JP2013032510A - エポキシ樹脂組成物、成形材料および繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、成形材料および繊維強化複合材料 Download PDF

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JP2013032510A JP2012145163A JP2012145163A JP2013032510A JP 2013032510 A JP2013032510 A JP 2013032510A JP 2012145163 A JP2012145163 A JP 2012145163A JP 2012145163 A JP2012145163 A JP 2012145163A JP 2013032510 A JP2013032510 A JP 2013032510A
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隆行 藤原
Shinji Izumiguchi
真二 泉口
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Abstract

【課題】硬化収縮が小さく、弾性率が高いエポキシ樹脂硬化物を与える、エポキシ樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】次の構成要素(A)〜(C)を含むエポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトン
(C)硬化促進剤
【選択図】なし

Description

本発明は、硬化収縮が小さく、弾性率が高いエポキシ樹脂硬化物を与える、エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた成形材料ならびに繊維強化複合材料に関する。
エポキシ樹脂は、その優れた接着性、耐熱性、耐薬品性等の特徴から、電気・電子材料、繊維強化複合材料、塗料、接着剤等、様々な用途に用いられている。
エポキシ樹脂は、一般的に、脂肪族アミン類、芳香族アミン類、酸無水物類、フェノール類、等の硬化剤や硬化促進剤を用いて硬化させるが、この硬化反応過程で発生する体積収縮は、約4%程度と大きい。この体積収縮は、エポキシ樹脂硬化物にボイドやクラックを発生させ、エポキシ樹脂硬化物の強度の低下を引き起こす。また、エポキシ樹脂を、接着剤や繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いた場合、エポキシ樹脂だけが硬化収縮し、エポキシ樹脂硬化物と被着材や強化繊維との界面近傍で残留応力が生じるため、接着性が低下したり、エポキシ樹脂が脆くなったりする。
体積収縮を低減する方法としては、エポキシ樹脂に無機充填剤を添加する方法が挙げられる。しかし、エポキシ樹脂への無機充填剤の添加は、エポキシ樹脂の粘度の増大、即ち流動性の減少につながることが多い。このような粘度の増大は、取扱性を悪化させる。例えば、無機充填剤を添加したエポキシ樹脂を繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いた場合、強化繊維間へのエポキシ樹脂の含浸性が低下するため、繊維強化複合材料中にボイドが発生し、繊維強化複合材料の強度が低下しやすい。また、この方法は、エポキシ樹脂硬化物と、被着体や繊維強化複合材料の界面にかかる残留応力は減少するものの、エポキシ樹脂そのものの硬化収縮を抑制するものではないため、無機充填剤とエポキシ樹脂硬化物の界面に残留応力が発生し、エポキシ樹脂硬化物自体が脆くなりやすい。
エポキシ樹脂の粘度を増大させずに体積収縮を低減する方法としては、エポキシ樹脂の硬化剤として体積収縮を抑制するモノマーを用いる方法が挙げられる。特許文献1〜3では、環状エステルを配合する方法が開示されている。しかし、これらで用いられている芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合していないラクトンでは、体積収縮の低減が十分でなかったり、エポキシ樹脂硬化物の弾性率が低かったりした。
また、特許文献4と5では、エポキシ樹脂中にポリマーを配合することにより、エポキシ樹脂の残留応力を低減する方法が示されている。この方法では、ポリマー周辺のエポキシ樹脂は残留歪みが低減されるものの、エポキシ樹脂中の残留歪みが不均一になりがちであり、また、一般的にポリマーを配合すると、エポキシ樹脂の弾性率が低下しがちであるという課題があった。
特開2003−012764号公報 特開2003−238659号公報 特開2005−255767号公報 特開2006−249395号公報 特開平8−027360号公報
本発明は、硬化収縮が小さく、弾性率が高いエポキシ樹脂硬化物を与える、エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた成形材料ならびに繊維強化複合材料を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と、芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した1つまたはそれ以上の6員ラクトンを組み合わせることにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
(1)次の構成要素(A)〜(C)を含むエポキシ樹脂組成物。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトン
(C)硬化促進剤。
(2)硬化促進剤(C)がリン系硬化促進剤である、上記(1)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(3)構成要素(B)の6員ラクトンが縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格が、5〜7員の芳香族もしくはヘテロ芳香族環であり、ヘテロ芳香族環中のヘテロ原子が窒素、酸素または硫黄から少なくとも1つ以上選択される、上記(1)または(2)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(4)構成要素(B)の芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格が6員環である、上記(3)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(5)構成要素(B)の芳香族骨格がベンゼン環、またはナフタレン環である、上記(4)に記載のエポキシ樹脂組成物。
(6)構成要素(B)の6員ラクトンが、芳香族骨格としてベンゼン環、またはナフタレン環に縮合しており、以下の一般式(I)または(II)で示される、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2013032510
Figure 2013032510
(式中のR〜R14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R〜R14は、水素原子、水酸基、または炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6であり、直鎖もしくは分岐のあるアルキル基、または芳香族もしくは6員ラクトン骨格に直接結合しているか、または架橋原子もしくは架橋基によって該骨格に結合しており、好ましくは炭素原子数が6〜20である、アリール、アルカリールまたはアラルキル基、および/または、隣接基RおよびR、またはRおよびR、RおよびR、RおよびR10、R11およびR12、R12およびR13、またはR13およびR14は、6員ラクトン骨格を形成し、および/またはR〜R、およびR〜R14のいずれかは、一般式(I)または(II)で示される第2のラクトンへの脂肪族、脂環式または芳香族の「架橋基」である。)
(7)構成要素(B)の6員ラクトンがジヒドロクマリンまたは置換ジヒドロクマリンである、上記(1)〜(6)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(8)構成要素(C)のリン系硬化促進剤が、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、またはホスホニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、上記(2)〜(7)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物
(9)構成要素(A)のエポキシ樹脂が、3官能以上のエポキシ樹脂を含む、上記(1)〜(8)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなる成形材料。
(11)強化繊維が炭素繊維である、上記(10)に記載の成形材料。
(12)上記(10)または(11)に記載の成形材料が硬化されてなる繊維強化複合材料。
(13)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物が硬化されたエポキシ硬化物と強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料。
本発明によれば、硬化収縮が小さく、弾性率が高いエポキシ樹脂硬化物を与える、エポキシ樹脂組成物が得られる。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、エポキシ樹脂の硬化過程における、体積収縮を抑制することにより、エポキシ樹脂硬化物中のボイドやクラックを抑え、エポキシ樹脂硬化物の強度の低下を抑制できる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物を、接着剤や繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いた場合、エポキシ樹脂硬化物と、被着材や強化繊維との界面近傍で残留応力が小さくなるため、接着性の低下やエポキシ樹脂の脆弱化を低減できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明のプリプレグは、次の構成要素(A)〜(C)を含むエポキシ樹脂組成物である。
