JP2013025206A - 焦点が可変なミラーおよび光ピックアップ - Google Patents

焦点が可変なミラーおよび光ピックアップ Download PDF

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Abstract

【課題】小型・簡易制御の焦点が可変なミラーにおいて、球面収差の補正と、信頼性向上を図る。
【解決手段】焦点が可変なミラーおよびこれを用いた光ピックアップは、可撓み膜と、前記可撓み膜の片面に形成する反射膜と、前記可撓み膜に前記反射膜を形成する面と反対の面に形成する環状の構造体と、から構成されたミラー素子部と、前記環状の構造体に対して電力で駆動力を印加する駆動手段と、から成る焦点が可変なミラーにおいて、前記環状の構造体は弾性体であり、また前記環状の構造体の可撓み膜との接触面の外形と前記可撓み膜の膜厚方向から見た面の外形は楕円形である。
【選択図】 図2(b)

Description

本発明は、焦点が可変なミラーおよび光ピックアップに関し、例えば、ミラー面の変形を可能とし、焦点が可変なミラーや収差を補正可能なミラーなどの光学特性が変化する光学部品に関する。
近年、インターネットの普及や画像の高画質化等に伴う電子情報量の増加により、主要な情報記録媒体の1つである光ディスクは高密度化の一途をたどっている。高密度化は一般に、対物レンズの開口数増大とレーザビームの波長を短波長化することによる集光スポットサイズの縮小や、記録層を多層化する方式などにより実現されている。しかし、開口数の増加に伴い、ディスク面と記録層間距離の誤差変動によって生じる球面収差は急激に増大する。また、記録層多層化によりディスク面から各記録層間の距離は数10マイクロメートル異なるため、正常な記録・再生動作を実現するためにはこれらにより生じる球面収差を補正する機構が必須となる。
特開2006−155850号公報(特許文献1)に記載のミラー装置では、反射ミラーの反射する面の裏面を階段状に加工している。裏面からピエゾアクチュエータ等を用いて力を印加し、反射する面を楕円放物面状に撓ませる。この変形により、ミラーで反射し対物レンズに入射するレーザビームの強度分布パターンが変わり、その結果、ディスク面上に発生する球面収差を補正する技術が記載されている。
また、特開2001−249288号公報(特許文献2)に記載のミラー装置では、均一断面形状の反射ミラーの裏面を環状の構造物で押し出すことにより、ミラーを放物面状に撓ませる技術が記載されている。
一方、光ディスクに用いる球面収差を補正する機構は、小型であると同時に摩耗がなく長期安定に駆動することが望まれている。
特開2008−84502号公報(特許文献3)に記載のミラー装置では、ミラー部下部に設けたホルダの空洞に密閉された空気の量を増加又は減少することにより、ミラー部を凸形状又は凹形状に撓ませる技術が記載されている。
特開2006−155850号公報 特開2001−249288号公報 特開2008−84502号公報
特許文献1に示した公知例では、ミラー装置の駆動電極は少なく、また球面収差補正アクチュエータと反射ミラーの機能を融合させているため小型に適している。しかし、断面形状が複雑な反射ミラー作製には多数の加工を要するため、コスト低減が難しい。
また、特許文献2に示した例では、均一断面形状のミラーを均一幅で環状の構造物で押し出す簡易な構造であるために、小型化・低コスト化に適している。しかし、反射ミラーを直接アクチュエータで接触変形させているために反射ミラーの摩耗が発生し、信頼性が低下する課題がある。また、楕円形状のミラーでは、ミラーとの接触面が均一幅の構造物で反射ミラーを押し出すと、ミラーを楕円放物面状に変形することが困難である課題がある。
一方、特許文献3に示した例では、ホルダの空洞内に密閉された空気の量を増加又は減少することによりミラー部を放物面形状に変形するため、ミラーの変形に物理的な接触が無く、摩耗による信頼性低下の課題が無い。しかし、ホルダの空洞内に密閉された空気の量を変化させるためには、外部に空気の量を制御する装置が必要であり、構造が大きく、複雑となる課題がある。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、可撓み膜と、前記可撓み膜の周囲を囲う基板と、前記可撓み膜の片面に形成する反射膜と、前記可撓み膜の少なくとも一面に形成する環状の構造体とを具備するミラー素子部と、前記環状の構造体に対して電力で駆動力を印加する駆動部と、を有し、前記環状の構造体の少なくとも前記可撓み膜に接続する部分は弾性体であり、前記環状の構造体の前記可撓み膜との接続面の内輪と外輪とを、前記可撓み膜の膜厚方向から見た面の形状は楕円形であり、前記環状の構造体に働く駆動力は、楕円形の短軸方向と、楕円形の長軸方向とで、異なることを特徴とする焦点が可変なミラーを用いることを特徴とする。
