JP2022180720A - 車両の下部構造 - Google Patents

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裕貴 棗
Yuki Natsume
和宏 影山
Kazuhiro Kageyama
宏明 石津
Hiroaki Ishizu
三郎 河越
Saburo Kawagoe
晃拓 近藤
Akihiro Kondo
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Abstract

【課題】質量を増加させることなく、バッテリユニットのリレー部を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制することができる車両の下部構造の提供を目的とする。【解決手段】第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22との間を連結する連結部材60と、を備え、連結部材60は、車両前後方向に離間して第1バッテリユニット21に固定される第1固定部61F,61Rと、第2バッテリユニット22に固定される第2固定部62と、を備え、第1固定部の後端は第2固定部62より車両後方に位置し、連結部材60は前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部65を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、バッテリユニットを床下に搭載するような車両の下部構造に関する。
従来、バッテリユニットを床下に配置すると共に、該バッテリユニットに固定され車両の電気回路を切換えるリレー部を備えた車両の下部構造が知られている。
上記バッテリユニットに対する急速充電時のON、OFFに伴い電気回路を切換えるリレー部の接点接続に起因して、バッテリユニットを介してフロアパネルが共振し、車室内に音が伝達するという現象が発生する。
詳しくは、リレー部の電気的なON、OFF時に、物理的なリレー音が発生する。詳しくは、リレー部を構成するリレー内部の可動接点が固定接点に衝突接触する際、リレー音としての打音が発生し、このリレー音が、リレー部とバッテリユニットとを接続するジャンクションボックス、ラバーマウント、バッテリユニット、バッテリユニットの車体への固定部を介して車体に入力され、フロアパネルが振動して、車室内に音が伝達される。
PHEV(plug-in hybrid electric vehicle、プラグイン ハイブリッド)車両のように、トンネル部の左右に離間してバッテリユニットを設ける場合、上記リレー部を起振源として左右のバッテリユニットが位相遅れをもって前後に互い違いに動く共振モードとなる。
この共振モードを抑制するために、左右のバッテリユニット間を車幅方向に剛体連結した場合には(特許文献1参照)、左右のバッテリユニットが同相に動くだけで振動を抑制することはできない。
そこで、車体とバッテリユニットとの間に補強部材を設けて、振動抑制を図ることも考えられるが、この場合には、質量が増加するという新たな課題が生じることになる。
特開2020-45069号公報
そこで、この発明は、質量を増加させることなく、バッテリユニットのリレー部を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制することができる車両の下部構造の提供を目的とする。
この発明による車両の下部構造は、車幅方向外側において車両前後方向に延びるサイドシルと、上記サイドシルの車幅方向内側に隣接してフロアパネルの下方において車幅方向に離間して設けられる第1バッテリユニットおよび第2バッテリユニットと、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの少なくとも何れか一方に固定され車両の電気回路を切換えるリレー部と、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの間を連結する連結部材と、を備え、上記連結部材は、車両前後方向に離間して上記第1バッテリユニットに固定される第1固定部と、上記第2バッテリユニットに固定される第2固定部と、を備え、上記第1固定部の後端は上記第2固定部より車両後方に位置し、上記連結部材は前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部を備えたものである。
上述の連結部材としては、引張り力が強い特性を有する材料が好ましい。
