JP2007304254A - 変形可能ミラー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミラー面が形成された可撓性部材を有する変形可能ミラー装置において、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定された場合の消費電力の削減を図る。
【解決手段】可撓性部材の表面の形状が所定形状に維持されるようにして構成された形状維持手段を備えることで、電力に基づく駆動力が印加された状態になくとも上記可撓性部材の形状が所定形状で維持されるようにする。これにより、多層ディスクにおける各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにした場合に対応して、電力に供給なしでミラー面の形状を少なくとも何れか一方の記録層で球面収差補正が可能な所定形状に維持することができる。これにより消費電力を大幅に削減できる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ミラー面の変形が可能な変形可能ミラー装置に関する。
特開平5−151591号公報
光ディスク記録媒体についての記録及び/又は再生を行う光ディスク装置では、対物レンズによりレーザ光を光ディスク記録媒体の記録層に合焦して、信号の記録再生を行うようにされている。
このように対物レンズを介してレーザ光を照射する場合、光ディスク記録媒体のレーザ光の入射する側の面(記録側の面)から記録層までのカバー層の厚さ(カバー厚)によっては、球面収差が生じることが知られている。すなわち、対物レンズを含む光ディスク装置の光学系の構成としては、対応する光ディスク記録媒体に想定されるカバー厚の値に応じて球面収差が最小となるように設計されていることから、カバー厚が想定値と異なる場合には球面収差が生じてしまうことになる。例えば記録層が単層の場合、カバー厚ムラのある部分で球面収差が生じることが知られている。
また、近年においては、光ディスク記録媒体の高記録密度化を図るために記録層を多層化しているものがあるが、このように記録層を多層化する場合は、当然、各記録層に対するカバー厚は異なるようにされることから、基準となる記録層以外の記録層の記録再生時には球面収差が生じることになる。
球面収差が生じている場合、結像性能が悪化して信号の記録再生性能も悪化することから、これを補正する何らかの手段が必要となる。
従来において、このような光ディスク記録媒体のカバー厚の差に起因して生じる球面収差の補正を図る技術としては、光学系においてレーザ光を対物レンズに対して導くために設けられたミラーの形状を変形させて行うようにしたものがある(上記特許文献1参照)。
例えば上記特許文献1に記載の変形可能ミラーは、表面にミラー面を形成した変形プレートと、この変形プレートの裏側の数カ所を加圧する圧電アクチュエータとを設け、各圧電アクチュエータに印加する電圧を変化させることで、上記ミラー面を球面収差を補正できる所定の形状に変化させるようにしている。
しかしながら、上記した従来例の構成では、ミラー面の所定の形状を得るにあたって圧電アクチュエータは複数必要であり、構成が複雑化し、また回路規模としてもその分大型化してしまう。
例えば、近年の高密度ディスクに対応する場合、レーザビーム径は例えば3mm程度となっており、この範囲内で複数の圧電アクチュエータを構成するとなると、その実現は非常に困難なものとなる。
また、一方で、上記のようにしてミラー面を変形させて球面収差補正を行う構成では、変形に耐えうる程度に変形プレートとしての部材が構成されている必要がある。
このとき、収差補正に必要なミラー面の変形量が大きいと、その分変形プレートは変形に対する強度を有することが必須となる。しかしながら、このように強度の強い材料を選定するとなると、変形プレートとして選定できる材料はその分選択肢が狭くなってしまい、その選択の自由度が著しく制約されてしまうという問題が生じる。
そこで、収差補正に必要なミラー面の変形量をより小さくして変形プレートの材料の選択の自由度を或る程度確保できるようにするための工夫が必要となる。
そのための具体的手法としては、球面収差量が最小となる位置を、各記録層の中間位置となるように設定することが挙げられる。
つまり、次の図4に示されるようにして、通常では一方の記録層(第1記録層)で球面収差量が最小となるようにしていたものを、第1記録層と第2記録層との中間の位置で球面収差量が最小となるように光学系を設計するようにしたものである。
図示もされているように、第1記録層で球面収差量が最小となるようにした場合、第1記録層においてはミラー面の変形は不要であるが、当然のことながら第2記録層ではミラー面を変形させる必要がある。一方、中間位置で収差量が最小となるようにした場合では、第1記録層と第2記録層との双方でミラー面を変形させる必要があるが、それらの変形量としては、第1記録層で収差量が最小となるようにした場合の変形量の1/2とすることができる。
このようにして各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにすることで、補正のために必要なミラー面の変形量は少なくすることができ、これによってミラー面を有する変形プレートの材料の選択の自由度を広げることができる。
但し、このように球面収差量が最小となる位置を各層の中間位置に設定した場合、第1記録層と第2記録層の双方に対する記録再生時においては、常に変形のための電力を供給しなければならなくなってしまう。
このため、上記のようにして各層の中間位置で球面収差量が最小となるようにして変形プレートの材料の選択の自由度を確保しつつ、収差補正のために変形可能ミラー装置に供給すべき駆動電力をできる限り削減できるようにすることが要請される。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、変形可能ミラー装置として以下のように構成することとした。
つまり、表面にミラー面が形成されると共に、変形態様についての状態が異なるようにされた部分が所定パターンにより形成された可撓性部材を備える。
そして、上記可撓性部材の上記表面の形状が所定形状に維持されるように構成された形状維持手段と、さらに上記可撓性部材に対して電力に基づく駆動力を印加する駆動手段とを備えるようにした。
上記構成のように、ミラー面が形成される可撓性部材が、部分的に変形態様についての状態が異なるようにされていれば、上記駆動手段により上記可撓性部材に対して駆動力が印加されたとき、そのような状態の異なるようにされた部分においては他の部分とは異なる変形態様が得られる。このことから、上記のような状態の異なる部分の形成パターンによって、可撓性部材に対する1点への(一様な)駆動力の印加に応じて、所望の変形形状が得られるようにすることができる。
そして本発明では、上記形状維持手段により、上記可撓性部材の形状が所定形状で維持されるようにすることができる。つまり、これによれば、多層ディスクにおける各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにした場合に対応して、上記駆動手段により電力に基づく駆動力が印加された状態にはなくても上記ミラー面の形状を所定形状に維持することができる。
このようにして本発明では、ミラー面が形成される可撓性部材の構成によって、ミラー面の所望の変形形状を得るにあたっては一様な駆動力を印加するのみでよいものとでき、これによって従来のように複数の圧電アクチュエータにより複数点を加圧して所望の変形形状を得る必要がなく、装置の大型化や高コスト化を効果的に抑制することができる。
その上で本発明の変形可能ミラー装置では、上記形状維持手段が備えられることで、駆動手段により駆動力が印加された状態にはなくても、可撓性部材のミラー面の形状を所定形状に保つことができ、これによって多層ディスクにおける各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにした場合に対応して、電力に基づく駆動力の印加なしに、少なくともどちらか一方の記録層での球面収差補正に必要なミラー面の変形形状を維持することができる。
この結果、上記本発明によれば、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにしてミラー面が形成される可撓性部材として選定できる材料の選択肢を広げることができるようにした場合に対応して、球面収差補正のための消費電力の大幅な削減を図ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
先ずは、図1に、本実施の形態の変形可能ミラー装置(変形可能ミラー装置1,10,20,21,22,25)の外観斜視図を示す。なお、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30の外観はこの図1に示すものと若干異なるものとなるが、これについては後述する。
図示するようにして変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25)では、基板としてのベース4上に、可撓性部材2が固着される。そして、この可撓性部材2の、上記ベース4と固着される面とは逆側の面(表面)に対し、ミラー面を形成すべく例えばアルミニウムや誘電体多層膜等による反射膜3が成膜される。可撓性部材2に対する反射膜3の成膜は、例えばスパッタリングや蒸着等により行われればよい。
この場合、可撓性部材2は、少なくとも上記反射膜3が成膜された面(ミラー面とも呼ぶ)が可撓性を有するように構成される。
図2は、実施の形態の変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,及び第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30も含む)が備えられることになる、光ディスク装置の光学系の構成を示している。
先ず、図2においては、光ディスク100が示されている。
