機91の出力電圧(発電電圧)を上述した所定の低電圧Va2に制御する。制御部202は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である場合、即ち、発電機91の出力電圧が所定の低電圧Va2に制御される場合に、電圧変換部203A,203B,203Cの動作制御を保護モードでの制御方式で行う。
制御部2は、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上となった場合、所定のタイミングで通常モードのときの第1制御から保護モードのときに行うべき第2制御に切り替える。「所定のタイミング」は、実施例1で例示された「所定のタイミング」を採用することができる。制御部2が電圧変換部203A,203B,203Cに対する制御を第1制御から第2制御に変更すると、スイッチング素子204A,204B,204Cが継続的にオン状態となり、スイッチング素子206A,206B,206Cが継続的にオフ状態となる。これにより、第1導電路15と第2導電路16とが継続的に導通した状態となり、第1導電路15と第2導電路16とがほぼ同程度の電圧となり、発電機91の発電電圧(所定の低電圧Va2)と同程度の電圧で保たれる。このような発電機91からの電力供給により、負荷95に対して必要な電流の供給を維持することができる。
このように、制御部202は、発電機91の出力が第2の電圧状態であるとき(具体的には、発電機91の発電電圧が所定の低電圧Va2であるとき)にスイッチング素子204A,204B,204Cに対してオン信号を継続的に出力する制御(第2制御)を行う。制御部202は、このような保護モードでの制御を、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である間、継続的に実行し、この期間は電圧変換部内を継続的に導通させた状態が継続する。
本構成でも、温度センサ35及び制御部2が過負荷検出部の一例に相当し、電圧変換部3の所定の過負荷状態(温度センサ35の検出温度が所定の閾値以上である状態)を検出する機能を有する。また、発電機制御部1Bは、この過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合に発電機91の出力を第2の電圧状態(発電電圧が所定の低電圧Va2である状態)に切り替える機能を有する。なお、本構成でも、過負荷検出部によって所定の過負荷状態が検出された場合、少なくとも制御部202が上記第2制御を開始するまでの間に、実施例1で例示した方法と同様の方法で電圧変換部3の出力電流を抑える抑制制御を行ってもよい。
次に、逆流保護に関する構成について説明する。
本構成でも実施例1と同様の逆流保護機能を有する。電圧変換装置201Aに設けられた制御部202は、実施例1の制御部2と同様、第1電流センサ31によって入力された値に基づき、第2導電路16を流れる電流の値と、電流の向きを検出している。制御部202は、第2導電路16を流れる電流の向きが電圧変換部側から蓄電部92側に向かう第1の向き(即ち、スイッチング素子24において、ソース側からドレイン側に向かう向き)であるか、蓄電部92側から電圧変換部側へ向かう第2の向き(即ち、スイッチング素子24において、ドレイン側からソース側に向かう向き)であるかを判定し得る。なお、制御部202及び第1電流センサ31は、逆流検出部の一例に相当する。また、第2導電路16の各個別出力路216A,216B,216Cには、MOSFETとして構成されるスイッチング素子224A,224B,224Cが設けられ、スイッチング素子224A,224B,224Cは、スイッチ部の一例に相当する。制御部202は、スイッチ制御部の一例に相当する。
制御部202は、電圧変換部203A,203B,203Cの動作制御を上述した通常モードの制御方式で行う場合、少なくとも上述の第1制御(出力電圧値を目標電圧値に近づけるためにデューティの調整を行う制御)の実行中、第1電流センサ31の検出値を監視する。そして、制御部202は、第1電流センサ31の検出値が第2導電路16における正常な電流方向を示す値となっている間(第1の向きであると判定している間)は、スイッチング素子224A,224B,224Cに対して継続的にオン信号を出力し、スイッチング素子224A,224B,224Cを継続的にオン状態とする。一方、制御部202は、第1電流センサ31の検出値が第2導電路16での逆流状態を示す値となっている場合(第2の向きであると判定した場合)、例えば、スイッチング素子224A,224B,224Cの全てのゲートに対してオフ信号を継続的に出力する。この場合、スイッチング素子224A,224B,224Cはオフ状態となるが、スイッチング素子224A,224B,224Cの各ボディーダイオードの存在により、正常方向の通電は可能となる。よって、逆流を防ぎつつ、電圧変換部203A,203B、203Cの駆動を継続することができる。
