JP2006252615A - 光ピックアップ装置およびこれを用いた光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の記録層を持つ光ディスク用装置において、各記録層における光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段20と、各記録層における光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して対物レンズに入射する光束の波面形状を変更する収差補正手段40とを備える。
【選択図】図9
Description
また、液晶素子を固定部に配置できるので小型化、高速化が可能で記録再生性能の優れた光ディスクドライブ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に従って説明する。図1(a)は、本発明に係る光ピックアップ装置の第1の実施形態を要部で示す構成図である。図中、符号1の示すものは、ホログラムユニットであり、レーザ光源1Lと、ディスクからの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子1h、各種信号を生成するための複数領域で構成された受光素子1pを持つ。図1(a)中の上図において、ホログラムユニット1からの発散光束は、コリメートレンズ2で平行光となり、開口素子6で開口径を制限された後に対物レンズ7により光ディスク8の記録層L0面上に集光する。対物レンズ7の形状は光ディスク8のL0面の基板厚に対して、記録面上にスポットを集光させるような設計になっているものとする。ディスクからの反射光は再びホログラムユニット1に入射して、受光素子1pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。対物レンズと開口素子は図示しないアクチェータにより、トラック信号やフォーカス信号に従ってサーボがかけられて常にディスクの動きに追従してディスク記録面上に回折限界のスポットを集光する。
上述の光束変更手段と収差補正手段とを同一の光学的手段で兼用することもできる。例えば図1(a)において、凹レンズ3の面形状を球面から非球面にすることにより、非球面形状のガラス板4は不用となる。このように用いる手段によっては、単一の光学的手段のみで所望の特性を実現できる。このようにすれは、光学部品点数が減って、装置が小型化、低コスト化できる。以上に述べた、開口変更手段、光束変更手段、収差補正手段は、それぞれ開口、凹レンズ、収差補正素子について図示しない駆動機構や移動機構を持つものとする。
光束変更手段として、2群以上のレンズ系の群間隔を変えて出射光束の収束発散状態を変えるエキスパンダレンズを用いることができる。図3(a)にエキスパンダレンズ3の概略構成を示す。エキスパンダレンズ3は、固定レンズ31と、エキスパンダアクチェータ33により光軸方向に移動する移動レンズ32によって構成される。エキスパンダレンズは図1(a)の凹レンズの代わりに配置されて、例えばL0層の場合には平行光束を、L1,L2,L3層の場合には移動レンズが移動して凹レンズと同等の発散光束を出射する。前述の構成では凹レンズを光路中に抜き差しする機構が必要だったが、エキスパンダレンズを用いることにより、移動レンズ32をわずかに光軸方向に移動させるだけでよくなり、光学系全系の小型化が可能となる。
2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズは各レンズの硝材や焦点距離の組合せの自由度が大きく、対物レンズ7やコリメートレンズ3で発生する光ディスク記録面上の集光スポットの色収差を補正することができる。従って、装置の内部温度や光源の発光出力によって波長が変動した場合でも、光ディスク記録面上に形成されるスポットの集光位置が変わらないので、常に安定した記録再生が可能となる。
この他にも、光束変更手段として、光源からの光束を平行光にするコリメートレンズを光軸方向に移動して出射光束の収束発散状態を変える手段を用いることができる。図3(b)の21はコリメートレンズであり、光軸方向にコリメートレンズを移動するアクチェータ22を持つ。コリメートレンズからの出射光は図1(a)のL0層の場合には平行光束、L1,L2,L3層の場合にはレンズが光軸方向に移動して発散光束を対物レンズに入射させる。コリメートレンズを光束変更手段に用いることにより、余分な部品が不用となるため光学系全系の小型化が可能となる。
光束変更手段や収差補正手段として、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態や波面形状を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板との組合せ手段を用いることができる。
この他にも、光束変更手段や収差補正手段として、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態や波面形状を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板との組合せ手段を用いることができる。
光束変更手段や収差補正手段として、駆動条件により入射する光束の収束発散状態や波面形状を変更することのできる公知の液晶素子を用いることもできる。
<光束変更手段として>:図5(b)の液晶素子は、図4(a)のように液晶42を2つのガラス基板41ではさみ込んだ構造であり、ガラス基板の液晶側の面は凸又は凹形状となっている。従って挟まれた液晶の厚さは中心部と周辺部で異なっている。2つのガラス基板にはそれぞれ全面を被う透明電極が形成されていて電極間の電界に応じて間に挟まれた液晶の屈折率が変化するので、透過する光束はレンズ作用を受けて収束発散状態が変化する。これにより球面収差を補正できる。
開口変更手段として、有る領域について入射する光束の偏光方向により透過したりしなかったりする偏光フィルタを用いることができる。図6(a)の符号6は、領域が形成された偏光フィルタであり、開口6Bの内側はすべての偏光方向について透過する領域、6Aと6Bの間の輪帯領域は垂直方向の偏光を透過する領域、6Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、とする。
開口変更手段として、有る領域について入射する光束の偏光方向により拡散したりしなかったりする偏光ホログラムを用いることができる。図7(a)の6は領域が形成された偏光ホログラムであり、開口6Bの内側はすべての偏光方向について透過する領域、6Aと6Bの間の輪帯領域は垂直方向の偏光を透過して、水平方向の偏光を回折により拡散する領域、6Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、とする。