実施の形態においては、この光ディスク100として、例えばブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)等の高記録密度ディスクを想定しており、例えば対物レンズ51の開口数(NA)=0.85、レーザ波長405nmにより記録再生が行われる。
また、この場合の光ディスク100は、図示するようにして例えば2つの記録層を有するものとされる。
先ず、光ディスク100においてレーザ光が入射する側の面(記録面)から最も近い位置に、第1記録層101が形成される。この場合、記録面から第1記録層101まで間隔は、例えば0.075mmとされる。すなわち、第1記録層101までのカバー厚は、0.075mmとなる。
そして、この第1記録層101から所定間隔を空けて第2記録層102が形成されている。
これら各記録層の間隔は、例えば25μmとされる。従って第2記録層102のカバー厚は0.100mmとなっている。
このような実施の形態で想定する光ディスク100に対する信号の読み出し/書き込みを行うための光学系として、図2では対物レンズ51、1/4波長板52、変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)、グレーティング53、偏光ビームスプリッタ54、マルチレンズ55、ディテクタ56、フロントモニタ57、半導体レーザLD、コリメータレンズCL1、コリメータレンズCL2が示されている。
上記光学系において、半導体レーザLDから出射されたレーザ光はグレーティング53、コリメータレンズCL1を透過して偏光ビームスプリッタ54に入射する。偏光ビームスプリッタ54に入射したレーザ光の一部は反射されて、フロントモニタ57に導かれる。
また、偏光ビームスプリッタ54を透過したレーザ光は、図示するように45°に傾設され、所謂立ち上げミラー(45°ミラー)として機能するようにされた変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)に入射するようにされる。そして、この立ち上げミラーとしての変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)により、レーザ光は90°反射され、これが1/4波長板52と対物レンズ51とを介して光ディスク100に対して照射される。
このようにして、実施の形態の変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)としては、光学系における45°ミラーとして設けられるべきものとされている。
また、このように実施の形態の変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)が備えられる光ディスク装置においては、図示するようにして変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)のミラー面を変形させるための電力を供給する駆動回路60も設けられる。
なお、確認のために述べておくと、上記のようにして45°ミラーとして設置される変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)のミラー面に形成されるレーザスポットとしては、次の図3に示されるようにして楕円形状となる。すなわち、先の図2中のZ軸方向からミラー面を見た場合に、図2中Y軸方向とこれと直交する方向をX軸方向としたとき、図3中のX軸方向とY軸方向との直径の比率がおよそX:Y=1:2となる楕円形状となるものである。
ところで、上記のようにして光ディスク100に複数の記録層が形成される場合、何れかの記録層の合焦時には、カバー厚の差に起因して球面収差が生じることとなる。
例えば最も記録面に近い第1記録層101に対する合焦時に球面収差量が最小となるように光学系を設計した場合は、基準となる第1記録層101のカバー厚0.075mmに対し、第2記録層102のカバー厚は0.100mmとなり、第2記録層102の合焦時には球面収差量が増大し、その補正が必要となる。
本実施の形態では、このような球面収差の補正を、変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25,30)のミラー面の形状を所定形状に変形させて、このミラー面を反射して対物レンズ51に導かれるレーザ光を変調することで行うものとする。
ここで、このようにしてミラー面を変形させて球面収差補正を行う構成として、従来では、表面にミラー面を形成した変形プレートと、この変形プレートの裏側の数カ所を加圧する圧電アクチュエータとを設け、各圧電アクチュエータに印加する電圧を変化させることで上記ミラー面を球面収差を補正できる所定の形状に変化させるようにしたものがある。
しかしながら、このような従来の構成によると、ミラー面の所定の形状を得るにあたって圧電アクチュエータは複数必要であり、その分構成が複雑化し、また回路規模としても大型化してしまうことになる。
また、一方で、このようにしてミラー面を変形させて球面収差補正を行う構成では、変形に耐えうる程度に変形プレートとしての部材(本実施の形態で言えば可撓性部材)が構成されている必要がある。
このとき、収差補正に必要なミラー面の変形量が大きいと、その分可撓性部材は変形に対する強度を有することが必須となる。しかしながら、このように強度の強い材料を選定するとなると、変形プレートとして選定できる材料はその分選択肢が狭くなってしまい、材料選定の自由度が著しく制約されてしまうという問題が生じる。
そこで、収差補正に必要なミラー面の変形量をより小さくして変形プレートの材料の選択の自由度を或る程度確保できるようにするために、第1記録層101と第2記録層102との中間位置で球面収差量が最小となるように光学系を設計することが考えられる。
先にも述べたが、このようにして第1記録層101と第2記録層102との中間の位置で球面収差量が最小となるように光学系を設計すると、図4に示されるようにして、何れか一方の記録層で球面収差量が最小となるようにした場合よりも、収差補正に必要なミラー面の変形量を少なくすることができる。
例えば、この図4においては、第1記録層101で球面収差量が最小となるようにした場合が示されているが、その場合、第1記録層101においてはミラー面の変形は不要であるが、当然のことながら第2記録層では収差補正のためにミラー面を変形させる必要がある。
一方、中間位置で収差量が最小となるようにした場合では、図示するようにして第1記録層101と第2記録層102との双方でミラー面を変形させる必要はあるが、それらの変形量は、第1記録層101で収差量が最小となるようにした場合の変形量の1/2とすることができる。
このようにして各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるようにすることで、補正のために必要なミラー面の変形量を少なくでき、これによってミラー面が形成される可撓性部材(変形プレート)の材料の選択の自由度を広げることができる。
但し、このように球面収差量が最小となる位置を各層の中間位置に設定した場合、第1記録層101と第2記録層102の双方に対する記録再生時に常に変形のための電力を供給しなければならなくなってしまう。
そこで、上記のようにして各層の中間位置で球面収差量が最小となるようにして可撓性部材の材料の選択の自由度を確保しつつ、収差補正のために変形可能ミラー装置に供給すべき駆動電力をできる限り削減できるようにすることが要請される。
以下、上記による各問題の解決を図るための、第1〜第3の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>

先ずは、以下の図5〜図9を参照して、第1の実施の形態の変形可能ミラー装置について説明する。
第1の実施の形態の変形可能ミラー装置としては、第1例として変形可能ミラー装置1と、第2例としての変形可能ミラー装置10とに分けられる。以下では、先ず第1例としての変形可能ミラー装置について説明する。
図5は、第1の実施の形態における第1例としての変形可能ミラー装置1が備える、可撓性部材2の構造を示している。図5において、図5(a)は可撓性部材2におけるミラー面とは逆側の面(つまりミラー面の裏側)の平面図を示しており、図5(b)は可撓性部材2の断面図を示している。
この図5において、可撓性部材2としては、所定の強度分布が与えられるようにして、図示するような強度分布パターン2aが形成されている。
この強度分布パターン2aは、図示するように反射膜3が形成されたミラー面とは逆側の面において、ミラー面とは逆側方向に凸となるパターンを形成するようにしている。そして、このような凸状のパターンとして、本実施の形態の場合は、それぞれ図示するミラー面中心Cを同じ中心としてもつ、複数の楕円部2A、2B、2C、2D、2Gを有するパターンを形成するものとしている。
これら複数の楕円部2A、2B、2C、2D、2Gは、中心Cを含むようにされた楕円部2Aが最もZ軸方向への厚みがあり、次いでその外周側に隣接して形成される楕円部2B、さらにその外周側に隣接する楕円部2C、さらにその外周側に隣接する楕円部2D、さらにその外周側に隣接する楕円部2Gとなるに従ってZ軸方向への厚さが薄くなるようにされている。つまり、図5(b)にも示されているように、この場合の可撓性部材2の断面形状としては、中心Cから外周方向にかけて階段状にその厚さが薄くなるような形状とされている。
このような構造により、可撓性部材2としては、それぞれ断面厚が異なる部分を内在するようにされている。このように断面厚の異なるそれぞれの楕円部2は、他の部分とは変形態様についての状態が異なる部分となる。すなわち、これによって可撓性部材2は所定の強度分布を持つように構成されている。その意味で上記それぞれの楕円部2が形成される領域を、ここでは強度分布パターン2aと呼んでいる。
なお、他の視点から見れば、上記のようにそれぞれ断面厚が異なる部分が形成されることにより、後述するように可撓性部材2に対して圧力が印加された場合には、可撓性部材2は部分的に変形曲率が異なるようにされていることになる。
