JP2021054103A - 電動車両のボディ - Google Patents

Abstract

【課題】 後方からの衝突が生じたときにフロアパネルの変形を抑制する。【解決手段】 電動車両のボディであって、フロアパネルと、前記フロアパネルの側縁に沿って伸びているロッカと、前記フロアパネルの上面と下面のいずれかである第１表面から突出しており、左右方向に伸びており、前記ロッカに接合されている第１フロアクロスメンバと、後側ほど上側に変位するように前記第１フロアクロスメンバから後側に向かって前記フロアパネルの側縁に沿って伸びているボディ構造体と、前記フロアパネルの下部に配置されているバッテリケースと、バッテリケース補強部材と、前記第１フロアクロスメンバよりも前側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している第１締結部材と、前記第１フロアクロスメンバよりも後側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している第２締結部材、を有する。【選択図】図８

Description

本明細書に開示の技術は、電動車両のボディに関する。なお、本明細書において、電動車両とは、バッテリに蓄えられた電力によって走行する車両を意味する。電動車両には、電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車等が含まれる。

特許文献１に開示の電動車両のボディは、フロアパネルの下部にバッテリケース（バッテリパック）を備えている。フロアパネルの側縁に沿って、サイドシルが伸びている。バッテリケースの側縁に沿って、縦骨が伸びている。縦骨は、サイドシルの下部に配置されている。縦骨は、ボルトによってサイドシルに締結されている。

特開２０１７−２２６３５３号公報

特許文献１のようにフロアパネルの下部にバッテリケースを備えるボディにおいて、後方からの衝突が生じたときにフロアパネルの変形を抑制する。

本明細書が開示する電動車両のボディは、フロアパネルと、ロッカと、第１フロアクロスメンバと、ボディ構造体と、バッテリケースと、バッテリケース補強部材と、第１締結部材と、第２締結部材を有している。前記ロッカは、前記フロアパネルの側縁に沿って伸びている。前記第１フロアクロスメンバは、前記フロアパネルの上面と下面のいずれかである第１表面から突出しており、左右方向に伸びており、前記ロッカに接合されている。前記ボディ構造体は、前記フロアパネルの前記第１表面から突出しており、前記第１フロアクロスメンバに接合されており、後側ほど上側に変位するように前記第１フロアクロスメンバから後側に向かって前記フロアパネルの側縁に沿って伸びている。前記バッテリケースは、前記フロアパネルの下部に配置されており、走行用モータに電力を供給するバッテリを収容している。前記バッテリケース補強部材は、前記バッテリケースの側縁に沿って伸びており、前記ロッカの下部に配置されており、前記第１フロアクロスメンバよりも前側の位置から前記第１フロアクロスメンバよりも後側の位置まで延在している。前記第１締結部材は、前記第１フロアクロスメンバよりも前側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している。前記第２締結部材は、前記第１フロアクロスメンバよりも後側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している。

なお、前記ボディ構造体は、リアサイドメンバであってもよいし、リアサイドメンバを補強するリインフォースメントであってもよい。

このボディでは、車両に対して後方から衝突が生じた場合に、ボディ構造体に対して前方に向かって荷重が加わる。ボディ構造体が後側ほど上側に変位するように第１フロアクロスメンバから後側に向かって伸びているので、ボディ構造体に対して前方に向かって荷重が加わると、第１フロアクロスメンバの近傍でフロアパネルにモーメント荷重が加わる。このボディでは、バッテリケース補強部材が第１フロアクロスメンバよりも前側の位置から第１フロアクロスメンバよりも後側の位置まで延在しており、第１締結部材が第１フロアクロスメンバよりも前側の範囲内でバッテリケース補強部材をロッカに締結しており、第２締結部材が第１フロアクロスメンバよりも後側の範囲内でバッテリケース補強部材をロッカに締結している。このため、バッテリケース補強部材によって、フロアパネルのモーメント荷重が加わる部分（すなわち、フロアパネルの第１フロアクロスメンバ近傍の部分）が補強される。したがって、車両に対して後方から衝突が生じた場合に、フロアパネルが変形し難い。

