JP2013035435A - 車両の電源装置支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレーム2と、これら1対のリヤサイドフレーム2に亙って設けられたリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6を載置可能で且つリヤフロアパネル3よりも上方に離隔配置された後側支持部材40と、後側支持部材40よりも上側位置において一端がホイールハウス15の固定座15aに連結され且つ他端が後側支持部材40の連結部43bに連結された左右1対の直線状の連結部材50と、左右1対の連結部材50の一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる第1車幅方向連結部材51とを備えている。
【選択図】 図3
Description
特許文献2のバッテリの支持構造は、駆動用バッテリを箱形のバッテリケースに収納し、このバッテリケースをリアシートバックの背面に取付ブラケットと取付ボルトとを用いて装備している。また、電源装置のうち、DC/DCコンバータを駆動用バッテリと分離し、リヤフロア上に載置すると共に、DC/DCコンバータの下部にクロスメンバを設置しDC/DCコンバータの後側にエクステンションメンバを設置している。
一般に、リヤフロアの後側部分には、下方へ凹入したスペアタイヤパンが設けられ、その内部にスペアタイヤが収容されている。剛体であるスペアタイヤは、車両の後方衝突の際、車体側部材が潰れ変形する場合でも、衝突荷重によりその形状を維持した状態で車両前方へ移動される。それ故、特許文献1のようにキックアップ部の前部を回動中心として駆動用バッテリの後部を上方へ押上げても、駆動用バッテリがリヤフロア上に配置されているため、駆動用バッテリに対して前方移動したスペアタイヤが干渉する虞がある。
駆動用バッテリは、補機用のバッテリに比べて高電圧の電力を大量に充放電するため、容量が大きく、例えば、40Kg程度の大型装置である。そのため、バッテリの支持剛性が低い場合、車両の走行振動に伴い駆動用バッテリが一定周期で振動を生じ、このバッテリ振動に起因して車室内に40Hz前後の低周波こもり音が発生する虞がある。
しかも、特許文献2のバッテリの支持構造では、クロスメンバとエクステンションメンバとによりDC/DCコンバータの支持剛性を高めているため、車体重量が増加し、車両の後方衝突の際、車体側部材の潰れ変形の阻害を招く可能性がある。即ち、この支持構造では、依然として、DC/DCコンバータと移動したスペアタイヤとの干渉の点で課題が残り、DC/DCコンバータの保護と衝突荷重の吸収軽減との両立は困難である。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴としている。
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴としている。
また、車幅方向連結部材と左右1対の直線状の連結部材とこれら連結部材に連結された支持部材とにより電源装置を支持するため、支持部材を小型化でき、支持部材の重量を低減することができる。
以上により、電源装置の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、電源装置の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
請求項4の発明によれば、支持部材を小型化できるため、電源装置の支持剛性を維持しつつ、車体重量を一層軽量化することができる。
請求項6の発明によれば、電源装置を上方からトラス構造で支持するため、電源装置の支持剛性向上と支持部材の小型化とを効果的に図ることができる。
請求項8の発明によれば、左右1対の連結部材と保護連結構造とにより電源装置の周囲を囲むため、支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
実施例1に係る車両1は、左右1対のリアサイドフレーム2と、フロントフロアパネル4の後端に連なるリヤフロアパネル3と、駆動用バッテリ6と、燃料タンク7等を備え、駆動源を走行用電動モータ(図示略)とエンジン(図示略)とに切換え可能なセダンタイプのハイブリッド自動車である。
左右1対のリアサイドフレーム2とリヤフロアパネル3は、フロントフロアパネル4の後端から後方上がり傾斜状にキックアップ部8を形成している。このキックアップ部8の後端部分には、左右のリアサイドフレーム8に亙って車幅方向に延びるNo.4クロスメンバ9が形成されている。図4に示すように、No.4クロスメンバ9は、断面ハット状の上側部材9aと下側部材9bとがリヤフロアパネル3を間に挟み込む2つの閉断面構造を形成している。キックアップ部8の前側部分には、リヤシート10を設置するための段差部が形成されている。
燃料タンク7は、扁平状に形成され、側面視にてキックアップ部8の途中部分の下側且つNo.4クロスメンバ9の前側位置に所定距離離間するように吊り下げ配置されている。
