JP2005285150A - 光ピックアップ装置及びそれを搭載した光ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DVD15a,CD15b(いずれも光情報記録媒体)に対応した2つの光源11L,12Lと、その2つの光源からの光束の合成と分離を行うビームスプリッタ(光路合成分離手段)20と光源11L,12Lに共通した第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31、第2カップリングレンズ(1群のレンズ)32からなり、前記2群のレンズによって光束を集光するカップリングレンズ系(カップリングレンズ)30と、集光した光束をDVD15a,CD15bの記録面上に集光させる対物レンズ42とを備え、カップリングレンズ系30を構成する2群のレンズが、光源11Lの光軸方向aに対してビームスプリッタ20を挟んで配設されるとともに、第1カップリングレンズ31を光軸方向aに移動させるアクチュエータ(レンズ移動手段)33を備える。
【選択図】図3
Description
対物レンズについては、レンズ面に回折格子を形成して多波長互換にしたものがDVD/CD系ではすでに実用化されており、さらにそれらにBlu−ray又はAODを含む3波長互換回折レンズも開発されつつある。
しかし、カップリングレンズについては、各光源のカップリング効率を最適にするためは、各光源について開口数や光源光束の取り込み角度が異なるため光源毎に焦点距離の異なるものを採用する必要があり、共通化が困難であった。
これによると、従来の光情報記録媒体より高密度に情報を記録及び/又は高密度記録された情報を再生するために必要な高開口数の対物レンズを用いた場合に問題となる、レーザ光源の発振波長の微少変動、及び/又は温湿度変化、及び/又は光情報記録媒体の透明基板の厚さの誤差等に起因して対物レンズで大きく発生する球面収差をリアルタイムで補正できるので、常に光情報記録媒体の情報記録面に適正なスポットを形成することができる。
たとえば、ビームエキスパンダによる補正としては、図13に示すように、対物レンズ4とカップリングレンズ5の間に配置したビームエキスパンダのレンズ間隔を光軸にそって移動することで、基板厚差による球面収差を補正する技術が開示されている(例えば特許文献3)。
また、CLの移動による補正として、図14に示すように、対物レンズ6と光源7の間に配置したカップリングレンズ8を光軸にそって移動することで、基板厚差による球面収差を補正する技術が開示されている(例えば特許文献4)。
これらの収差を補正するための通常の手段としては、カップリングレンズと対物レンズの間に、2群構成のエキスパンダレンズを挿入して、移動調整する方法が考えられるが、部品点数が増えるために装置が大きくなり、また光束の透過率が低下してしまい、盤面でのスポットパワーも低下して高速記録が困難になるなどの不具合が予想されるという問題があった。
また、上記特許文献2では、光源が1つしかなく、複数の光情報記録媒体に対応することができないという問題があった。
上記特許文献3では、対物レンズに入射する光束の倍率を変えることで球面収差を補正できる。ところが、本構成では、光学系に配置するレンズの枚数が多いので、小型化を要求する光ディスクドライブ用の光ピックアップには向いていないという問題があった。
上記特許文献4では、CLの倍率変化が大きいので、球面収差補正時の駆動量が微小になり実現するのが困難であるという問題があった。
複数の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、
該複数の光源からの光束の合成と分離を行う光路合成分離手段と、
該複数の光源に共通した少なくとも1群のレンズを備え、該少なくとも1群のレンズを含めた複数群のレンズからなり前記光源からの光束を集光するカップリングレンズと、
該カップリングレンズによって集光した光束を前記複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備える光ピックアップ装置であって、
前記カップリングレンズを構成する前記複数群のレンズが、少なくとも1つの光源の光軸方向に対して前記光路合成分離手段を挟んで配設されるとともに、
前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させるレンズ移動手段を備えることを特徴とする。
該記録面のそれぞれに対して光束を集光させるように、前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする。
λA<λB
となることを特徴とする。
λB<λA