上記構成によれば、第1固定部の後端と第2固定部とが車両前後方向にオフセットして設けられているので、斜め前後方向に離間した連結構造となる。この斜めの連結により、車両前後方向に対する入力に対して変形しにくい構造となる。つまり、連結部材の車両前後方向の剛性向上を図ることができる。
一方で、剛性低下部は連結部材の前後方向荷重に対する剛性を低下させる。これにより、連結部材は、剛性を強める要素と、剛性を弱める要素とを備えることができ、振動形態の逆相を維持できるように共振モードをコントロールすることができる。
よって、第1、第2の各バッテリユニットを同等の振動レベルで逆相の共振モードとなるように、連結部材の車両前後方向の剛性をコントロールし、左右のフロアパネルを逆相に振動させて、車室内に生じる音を打消すことができる。
要するに、質量を増加させることなく、バッテリユニットのリレー部を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制することができる。
ここで、連結部材に剛性を強める要素と剛性を弱める要素とが必要な点は次の理由による。
すなわち、連結部材の剛性をある程度高くすれば、振動の位相のずれが小さくなり、振動エネルギが均一化する。この結果、フロアパネルを逆相で振動させることができて、車室内に生じる音を打消すことができる。一方、連結部材の剛性を過度に高くすると、位相のずれが無くなり、第1バッテリユニットと第2バッテリユニットとが一体になって同相で動き、フロアパネルの振動が悪化する。このため、上記連結部材には、剛性を強める要素と、剛性を弱める要素とが必要となる。
なお、リレー部を起振源とする連結部材の変形はせん断変形であるが、リレー部を起振源として連結部材に作用するせん断応力の方向は車両前後方向であるから、車両前後方向の剛性で制御するものである。
この発明の一実施態様においては、上記連結部材は、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの間を車幅方向に連結する幅方向連結部と、一方のバッテリユニットの前部と他方のバッテリユニットの後部とを斜め方向に連結する斜め方向連結部と、を有するものである。
上記構成によれば、せん断変形に対して最も効率よく振動エネルギを伝達することができる。
この発明の一実施態様においては、上記複数の固定部材が車両前後方向に離間して設けられる上記第1固定部後部の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第1ビードを有するものである。
上記構成によれば次の如き効果がある。
すなわち、第1ビードが存在しない場合には複数の固定部材のうち前端側の固定部材に応力が集中するが、上記第1ビードを有することで、応力を後端側に分散することができ、連結部材の強度信頼性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記複数の固定部材が車両前後方向に離間して設けられる上記第2固定部の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第2ビードを有するものである。
上記構成によれば次の如き効果がある。
すなわち、第2ビードが存在しない場合には複数の固定部材のうち後端測の固定部材に応力が集中するが、上記第2ビードを有することで、応力を前端側に分散することができ、連結部材の強度信頼性を確保することができる。
この発明の一実施態様においては、上記剛性低下部は車幅方向に延びる複数のビードにより形成されたものである。
上記構成によれば、ビードが有する車幅方向の稜線により連結部材の所定部において剛性を低下させて、当該連結部材の変形自由度を確保することができるので、簡単な構成により剛性低下部を構成することができる。
この発明によれば、質量を増加させることなく、バッテリユニットのリレー部を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制することができるという効果がある。
本発明の車両の下部構造を備えた車両要部の底面図 図1の構造を車両下方から見た状態で示す斜視図 図1のA-A線矢視断面図 図1のB-B線矢視断面図 連結部材の底面図 連結部材の底面斜視図 図6とは異なる角度で示す連結部材の底面斜視図 図5のD-D線矢視断面図