(A)エポキシ樹脂
(B)芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトン
(C)硬化促進剤
構成要素(A)のエポキシ樹脂は、特に限定されるものではなく、ビスフェノール型エポキシ樹脂、アミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、イソシアネート変性エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などの中から1種以上を選択して用いることができる。
ここで、ビスフェノール型エポキシ樹脂とは、ビスフェノール化合物の2つのフェノール性水酸基がグリシジル化されたものであり、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が挙げられる。また、単量体に限らず、複数の繰り返し単位を有する高分子量体も好適に使用することができる。
かかるビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”825、828、834、1001、1002、1003、1003F、1004、1004AF、1005F、1006FS、1007、1009、1010(以上、三菱化学(株)製)などが挙げられる。臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、“jER(登録商標)”505、5050、5051、5054、5057(以上、三菱化学(株)製)などが挙げられる。水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、ST5080、ST4000D、ST4100D、ST5100(以上、新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”806、807、4002P、4004P、4005P、4007P、4009P、4010P(以上、三菱化学(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF2001、YDF2004(以上、新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、YSLV−80XY(新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
かかるビスフェノールS型エポキシ樹脂としては、“エピクロン(登録商標)”EXA−154(DIC(株)製)などが挙げられる。
中でも、弾性率、靭性と耐熱性のバランスが良いことから、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が好ましい。
かかるアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン、アルキノール置換体、水添品などが挙げられる。
かかるテトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製)、YH434L(新日鐵化学(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、MY721(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。トリグリシジルアミノフェノールまたはトリグリシジルアミノクレゾールとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120(以上、住友化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)、“jER(登録商標)”630(三菱化学(株)製)などが挙げられる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加品として、TETRAD−X、TETRAD−C(以上、三菱ガス化学(株)製)などが挙げられる。
かかるフェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては“jER(登録商標)”152、154(以上、三菱化学(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、N−770、N−775(以上、DIC(株)製)などが挙げられる。
かかるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”N−660、N−665、N−670、N−673、N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるレゾルシノール型エポキシ樹脂の具体例としては、“デナコール(登録商標)”EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
かかるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の市販品としては“エピクロン(登録商標)”HP−7200、HP−7200L、HP−7200H、HP−7200HH、HP−7200HHH(以上、DIC(株)製)、“Tactix(登録商標)”558(ハンツマン・アドバンスト・マテリアル(株)製)、XD−1000−1L、XD−1000−2L(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”YX4000H、YX4000、YL6616(以上、三菱化学(株)製)、NC−3000(日本化薬(株)製)などが挙げられる。
かかるイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するXAC4151、AER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348((株)ADEKA製)などが挙げられる。
かかるテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂の市販品としては、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂である“jER(登録商標)”1031(三菱化学(株)製)などが挙げられる。
かかるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の市販品としては、jER(登録商標)”1032S50(三菱化学(株)製)、“タクチックス(登録商標)”742(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。
かかるフルオレン型エポキシ樹脂の市販品としては、“オグソール(登録商標)”(大阪ガスケミカル(株)製)、LME10169(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。
構成要素(A)のエポキシ樹脂は、耐熱性、弾性率などの力学特性の観点から、3官能以上のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂であることが好ましい。
かかる3官能以上のエポキシ樹脂としては、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシリレンジアミンや、これらのハロゲン、アルキノール置換体、水添品、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、3官能以上のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。かかる3官能以上のエポキシ樹脂の市販品としては、“jER(登録商標)”152、154、604、630、1031、1032(以上、三菱化学(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−660、N−665、N−670、N−673、N−695、N−740、N−770、N−775、HP−7200H、HP−7200HH、HP−7200HHH(以上、DIC(株)製)“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120、ELM434(以上、住友化学(株)製)、YH434L(以上、新日鐵化学(株)製)、TETRAD−X、TETRAD−C(以上、三菱ガス化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600、MY720、MY721、jER(登録商標)”1032S50(三菱化学(株)製)、“Tactix(登録商標)”742(以上、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製)等が挙げられる。
構成要素(B)は、芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトンであることが必要である。芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトンを用いることで、エポキシ樹脂の体積収縮を抑制することができる。構成要素(B)は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子、最も好ましくは1〜6個の炭素原子を含む1つまたはそれ以上の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル基など)によってさらに置換されていてもよい。さらなる置換基は、ヒドロキシ、アリール、アルクアリールまたはアラルキル基(好ましくは6〜20個の炭素原子を含む)から選択することができ、これらは、芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格または6員ラクトン骨格に直接結合することができるか、または架橋原子もしくは架橋基(−O−、−S−、−(CO)−、−O−(CO)−または−(CO)−O−など)によって該骨格に結合することもできる。芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
