JP2013032256A - 蛍石結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶成長又は凝固させたフッ化カルシウムの一部を除去することなく、製品(蛍石結晶)の透過率を高めることができる、新たな蛍石結晶の製造方法を提案する。
【解決手段】フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーの混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得る溶融凝固工程と、該溶融凝固工程で得られた溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とする破砕工程と、前記溶融凝固体破砕物を溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得る結晶育成工程と、結晶育成工程で得られた蛍石結晶を熱処理する熱処理工程と、を備えた蛍石結晶の製造方法を提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば光学用レンズ、例えば半導体リソグラフィなどに用いるレンズ材料として利用することができる蛍石結晶(CaF2、フッ化カルシウムの結晶)の製造方法に関する。
蛍石結晶は、色分散が非常に小さく、一般的な光学ガラスに比べて屈折率及び分散率が低い上、特殊な部分分散特性(異常部分分散、アッベ数:95)を有しているため、色消レンズ(アポクロマート)、赤外線分析装置やエキシマレーザー等の窓板、TVカメラレンズや顕微鏡レンズ、微細パターンをウェハー上に転写するための装置である半導体リソグラフィ(ステッパーやスキャナなどを含む)装置のレンズなどに広く利用されている。
中でも半導体リソグラフィ装置において微細化加工を担うステッパー(縮小投影型露光装置)について言えば、解像力を高めるために光源の短波長化が進められ、紫外域で発振する高出力レーザーとしてのエキシマレーザーを光源に用いたステッパーが開発されたことに伴い、これに適したレンズ材料として蛍石結晶が注目されている。蛍石結晶は、エキシマレーザー光の中でもArFレーザー(波長:193nm)などのような真空紫外域と呼ばれる波長域の光線の透過率が高いという特徴を有している。
この種の蛍石結晶は、合成された粉末状のフッ化カルシウム原料とスカベンジャーとを混合して坩堝に入れ、加熱溶融させた後、徐冷してフッ化カルシウムを結晶成長させ、得られた結晶を、必要に応じて種結晶と共に、育成用坩堝に入れて炉内を真空雰囲気に保ちつつ蛍石の融点以上(1370℃〜1450℃)まで徐々に昇温させて原料を溶融させ、その後、育成用坩堝を徐々に引き下げながら坩堝下部から徐々に結晶化させて蛍石結晶を育成し、これを熱処理して製造するのが一般的であった。
ところが、従来の蛍石結晶の製造方法では、原料粉末に含まれている不純物や酸化物が結晶中に残留してしまうという問題があったため、このような不純物や酸化物の残留を無くして製品(蛍石結晶)の透過率を高める方法が従来から提案されている。
例えば特許文献1には、フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融し、続いて徐冷して結晶成長させる工程及び上記工程により結晶成長したフッ化カルシウムのうち最後に結晶化した部分を除去する工程を含む精製工程と、結晶化したフッ化カルシウムとフッ化ストロンチウムを溶融させた後、徐冷して結晶成長させる成長工程と、を有することを特徴とする蛍石結晶の製造方法が開示されている。
また、特許文献2には、原材料を加熱、溶融して結晶成長させ単結晶インゴットを得るブリッジマン法による蛍石結晶の製造方法において、多結晶体を加熱、溶融して結晶成長させ単結晶インゴットを得る第1工程、前記第1工程を複数回行い、得られた複数の単結晶インゴットの成長方向の下部を切り出す第2工程、前記第2工程で切り出した複数の単結晶インゴットの下部を合わせて加熱、溶融して結晶成長させ単結晶インゴットを得る第3工程を備えた製造方法が開示されている。
また、特許文献3には、135nmの波長の光に対する10mmあたりの内部透過率が70%以上である合成された蛍石結晶の製造方法において、フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて徐冷して結晶成長させる工程及び上記工程により結晶成長したフッ化カルシウムのうち最後に結晶化した部分を除去する工程を含む精製工程と、結晶化したフッ化カルシウムを溶融させた後、徐冷して結晶成長させる成長工程と、を有し、前記精製工程を複数回繰り返すことを特徴とする蛍石結晶の製造方法が開示されている。
特許3957782(特開平9−255328)号公報 特開平10−203899号公報 特開2003−238293号公報