この他、開口変更手段として、液晶素子と偏光板を組合せた液晶シャッターを用いることができる。図8の符号6は液晶シャッターである。符号64は液晶素子であり、駆動電源63の制御により開口6A、6B、6C,6Dの間の輪帯領域を透過する光束の偏光方向を変えることができる。すなわち、液晶素子64は開口6A、6B、6C,6Dの間の輪帯領域の形状に透明電極が形成されており、これに電界が印加されると電極間に封印された液晶分子が回転して入射する偏光を素通りさせる。6Dの内側は電界が印加されないため入射する偏光は常に90度回転して出射される。6Aの外側はすべての偏光方向について透過しない領域、例えば通常の遮光板のような状態となっている。符号65は全面について水平方向の偏光を透過する偏光板である。
従って、駆動する電極を選択することによって任意に4つの開口径を選ぶことができる。
次に、以上のような光ピックアップ装置を搭載した光ディスクドライブ装置の一例を図9に模式的構成図で示す。符号1はホログラムユニット、20はコリメートレンズによる光路変更手段であり、21はコリメートレンズ、22は光軸方向に可動なアクチェータである。40は固定部に配置された液晶素子による収差補正手段、43はその駆動電源である。
60は対物レンズホルダーなどに形成される通常の開口部である(開口変更手段ではない)。開口部60は対物レンズ7と一体でアクチェータにより移動される。8は多層の記録層をもつ光ディスクである。
1L…レーザ光源
1h…ホログラム素子
1p…受光素子
2,21…コリメートレンズ
20…光路変更手段
22…アクチェータ
3…凹レンズ(光束変更手段)、エキスパンダレンズ
31…固定レンズ
32…移動レンズ
33…エキスパンダアクチェータ
34…複屈折媒体
35…λ/2板
36…偏光ホログラム
4…ガラス板(収差補正素子)
40…収差補正手段
41…ガラス基板
42…液晶
43…駆動電源
6…偏光フィルタ(開口素子)
60…開口部
61…λ/2板
63…駆動電源
64…液晶素子
65…偏光板
7…対物レンズ
8…光ディスク
81, 82…基板
L0,L1,L2,L3…記録層
a,b,c,d…透明電極
Claims (15)
- 対物レンズを用いて、複数の記録層を持つ光ディスクの各記録層上に、光源からの光束を集光させて記録、再生、消去の少なくとも1つ以上の動作を行なう光ピックアップ装置において、
各記録層における光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して対物レンズに入射する光束の収束発散状態を変更する光束変更手段と、各記録層における光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して対物レンズに入射する光束の波面形状を変更する収差補正手段とを有することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光ディスクの種類は、光ディスク基板表面と記録層との距離が略0.1mm、開口数が略0.85のディスク、または光ディスク基板表面と記録層との距離が略0.6mm、開口数が略0.65のディスクであることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段は光束の波面形状の曲率半径を変更する手段であり、前記収差補正手段は光束の波面形状の4次項以上の高次項に関する形状を変更する手段である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の光ピックアップ装置。 - 各記録層における光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して対物レンズの実効的開口数を変更する開口変更手段を持つことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段と前記収差補正手段が同一の光学的手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段は、2群以上のレンズ系で構成されるエキスパンダレンズと、各レンズ群の間隔を光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して変えることのできる移動機構とで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- エキスパンダレンズは、光ディスク記録面上に形成される集光スポットの色収差を補正する色補正レンズであることを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段は、光源と対物レンズとの光路中に配置されたコリメートレンズと、該コリメートレンズを光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して光軸方向に移動する移動機構とで構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段又は収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態又は波面形状を変更する複屈折媒体と、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段又は収差補正手段は、入射する光束の偏光方向によって出射する光束の収束発散状態又は波面形状を変更する偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光束変更手段又は収差補正手段は、駆動条件により入射する光束の収束発散状態又は波面形状を変更することのできる液晶素子であることを特徴とする請求項1又は5に記載の光ピックアップ装置。
- 前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる開口領域が形成された偏光フィルタと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記開口変更手段は、入射する光束の偏光方向によって透過する光束の直径が変わる開口領域が形成された偏光ホログラムと、入射する光束の偏光方向を90度回転させるλ/2位相板とで構成されることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記開口変更手段は、光ディスク基板表面と記録層との距離に対応して透過する光束の直径を駆動条件により変えることのできる開口領域が形成された液晶シャッターで構成されることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置を搭載した、ことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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