構成要素(B)は、エポキシ樹脂との反応性、エポキシ樹脂と混合した際の保存安定性、体積収縮性、得られるエポキシ樹脂硬化物の力学特性の観点から、5〜7員の芳香族もしくはヘテロ芳香族環であり、ヘテロ芳香族環中のヘテロ原子が窒素、酸素または硫黄から少なくとも1つ以上選択されることが好ましい。より好ましくは、6員の芳香族もしくはヘテロ芳香族環であり、ヘテロ芳香族環中のヘテロ原子が窒素、酸素または硫黄から少なくとも1つ以上選択されることである。
また、構成要素(B)の6員ラクトン骨格は、芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格の隣接炭素原子に縮合して、2官能ラクトン、例えば、以下の一般式(III)で示される、2官能ラクトン(Marx.J.N.ら、J.Heterocyclic Chem.、12(2)、417(1975)を参照)を形成することもできる
構成要素(B)の6員ラクトン骨格に縮合した5員芳香族または5員ヘテロ芳香族骨格の例には、例えば、フラン骨格、チオフェン骨格またはピロール骨格が含まれる。
構成要素(B)の6員ラクトン骨格に縮合した6員芳香族または6員ヘテロ芳香族骨格の例には、例えば、ベンゼン骨格、ナフタレン骨格またはピリジン骨格が含まれる。特に好ましいのは、エポキシ樹脂と混合した際の保存安定性等の観点から、ベンゼン骨格または、ナフタレン骨格である。
Figure 2013032510
構成要素(B)の6員ラクトンは、芳香族骨格としてベンゼン環またはナフタレン環に縮合しており、以下の一般式(I)または(II)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2013032510
Figure 2013032510
(式中のR〜R14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R〜R14は、水素原子、水酸基、または炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6であり、直鎖もしくは分岐のあるアルキル基、または芳香族もしくは6員ラクトン骨格に直接結合しているか、または架橋原子もしくは架橋基によって該骨格に結合しており、好ましくは炭素原子数が6〜20である、アリール、アルカリールまたはアラルキル基、および/または、隣接基RおよびR、またはRおよびR、RおよびR、RおよびR10、R11およびR12、R12およびR13、またはR13およびR14は、6員ラクトン骨格を形成し、および/またはR〜R、およびR〜R14のいずれかは、一般式(I)または(II)で示される第2のラクトンへの脂肪族、脂環式または芳香族の「架橋基」である。)
が、一般式(I)で示される第2のラクトンへの脂肪族、脂環式または芳香族の「架橋基」である場合について例示すると、式(IV)のようになる。
架橋基としては、アルキレン基、フェニレン基、−O−アルキレン−O−基、−O−フェニレン−O−基、−O−CO−アルキレン−CO−O−基、−O−CO−フェニレン−CO−O−基、−O−CO−NH−アルキレン−NH−CO−O−基、または−O−CO−NH−フェニレン−NH−CO−O−基等を例示することができる。アルキレン基またはフェニレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基であることが好ましい。
Figure 2013032510
構成要素(B)の6員ラクトンは、ジヒドロクマリン(一般式(I)のR〜Rが水素原子)または置換ジヒドロクマリンであることが好ましい。置換ジヒドロクマリンとは、一般式(I)のR〜Rが水素原子であって、R〜Rが、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、水酸基、または炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6であり、直鎖もしくは分岐のあるアルキル基、または芳香族に直接結合しているか、または架橋原子もしくは架橋基によって該骨格に結合しており、好ましくは炭素原子数が6〜20である、アリール、アルカリールまたはアラルキル基、および/または、隣接基RおよびR、またはRおよびR、またはRおよびRは、6員ラクトン骨格を形成し、および/またはR〜Rのいずれかは、一般式(I)で示される第2のラクトンへの脂肪族、脂環式または芳香族の「架橋基」であることを満たす化合物である。
以下に、一般式(I)または(II)に該当する具体的な構造式の例を示す。
Figure 2013032510
構成要素(B)は、構成要素(A)のエポキシ基1当量に対し、活性水素基が0.5〜0.9当量の範囲となる量を含むことが好ましく、より好ましくは0.5〜0.75当量の範囲となる量を含むことである。ここで、活性水素基とは、硬化剤成分のエポキシ基と反応しうる官能基を意味し、活性水素基が0.5当量に満たない場合は、体積収縮が小さいが、硬化物の反応率、耐熱性、弾性率が不足する場合がある。また、活性水素基が0.9当量を超える場合は、硬化物の反応率、ガラス転移温度、弾性率は十分であるが、体積収縮が大きくなる場合がある。
構成要素(C)の硬化促進剤は、特に限定されるものではなく、ウレア化合物、第三級アミンとその塩、イミダゾールとその塩、リン系硬化促進剤、カルボン酸金属塩や、ルイス酸類やブレンステッド酸類とその塩類などの中から1種以上を選択して用いることができる。中でも、保存安定性と触媒能力のバランスから、ウレア化合物、第三級アミンとその塩、イミダゾールとその塩およびリン系硬化促進剤が好ましい。また、高い弾性率と小さい体積収縮を両立できることから、リン系硬化促進剤がより好ましい。
リン系硬化促進剤と構成要素(B)を組み合わせることにより、高い弾性率と小さい体積収縮が両立できる理由は定かではないが、次のような理由が考えられる。ウレア化合物、第三級アミンとその塩、およびイミダゾールとその塩等のアミン系の硬化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤との重縮合反応だけでなく、エポキシ樹脂同士の重縮合反応も促進するため、構成要素(B)の体積収縮の抑制効果が小さくなりがちである。また、エポキシ樹脂硬化物中に、未反応の構成要素(B)が残存し、これが可塑剤として機能するため、エポキシ樹脂硬化物の弾性率も低下する傾向がある。一方、リン系硬化促進剤は、エポキシ樹脂と硬化剤との重縮合反応のみを促進し、エポキシ同士の重縮合反応を促進しない傾向がある。このため、構成要素(B)の体積収縮の抑制効果を十分に発現できる。さらに、未反応の構成要素(B)が少なくなるため、エポキシ樹脂硬化物の弾性率も高くなる。リン系硬化促進剤は、特に限定されるものではなく、アルキルホスフィン化合物、アリールホスフィン化合物、ホスフィンオキサイド化合物、ホスホニウム塩類等が使用できる。リン系硬化促進剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
アルキルホスフィン化合物としては、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン等のヒドロキシアルキルホスフィン等が挙げられる。
上記アリールホスフィン化合物としては、トリベンジルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、ビスジフェニルホスフェノエタン、ビスジフェニルホスフィノブタン等が挙げられる。
上記ホスフィンオキサイド化合物としては、トリエチルホスフィンオキサイド、トリ−n−プロピルホスフィンオキサイド、トリ−n−ブチルホスフィンオキサイド、トリ−n−ヘキシルホスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキサイド等のヒドロキシアルキルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩類としては、テトラエチルホスホニウムブロマイド、トリエチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルオクチルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルヘキサデシルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルアリルホスホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエート、トリ−n−オクチルエチルホスホニウムブロマイド、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムサルフェート、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート等が挙げられる。
その他のリン系硬化促進剤として、ビスジフェニルホスフィノフェロセン、トリ−n−ブチルホスフィンサルファイド等が挙げられる。
