JP5427805B2 - 可変焦点ミラーおよびこれを用いた光ピックアップ - Google Patents

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Description

本発明は、可変焦点ミラーおよびこれを用いた光ピックアップに関する。例えば、ミラー面の変形を可能とし、可変焦点ミラーや収差補正ミラーなどの光学特性が可変となる素子に関する。
近年、インターネットの普及や画像の高画質化等に伴う電子情報量の増加により、主要な情報記録媒体の1つである光ディスクは高密度化の一途をたどっている。高密度化は一般に、対物レンズの開口数増大と波長を短波長化することによる集光光スポットサイズの縮小、記録層を多層化する方式などが採用されている。しかし、開口数の増加に伴い、ディスク面と記録層間距離の誤差変動によって生じる球面収差が急激に増大する。また、記録層多層化によりディスク面から各記録層間の距離は数10マイクロメートル異なるため、正常な記録・再生動作を実現するためにはこれらにより生じる球面収差を補正する機構が必須となる。
特開2006−155850号公報(特許文献1)に記載のミラー装置では、反射ミラーの反射裏面を階段状に加工している。裏面からピエゾアクチュエータ等を用いて力を印加し、反射面を放物面状に撓ませる。この変形によりミラーで反射し対物レンズに入射するレーザビームの強度分布パターンが変わり、その結果ディスク面上に発生する球面収差を補正できる技術が公開されている。
また、特開2001−249288号公報(特許文献2)に記載の変形可能ミラーでは、均一断面形状の反射ミラーの裏面を環状の構造物で押し出すことにより、ミラーを放物面状に撓ませる技術が開示されている。
一方、光ディスクに用いる各素子は、小型であると同時に低消費電力であることが望まれている。
特開2007−304254号公報(特許文献3)に記載のミラー装置では、アクチュエータで撓ませた反射面を所定位置で規制するストッパで固定し、ミラー変形を維持する電力を削減する技術が開示されている。
特開2006−155850号公報 特開2001−249288号公報 特開2007−304254号公報
特許文献1に示した例では、可変ミラーの駆動電極は少なく、また球面収差補正アクチュエータと反射ミラーの機能を融合させているため小型に適している。しかし、断面形状が複雑な反射ミラー作成には多数の加工を要するため、コストが高くなる。また、反射ミラーを直接アクチュエータで接触変形させているために反射ミラーに摩耗が発生する可能性があるため、摩耗を低減し、信頼性を向上することが課題となる。
また、特許文献2に示した例では、均一断面形状のミラーを環状の構造物で押し出す簡易な構造であるために、小型化・低コスト化に適している。しかし、特許文献1と同様に反射ミラーを直接アクチュエータで接触変形させているために反射ミラーの摩耗が発生する可能性があるため、摩耗を低減し、信頼性を向上することが課題となる。
一方、特許文献3に示した例では、反射面を固定することにより消費電力を大幅に低減できる。しかし、反射面の形状を固定するストッパ機構が複雑であり、外形が大きく、コストが高くなり、より小型化・簡潔な機構とすることが課題となる。
本発明では以上の課題に鑑み、低消費電力であり、小型・簡易制御で球面収差を補正する可変焦点ミラーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、入射光を反射するミラー素子部と、ヨークと前記ヨークの周囲に配置したコイルとを具備する電磁石と、ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、を有する可変焦点ミラーであって、前記ミラー素子部は、外周が前記筺体へ固定される基板と、前記電磁石からの磁気による力を発生する構造体と、前記基板へ前記構造体からの前記力を伝達する弾性体である中間部材と、前記力により撓む反射膜と、を有することを特徴とする可変焦点ミラーである。
本発明によれば、構造体と中間部材とを別体とすることにより、構造体と中間部材の大きさ・形状・材質をそれぞれ選択できるので、少ない電力で所定の磁気力を発生でき、より容易に可変な焦点や収差補正を可能とするミラー形状をコンパクトに実現できるので、低消費電力であり、小型・簡易制御で球面収差を補正する可変焦点ミラーを提供することができる。