となることを特徴とする。
前記光情報記録媒体の種類に応じて、前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズを構成する少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする。
さらに、例えば第1光源と第2光源の第1光束合成手段をカップリングレンズの少なくとも1群のレンズと対物レンズとの間に配置し、さらに第3光源のカップリングレンズの少なくとも1群のレンズを第3光源と第2光束合成手段との間に配置すると、第1光源、第2光源の光束透過部品点数を増やすことなく、第3光源の光学系を一体化させた光ピックアップを提供することが可能になる。
したがって、簡易な構成で各々の光源からの光束を効率良くカップリングすると共に、光源の波長変動、多層ディスク、ディスクの基板厚誤差によって発生する色収差や球面収差をも補正可能な光ピックアップ装置を提供することができる。
また、光ディスクの基板厚を検出して、その情報をもとにカップリングレンズを動かすことで、多層からなる光ディスクに対し、球面収差補正を行なうことが可能になる。
また、光源の光学系に対して、短時間の波長変動により生じる色収差を抑えることも可能になる。
また、光路合成分離手段よりも対物レンズに近い側の凸レンズと組合せることにより、それぞれが単レンズであっても色消し設計が可能となる。
また、小型な光ディスクドライブ装置を提供することができる。
まず、図1(a),(b)に示すように、DVD15a、CD15bに対応した複数の光源11L,12Lと、その光源11L,12Lに共通した第1カップリングレンズ31,第2カップリングレンズ32からなり、それらにより光束を集光するカップリングレンズ系30と、その集光された光束の開口径を光源11L,12Lに対応して変更しうるアパーチャ41a,41bと、それらを通過した光束を光源11L,12Lに対応したDVD15a、CD15bそれぞれの記録面上に集光させる対物レンズ42a,42bとを備え、アパーチャ41a,41bの開口径に応じて、少なくとも1群のレンズを光軸方向aに移動させるアクチュエータ33を備える光ピックアップ装置を発明している。
CLエキスパンダを用いた光学系では、光路が発散/収束光路になるのでビーム整形プリズムを配置することができない。このため、CLエキスパンダを用いた光学系でビーム整形を行うには、光源と倍率変更が可能なカップリングレンズの間にビーム整形レンズを配置した光学系を適用するのが望ましい。
そこで、図2に示すように、カップリングレンズ系30は、光源11Lから出射した発散光束を光軸に対して略平行な光束にする第1カップリングレンズ31と、光学系全体の色収差を補正する第2カップリングレンズ(第1手段)32により構成し、光源11Lの波長変動で発生する光学系の色収差は、回折部の色収差補正により低減する。光源11Lの波長バラツキに応じて発生する球面収差は、カップリングレンズ系30に光源11Lからの光束が入射する第1面と光源11Lとの距離を第2手段により設定して小さくした光ピックアップ装置を発明している。
この発明によれば、波長変動はカップリングレンズ系30に設けた第2カップリングレンズ(回折面、第1手段)32で、波長バラツキはカップリングレンズ系30の光軸方向aで光源11Lとの距離を調整する第2手段により、短波長の広い範囲において、収差を小さくすることができる。
図3はこの発明の光ピックアップ装置の一実施の形態の光学系を示したものである。光学系10は、第1ホログラムユニット11、第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31、ビームスプリッタ(光路合成分離手段)20、第2カップリングレンズ(1群のレンズ)32、アパーチャ41、対物レンズ42をこの順にほぼ一直線上に備える。一方、この直線からほぼ直角方向に第2ホログラムユニット12をビームスプリッタ20に向かって備えている。
なお、カップリングレンズ系(カップリングレンズ)30は、第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31,第2カップリングレンズ(1群のレンズ)32を備え、さらに第1カップリングレンズ31には第1カップリングレンズ31を光軸方向aに駆動する1軸のアクチュエータ33などを備える。
また、対物レンズ42は、アクチュエータ43によって光軸方向aに移動する。
ここでは、ビームスプリッタ20として、第1ホログラムユニット11、第2ホログラムユニット12の波長の違いを利用したダイクロイックプリズムを用いるが、偏光プリズムを用いてもよい。