なかでも、反応促進性、エポキシ樹脂組成物の保存安定性の観点から、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、またはホスホニウム塩が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が失われない範囲において、熱可塑性樹脂を添加することができる。かかる熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子等を配合することができる。エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂としては、エポキシ樹脂と金属等の被着体との接着性改善効果が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。エポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂およびスルホニル基を有する熱可塑性樹脂などを挙げることができる。
アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂を挙げることができる。アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドンを挙げることができる。スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げることができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホンは、主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有してもよい。
エポキシ樹脂に可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂の市販品を例示すると、ポリビニルアセタール樹脂として、デンカブチラールおよび“デンカホルマール(登録商標)”(電気化学工業(株)製)、“ビニレック(登録商標)”(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR(登録商標)”PKHP(ユニオンカーバイド(株)製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト(登録商標)”(ヘンケル白水(株)製)、“アミラン(登録商標)”CM4000(東レ(株)製)、ポリイミドとして“ウルテム(登録商標)”(ジェネラル・エレクトリック(株)製)、“Matrimid(登録商標)”5218(チバ(株)製)、ポリスルホンとして“スミカエクセル(登録商標)”(住友化学(株)製)、“UDEL(登録商標)”(ソルベイアドバンストポリマーズ(株)製)、ポリビニルピロリドンとして、“ルビスコール(登録商標)”(ビーエーエスエフジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が高く、粘弾性制御のために好適に用いられる。アクリル樹脂の市販品を例示すると、“ダイヤナール(登録商標)”BRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M,M100,M500(松本油脂製薬(株)製)、“Nanostrength(登録商標)”E40F、M22N、M52N(アルケマ(株)製)などを挙げることができる。
ゴム粒子を配合することもできる。ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が、取り扱い性等の観点から好ましく用いられる。
架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋物からなるFX501P(日本合成ゴム工業(株)製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(新日鐵化学(株)製)等を使用することができる。
コアシェルゴム粒子の市販品としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる“パラロイド(登録商標)”EXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド(登録商標)”AC−3355、TR−2122(以上、武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARALOID(登録商標)”EXL−2611、EXL−3387(Rohm&Haas社製)、“カネエース(登録商標)”MXシリーズ(カネカ(株)製)等を使用することができる。
熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド粒子やポリイミド粒子が好ましく用いられ、ポリアミド粒子の市販品として、SP−500(東レ(株)製)、“オルガソール(登録商標)”(アルケマ(株)製)等を使用することができる。
さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果が失われない範囲において、無機粒子を配合することができる。無機粒子としては、金属酸化物、金属、鉱物などが挙げられ、これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。無機粒子は、得られる硬化物の機能向上および機能付与に用いられ、具体的な機能としては、表面硬度、アンチブロッキング、耐熱性、バリア性、導電性、帯電防止性、電磁波吸収、紫外線カット、強靱化、耐衝撃性、低熱線膨張などが挙げられる。金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫、フッ素ドープ酸化スズ、などが挙げられる。金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、亜鉛、ステンレスなどが挙げられる。鉱物としては、モンモリロナイト、タルク、マイカ、ベーマイト、カオリン、スメクタイト、ゾノライト、バーキュライト、セリサイトなどの粘土鉱物が挙げられる。その他には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどの炭素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスバルーンなどの各種ガラス、などのフィラーを挙げることができる。用いる無機粒子の大きさには特に規定はなく、例えば、1nm〜10μm程度の大きさのものを用いることができ、球状、針状、板状、バルーン状、中空状等のいずれの形状であってもよい。また、無機粒子は、粉体をそのまま使用してもよく、ゾルやコロイドの様に溶媒に分散したものを用いてもよい。
さらに、分散性や界面親和性向上を目的とし、フィラー表面にカップリング剤などにより表面処理されたものを用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、上記したような構成成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、離型剤、表面処理剤、難燃剤、抗菌剤、レベリング剤、消泡剤、揺変剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、カップリング剤、金属アルコキサイドなどが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の体積収縮率は、2%以下であることが好ましく、より好ましくは1.7%以下である。体積収縮率が2%を超えると、体積収縮の低減効果が十分でなく、エポキシ樹脂硬化物にボイドやクラックを発生させ、エポキシ樹脂硬化物の強度の低下を引き起こす場合がある。
体積収縮率の測定は、次のようにして行う。構成要素(A)、構成要素(B)、および構成要素(C)を混練した後、得られたエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した。その後、エポキシ樹脂組成物を約5gを精秤し、これを用いて、ガスピクノメーターでその体積を測定した。測定したエポキシ樹脂組成物の質量および体積から、硬化前のエポキシ樹脂組成物の密度(D1)を算出した。次に、脱泡した樹脂組成物2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中注入し、室温から130℃まで1.5℃/分で昇温し、130℃で90分かけて硬化し、エポキシ樹脂硬化物を作製した。得られたエポキシ樹脂硬化物を約1cm×2cmになるように、ダイヤモンダカッターで切り出した。切り出したエポキシ樹脂硬化物を精秤した後、その体積をガスピクノメーターにより測定した。測定したエポキシ樹脂組成物の質量および体積から、エポキシ樹脂硬化物の密度(D2)を算出した。体積収縮率は、測定したD1とD2から、下式に従って、算出した。
体積収縮率(%)=(D1−D2)/D1×100。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、封止剤、接着剤、被覆剤、および繊維強化複合材料等の複合材料のマトリックス樹脂として好適に用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、強化繊維と組み合わせて成形材料として使用することができる。かかる強化繊維としては、特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が用いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。この中で、軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる炭素繊維を用いることが好ましい。
炭素繊維としては、X線光電子分光により測定される表面酸素濃度O/Cが、0.02〜0.20であることが好ましく、より好ましくは0.04〜0.15、さらに好ましくは0.06〜0.10であることである。O/Cが、0.02以上であると、エポキシ樹脂組成物や後述のカップリング剤やサイジング剤と炭素繊維最表面との化学結合が強固になり、本発明の残留応力の低減が、成形材料の強度向上に大きく貢献しやすくなる。また、O/Cが、0.20以下であると、本来炭素繊維基質自身が有する強度を維持したまま、エポキシ樹脂組成物の官能基と炭素繊維最表面との化学結合は強固にできるため、本発明の残留応力の低減が、成形材料の強度向上に大きく貢献しやすくなる。
