JP2005293777A - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ピックアップ装置において、複数の波長を用いて複数の情報記録媒体に対応する場合に、特に保護基板の厚い媒体に対する互換を容易にすること。
【解決手段】二枚のレンズからなり、一方のレンズを光軸方向に移動させることにより光束の発散角を変更する発散角変更素子を光路中に配置し、保護層厚のばらつき、波長ばらつき、温度変化に伴う屈折率変化に伴う球面収差を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ピックアップ装置、及び光ピックアップ装置に用いられる光学素子に関するものであり、より詳しくは、複数の層を有する光ディスクへの情報の書き込みに適した光ピックアップ装置に関する。
従来から現在にかけて、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク、あるいはディジタル・バーサタイル・ディスク)などの光情報記録媒体(光ディスク、あるいはメディアともいう)に対して情報の再生・記録を行うための光ピックアップ装置(光ヘッド、光ヘッド装置などともいわれる)が開発・製造され、一般に普及している。
また最近では、波長405nm程度の光源を用いた、より高密度の情報記録を可能とした光情報記録媒体の規格についても研究開発も行われている。
そしてこのような光ピックアップ装置は、光源(主にレーザダイオードが用いられる)から出射された光束を、ビーム整形プリズム、コリメータ、ビームスプリッタ、対物光学素子等の光学素子からなる光学系を介して光ディスクの情報記録面に集光させてスポットを形成し、記録面上の情報記録孔(ピットともいう)からの反射光を、再度光学系を介して今度はセンサー上に集光させ、電気信号に変換することにより情報を再生する。この際、情報記録孔の形状によって反射光の光束も変化するため、これを利用して、「0」「1」の情報を区別する。なお、光ディスクの情報記録面の上には保護基板(プラスティック製の保護層。カバーガラス、あるいは単に基板ともいう)が設けられている。
またCD−R、CD−RW等の記録型メディアに情報の記録を行う場合、記録面上にレーザ光束によるスポットを形成し、記録面上の記録材に熱化学変化を生ぜしめる。これによってたとえばCD−Rの場合は熱拡散性色素が不可逆変化することにより、情報記録孔と同様の形状が形成される。CD−RWの場合は相変化型材料を用いているため、熱化学変化によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆変化するので、情報の書き換えが可能である。
そしてCD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、対物レンズのNAが0.45前後であり、用いられる光源の波長は785nm前後である。また記録用としては、0.50程度のものが用いられることが多い。なお、CD規格の光ディスクの保護基板厚さは1.2mmである。
さて光情報記録媒体としてCDが広く普及しているが、ここ数年、DVDが普及している。これはCDに比べて保護基板厚を薄くし、さらに情報記録孔を小さくすることにより、情報記録量を多くしたもので、CDが約600〜700MB(メガバイト)程度であるのに対し、約4.7GB(ギガバイト)という大容量の記録容量を有し、映画等の動画像を記録した頒布媒体として用いられることが多い。
またDVD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、原理的にはCD用のそれと同じであるが、前述のように情報記録孔が小さくなっていること等から、対物レンズのNAが0.60前後であり、用いられる光源の波長は655nm前後のものが用いられている。また記録用としては、0.65程度のものが用いられることが多い。なお、DVD規格の光ディスクの保護基板厚さは0.6mmである。
またDVD規格の光ディスクについても記録型のものが既に実用化されており、DVD−RAM、DVD−RW/R、DVD+RW/Rなどの各規格がある。これらに関する技術的原理もまた、CD規格の場合と同じである。
また波長405nm程度の青紫色光源を用いた大容量の光ディスクについては2種類の規格が提案されている。一方はディスクの基板厚が0.1mmで、対物レンズのNAが0.85程度である、Blu−Ray Disc(BDともいう)であり、他方はディスクの基板厚が0.6mmで、対物レンズのNAが0.65程度である、HD−DVDである。いずれも容量は単層で約20GB(ギガバイト)程度である。これらの規格においても、信号の読み出し・記録については従来の規格と原理的には同じである。
さて、これらのような青紫色レーザ光源を用いた大容量の光ディスクと、既存のCD、DVDとの互換が求められており、特に同一の対物光学素子を介して、情報の再生および/または記録が行えることが要求されている。
この場合、各メディアの基板厚差にもとづく球面収差の補正および波長差に基づく収差の補正が必要であり、従来様々な方法が提案されているが、3つのメディアの互換を行うことは容易ではない。
基本的に、NAがもっとも大きいメディアを基準として対物光学素子を設計し、他のメディアに対して補正を行うようにせしめることが行なわれる。
特許文献1には、異なった保護基板厚の光ディスクに対応するために、光路差付与構造の一種である回折構造を用いることによって、保護基板厚の異なる光ディスクごとに、最適な集光スポットを形成する技術が開示されている(特許文献1参照)。