上記した以外の課題,構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1に記載の可変焦点ミラーが備えられている光ピックアップ光学系の概略図を例示した図である。 実施例1に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例1に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例2に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例3に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例4に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例4に記載の可変焦点ミラーの反射膜面上の変形を例示した図である。 実施例5に記載の可変焦点ミラーの構成を例示した図である。 実施例1から実施例5の可変焦点ミラーを搭載した光ピックアップの説明図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。各図面において、同一符号が付された箇所は、同一物又は同一機能物を示す。
可変焦点ミラーにおいて撓む力が発生する構造体が磁性体である本発明の第1実施例の可変焦点ミラーM1について、添付図面を参照して説明する。図1は、可変焦点ミラーM1を組み込んだ光ピックアップの光学系の概略図の一例を示して図2(a),(b),(c)は、それぞれ本発明の実施形態の可変焦点ミラーM1の長軸断面の鳥瞰図と、長軸断面図とA−A′断面を矢視方向に見た図を説明している。また、図9は、図1に示す可変焦点ミラーM1と、可変焦点ミラーM1への入射光の光源(図1中のレーザダイオード17)と、光源からの光を対象物上へ結像する対物レンズ19と、対象物である光ディスク22の記録層21からの反射光を検知するディテクタ11を少なくとも有する光ピックアップ23の外観を図示している。光ピックアップ23には、図1で示す構成のうち光ディスク22及び記録層21以外の構成が光ピックアップ23に搭載されている。
図1において当該断面の一部が図示された光ディスク22は複数の記録層21(図1中の符号21a,21b)を有する。レーザダイオード17から出射されたレーザビームL1はコリメートレンズ16でコリメートされ、グレーティング15を透過後、偏光ビームスプリッタ13で反射される。なお、レーザダイオード17から出射されたレーザビームL1の一部は偏光ビームスプリッタ13を透過し、フロントモニタ14で受光され、レーザダイオード17の発光強度をモニタする。次に、レーザビームL1は可変焦点ミラーM1の反射膜1で反射し、その後1/4波長板18を透過し、対物レンズ19により記録膜21b上に集光、反射される。反射したレーザビームL1は再び対物レンズ19を透過してコリメート光に変換された後、1/4波長板18を透過し、可変焦点ミラーM1の反射膜1で反射する。反射膜1で反射されたレーザビームL1は偏光ビームスプリッタ13を透過し、集光レンズ12によりディテクタ11上に集光され光ディスク22上の記録層21に記録された情報が電気信号に変換されている。ここで、光ディスク22の各記録層21上にレーザビームL1の焦点位置を合わせるため、ディテクタ11で受光した情報を元に制御回路101,レンズ駆動回路102を介した信号によりレンズアクチュエータ20に支持された対物レンズ19は光軸方向に前後する。
一方、可変焦点ミラーM1は、ディテクタ11で受光した情報を元に制御回路101,ミラー駆動回路103を介した信号により、図2に示すように反射膜1が放物面状に撓み、それにより反射膜1で反射されたレーザビームL1の発散角度を制御し、記録層21の位置が変わることにより発生する球面収差を補正する。
なお、図2(a),(b),(c)に示すように、ミラー素子部5は例えばシリコン基板などの基板2上に上記反射膜1が積層され、さらに基板2の反射膜1と相対する面に、磁性体4が環状の中間部材3を介して固定された構成である。
また、レーザビームL1は反射膜1に対して傾斜した角度で入射するため、基板2や環状の弾性体である中間部材3の形状は長軸がレーザビームL1進行方向と同一方向の楕円または円形状となっている。なお、上記磁性体4は例えば樹脂に磁性粉体を分散させた複合材料でも良い。
一方、ヨーク6とその周囲に複数回巻かれたコイル7とからなる電磁石8は筺体9を介してミラー素子部5に環状に固定されている。コイル7に電流を印加することによりヨーク6に印加電流値に依存した磁界が発生し、磁性体4を引き付ける。磁性体4に発生した力は、環状の弾性体からなる中間部材3を介して基板2と反射膜1に伝わり、反射膜1は光の入射面に対し凹状の放物面形状に撓む。それによりコイル7に印加する電流値により反射膜1で反射されたレーザビームL1の発散角度を制御し、記録層21の位置が変わることにより発生する球面収差を補正する。