また、X線光電子分光により測定される表面窒素濃度N/Cが、0.02〜0.30であることが好ましく、好ましくは0.03〜0.25、さらに好ましくは0.10〜0.20であることである。N/Cが0.02以上であると、エポキシ樹脂組成物や後述のカップリング剤やサイジング剤と炭素繊維最表面との化学結合が強固になり、本発明の残留応力の低減が、成形材料の強度向上に大きく貢献しやすくなる。また、N/Cが0.30以下であると、本来炭素繊維基質自身が有する強度を維持したまま、エポキシ樹脂組成物の官能基と炭素繊維最表面との化学結合は強固にできるため、本発明の残留応力の低減が、成形材料の強度向上に大きく貢献しやすくなる。
ここで、表面酸素濃度O/Cとは、次の手順に従ってX線光電子分光法により求めた値をいう。先ず、溶媒でサイジング剤などを除去した炭素繊維束をカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出角度を90度とし、X線源としてMgKα1,2を用い、試料チャンバー内を1×10−8Torrの真空度に保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正として、まずC1Sの主ピークの結合エネルギー値を284.6eVに合わせる。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、O1Sピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。表面酸素濃度O/Cは、上記O1Sピーク面積とC1Sピーク面積の比を、装置固有の感度補正値で割ることにより算出した原子数比で表した。なお、本発明の実施例では島津製作所(株)製ESCA−750を用い、上記装置固有の感度補正値は2.85であった。
また、表面酸素濃度N/Cとは、次の手順に従ってX線光電子分光法により求めた値をいう。先ず、溶媒でサイジング剤などを除去した炭素繊維束をカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出角度を90度とし、X線源としてMgKα1,2を用い、試料チャンバー内を1×10−8Torrの真空度に保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正として、まずC1Sの主ピークの結合エネルギー値を284.6eVに合わせる。C1Sピーク面積は、282〜296eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、N1Sピーク面積は、398〜410eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。表面窒素濃度N/Cは、上記N1Sピーク面積とC1Sピーク面積の比を、装置固有の感度補正値で割ることにより算出した原子数比で表した。なお、本発明の実施例では島津製作所(株)製ESCA−750を用い、上記装置固有の感度補正値は1.7であった。
また、炭素繊維の表面には、公知の表面処理、カップリング剤やサイジング剤を付与することができるが、二価以上のエポキシ樹脂、アルコキシシリル基を有する樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、エチレンアイオノマー、不飽和ポリエステルのうち、いずれか1つ以上が付着していることが好ましい。
炭素繊維の表面処理としては、電解処理が好ましい。電解処理に用いられる電解液としては、硫酸、硝酸、塩酸などの酸や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等の水酸化物、アンモニア、または、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩類、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有機塩類の水溶液、さらにこれらのカリウム塩、バリウム塩あるいは他の金属塩、およびアンモニウム塩、またヒドラジン等の有機化合物が挙げられる。
炭素繊維の機械的特性としては、引張伸度が、0.7%以上であることが好ましく、より好ましくは1%以上であり、さらに好ましくは1.5%以上であることである。引張伸度が0.7%以上であると、本発明の残留応力の低減が、成形材料の強度向上に大きく貢献しやすくなる。
かかる強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、たとえば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、ブレイド、10mm未満の長さにチョップした短繊維などが用いられる。ここでいう、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束のことをさす。また、短繊維とは10mm未満の長さに切断された単繊維もしくは繊維束である。この中でも、比強度、比弾性率が高い繊維強化複合材料が求められる用途には、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐が好ましく、さらに好ましくは、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組合せて成形材料として使用する方法としては、予めエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組み合わせた後に成形する方法、または成形時にエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組合せる方法等が挙げられる。予めエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組合せる方法としては、シートモールディングコンパウンド(SMC)を用いて成形する方法、プリプレグを用いて成形する方法、フィラメントワインディング法(乾式法)を用いて成形する方法等が挙げられる。成形時にエポキシ樹脂組成物と強化繊維を組合せる方法としては、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、レジントランスファーモールディング法、レジンフィルムインフュージョン法、フィラメントワインディング法(湿式法)、プルトルージョン法等が挙げられる。
中でも、軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が求められる用途には、プリプレグを用いて成形する方法が好ましく、繊維強化複合材料の強度、形状の自由度、成形コストのバランスの観点から、ヤーンプリプレグを用いて成形する方法、レジントランスファーモールディング法、レジンフィルムインフュージョン法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法が好ましく用いられる。
SMCとは、短繊維からなる強化繊維と樹脂から構成され、短繊維からなる強化繊維に樹脂組成物を含浸させてシート状にしたものをBステージ化したものである。そして、SMCは、主として、金型内で加熱圧縮し硬化させて本発明の繊維強化複合材料を与える。
プリプレグとは、前記強化繊維からなる一方向に引き揃えた長繊維、織物、マット等の繊維基材に樹脂組成物を含浸させてシート状にしたものである。含浸させる方法としては、樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解することにより低粘度化して含浸させるウェット法と、加熱により低粘度化して含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
前記ウェット法は、強化繊維を樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法である。ホットメルト法は、加熱により低粘度化した樹脂組成物を、直接、強化繊維からなる繊維基材に含浸させる方法、又は一旦、樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで前記強化繊維からなる繊維基材の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより、前記強化繊維からなる繊維基材に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
プリプレグを賦形および/または積層後、賦形物および/または積層物に圧力を付与しながら本発明のエポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法等により、本発明の繊維強化複合材料が作製される。
ここで熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等を適宜使用することができる。
ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定及び圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。
また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフシャフト、バッド、テニスやバドミントン等のラケットや、自転車用ホイールの如き複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