また特許文献2には、異なった保護基板厚の光ディスクに対応するために、コリメータなどを駆動することによって、対物レンズに入射する光束の倍率を変更することにより、保護基板厚の異なる光ディスクごとに、最適な集光スポットを形成する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開2001−60336号公報
特開平9−17023号公報
一般に光ピックアップ装置においては、対物光学素子に入射する光束は、無限平行光であることがもっとも好ましく、一般には光源から出射された発散光束をコリメータレンズによって平行光とした後に、対物光学素子に入射させる構成をとっている。この場合、光路中に回折構造を有する素子を配置した場合、ケラレによる光量損失を防止することができるという利点がある。
しかし、特許文献1の技術のように、回折構造を用いて3種類の保護基板の厚さの差を解消しようとすると、異次回折光を用いることになり、回折効率が低下し、光量不足になり、集光スポット形成に問題が生じてしまう。
さらに、もっとも基板厚が厚く、かつもっともNAの小さいCDに対する補正量が大きくなるため、無限平行光を対物光学素子に入射させるとWDが短くなってしまうという問題がある(WD=ワーキングディスタンス、作動距離とも云う。対物光学素子のディスク側の最突出部位と、ディスクとの間隙)。WDが短いと、ディスクが対物光学素子と衝突してしまう可能性が高く、ピックアップの構造上好ましくない。
ところで、低コスト化、省スペース化のために、有限発散光を対物光学素子に入射させる構成がとられるようになってきているが、このような「有限化」は、単一のメディア(光情報記録媒体)のみについて記録/再生する場合は比較的問題が小さい。
そして特許文献2のように、対物レンズに入射する光束の倍率を変更することによって、球面収差を発生させ、基板厚差に基づく球面収差とキャンセルさせて、集光スポットを形成することも可能であり、この場合は特にCDを有限発散光とすることにより、WDを長く確保することができる。
しかし、有限発散光が対物レンズに入射する場合、対物レンズがトラッキングすると、光束が斜入射するため、コマ収差が発生する(無限平行光の場合は発生しない)。とくに複数規格の記録/再生に対応する互換対物光学素子の場合は、基準となっている対物レンズからの補正量が大きい程、トラッキング特性が悪化するという問題がある。
また、光路中において光学素子を進退させると、波面が変化するため、場合によっては好ましくない収差が生じる事がある。そこで進退する光学素子の光学面を、収差が生じないような形状とする必要があり、光学設計上の難度が高くなってしまう。
しかしながら上記の技術には、トラッキング特性が悪化することや、その改善、さらには光路中で進退する素子によって生じる収差の低減についてはなんら示唆・開示がされていない。
そこで本願発明においては、3種類のメディアに対して、単一の光学素子で互換を達成する光学系において、もっとも基板厚の厚いメディアに対するWDを確保しつつ、かつトラッキング特性の悪化が生じず、収差状態が変化しない光ピックアップ装置を実現することを目的とする。
本願発明者らは検討の結果、光路中に存在する光学素子であって、入射光束の発散角度を変化させて出射する発散角度変換素子を、必要に応じて光路中に存在させたり、退避させたりすることによって、収差を変化させることなく、かつワーキングディスタンスを確保したまま複数の情報記録媒体の互換を達成できることを見出した。
このような構成によると、微細な構造を有する回折素子を必須とせずに、単一の対物光学素子のみで複数の情報記録媒体に対応することができ、WDの確保および良好なトラッキング特性、さらに収差状態を実現することが可能である。
上記課題を解決するため、本発明に関する光ピックアップ装置では、波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて保護基板厚t1の第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行ない、波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて保護基板厚t2(t1≦t2)の第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行ない、波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて保護基板厚t3(t2<t3)の第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う光ピックアップ装置であって、前記各光源が出射した光束を、前記各情報記録媒体の情報記録面に集光させるために、共通に用いられる対物光学素子と、前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、入射光束の発散角を変更して出射する第1発散角変更素子と、前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、光路上の第1位置と光路外の第2位置とに移動可能であって、前記第1位置に配置される場合、入射光束の発散角を変更して出射する第2発散角変更素子とを備え、前記第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合は、無限平行光の光束を対物光学素子に入射させ、前記第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合は、有限発散光の光束を対物光学素子に入射させ、前記対物光学素子に入射する光束の倍率が無限平行光の場合と有限発散光の場合とで、前記第2発散角変更素子が配置される位置が異なることを特徴とする。