また、前記環状の構造体の外輪と内輪の短径の差を、外輪と内輪の長径の差より大きくすることを特徴とする。
また、前記環状の構造体の外輪の短径に対する外輪の長径の割合を、前記可撓み膜の短径に対する長径の割合より大きくすることを特徴とする。
また、前記環状の構造体を、少なくとも2つ以上に分割し、前記環状の構造体に対する、前記環状の構造体を分割する間隙の占める割合は、短軸近傍の領域よりも長軸近傍の領域の方が大きくすることを特徴とする。
また、前記環状の構造体の膜厚方向の厚さを、長軸方向より短軸方向の方が厚いことを特徴とする。
本発明によれば、小型で、簡易な制御が可能な、信頼性の高い焦点が可変なミラーと、それを用いた光ピックアップを提供できる。例えば、前記可撓み膜と前記反射膜は、前記環状の構造体の内輪で囲まれる有効領域で、楕円放物面状に変形することが達成され、前記可撓み膜と前記反射膜は、剛体であるアクチュエータと接触せずに変形するため、摩耗による信頼性低下の課題が解消される。
実施例1に記載の焦点が可変なミラーが備えられている光ピックアップ光学系の概略図を例示する図である。 実施例1に係る焦点が可変なミラーM1の斜視図である。 (a)の長軸の位置で、反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。 (b)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。 実施例2に記載の焦点が可変なミラーの構成を例示する図である。 実施例3に記載の焦点が可変なミラーの構成を例示する図である。 実施例4に係る焦点が可変なミラーM1の長軸位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。 (a)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。 (b)の長軸からの角度θと、環状の磁性体3の厚みtの関係を示す図である。 実施例5に記載の焦点が可変なミラーの構成を例示する図である。 実施例6に記載の焦点が可変なミラーの構成を例示する図である。 実施例1に記載の焦点が可変なミラーの構成を例示する図である。 実施例1から実施例6の焦点が可変なミラーを搭載する光ピックアップの説明図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
本発明の第1実施例に係る焦点が可変なミラーM1について、図面を参照して説明する。図1は、焦点が可変なミラーM1を組み込んだ光ピックアップの光学系と、光ディスクとコントローラの概略図の一例を示している。
光ディスク22は複数の記録層21a,21bを有する。レーザダイオード17から出射されたレーザビームL1はコリメートレンズ16で概平行光に変換され、グレーティング15を透過後、偏光ビームスプリッタ13で反射される。なお、レーザダイオード17から出射されたレーザビームL1の一部は偏光ビームスプリッタ13を透過し、フロントモニタ14で受光され、レーザダイオード17の発光強度をモニタする。次に、レーザビームL1は焦点が可変なミラーM1の反射膜2で反射される。焦点が可変なミラーM1の反射膜2で反射されたレーザビームL1は、発散角度が変わり、1/4波長板18を透過し、対物レンズ19により記録層21b上に集光,反射される。反射したレーザビームL1は再び対物レンズ19を透過した後、1/4波長板18を透過し、焦点が可変なミラーM1の反射膜2で反射する。焦点が可変なミラーM1の反射膜2で反射されたレーザビームL1は、発散角度が変わり概平行光に変換され、偏光ビームスプリッタ13を透過し、集光レンズ12によりディテクタ23上に集光され、光ディスク22上の記録層21bに記録された情報が電気信号に変換される。ここで、光ディスク22の各記録層21a,21b上にレーザビームL1の焦点位置を合わせるため、ディテクタ23で受光する情報を元に、制御回路31,レンズ駆動回路32を介して信号が発生し、それによりレンズアクチュエータ20に支持された対物レンズ19は光軸方向に動作する。
また、レーザビームL1の記録層21b上で集光された時に発生する球面収差量は、前記焦点が可変なミラーM1の焦点距離に依存して増減するため、ディテクタ23で受光する情報を元に、制御回路31,ミラー駆動回路33を介して信号が発生し、焦点が可変なミラーM1のコイル7へ信号が印加される。それにより前記焦点が可変なミラーM1の反射膜2を最適な焦点距離となる面形状に変化させる。反射膜2は、可撓み膜4上に形成される。可撓み膜4の反射膜2が形成される面とは反対の面には、環状の磁性体3が形成される。焦点が可変なミラーM1の詳細については後述する。