また、この場合の可撓性部材2において、上記楕円部2Gが形成される領域より外周となる領域は、当該領域が、後述するようにして可撓性部材2に対する圧力が印加された場合にも変形されないように充分な強度を確保するための、リブ状のフレーム2Eが形成される。
変形可能ミラー装置(1,10,20,21,22,25)では、このように可撓性部材2における外周部に形成されたフレーム2Eの末端部が、先の図1に示したベース4に対して固着されるものとなる。
ここで、このような構成による可撓性部材2では、楕円部2A〜楕円部2Gまでの範囲が、変形ミラーとして変形する範囲とされる。つまり、実施の形態では、これらそれぞれ厚さの異なるようにされた楕円部2A〜楕円部2Gの形成パターンによって、Z軸方向にはたらく圧力が印加された際にミラー面として所定の変形形状が得られるようにされている。
そして、これら変形可能な楕円部2A〜楕円部2Gまでの領域の外周部には、上述のようにして圧力の印加に対しても変形しない十分な強度を持つようにされたフレーム2Eが形成されている。このフレーム2Eとしての可撓性部材2における外周部分が、このように圧力の印加に対しても変形はせず強度が保たれることで、その分、楕円部2A〜楕円部2Gまでの可変部の変形形状としては、より理想の変形形状に合わせ易くできる。つまり、可撓性部材2の外周部が変形されてしまう場合と比較すれば、より高精度にミラー面の変形形状を理想形状に近づけることができる。
また、上記説明によれば、この場合の可撓性部材2には、断面厚が最も厚くされて強度が確保された最外周部のフレーム2Eと、ミラー面中心C側との境界部分に対し、断面厚が最も薄くなるようにされた部分(具体的には楕円部2G)が形成されることになる。
このようにして、断面厚が最も厚くされて強度が確保された最外周部のフレーム2Eとミラー面中心C側との境界部分に対し、最も断面厚が薄くなるようにされた部分(肉薄部2Gとも言う)が形成されることで、この肉薄部2Gは、可撓性部材2に対する圧力の印加に対して最も変形し易い部分となる。
このとき、肉薄部2Gでの変形のし易さは、肉薄部2Gの厚さによって決定することができる。すなわち、肉薄部2Gの厚さを薄く設定することで、可撓性部材2に対する圧力の印加時において、この肉薄部2Gにおける変形曲率をより大きくすることができる。
このようにして強度が確保された最外周部のフレーム2Eと隣接する肉薄部2Gにおいて、圧力の印加時に大きな変形曲率が得られることによっては、その分、当該肉薄部2Gのミラー面中心C側に隣接する楕円部2Dの面積を小さく設定しても、ミラー面の変形形状を所望の変形形状に一致させることをより容易にできる。
つまり、このようにフレームEと隣接する部分に意図的に断面厚を薄くした肉薄部2Gが設けられない場合には、ミラー面のレーザ入射部分(収差補正のために必要な変形部分)における変形形状を所望の変形形状と一致させるにあたっては、その分、その場合の最薄部となる楕円部2Dの面積を広めにとるようにされていたが、このような肉薄部2Gを設れば、外周のフレーム2Eと近い部分から所望の変形形状を得ることがより容易となり、これによって楕円部2Dの面積を小さく設定してもミラー面の変形形状を所望の変形形状に一致させることをより容易とすることができる。
このようにして楕円部2Dの面積が小さくて済めば、可撓性部材2はより小型とすることができ、このように可撓性部材2を小型化できることで、変形可能ミラー装置1としても小型化が図られる。
なお、この場合、肉薄部2Gの幅を全周にわたり均一に設定すれば、肉薄部2Gにおける力の伝達を均一にでき、ミラー面の変形形状を所望の変形形状に一致させることをさらに容易とすることができる。
確認のために述べておくと、この場合において変形態様についての状態の異なる部分のパターンを、上述のようにしてそれぞれ同じ中心をもつ楕円の形状により形成しているのは、先の図3にて説明したようにこの場合の変形可能ミラー装置では楕円状のスポットを形成するようにして入射するレーザ光についての収差補正を行うことに対応させるためである。
図6の断面図は、第1の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置1の内部構成について示している。この図6では、変形可能ミラー装置1を図1にも示したZ軸方向に切断した場合の断面構造を示している。
なお、第1の実施の形態では、可撓性部材2のミラー面(反射膜3)は省略して示しているが、実際には先の図5においても説明したように、可撓性部材2の表面にはミラー面が形成されている。
図6において、先の図1にも示したベース4に対しては、図示するようにして可撓性部材2におけるフレームEの末端部が固着される。図示するようにして、ベース4の最外周部分にはフレーム2Eの幅に応じた溝が形成され、この溝においてフレーム2Eの末端部の固着位置が位置決めされるようになっている。
そして、このようにしてベース4側と固着された可撓性部材2における、ミラー面中心Cを含むようにされた楕円部2Aに対しては、図示するようにしてコイルホルダ5が固着される。このコイルホルダ5は、図示されるようにその断面形状は逆凹字型とされ、この逆凹字型の上面部分において、楕円部2Aを勘合するための勘合部が形成されている。すなわち、この勘合部において楕円部2Aとコイルホルダ5とが固着されるようになっている。
図示は省略しているが、コイルホルダ5は、その平面形状が円形とされ、上記勘合部は、楕円部2Aとコイルホルダ5とが勘合された場合にミラー面中心Cとコイルホルダ5の中心位置とが一致するようにしてその形成位置が定められている。
また、上記コイルホルダ5には、上記逆凹字型の脚部に対してコイル6が巻回されている。このコイル6は、環状コイルであり、上述したコイルホルダ5の円形の平面形状に沿うようにして取り付けられる。
このコイル6に対しては、図示は省略したが、先の図1に示した駆動回路60からの配線が接続され、これによってコイル6に駆動電流が供給されるようになっている。
また、ベース4に対しては、図示するようにして外周壁8aと内周壁8bとが形成されたヨーク8が固着されている。この場合、ヨーク8は円形の平面形状を有し、これに伴い外周壁8a、内周壁8bも円形に形成される。
ヨーク8の外周壁8aの内側面に対しては、図示するようにしてリング状マグネット7が固着され、これによって外周壁8aと上記内周壁8bとの間に磁束が供給されるようになっている。
このとき、上記リング状マグネット7と上記内周壁8bとの間には、所定の間隙が形成されるようになっており、このリング状マグネット7と内周壁8bとの間隙に対して、図示するようにしてコイルホルダ5におけるコイル6が巻回された脚部が挟み込まれるようになっている。
ここで、上記構成によるコイルホルダ5、コイル6、リング状マグネット7、ヨーク8は、いわゆるボイスコイルモータとして機能する。つまり、図1に示した駆動回路60によりコイル6に対して駆動電流が供給されることにより、当該コイル6が巻回されるコイルホルダ5がZ軸方向へ駆動される。
確認のために述べておくと、このようなボイスコイルモータは、供給する駆動電流の極性によってコイルホルダ5のZ軸の移動方向(上/下方向)を制御することができる。
なお、この場合において、上記ヨーク8は、その円形による平面の中心が、ミラー面の中心Cと一致するようにしてベース4に対して固着される。このようなヨーク8のベース4に対する固着位置の位置決めは、ベース4に対してこのヨーク8の円形の平面形状に対応させた形成した凸状の溝部(位置決め部)を設け、この位置決め部においてヨーク4の底面を勘合するようにして行われる。
そして、変形可能ミラー装置1では、上記のように内周壁8bが形成されたことでヨーク8の中心部分に対して形成される柱状空間8cに対し、圧縮バネ(押しバネ)9が挿通するようにして設けられる。この圧縮バネ9は、その一端が上記コイルホルダ5における上記楕円部2Aが固着される面とは逆側の面に対して固着され、またその他端がベース4に対して固着されている。
この場合、圧縮バネ9は、図示するようにしてその中心軸がミラー面の中心Cと一致するようにして設けられ、これによってコイルホルダ5を介して間接的に、可撓性部材2の中心部に対してZ軸方向への所定の押圧力を印加するようにされている。
ここで、この図1に示される変形可能ミラー装置1の構成によると、上記圧縮バネ9によって、可撓性部材2の中心部に対しては、ミラー面とは逆側の面に対して常にZ軸方向への所定の一様な押圧力が印加されていることになる。そして、これに応じては、図示するように可撓性部材2はその中心部を頂点として撓むようにして凸状に変形した状態となるようにされる。
このとき、先の図5にて説明したようにして可撓性部材2に対しては強度分布パターン2aが形成されている。このことで、上記のように可撓性部材2の中心部に一様に押圧力が印加されることによっては、その強度分布に応じた所定の変形形状が得られることになる。すなわち、このような強度分布パターン2aの形成パターンによって、上記のように一様に印加される圧力に応じて得られる可撓性部材2の変形形状を決定できるものである。
これによれば、上記強度分布パターン2aの形成パターンによっては、上記圧縮バネ9による中心部への一様な押圧力の印加に応じて得られる可撓性部材2の変形形状を、第2記録層102の合焦時に生じる球面収差を補正することができる所定の凸形状となるように設定することが可能となる。つまり、これによって可撓性部材2(ミラー面)の形状としては、電力に基づく駆動力の印加なしに、第2記録層102の合焦時に生じる球面収差の補正が可能な形状となるように維持させることができる。
なお、実施の形態において、上記のようにしてミラー面の所定の変形形状を得るにあたって設定されるべき可撓性部材2の強度分布パターン2aの形成パターンとしては、可撓性部材2に印加される圧力に応じて得られる変形形状を、例えばFEM(Finite Element Method:有限要素法)シミュレーションツール等を用いてシミュレーションした結果に基づいて割り出すことができる。