質量を増加させることなく、バッテリユニットのリレー部を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制するという目的を、車幅方向外側において車両前後方向に延びるサイドシルと、上記サイドシルの車幅方向内側に隣接してフロアパネルの下方において車幅方向に離間して設けられる第1バッテリユニットおよび第2バッテリユニットと、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの少なくとも何れか一方に固定され車両の電気回路を切換えるリレー部と、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの間を連結する連結部材と、を備え、上記連結部材は、車両前後方向に離間して上記第1バッテリユニットに固定される第1固定部と、上記第2バッテリユニットに固定される第2固定部と、を備え、上記第1固定部の後端は上記第2固定部より車両後方に位置し、上記連結部材は前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は車両の下部構造を示し、図1は当該車両の下部構造を備えた車両要部の底面図、詳しくは、センタピラーおよびその前後方向位置を示す底面図、図2は図1の構造を車両下方から見た状態で示す斜視図、図3は図1のA-A線矢視断面図、図4は図1のB-B線矢視断面図である。
また、図5は連結部材の底面図、図6は連結部材の底面斜視図、図7は図6とは異なる角度で示す連結部材の底面斜視図、図8は図5のD-D線矢視断面図である。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印LEは車幅方向の左側外方を示し、矢印RIは車幅方向の右側外方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
図3に示すように、車幅方向の左右の両外側において車両前後方向に延びる車体強度部材としてのサイドシル1を設けている。このサイドシル1はサイドシルアウタ2とサイドシルインナ3とを接合固定して車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面4を備えている。この実施例では、センタピラー配設部位においてはサイドシルアウタ2とサイドシルインナ3との間にセンタピラーインナ5を挟持している。
図2、図3に示すように、センタピラー6はセンタピラーインナ5(図3参照)とセンタピラーアウタ7とを接合固定して車両の上下方向に延びるセンタピラー閉断面を備えた車体強度部材である。
図3に示すように、左右一対のサイドシル1におけるサイドシルインナ3,3間には、車室の床面を構成するフロアパネル8を設け、このフロアパネル8の車幅方向中央部にはトンネル部9を設けている。このトンネル部9はフロアパネル8と一体形成してもよく、別体のトンネル部9をフロアパネル8に取付ける構造を採用してもよい。
図3、図4に示すように、車室内へ突出して車両前後方向に延びるトンネル部9の上部左右のコーナ部には、トンネルレインフォースメント10(いわゆる、ハイマウントバックボーンフレーム)を取付けて、このトンネルレインフォースメント10とトンネル部9との間には、車両前後方向に延びるトンネル上部閉断面11を形成している。
図3、図4に示すように、上述のトンネル部9の下部左右のコーナ部には、トンネルサイドメンバ12を取付けて、このトンネルサイドメンバ12とトンネル部9との間には、車両前後方向に延びるトンネル下部閉断面13を形成している。
図1、図2に示すように、フロアパネル8の左右両サイドには、断面逆ハット形状の床下フロアフレーム14を取付け、フロアパネル8下面と床下フロアフレーム14との間には、車両前後方向に延びるフロアフレーム閉断面14a(図3参照)を形成して、フロア構造の車体剛性向上を図っている。
上述の床下フロアフレーム14は、フロアパネル8前端部からセンタピラー6後方部に対応するフロアパネル8の所定位置まで車両前後方向に延びている。
図1、図2に示すように、上述の床下フロアフレーム14の後端から図示しないリヤエンドパネルまで車両前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム15を設けている。このリヤサイドフレーム15はリヤシートパン16および荷室フロアの車幅方向両サイドに設けられた車体強度部材であって、リヤサイドフレーム15とリヤフロア(リヤシートパン16、荷室フロア)との間には、車両前後方向に延びるリヤサイドフレーム閉断面が形成されている。
ここで、図1に示すように、上述のサイドシル1の後部と、リヤサイドフレーム15の前部と、は車幅方向においてオーバラップするように構成されている。
この実施例では、車両としてPHEV(plug-in hybrid electric vehicle、プラグイン ハイブリッド)車両を例示しており、車両前部に搭載したエンジンから排出させる排気ガスを車両後方に導出するために、上述のトンネル部9を備えている。
図3に示すように、上述のサイドシル1の車幅方向内側に隣接し、フロアパネル8の下方においてトンネル部9を隔てて車幅方向に離間して第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22と、を設けている。