不純物や酸化物の残留を無くして蛍石結晶の透過率を高めるために従来提案されていた方法は、上述のように、結晶成長したフッ化カルシウムのうち最後に結晶化した部分に不純物等が残留するため、この部分を除去するという方法であったが、除去する分だけ収率が下がるという課題を抱えていた。
そこで本発明は、結晶成長又は凝固させたフッ化カルシウムの一部を除去することなく、蛍石結晶の透過率を高めることができる、新たな蛍石結晶の製造方法を提案せんとするものである。
本発明は、フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得る溶融凝固工程と、該溶融凝固工程で得られた溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とする破砕工程と、前記溶融凝固体破砕物を溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得る結晶育成工程と、結晶育成工程で得られた蛍石結晶を熱処理する熱処理工程と、を備えた蛍石結晶の製造方法を提案する。
本発明のように、フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融し凝固させ、得られた溶融凝固体の全量を砕いて、再びスカベンジャーを加えて溶融し凝固させるという一連の処理を繰り返して溶融凝固工程を行うことにより、結晶成長又は凝固させたフッ化カルシウムの一部を除去することなく、蛍石結晶の透過率を高めることができることが判明した。
よって、本発明によれば、光学的に優れた蛍石結晶を工業的に効率良く製造することができるから、本発明の製造方法により得られる蛍石結晶は、例えばTVカメラレンズ、顕微鏡レンズ、赤外線分析用窓材、半導体リソグラフィ装置に用いられるレンズなどのレンズ材料、特に高度な光学特性が要求されるArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザー露光装置やF(フッ素)エキシマレーザー露光装置など、紫外或いは真空紫外波長域のレーザーを光源に用いた露光装置等のステッパー用レンズ材料として好適に用いることができる。
γ値を説明するために、波長と吸収係数との関係を示したグラフである。
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る蛍石結晶の製造方法(以下、この製造方法を「本製造方法」という)は、原料を混合し、この混合物を加熱溶融させた後、冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得る溶融凝固工程と、該溶融凝固工程で得られた溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とする破砕工程と、前記溶融凝固体破砕物を溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得る結晶育成工程と、結晶育成工程で得られた蛍石結晶を熱処理する熱処理工程と、を備えた蛍石結晶の製造方法である。
<原料>
原料としては、粉末状のフッ化カルシウム原料と、スカベンジャー、すなわち蛍石結晶内の不純物(主に酸素)を除去する反応材料との混合物を挙げることができる。但し、適宜他の材料を加えることは可能である。
フッ化カルシウム原料としては、公知のフッ化カルシウム原料を適宜用いることができる。紫外や真空紫外域で使用される蛍石結晶を製造するには、人工的に合成された高純度なフッ化カルシウム粉末を原料として使用するのが好ましい。例えば炭酸カルシウムとフッ化水素とを反応させて合成して得られる粉末状のフッ化カルシウム原料粉を挙げることができる。
また、スカベンジャーとしては、フッ化亜鉛(ZnF2)、フッ化鉛(PbF2)、フッ化ビスマス(BiF3)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化リチウム(LiF)等を挙げることができる。
フッ化カルシウム原料中のフッ化カルシウム(CaF2)100mol%に対するスカベンジャーの混合割合は、1〜4mol%であるのが好ましい。1mol%以上であれば、スカベンジャーの効果、すなわち蛍石結晶内の不純物(主に酸素)を除去する効果を有効に発揮することができる一方、4mol%以下であれば、スカベンジャーが蛍石結晶中に残存するのを避けることができる。かかる観点から、1.2mol%以上、或いは、3mol%以下であるのがさらに好ましく、中でも1.5mol%以上、或いは、2.5mol%以下であるのがより一層好ましい。
<溶融凝固工程>
本工程では、原料の混合物を加熱溶融させた後、冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量に再び新たなスカベンジャーを加えた混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得るようにすればよい。