また、図1に示した変形可能ミラー装置1の構成によれば、コイルホルダ5に巻回されたコイル6に駆動電流を供給することにより、このコイルホルダ5と固着された可撓性部材2の中心部に対し別途圧力を印加することもできる。
図7は、このようにコイル6に駆動電流を供給して可撓性部材2に別途圧力を印加した際の動作について示す断面図である。この図7としても先の図6と同様に変形可能ミラー装置1をZ軸方向に切断した際の断面構造を示している。
上記のようにしてコイル6に駆動電流を供給した場合、可撓性部材2の中心部に対しては、上記圧縮バネ9による圧力を正方向の圧力(押圧力)とした場合に、所定の負方向の圧力(引圧力)を印加することができる。
このように可撓性部材2の中心部に対して引圧力が印加された場合は、図示するようにして可撓性部材2はその中心部を頂点(最下点)として撓むようにして凹状に変形するようにされる。
このようにして、可撓性部材2の中心部に対して一様な所定の引圧力が印加された場合としても、可撓性部材2に形成された強度分布パターン2aは、上述した押圧力が印加された場合と等しく作用することとなる。
すなわち、上述した圧縮バネ9による押圧力と同じ圧力量(絶対値)による引圧力が可撓性部材2に対して印加されるようにすることで、ミラー面の変形形状としては、圧縮バネ9の押圧力印加時の形状(つまり第2記録層102での球面収差補正が可能な形状)と対称となる形状が得られるものとなり、この結果、この場合のミラー面の変形形状としては第1記録層101での球面収差補正が可能となる形状を得ることができる。
なお、確認のために述べておくと、上記説明は、本実施の形態のように第1記録層101と第2記録層102との中間位置で球面収差量が最小となるように光学系が設計されていることを前提としたものである。
また、次の図8の断面図は、第1の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置10の内部構造を示している。なお、この図8を始めとして以下で説明する各図においては、既にこれまでで説明した部分と同様の部分については同一符号を付して説明を省略する。
第2例としての変形可能ミラー装置10は、第1例の場合とは逆に引張バネ(引きバネ)11を設けて可撓性部材2に対して常時引圧力が印加される状態となるようにしたものである。
図8において、上記引張バネ11としても、先の第1例の場合と同様に、ヨーク8における柱状空間8a内において、その中心軸がミラー面の中心Cと一致するようにして設けられる。
図示するようにしてこの場合の引張バネ11としても、その一端がコイルホルダ5に対して固着される。一方、引張バネ11の他端には、図示するようにしてフック11aが形成されており、このフック11aがベース4に形成された挿通口を挿通してベース4の外側に突出するようにされる。
この場合、ベース4に対しては、上記挿通口を挿通して上記フック11aが突出する部分に対応させてピン溝4aが形成されている。そして、図示する係止ピン12が、例えばU字状フックとされる上記フック11aのU字部分を挿通するようにした状態で、このピン溝4aに勘合されている。このような構成により、引張バネ11の他端が、ベース4側に対して固着されるようになっている。
このような第2例としての変形可能ミラー装置10の構成によれば、上記引張バネ11により、可撓性部材2の中心部に対しては電力に基づく駆動力の印加なしに、所定の一様な引圧力を印加した状態とすることができ、これによって可撓性部材2は、図示するようにして中心部を頂点として凹状に変形された状態となるようにされる。
そして、この場合も可撓性部材2に対しては強度分布パターン2aが形成されていることで、上記のような中心部への所定の一様な引圧力の印加に伴い、ミラー面の形状としては第1記録層101での球面収差補正が可能な形状を得ることができる。
また、この場合、コイル6に対し、先の図7の場合とは逆極性による駆動電流を供給することによってコイルホルダ5を逆側に駆動して、次の図9の断面図に示されるようにして、可撓性部材2を凸状に変形させることができる。すなわち、コイルホルダ5によって可撓性部材2の中心部に対して一様な所定の押圧力を印加することができ、これによって可撓性部材2をその中心部を頂点とした凸形状に変形させることができる。
この場合としても、上述した引張バネ11による引圧力と同じ圧力量(絶対値)による押圧力が可撓性部材2に対して印加されるようにすることで、ミラー面の変形形状としては、引張バネ11の引圧力印加時の形状(つまり第1記録層101での球面収差補正が可能な形状)と対称となる形状が得られるものとなり、この結果ミラー面の変形形状としては第2記録層102での球面収差補正が可能となる形状を得ることができる。
このようにして第1の実施の形態の変形可能ミラー装置1,10によれば、強度分布パターン2aとしての、変形態様についての状態が異なるようにされた部分を所定パターンで内在するようにされた可撓性部材2に対し、圧力を印加してミラー面を変形させるように構成したことで、球面収差補正が可能なミラー面の変形形状を得るにあたっては、可撓性部材2の所定の一部に対してのみ圧力を印加すればよいものとできる。
これにより、球面収差補正が可能となるミラー面の変形形状を得るにあたって、例えば従来のように可撓性部材の複数箇所を複数の圧電アクチュエータにより駆動するといった構成を採る必要はなくなる。
ここで、先の図6〜図9の説明から理解されるように、実施の形態の場合の駆動アクチュエータは、コイル6が巻回されたコイルホルダ5と、コイル6に対する磁気回路を形成するための少なくともリング状マグネット7とヨーク8とにより形成される1つのアクチュエータのみとすることができる。そして、このようなアクチュエータに対する制御としては、駆動回路60によりコイル6に駆動電流を供給するのみでよい。
このようにして第1の実施の形態の変形可能ミラー装置1,10によれば、簡易な構成で且つ単純な制御により球面収差補正を行うことができる。
また、第1の実施の形態の変形可能ミラー装置1,10の構成によれば、圧縮バネ9又は引張バネ11の押圧/引圧力によって、第1記録層101、第2記録層102の何れかの合焦時に生じる球面収差を補正することができるミラー面の形状が得られるように、可撓性部材2の変形形状を維持させることができる。
つまり、これにより各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定されて双方の記録層においてミラー面を変形させる必要があるとされた場合にも、何れか一方の記録層においては、電力に基づく駆動力の印加なしに、ミラー面の形状をその記録層での球面収差補正に必要な形状に維持することができる。
この結果、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定されて、双方の記録層においてミラー面を変形させる必要があるとされた場合にも、何れか一方の記録においては、球面収差補正のための駆動電力の供給は不要とすることができ、その分消費電力を削減することができる。
このようにして第1の実施の形態の変形可能ミラー装置1,10によれば、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定して可撓性部材2として選定できる材料の選択肢を或る程度確保することと、消費電力の削減との双方を実現することができる。
また、本実施の形態の変形可能ミラー装置1の構成によれば、その製造工程は、例えば膜付けやエッチング、接合(固着)といった半導体製造プロセスを利用して製造することが可能となる。これにより、高精度で且つ大量生産が比較的容易となる。また、半導体製造プロセスが利用可能となることで、変形可能ミラー装置のサイズとしても小型化が可能となり、製造コストとしても比較的低コストに抑えることができる。
なお、第1の実施の形態では、可撓性部材2の形状を何れかの記録層での球面収差補正に必要な形状に維持させるための形状維持手段として圧縮バネ又は引張バネを用いる場合を例示したが、同様の伸張力又は収縮力を有する他の弾性体を用いるようにすることもできる。
<第2の実施の形態>

続いては、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、先の第1の実施の形態ではバネにより可撓性部材2の変形形状を維持させるようにしていたものを、反射膜3の成膜条件により変形形状を維持させるようにしたものである。
なお、第2の実施の形態としては、第1例としての変形可能ミラー装置20と、第2例としての変形可能ミラー装置21と、第3例としての変形可能ミラー装置22と、第4例としての変形可能ミラー装置25とに分けられる。
図10は、第2の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置20の内部構成を示す断面図である。
この変形可能ミラー装置20では、可撓性部材2に対する反射膜3の成膜条件により反射膜3の内部応力を制御して、図中白抜き矢印で示すようにミラー面の外周方向に伸張する方向に反射膜3の内部応力の発生方向が設定されるようにしたものである。
このような反射膜3の成膜条件による反射膜3の内部応力の制御手法としては、例えば反射膜3を誘電体多層膜などとして多層により形成する場合には、各層の材料として、線膨張係数の異なる材料を成膜するようにする。つまり、それぞれの材料として常温域(装置の使用温度域)での膨張係数が異なるものを用意し、例えば膨張率の大きい材料と膨張率の小さい材料とを重ねて成膜するものとする。これにより反射膜3の内部応力を、伸張/収縮方向に制御することができる。
或いは、反射膜3をスパッタリングにより成膜する場合には、スパッタリングの条件(投入電力の制御や、真空度・ガスの分圧比などといった雰囲気の制御)により反射膜3の内部応力を制御できる。
また、実際には、ミラー面の最表面にはコーティング膜を成膜するが、このようなコーティング膜の成膜条件によっても反射膜3の内部応力を制御することもできる。なお、このようなコーティング膜としてもミラー面を形成する膜に変わりはないので、反射膜3を形成する膜であるということができる。