上述の第1および第2の各バッテリユニット21,22は、複数のバッテリモジュール17から成るバッテリ18と、バッテリ18の下部を覆う断面凹形状のバッテリトレイ23と、バッテリ18の上部を覆う断面逆凹形状のバッテリカバー24と、を備えている。
つまり、上述の第1および第2の各バッテリユニット21,22は、バッテリ18がバッテリトレイ23で支持されると共に、バッテリ18はバッテリトレイ23とバッテリカバー24とで囲繞されたバッテリ格納空間25内に配置されている。
また、上述の各バッテリユニット21,22におけるバッテリトレイ23の底面は空力性能を考慮して略平坦に形成されている。
図1、図2に示すように、第1バッテリユニット21の車幅方向内側前部には、コネクタ接続部26が設けられており、第1バッテリユニット21の前方に設けられた高電圧装置としてのインバータ27と、上述のコネクタ接続部26との間を、高電圧ケーブル28で接続するように構成している。
上述の高電圧ケーブル28は、その前後両端にインバータ側コネクタ29と、バッテリ側コネクタ30と、を備えており、インバータ側コネクタ29はインバータ27に接続され、バッテリ側コネクタ30はコネクタ接続部26に接続される。
上述のインバータ27はバッテリ18の直流電力から交流電力を得る電力変換装置であり、これは、モータ駆動システムの効率を高めることを目的として、車輪を交流モータで駆動するためである。
図1に示すように、第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22との少なくとも何れか一方には、車両の電気回路を切換えるリレー部31が固定されている。
この実施例では、車両左側に位置する第1バッテリユニット21の後部に立設したジャンクションボックス32の背面に複数のリレー33,34,35,36を取付け、これらの各リレー33~36により上述のリレー部31を構成している。
リレー33はマイナス側急速充電リレーであり、リレー34はプラス側急速充電リレーであり、リレー35はマイナス側普通充電リレーであり、リレー36はプラス側普通充電リレーであるが、各リレー33~36の種別は、これに限定されるものではない。
重量物である第1バッテリユニット21および第2バッテリユニット22の車幅方向外側は、図1~図3に示す中間固定部材37と後部固定部材38とで車体に固定されている。
中間固定部材37は各バッテリユニット21,22の車両前後方向中間部を車体に固定するもので、図1~図3に示すように、該中間固定部材37はバッテリ側取付け部37aと車体側取付け部37bとを有している。
中間固定部材37のバッテリ側取付け部37aは、複数のボルト等の締結部材39を用いて、各バッテリユニット21,22のバッテリトレイ23の側面に締結固定されている(図1、図2参照)。また、車体側取付け部37bは、複数のボルト、ナット等の締結部材40を用いて、車体フレームである床下フロアフレーム14の下面に締結固定されている(図3参照)。
上述の中間固定部材37は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の押出し成形品により形成されており、バッテリ側取付け部37aは中実構造に形成され、車体側取付け部37bは中空構造に形成されている。
また、上述の中空構造の車体側取付け部37bの上面部を、床下フロアフレーム14に締結する関係上、中空構造の車体側取付け部37bの下面部には、締結部材40を挿通させるための開口部37cが形成されている。
さらに、上述の中間固定部材37は、車両側突時において側突荷重を吸収するエネルギ吸収部材を兼ねるものである。
一方で、後部固定部材38は、各バッテリユニット21,22の車両前後方向の後部を車体に固定するもので、図1、図2に示すように、該後部固定部材38はバッテリ側取付け部38aと車体側取付け部38bとを有している。
図1、図2に示すように、後部固定部材38のバッテリ側取付け部38aは、複数のボルト等の締結部材41を用いて、各バッテリユニット21,22のバッテリトレイ23の後部側面に締結固定されている。また、車体側取付け部38bは、ボルト、ナット等の締結部材42を用いて、車体フレームであるリヤサイドフレーム15の下面に締結固定されている。
重量物である第1バッテリユニット21および第2バッテリユニット22の車幅方向内側は、図4に示す吊下げ部材43で車体に吊下げ支持されている。