このような構成によれば、第1情報記録媒体と第3情報記録媒体とで、第2発散角変換素子が光路上・光路外の位置を変更するので、光学的作用が変わることとなり、対物光学素子に入社する光束の発散角も変わる。したがって、これのみで基板厚の差に起因する球面収差の補正が可能になる。そして第2情報記録媒体に対しては、必要に応じて無限平行光あるいは有限発散光を入射させるようにすることができる。
本発明の具体的な態様では、前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合に、前記第2発散角変更素子が前記第1位置に配置されることを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子は負の屈折力を有することを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合に、前記第2発散角変更素子が前記第2位置に配置されることを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子が正の屈折力を有することを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子は、ビームエキスパンダーを構成する素子の1つであることを特徴とする。
とくに、ビームエキスパンダーを凸レンズ(正レンズ)と凹レンズ(負レンズ)から構成しておけば、光軸方向の距離を短くできるという利点があり、またそのいずれかを第2発散角変更素子として採用できる。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子は、カップリングレンズであることを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記カップリングレンズはコリメートレンズであることを特徴とする。
これらのように構成しておけば、正の屈折力を有するカップリングレンズを光路内外から退避させることによって、対物光学素子に入射する光束の発散角を大きくして、第3情報記録媒体への互換を達成することができる。
本発明の別の具体的な態様では、前記光路中に存在する光学素子のうち、負の屈折力を有する光学素子を進退させて、複数の記録層を有する情報記録媒体の記録層の切り替えを行うことを特徴とする。
このようにしておけば、凹レンズを光軸方向に進退させることによって微小に発散角を変更し、2層対応の記録媒体に対して、記録層の切り替えを行うことができる。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1発散角変更素子が光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする。
このように構成すれば、よりダイナミックに、対物光学素子に入射する光束の発散角を変更することができ、3つ情報記録媒体に対する互換を達成しやすくなる。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子が前記第1素子と前記第2位置とを移動するのに応じて、前記第1発散角変更素子が光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする。
このように構成すれば、さらに対物光学素子に入射する光束の発散角を多様に変更することができる。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合と、前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合とで、前記第1発散角変更素子の光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合と、前記第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合とで、前記第1発散角変更素子の光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、光路上の第3位置と光路外の第4位置とに移動可能であって、前記第3位置に配置される場合、入射光束の発散角を変更して出射する第3発散角変更素子を有することを特徴とする。
こうすると、さらに対物光学素子に入射する光束の発散角を多様に変更することができるし、また補正にも好適である。
たとえば、第1発散角変更素子として、コリメータやカップリングレンズを光軸方向に進退させた場合、ピント位置が変わってしまうが、この際にダイバージェントレンズを光路上に配置することによって、その補正を行うことができる。
また同様に、コリメータやカップリングレンズなど、他の光学素子によって生じる収差(温度によるもの、使用波長の差によるもの)を補正する機能を担わせることもできる。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子と、前記第3発散角変更素子とは、排他的に光路上に位置することを特徴とする。
このように構成しておけば、たとえば、(1)第1発散角変更素子のみが光路中に存在する、(2)第2発散角変更素子のみが光路中に存在する、といった2種類の光学系を切り替え可能である。