また、図5の構成には、上述した逆流防止の構成に加え、第2電流センサ232A,232B,232Cを利用した保護回路が構成されている。制御部202は、第1制御中に第2電流センサ232A,232B,232Cの検出値を監視し、第2電流センサ232A,232B,232Cのいずれかの検出値が所定の正常範囲を外れた過電流状態を示す場合に、その過電流状態を示すセンサの検出対象(即ち、過電流が生じている第3導電路)が設けられた電圧変換部の降圧動作を停止させ、且つその電圧変換部に接続された個別入力路に設けられたスイッチング素子と、その電圧変換部に接続された個別出力路に設けられたスイッチング素子とをオフ状態にする。例えば、第1制御中に第2電流センサ232Aの検出値が正常範囲を外れた過電流状態を示す場合に、その第2電流センサ232Aの検出対象である第3導電路218Aが設けられた電圧変換部203Aのスイッチング素子204A,206Aのゲートに対してオフ信号を継続的に出力することで、降圧動作を停止させ、且つその電圧変換部203Aに接続された個別入力路215Aに設けられたスイッチング素子220Aと、その電圧変換部203Aに接続された個別出力路216Aに設けられたスイッチング素子224Aとをオフ状態にする。これにより、異常が生じている相である電圧変換部203Aの動作を停止させることができ、それ以外の電圧変換部203B,203Cを動作させても、異常によって停止している電圧変換部203Aに対して入力側及び出力側から電流を流入させないようにすることができる。
一方、制御部202は、電圧変換部203A,203B,203Cの動作制御を上述した保護モードの制御方式で行う場合、上述した第2制御(スイッチング素子204A,204B,204Cを継続的にオン状態とし、スイッチング素子206A,206B,206Cを継続的にオフ状態とする制御)の実行中、スイッチング素子224A,224B,224Cをオン状態で維持する。つまり、保護モードにおいて第2制御を実行している間は、第2導電路16が逆流状態となってもスイッチング素子224A,224B,224Cをオフ状態に切り替えない。
制御部202によって保護モード時の第2制御が行われているときには、スイッチング素子206A,206B,206Cが継続的にオフ状態で維持されるため、基本的には、電圧変換部203A,203B,203Cから各第3導電路218A,218B,218Cを介して基準導電路17へ電流が流れることが遮断される。
図5で示す構成では、第3導電路218A,218B,218Cの各々に設けられた第2電流センサ232A,232B,232Cが通電検出部の一例に相当し、少なくとも制御部202によって第2制御が行われているときの第3導電路218A,218B,218Cの通電状態を検出する機能を有する。
制御部202は、保護モードの制御方式で行う場合でも、通常モード時と同様、第2電流センサ232A,232B,232Cを利用した保護動作を行う。制御部202は、第2制御の実行中、第2電流センサ232A,232B,232Cの検出値を監視する。第2電流センサ232A,232B,232Cのいずれかによって検出される電流値が所定の電流閾値(通電状態と非通電状態を判定する閾値)以上である場合、所定の保護動作を行う。具体的には、第3導電路218A,218B,218Cのうち、検出される電流値が所定の電流閾値以上であると判断された導電路が設けられた相の電圧変換部の動作を停止させ、上流側と下流側のスイッチング素子をオフ状態とするように保護動作を行う。例えば、第2制御の実行中に第2電流センサ232Aによって検出される電流値が所定の電流閾値(通電状態と非通電状態を判定する閾値)以上である場合、第2電流センサ232Aの検出対象である第3導電路218A(即ち、電流が流れている導電路)が設けられた電圧変換部203Aのスイッチング素子204A,206Aに対してオフ信号を継続的に出力し、導通動作を停止させる。更に、この電圧変換部203Aの入力側の個別入力路215Aに設けられたスイッチング素子220Aをオフ状態に切り替え、電圧変換部203Aの出力側の個別出力路216Aに設けられたスイッチング素子224Aをオフ状態に切り替える。これにより、異常が生じている電圧変換部203Aの動作を確実に停止させつつ、それ以外の電圧変換部203B,203Cの導通状態を維持しても、異常が生じている電圧変換部203Aに対して入力側及び出力側から電流を流入させないようにすることができる。
本構成では、スイッチング素子224A,224B,224Cがスイッチ部の一例に相当し、第2導電路16において出力方向とは逆方向に電流が流れることを許容しないオフ状態と許容するオン状態とに切り替わる機能を有する。制御部202は、スイッチ制御部の一例に相当し、第1制御が行われているときに逆流検出部によって第2導電路16の逆流状態が検出された場合にスイッチング素子224A,224B,224Cのいずれか又は全てをオフ状態に切り替え、第2制御が行われているときにはスイッチング素子224A,224B,224Cをオン状態で維持するように機能する。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上述した実施例における蓄電部92の具体例はあくまで一例であり、いずれの例においても、蓄電部92の種類や発生電圧は上述した例に限定されず、様々に変更することができる。