より具体的には、例えば、フッ化カルシウム原料とスカベンジャーとを混合して坩堝に入れ、真空雰囲気で加熱して加熱溶融させた後、徐冷して溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とする。次に、この溶融凝固体破砕物全量に再び新たなスカベンジャーを加えた混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得るようにすればよい。
なお、本発明で「真空」と言う場合、10-3Pa以下の雰囲気を意味するものとする。
このようにスカベンジャーを新たに加えて溶融凝固を繰り返すことにより、溶融凝固体の一部を取り除かなくても、蛍石結晶製造中間体としての溶融凝固体のγ値(吸収係数の200nm〜800nmの積分値)を顕著に低下させることができ、製品(蛍石結晶)の内部透過率及びレーザー耐久性を高めることができる。
必要に応じて、上記溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量に再び新たなスカベンジャーを加えた混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体を得る一連の処理を1回又は2回以上行うようにしてもよい。
この際、スカベンジャーの混合量は、溶融凝固体Aの全量を砕いて得られる溶融凝固体破砕物中のフッ化カルシウム100mol%に対して、又は、溶融凝固体Bの全量を砕いて得られる溶融凝固体破砕物中のフッ化カルシウム100mol%に対して、混合するスカベンジャーの量が1〜4mol%であるのが好ましい。1mol%以上であれば、スカベンジャーの効果、すなわち蛍石結晶内の不純物(主に酸素)を除去する効果を効果的に発揮することができる一方、4mol%以下であれば、スカベンジャーが蛍石結晶中に残存するのを避けることができる。かかる観点から、1.2mol%以上、或いは、3mol%以下であるのがさらに好ましく、中でも1.5mol%以上、或いは、2.5mol%以下であるのがより一層好ましい。
破砕、加熱溶融から徐冷によるフッ化カルシウムの結晶成長を繰り返す場合においても、スカベンジャーの混合割合は上記範囲とするのが好ましい。
このようにして得られる溶融凝固体、すなわち多結晶体は、蛍石結晶を製造する際の中間体(蛍石結晶製造中間体)であり、後述する実施例の結果からも分かるように、そのγ値(吸収係数の200nm〜800nmの積分値)は、70以下、中でも50以下、その中でも1以上、或いは20以下とすることができ、顕著に低下させることができる。
溶融凝固工程において、炉内の雰囲気は、最初真空とするのが好ましく、脱水反応が終了した時点から、炉内を真空排気系により真空雰囲気とするのが好ましい。
また、溶融凝固工程における温度プロファイルは、1日程度の時間をかけて室温からフッ化カルシウムの融点(1420℃)以上の温度域まで昇温し、該温度域で数日間保持するのが好ましい。
また、加熱溶融は、原料混合物を坩堝に入れ、溶融温度や設備などに適した加熱手段により加熱溶融すればよい。
加熱溶融は、無酸素雰囲気(真空雰囲気および不活性ガス雰囲気含む)で行うのが好ましい。
溶融凝固体を砕く手段及びその程度は、不純物が入らない道具や入っても後工程で除去できる道具、例えばプラスチック製ハンマー(ハンマーの一部が混入しても、その後に揮発除去できる)などを用いるか、或いは、手で、適宜大きさ、例えば数mm角〜こぶし大の大きさに砕くのが好ましい。
<破砕工程>
溶融凝固工程で得られた溶融凝固体を砕く手段及びその程度は、上記同様である。
<結晶育成工程>
破砕工程で得られた溶融凝固体破砕物は、溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得ることができる。この際、必要に応じて種結晶を用いて蛍石結晶を育成すればよい。また、溶融凝固体破砕物を溶融する際、必要に応じてスカベンジャーと混合して溶融させてもよい。
この際の結晶育成方法は、特に限定するものではなく、例えばBridgman−Stockbarger法(「BS法」ともいう)、Czochralski(「CZ法」ともいう)、ゾーンメルト法、これらの改良法、その他の融液成長法等、公知の結晶育成方法を適宜採用することができる。
BS法は、坩堝の中に原料を入れて融解させ、坩堝を引下げながら、坩堝底から単結晶を育成させていく方法である。結晶育成装置が比較的安価であり、大口径の単結晶を比較的に容易に育成可能であるという特徴を有している。その反面、結晶成長方位の制御が困難であり、また、結晶育成時や冷却時に無理な応力がかかるため、応力分布が結晶内に残って歪や転位が誘起され易いと言われている。
他方、CZ法は、坩堝内に原料を入れて融解させ、シード(種結晶)を溶融液面に接触させて単結晶を回転引き上げながら育成(結晶化)していく方法である。CZ法は、結晶方位を特定し結晶化させることが可能であるため、目的とする結晶方位の育成が容易であると言われている。