本発明の別の具体的な態様では、前記第2発散角変更素子と、前記第3発散角変更素子とは、同時に光路上に位置するか、あるいは同時に光路上から離脱して光学系を構成する場合があることを特徴とする。
このように構成しておけば、たとえば、(1)第1発散角変更素子、第2発散角変更素子の両方とも光路中に配置される、(2)第1発散角変更素子のみが光路中に存在する、(3)第2発散角変更素子のみが光路中に存在する、といった3種類の光学系を切り替え可能である。むろん、(1)の場合は、両方とも光路中から退避する、という態様でも良いし、これを加えて4種類の光学系を切り替え可能としてもよい。
本発明の別の具体的な態様では、前記対物光学素子は、前記第1情報記録媒体に最適化されていることを特徴とする。
本発明の別の具体的な態様では、前記対物光学素子は、前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体の両方に最適化されていることを特徴とする。
このように構成すれば、第3情報記録媒体に対してのみ、発散角を変えることで互換を達成すれば良いので、ピックアップ全体の構成が簡単になる。
この場合は、使用する波長が異なることから、波長の差に基づいて光路差を付与するような構造にしておけば良い。そして光量を十分に使い、かつトラッキングよるコマ収差を低減することが必要なことから、第1情報記録媒体と、第2情報記録媒体の両方に対して、無限平行光を入射するようにしておくことが好ましい。
波長差によって光路差を付与する構造の例としては、波長選択回折素子や、光束の波長毎に異なった次数の回折光を出射する回折素子や、光束の波長毎に異なった位相差を付与する位相差付与構造素子があげられる(請求項39、請求項40、請求項41)。
光路差付与構造の代表的なものは、請求項40にあげるような鋸歯状の回折構造である。
これは光軸を中心として、同心円状に細かい段差を設けたものであり、隣り合う輪帯を通過した光束は、所定の光路差を与えられる。
そしてこの鋸歯のピッチ(回折パワー)や深さ(ブレイズド化波長)を設定することにより、たとえば第1情報記録媒体に対しては、特定のNA内の第1光源からの光束が8次回折光による集光スポットとして形成され、第2情報記録媒体に対しては、同じNA内の第2光源からの光束が5次回折光による集光スポットとして形成されるようになっている。しかしその外側の領域(特定のNA以上の領域)からの光束については、DVDの場合は集光スポット形成に寄与するし、CDの場合はフレア光となって集光スポット形成には寄与しない。
このように、特に回折次数が異なる光を利用することにより、各々の場合における回折効率を高くすることができ、光量を確保することができる。
このような回折構造は、光路差付与構造の一例であるが、他に公知の「位相差付与構造」や「波長選択回折素子(マルチレベル構造ともいう)」も採用することができる。
位相差付与構造は、輪帯位相補正対物レンズ方式が、例えば特開平11−2759号や特開平11−16190号にその実施例が記載されている。
特開平11−2759号に記載されているのは、上述の通り基本的な対物レンズの面形状をDVDの記録再生において最適となるように設定し、CDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合である。つまりDVD系で波面収差が最小となるように設計された対物レンズの表面に輪帯状に段差を形成し、DVD系での波面収差増大を抑制しつつCD系での波面収差を減少させるものである。
この技術ではDVD波長に対して位相制御素子は位相分布をほとんど変化させないため、RMS波面収差はDVD系に最適設計された対物レンズの値を維持し、CD系のRMS波面収差を低減するように作用するため、記録再生性能が波面収差に敏感なDVD系に対して有効である。
またこれとは逆に基本的な対物レンズの光学性能を、CDの記録再生において最適となるように設定し、DVDの記録再生のために位相補正方式による補正を行う場合が特開平10−334504号に記載されている。
これらは何れも、DVDの記録再生、CDの記録再生共に、そのRMS(Root Mean Square)波面収差は改善されている。
輪帯位相補正対物レンズの場合、例えば特開平11−16190号には、CDとDVDとの中間の基板厚の光ディスクを想定して、このような光ディスクの記録再生に最適となるように基本的な対物レンズの面形状を設定し、さらに位相補正方式によりDVDとCDの両方のRMS(Root Mean Square)波面収差補正を行う場合について記載されている。
また特開2001−51192号では、各輪帯の段差量と面形状とを変えることで、RMS(Root Mean Square)波面収差を小さくし、光線の集光位置を一点にする技術が開示されている。
また、「波長選択回折素子(マルチレベル構造ともいう)」とは、所定の段数を有する階段状の形状を、周期的に繰り返した形状であることから、重畳型回折構造ともいう。この階段の段数や、段の高さ、幅(ピッチ)は適宜設定でき、たとえば特開平9−54973号に記載されている。このような階段構造により、複数の波長に対して選択的に回折作用を生ぜしめることが可能になっている。そして他の波長に対しては回折せず、素通しとなって、光学的作用を生じない。
またここでは、光ディスクフォーマットの基盤厚差にもとづく球面収差を補正する目的で光路差付与構造が採用されているが、それだけでなく、使用温度による屈折率変化によって生じる収差の補正、使用波長の波長差や、使用波長の変動(モードホップ)に基づいて生じる収差の補正にも、もちろん使用可能である。特に波長差による収差の場合、前者の場合は50ナノメートル以上の波長差に基づいて生じる球面色収差の補正であり、後者の場合は5nm以内の微小な波長変動を補正する。