電動車両のボディ１０の斜視図。 アンダーボディを上から視た平面図。 リインフォースメント６０、６２を省略した図２に対応する平面図。 図２のＩＶ−ＩＶ線におけるアンダーボディの断面図。 左リインフォースメント６０周辺を斜め上から視た斜視図。 図２のＶＩ−ＶＩ線におけるアンダーボディの断面図。 アンダーボディを下から視た平面図。 アンダーボディを左から視た平面図（ロッカアウタを省略した図。）。 図２のＩＸ−ＩＸ線におけるアンダーボディの断面図。 図２のＸ−Ｘ線におけるアンダーボディの断面図（バッテリケース７０の図示を省略した図。）。 変形例のアンダーボディの室外フロアクロスメンバ４２周辺の部分を前後方向に沿って切断した断面図。 変形例のアンダーボディを左から視た平面図（ロッカアウタを省略した図。）。

実施形態の電動車両は、走行用モータを搭載している。電動車両は、走行用モータによって車輪を駆動して走行する。図１は、実施形態の電動車両のボディ１０を示している。ボディ１０は、フロアパネル２０を有している。以下に説明する実施形態は、フロアパネル２０の後部と、その周辺構造に関する。なお、図１を含む各図において、矢印ＦＲは車両前方向を示し、矢印ＲＨは車両右方向を示し、矢印ＵＰは車両上方向を示す。

図２、３は、ボディ１０のアンダーボディを上から見た平面図を示している。なお、図２は、フロアパネル２０上に配置されたリインフォースメント６０、６２を含む平面図であり、図３は、リインフォースメント６０、６２を取り外した状態の平面図である。

図２、３に示すように、フロアパネル２０は、フロントフロアパネル２０ａ、リアフロアパネル２０ｂ、及び、ラゲッジフロアパネル２０ｃを有している。車両の前側から後側に向かって、フロントフロアパネル２０ａ、リアフロアパネル２０ｂ、及び、ラゲッジフロアパネル２０ｃがこの順序で並んでいる。フロントフロアパネル２０ａ、リアフロアパネル２０ｂ、及び、ラゲッジフロアパネル２０ｃのそれぞれは、一枚の鋼板（板材）によって構成されている。リアフロアパネル２０ｂは、その前縁２１においてフロントフロアパネル２０ａに溶接されている。リアフロアパネル２０ｂは、その後縁２２においてラゲッジフロアパネル２０ｃに溶接されている。すなわち、フロアパネル２０のうち、前縁２１と後縁２２の間の部分が、リアフロアパネル２０ｂにより構成されている。フロントフロアパネル２０ａとリアフロアパネル２０ｂは、キャビンの床を構成している。ラゲッジフロアパネル２０ｃは、ラゲッジスペースの床を構成している。

図２、３に示すように、フロアパネル２０の両側縁に、一対のロッカ（左ロッカ３０と右ロッカ３２）が設けられている。図４は、左ロッカ３０と右ロッカ３２を含む位置（図２のＩＶ−ＩＶ線の位置）におけるアンダーボディの横断面を示している。図４に示すように、左ロッカ３０は、ロッカインナ３０ａとロッカアウタ３０ｂを有している。ロッカインナ３０ａとロッカアウタ３０ｂは、Ｕ字状の断面を有する長尺部材であり、前後方向に長く伸びている。ロッカインナ３０ａとロッカアウタ３０ｂは、内部に空間を有するように組み合わされて互いに溶接されている。したがって、左ロッカ３０は、中空の角筒形状を有しており、前後方向に長く伸びている。図２、３に示すように、左ロッカ３０は、フロアパネル２０の左縁に沿って配設されている。左ロッカ３０は、フロントフロアパネル２０ａとリアフロアパネル２０ｂに溶接等によって接合されている。図４に示すように、右ロッカ３２は、左ロッカ３０と同様に、互いに接合されたロッカインナ３２ａとロッカアウタ３２ｂを有している。右ロッカ３２は、中空の角筒形状を有しており、前後方向に長く伸びている。図２、３に示すように、右ロッカ３２は、フロアパネル２０の右縁に沿って配設されている。右ロッカ３２は、フロントフロアパネル２０ａとリアフロアパネル２０ｂに溶接等によって接合されている。