かかるプリプレグは、単位面積あたりの強化繊維量が50〜300g/mであることが好ましい。かかる強化繊維量が50g/m以上であると、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数が少なく、作業効率がよいため好ましい。一方で、強化繊維量が300g/m以下であると、プリプレグのドレープ性が良好な傾向にあるため好ましい。また、繊維重量含有率は、好ましくは60〜90質量%であり、より好ましくは65〜85質量%であり、さらに好ましくは70〜80質量%である。繊維質量含有率が60質量%以上の場合、強化繊維含有量が多いため、比強度と比弾性率に優れる繊維強化複合材料をあたえることができるというプリプレグの利点が得られやすい。また、繊維重量含有率が90質量%以下であると、エポキシ樹脂組成物の含浸不良が起こりにくく、得られる複合材料がボイドの少ないものとなる傾向があるため、好ましい。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法としては、110〜180℃で2時間以内に硬化させることが好ましい。硬化温度が110℃以上であると、製造時間が短くなる傾向があるため好ましい。一方、硬化温度が180℃以下である場合は、エポキシ樹脂組成物の残留応力が小さくなる傾向があるため好ましい。さらに、硬化時間が2時間以内である場合は、使用するエネルギー量が少なく、高速生産しやすいため好ましい。
フィラメントワインディング法とは、強化繊維が一方向に配列した連続繊維束に樹脂を含浸させたものを、所望の形状に巻きつけた後、樹脂を硬化させる方法である。乾式法とは、予め樹脂を上記連続繊維束に含浸しBステージ化したものを使って、成形する方法であり、湿式法とは、上記連続繊維束に樹脂を含浸させながら、所望の形状に巻きつけ、硬化する方法である。
ハンドレイアップ法とは、成形型に強化繊維基材をあらかじめ賦形し、樹脂をハケやローラーで含浸させ、脱泡しながら所定の厚さまで積層した後、樹脂を硬化させる方法である。
スプレーアップ法とは、スプレーアップ機を使用して、強化繊維を適当な長さに切断しながら、樹脂を同時に成形型に吹き付けて所定の厚さになった後、樹脂を硬化させる方法である。
レジントランスファーモールディング(RTM)法とは、成形型に強化繊維基材をあらかじめ賦形し、型締め後、密閉系のなかに樹脂を注入して強化繊維基材に樹脂を含浸させ、樹脂を硬化することにより成形する方法である。成形型や樹脂は、予め加温されていることが好ましい。成形型や樹脂を加温する温度は、強化繊維基材への含浸性の観点から、樹脂の初期粘度と粘度上昇の関係から決められ、40〜70℃が好ましく、より好ましくは50〜60℃である。
RTM法では、強化繊維をマット、織物、ニット、ブレイド、一方向に引き揃えた長繊維等の形態に加工した強化繊維基材が好適に用いられる。中でも、高い繊維含有率の繊維強化複合材料が得やすく、かつ取扱い性に優れた織物が好適に用いられる。
また、RTM法においては、成形型に複数の注入口を有するものを用い、樹脂を複数の注入口から同時に、または時間差を設けて順次注入するなど、得ようとする繊維強化複合材料に応じて適切な条件を選ぶことが、様々な形状や大きさの成形体に対応できる自由度が得られるために好ましい。かかる注入口の数や形状に制限はないが、短時間での注入を可能にするために注入口は多い程良く、その配置は、成形品の形状に応じて樹脂の流動長を短くできる位置が好ましい。
RTM法に用いられる樹脂は、(A)エポキシ樹脂を含むa液と、(B)芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトンを含むb液とを別々に加温しておき、注入の直前にミキサーを用いて混合した後、注入することが樹脂の可使時間の点から好ましい。硬化促進剤や他の配合成分は、a液、b液のどちらに配合しても良く、あらかじめどちらかあるいは両方に混合して使用できる。
RTM法において、樹脂組成物の注入圧力は、通常0.1〜1.0MPaで、型内を真空吸引して樹脂を注入するVaRTM(vacuum assist resin transfer molding)法も用いることができるが、注入時間と設備の経済性の点から0.1〜0.6MPaが好ましい。また、加圧注入を行う場合でも、樹脂組成物を注入する前に型内を真空に吸引しておくと、ボイドの発生が抑えられ好ましい。
レジンフィルムインフュージョン法とは、密閉した型内に強化繊維基材と未硬化の樹脂フィルムを設置し、全体を加熱することによって樹脂を溶融させ、次に型内の減圧と外部からの加圧によって樹脂を強化繊維基材に含浸し、さらに加熱してこれを硬化させる方法である。
プルトルージョン法とは、連続した強化繊維束に樹脂を含浸した後、これを金型内へ導入して加熱硬化させ、引抜装置で引き抜くことによって、連続的に繊維強化複合材料を成形する方法である。
本発明の繊維強化複合材料は、スポーツ用途、一般産業用途および航空宇宙用途に好適に用いられる。より具体的には、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニスやバドミントンのラケット用途、ホッケー等のスティック用途、およびスキーポール用途に用いられる。また、一般産業用途では、自動車、船舶および鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラー、屋根材、ケーブル、および補修補強材料等に用いられる。さらに、航空宇宙用途では、胴体、主翼、尾翼、動翼、フェアリング、カウル、ドア、座席、内装材、モーターケース、アンテナ等に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
本実施例および比較例に用いた構成要素(A)〜(C)は、以下の通りである。
<エポキシ樹脂>
(A−1):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”828、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:189)
(A−2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1004、三菱化学(株)製、エポキシ当量:975)
(A−3):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”4010、三菱化学(株)製、エポキシ当量:4400)
(A−4):イソシアネート変性エポキシ樹脂(AER4152、旭化成エポキシ(株)製、エポキシ当量:340)
(A−5):ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂(“jER(登録商標)”YX4000、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:186)
(A−6):ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(“エピクロン(登録商標)”HP−7200H、DIC(株)製、エポキシ当量:283)
(A−7):ジグリシジルアニリン(GAN、日本化薬(株)製、エポキシ当量125)
(A−8):フェノールノボラック型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”154、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:178)
(A−9):p−アミノフェノール型エポキシ樹脂(アラルダイド(登録商標)”MY0500、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製、エポキシ当量:110)
(A−10):トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1032S50、ジャパンエポキシレジン(株)製、エポキシ当量:169)
(A−11):多官能アミン型エポキシ樹脂(“スミエポキシ(登録商標)”ELM434、住友化学工業(株)製、エポキシ当量:120)
(A−12):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”1001、三菱化学(株)製、エポキシ当量:475)
(A−13):多官能アミン型エポキシ樹脂(アラルダイド(登録商標)”MY721、ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ(株)製、エポキシ当量:113)
(A−14):ナフタレン型エポキシ樹脂(“エピクロン(登録商標)”HP−4032、DIC(株)製、エポキシ当量:152)
(A−15):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピクロン(登録商標)”EPC830、DIC(株)製、エポキシ当量:170)。
<硬化剤>
(B−1):ジヒドロクマリン(DHCM、アルドリッチ社製、活性水素当量:148)
(B−2):ビスラクトン(BL、活性水素当量:116)
(B−3):ジヒドロナフトピラノン(DHNP、活性水素当量198)
(B−4):ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン(株)製、活性水素当量:12)
(B−5):δ−バレロラクトン(VL、アルドリッチ社製、活性水素当量:100)
(B−6):イソクロマノン(ICM、アルドリッチ社製、活性水素当量:148)
(B−7):メチルテトラヒドロ無水フタル酸(HN−2200、日立化成工業(株)製、活性水素当量:151)
なお、(B−1)〜(B−3)、(B−5)、(B−6)の構造式は下記のとおりである。
Figure 2013032510
<硬化促進剤>
(C−1):トリフェニルホスフィン(TPP、北興化学工業(株)製)
(C−2):2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ、四国化成工業(株)製)
(C−3):ウレア化合物(DCMU99、保土ヶ谷化学工業(株)製)。
<熱可塑性樹脂>
ポリビニルホルマール(“ビニレック(登録商標)”K、チッソ(株)製)。
<強化繊維>
炭素繊維(“トレカ(登録商標)”T700S、東レ(株)製、引張弾性率:230GPa、引張強度:4900MPa)
<強化繊維基材>
炭素繊維織物(CO7373、東レ(株)製、炭素繊維:“トレカ(登録商標)”T300B−3K、組織:平織、目付:192g/m)。