ここで、上記のようにして反射膜3の内部応力の発生方向を、外周方向に伸張する方向に設定できることで、反射膜3が成膜された可撓性部材2はこのような反射膜3の内部応力とバランスするはたらきにより、図示するようにして凸形状に変形するようにされる。
そしてこのとき、上記のような反射膜3の伸張方向の内部応力が、可撓性部材2を第1記録層102での球面収差補正が可能な形状とすることができるように設定されることで、可撓性部材2としては、第2記録層102での球面収差補正が可能な形状に維持されるものとなる。
また、この場合の変形可能ミラー装置20に対しても、図示するようにしてコイル6が巻回されたコイルホルダ5と、リング状マグネット7とヨーク8とにより形成されるアクチュエータ(ボイスコイルモータ)が備えられ、コイル6に駆動電流を供給することによってコイルホルダ5を下方に駆動することができる。
図11の断面図は、このように駆動電流を供給してコイルホルダ5を下方に駆動した場合の動作について示している。
この場合もコイルホルダ5を下方に駆動した場合には、このコイルホルダ5が固着される可撓性部材2の中心部に対して、所定の一様な引圧力を印加することができる。これによって可撓性部材2をその中心部を頂点とした凹形状に変形させることができる。
ここで、この場合の可撓性部材2に対しても、強度分布パターン2aが形成されている。すなわち、このような強度分布パターン2aの形成パターンによって、可撓性部材2の中心部に対する所定の一様な引圧力の印加に応じて、ミラー面の変形形状として第2記録層101での球面収差補正が可能となる形状を得ることができる。
このようにして第1例としての変形可能ミラー装置20の構成によれば、コイル6に対して所定レベルの駆動電流を供給してコイルホルダ5を下方に駆動することで、第1記録層101への合焦時にも対応して球面収差補正を行うことができる。
続いて、図12の断面図は、第2の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置21の内部構成を示している。
第2例としての変形可能ミラー装置21は、反射膜3の成膜条件により、先の第1例の場合とは逆に反射膜3の内部応力の発生方向を、図中白抜き矢印で示すミラー面の内周方向に収縮する方向に設定したものである。つまり、このような構成により、第2例としての変形可能ミラー装置21では、可撓性部材2の形状を、電力に基づく駆動力の印加なしに、第1記録層101での球面収差補正が可能な所定の凹形状に維持されるようにすることができる。
また、この第2例としての変形可能ミラー装置21としても、図示するように先の第1例の場合に設けられていたボイスコイルモータが備えられ、コイル6に対し駆動電流を供給してコイルホルダ5を上方に駆動することで、次の図13の断面図に示されるようにして可撓性部材2を凸状に変形させることができる。すなわち、コイルホルダ5によって可撓性部材2の中心部に対して所定の一様な押圧力を印加することができ、これによって可撓性部材2をその中心部を頂点とした凸形状に変形させることができる。
そして、この場合も、可撓性部材2における強度分布パターン2aの形成パターンにより、このように印加される所定の一様な押圧力に応じて、可撓性部材2の変形形状が第2記録層102での球面収差補正が可能となる形状となるようにすることができる。
さらに、次の図14の断面図は、第2の実施の形態の第3例としての変形可能ミラー装置22の内部構成を示している。
第3例の変形可能ミラー装置22は、先の図12に示した第2例としての変形可能ミラー装置21において可撓性部材2に圧力を印加するために設けられていたアクチュエータを、圧電素子によるアクチュエータに変更したものである。
つまり、先の図12の変形可能ミラー装置21に備えられていたコイルホルダ5、コイル6、リング状マグネット7、ヨーク8によるボイスコイルモータを省略し、その代わりに図示する圧電素子23を設けたものである。
この圧電素子23は、いわゆる積層タイプの圧電素子として、板状の圧電板と電極板とを交互に積み重ねた構造を有する。この場合、圧電素子23では、正極端子となるべき電極板同士と負極端子となるべき電極板同士とがそれぞれ並列接続されており、駆動電圧が印加されると、各電極板に挟まれたそれぞれの圧電板が一様にZ軸方向へ伸張するように構成されている。すなわち、このような構成により圧電素子23は、所定レベルの駆動電圧の印加に応じて全体として所定の伸張量が得られるようになっている。
そして、変形可能ミラー装置22では、図示するようにしてこの圧電素子23の一端を可撓性部材2の楕円部2Aに対して固着し、さらに他端をベース4に対して固着するようにしている。この場合も圧電素子23は、上記他端側がベース4に対して形成された凹状の溝部において位置決めされるようにしてベース4に対して固着される。
図示は省略したが、この圧電素子23における、上記並列接続された電極板に対しては、先の図2に示した駆動回路60への配線が接続されている。この場合の駆動回路60は、圧電素子23に対して駆動電圧を供給(印加)するように構成されている。
上記構成による第3例としての変形可能ミラー装置22は、先の第2例の変形可能ミラー装置21との比較では可撓性部材2に対して押圧力を印加する構成が異なるのみで、得られる効果としては上記第2例の場合と同様となる。
すなわち、この場合は図14に示すような反射膜3の内周方向への内部応力により、可撓性部材2の形状は電力に基づく駆動力印加なしに第1記録層101での球面収差補正が可能となる形状に維持され、また、第2記録層102の合焦時に対応しては、圧電素子23に対し駆動電圧を印加することで、次の図15の断面図に示されるように可撓性部材2の形状を第2記録層102での球面収差補正が可能となる所定の凸形状に変形させることができる。
また、図16の断面図は、第2の実施の形態の第4例としての変形可能ミラー装置25の内部構成を示している。
第4例の変形可能ミラー装置25は、可撓性部材2に押圧力を印加するためのアクチュエータを、静電アクチュエータに変更したものである。
図示するように、この第4例としての変形可能ミラー装置25では、先の図12の変形可能ミラー装置21に備えられていたコイルホルダ5、コイル6、リング状マグネット7、ヨーク8によるボイスコイルモータを省略し、図示するように固定部26aと可動部26bとを有する静電アクチュエータ26を設けるものである。
この静電アクチュエータ26における、上記固定部26aと可動部26bとは、それぞれ図示するようにしてくし歯状電極を有しており、このようなくし歯状の部分がそれぞれ対向するようにして配置される。固定部26aはベース4に対して固着され、また可動部26bは可撓性部材2の楕円部2Aに対して固着される。
なお、図示は省略したが、上記固定部26aと可動部26bとしてのそれぞれのくし歯状電極に対しては、先の図2に示した駆動回路60への配線が接続されている。そして、この場合の駆動回路60は、上記各電極に対して駆動電圧を供給(印加)するように構成されている。
上記構成による第4例としての変形可能ミラー装置25としても、先の第2例、第3例の変形可能ミラー装置との比較では可撓性部材2に対して押圧力を印加する構成が異なるのみで、得られる効果としては同様となる。
つまり、この場合も図16に示すような反射膜3の内周方向への内部応力により、可撓性部材2の形状は電力に基づく駆動力印加なしに第1記録層101での球面収差補正が可能となる形状に維持され、また、第2記録層102の合焦時に対応しては、静電アクチュエータ26に対し駆動電圧を印加することで、次の図17の断面図に示されるように可撓性部材2の形状を第2記録層102での球面収差補正が可能となる所定の凸形状に変形させることができる。
上記により説明した第2の実施の形態の変形可能ミラー装置20,21,22,25によれば、反射膜3の成膜条件によって、第1記録層101、第2記録層102の何れかの合焦時に生じる球面収差を補正することができるミラー面の形状が得られるように、可撓性部材2の変形形状を維持させることができる。
これにより各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定されて双方の記録層においてミラー面を変形させる必要があるとされた場合にも、何れか一方の記録層においては、電力に基づく駆動力の印加なしに、ミラー面の形状をその記録層での球面収差補正に必要な形状に維持させることができる。
つまり、これによって第2の実施の形態としても、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定して可撓性部材2として選定できる材料の選択肢を或る程度確保することと、消費電力の削減との双方を実現することができる。
また、第2の実施の形態の場合としても、可撓性部材2に対してアクチュエータによる駆動力を印加して、他方の記録層について球面収差補正を行うためのミラー面の変形形状を得るようにしているが、この場合も可撓性部材2に対しては強度分布パターン2aが所定パターンにより形成されていることで、上記他方の記録層での球面収差補正が可能なミラー面の変形形状を得るにあたっては、可撓性部材2の所定の一部に対してのみ圧力を印加すればよいものとできる。
これにより、第2の実施の形態としても、球面収差補正が可能となるミラー面の変形形状を得るにあたって、可撓性部材の複数箇所を複数の圧電アクチュエータにより駆動するといった構成を採る必要はなくなる。
第2の実施の形態の場合、アクチュエータとしてはボイスコイルモータの他にも圧電素子23、静電アクチュエータ26を用いるようにされるが、それらのアクチュエータに対する制御としても、駆動回路60により駆動電圧を供給するのみでよい。すなわち、これにより第2の実施の形態の変形可能ミラー装置20,21,22,25によっても、簡易な構成で且つ単純な制御により球面収差補正を行うことができる。
また、第2の実施の形態の変形可能ミラー装置20,21,22,25としても、その製造工程は例えば膜付けやエッチング、接合(固着)といった半導体製造プロセスを利用して製造することが可能となる。これにより、高精度で且つ大量生産が比較的容易となる。また、半導体製造プロセスが利用可能となることで、変形可能ミラー装置のサイズとしても小型化が可能となり、製造コストとしても比較的低コストに抑えることができる。