この例では、回折構造を対物光学素子に設けた例を説明したが、コリメータやカップリングレンズなどの他の素子に設けることはもちろん可能である。
また屈折面、非球面を有する光学素子に、このような素材を用いることが、もっとも好ましい。
本発明の別の具体的な態様では、前記第1光源ないし前記第3光源が、単一のパッケージに収納された光源ユニットであることを特徴とする。
このように構成すれば、光路中に存在する素子を兼用できるので、ピックアップ全体の構成が簡単になる。
本発明によれば、複数の情報記録媒体に対して互換を達成する光ピックアップ装置において、微細な構造を有する回折素子を必ずしも必要とすることなく、また、必要に応じて光学素子を光路中に存在させたり退避させたりすることによっても収差の大幅な変化や劣化を生じることなく、WDの確保および良好なトラッキング特性、さらに良好な収差状態を実現する光ピックアップ装置を得ることができる。
〔第1実施形態〕
図1は、高密度光ディスクHDとDVDとCDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第1の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。図1(a)に高密度光ディスクHDとDVDとに情報の記録/再生を行う際の光路図を示し、図1(b)にCDに情報の記録/再生を行う際の光路図を示す。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt2=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU1は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され408nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1の発光点EP1(第1光源)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され658nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2の発光点EP2(第2光源)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3の発光点EP3(第3光源)と、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第3の受光部DS3と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、その光学面上に重畳型回折構造が形成された収差補正素子L1と、両面が非球面とされた集光素子L2とから構成される対物光学系OBJ、CD用の開口制限素子AP、対物光学素子OBJをフォーカシング/トラッキング駆動させるための第1アクチュエータAC1、コリメートレンズCOL、負レンズE1と正レンズE2とから構成されるエキスパンダーレンズEXP、負レンズE1を光軸方向に駆動させるための第2アクチュエータAC2、正レンズE2を光軸垂直方向に駆動させるための第2アクチュエータAC3(図示せず)、対物光学系OBJと開口制限素子APとを一体化するための保持部材B、とから構成されている。
次に対物光学素子OBJの構成について説明する。集光素子L2は、波長λ1と保護層の厚さt1とに対して球面収差補正が最適化された高密度光ディスクHD専用のレンズである。収差補正素子L1のレーザモジュールLM側の光学面上に形成された重畳型回折構造は、保護層PL1の厚さt1と保護層PL2の厚さt2との差に起因する球面収差を補正するための構造である。この重畳型回折構造は複数の輪帯から構成されており、各輪帯は階段状に5分割されている。各輪帯内の階段構造の段差Δは、Δ=2・λ1/(Nλ1−1)を満たす高さに設定されている。ここで、Nλ1は波長λ1における収差補正素子L1の屈折率である。この階段構造により第1光束に付加される光路差は2λ1であるので、第1光束は重畳型回折構造により何ら作用を受けずにそのまま透過する。また、この階段構造により第3光束に付加される光路差は1λ3であるので、第3光束も重畳型回折構造により何ら作用を受けずにそのまま透過する。一方、この階段構造により第2光束に付加される光路差は約0.2λ2であり、5分割された輪帯1つ分ではちょうど1λ2の光路差が付加されることになり、1次回折光が発生する。このように、第2光束のみを選択的に回折させることにより、t1とt2の差に起因する球面収差を補正している。
尚、重畳型回折構造は、DVDの開口数NA2内にのみ形成されているので、NA2より外側の領域を通過する第2光束はDVDの情報記録面RL2上でフレア成分となり、DVDに対する開口制限が自動的に行われる構成となっている。
光ピックアップ装置PU1において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、レーザモジュールLMを作動させて第1の発光点EP1を発光させる。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図1(a)において実線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされ、エキスパンダーレンズEXPを透過することにより光束径が拡径され、図示しない絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって第1保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、エキスパンダーレンズEXPを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