ヨーク6の構造は、コイル7内周のみの単純な円筒形状よりも、コイル7外周に同心円状の構造を連結付加する方がより磁性体4に働く磁力が強くなるため、筺体9も磁性体であっても良い。反射膜1は金属などの単層膜でも良いし、誘電体などを用いた多層膜反射膜でも良い。また、前記反射膜1と前記基板2とが一体の反射基板であっても良い。
なお、環状の中間部材3は、それ自身の剛性により基板2と反射膜1の変形を阻害しない、例えばシリコン樹脂などの低剛性の材料がより望ましい。
さらに、本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
以上述べたように、本実施例では、基板と、前記基板の片面に形成した反射膜と、前記基板に前記反射膜と相対する片面に形成した中間部材と、前記中間部材を介して前記基板に固定された磁性体と、から形成されたミラー素子部と、ヨークと、前記ヨークの周囲に配置したコイルと、から形成された電磁石と、ミラー素子部の外周部と電磁石とを固定する筺体から成る可変焦点ミラーおよびこれを用いた光ピックアップにおいて、前記電磁石は前記中間部材と前記磁性体に非接触に対向して配置され、前記中間部材には弾性体を用いることを特徴とする。
これにより、例えば、本実施例の可変焦点ミラーおよびこれを用いた光ピックアップでは基板に弾性体を介して固定された磁性体は、電磁石から発生する磁界により磁気引力を受ける。前記磁性体に発生した力は前記環状の弾性体を介して前記基板とそれに積層された反射膜を放物面状に撓ませる。前記基板と前記反射膜を放物面状に変形させる要因は前記環状の弾性体の形状である。そのため、前記電磁石から前記基板の変形する力を受ける前記磁性体は前記環状の弾性体より大きくすることができ、その結果、消費電力を低減可能となる。また、前記基板と前記反射膜は、電磁石及び磁性体とは非接触に変形するため、信頼性に優れる。
また、変形例として、図3に示す長軸断面図の鳥瞰図のように、環状の中間部材3と、該環状の中間部材3を介して固定する磁性体4が、反射膜1上にある構造でも良い。図3では、磁性体4は、電磁石8とは反射膜1を介して反対側に配置されている。ただし、磁性体4は反射膜1で反射されるレーザビームL1を遮らないように、レーザビームL1の通過する領域(図3では円又は楕円形状領域)を欠如した形状である。
本実施例の可変焦点ミラーM1では基板2に環状の中間部材3を介して基板2に固定された磁性体4は、電磁石8から発生する磁界により磁気引力を受ける。磁性体4に発生した力は環状の中間部材3を介して基板2とそれに積層された反射膜1を放物面状に撓ませる。前記基板2と前記反射膜1を放物面状に変形させる要因は前記環状の中間部材3の形状である。本実施例に示すように、中間部材3と磁性体4が別々の部材で作られているため、前記電磁石8から前記基板2の変形する力を受ける前記磁性体4は任意に大きくすることができ、その結果、消費電力を低減可能となる特徴がある。
さらに、図3に示す本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
次に、第2実施例について説明する。
図4は、第2実施例の可変焦点ミラーM1の長軸断面の鳥瞰図である。基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例の反射膜1,磁性体4と環状の中間部材3の位置が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造を説明する。
図4に示す第2実施例は、ミラー素子部5はレーザビームL1の照射される反射膜1,磁性体4,環状の中間部材3が基板2上に積層し、固定された構造である。コイル7に電流を印加することによりヨーク6に印加電流値に依存した磁界が発生し、磁性体4を引き付ける。磁性体4に発生した力により、磁性体4と磁性体4上に形成された反射膜1は環状の中間部材3を支点としては凹状の放物面形状に撓む。それによりコイル7に印加する電流値により反射膜1で反射されたレーザビームL1の発散角度を制御し、記録層21の位置が変わることにより発生する球面収差を補正する。反射膜1と磁性体4とは周囲が固定されていないため、撓み易くなる特徴がある。
また、前記反射膜1と前記磁性体4とが一体の反射基板であっても良い。
さらに、本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