<第3の実施の形態>

続いて、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30について説明する。
この第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30としては、これまでの各実施の形態で備えられていた可撓性部材2とは異なる、可撓性部材29を備えるようにされる。
図18、図19は、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30が備える可撓性部材29の構成を示している。図18では、可撓性部材29の平面図を示し、図19では可撓性部材29の断面図を示している。
先ず図18において、この可撓性部材29としては、図示するようにその平面形状が楕円形状とされる。そして、この可撓性部材29としても、その最外周部には断面厚が最も厚くされたフレーム2Eが形成されるが、この場合のフレーム2Eは、図中実線矢印により示す複数のスリット(切り込み)によって、複数のフレーム部2E-1〜2E-20に分割されている。
なお、この場合も、図示するようにして可撓性部材29の表面には反射膜3が成膜されている。
また、図19の断面図において、この場合の可撓性部材29としては、先の第2の実施の形態の場合と同様にして、反射膜3の成膜条件によって凸形の断面形状が得られるように構成されている。
すなわち、反射膜3の成膜条件によって、この場合も白抜き矢印で示すように反射膜3の内部応力を外周方向に伸張する方向に発生させて、可撓性部材29が所定の凸形状に変形した状態となるようにされている。
なお、この図19にも示されているように、この場合の可撓性部材29に対しても、ミラー面とは逆側に対して強度分布パターン2aが形成されている。
ここで、上記のようにして最外周部において断面厚を最も厚くするようにして形成されたフレーム2Eを複数に分割し、且つ断面形状として所定の凸形状が維持される状態(つまり、凸形状で安定となる状態)となるように構成されることで、この場合の可撓性部材29は、次の図20において説明するような双安定性特性を有するようになる。
図20では、可撓性部材29の断面図を示している。
図20において、先ず図20(a)は、可撓性部材29の初期状態として、上記のように反射膜3の成膜条件により所定の凸形状となっている状態を示している(第1の安定状態)。
この図20(a)に示す第1の安定状態において、図中白抜き矢印により示すように可撓性部材29に対して所定の引圧力(この場合のミラー面の凸変形方向とは逆方向への圧力)を印加したとする。
このような引圧力が所定量以下であるとき、可撓性部材29は、圧力の印加方向と同方向に、印加された圧力量に応じた分撓むようにされ、また圧力の印加を停止した場合には第1の安定状態に戻るようにされる。
しかし、印加される引圧力量が或る圧力量を超えたとき、可撓性部材29は応力の臨界点を超え、次の図20(b)に示されるように所定の凹形状に変形し、その状態で安定することになる(第2の安定状態)。
また、逆にこの図20(b)に示す第2の安定状態において、白抜き矢印により示すように可撓性部材29に対し押圧力を印加した場合、所定の圧力量まではその圧力量に応じて圧力印加方向に撓み、また圧力印加を停止すると第2の安定状態に戻るようにされるが、或る圧力量を超える押圧力が印加されたときは、同様に応力の臨界点を超え、図20(a)に示した第1の安定状態に再度変形するようにされる。
上記した可撓性部材29の構成によれば、このようにして所定以上の押圧/引圧力の印加に応じて、それぞれ所定の凸形状/凹形状による第1の安定状態と第2の安定状態とが得られるようになる。
なお、このような双安定性の原理は、例えば一般的に普及している石油缶のキャップの原理と同様のものである。
図21は、上記可撓性部材29を備える第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30の構成を示している。なお、図21において、図21(a)では変形可能ミラー装置30の断面図を示し、図21(b)では変形可能ミラー装置30の側面図を示している。
また、この図21を始め、以下で説明する図22においては、反射膜3を省略して示しているが、実際には先の図18及び図19にて説明したように、可撓性部材29の表面には反射膜3が成膜されているものとなる。
先ず、この場合の変形可能ミラー装置30としては、可撓性部材29を駆動するアクチュエータとして、先に説明したものと同様のコイルホルダ5、コイル6、リング状マグネット7、ヨーク8によるボイスコイルモータを備えている。
またこの場合も、ベース4の最外周部に対しては溝部が形成されている。なおこの場合、可撓性部材29としては先の図18にも示したようにその平面形状は楕円形とされるので、この溝部としても、このような可撓性部材29の楕円平面形状に対応させた楕円形状に形成されている。
ベース4に対して形成された上記溝部により得られる段差部分は、この場合は可撓性部材29のフレーム2Eを固着位置決めするための機能を果たすのみでなく、各フレーム部2Eの末端部の位置を規制するためのストッパ4−Sとしても機能する。
つまり、図21(a)(b)を参照してわかるように、この場合の可撓性部材29としては、全てのフレーム部2E(2E-1〜2E-20)がベース4に対して固着されるのではなく、一部のフレーム部2Eのみが上記ストッパ4−Sによって位置決めされるようにして固着される(図中斜線部参照)。この場合は、先の図18においても斜線で示しているように、X軸対称とY軸対称との双方でそれぞれの離間距離が最大となるようにされる4つのフレーム部(2E-3、2E-8、2E-13、2E-18)のみを、ベース4に対して固着するものとしている。
この場合、他の残りのフレーム部2Eは、これらフレーム部2E-3、2E-8、2E-13、2E-18と比較してそのZ軸方向への長さが若干短くされて、ベース4には固着されないようになっているが、例えば図21(a)中の破線丸で囲うようにしてその末端部が上記ストッパ4−Sに当接するようにされている。つまり、上記フレーム部2E-3、2E-8、2E-13、2E-18以外のフレーム部2Eは、本来であればさらに内側方向に傾斜するようにされるところを、当該ストッパ4−Sに当接してその位置が規制(位置決め)されるようになっているものである。
変形可能ミラー装置30では、このようにストッパ4−Sに当接して各フレーム部2Eの位置が所定位置に規制された状態で、ミラー面の形状として第2記録層102での球面収差補正が可能な所定の凸形状が得られるようにされている。
そのために第3の実施の形態では、このようにストッパ4−Sに当接して各フレーム部2Eの位置が所定位置に規制された状態ではじめて、ミラー面の形状として第2記録層102での球面収差補正が可能な形状が得られるようにして、先に説明した第1の安定状態時のミラー面の形状を設定するものとしている。つまり、可撓性部材29に対する反射膜3の成膜条件により、このような第1の安定状態時のミラー面の形状を設定するようにされている。
或いは、他の手法として、逆にストッパ4−Sの形成位置によって、予め所定形状に設定された第1の安定状態時のミラー面の形状を、第2記録層102での球面収差補正が可能な形状が得られるように調整することもできる。
なお、何れの場合としても、結局はストッパ4−Sによるフレーム部2Eの位置規制がなければ、ミラー面の形状を第2記録層102での球面収差補正が可能な所定の凸形状に安定して維持することは困難であり、従って当該ストッパ4−Sが、ミラー面の形状が球面収差補正の可能な所定の凸形状で維持されるようにしていることに変わりはない。
このようにして第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30によれば、可撓性部材29として、ミラー面が形成される可撓性部材を所定の凸形(又は凹形)の断面形状が得られるように構成し且つフレーム部をスリットによって複数に分割して双安定状態が得られ得ようにした上で、さらに上記ストッパ4−Sを設けるようにしたことで、電力に基づく駆動力が印加されない状態においても、可撓性部材29の形状を第2記録層102での球面収差補正が可能な所定の凸形状とすることができる。
また、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30では、コイルホルダ5が可撓性部材29の中心部分(楕円部2A)に対して固着されたボイスコイルモータを駆動することで、可撓性部材29に対して所定の圧力を印加することができる。
次の図22は、可撓性部材29に対して圧力を印加したときの動作について説明するための図として、先の図21と同様に変形可能ミラー装置30の断面図(図22(a))と側面図(図22(b))とを示している。
この場合も、駆動回路60によりコイル6に対して駆動電流を供給することで、コイルホルダ5を下方に駆動することができ、これによって可撓性部材29に対して引圧力を印加することができる。
なお、確認のために述べておくと、変形可能ミラー装置30では、上述したフレーム部2E-3、2E-8、2E-13、2E-18がベース4に対して固着されるため、このようなコイルホルダ5の駆動に伴い可撓性部材29に対してZ軸方向の圧力を適正に印加することができる。
但しこの場合、フレーム部2Eとしては、このように4つをベース4に対して固着しなくとも、例えばそれぞれ中心Cを基準とした対角線上にある[2E-3、2E-13]の組又は[2E-8、2E-18]など、少なくとも所定の2以上がベース4に対して固着されていれば、コイルホルダ5の駆動に伴って可撓性部材29に対して適正にZ軸方向への圧力を印加することができる。
ここで、先に説明したようにして、第1の安定状態にある可撓性部材29に対しては、所定以上の引圧力を印加することで、第2の安定状態に反転させることができる。