図4は図1のB-B線矢視断面図で、図1のB-B線位置はセンタピラー6の前側に対応し、図1のC-C線位置はセンタピラー6の後側に対応する。また、図4ではB-B線位置における構造のみを示しているが、C-C線位置においても、B-B線位置と同様に、各バッテリユニット21,22が吊下げ部材43で車体に吊下げ支持されているので、C-C線矢視断面図は図示省略している。
図4に示すように、第1バッテリユニット21、第2バッテリユニット22を車体に吊下げ支持する左右の吊下げ部材43,43は、何れもバッテリ側取付け部43aと車体側取付け部43bとを有している。
図4に示すように、バッテリトレイ23の車幅方向内側から上方に延びる側壁部23aの上端にはフランジ部23bを一体形成しており、バッテリカバー24の車幅方向内側から下方に延びる側壁部24aの下端にもフランジ部24bを一体形成している。
これらの各フランジ部24b,23bを上下方向に当接し、さらにその上部に吊下げ部材43下部のバッテリ側取付け部43aを重ね合わせた状態で、長尺のボルト44とナット45とを用いて、これら三者43a,24b,23bを一体的に締結固定している。つまり、ボルト44,ナット45により上記三者43a,24b,23bを共締め固定している。
図4に示すように、吊下げ部材43によるバッテリ吊下げ位置の上部に対応して、トンネル部9の上部下面とトンネル部9の側部内面とに跨がってブラケット46を溶接固定している。
そして、吊下げ部材43上部の車体側取付け部43bを、ボルト47、ナット48等の締結部材を用いて上記ブラケット46の取付け座面に締結固定している。
これにより、各バッテリユニット21,22の車幅方向内側は、車両前後方向中間部において前後に離間した複数箇所が吊下げ部材43を介して車体強度部材であるトンネル部9に吊下げ支持されたものである。
ところで、車両下部にはエキゾーストパイプにて形成された排気通路(図示せず)を覆う前部インシュレータ51、中間部インシュレータ52、後部インシュレータ53が設けられている。これらの各インシュレータ51,52,53はそれぞれに分割形成されたものを、車両前後方向に連続するように車体に取付けたものである。
図1~図4に示すように、中間部インシュレータ52はトンネル部9の下方において第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22との間に位置している。前部インシュレータ51は中間部インシュレータ52よりも車両前側に位置している。後部インシュレータ53は中間部インシュレータ52よりも車両後側に位置している。
図1~図4に示すように、上述の中間部インシュレータ52より下方において、第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22との間を連結する連結部材60を設けている。
詳しくは、上述の連結部材60は、第1バッテリユニット21のバッテリトレイ23における底壁の車幅方向内側と、第2バッテリユニット22のバッテリトレイ23における底壁の車幅方向内側との間を、車幅方向に連結するものである(図4参照)。
図1、図5~図7に示すように、上述の連結部材60は、車両前後方向に離間して第1バッテリユニット21のバッテリトレイ23底壁に固定される前側の第1固定部61Fおよび後側の第1固定部61Rと、第2バッテリユニット22のバッテリトレイ23底壁に固定される第2固定部62と、を備えている。
上述の前側の第1固定部61Fと第2固定部62とは車幅方向の同一位置に設けられており、後側の第1固定部61Rの後端は第2固定部62よりも車両後方に位置している。この実施例では、後側の第1固定部61Rの全体が第2固定部62よりも車両後方に位置している。
図5、図6に示すように、前側の第1固定部61Fは、車両前後方向に離間して設けられる複数の固定部材としての複数のボルトB1,B2により、第1バッテリユニット21のバッテリトレイ23底壁に固定されている。
後側の第1固定部61Rは、車両前後方向に離間して設けられる複数の固定部材としての複数のボルトB3,B4,B5により、第1バッテリユニット21のバッテリトレイ23底壁に固定されている。
図5、図6に示すように、上述の第2固定部62は、車両前後方向に離間して設けられる複数の固定部材としての複数のボルトB6,B7,B8により、第2バッテリユニット22のバッテリトレイ23底壁に固定されている。
図5~図7に示すように、上述の前側の第1固定部61Fが形成された連結部材60の前部左端から第2固定部62が形成された連結部材60の前部右端近傍にかけて、下方に突出して車幅方向に延びるメインビード63を形成している。
また、図5~図7に示すように、上述のメインビード63の車幅方向右端から当該メインビード63の車幅方向中間部にかけて上方に突出して車幅方向に延びるサブビード64を形成している。このサブビード64は上述のメインビード63の後辺部に沿って形成されている。車幅方向に延びる各ビード63,64において、上述のメインビード63は、いわゆる下凸構造に形成されており、上述のサブビード64は、いわゆる上凸構造に形成されたものである。