次に、可変焦点ミラーにおいて撓む力が発生する構造体が磁石である第3実施例について説明する。
図5は、第3実施例の可変焦点ミラーM1の長軸断面の鳥瞰図である。基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例の磁性体4の部分の材質が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造を説明する。第3実施例では、第1実施例で用いた磁性体4が磁石10に置き換わっている。磁石10は一方の磁極が電磁石8のヨーク6に相対する面方向に存在する。電磁石8のコイル7に電流を印加し、ヨーク6に発生する磁石10と相対する面方向に発生する磁界は、磁石10から発生するヨーク6に相対する面方向に存在する磁界と相互作用する。コイル7に印加する電流の極性によりヨーク6と磁石10それぞれ相対する面方向に発生する磁極が同極,異極となる。異極となる時、ヨーク6と磁石10はお互いに引き合う引力が発生し、磁性体4に発生した力は、環状の中間部材3を介して基板2と反射膜1に伝わり、第1実施例と同様に光の入射面に対し凹状の放物面形状に撓む。一方、同極となる時、ヨーク6と磁石10はお互いに反発力が発生し、磁性体4に発生した力は、環状の中間部材3を介して基板2と反射膜1に伝わり、光の入射面に対し凸状の放物面形状に撓む。このため、電磁石8のコイル7に印加する電流値、極性を制御することにより、反射膜1を凹凸両方向に変形することができるので、反射膜1の撓み量や凹凸を任意に選択でき、それにより反射膜1で反射されたレーザビームL1の発散角度を幅広く制御し、広い範囲の球面収差を補正することが可能となる。
なお、磁石10および環状の中間部材3が第1実施例と同様に反射膜1と基板2に対してレーザビームL1の入射面方向に配置されても良い。
また、前記反射膜1と前記基板2とが一体の反射基板であっても良い。
さらに、本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
次に、可変焦点ミラーにおいて撓む力が発生する磁石をミラー面に分散配置する第4実施例について説明する。
図6(a),(b),(c)はそれぞれ、第4実施例の可変焦点ミラーM1の長軸断面の鳥瞰図と長軸断面図とC−C′断面を矢視方向に見た図である。基本的な構成は第3実施例と同一であり、第3実施例の磁石10および中間部材3の構造と配置が異なるものである。以下、第3実施例と異なる構造を説明する。第4実施例では、図6(c)に示すC−C′断面の説明図に示すように、磁石10が中間部材3を介して長軸上に基板2中心に対して点対称の位置に2箇所に固定されている。また、磁石10の極性は磁極が電磁石8のヨーク6に相対する面方向に偏極し、基板2中心に対して点対称の位置にある磁石10は偏極方向が逆の磁極である。さらに、図7は基板2と反射膜1を変形させた時の形状を示す説明図である。ヨーク6に電流を印加することにより、ヨーク6には磁石10に相対する面方向に磁界が発生し、2箇所の磁石10にはそれぞれの磁極の向きに依存した引力と反力がそれぞれ発生する。それぞれの磁石10に発生した力は、中間部材3を介して基板2と反射膜1に伝わり、結果として反射膜1の表面は1箇所の凸部と1箇所の凹部を有する。この形状により光軸に対して回転非対称な波面収差であるコマ収差を補正できることを特徴とする。すなわち多様な収差に対応した反射膜1の変形ができる。
なお、反射膜1に中間部材3を介して配置する磁石10の個数,形状,位置と極性を変えることにより種々の収差を補正できる。
また、前記反射膜1と前記基板2とが一体の反射基板であっても良い。
さらに、本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
次に、第5実施例について説明する。
図8は、第5実施例の可変焦点ミラーM1の長軸断面の鳥瞰図である。基本的な構成は第1実施例と同一であり、第1実施例と外形が異なるものである。以下、第1実施例と異なる構造を説明する。第5実施例では可変焦点ミラーM1の外形は直方体である。そのため前記基板2と反射膜1の外形も直方体形状である。電磁石8に相対する基板2の面の一部が楕円または円形状の溝形状(周辺部より中央部が厚さが薄い形状)を持ち、溝底部は楕円または円形の均一膜厚の板が形成され、溝底部は第1実施例と同一の基板形状となる。そのため、磁石10に働く力を環状の中間部材3を介して基板2に与えることにより反射膜1が放物面状に撓み、それにより反射膜1で反射されたレーザビームL1の発散角度を制御し、記録層21の位置が変わることにより発生する球面収差を補正する。