結晶育成方法の一例についてより具体的に説明すると、種結晶を坩堝の底に設置し、破砕工程で得られた溶融凝固体破砕物を坩堝に充填し、この坩堝を結晶成長装置内に設置し、真空排気系によって結晶成長装置内部の真空度が1×10-3〜10-4Pa程度になるまで排気を行い、加熱装置によって坩堝を加熱し、坩堝に充填した原料を融解させる。
坩堝内の原料が融解した後、坩堝を0.1mm/時間〜3mm/時間程度の速度で徐々に鉛直下方に引き下げると、坩堝内で融液となった原料は種結晶付近から固化が始まり、単結晶が育成される。坩堝内の原料がすべて固化した段階で坩堝の引き下げを終了し、加熱装置により徐冷しつつ、坩堝を室温程度にまで冷却し、インゴット状の蛍石結晶を育成することができる。
以上のようにして育成したインゴット状の蛍石結晶は、必要に応じて所定の大きさ、並びに、所定の方位の表面が出現するように切り出して熱処理工程に供するのが好ましい。例えば、直径200mm程度、厚さ40mm程度の円盤形状に切り出して熱処理工程に供することができる。
<熱処理工程>
次に、前記工程で育成された蛍石結晶を容器に入れ、この容器を熱処理炉内に設置し、熱処理炉を900℃乃至1300℃に均熱的に加熱して、固体のまま蛍石結晶の歪を除去する。
加熱温度を1140℃以上にすると構造変化などを引き起こしてしまうので好ましくはない。
熱処理工程では、熱処理を経ることによって結晶の歪がなくなった状態を維持しながら蛍石結晶の温度を室温に戻すのが好ましい。
熱処理における雰囲気、すなわちアニーリングケース内の雰囲気は、真空雰囲気、或いはアルゴン(Ar)等の不活性ガス雰囲気とすればよい。中でも、アルゴン等の不活性ガス雰囲気、その中でも、アルゴンガスにフッ素系ガスを混合・注入してなる雰囲気が好ましい。また、アルゴンガス等の不活性化ガスにスカベンジャー(例えばPbF2)の熱分解によるフッ素ガスが混合した雰囲気も好ましい一例である。
熱処理工程における温度プロファイルは、特に限定するものではない。蛍石の融点は1370℃〜1410℃程度であるため、蛍石結晶が溶融せず、固体の状態を維持しつつ、蛍石結晶を構成する各原子に十分なエネルギーを与えてそれぞれ適切な位置に移動させて結晶構造の乱れによる異方性を解消することができる温度まで加熱すればよく、その温度域を特に限定するものではない。目安としては、結晶構造の乱れによる異方性をより効果的に解消するためには、1000〜1350℃まで昇温するのが好ましい。
昇温速度は特に限定するものではないが、蛍石結晶が熱衝撃により割れ等の破損が生じないように炉内温度を上昇させる必要があるため、例えば10℃/h〜300℃/hで昇温するのが好ましい。
熱処理後の冷却工程では、急冷すると結晶内部に歪が残留しやすく、また、スベリ欠陥が導入され転位等が増加することになるため、ゆっくり時間をかけて冷却するのが好ましい。その反面、あまり時間をかけると、生産性を著しく損ねてしまう。このような観点から、熱処理後の冷却工程では、例えば0.7〜3.0℃/hの冷却速度で室温付近まで冷却するのが好ましい。
<成形加工工程>
熱処理後の蛍石結晶は、適当に切削し、必要に応じて適宜形状に加工すればよい。例えば、(111)面と平行な面を表面とする形状に加工すればよい。より具体的な一例としては、円盤形状を呈する蛍石結晶に切削して、(111)面と平行な表面を有する形状とし、さらに表面を平滑化するために表面を平面研削する方法を挙げることができる。
<用途>
本製造方法によって得られた蛍石結晶は、例えば色消レンズ(アポクロマート)、TVカメラレンズ、顕微鏡レンズ、赤外線分析用窓材、半導体リソグラフィ(ステッパー、スキャナ)装置に用いられるレンズ、その他の光学レンズとして用いることができる。特に巨視的に結晶の均質性が高く、且つレーザー耐久性に優れた蛍石結晶を得ることができるから、高精度ステッパー、すなわちArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザー等の紫外或いは真空紫外波長域のレーザーを光源に用いた露光装置等のステッパー用レンズ材料として好適に用いることができる。さらに、蛍石結晶は、優れたレーザー耐久性を有することから、ArFエキシマレーザー等の紫外或いは真空紫外波長域のレーザー光源の窓材、あるいは共振器鏡等の光学素子として好適に用いることができる。
<語句の説明>
なお、結晶育成工程及び熱処理工程での処理温度は、特にことわらない限り、炉内の雰囲気温度を示すものである。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、本発明に関する実施例及び比較例について説明する。但し、本発明は以下に説明する内容に限定されるものではない。
先ず、得られた蛍石結晶の評価方法について説明する。