この際、負レンズE1を1軸アクチュエータAC2により光軸方向に駆動させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する。負レンズE1の位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、第1光源の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクの情報記録層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
また、光ピックアップ装置PU1においてDVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第2光束が平行光束の状態でエキスパンダーレンズEXPから射出されるように、負レンズE1と正レンズE2との間の距離が、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも大きくなるように第2アクチュエータAC2により負レンズE1を移動させる。その後、レーザモジュールLMを作動させて第2の発光点EP2を発光させる。第2の発光点EP2から射出された発散光束は、図1(a)において点線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て略平行光束とされ、エキスパンダーレンズEXPを透過することにより光束径が拡径されるとともに平行光束とされ、開口制限素子APを透過した後、対物光学系OBJによって第2保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、エキスパンダーレンズEXPを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
DVDに対して情報の記録/再生を行う際にも高密度光ディスクHDの場合と同様に、負レンズE1を第2アクチュエータAC2により光軸方向に駆動させることで、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差を補正する構成としてもよい。
また、光ピックアップ装置PU1においてCDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第3アクチュエータAC3により正レンズE2を光路外へと移動させる。その後、レーザモジュールLMを作動させて第3の発光点EP3を発光させる。第3の発光点EP3から射出された発散光束は、図1において二点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て略平行光束とされた後、負レンズE1を透過することにより発散光束に変換され、開口制限素子APにより光束径が規制された後、対物光学系OBJによって第3保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、負レンズE1を透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS3に集光する。そして、受光部DS3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。ここで、負レンズE2の近軸パワーは、対物光学系OBJの倍率が、t1とt3の厚さの差にする球面収差が補正されるような倍率に変換されるように決定されている。
尚、本実施の形態では、正レンズE2を光軸垂直方向に移動させる構成としたが、正レンズE2を所定の支点を中心として光軸垂直な面内で回転させることにより、光路外へと移動させる構成としてもよい。
次に、上述した光ピックアップ装置PU1のエキスパンダーレンズと対物光学系OBJとから構成される光学系を説明する。
本実施例における非球面は、その面の頂点に接する平面からの変形量をX(mm)、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、曲率半径をr(mm)とするとき、次の数1に表1中の非球面係数A2iを代入した数式で表される。但し、κを円錐係数とする。
Figure 2005293777
また、本実施例における重畳型回折構造は、透過波面に付加される光路差で表される。かかる光路差は、λを入射光束の波長、λを製造波長、光軸に垂直な方向の高さをh(mm)、B2jを光路差関数係数、nを回折次数とするとき次の数2で定義される光路差関数φ(mm)で表される。
Figure 2005293777
表1において、NA1、f1、λ1、t1は、それぞれ、高密度光ディスクHD使用時の対物光学系OBJの開口数、対物光学系OBJの焦点距離、対物光学系OBJの波長、対物光学系OBJの倍率、保護層の厚さであり、NA2、f2、λ2、t2は、DVD使用時の同様の値であり、NA3、f3、λ3、t3は、CD使用時の同様の値である。
また、r(mm)は曲率半径、d1(mm)、d2(mm)、d3(mm)は、それぞれ、高密度光ディスクHD使用時、DVD使用時、CD使用時のレンズ間隔、Nλ1、Nλ2、Nλ3は、それぞれ、波長λ1、波長λ2、波長λ3に対するレンズの屈折率、νdはd線のレンズのアッベ数である。