前記基板2と反射膜1の外形を直方体とすることにより、切り出しや取扱がしやすくなり、例えば半導体プロセスを用いた量産化に適するという特徴を持つ。
また、前記反射膜1と前記基板2とが一体の反射基板であっても良い。
さらに、本構成の可変焦点ミラーM1を図9に示す光ピックアップ23に搭載することで、球面収差を補正できるため、記録再生時の信号劣化を低減し、望ましくは極小化でき、高性能かつ高信頼性な光ピックアップを得ることができる特徴がある。
以上説明したように、例えば、従来の磁性と弾性を両方有する磁性弾性体を用いてミラーを変形する構造では、磁気引力が作用する磁性体の形状はミラーを撓ませるために最適な狭円環形状となり、磁気引力が弱くなる課題があった。そこで、本願発明では磁気引力を受ける剛体の磁性体とミラーと接触する弾性体とを分離した構成を提案した。それにより、磁性体の電磁石に面する面積は大きくすることが可能であり、大きな磁気引力を得られるため、結果として消費電力が低減できるという顕著な効果を奏することができる。
本願発明の特徴を例示すると、(1)基板と、基板の片面に形成した反射膜と、基板に反射膜と相対する片面に形成した中間部材と、中間部材を介して基板に固定された磁性体と、から形成されたミラー素子部と、ヨークと前記ヨークの周囲に配置したコイルとから形成された電磁石と、ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、から成る可変焦点ミラーにおいて、電磁石は磁性体の中間部材が固定された反対側に非接触に対向して配置され、中間部材は弾性体である可変焦点ミラー。
(2)基板と、基板の片面に形成した中間部材と、中間部材を介して基板に固定された磁性体と、磁性体の基板に相対する裏面に形成した反射膜と、から形成されたミラー素子部と、ヨークと、ヨークの周囲に配置したコイルと、から形成された電磁石と、ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、から成る可変焦点ミラーにおいて、電磁石は前基板の中間部材が固定された反対側に非接触に対向して配置され、中間部材は弾性体である可変焦点ミラー。
(3)基板と、基板の片面に形成した反射膜と、反射膜に基板と相対する片面に形成した中間部材と、中間部材を介して基板に固定された磁性体と、から形成されたミラー素子部と、ヨークと、ヨークの周囲に配置したコイルと、から形成された電磁石と、ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、から成る可変焦点ミラーにおいて、電磁石は磁性体の中間部材が固定された反対側に非接触に対向して配置され、磁性体は反射膜で反射される光線が通過する領域に孔を有し、中間部材は弾性体である可変焦点ミラー。
(4)上記(1)から(3)の可変焦点ミラーにおいて、磁性体は磁石である可変焦点ミラー。
(5)基板と、基板の片面に形成した反射膜と、基板に反射膜と相対する片面に形成した複数の中間部材と、中間部材に基板と相対する片面に固定された複数の磁石と、から形成されたミラー素子部と、ヨークと、ヨークの周囲に配置したコイルと、から形成された電磁石と、ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、から成る可変焦点ミラーにおいて、電磁石は磁性体の中間部材が固定された反対側に非接触に対向して配置され、複数の磁石は非接触に対向する電磁石の配置された面方向に対して複数の磁極を持つ可変焦点ミラー。
(6)上記(1)から(5)の可変焦点ミラーにおいて、基板は均一膜厚で、楕円または円形状である可変焦点ミラー。
(7)上記(1)から(5)の可変焦点ミラーにおいて、基板は外形は直方体形状であり、基板の電磁石に対抗した面方向に基板が薄く、均一な深さの楕円または円溝形状を有する可変焦点ミラー。
(8)上記(1)から(7)の可変焦点ミラーにおいて、筺体が磁性体である可変焦点ミラー。
(9)上記(1)および(3)から(9)の可変焦点ミラーにおいて、反射膜と基板とが一体の反射基板である可変焦点ミラー。
(10)上記(2)の可変焦点ミラーにおいて、反射膜と磁性体とが一体の反射磁性体である可変焦点ミラー。
(11)上記(1)から(10)の可変焦点ミラーを有する光ピックアップ、が挙げられる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成,機能,処理部,処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成,機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム,テーブル,ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク,SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード,SDカード,DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1 反射膜