(2)上述した実施例では、第2導電路に負荷が接続される例を示したが、いずれの例においても、第1導電路に負荷が接続されていてもよい。また、いずれの例においても、負荷の数は特に限定されない。
(3)上述した実施例における蓄電部92の具体例はあくまで一例であり、いずれの例においても、蓄電部92の種類や発生電圧は上述した例に限定されず、様々に変更することができる。また、いずれの例においても、発電機91の種類や発生電圧(出力し得る電圧の範囲)は上述した例に限定されない。
(4)上述した実施例では、過負荷検出部が、所定の過負荷状態として、電圧変換部の温度が所定温度以上である状態(温度センサ35による検出温度が所定閾値以上である状態)を検出する例を示したが、いずれの例においても、この構成に限定されない。例えば、電圧変換部の温度の上昇率が一定値を超えた場合に過負荷状態と判断するような例であってもよい。或いは、電圧変換部の温度と、電圧変換部の外部の温度が所定の関係にある場合(例えば、電圧変換部の温度が所定の第1閾値以上であり、外部温度が所定の第2閾値以上である場合など)を過負荷状態としてもよく、電圧変換部の温度と電圧変換部の外部の空気の流動状態(例えば外部の風速)とが所定の関係にある場合を過負荷状態としてもよい。
(5)上述した実施例では、過負荷検出部が所定の過負荷状態を検出した場合に、第1制御から第2制御に切り替える例を示したが、いずれの例においても、この構成に限定されない。例えば、過負荷状態以外の予め定められた所定の時期に第2制御を行うような例でもよい。
(6)上述した実施例では、制御部2と発電機制御部1Bとが別々の制御装置として構成された例を示したが、いずれの例においても、これらが共通の制御装置として構成されていてもよい。
(7)実施例2では、3つの電圧変換部が並列に接続された3相構造の降圧コンバータとして構成される電源装置を例示したが、実施例2の構成、又は実施例2の構成を変更したいずれの例においても、2つ、又は4以上の電圧変換部が並列に接続された構成であってもよい。
(8)上述した実施例では、第3導電路に設けられた第2電流センサにより電圧変換部からグラウンド側へ流れる電流を検出する構成を例示し、第2制御中に第2電流センサによって通電状態が検出された場合に保護動作を行う例を説明した。しかし、この構成に代えて、又はこの構成に加えて、電圧変換部の入力側の電流値と出力側の電流値とを検出し得る構成を設け、入力側と出力側の電流差に基づいてグラウンド側への電流の流れ込みが発生しているか否かを判定してもよい。例えば、図6の回路構成は、実施例2の電源装置201に第3電流センサ233を設けた点のみが実施例2の電源装置201の回路構成と異なっている。この構成では、例えば制御部202は、第2制御(保護モード時の制御)を行っているときに、第3電流センサ233で検出される電流値と第1電流センサ31で検出される電流値を継続的に監視し、第3電流センサ233によって検出される電流値と、第1電流センサ31によって検出される電流値との差が一定値以上である場合に、第3導電路218A,218B,218Cの少なくともいずれか通電状態であると判定することができる。この場合、制御部202、第1電流センサ31、第3電流センサ233が通電検出部の一例に相当し、第2制御(保護モード時の制御)が行われているときの第3導電路218A,218B,218Cの通電状態を検出するように機能する。このような方式で、第2制御時のグラウンド側への流れ込みを検出する場合、第2制御時に第3導電路218A,218B,218Cのいずれかが通電状態であると判定された場合、電圧変換部203A,203B,203Cの動作を全て停止させ、スイッチング素子220A,220B,220C、スイッチング素子224A,224B,224Cを全てオフ状態にするように保護動作を行ってもよい。このような保護動作を行う場合、図5で示す、第2電流センサ232A,232B,232Cを省略することもできる。