図２、３に示すように、フロアパネル２０の両側縁に、一対のホイールハウスパネル（左ホイールハウスパネル３４と右ホイールハウスパネル３６）が設けられている。左ホイールハウスパネル３４は、左ロッカ３０の後側で、フロアパネル２０の左縁に固定されている。左ホイールハウスパネル３４は、凹状に湾曲した板材であり、凹部が外下側を向く向きでフロアパネル２０に固定されている。左ホイールハウスパネル３４の凹部内に、左リアタイヤ等が収容される。左ホイールハウスパネル３４は、リアフロアパネル２０ｂ等に溶接等により接合されている。右ホイールハウスパネル３６は、右ロッカ３２の後側で、フロアパネル２０の右縁に固定されている。右ホイールハウスパネル３６は、凹状に湾曲した板材であり、凹部が外下側を向く向きでフロアパネル２０に固定されている。右ホイールハウスパネル３６の凹部内に、右リアタイヤ等が収容される。右ホイールハウスパネル３６は、リアフロアパネル２０ｂ等に溶接等により接合されている。

図２、３に示すように、リアフロアパネル２０ｂの上面に、室内フロアクロスメンバ４０とリアフロアクロスメンバ４４が設けられている。

図５は、室内フロアクロスメンバ４０とリアフロアクロスメンバ４４を含む範囲を左前方から見た斜視図である。また、図６は、図２のＶＩ−ＶＩ線におけるアンダーボディの断面図である。図５、６に示すように、室内フロアクロスメンバ４０は、Ｕ字状の断面を有する梁形の部材である。室内フロアクロスメンバ４０は、リアフロアパネル２０ｂの上面から上側に突出するように設けられている。室内フロアクロスメンバ４０は、左右方向に長く伸びている。図２、３に示すように、室内フロアクロスメンバ４０は、左ロッカ３０から右ロッカ３２まで伸びている。室内フロアクロスメンバ４０は、リアフロアパネル２０ｂ、左ロッカ３０、及び、右ロッカ３２に溶接等により接合されている。

図５、６に示すように、リアフロアクロスメンバ４４は、Ｕ字状の断面を有する梁形の部材である。リアフロアクロスメンバ４４は、リアフロアパネル２０ｂの上面から上側に突出するように設けられている。リアフロアクロスメンバ４４は、左右方向に長く伸びている。リアフロアクロスメンバ４４は、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側に配置されている。図２、３に示すように、リアフロアクロスメンバ４４は、左ホイールハウスパネル３４から右ホイールハウスパネル３６まで伸びている。リアフロアクロスメンバ４４は、リアフロアパネル２０ｂ、左ホイールハウスパネル３４、及び、右ホイールハウスパネル３６に溶接等により接合されている。

図６、７に示すように、リアフロアパネル２０ｂの下面に、室外フロアクロスメンバ４２が設けられている。室外フロアクロスメンバ４２は、Ｕ字状の断面を有する梁型の部材である。室外フロアクロスメンバ４２は、リアフロアパネル２０ｂの下面から下側に突出するように設けられている。室外フロアクロスメンバ４２は、左右方向に長く伸びている。室外フロアクロスメンバ４２は、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側に配置されている。室外フロアクロスメンバ４２は、リアフロアクロスメンバ４４よりも前側に配置されている。室外フロアクロスメンバ４２は、左ロッカ３０から右ロッカ３２まで伸びている。室外フロアクロスメンバ４２は、リアフロアパネル２０ｂ、左ロッカ３０、及び、右ロッカ３２に溶接、ボルト締結等により接合されている。

リアフロアパネル２０ｂは、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側まで伸びるとともに、室外フロアクロスメンバ４２及びリアフロアクロスメンバ４４よりも後側まで伸びている。図６に示すように、リアフロアパネル２０ｂは、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側では、水平に伸びている。リアフロアパネル２０ｂは、室内フロアクロスメンバ４０の後側かつリアフロアクロスメンバ４４の前側の範囲（特に、室外フロアクロスメンバ４２の後側の範囲）では、後側に向かうにしたがって上側に変位するように傾斜している。リアフロアパネル２０ｂは、リアフロアクロスメンバ４４の後側では、水平に伸びている。以下では、リアフロアパネル２０ｂのうち、後側に向かうにしたがって上側に変位するように傾斜している部分を傾斜部２０ｘといい、傾斜部２０ｘよりも後ろ側で水平に伸びている部分を水平部２０ｙという。