上述の各ビード63,64を設けることで、図8に示すように、車幅方向に平行に延びる複数の稜線X1,X2,X3,X4,X5,X6が形成されている。上述の車幅方向に延びる複数のビード(メインビード63、サブビード64)とその稜線X1~X6とによって連結部材60には車両前後方向の荷重に対する剛性を低下する剛性低下部65が形成されている。
これにより、後側の第1固定部61Rと第2固定部62とが車両前後方向にオフセットして設けられ、斜め前後方向に離間した連結構造となる。この斜めの連結により、車両前後方向に対する入力に対して変形しにくい構造となる。つまり、連結部材60の車両前後方向の剛性向上を図り得る。
一方で、剛性低下部65は連結部材60の前後方向荷重に対する剛性を低下させる。この結果、連結部材60は、剛性を強める要素と、剛性を弱める要素とを備えることになり、振動形態の逆相を維持できるように共振モードをコントロールするものである。
よって、第1、第2の各バッテリユニット21,22を同等の振動レベルで逆相の共振モードとなるように、連結部材60の車両前後方向の剛性をコントロールし、左右のフロアパネル8を逆相に振動させて、車室内に生じる音を打消すように構成している。
要するに、質量を増加させることなく、バッテリユニット21,22のリレー部31を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制すべく構成したものである。
また、図5に示すように、上述の連結部材は、第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22との間を車幅方向に直線状に連結する幅方向連結部66と、一方のバッテリユニットの前部と他方のバッテリユニットの後部とを斜め方向に直線状に連結する斜め方向連結部67と、を有している。
この実施例では、上述の斜め方向連結部67は、車幅方向右側に位置する第2バッテリユニット22の前部と車幅方向左側に位置する第1バッテリユニット21の後部とを斜め方向に連結している。
図5に示すように、上述の幅方向連結部66は、メインビード63およびサブビード64を含んで、前側の第1固定部61Fと第2固定部62とを幅方向に連結している。また、斜め方向連結部67は連結部材60の前部右側に位置する第2固定部62と、連結部材60の後部左側に位置する後側の第1固定部61Rとを斜め方向に連結している。
これにより、せん断変形に対して最も効率よく振動エネルギを伝達するように構成したものである。
さらに、図5~図7に示すように、複数の固定部材としての複数のボルトB3,B4,B5が車両前後方向に離間して設けられる後側の第1固定部61Rの各ボルトB3,B4,B5の車幅方向内側に隣接して、下方に突出して車両前後方向に延びる第1ビード71が設けられている。
上述の第1ビード71が存在しない場合には複数の固定部材(ボルトB3,B4,B5)のうち前端側の固定部材(ボルトB3)に応力が集中するが、上記第1ビード71を有することで、応力を後端側に分散して、連結部材60の強度信頼性を確保するように構成している。
ここで、上述の第1ビード71は各ボルトB3,B4,B5の配列方向と平行で、かつ複数のボルトB3,B4,B5のうち最も前方に位置するボルトB3の前部と、最も後方に位置するボルトB5の後部と、に対応して車両前後方向に延びるように形成されている。
さらにまた、図5~図7に示すように、複数の固定部材としての複数のボルトB6,B7,B8が車両前後方向に離間して設けられる第2固定部62の各ボルトB6,B7,B8の車幅方向内側に隣接して、下方に突出して車両前後方向に延びる第2ビード72が設けられている。この実施例では、当該第2ビード72は、車幅方向に延びるメインビード63の車幅方向右辺部に沿って形成されている。
上述の第2ビード72が存在しない場合には複数の固定部材(ボルトB6,B7,B8)のうち後端測の固定部材(ボルトB8)に応力が集中するが、上記第2ビード72を有することで、応力を前端側に分散して、連結部材60の強度信頼性を確保するように構成している。
ここで、上述の第2ビード72は各ボルトB6,B7,B8の配列方向と平行で、かつ複数のボルトB6,B7,B8のうち最も前方に位置するボルトB6の前部と、他のボルトB7,B8間の中間部と、に対応して車両前後方向に延びるように形成されている。