従って、上記のようにしてコイルホルダ5を下方に駆動して可撓性部材29に対して所定以上の引圧力を印加すると、図示するようにして可撓性部材29は、第2の安定状態としての凹形状で安定した状態となるようにされる。
ここで、このように第2の安定状態となる場合、先の図20(b)を参照してわかるように、可撓性部材29のフレーム部2Eは外周方向に広がるようにされる。つまり、図示するようにしてベース4に対して固着されたフレーム部2E-3、2E-8、2E-13、2E-18以外のフレーム部2Eは、例えば図22(a)中の破線四角で囲うようにストッパ4−Sから離れるようにして外周方向側に開くようにされる。
なおかつ、上記のようにして可撓性部材29が第2の安定状態として凹側に反転することに伴っては、可撓性部材29に対して固着されたコイルホルダ5が、図22(a)中の破線丸で囲うようにヨーク8の内周壁8bに対して当接するものとなり、これによって可撓性部材29の凹方向への変形量が規制させることになる。すなわち、上記内周壁8bが可撓性部材29の中心部のZ軸方向における位置を規制(位置決め)するようにして、可撓性部材29の凹方向への変形量を決定しているものとなる。
変形可能ミラー装置30では、このような内周壁8bのZ軸方向の長さによって、可撓性部材29の凹方向への変形量を定めることで、ミラー面の形状として第1記録層101での球面収差補正が可能な所定の凹形状が得られるようにされている。つまりこの場合、当該内周壁8bが、ミラー面の形状を球面収差補正の可能な所定の凹形状で維持させるように機能しているものである。
このようにして変形可能ミラー装置30では、第1記録層101の合焦時に対応しては、ボイスコイルモータによる所定以上の引圧力の印加により、可撓性部材29が第2の安定状態に転じるようにした上で、このときヨーク8に形成された内周壁8bが可撓性部材29の凹方向への変形量を決定するようにされていることで、第1記録層101での球面収差補正が可能なミラー面の形状を得ることができる。
ここで、図示による説明は省略するが、この図22に示されるように第1記録層101の合焦時に対応させて凹形状にミラー面が変形された状態に対しては、ボイスコイルモータにより可撓性部材29に対して所定以上の押圧力を印加することで、可撓性部材29を第1の安定状態に転じさせることができ、これによってミラー面の形状を先の図21にて説明した形状に戻す、すなわち第1記録層101での球面収差補正が可能な形状に戻すことができる。
つまり第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30では、このように可撓性部材29に対する所定以上の押圧力/引圧力の印加を行うことで、第1記録層101と第2記録層102とについて交互に球面収差補正を行うことができる。
以上のようにして第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30によれば、ベース4に対して形成されたストッパ4−Sと、ヨーク8に形成される内周壁8bとによって、それぞれ第1の安定状態にある可撓性部材29のフレーム部2Eの位置、第2の安定状態にある可撓性部材29の凹方向への変形量(可撓性部材29の中心部分のZ軸方向位置)を規制することができ、これによってそれぞれ第1の安定状態、第2の安定状態にある可撓性部材29の形状を、第1記録層101での球面収差補正が可能な形状、第2記録層102での球面収差補正が可能な形状に維持させることができる。
そしてこの場合、可撓性部材29の形状を各記録層での球面収差補正が可能な形状とするにあっては、可撓性部材29を第1の安定状態/第2の安定状態に切り替えればよいのみであり、従ってこの場合に必要な電力は、そのような切り替え時に必要な電力のみとすることができる。
この結果、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30によれば、各記録層の中間位置で球面収差量が最小となるように設定されて双方の記録層においてミラー面を変形させる必要があるとされた場合において、他の実施の形態よりも格段に消費電力を削減することができる。
また、この場合としても、球面収差補正を行うにあたって必要なアクチュエータとしては1つのボイスコイルモータのみとすることができ、これによって可撓性部材の複数箇所を複数の圧電アクチュエータにより駆動するといった構成は不要で、簡易な構成で且つ単純な制御により球面収差補正を行うことができる。
また、第3の実施の形態の変形可能ミラー装置30としても、その製造工程は、例えば膜付けやエッチング、接合(固着)といった半導体製造プロセスを利用して製造することが可能となる。これにより高精度で且つ大量生産が比較的容易となり、また、変形可能ミラー装置のサイズの小型化、及び製造コストの削減が図られる。
なお、第3の実施の形態では、一例として、可撓性部材29は反射膜3の成膜条件によって所定の凸形状となるように構成される場合を例示したが、逆に凹形状となるように構成した場合としても同様の効果を得ることができる。
また、第3の実施の形態では、もともとは表面が平面である可撓性部材に対し、反射膜3の成膜条件により所定形状の安定状態が得られるように構成するものとしたが、もともとの表面形状が凸(或いは凹)の所定形状となる可撓性部材を生成し、さらにその材料を金属材料としてそれに塑性加工を施すことで、先の図20に示したものと同様の双安定性特性が得られるように構成することができる。
<変形例>

以上、各実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、ミラー面が形成された可撓性部材の断面形状は、図4に示した強度分布パターン2aに限定されない。
例えば入射されるレーザ光を180°反射する90°ミラーとして適用する場合に対応させて、強度分布パターンとしては、それぞれ同じ中心をもつ円の形状(つまり同心円状)により形成することもできる。
また、階段状に薄くすることも必須ではない。また、肉薄部(楕円部2G)も必須ではない。
さらには、同じ中心をもつ円又は楕円の形状によるパターンで強度分布パターンを形成する必要もなく、球面収差補正に必要な変形形状が得られるものであれば、他のパターンを形成することもできる。
但し、可撓性部材としては、それぞれ同じ中心を持つ円又は楕円の形状により、変形態様についての状態が異なるようにされた部分が形成されることで、レーザ光を180°反射する場合、90°反射する場合のそれぞれのバリエーションに対応させて、球面収差補正を良好に行うことができる変形可能ミラー装置を実現することができる。
また、このようにして変形態様についての状態の異なる部分を同じ中心を持つ円又は楕円の形状により形成することによっては、応力が一部に集中してしまうことを防止することができ、これによって可撓性部材の割れや疲労破壊を効果的に防止できる。
ここで、ミラー面の変形のために圧力が印加される場合、可撓性部材では内部応力が発生する。そして、この際、仮に可撓性部材において応力が一点に集中するような部分があると、実施の形態のように可撓性部材が等質等方性な材質により構成される場合、この部分は急激に寸法の変化する箇所となる。
例えば、状態が異なるようにされた部分の形成パターンが同心でない(同じ中心を持つ円又は楕円でない)場合、各パターンは特定の方向で間隔が狭まったり広がったりすることになる。そして、この間隔が狭まった部分が、他の部分に比べて応力が集中しやすい部分となり、よって一様な圧力の印加に対して急激に寸法が変化する部分となる。
このように応力が集中する部分があると、この部分において可撓性部材の許容応力を超える可能性が高まり、これに伴って割れが発生する可能性が高くなる。また、可撓性部材の変形が繰り返し行われることで、この部分での疲労破壊を招く虞もある。
このため、上記のようにして同じ中心を持つ円又は楕円の形状によりパターンが形成されることで、各パターンの間隔は均等で、応力が一部に集中するような部分が生じないようにすることができ、上記割れや疲労破壊の効果的な防止を図ることができる。
また、実施の形態では、可撓性部材における変形態様についての状態が異なる部分として、断面厚の異なる部分を形成するものとしたが、それ以外にも、例えば可撓性部材の所定位置に材質の異なる部分を混在させるようにして、変形態様についての状態の異なる部分を形成することもできる。
但し、その場合には、例えば異なる材質が所定の位置に所定の割合で含まれるように可撓性部材を形成する必要があり、製造工程が複雑化し、製造コストが増大する可能性がある。これに対し断面圧の異なる部分を形成する実施の形態の手法によれば、可撓性部材は同一材質で構成することができ、強度分布パターンとしてはエッチングによって形成することが可能となるので、その分低コストで実現できるというメリットがある。
また、第1及び第3の実施の形態では、可撓性部材を駆動するアクチュエータとしてボイスコイルモータを用いる場合のみを例示したが、第2の実施の形態で例示した圧電素子や静電アクチュエータを第1の実施の形態に組み合わせることも勿論可能である。
さらには、可撓性部材を駆動するアクチュエータとしては、実施の形態で例示したボイスコイルモータ(電磁駆動によるアクチュエータ)、圧電素子、静電アクチュエータの他にも、例えば磁歪素子などの他の駆動方式によるアクチュエータを用いることもできる。
なお、第3の実施の形態の場合、ボイスコイルモータにおけるヨーク8の内周壁8bによりミラー面の所定の凹形状を維持させることができたが、第3の実施の形態においてボイスコイルモータ以外のアクチュエータが採用される場合としても、このような内周壁8bに代わるミラー面の凹形状を維持させるための部位が設けられることで、同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態で例示したアクチュエータとして、ボイスコイルモータとしては、コイルホルダ5を可撓性部材に対して直接的に固着するものとしたが、他の部材を介して間接的に可撓性部材に固着した場合にも同様に可撓性部材に圧力を印加することができる。また、圧電素子23、静電アクチュエータ26の可動部26a(上部電極)としても可撓性部材に直接的に固着するものとしたが、これらについても他の部材を介して間接的に固着されても可撓性部材に圧力を印加することは可能である。