図４、７に示すように、フロアパネル２０の下部には、バッテリケース７０が配置されている。バッテリケース７０は、密閉型の容器であり、メインバッテリを収容している。メインバッテリは、走行用モータに電力を供給するバッテリである。バッテリケース７０の左右両側に、一対のＥＡメンバ（左ＥＡメンバ８０と右ＥＡメンバ８２）が配置されている。左ＥＡメンバ８０と右ＥＡメンバ８２は、バッテリケース７０を補強する部材であるとともに、車両の衝突時にエネルギーを吸収するエネルギー吸収体でもある。左ＥＡメンバ８０は、中空の角筒形状を有しており、前後方向に長く伸びている。左ＥＡメンバ８０は、バッテリケース７０の左縁に沿って配設されている。左ＥＡメンバ８０は、複数の固定板８０ａを介してバッテリケース７０に固定されている。左ＥＡメンバ８０は、左ロッカ３０の下部に配置されている。左ＥＡメンバ８０は、複数のボルト８４（図７に示すボルト８４ａ及び８４ｂ）によって左ロッカ３０のロッカインナ３０ａに締結されている。各ボルト８４は、固定板８０ａと共に左ＥＡメンバ８０をロッカインナ３０ａに締結している。すなわち、バッテリケース７０は、左ＥＡメンバ８０を介して左ロッカ３０に固定されている。右ＥＡメンバ８２は、中空の角筒形状を有しており、前後方向に長く伸びている。右ＥＡメンバ８２は、バッテリケース７０の右縁に沿って配設されている。右ＥＡメンバ８２は、複数の固定板８２ａを介してバッテリケース７０に固定されている。図４に示すように、右ＥＡメンバ８２は、右ロッカ３２の下部に配置されている。図４、７に示すように、右ＥＡメンバ８２は、複数のボルト８６（図７に示すボルト８６ａ及び８６ｂ）によって右ロッカ３２のロッカインナ３２ａに締結されている。各ボルト８６は、固定板８２ａと共に右ＥＡメンバ８２をロッカインナ３２ａに締結している。すなわち、バッテリケース７０は、右ＥＡメンバ８２を介して右ロッカ３２に固定されている。

図７に示すように、バッテリケース７０の前縁７０ａは、キャビンの前端近傍に位置している。図７に示すように、バッテリケース７０の後縁７０ｂは、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側、かつ、室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の範囲９４内に位置している。言い換えると、バッテリケース７０は、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の位置から室内フロアクロスメンバ４０よりも後側であって室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の位置まで延在している。

図７、８に示すように、左ＥＡメンバ８０の後端８０ｃは、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側であって室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の範囲９４内に位置している。言い換えると、左ＥＡメンバ８０は、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の位置から室内フロアクロスメンバ４０よりも後側であって室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の位置まで延在している。上述したように、左ＥＡメンバ８０は、複数のボルト８４によって左ロッカ３０に締結されている。図７、８に示すように、左ＥＡメンバ８０は、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内と、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側の範囲（すなわち、範囲９４）内のそれぞれで、ボルト８４によって左ロッカ３０に締結されている。図７、８では、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内に位置するボルト８４がボルト８４ａとして示されており、室外フロアクロスメンバ４２よりも後側の範囲９４内に位置するボルト８４がボルト８４ｂとして示されている。室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内では、前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８４ａによって、左ＥＡメンバ８０が左ロッカ３０に締結されている。室内フロアクロスメンバ４０よりも後側の範囲９４内では、前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８４ｂによって、左ＥＡメンバ８０が左ロッカ３０に締結されている。図７に示すように、右ＥＡメンバ８２の後端８２ｃは、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側であって室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の範囲９４内に位置している。上述したように、右ＥＡメンバ８２は、複数のボルト８６によって右ロッカ３２に締結されている。図７に示すように、右ＥＡメンバ８２は、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内と、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側の範囲（すなわち、範囲９４）内のそれぞれで、ボルト８６によって右ロッカ３２に締結されている。図７では、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内に位置するボルト８６がボルト８６ａとして示されており、室外フロアクロスメンバ４２よりも後側の範囲９４内に位置するボルト８６がボルト８６ｂとして示されている。室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の範囲内では、前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８６ａによって、右ＥＡメンバ８２が右ロッカ３２に締結されている。室内フロアクロスメンバ４０よりも後側の範囲９４内では、前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８６ｂによって、右ＥＡメンバ８２が右ロッカ３２に締結されている。