レーザビームL1が反射膜2に斜めに入射し、焦点が可変なミラーM1において、レーザビームL1が当たる有効領域は、長軸がレーザビームL1の進行方向と同一の方向の楕円放物面状に撓むことが求められる。しかし、楕円形の反射膜2と可撓み基板4は、長軸方向の曲げ剛性が、短軸方向の曲げ剛性より低く、反射膜2は楕円放物面状から乖離した歪んだ楕円放物面状の変形となることを本願発明者らは見出した。
本発明の実施例は、このような反射膜2の歪んだ変形を防ぐものである。そのため、図中に示す可撓み膜4に固定された環状の磁性体3に働く駆動力は、短軸方向と、長軸方向で、異なるようにする。
以下、添付図面を参照しながら、本実施例の焦点が可変なミラーM1に好適な形態を説明する。
図2(a)は、本実施例に係る焦点が可変なミラーM1の斜視図である。
図2(a)において、楕円円筒状の筺体9上に楕円形の基板1が形成される。楕円形の反射膜2の長軸と短軸を、それぞれ本実施例の焦点が可変なミラーM1の長軸と短軸とする。レーザビームL1は、反射膜2の中央の破線で示される楕円状の有効領域で反射される。
図2(b)は、図2(a)の長軸の位置で、反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
図2(b)において、ミラー素子部5は、例えばシリコンなどの剛性の高い可撓み膜4と、前記可撓み膜4の周囲を囲う例えばシリコンの基板1と、前記可撓み膜4の片面に形成する反射膜2と、前記可撓み膜4の前記反射膜2を形成する面と反対の面に形成する環状の磁性体3と、から構成されている。また、電磁石8は、ヨーク6と、コイル7と、から構成されている。前記ミラー素子部5の下面に、前記電磁石8を筺体9で固定している。
図2(c)は、図2(b)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。
図2(c)において、可撓み膜4や環状の磁性体3の外形は、長軸がレーザビームL1進行方向(図中の「長軸方向」と同方向)と同一方向の楕円形状となっている。また、前記反射膜2の中央部において、環状の磁性体3で囲まれる領域の一部が、レーザビームL1を反射する有効領域である。環状の磁性体3の環は、少なくとも長軸方向の幅D1は、短軸方向の幅D2より狭い。すなわち、前記環状の構造体である環状の磁性体3の外輪と内輪の短径の差は、外輪と内輪の長径の差より、大きい。
本実施例の焦点が可変なミラーM1では、図1においてディテクタ23で受光する情報を元に、制御回路31を介して、ミラー駆動回路33から発生する電流が、図2(b)において、電磁石8のコイル7に印加され、ヨーク6から可撓み膜4方向に磁界が発生する。前記可撓み膜4に固定された環状の磁性体3は、前記ヨーク6から発生する磁界により、ヨーク6方向に磁力を受ける。
図2(c)において、環状の磁性体3の環の短軸方向の幅D2は、長軸方向の幅D1より広い。そのため、図中に示す可撓み膜4に固定された環状の磁性体3に働く短軸方向の駆動力は、長軸方向の駆動力より大きくなり、可撓み膜4と反射膜2が有効領域で楕円放物面状に変形する。
レーザビームL1が対物レンズ19で集光される位置が、例えば、記録層21aから記録層21bに変わる時、記録層21b上で発生する球面収差は、コイル7に印加する電流値を変化させ、上記反射膜2の有効領域で反射されるレーザビームL1の発散角度を最適な角度に変化させることにより補正できる。
なお、前記環状の磁性体3は、それ自身の剛性により可撓み膜4と反射膜2の変形を阻害しないように弾性体であり、例えば樹脂に磁性粉体を分散させた複合材料がより望ましい。
また、ヨーク6の構造は、コイル7内周のみの単純な楕円柱形状よりも、コイル7外周に同心楕円状の構造を連結付加する方が環状の磁性体3に働く磁力が強くなるため、筺体9も磁性体であっても良い。反射膜2は金属などの単層膜でも良いし、誘電体などを用いた多層膜反射膜でも良い。
また、環状の磁性体3は、反射膜2上に形成しても良い。ただし、環状の磁性体3は、反射膜2で反射されるレーザビームL1を遮らないために、レーザビームL1の通過する領域には前記環状の磁性体3を配置しない形状である。
また、図8は変形例に係る焦点が可変なミラーM1の、長軸断面図を示す図である。
図2(b)と比較して、図8に示すように、前記反射膜2と前記可撓み膜4と、が同一材料の反射膜2であっても良い。