同様に、第2ホログラムユニット12には、レーザ光源12Lと、光情報記録媒体からの反射光を回折して必要な信号を得るためのホログラム素子12h、各種信号を生成するための受光素子12pを備える。第2ホログラムユニット12は、この例ではCD(光情報記録媒体)15bの記録・再生を行う。
なお、カップリングレンズ系30を構成するレンズは、2群に限定されるものではない。
さらに、アクチュエータ(レンズ移動手段)33により光軸方向aに移動される第1カップリングレンズ(1群のレンズ)31は光源11Lとビームスプリッタ(光路合成分離手段)20との間に配設されるようにしてもよいし、ビームスプリッタ(光路合成分離手段)20と対物レンズ42との間に配設されるようにしてもよい。
この図において、第1ホログラムユニット11からの光束は、1軸のアクチュエータ33によって適宜移動させられた第1カップリングレンズ31、ビームスプリッタ20を透過し、第2カップリングレンズ32を透過して平行光となって、アパーチャ41で適宜開口径を制限された後に対物レンズ42によりDVD15aの記録面上に集光する。DVD15aからの反射光は、対物レンズ42、第2カップリングレンズ32、ビームスプリッタ20、第1カップリングレンズ31を経て、再び第1ホログラムユニット11に入射して、受光素子11pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。
対物レンズ42は、DVD/CD互換回折レンズであり、それぞれの光束は、DVD15aでは0.6mmの基板厚のディスクの記録面に、CD15bでは1.2mmの基板厚のディスクの記録面に集光する。
DVD15a、CD15bの各ディスクからの反射光は再びホログラムユニット11,12にそれぞれ入射して、受光素子11p,12pによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。
図4(a)よりDVD15aについて、対物レンズ42の開口径φdvdと、RIM仕様(光軸の光量強度を100とした時の開口端部での光量強度の仕様)を満足する発散光束の取り込み角度θdvdが決まると、カップリングレンズの焦点距離fdvdは以下の式で与えられる。
fdvd=φdvd/(2×sinθdvd) ・・・(1)
図4(b)のCD15bについても同様に、
fcd=φcd/(2×sinθcd) ・・・(2)
1例としてDVDとCDの場合について、具体的な例を下記表1に示す。
θ= 〔{ln(RIM)/ln0.5}×(θLD/2)2〕1/2 ・・・(3)
DVDとCDの光束取り込み角度θと開口径φの値を(1)式に代入して、
fdvd=17.0mm
fcd =10.4mm
が得られる。
従って図4において、レーザ光源12Lと第2カップリングレンズ32の焦点距離を10.4mm、レーザ光源11Lと第1カップリングレンズ31及び第2カップリングレンズ32の合成焦点距離を17mmとなるようにカップリングレンズ系30を配置すると最適なカップリング光学系が得られる。
1/f=1/f1+1/f2−d/(f1×f2) ・・・(4)
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
d:第1レンズと第2レンズとの間隔
上式より、f2=fcd=10.4mm、d=6とすると、f1=―11付近で
f=fdvd=17mm
が得られることがわかる。
厚みのある実際のレンズでは、それぞれの焦点距離をf1=−9.08mm、f2=10.4mmとすることにより、合成焦点距離f=17.0mmが得られた。なお、この例では各ホログラムユニットのホログラム基板の厚さは省略している。
また、表2,3において、非球面1:k=0,A4=−0.4378×10-4,A6=0.×10-4,A8=−0.1247×10-4
非球面2:k=0,A4=−0.4029×10-3,A6=0.7711×10-5,A8=−0.1402×10-6
である。
そして設計には下記式(5)を用いて計算した。
Z=ch2/(1+{1−(1+k)c2h2}+A4h4+A6h6+A8h8+A10h10 ・・・(5)
ここで、Z:面形状を表す光軸方向の座標、c:面の曲率半径rの逆数(=曲率)
h:光軸垂直方向の半径、k:コーニック係数、A4,A6,A8,A10:非球面係数
である。
しかし、第1カップリングレンズ31にアクチュエータ33を設けた場合、光源12Lに対しては球面収差を補正することができない。