図９は、図２、６のＩＸ−ＩＸ線におけるアンダーボディの断面を示している。図９に示すように、リアフロアパネル２０ｂの下面に、一対のリアサイドメンバ（左リアサイドメンバ５０と右リアサイドメンバ５２）が設けられている。図９に示すように、左リアサイドメンバ５０は、Ｕ字状の断面を有する長尺部材である。左リアサイドメンバ５０は、リアフロアパネル２０ｂから下側に突出するように設けられている。左リアサイドメンバ５０は、前後方向に長く伸びている。図６、７に示すように、左リアサイドメンバ５０は、その前端近傍において室外フロアクロスメンバ４２の下面の一部を覆っている。図７に示すように、左リアサイドメンバ５０は、ボルト１１２によって、室外フロアクロスメンバ４２に接合されている。左リアサイドメンバ５０は、その前端近傍において左ロッカ３０の下面の一部を覆っている。左リアサイドメンバ５０は、ボルト１１４によって、左ロッカ３０に接合されている。図３、６、７に示すように、左リアサイドメンバ５０は、室外フロアクロスメンバ４２から後側に向かってリアフロアパネル２０ｂの左縁に沿って伸びている。図６に示すように、左リアサイドメンバ５０は、リアフロアパネル２０ｂの傾斜部２０ｘの下部では、傾斜部２０ｘに沿って後側ほど上側に変位するように傾斜している。図示していないが、左リアサイドメンバ５０は、車両最後部まで伸びており、車両最後部でリアバンパリインフォースメントに接続されている。図９に示すように、右リアサイドメンバ５２は、Ｕ字状の断面を有する長尺部材である。右リアサイドメンバ５２は、リアフロアパネル２０ｂから下側に突出するように設けられている。右リアサイドメンバ５２は、前後方向に長く伸びている。図７に示すように、右リアサイドメンバ５２は、その前端近傍において、室外フロアクロスメンバ４２の下面の一部を覆っている。右リアサイドメンバ５２は、ボルト１２２によって、室外フロアクロスメンバ４２に接合されている。右リアサイドメンバ５２は、その前端近傍において右ロッカ３２の下面の一部を覆っている。右リアサイドメンバ５２は、ボルト１２４によって、右ロッカ３２に接合されている。図３、７に示すように、右リアサイドメンバ５２は、室外フロアクロスメンバ４２から後側に向かってリアフロアパネル２０ｂの右縁に沿って伸びている。右リアサイドメンバ５２は、リアフロアパネル２０ｂの傾斜部２０ｘの下部では、傾斜部２０ｘに沿って後側ほど上側に変位するように傾斜している。図示していないが、右リアサイドメンバ５２は、車両最後部まで伸びており、車両最後部でリアバンパリインフォースメントに接続されている。

図２に示すように、リアフロアパネル２０ｂの上部に、リインフォースメント（左リインフォースメント６０と右リインフォースメント６２）が配置されている。左リインフォースメント６０は、室内フロアクロスメンバ４０、リアフロアパネル２０ｂ、左ロッカ３０、及び、左ホイールハウスパネル３４に接合されている。右リインフォースメント６２は、室内フロアクロスメンバ４０、リアフロアパネル２０ｂ、右ロッカ３２、及び、右ホイールハウスパネル３６に接合されている。右リインフォースメント６２は、左リインフォースメント６０に対して左右対称の構造を有している。したがって、以下では、左リインフォースメント６０の構造について詳細に説明し、右リインフォースメント６２の構造についての詳細説明を省略する。