加えて、上述の剛性低下部65は車幅方向に延びる複数のビード(メインビード63、サブビード64)により形成されており、ビード63,64が有する車幅方向の稜線X1~X6により連結部材60の所定部において剛性を低下させて、当該連結部材60の変形自由度を確保すると共に、簡単な構成により剛性低下部65を構成するように成している。
このように上記実施例の車両の下部構造は、車幅方向外側において車両前後方向に延びるサイドシル1と、上記サイドシル1の車幅方向内側に隣接してフロアパネル8の下方において車幅方向に離間して設けられる第1バッテリユニット21および第2バッテリユニット22と、上記第1バッテリユニット21と上記第2バッテリユニット22との少なくとも何れか一方に固定され車両の電気回路を切換えるリレー部31と、上記第1バッテリユニット21と上記第2バッテリユニット22との間を連結する連結部材60と、を備え、上記連結部材60は、車両前後方向に離間して上記第1バッテリユニット21に固定される第1固定部(前側の第1固定部61F、後側の第1固定部61R参照)と、上記第2バッテリユニット22に固定される第2固定部62と、を備え、上記第1固定部の後端(後側の第1固定部61Rの後端参照)は上記第2固定部62より車両後方に位置し、上記連結部材60は前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部65を備えたものである(図1、図5参照)。
この構成によれば、第1固定部の後端(後側の第1固定部61Rの後端)と第2固定部62とが車両前後方向にオフセットして設けられているので、斜め前後方向に離間した連結構造となる。この斜めの連結により、車両前後方向に対する入力に対して変形しにくい構造となる。つまり、連結部材60の車両前後方向の剛性向上を図ることができる。
一方で、剛性低下部65は連結部材60の前後方向荷重に対する剛性を低下させる。これにより、連結部材60は、剛性を強める要素と、剛性を弱める要素とを備えることができ、振動形態の逆相を維持できるように共振モードをコントロールすることができる。
よって、第1、第2の各バッテリユニット21,22を同等の振動レベルで逆相の共振モードとなるように、連結部材60の車両前後方向の剛性をコントロールし、左右のフロアパネル8を逆相に振動させて、車室内に生じる音を打消すことができる。
要するに、質量を増加させることなく、バッテリユニット21,22のリレー部31を起因とする振動エネルギが車室内に伝達するのを抑制することができる。
ここで、連結部材60に剛性を強める要素と剛性を弱める要素とが必要な点は次の理由による。
すなわち、連結部材60の剛性をある程度高くすれば、振動の位相のずれが小さくなり、振動エネルギが均一化する。この結果、フロアパネル8を逆相で振動させることができて、車室内に生じる音を打消すことができる。一方、連結部材60の剛性を過度に高くすると、位相のずれが無くなり、第1バッテリユニット21と第2バッテリユニット22とが一体になって同相で動き、フロアパネル8の振動が悪化する。このため、上記連結部材60には、剛性を強める要素と、剛性を弱める要素とが必要となる。
なお、リレー部31を起振源とする連結部材60の変形はせん断変形であるが、リレー部31を起振源として連結部材60に作用するせん断応力の方向は車両前後方向であるから、車両前後方向の剛性で制御するものである。
この発明の一実施形態においては、上記連結部材60は、上記第1バッテリユニット21と上記第2バッテリユニット22との間を車幅方向に連結する幅方向連結部66と、一方のバッテリユニット(この実施例では第2バッテリユニット22)の前部と他方のバッテリユニット(この実施例では第1バッテリユニット21)の後部とを斜め方向に連結する斜め方向連結部67と、を有するものである(図1、図5参照)。
この構成によれば、せん断変形に対して最も効率よく振動エネルギを伝達することができる。
この発明の一実施形態においては、上記複数の固定部材(ボルトB3,B4,B5)が車両前後方向に離間して設けられる上記第1固定部後部(後側の第1固定部61R)の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第1ビード71を有するものである(図5参照)。
この構成によれば次の如き効果がある。
すなわち、第1ビード71が存在しない場合には複数の固定部材(ボルトB3,B4,B5)のうち前端側の固定部材(ボルトB3)に応力が集中するが、上記第1ビード71を有することで、応力を後端側に分散することができ、連結部材60の強度信頼性を確保することができる。
この発明の一実施形態においては、上記複数の固定部材(ボルトB6,B7,B8)が車両前後方向に離間して設けられる上記第2固定部62の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第2ビード72を有するものである(図1、図5参照)。