光源11Lの波長を405nm、光源12Lの波長を660nmとし、光ディスク基板の材料にポリカーボネードを使用した場合、各波長での屈折率n(405)、n(660)はそれぞれ、n(405)=1.621、n(660)=1.579になる。このとき、各光ディスクの基板の厚さが70μmずれたとすると、下記式より各波長における球面収差ΔW(405)、ΔW(660)はそれぞれ、ΔW(405)=0.007λ、ΔW(660)=0.004λ発生する。このことから、波長が短いほど球面収差ΔWが発生しやすいことがわかる。
なお、カップリングレンズ系30を構成する2群のレンズ(第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32)のうち、焦点距離の絶対値が最も大きいレンズにアクチュエータ(レンズ移動手段)33を設けるようにしてもよい。
レンズの光軸方向変位量に対する発散具合の変化量は、動かすレンズの焦点距離の絶対値が大きいほど、小さくなる。このため、光源1に対する球面収差補正に対するレンズの駆動精度を緩和するには、第1カップリングレンズ31と第2カップリングレンズ32のうち、焦点距離の長い側のレンズを駆動する。
レンズ群の光軸方向移動量に対する発散具合の変化量は、動かすレンズの焦点距離の絶対値が大きいほど、小さくなる。つまり、動かすレンズ群の焦点距離の絶対値が大きいほど、駆動誤差に対する球面収差変化量が小さくなる。このため、光源11Lの球面収差を補正する際、レンズ群の駆動精度を緩和するには、第1カップリングレンズ31と第2カップリングレンズ32のうち、焦点距離の長い側のレンズを駆動すればよい。
DVDでは記録面2層の規格があり、各層で基板厚が変わるために球面収差が発生する。この球面収差は、ROMなどのデータリード時にはあまり問題にならないが、RやRWなどのデータライト時には隣接マークを消去してしまうなど記録特性に顕著な劣化を与える。従って、各層に対応してカップリングレンズ31を光軸方向に移動させることにより、対物レンズに入射する光束の発散度合いを変えて、この球面収差を補正することにより記録再生時ともに特性を向上させることが可能となる。
CDやDVDではあまり問題にならないが、波長の短いBlu−rayやAODディスクでは、ディスク基板厚の製造誤差により盤面スポットに球面収差が発生して、記録再生性能を劣化させる場合がある。このような場合には、基板厚誤差に対応して第1カップリングレンズ31または第2カップリングレンズ32を光軸方向aに移動させることにより、対物レンズ42に入射する光束の発散度合いを変えて、この球面収差を補正することができる。レンズの移動量は、例えばRF信号の振幅が最大になるように調整すれば良い。
さらにBlu−rayやAODディスクでは、周囲温度や出力パワーの変化にともなって、光源11L,12Lの波長が変動して盤面スポットに色収差が発生して、記録再生性能を劣化させる場合がある。このような場合には、波長変動に対応して第1カップリングレンズ31または第2カップリングレンズ32を光軸方向aに移動させることにより、対物レンズ42に入射する光束の発散度合いを変えて、この色収差を補正することができる。レンズの移動量は、例えばRF信号の振幅が最大になるように調整すれば良い。
モードホップなどの瞬時に波長も変わってしまう時にも色収差をなくし、記録再生時のエラーを低減することができる。
光源の半導体レーザは、出力パワーが変わるとモードホップを起こして瞬時に波長も変わってしまう。従って、再生時と記録時には波長がわずかに異なり、色収差が発生する。この色収差は瞬時に発生するため、カップリングレンズを駆動させて補正したのでは、時間的な遅れがでてしまい再生や記録エラーの原因となる。この不具合は特に波長の短いBlue−rayやAODにおいて顕著となる。この不具合を解決するには、レンズ系を色消しにするのが有効であり、図5に示すようにカップリングレンズ32に貼り合せレンズを用いることにより、さらに対物レンズに色消し回折レンズなどを用いることにより、それぞれのレンズ系においてモードホップによる色収差をなくし、記録再生時のエラーを低減することができる。
回折レンズは屈折レンズと比較すると、収差補正の機能が大きい半面、透過率が低い欠点がある。光学系の高い透過率を望む場合には、図5のDVD光束を発散光として対物レンズに屈折レンズが用いられる。この時には対物レンズの色収差を補正するために、カップリングレンズに補正の色収差をもたせた設計がなされる。すなわち、カップリングレンズと対物レンズを合わせた光学系の全系において色消しが行なわれる。
本構成では、第3カップリングレンズ34が、第3カップリングレンズ34と第2カップリングレンズ32と対物レンズ42の色収差をまとめて補正する色収差補正機能を有する。第3カップリングレンズ34の色収差補正機能は、硝材の屈折率が異なる複数のレンズを張り合せた張り合わせレンズ、組合せレンズ、レンズの1面に回折面をもたせた回折レンズのいずれの方法でも実現できる。