さらに、本構成の焦点が可変なミラーM1を、図9に示す光ピックアップ24に搭載することで,球面収差を低減し、その結果記録再生時の信号劣化を低減でき,高性能な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
次に、本発明の第2実施例に係る焦点が可変なミラーM1について、図面を用いて説明する。
図3(a)は、実施例に係る焦点が可変なミラーM1の、長軸の位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
図3(b)は、(a)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。
基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例の環状の磁性体3の構造が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造について説明する。
図3(b)において、前記環状の磁性体3で囲まれる領域の一部が、レーザビームL1を反射する有効領域である。環状の磁性体3の環は、少なくとも長軸方向の幅D1と短軸方向の幅D2が同一であり、また、前記環状の磁性体3の外輪の短径S1に対する外輪の長径T1の割合は、前記可撓み膜4の短径に対する長径の割合より大きい。
前記環状の磁性体3の外輪の短径に対する外輪の長径の割合が相対的に大きくなると、可撓み膜4と反射膜2は短軸方向に比べて長軸方向は撓みにくくなる。その結果、環状の磁性体3に働く実効的な駆動力は、短軸方向が長軸方向より大きくなり、可撓み膜4と反射膜2が有効領域で楕円放物面状に変形する。この構造では、柔軟な環状の磁性体3の環の幅が同一であるため、印刷プロセス等で加工する時の加工特性が均一となり、製作が容易となる特徴がある。
次に、本発明の第3実施例に係る焦点が可変なミラーM1について図面を用いて説明する。
図4(a)は、実施例に係る焦点が可変なミラーM1の、長軸の位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
図4(b)は、(a)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。
基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例の環状の磁性体3の構造が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造について説明する。
図4(b)において、前記環状の磁性体3で囲まれる領域の一部が、レーザビームL1を反射する有効領域である。環状の磁性体3の環は、周回する方向に間隙25を含む断続的な構造である。前記環状の磁性体3に対する、前記環状の磁性体3を分割する間隙25の占める割合は、短軸近傍の領域よりも長軸近傍の領域の方が大きいため、環状の磁性体3に働く短軸方向の駆動力は、長軸方向の駆動力より大きくなり、可撓み膜4と反射膜2が有効領域内で、楕円放物面状に変形させることができる。
この構造では、環状の磁性体3の環は、前記可撓み膜4上で前記環状の磁性体3の配置可能な領域を決めた後に、周回する方向の間隙25の位置と幅wのみで設計するため、設計が容易となる特徴がある。
次に、本発明の第4実施例に係る焦点が可変なミラーM1について図面を用いて説明する。
図5(a)は、実施例に係る焦点が可変なミラーM1の長軸位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
図5(a)において、前記環状の磁性体3の局所的な厚みをtとする。
図5(b)は、図5(a)のA−A′断面を矢視方向に見た図である。
図5(b)において、前記環状の磁性体3で囲まれる領域の一部が、レーザビームL1を反射する有効領域である。可撓み膜4と反射膜2の中心を回転中心とし、長軸方向からの角度をθとする。
図5(c)は、図5(b)の長軸からの角度θと、環状の磁性体3の厚みtの関係を示す図である。
基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例の環状の磁性体3の構造が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造について説明する。