サイレンサ19は、スペアタイヤパン12の下側に固定されている。このサイレンサ19は、エンジンからの排気を排気管20を介して導入し、消音後、外部へ排気を排出可能に形成されている。
左右1対のホイールハウス15には、左右1対の固定座15aが夫々形成されている。
各固定座15aは、ホイールハウス15の上側且つ後側位置に車室内側へ突出するように形成されている。左右1対のホイールハウス15には、車室内側を上下方向に延びる前後1対の補強メンバ(図示略)やこれら補強メンバの上部を連結するガセット(図示略)等が設けられ、サスペンション周りの剛性を強化している。
図3に示すように、駆動用バッテリ6の後端には、右側部分にサービスプラグ接続用のサービスホール6aが設けられている。尚、本実施例の駆動用バッテリ6は、配電盤やDC/DCコンバータ等が一体的に設けられたバッテリユニットとして形成されている。
補機用バッテリ23は、前後方向の幅が駆動用バッテリ6の前後方向幅と略同じ幅に設定され、両バッテリ6,23の後端が略面一になるよう配置されている。補機用バッテリ23上端の高さ位置は、ホイールハウス15の固定座15aよりも低く且つ駆動用バッテリ6上端の高さ位置よりも高くなるように設定されている。
この電源装置支持構造は、前側支持部材30と、後側支持部材40と、後側保護連結構造5等により形成されている。
図5に示すように、駆動用バッテリ6は、前側支持部材30と、後側支持部材40とに載置されている。前側支持部材30は、断面略ハット状の金属製板材により形成され、左右1対のリアサイドフレーム2の間において車幅方向に延びるように配置されている。
図4,5に示すように、前側支持部材30は、前端フランジ部31と、後端フランジ部32と、両フランジ部31,32との間に一体的に形成された支持部33等を備えている。
左右1対の固定ブラケット24の頂部は、リアサイドフレーム2の上部よりも上側位置に配置されるように形成され、それらの頂部には、上方へ延びるボルト部が夫々形成されている。前端フランジ部31の固定は、固定ブラケット24のボルト部を固定部31aの開口に挿通させて前端フランジ部31を固定ブラケット24に着座させた後、ナット25により締結固定している。
左右1対の着座部43aは、支持部43の前後方向の途中部分左部と右部に車幅方向に並んで上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の後部を載置可能に構成されている。左右1対の連結部43bは、夫々、左右1対の着座部43aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、後述する左右1対の連結部材50の端部と連結されている。
尚、図2に示すように、補機用バッテリ23は、後側支持部材40の上部と、No.4クロスメンバ9の上部とに載置されている。
図1〜4に示すように、後側保護連結構造5は、左右1対の連結部材50と、第1車幅方向連結部材(車幅方向連結部材)51と、左右1対の傾斜連結部材52とにより形成されている。左右1対の連結部材50は、夫々、直線状に形成され、例えば、直径10mm程度の金属製パイプ材により構成されている。右側の連結部材50は、一端がホイールハウス15の右側固定座15aに連結されると共に他端が支持部43の右側連結部43bに連結され、車幅方向内側程高さ位置が低くなるように傾斜配置されている。図4に示すように、固定座15aの前後方向位置が右側連結部43bの前後方向位置と略同じ前後方向位置に設定されているため、連結部材50は、側面視にて略鉛直状に設置され、駆動用バッテリ6と補機用バッテリ23との後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されている。左側の連結部材50は、右側の連結部材50と左右対称の構造に構成されている。
この車両1の電源装置支持構造によれば、駆動用バッテリ6を上方から吊り下げ状に支持するため、駆動用バッテリ6をリヤフロアパネル3から上方へ離隔配置することができ、車両1の後方衝突時、図6に示すように、リヤサイドフレーム2やリヤフロアパネル3等の変形に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤT等の車体側部材との干渉を回避できる。しかも、左右1対の連結部材50を用いて車体強度部材である左右1対のホイールハウス15から吊り下げ状に駆動用バッテリ6を支持するため、連結部材50の張力を活用して駆動用バッテリ6の支持剛性を高くでき、車両1の走行振動に伴う駆動用バッテリ6の振動を抑制することができる。また、第1車幅も方向連結部材51と左右1対の直線状の連結部材50とこれら連結部材50に連結された後側支持部材40とにより駆動用バッテリ6を支持するため、後側支持部材40を小型化でき、後側支持部材40の重量を低減することができる。
以上により、駆動用バッテリ6の振動に起因する車室内の低周波こもり音発生を防止しつつ、駆動用バッテリ6の損傷防止と車体重量の軽量化とを両立することができる。