図１０は、左リインフォースメント６０を有する部分（図２のＸ−Ｘ線の位置）におけるアンダーボディの断面図を示している。図１０に示すように、左リインフォースメント６０は、蓋状の部材である。左リインフォースメント６０は、リアフロアパネル２０ｂから上側に突出するように設けられている。図５に示すように、左リインフォースメント６０の前端は、室内フロアクロスメンバ４０の上面の一部を覆っている。左リインフォースメント６０の前端は、室内フロアクロスメンバ４０に溶接等により接合されている。左リインフォースメント６０は、室内フロアクロスメンバ４０から後側に向かってリアフロアパネル２０ｂの左縁に沿って伸びている。左リインフォースメント６０は、リアフロアパネル２０ｂと共に、左ロッカ３０及び左ホイールハウスパネル３４に溶接等により接合されている。図６に示すように、左リインフォースメント６０の天板は、リアフロアパネル２０ｂの傾斜部２０ｘに沿って、後側ほど上側に変位するように傾斜している。左リインフォースメント６０の天板の傾斜角度は、傾斜部２０ｘの傾斜角度よりも小さい。したがって、左リインフォースメント６０の後端近傍においては、左リインフォースメント６０の天板がリアフロアパネル２０ｂに面接触している。図２、３に示すように、リアフロアパネル２０ｂを上側から平面視したときに、左リインフォースメント６０は、左リアサイドメンバ５０と重なる位置に配置されている。すなわち、左リインフォースメント６０は、左リアサイドメンバ５０の上部に配置されている。左リインフォースメント６０は、左リアサイドメンバ５０の上部の位置で、溶接等によってリアフロアパネル２０ｂに接合されている。図６に示すように、左リインフォースメント６０の後端は、リアフロアクロスメンバ４４よりも後側まで伸びている。左リインフォースメント６０の後端は、リアフロアパネル２０ｂの水平部２０ｙの上部まで伸びている。リアフロアクロスメンバ４４と左リインフォースメント６０が重なる位置では、リアフロアクロスメンバ４４が左リインフォースメント６０を上から覆っている。

次に、上述したボディ１０が有する機能について説明する。

上述したように、実施形態のボディ１０では、室内フロアクロスメンバ４０よりも後側に室外フロアクロスメンバ４２が配置されている。さらに、バッテリケース７０が、室内フロアクロスメンバ４０よりも前側の位置から室内フロアクロスメンバ４０よりも後側であって室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の位置（すなわち、範囲９４内）まで延在している。このように、室外フロアクロスメンバ４２を室内フロアクロスメンバ４０よりも後側にずらして配置し、これによって生じた範囲９４内までバッテリケース７０を延在させることで、バッテリケース７０を大型化することができる。これによって、バッテリケース７０に内蔵されるメインバッテリの容量をより大きくすることができる。

また、実施形態のボディ１０では、左リアサイドメンバ５０の上部に左リインフォースメント６０が設けられている。左リアサイドメンバ５０の前端が室外フロアクロスメンバ４２に接合されている。左リインフォースメント６０が、室内フロアクロスメンバ４０に接合されているとともに、左リアサイドメンバ５０の上部でリアフロアパネル２０ｂに接合されている。この構成によれば、左リインフォースメント６０によって左リアサイドメンバ５０が補強される。同様に、右リインフォースメント６２によって右リアサイドメンバ５２が補強される。したがって、車両が後方から衝突されたときに、左リアサイドメンバ５０と右リアサイドメンバ５２の変形が抑制される。

また、車両が後方から衝突されたときに、図６の矢印１３０に示すように、左リアサイドメンバ５０に対して前方に向かって荷重が加わる。荷重は、左リアサイドメンバ５０から左リインフォースメント６０と室内フロアクロスメンバ４０を介してリアフロアパネル２０ｂに伝わる。左リインフォースメント６０が後側ほど上側に変位するように傾斜しているので、左リインフォースメント６０に前方に向かって荷重が加わると、室内フロアクロスメンバ４０の前端部（図６の点Ａの部分）を中心にして矢印１３２に示すモーメント荷重がリアフロアパネル２０ｂに加わる。モーメント荷重は、リアフロアパネル２０ｂを屈曲するように作用する。図８に示すように、実施形態のボディ１０では、室内フロアクロスメンバ４０の前側の位置から後側の位置まで左ＥＡメンバ８０が延在しているとともに、室内フロアクロスメンバ４０の前側の範囲内と室内フロアクロスメンバ４０の後側の範囲９４内のそれぞれで左ＥＡメンバ８０がボルト８４ａ、８４ｂによって左ロッカ３０に締結されている。この構造によって、室内フロアクロスメンバ４０の前端部（点Ａの部分）のリアフロアパネル２０ｂが補強されている。したがって、モーメント荷重が加わったとしても、リアフロアパネル２０ｂが変形し難い。特に、室内フロアクロスメンバ４０の後側の範囲９４内において前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８４ｂによって左ＥＡメンバ８０が左ロッカ３０に締結されているとともに、室内フロアクロスメンバ４０の前側の範囲内において前後方向に間隔を空けて配置された複数のボルト８４ａによって左ＥＡメンバ８０が左ロッカ３０に締結されている。この構造によれば、矢印１３２のようなモーメント荷重が加わったときに左ＥＡメンバ８０が変形し難いので、リアフロアパネル２０ｂをより好適に補強することができる。左ＥＡメンバ８０と同様に、右ＥＡメンバ８２によっても、リアフロアパネル２０ｂが補強される。したがって、このボディ１０では、車両が後方から衝突されたときに、リアフロアパネル２０ｂの変形を抑制することができる。これによって、従来よりも高い衝突性能が実現される。