第3カップリングレンズ34の各レンズ要素(1〜n)の焦点距離をf31〜f3n、部分分散をν31〜ν3n、として、以下の条件を満たすように、第3カップリングレンズ34を設計する。
球面収差検出手段25は、ビームスプリッタ26、レンズ27、ホログラム28、受光素子29などを備える。なお、ホログラム28は2つの異なる回折領域28a,28bを有し、受光素子29は2つの受光素子29a,29bを有する。この図のその他の構成は図3と同様であるので説明を省略する。
従って、このような球面収差検出手段25により、カップリングレンズを駆動させて検出信号を0とすることにより、常にディスク面スポットに球面収差や色収差を発生させないようにすることができる。
このようにすると、光源11Lからの発散光束の発散角を拡大して、対物レンズ42に入射する光束の端部光量強度(RIM)を大きくできる。RIMが大きくなると盤面スポット径が小さくなり、記録再生性能が向上する。
CD、DVD、Blue−rayの順に光源波長は短くなるが、記録密度はこれらのNAの違いを考慮してもさらに大きくなり、盤面スポット径のさらなる縮小が必要とされる。このような場合には、凹レンズ側の光源11Lを、光源12Lよりも波長の短いものに設定すると、RIMが大きくなり、盤面スポット径のさらなる縮小が実現される。
図8に示すように、それぞれ光源波長の異なる第1ホログラムユニット11,第2ホログラムユニット12,第3ホログラムユニット13を有する光ピックアップ装置の光学系10aにおいて、ホログラムユニット11,12からの発散光束は、それぞれ第1カップリングレンズ31、第3カップリングレンズ34を透過した後、ビームスプリッタ(光路合成分離手段)20,21で反射して、第2カップリングレンズ32を透過する。このとき、第1カップリングレンズ31、第3カップリングレンズ34、第2のカップリングレンズ32とは、それぞれ凸レンズとする。
ビームスプリッタ20,21は、3つのホログラムユニット11,12,13の波長の違いを利用したダイクロイックプリズムが用いられる。
例えば、第1ホログラムユニット11をDVD用のホログラムユニット、第2ホログラムユニット12をCD用のホログラムユニット、第3ホログラムユニット13をAOD用のホログラムユニットとすると、カップリングレンズ系30からの光束は、アパーチャ(波長開口制限素子)41によってDVDではNA0.65相当、CDではNA0.50相当、AODではNA0.65相当の開口径に制限されて対物レンズ42に入射する。
対物レンズに入射する光束は、DVD,AODは平行光、CDは発散光とする。各ディスクからの反射光は再び各ホログラムユニット11,12,13に入射して、各受光素子11h,12h,13hによりトラック信号、フォーカス信号、情報信号などを生成する。
対物レンズ42は、2軸アクチェータ43により、トラック信号やフォーカス信号に従ってサーボがかけられて常にディスクの動きに追従してディスク記録面上にそれぞれの波長について回折限界のスポットを集光する。
第1カップリングレンズ31、第2カップリングレンズ32、第3カップリングレンズ34を全て凸レンズとすることにより、カップリングのための光路を短縮できるので、装置を小型化できるメリットがある。
このような場合には、光源11L,12Lを、光源13Lよりも波長の長いものに設定すると、より小さいRIMまでカップリングされるので、カップリング効率と盤面パワー大きくなり、高速記録が実現される。
また、レンズ移動手段により光軸方向に移動される少なくとも1群のレンズは光源と光路合成分離手段との間に配設されるようにしてもよいし、レンズ移動手段により光軸方向に移動される少なくとも1群のレンズは光路合成分離手段と対物レンズとの間に配設されるようにしてもよい。
図3では、CD用の第2ホログラムユニット12のカップリング状態は通常の基板厚や波長変動によって変える必要がなく、もっぱらDVD用の第1ホログラムユニット11の光束のみをカップリングレンズ系30の移動調整によって変えれば良い。このような場合には、ビームスプリッタ20よりも光源11Lに近い側のレンズ、すなわち第1カップリングレンズ31を駆動することによって、一方の光束だけを変えることができる。
ビーム整形手段35とは、光軸方向aに対して垂直な面において、光源13Lの半導体レーザの活性層に平行な方向と垂直な方向で、倍率の異なるアナモルフィックなレンズ、または回折面である。半導体レーザの出射光束のうち、活性層に平行な方向の発散角をθ//、活性層に垂直な方向の発散角をθ⊥とすると、光ピックアップではM×θ///θ⊥≒1.0にするのが望ましい。ここでMを整形倍率と呼ぶ。ビーム整形手段35は、活性層に平行な方向の発散角をf//、活性層に垂直な方向の発散角をf⊥とすると、以下の関係式を満たすように設計する。