<吸収係数の測定方法とγ値の算出方法>
ここでは、放射線源に放射性同位体である60Coから放射されるγ線(1.17MeV、1.33MeV)を所定の線量を照射し、その時、結晶内に誘起されるカラーセンターを分光光度計にて測定し、誘起カラーセンター吸収スペクトルを得た。レーザー耐久性とγ線誘起カラーセンター吸収強度との関係は、負の相関があることが知られている。即ち、レーザー耐久性の高い結晶においては、γ線誘起カラーセンター吸収強度が小さい。この相関関係から、蛍石結晶のレーザー耐久性を評価することができる。
具体的には、溶融凝固体の両端面を平行平面となるように光学研磨を施し、光学長さ(溶融凝固体の厚み)を30mmとした。このような溶融凝固体を暗箱内に保持し、大気中にて、60Coからのγ線(1.33MeV)を、線量5.4kGy照射し、溶融凝固体にカラーセンターを誘起させた。次に、照射後速やかに、自記分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジーズ)を用いて、この溶融凝固体の紫外可視波長域(200nm〜800nm)における吸収スペクトルを測定した。
「吸収係数」として、Lambert・Beerの法則に従い、端面の反射補正を施した透過率の自然対数をとり、長さで規格化した値(cm−1)を算出した。
また、「γ値」は、得られた吸収スペクトルにおいて、波長200nmから800nmの区間において吸収係数(cm−1)を積分した値として算出した(cm−1・nm)。
<レーザー耐久性の評価方法>
ArFエキシマレーザーを蛍石結晶に照射し、照射した前後の透過率を測定し、透過率の低下割合を指標としてレーザー耐久性を検討した。
蛍石結晶に、出力30mJ/cm2のArFエキシマレーザーを20万パルス照射し、照射した前後の193.4nmでの透過率(内部透過率)を測定した。
なお、193.4nmでの内部透過率は、真空紫外線分分光光度計で測定した。
表1には、算出した透過光波長193.4nmにおける蛍石結晶の厚み1cmあたりの内部透過率(%)について、レーザー照射前およびレーザー照射後のそれぞれの値を示した。
これら蛍石結晶の厚み1cmあたりの内部透過率の算出は、以下の通りとした。
厚み1cmあたりの内部透過率(%)=exp{ln(z/R)×1/d×1}×100
ここで、
z:波長193.4nmにおける透過率の測定値(%)
R:波長193.4nmにおける端面の反射を考慮した場合の理論透過率(92.256%)
d:蛍石結晶の厚み(cm)
である。
(比較例1)
原料フッ化カルシウムの粉末に、この原料フッ化カルシウム中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に1.5mol%に相当する量のスカベンジャーとしてのフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空状態(10-3Pa以下)とした後、6時間かけて1400℃±20℃まで昇温し、原料を溶融させた。この温度を1日保持した後、数日かけて自然冷却し、溶融凝固体Aを炉内から取り出し、溶融凝固体Aの全量をこぶし大の大きさに手で破砕した。
次に、このように破砕して得た溶融凝固体破砕物全量と、この破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に2.0mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)とを混合し、この混合物を単結晶成長炉の坩堝に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて蛍石結晶を育成した。
次に、室温にて、熱処理炉内を減圧して真空雰囲気とした後、炉内雰囲気を速やかにArガス雰囲気に置換した後、加熱装置にて、昇温時間36時間で、最高温度1000〜1200℃まで昇温し、その温度を24時間温度に保持した。その後、約10日かけて室温まで冷却した。
このように熱処理して得られた結晶を切り出し、(111)面両端面に光学研磨を施して蛍石結晶を得た。
(実施例1)
比較例1と同様にして得られた溶融凝固体Aの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、これに、該溶融凝固体Aの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に1.5mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Bを得た。