また、実施の形態では、ミラー面を変形させるための駆動力を印加する構成としては、ミラー面としての反射膜が形成された可撓性部材に対して、アクチュエータ(ボイスコイルモータ、圧電素子、静電アクチュエータ)が発生した圧力を駆動力として印加する場合のみを例示したが、例えば可撓性部材自体を圧電素子により構成して、この圧電素子に対し駆動力として電力(駆動電圧)を印加することでミラー面を変形させるように構成することもできる。この場合、本発明で言う可撓性部材と駆動手段とが同一部材で構成されていることになる。
また、実施の形態では、本発明の変形可能ミラー装置が、ブルーレイディスクのような高記録密度ディスクに対応する光ディスク装置に備えられる場合を例に挙げたが、他の光ディスクであって、複数の記録層が形成された光ディスクに対応する光ディスク装置であれば好適に適用することができる。
また、単一の記録層のみであっても、1周内のカバー厚の変化に追従した球面収差補正を行う光ディスク装置であれば好適に適用できる。
また、本発明の変形可能ミラー装置としては、光ディスク装置以外の他のアプリケーションに対しても好適に適用することができる。例えば、焦点可変の凹レンズや凸レンズとして代用することもできる。
実施の形態(第3の実施の形態は除く)の変形可能ミラー装置の外観斜視図である。 実施の形態の変形可能ミラー装置が備えられる光ディスク装置の光学系の構成について例示した図である。 実施の形態の変形可能ミラー装置のミラー面に形成されるレーザ光スポットの形状を例示した図である。 一方の記録層で収差量が最小となるように設定した場合と各記録層の中間層で収差量が最小となるように設定した場合のミラー面の変形量について説明するための図である。 実施の形態(第3の実施の形態は除く)の変形可能ミラー装置が備える可撓性部材の構造について説明するための図である。 第1の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第1の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第1の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第1の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第2の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第2の実施の形態の第1例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第2の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第2の実施の形態の第2例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第2の実施の形態の第3例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第2の実施の形態の第3例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第2の実施の形態の第4例としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第2の実施の形態の第4例としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。 第3の実施の形態の変形可能ミラー装置が備える可撓性部材の構成を示す平面図である。 第3の実施の形態の変形可能ミラー装置が備える可撓性部材の構成を示す断面図である。 第3の実施の形態の変形可能ミラー装置が備える可撓性部材の有する双安定性特性について説明するための断面図である。 第3の実施の形態としての変形可能ミラー装置の内部構成について示した断面図である。 第3の実施の形態としての変形可能ミラー装置について、可撓性部材に電力に基づく圧力を印加した際の動作について示す断面図である。
符号の説明
1,10,20,21,22,25,30 変形可能ミラー装置、2,29 可撓性部材、2a 強度分布パターン、3 反射膜(ミラー面)、4 ベース、4a ピン溝、4−S ストッパ、5 コイルホルダ、6 コイル、7 リング状マグネット、8 ヨーク、8a 外周壁、8b 内周壁、8c 柱状空間、9 圧縮バネ、11 引張バネ、11a フック、12 係止ピン、23 圧電素子、26 静電アクチュエータ、26a 固定部、26b 可動部、2A〜2D,2G 楕円部、2E フレーム、2E-1〜2E-20 フレーム部、51 対物レンズ、52 1/4波長板、53 グレーティング、54 偏光ビームスプリッタ、55 マルチレンズ、56 ディテクタ、57 フロントモニタ、LD 半導体レーザ、CL1、CL2 コリメータレンズ、60 駆動回路、100 光ディスク、101 第1記録層、102 第2記録層

Claims (14)

  1. 表面にミラー面が形成されると共に、変形態様についての状態が異なるようにされた部分が所定パターンにより形成された可撓性部材と、
    上記可撓性部材の上記表面の形状が所定形状に維持されるようにして構成された形状維持手段と、
    上記可撓性部材に対して電力に基づく駆動力を印加する駆動手段と、
    を備えることを特徴とする変形可能ミラー装置。
  2. 上記可撓性部材は、
    上記変形態様についての状態が異なるようにされた部分として、断面形状が異なるようにされた部分が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  3. 上記可撓性部材は、
    それぞれ同じ中心を持つ円又は楕円の形状により上記変形態様についての状態が異なるようにされた部分が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  4. 上記可撓性部材は、
    その断面形状として最外周部の厚さが最も厚く、且つ上記ミラー面の中心から外周方向にかけては厚さが階段状に薄くなるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の変形可能ミラー装置。
  5. 上記形状維持手段は、
    上記可撓性部材に対して所定の圧力を印加するようにされた弾性体により上記可撓性部材の上記表面の形状が所定形状に維持されるように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  6. 上記形状維持手段は、
    上記弾性体として圧縮バネを備えて、上記可撓性部材の上記表面の形状が所定の凸形状で維持されるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の変形可能ミラー装置。
  7. 上記形状維持手段は、
    上記弾性体として引張バネを備えて、上記可撓性部材の上記表面の形状が所定の凹形状で維持されるように構成される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の変形可能ミラー装置。
  8. 上記形状維持手段は、
    所定の成膜条件により上記可撓性部材に成膜された膜により上記可撓性部材の上記表面の形状が所定形状で維持されるように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  9. 上記膜の成膜条件により、上記可撓性部材の上記表面の形状が所定の凸形状で維持されていることを特徴とする請求項8に記載の変形可能ミラー装置。
  10. 上記膜の成膜条件により、上記可撓性部材の上記表面の形状が所定の凹形状で維持されていることを特徴とする請求項8に記載の変形可能ミラー装置。
  11. 上記可撓性部材は、
    最外周部に対して断面厚が最も厚くなるようにされたフレーム部が形成され、当該フレーム部がスリットによって複数に分割されて形成されると共に、さらに断面形状が凸又は凹形状となるように形成されていることで、上記駆動手段による所定以上の駆動力の印加に応じて上記表面の形状が凸形状と凹形状との2つの異なる安定状態で切り替えられるように構成されており、
    上記形状維持手段は、
    上記凸形状の安定状態にある上記可撓性部材の上記フレーム部の位置を所定位置に規制するための第1のストッパと、上記凹形状の安定状態にある上記可撓性部材の中心部の位置を所定位置に規制するための第2のストッパとにより、それぞれの安定状態にある上記可撓性部材の上記表面の形状が所定形状に維持されるように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  12. 上記駆動手段は、
    上記可撓性部材の上記ミラー面とは逆側の面に対して直接又は間接的に固着されたコイルホルダを有するボイスコイルモータを備え、上記コイルホルダによって上記可撓性部材に対して押圧/引圧力を印加するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  13. 上記駆動手段は、
    上記可撓性部材の上記ミラー面とは逆側の面に対して直接又は間接的に固着された圧電素子により発生した圧力を上記可撓性部材に対して印加するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
  14. 上記駆動手段は、
    上記可撓性部材の上記ミラー面とは逆側の面に対して直接又は間接的に固着された上部電極と、上記上部電極と対向する側に設けられた下部電極とを有する静電アクチュエータにより発生した圧力を上記可撓性部材に対して印加するように構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形可能ミラー装置。
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