環状の磁性体3に働く駆動力は、環の厚みtに依存する。図5(a),図5(b),図5(c)において、環状の磁性体3の環の厚みtは、周回する角度θに依存して変化し、短軸方向の環の厚みは長軸方向の環の厚みより厚い。すなわち、環の厚みtは、短軸方向となる角度θ=π/2及び3π/2において最大の厚みとなり、角度θ=π及び2πにおいて最小の厚みとなる。そのため、図中に示す可撓み膜4に固定された環状の磁性体3に働く短軸方向の駆動力は、長軸方向の駆動力より大きく、可撓み膜4と反射膜2は有効領域内で、楕円放物面状に変形する。なお、周回する角度θに依存する環の厚みtは、ステップ的に変化してもよい。
この構造では、環状の磁性体3の環は、環に働く力を環状の磁性体3の環の厚みtのみで設計するため、環状の磁性体3と可撓み膜4が接する面積を小さくすることができる。その結果、焦点が可変なミラーM1を小型化できる特徴がある。
次に、本発明の第5実施例に係る焦点が可変なミラーM1について図面を用いて説明する。
図6は、実施例に係る焦点が可変なミラーM1の、長軸の位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
基本的な構成と、可撓み膜4と反射膜2が有効領域内で、楕円放物面状に変形させる原理は第1実施例から第4実施例と同一であり、第1実施例から第4実施例の環状の磁性体3の材料が異なるものである。以下、第1実施例から第4実施例と異なる動作原理について説明する。
第5実施例では、第1実施例から第4実施例で用いた環状の磁性体3が、弾性磁石26である。
図6において、弾性磁石26の一方の磁極は、ヨーク6に面する面にある。電磁石8のコイル7に電流を印加し、ヨーク6から可撓み膜4方向に磁界が発生する。
前記可撓み膜4に固定された弾性磁石26は、前記ヨーク6から発生する磁界で、ヨーク6の方向に磁力を受ける。コイル7に印加する電流の極性により、ヨーク6と弾性磁石26のそれぞれ相対する面方向に発生する磁極が同極,異極となる。異極となる時、ヨーク6と弾性磁石26は引力が働き、前記可撓み膜4と前記反射膜2の有効領域内は、レーザビームL1の入射方向に凹形状の楕円放物面状に撓む。一方、同極となる時、ヨーク6と弾性磁石26は反力が働き、前記可撓み膜4と前記反射膜2の有効領域内は、レーザビームL1の入射方向に凸形状の楕円放物面状に撓む。
このため、電磁石8のコイル7に印加する電流の極性を変化させることにより、反射膜2を凹凸両形状に変形できるため、反射膜2で反射されるレーザビームL1の発散角度を幅広く変化でき、その結果広い帯域の球面収差を補正することが可能となる特徴がある。
また、弾性磁石26は、反射膜2上に設けられても良い。ただし、弾性磁石26は反射膜2で反射されるレーザビームL1を遮らないために、レーザビームL1の通過する領域には前記弾性磁石26を配置しない形状である。
また、弾性磁石26が第1実施例と同様に反射膜2と可撓み膜4に対してレーザビームL1の入射面方向に配置されても良い。
次に、本発明の第6実施例に係る焦点が可変なミラーM1について図面を用いて説明する。
図7は、実施例に係る焦点が可変なミラーM1の、長軸の位置での反射膜2の膜厚方向の断面を説明する図である。
基本的な構成と、可撓み膜4と反射膜2が前記環状の構造体の内輪で囲まれる領域内で、楕円放物面状に変形させる原理は第1実施例から第4実施例と同一であり、第1実施例から第4実施例の環状の磁性体3の材料と構造が異なるものである。以下、第1実施例から第4実施例と異なる動作原理について説明する。
図7において、第1実施例から第4実施例で用いた環状の磁性体3が、環状の非磁性体11に置き換わっている。さらに、前記環状の非磁性体11より体積の大きい磁性体10が、環状の非磁性体11を介して可撓み膜4に固定されている。なお、環状の非磁性体11は、それ自身の剛性により可撓み膜4と反射膜2の変形を阻害しない、例えばシリコン樹脂などの弾性の材料がより望ましい。
可撓み膜4に環状の非磁性体11を介して固定された磁性体10は、電磁石8から発生する磁界により磁力を受ける。磁性体10に働く磁力は、環状の非磁性体11を介して可撓み膜4とそれに積層された反射膜2を前記環状の有効領域内で、楕円放物面状に撓ませる。前記可撓み膜4と前記反射膜2を放物面状に変形させる因子は、前記環状の非磁性体11の形状である。そのため、前記電磁石8から前記可撓み膜4の変形する力を受ける前記磁性体10は任意に大きくすることができ、その結果、消費電力を低減可能となる特徴がある。
また、環状の非磁性体11と前記環状の非磁性体11を介して固定された磁性体10は、反射膜2上側に設けても良い。ただし、環状の磁性体3は反射膜2で反射されるレーザビームL1を遮らないために、レーザビームL1の通過する領域には前記環状の磁性体3を配置しない形状である。
また、前記磁性体10は磁石でも良い。