この構成によれば次の如き効果がある。
すなわち、第2ビード72が存在しない場合には複数の固定部材(ボルトB6,B7,B8)のうち後端測の固定部材(ボルトB8)に応力が集中するが、上記第2ビード72を有することで、応力を前端側に分散することができ、連結部材60の強度信頼性を確保することができる。
この発明の一実施形態においては、上記剛性低下部65は車幅方向に延びる複数のビード(メインビード63、サブビード64)により形成されたものである(図5、図8参照)。
この構成によれば、ビード63,64が有する車幅方向の稜線X1~X6により連結部材60の所定部において剛性を低下させて、当該連結部材60の変形自由度を確保することができるので、簡単な構成により、前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部65を構成することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の第1固定部は、実施例の前側の第1固定部61Fおよび後側の第1固定部61Rに対応し、
以下同様に、
ビードは、メインビード63およびサブビード64に対応し、
固定部材は、ボルトB3~B8に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上記実施例においては、第1バッテリユニット21の後部にジャンクションボックス32を介してリレー部31を設けたが、このリレー部31は第1バッテリユニット21の後部と、第1バッテリユニット21の前部と、第2バッテリユニット22の後部と、第2バッテリユニット22の前部とのうちの少なくとも何れか一箇所に設けてもよい。
また、上記実施例においては、合計4個のリレー33,34,35,36によりリレー部31を構成したが、リレー部31を構成するリレーの数量や種類は実施例の構造に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、バッテリユニットを床下に搭載するような車両の下部構造について有用である。
1…サイドシル
8…フロアパネル
21…第1バッテリユニット
22…第2バッテリユニット
31…リレー部
60…連結部材
61F,61R…第1固定部
62…第2固定部
63…メインビード(ビード)
64…サブビード(ビード)
65…剛性低下部
66…幅方向連結部
67…斜め方向連結部
71…第1ビード
72…第2ビード
B3~B8…ボルト(固定部材)

Claims (5)

  1. 車幅方向外側において車両前後方向に延びるサイドシルと、
    上記サイドシルの車幅方向内側に隣接してフロアパネルの下方において車幅方向に離間して設けられる第1バッテリユニットおよび第2バッテリユニットと、
    上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの少なくとも何れか一方に固定され車両の電気回路を切換えるリレー部と、
    上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの間を連結する連結部材と、を備え、
    上記連結部材は、
    車両前後方向に離間して上記第1バッテリユニットに固定される第1固定部と、
    上記第2バッテリユニットに固定される第2固定部と、を備え、
    上記第1固定部の後端は上記第2固定部より車両後方に位置し、
    上記連結部材は前後方向荷重に対する剛性を低下する剛性低下部を備えたことを特徴とする
    車両の下部構造。
  2. 上記連結部材は、上記第1バッテリユニットと上記第2バッテリユニットとの間を車幅方向に連結する幅方向連結部と、一方のバッテリユニットの前部と他方のバッテリユニットの後部とを斜め方向に連結する斜め方向連結部と、を有する
    請求項1に記載の車両の下部構造。
  3. 上記複数の固定部材が車両前後方向に離間して設けられる上記第1固定部後部の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第1ビードを有する
    請求項1または2に記載の車両の下部構造。
  4. 上記複数の固定部材が車両前後方向に離間して設けられる上記第2固定部の車幅方向内側に隣接して、車両前後方向に延びる第2ビードを有する
    請求項1~3の何れか一項に記載の車両の下部構造。
  5. 上記剛性低下部は車幅方向に延びる複数のビードにより形成された
    請求項1~4の何れか一項に記載の車両の下部構造。
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