(9)上述した実施例では、検知部に相当する制御部(制御部2又は制御部202)が、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満であるか否かを判定し、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満である間、発電機制御部1Bに対して第1信号(発電機91の出力を第1の電圧状態に切り替えることを要求する要求信号)を出力し、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上である間、発電機制御部1Bに対して第2信号(発電機91の出力を第2の電圧状態に切り替えることを要求する要求信号)を出力する構成を例示した。つまり、上述した実施例の構成は、発電機91の出力電圧を第1の電圧状態とする条件が成立していること(即ち、温度センサ35による検出温度が所定の閾値未満であること)を「第1の電圧状態」として検知し、発電機91の出力電圧を第2の電圧状態とする条件が成立していること(即ち、温度センサ35による検出温度が所定の閾値以上であること)を「第2の電圧状態」として検知する構成であった。しかし、いずれの例においても、この検知方法に限定されない。例えば、検知部に相当する制御部(制御部2又は制御部202)が発電機91の出力電圧そのものを監視し、発電機91の出力電圧が所定の電圧閾値以上である場合に第1の電圧状態であると検知し、発電機91の出力電圧が所定の電圧閾値未満である場合に第2の電圧状態であると検知してもよい。或いは、発電機制御部1Bから発電機91に対して第1の電圧状態に制御する信号が出力されていることを第1の電圧状態として検知し、発電機制御部1Bから発電機91に対して第2の電圧状態に制御する信号が出力されていることを第2の電圧状態として検知してもよい。このように、制御部が発電機91の出力状態を把握できる方法であればよい。
(10)実施例2の図5の構成や図6の構成では、代表例として温度センサ35がいずれかの電圧変換部に設けられた構成を例示したが、温度センサ35は、各相の電圧変換部において例えばスイッチング素子の付近にそれぞれ設けられていてもよい。この場合、いずれかの温度センサによる検出温度が所定の閾値未満である場合に発電機91の出力を第1の電圧状態とし、所定の閾値以上である場合に発電機91の出力を第2の電圧状態としてもよい。或いは、全ての温度センサによる検出温度の平均値が所定の閾値未満である場合に発電機91の出力を第1の電圧状態とし、所定の閾値以上である場合に発電機91の出力を第2の電圧状態としてもよい。
1,201…車両用電源装置
1A,201A…車両用電圧変換装置
1B…発電機制御部
2,202…制御部(検知部、過負荷検出部、逆流検出部、スイッチ制御部)
3,203A,203B,203C…電圧変換部
4,204A,204B,204C…スイッチング素子
15…第1導電路
16…第2導電路
17…基準導電路
18,218A,218B,218C…第3導電路
24,224A,224B,224C…スイッチ部
31…第1電流センサ(逆流検出部)
32…第2電流センサ(通電検出部)
35…温度センサ(過負荷検出部)
91…発電機
92…蓄電部

Claims (4)

  1. 出力電圧が可変である発電機に電気的に接続された第1導電路と第2導電路との間に設けられたスイッチング素子を備え、前記スイッチング素子のオンオフ動作により前記第1導電路に印加された入力電圧を降圧して前記第2導電路に出力する電圧変換部と、
    前記発電機の出力電圧が第1の電圧状態又は前記第1の電圧状態のときよりも電圧が低い第2の電圧状態のいずれであるかを検知する検知部を有し、当該検知部により前記発電機の出力が前記第1の電圧状態であると検知されたときに前記電圧変換部の前記スイッチング素子に対してオン信号とオフ信号とが交互に繰り返される制御信号を出力する第1制御を行い、前記発電機の出力が前記第2の電圧状態であると検知されたときに前記スイッチング素子に対してオン信号を継続的に出力する第2制御を行う制御部と、
    を有する車両用電圧変換装置。
  2. 前記第2導電路には、満充電時の出力電圧が前記第1の電圧状態のときの前記発電機の出力電圧よりも低くなる蓄電部が電気的に接続されている請求項1に記載の車両用電圧変換装置。
  3. 前記第2導電路に設けられ、前記第2導電路において出力方向とは逆方向に電流が流れることを許容しないオフ状態と許容するオン状態とに切り替わるスイッチ部と、
    前記第2導電路を流れる電流の逆流状態を検出する逆流検出部と、
    前記制御部によって前記第1制御が行われているときに前記逆流検出部によって前記第2導電路の逆流状態が検出された場合に前記スイッチ部をオフ状態に切り替え、前記制御部によって前記第2制御が行われているときには前記スイッチ部をオン状態で維持するスイッチ制御部と、
    を有する請求項1又は請求項2に記載の車両用電圧変換装置。
  4. 前記第2導電路と基準導電路との間に接続され、前記制御部によって前記第1制御が行われているときに電流が流れる第3導電路を有し、
    前記制御部によって前記第2制御が行われているときに前記電圧変換部から前記第3導電路を介して前記基準導電路へ電流が流れることが遮断される構成であり、
    少なくとも前記制御部によって前記第2制御が行われているときの前記第3導電路の通電状態を検出する通電検出部を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用電圧変換装置。
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