リヤフロアパネル3は駆動用バッテリ6よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパン12を有しているため、後方衝突時、衝突荷重によるスペアタイヤTの前方移動に拘わらず、駆動用バッテリ6とスペアタイヤTとの干渉を回避することができる。
図8に示すように、パッケージトレイパネル17の下部には、下方へ延びる左右1対のブラケット28が形成されている。これら左右1対のブラケット28は、夫々、支持部43の左右1対の連結部43bの直上方位置に配置されている。
実施例1では、駆動用バッテリ6の後部を単一の後側支持部材40に載置したが、本実施例では、駆動用バッテリ6の後部を左右1対の分割支持部材40Aに載置している。左右1対の分割支持部材40Aは、左右対称の構造であるため、右側の分割支持部材40Aについて主に説明する。
この支持部43は、着座部46aと、連結部46bとを備えている。
着座部46aは、支持部46の左側部分に上方へ突出状に形成され、頂部が平坦状に形成され、駆動用バッテリ6の右側後部を載置可能に構成されている。
連結部46bは、着座部46aの後側近傍位置に上方へ突出状に形成され、右側の連結部材50の他端と右側の傾斜連結部材52の他端とに連結されている。
左側の前側傾斜連結部材58は、右側の前側傾斜連結部材58と左右対称の構造に構成されている。
しかも、第1車幅方向連結部材51と左右1対の連結部材50と保護連結構造55とにより駆動用バッテリ6の前後及び上側の周囲を囲むため、駆動用バッテリ6の支持剛性向上と前後保護性能及び上方保護性能向上とを効果的に図ることができる。
1〕前記実施例1においては、駆動用バッテリの後部を載置した単一の後側支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造の例を説明したが、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造とを組み合わせた支持構造でも良い。また、駆動用バッテリの後部を載置した左右1対の分割支持部材と、後側保護連結構造と、上側保護連結構造とを組み合わせた支持構造を採用することも可能である。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
2 リヤサイドフレーム
3 リヤフロアパネル
5 後側保護連結構造
6 駆動用バッテリ
12 スペアタイヤパン
14 車体側壁
15 ホイールハウス
29 上側保護連結構造
40 後側支持部材
40A 分割支持部材
50 連結部材
51 第1車幅方向連結部材
52 傾斜連結部材
53 上側連結部材
55 保護連結構造
Claims (8)
- 車両前後方向へ延びる左右1対のリヤサイドフレームと、これら1対のリヤサイドフレームに亙って設けられたリヤフロアパネルとを備えた車両の電源装置支持構造において、
前記電源装置を載置可能で且つ前記リヤフロアパネルよりも上方に離隔配置された支持部材と、
前記支持部材よりも上側位置において一端が車体側壁部材に連結され且つ他端が前記支持部材に連結された左右1対の直線状の連結部材と、
前記左右1対の連結部材の前記一端同士を直線的に連結して車幅方向に延びる車幅方向連結部材とを備えたことを特徴とする車両の電源装置支持構造。 - 前記左右1対の連結部材は前記電源装置の後端よりも所定間隔離隔して車両前後方向後側に配設されたことを特徴とする請求項1に記載の車両の電源装置支持構造。
- 前記支持部材の車幅方向左右端部が前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。
- 前記支持部材が左右1対の分割支持部材で構成され、
これら左右1対の分割支持部材は、前記左右1対の連結部材の前記他端と夫々連結されると共に前記左右1対のリヤサイドフレームに夫々連結されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の電源装置支持構造。 - 前記リヤフロアパネルは前記電源装置よりも後側部分に下方へ凹入したスペアタイヤパンを有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
- 前記左右1対の連結部材の前記他端と前記車幅方向連結部材の中央部とを連結する左右1対の傾斜連結部材とを設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
- 前記左右1対の連結部材の前記一端よりも上側位置で前記左右の車体側壁部材間に亙る梁部材と前記1対の連結部材の前記一端とを連結する左右1対の上側連結部材を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
- 前記電源装置の前面側と上面側とを保護するための保護連結構造であって、前端部の下端部が車体のクロスメンバに連結されると共に上端部の後端部が前記左右1対の連結部材の前記一端に連結された保護連結構造を設けたことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両の電源装置支持構造。
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