前記環状の構造体は、前記可撓み膜の、前記反射膜と反対の面に形成する場合と、前記反射面上に形成する場合を説明したが、両面に形成してもよい。この場合は駆動力を増加することも可能であり、駆動力一定の場合は、それぞれの構造体の大きさを小さくすることも可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成,機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク,SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード,SDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 基板
2 反射膜
3 環状の磁性体
4 可撓み膜
5 ミラー素子部
6 ヨーク
7 コイル
8 電磁石
9 筺体
10 磁性体
11 非磁性体
12 集光レンズ
13 偏光ビームスプリッタ
14 フロントモニタ
15 グレーティング
16 コリメートレンズ
17 レーザダイオード
18 1/4波長板
19 対物レンズ
20 レンズアクチュエータ
21a,21b 記録層
22 光ディスク
23 ディテクタ
24 光ピックアップ
25 間隙
26 弾性磁石
L1 レーザビーム
M1 焦点が可変なミラー

Claims (10)

  1. 可撓み膜と、前記可撓み膜の周囲を囲う基板と、前記可撓み膜の片面に形成する反射膜と、前記可撓み膜の少なくとも一面に形成する環状の構造体とを具備するミラー素子部と、
    前記環状の構造体に対して電力で駆動力を印加する駆動部と、を有し、前記環状の構造体の少なくとも前記可撓み膜に接続する部分は弾性体であり、前記環状の構造体の前記可撓み膜との接続面の内輪と外輪とを、前記可撓み膜の膜厚方向から見た面の形状は楕円形であり、前記環状の構造体に働く駆動力は、楕円形の短軸方向と、楕円形の長軸方向とで、異なることを特徴とする焦点が可変なミラー。
  2. 請求項1において、前記環状の構造体の外輪と内輪の短径の差は、外輪と内輪の長径の差より、大きいことを特徴とする焦点が可変なミラー。
  3. 請求項1において、前記環状の構造体の外輪の短径に対する外輪の長径の割合は、前記可撓み膜の短径に対する長径の割合、より大きく、少なくとも長軸方向の輪の幅と短軸方向の幅が同一であることを特徴とする焦点が可変なミラー。
  4. 請求項1において、前記環状の構造体は、少なくとも2つ以上に分割されており、前記環状の構造体に対する前記環状の構造体を分割する間隙の占める割合は、短軸近傍の領域よりも長軸近傍の領域の方が、大きいことを特徴とする焦点が可変なミラー。
  5. 請求項1において、前記環状の構造体の、膜厚方向の厚さは、長軸方向より短軸方向の方が厚いことを特徴とする焦点が可変なミラー。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか記載の焦点が可変なミラーにおいて、
    前記環状の構造体は、前記可撓み膜の、前記反射膜を形成する面上または両面に形成することを特徴とする焦点が可変なミラー。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか記載の焦点が可変なミラーにおいて、
    前記環状の構造体は、前記可撓み膜に固定されている弾性体を有する第一の構造体と、より体積の大きい剛体を有する第二の構造体を有することを特徴とする焦点が可変なミラー。
  8. 請求項1乃至請求項5のいずれか記載の焦点が可変なミラーにおいて、
    前記環状の構造体は、前記可撓み膜の、前記反射膜を形成する面に固定されている弾性体を有する第一の構造体と、より体積の大きい剛体を有する第二の構造体を有することを特徴とする焦点が可変なミラー。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか記載の焦点が可変なミラーにおいて、
    前記反射膜と前記可撓み膜とが、同一材料の反射膜であることを特徴とする焦点が可変なミラー。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか記載の焦点が可変なミラーと、レーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザビームを前記焦点が可変なミラーを介して、光ディスクへ照射し記録再生を行う光学系と、これらを制御するコントローラとを有することを特徴とする光ピックアップ。
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