この溶融凝固体Bを、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた溶融凝固体Bの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、得られた溶融凝固体Bの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に1.5mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Cを得た。この溶融凝固体Cを、実施例1の溶融凝固体Bと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
Figure 2013032256
(考察)
この結果、実施例1及び2のように、溶融凝固体の全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量に再び新たなスカベンジャーを加えて再び溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体を得るという一連の処理を繰り返すことにより、溶融凝固体の一部を取り除かなくても、蛍石結晶製造中間体としての溶融凝固体のγ値(カラーセンター吸収係数の波長区間200nm〜800nmの積分値)を顕著に低下させることができることが分かった。よって、この溶融凝固体を用いて蛍石結晶を製造することで、比較例のような従来方法で製造された蛍石結晶の場合と比較して、波長193nmにおける内部透過率及びレーザー耐久性を高めることができることが分かった。
(比較例2)
溶融凝固体Aを得るまでの工程において、原料フッ化カルシウムの粉末に、この原料フッ化カルシウム中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に2.5mol%に相当する量のスカベンジャーとしてのフッ化鉛(PbF2)を添加した以外は、比較例1と同様にして溶融凝固体Aを得、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例3)
比較例2と同様にして得られた溶融凝固体Aの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、これに、該溶融凝固体Aの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に2.5mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Bを得た。
この溶融凝固体Bを、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例4)
実施例3と同様にして得られた溶融凝固体Bの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、得られた溶融凝固体Bの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に2.5mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Cを得た。この溶融凝固体Cを、実施例3の溶融凝固体Bと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(比較例3)
溶融凝固体Aを得るまでの工程において、原料フッ化カルシウムの粉末に、この原料フッ化カルシウム中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に4.0mol%に相当する量のスカベンジャーとしてのフッ化鉛(PbF2)を添加した以外は、比較例1と同様にして溶融凝固体Aを得、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例5)
比較例3と同様にして得られた溶融凝固体Aの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、これに、該溶融凝固体Aの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に4.0mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Bを得た。
この溶融凝固体Bを、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例6)
実施例5と同様にして得られた溶融凝固体Bの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、得られた溶融凝固体Bの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に4.0mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Cを得た。この溶融凝固体Cを、実施例5の溶融凝固体Bと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(比較例4)