上述した実施形態と請求項の各構成要素の対応関係について、以下に説明する。実施形態のリアフロアパネル２０ｂの上面は、請求項の第１表面の一例である。実施形態のリインフォースメント６０、６２は、請求項のボディ構造体の一例である。実施形態の室内フロアクロスメンバ４０は、請求項の第１フロアクロスメンバの一例である。実施形態のＥＡメンバ８０、８２は、請求項のバッテリケース補強部材の一例である。実施形態のボルト８４ａ、８６ａは、請求項の第１締結部材の一例である。実施形態のボルト８４ｂ、８６ｂは、請求項の第２締結部材の一例である。

なお、上述した実施形態のボディ１０は、リインフォースメント６０、６２を有していた。しかしながら、リインフォースメント６０、６２を有さないボディでも、リアフロアパネル２０ｂをＥＡメンバ８０、８２によって補強することができる。図１１、１２は、リインフォースメント６０、６２を有さないボディを示している。図１１に示すように、バッテリケース７０は、室外フロアクロスメンバ４２よりも前側に配置されている。図１２に示すように、左ＥＡメンバ８０は、室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の位置から室外フロアクロスメンバ４２よりも後側の位置まで延在している。すなわち、図１１、１２の構成では、左ＥＡメンバ８０の後端８０ｃが、バッテリケース７０の後縁７０ｂよりも後側に位置している。左ＥＡメンバ８０は、室外フロアクロスメンバ４２よりも後側の範囲内でボルト８４ｂによって左ロッカ３０に締結されている。また、左ＥＡメンバ８０は、室外フロアクロスメンバ４２よりも前側の範囲内でボルト８４ａによって左ロッカ３０に締結されている。図示していないが、右ＥＡメンバ８２も、左ＥＡメンバ８０と同様の構成を有している。

図１１、１２のボディでは、車両が後方から衝突されたときに、図６の矢印１４０に示すように、左リアサイドメンバ５０に対して前方に向かって荷重が加わる。荷重は、左リアサイドメンバ５０から室外フロアクロスメンバ４２を介してリアフロアパネル２０ｂに伝わる。左リアサイドメンバ５０が後側ほど上側に変位するように傾斜しているので、左リアサイドメンバ５０に前方に向かって荷重が加わると、室外フロアクロスメンバ４２の前端部（図１１、１２の点Ｂの部分）を中心にして矢印１４２に示すモーメント荷重が加わる。モーメント荷重は、リアフロアパネル２０ｂを屈曲するように作用する。室外フロアクロスメンバ４２の前側の範囲内と後側の範囲内のそれぞれで左ＥＡメンバ８０がボルト８４ａ、８４ｂによって左ロッカ３０に締結されている構造によれば、室外フロアクロスメンバ４２の前端部（図１１、１２の点Ｂの部分）のリアフロアパネル２０ｂが補強される。左ＥＡメンバ８０と同様に、右ＥＡメンバ８２によっても、リアフロアパネル２０ｂが補強される。したがって、矢印１４２に示すモーメント荷重が加わったとしても、リアフロアパネル２０ｂが変形し難い。したがって、図１１、１２のボディでも、車両が後方から衝突されたときに、リアフロアパネル２０ｂの変形を抑制することができる。

図１１、１２の実施例と請求項の各構成要素の対応関係について、以下に説明する。図１１、１２のリアフロアパネル２０ｂの下面は、請求項の第１表面の一例である。図１１、１２のリアサイドメンバ５０は、請求項のボディ構造体の一例である。図１１、１２の室外フロアクロスメンバ４２は、請求項の第１フロアクロスメンバの一例である。図１１、１２の左ＥＡメンバ８０は、請求項のバッテリケース補強部材の一例である。図１１、１２のボルト８４ａは、請求項の第１締結部材の一例である。図１１、１２のボルト８４ｂは、請求項の第２締結部材の一例である。