2 基板
3 中間部材
4 磁性体
5 ミラー素子部
6 ヨーク
7 コイル
8 電磁石
9 筺体
10 磁石
11 ディテクタ
12 集光レンズ
13 偏光ビームスプリッタ
14 フロントモニタ
15 グレーティング
16 コリメートレンズ
17 レーザダイオード
18 1/4波長板
19 対物レンズ
20 レンズアクチュエータ
21 記録層
22 光ディスク
23 光ピックアップ
L1 レーザビーム
M1 可変焦点ミラー

Claims (14)

  1. 入射光を反射するミラー素子部と、
    ヨークと前記ヨークの周囲に配置したコイルとを具備する電磁石と、
    ミラー素子部の外周と電磁石とを固定する筺体と、を有する可変焦点ミラーであって、
    前記ミラー素子部は、
    外周が前記筺体へ固定される基板と、
    前記電磁石からの磁気による力を発生する構造体と、
    前記基板へ前記構造体からの前記力を伝達する弾性体である中間部材と、
    前記力により撓む反射膜と、を有することを特徴とする可変焦点ミラー。
  2. 請求項1において、
    前記構造体が、磁性体又は磁石であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  3. 請求項2において、
    前記構造体の前記電磁石に対向する面積が、前記中間部材のその面積よりも大きいことを特徴とする可変焦点ミラー。
  4. 請求項3において、
    前記反射膜が前記基板上に形成されることを特徴とする可変焦点ミラー。
  5. 請求項3において、
    前記構造体が、前記基板より前記電磁石側に配置されることを特徴とする可変焦点ミラー。
  6. 請求項3において、
    前記中間部材の形状が環状又は複数の分割された形状であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  7. 請求項3において、
    前記構造体及び前記中間部材が、前記基板より前記電磁石の反対側で前記反射膜より入射光の入射側に配置され、前記反射膜へ入射光が入射する形状を有することを特徴とする可変焦点ミラー。
  8. 請求項3において、
    前記構造体及び前記中間部材が、前記基板より前記電磁石の反対側で前記反射膜より入射光の反対側に配置され、前記反射膜が前記構造体上に形成されることを特徴とする可変焦点ミラー。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の可変焦点ミラーにおいて、
    前記基板は均一膜厚で、楕円または円形状であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の可変焦点ミラーにおいて、
    前記基板の外形は直方体形状であり、前記基板の前記電磁石に対抗した面方向に基板が薄く、均一な深さの楕円または円溝形状を有することを特徴とする可変焦点ミラー。
  11. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の可変焦点ミラーにおいて、
    前記筺体が磁性体であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  12. 請求項1から請求項6および請求項から請求項10のいずれか1項に記載の可変焦点ミラーにおいて、
    前記反射膜と前記基板とが一体の反射基板であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  13. 請求項8に記載の可変焦点ミラーにおいて、
    前記反射膜と前記構造体とが一体の反射磁性体であることを特徴とする可変焦点ミラー。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の可変焦点ミラーと、前記入射光の光源と、前記光源からの光を対象物上へ結像する対物レンズと、前記対象物からの反射光を検知するディテクタとを有することを特徴とする光ピックアップ。
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