(1)エポキシ樹脂硬化物の作製方法
エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中に注入し、室温から130℃まで1.5℃/分で昇温し、その後130℃で90分保温し、厚さ2mmの板状のエポキシ樹脂硬化物を得た。
(2)エポキシ樹脂硬化物の曲げ弾性率および曲げたわみ量の測定方法
上記(1)で得られたエポキシ樹脂硬化物から、ダイヤモンドカッターを用い、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、スパン間長さを32mm、クロスヘッドスピードを100mm/分とし、JIS K7171(1994)に従って3点曲げを実施し、曲げ弾性率および曲げたわみ量を測定した。
(3)体積収縮率の測定方法
真空中で脱泡したエポキシ樹脂組成物約5gを精秤し、これを用いて、ガスピクノメーターでその体積を測定した。測定したエポキシ樹脂組成物の質量および体積から、硬化前のエポキシ樹脂組成物の密度(D1)を算出した。上記(1)の方法で作製したエポキシ樹脂硬化物を、約1cm×2cmになるように、ダイヤモンダカッターで切り出した。切り出したエポキシ樹脂硬化物を精秤した後、その体積をガスピクノメーターにより測定した。測定したエポキシ樹脂組成物の質量および体積から、エポキシ樹脂硬化物の密度(D2)を算出した。体積収縮率は、測定したD1とD2から、下式に従って、算出した。
体積収縮率(%)=(D1−D2)/D1×100。
(4)エポキシ樹脂硬化物のガラス転移温度の測定方法
上記(1)の方法で作製したエポキシ樹脂硬化物から、ダイヤモンドカッターを用い、幅13mm、長さ50mmのサンプルを切り出した。このサンプルを、動的粘弾性測定装置(レオメーターRDA2:レオメトリックス社製)を用い、昇温速度5℃/minで昇温し、周波数1.0Hzのねじりモードで貯蔵弾性率の測定を行った。このときの貯蔵弾性率のオンセット温度をガラス転移温度とした。
(5)一方向プリプレグの作製方法
エポキシ樹脂組成物を、リバースロールコーターを使用し離型紙状に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、単位面積辺りの炭素繊維重量125g/m、繊維重量含有率68%の、T700S使い一方向プリプレグを作製した。
(6)オートクレープ法による繊維強化複合材料の製造方法
上記(5)に従い作製した一方向プリプレグを、所望の厚みになるように一方向に積層した後、オートクレーブ内で、130℃、0.3MPaで1.5時間加熱加圧して硬化し、繊維強化複合材料を作製した。
(7)RTM法による繊維強化複合材料の作製方法
長さ350mm×幅350mm×厚み2mmの板状キャビティーを持つ金型に、強化繊維基材を、炭素繊維の経糸繊維方向を0°方向として、同一方向に引き揃えて10枚積層して、プリフォームを作製し、型締めを行った。続いて、金型を 60℃の温度に加温した後、予め別途60℃の温度に加温したエポキシ樹脂組成物を、樹脂注入装置を用い、注入圧0.2MPaで型内に注入し、強化繊維基材に含浸させた。含浸後、金型を速度1.5℃/minで130℃の温度まで昇温し、130℃の温度で2時間保持した後、30℃の温度にまで降温し、脱型し、厚さ2mmの繊維強化複合材料を得た。
(8)繊維強化複合材料の曲げ試験方法
繊維強化複合材料の曲げ強度の指標として、一方向材の場合は、繊維強化複合材料の90°曲げ強度を測定し、織物の場合は、どちらか一方の繊維方向に平行になる方向の曲げ強度を測定した。上記(6)ないし(7)の方法で作製した厚さ2mmの繊維強化複合材料から、ダイヤモンダカッターを用い、幅15mm、長さ100mmのサンプルを切り出した。このサンプルを、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、JIS K7074(1988)に従って3点曲げを実施し、曲げ強度を測定した。また、試験片からJIS7075(1991)に記載の燃焼法に基づいて、実Vfを求めた後、得られた曲げ強度をVf60%に換算した。
(9)繊維強化複合材料の引張試験方法
繊維強化複合材料の引張強度の指標として、一方向材の場合は、繊維強化複合材料の90°引張強度を測定し、織物の場合は、どちらか一方の繊維方向に平行になる方向の引張強度を測定した。上記(6)の方法で作製した厚さ1mmの繊維強化複合材料からは、ダイヤモンダカッターを用い、一方向材の場合は、幅12.5mm、長さ200mmのサンプルを切り出した。また、上記(7)の方法で作製した厚さ2mmの繊維強化複合材料からは、ダイヤモンダカッターを用い、幅25mm、長さ200mmのサンプルを切り出した。これらのサンプルを、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、JIS K7073(1988)に従って引張試験を実施し、引張強度と破断ひずみ量を測定した。
(10)繊維強化複合材料の圧縮試験方法
繊維強化複合材料の圧縮強度の指標として、一方向材の場合は、繊維強化複合材料の0°圧縮強度を測定し、織物の場合は、どちらか一方の繊維方向に垂直になる方向の圧縮強度を測定した。上記(6)の方法で作製した厚さ1mmの繊維強化複合材料、ないし上記(7)の方法で作製した厚さ2mmの繊維強化複合材料から、ダイヤモンダカッターを用い、幅12.5mm、長さ78mmのサンプルを切り出した。このサンプルを、インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、JIS K7076(1991)に従って圧縮試験を実施し、圧縮強度を測定した。また、試験片からJIS7075(1991)に記載の燃焼法に基づいて、実Vfを求めた後、得られた曲げ強度をVf60%に換算した。
(実施例1)
構成要素(A)〜(C)として、(A−1)、(B−1)、および(C−1)を、それぞれ、100質量部、0.5当量、10質量部混合した後、室温で均一になるまで撹拌し、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、上記(1)に記載の方法で、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表1に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。
(実施例2)
構成要素(A)として(A−1)50質量部および(A−2)50質量部を、相溶するまで加熱溶融混練し、60℃に冷却した。一方、構成要素(B)として(B−1)0.5当量、および構成要素(C)として(C−1)10質量部を混合し、相溶するまで加熱撹拌した後、60℃に冷却した。次に、60℃でこれらを混練し、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、上記(1)に記載の方法で、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表1に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。
(実施例3〜6)
実施例2の(A−2)をそれぞれ、(A−3)〜(A−6)にかえた以外は、実施例2と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表1に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。
(実施例7)
構成要素(A)を(A−1)50質量部および(A−7)50質量部にかえた以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表1に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。実施例1に比べ、曲げ弾性率は向上したが、曲げたわみ量が低下した。
(実施例8〜11)
実施例2の(A−2)をそれぞれ、(A−8)〜(Aー11)にかえた以外は、実施例2と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表1に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。3官能以上のエポキシ樹脂を用いることにより、実施例1に比べて、曲げ弾性率とガラス転移温度が向上した。
(実施例12)
構成要素(A)を、(A−1)15質量部、(A−2)35質量部、(A−9)50質量部にかえた以外は、実施例2と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。3官能以上のエポキシ樹脂を用いることにより、実施例2に比べて、曲げ弾性率とガラス転移温度が向上した。
(実施例13)
構成要素(B)の配合量を、0.75当量にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。構成要素(B)の配合量を0.75当量にすることにより、実施例12に比べて、ガラス転移温度が向上した。
(実施例14)
構成要素(B)の配合量を、0.9当量にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。構成要素(B)の配合量を0.9当量にすることにより、実施例12に比べて、曲げ弾性率が向上した。
(実施例15)
構成要素(C)の配合量を、5質量部にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。構成要素(C)の配合量を5質量部にすることにより、実施例12に比べて、曲げ弾性率が向上した。
(実施例16)
構成要素(B)を、(B−2)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。構成要素(B)を(B−2)にかえることにより、実施例12に比べて、曲げ弾性率、ガラス転移温度が向上し、体積収縮率も小さくなった。なお、(B−2)は、公知の文献(須藤 篤ら、J.POLYM. SCI. PART A. CHEM.、46、3447(2008))を参考に作製した。