M=f///f⊥
本構成では、光ピックアップ装置に、装着された光ディスク(光情報記録媒体)の種類を判別する光ディスク判別手段を備えている。図10に示すように、光ディスク判別手段は、光ピックアップ装置の信号検出系から出力される信号を元に判断する受光素子、および信号演算回路からなる。光ディスク判別手段から出力された信号は、アクチュエータ33などのレンズ移動手段のコントローラに入力され、駆動ドライバにより、レンズ移動手段が制御される。
光ディスクは種類によって、基板の厚さ、屈折率が異なる。このため光ディスク毎に球面収差が発生する。本構成では、光ディスク判別手段から得られた情報をもとに、カップリングレンズ系30の位置を切り換えることで、光学系の波面収差を低減することが可能になる。
一般的な半導体レーザは、活性層構造の製造バラツキにより、発振波長にバラツキを持つ。本構成では、図3に示すように、光源11Lの発振波長に応じて、各光学面で生じる球面収差が最小になるように、各レンズの光軸方向aの位置を定める。光学系の球面収差が変化した場合、その定めた各レンズの位置を中心に、光軸方向aにレンズを動かす。
また、図8に示すように、光源が3つある場合、光源11Lが選択された場合、光源11Lの発振波長に応じて、各光学面で生じる球面収差が最小になるように、カップリングレンズ32の光軸方向a位置を定める。光源11Lの光学系の球面収差が変化した場合、その定めたレンズの位置を中心に、光軸方向aにカップリングレンズ32を動かす。
光源12Lが選択された場合、光源12Lの発振波長に応じて、各光学面で生じる球面収差が最小になるように、カップリングレンズ32の光軸方向a位置を定める。光源12Lの光学系の球面収差が変化した場合、その定めたカップリングレンズ32の位置を中心に、光軸方向aにカップリングレンズ32を動かす。
光ピックアップ25の光源である半導体レーザは、光ディスクドライブのレーザドライバ・レーザコントローラにより駆動・制御される。光ピックアップ45の受光素子から出力された信号は、信号演算回路46を介して各コントローラに送られる。対物レンズを制定する為のFo信号・Tr信号は、Foコントローラ47a、Trコントローラ47bにより対物レンズの制御信号に変換される。さらに、ACTドライバ48を介することで、対物レンズの位置制御が行われる。
レンズ移動手段は、信号演算回路からの出力信号をレンズ移動手段コントローラ49aにより制御信号に変え、レンズ移動手段ドライバ49bにより駆動される。これらのレンズ移動手段コントローラ49aおよびレンズ移動手段ドライバ49bは、光ディスクドライブに搭載する。これにより様々な要因で生じる球面収差を低減することが可能になる。
11 第1ホログラムユニット
11h,12h,13h ホログラム素子
11L,12L,13L 光源
11p,12p,13p 受光素子
12 第2ホログラムユニット
13 第3ホログラムユニット
15 光情報記録媒体
15a DVD(光情報記録媒体)
15b CD(光情報記録媒体)
15c AOD(光情報記録媒体)
20,21 ビームスプリッタ(光路合成分離手段)
25 球面収差検出手段
26 ビームスプリッタ
27 レンズ
28 ホログラム
28a,28b 回折領域
29,29a,29b 受光素子
30 カップリングレンズ系(カップリングレンズ)
31 第1カップリングレンズ(1群のレンズ)
32 第2カップリングレンズ(1群のレンズ)
33,43 アクチュエータ
34 第3カップリングレンズ(1群のレンズ)
35 ビーム整形手段
41,41a,41b アパーチャ
42,42a,42b 対物レンズ
45 光ピックアップ(光ピックアップ装置)
46 信号演算回路
47a Foコントローラ
47b Trコントローラ
48 ACTドライバ
49a レンズ移動手段コントローラ
49b レンズ移動手段ドライバ
a 光軸方向
Claims (18)
- 光源からの光束を光情報記録媒体の記録面上に集光させ、前記光情報記録媒体の記録と再生を行う光ピックアップ装置において、
複数の光情報記録媒体に対応した複数の光源と、
該複数の光源からの光束の合成と分離を行う光路合成分離手段と、
該複数の光源に共通した少なくとも1群のレンズを備え、該少なくとも1群のレンズを含めた複数群のレンズからなり前記光源からの光束を集光するカップリングレンズと、
該カップリングレンズによって集光した光束を前記複数の光源に対応したそれぞれの光情報記録媒体の記録面上に集光させる対物レンズとを備える光ピックアップ装置であって、