溶融凝固体Aを得るまでの工程において、原料フッ化カルシウムの粉末に、この原料フッ化カルシウム中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に5.0mol%に相当する量のスカベンジャーとしてのフッ化鉛(PbF2)を添加した以外は、比較例1と同様にして溶融凝固体Aを得、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(実施例7)
比較例4と同様にして得られた溶融凝固体Aの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、これに、該溶融凝固体Aの破砕物中のフッ化カルシウムを100mol%とした場合に5.0mol%に相当する量のフッ化鉛(PbF2)を添加し、これらを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Bを得た。
この溶融凝固体Bを、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
(比較例5)
原料フッ化カルシウムの粉末にスカベンジャーとしてのフッ化鉛(PbF2)を添加しない以外の点は、比較例1と同様にして蛍石結晶を得た。
(比較例6)
比較例5と同様にして得られた溶融凝固体Aの全量を、こぶし大の大きさに手で破砕し、これを入れた坩堝を炉内に入れ、炉内を真空排気して坩堝を加熱し、真空度10-3Pa以下、温度は1400℃±20℃とし、これを1日以上保った後、坩堝を降下させて溶融凝固体Bを得た。この溶融凝固体Bを、比較例1の溶融凝固体Aと同様に結晶育成、熱処理及び加工して蛍石結晶を得た。
Figure 2013032256
(考察)
上記比較例及び実施例とこれまで行ってきた試験結果から、フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融し凝固させ、得られた溶融凝固体の全量を砕いて、再びスカベンジャーを加えて溶融し凝固させるという一連の処理を繰り返して溶融凝固工程を行うことにより、結晶成長又は凝固させたフッ化カルシウムの一部を除去することなく、蛍石結晶の透過率を高めることができ、蛍石結晶を製造する際の中間体としての溶融凝固体のγ値(吸収係数の200nm〜800nmの積分値)を70以下、特に50以下、中でも1〜20程度に低下させることができることが分かった。

Claims (5)

  1. フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーの混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Bを得る溶融凝固工程と、該溶融凝固工程で得られた溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とする破砕工程と、前記溶融凝固体破砕物を溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得る結晶育成工程と、結晶育成工程で得られた蛍石結晶を熱処理する熱処理工程と、を備えた蛍石結晶の製造方法。
  2. 溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体を得る一連の処理を1回又は2回以上行った後、最後に得られた溶融凝固体を破砕工程に供給することを特徴とする請求項1に記載の蛍石結晶の製造方法。
  3. 溶融凝固体Aの全量を砕いて得られる溶融凝固体破砕物中のフッ化カルシウム100mol%に対して、又は、溶融凝固体Bの全量を砕いて得られる溶融凝固体破砕物中のフッ化カルシウム100mol%に対して、混合するスカベンジャーの量が1〜4mol%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍石結晶の製造方法。
  4. フッ化カルシウム粉末とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体Aを得、得られた溶融凝固体Aの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて得られる溶融凝固体B、或いは、当該溶融凝固体Bの全量を砕いて溶融凝固体破砕物とし、この溶融凝固体破砕物全量とスカベンジャーとを混合して得られる混合物を溶融し、続いて冷却して凝固させて溶融凝固体を得る一連の処理を1回又は2回以上行って得られる溶融凝固体であって、γ値が70以下であることを特徴とする蛍石結晶製造中間体。
  5. 請求項4記載の蛍石結晶製造中間体を砕いて溶融凝固体破砕物とし、これを溶融させた後、冷却して結晶成長させて蛍石結晶を得、該蛍石結晶を熱処理して得られる蛍石結晶。
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