本明細書が開示する技術要素について、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。

本明細書が開示する一例のボディは、第２フロアクロスメンバと、リアサイドメンバをさらに有していてもよい。第２フロアクロスメンバは、フロアパネルの下面から突出しており、左右方向に伸びており、ロッカに接合されており、第１フロアクロスメンバよりも後側に配置されていてもよい。リアサイドメンバは、フロアパネルの下面から突出しており、第２フロアクロスメンバに接合されており、後側ほど上側に変位するように第２フロアクロスメンバから後側に向かってフロアパネルの側縁に沿って伸びていてもよい。第１表面が、フロアパネルの上面であってもよい。バッテリケース補強部材が、第１フロアクロスメンバよりも前側の位置から第１フロアクロスメンバよりも後側であって第２フロアクロスメンバよりも前側の位置まで延在していてもよい。第２締結部材が、第１フロアクロスメンバよりも後側であって第２フロアクロスメンバよりも前側の範囲内に設けられていてもよい。

この構成では、ボディ構造体は、リアサイドメンバを補強するリインフォースメントとして機能する。

本明細書が開示する一例のボディでは、前記第２締結部材が、前後方向に間隔を空けて複数個設けられていてもよい、

この構成によれば、バッテリケース補強部材によってフロアパネルをより好適に補強することができる。

以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの１つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。

１０ ：ボディ
２０ ：フロアパネル
２０ａ ：フロントフロアパネル
２０ｂ ：リアフロアパネル
２０ｃ ：ラゲッジフロアパネル
３０ ：左ロッカ
３２ ：右ロッカ
３４ ：左ホイールハウスパネル
３６ ：右ホイールハウスパネル
４０ ：室内フロアクロスメンバ
４２ ：室外フロアクロスメンバ
４４ ：リアフロアクロスメンバ
５０ ：左リアサイドメンバ
５２ ：右リアサイドメンバ
６０ ：左リインフォースメント
６２ ：右リインフォースメント
７０ ：バッテリケース
８０ ：左ＥＡメンバ
８２ ：右ＥＡメンバ
８４ ：ボルト
８６ ：ボルト

Claims (3)

1. 電動車両のボディであって、
   フロアパネルと、
   前記フロアパネルの側縁に沿って伸びているロッカと、
   前記フロアパネルの上面と下面のいずれかである第１表面から突出しており、左右方向に伸びており、前記ロッカに接合されている第１フロアクロスメンバと、
   前記フロアパネルの前記第１表面から突出しており、前記第１フロアクロスメンバに接合されており、後側ほど上側に変位するように前記第１フロアクロスメンバから後側に向かって前記フロアパネルの側縁に沿って伸びているボディ構造体と、
   前記フロアパネルの下部に配置されており、走行用モータに電力を供給するバッテリを収容しているバッテリケースと、
   前記バッテリケースの側縁に沿って伸びており、前記ロッカの下部に配置されており、前記第１フロアクロスメンバよりも前側の位置から前記第１フロアクロスメンバよりも後側の位置まで延在しているバッテリケース補強部材と、
   前記第１フロアクロスメンバよりも前側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している第１締結部材と、
   前記第１フロアクロスメンバよりも後側の範囲内で前記バッテリケース補強部材を前記ロッカに締結している第２締結部材、
   を有するボディ。
2. 前記フロアパネルの前記下面から突出しており、左右方向に伸びており、前記ロッカに接合されており、前記第１フロアクロスメンバよりも後側に配置されている第２フロアクロスメンバと、
   前記フロアパネルの前記下面から突出しており、前記第２フロアクロスメンバに接合されており、後側ほど上側に変位するように前記第２フロアクロスメンバから後側に向かって前記フロアパネルの側縁に沿って伸びているリアサイドメンバ、
   をさらに有し、
   前記第１表面が、前記フロアパネルの前記上面であり、
   前記バッテリケース補強部材が、前記第１フロアクロスメンバよりも前側の位置から前記第１フロアクロスメンバよりも後側であって前記第２フロアクロスメンバよりも前側の位置まで延在しており、
   前記第２締結部材が、前記第１フロアクロスメンバよりも後側であって前記第２フロアクロスメンバよりも前側の範囲内に設けられている、
   請求項１のボディ。
3. 前記第２締結部材が、前後方向に間隔を空けて複数個設けられている、請求項１または２のボディ。

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