前記カップリングレンズを構成する前記複数群のレンズが、少なくとも1つの光源の光軸方向に対して前記光路合成分離手段を挟んで配設されるとともに、
前記複数群のレンズのうちの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させるレンズ移動手段を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記複数群のレンズのうち、焦点距離の絶対値が最も大きいレンズに前記レンズ移動手段を設けることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光情報記録媒体が層状に形成された複数の記録面を有するとともに、
該記録面のそれぞれに対して光束を集光させるように、前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記光情報記録媒体が光透過層を有し、該光透過層の厚さ誤差に応じて前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光源の波長変動に応じて前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズの少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 少なくとも最短波長の光束について、該光束が透過する前記カップリングレンズと前記対物レンズとが、それぞれについて色消しレンズ系であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 少なくとも最短波長の光束について、該光束が透過する前記カップリングレンズと前記対物レンズとが、その全系について色消しレンズ系であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記少なくとも1つの光源からの光束を集光させた前記光情報記録媒体の記録面上からの反射光の球面収差を検出する球面収差検出手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記カップリングレンズのうち、前記光源に最も接近して配設された1群のレンズが凹レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記凹レンズを透過する光束の波長をλAとし、前記凹レンズを透過しない光束の波長をλBとするとき、
λA<λB
となることを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。 - 前記カップリングレンズのうち、前記光源に最も接近して配設された1群のレンズが凸レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記凸レンズを透過する光束の波長をλAとし、前記凸レンズを透過しない光束の波長をλBとするとき、
λB<λA
となることを特徴とする請求項11に記載の光ピックアップ装置。 - 前記レンズ移動手段により光軸方向に移動される前記少なくとも1群のレンズは前記光源と前記光路合成分離手段との間に配設されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記レンズ移動手段により光軸方向に移動される前記少なくとも1群のレンズは前記光路合成分離手段と前記対物レンズとの間に配設されることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記カップリングレンズのうち、前記光源に最も接近して配設された1群のレンズと前記光源との間にビーム整形手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記複数の光情報記録媒体の種類を判別する光ディスク判別手段を備え、
前記光情報記録媒体の種類に応じて、前記レンズ移動手段によって前記カップリングレンズを構成する少なくとも1群のレンズを前記光軸方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記光源の発振波長に応じて、各光学面で生じる球面収差が最小になる位置に前記カップリングレンズまたは前記対物レンズの光軸方向を定めることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1ないし17のいずれかに記載の光ピックアップ装置を搭載したことを特徴とする光ディスクドライブ装置。
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