(実施例17)
構成要素(B)を(B−3)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。構成要素(B)を(B−3)にかえることにより、実施例12に比べて、ガラス転移温度が向上し、体積収縮率も小さくなった。なお、(B−3)は、公知の文献(須藤 篤ら、J.POLYM. SCI. PART A. CHEM.、49、619(2011))を参考に作製した。
(実施例18)
構成要素(C)を、(C−2)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。構成要素(C)を(C−2)にかえることにより、実施例12に比べて、曲げ弾性率が低下し、体積収縮率が大きくなったものの、結果は良好であった。
(比較例1)
構成要素(B)と構成要素(C)を、それぞれ、(B−4)および(C−3)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。実施例12に比べて、体積収縮率が多くになり、好ましくなかった。
(比較例2)
構成要素(B)を、(B−5)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。実施例12に比べて、曲げ弾性率が低下し、体積収縮率も大きくなり、好ましくなかった。
(比較例3)
構成要素(B)を(B−6)にかえた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表2に示す。実施例12に比べて、体積収縮率が大きくなり、好ましくなかった。
(実施例19)
熱可塑性樹脂を15質量部加えた以外は、実施例18と同様に、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を表3に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。
次に、上記(5)および(6)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。繊維強化複合材料の物性は、いずれも良好であった。
(実施例20)
熱可塑性樹脂を15質量部加えた以外は、実施例12と同様に、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を表3に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。実施例19に比べて、曲げ弾性率が向上し、体積収縮率が低減ざれた。
次に、上記(5)および(6)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。繊維強化複合材料の物性は、いずれも良好であった。実施例19に比べて、曲げ強度、引張ひずみ量、圧縮強度が向上した。
(実施例21)
構成要素(A)として(A−12)35質量部、(A−13)50質量部、および(A−14)15質量部にかえた以外は、実施例18と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表3に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。
次に、上記(7)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。繊維強化複合材料の物性は、いずれも良好であった。
(実施例22)
構成要素(A)として(A−12)35質量部、(A−13)50質量部、および(A−14)15質量部にかえた以外は、実施例2と同様に、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表3に示す。曲げ特性、体積収縮率、およびガラス転移温度は、いずれも良好であった。また、実施例21と比較して、硬化促進剤にトリフェニルホスフィンを用いることにより、弾性率、たわみ量、体積収縮率が向上した。
次に、上記(7)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。繊維強化複合材料の物性は、いずれも良好であった。また、実施例21と比較して、硬化促進剤にトリフェニルホスフィンを用いることにより、繊維強化複合材料の物性が向上した。
(比較例4)
熱可塑性樹脂を15質量部加えた以外は、比較例1と同様に、エポキシ樹脂組成物を得た。結果を表3に示す。実施例20に比べて、体積収縮率が大きくなり、好ましくなかった。
次に、上記(5)および(6)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。実施例20に比べて、繊維強化複合材料の物性が低下し、好ましくなかった。
(比較例5)
構成要素(A)として(A−15)100質量部と、熱可塑性樹脂としてビニレックK 50質量部を、相溶するまで加熱溶融混練し、室温に冷却した。一方、構成要素(B)として(B−7)1当量、および構成要素(C)として(C−2)0.5質量部を混合し、相溶するまで撹拌した。次に、室温でこれらを混練し、エポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、上記(1)に記載の方法で、エポキシ樹脂硬化物を得た。結果を表3に示す。曲げ特性、およびガラス転移温度は、実施例22と同等でいずれも良好であったものの、体積収縮率が実施例22に比べて大きくなり、好ましくなかった。
次に、上記(7)に記載の方法に従って、繊維強化複合材料を作製し、得られた繊維強化複合材料の物性を、上記(8)〜(10)の方法に従って測定した。結果を表3に示す。繊維強化複合材料の物性は、実施例22に比べて、繊維強化複合材料の物性が低下し、好ましくなかった。
Figure 2013032510
Figure 2013032510
Figure 2013032510

Claims (13)

  1. 次の構成要素(A)〜(C)を含むエポキシ樹脂組成物。
    (A)エポキシ樹脂
    (B)芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格に縮合した6員ラクトン
    (C)硬化促進剤
  2. 硬化促進剤(C)がリン系硬化促進剤である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 構成要素(B)の6員ラクトンが縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格が、5〜7員の芳香族もしくはヘテロ芳香族環であり、ヘテロ芳香族環中のヘテロ原子が窒素、酸素または硫黄から少なくとも1つ以上選択される、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 構成要素(B)の芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格が6員環である、請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 構成要素(B)の芳香族骨格がベンゼン環またはナフタレン環である、請求項4に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 構成要素(B)の6員ラクトンが、芳香族骨格としてベンゼン環またはナフタレン環に縮合しており、以下の一般式(I)または(II)で示される、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2013032510
    Figure 2013032510
    (式中のR〜R14は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R〜R14は、水素原子、水酸基、または炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜6であり、直鎖もしくは分岐のあるアルキル基、または芳香族もしくはヘテロ芳香族骨格または6員ラクトン骨格に直接結合しているか、または架橋原子もしくは架橋基によって該骨格に結合しており、好ましくは炭素原子数が6〜20である、アリール、アルカリールまたはアラルキル基、および/または、隣接基RおよびR、またはRおよびR、RおよびR、RおよびR10、R11およびR12、R12およびR13、またはR13およびR14は、6員ラクトン骨格を形成し、および/または、R〜R、およびR〜R14のいずれかは、一般式(I)または(II)で示される第2のラクトンへの脂肪族、脂環式または芳香族の「架橋基」である。)
  7. 構成要素(B)の6員ラクトンがジヒドロクマリンまたは置換ジヒドロクマリンである、請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 構成要素(C)のリン系硬化促進剤が、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、またはホスホニウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項2〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物
  9. 構成要素(A)のエポキシ樹脂が、3官能以上のエポキシ樹脂を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物と強化繊維を含んでなる成形材料。
  11. 強化繊維が炭素繊維である、請求項10に記載の成形材料。
  12. 請求項10または11に記載の成形材料が硬化されてなる繊維強化複合材料。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物が硬化されたエポキシ硬化物と強化繊維を含んでなる繊維強化複合材料。
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