また、n1、n2、n3は、それぞれ、重畳型回折構造で発生する第1光束、第2光束、第3光束の回折光の回折次数である。
〔実施例1〕
第1実施形態の光学系は、ともにプラスティックレンズである負レンズと正レンズとから構成されたエキスパンダーレンズと、ともにプラスティックレンズである収差補正素子と集光素子とから構成された対物光学系とから構成される光学系である。その具体的な数値データを表1に示す。
Figure 2005293777
Figure 2005293777
Figure 2005293777
対物光学系は、収差補正素子の光源側の光学面(表1において第5面)に形成した重畳型回折構造の作用により、高密度光ディスクHDとDVDとの保護層の厚さの違いによる球面収差を補正したHD/DVD互換レンズである。尚、集光素子は、高密度光ディスクHDに対して球面収差補正が最適化されたレンズである。
この重畳型回折構造は複数の輪帯から構成されており、各輪帯は階段状に5分割されている。各輪帯内の階段構造の段差Δは、Δ=2・λ1/(Nλ1−1)を満たす高さに設定されている。ここで、Nλ1は波長λ1における収差補正素子L1の屈折率である。この階段構造により第1光束に付加される光路差は2λ1であるので、第1光束は重畳型回折構造により何ら作用を受けずにそのまま透過する。また、この階段構造により第3光束に付加される光路差は1λ3であるので、第3光束も重畳型回折構造により何ら作用を受けずにそのまま透過する。一方、この階段構造により第2光束に付加される光路差は約0.2λ2であり、5分割された輪帯1つ分ではちょうど1λ2の光路差が付加されることになり、1次回折光が発生する。このように、第2光束のみを選択的に回折させることにより、t1とt2の差に起因する球面収差を補正している。
尚、重畳型回折構造で発生する第1光束の0次回折光(透過光)の回折効率は100%、第2光束の1次回折光の回折効率は87%、第3光束の0次回折光(透過光)の回折効率は100%であり、何れの光束に対しても高い回折効率を得ている。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、エキスパンダーレンズの正レンズを光路中からはずし、さらに負レンズを対物光学系に近づく方向に1mm動かすことにより、対物光学系の倍率が、高密度光ディスクHDとCDとの保護層の厚さの違いによる球面収差が補正されるような倍率となるようにしてから、CDに対して情報の記録/再生を行う。
また、入射光束の波長が変わると、色収差の影響で、エキスパンダーレンズから射出される光束の発散度が変化する。そこで、DVDに対する記録/再生時には、エキスパンダーレンズから射出される第2光束が平行光束となるように、負レンズと正レンズとの間隔が高密度光ディスクHDの場合よりも広くなるように負レンズを動かしている。
〔第2実施形態〕
図2は、高密度光ディスクHDとDVDとCDの何れに対しても適切に情報の記録/再生を行える第2の光ピックアップ装置PU2の構成を概略的に示す図である。図2(a)に高密度光ディスクHDとDVDとに情報の記録/再生を行う際の光路図を示し、図2(b)にCDに情報の記録/再生を行う際の光路図を示す。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、波長λ1=408nm、保護層PL1の厚さt1=0.0875mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、波長λ2=658nm、保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの光学的仕様は、波長λ3=785nm、保護層PL3の厚さt2=1.2mm、開口数NA3=0.45である。但し、波長、保護層の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PU2は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され408nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1の発光点EP1(第1光源)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され658nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2の発光点EP2(第2光源)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3の発光点EP3(第3光源)と、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第3の受光部DS3と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLM、その光学面上に重畳型回折構造が形成された収差補正素子L1と、両面が非球面とされた集光素子L2とから構成される対物光学系OBJ、CD用の開口制限素子AP、対物光学素子OBJをフォーカシング/トラッキング駆動させるための第1アクチュエータAC1、第1負レンズE1と正レンズE2とから構成されるコリメートレンズCOL、正レンズE2と切り替わる形で第3光束の光路中に挿入される第2負レンズE3、正レンズE2と第2負レンズE3とを切り替えて光路中に挿入させるための回転駆動装置(図示せず)、負レンズE1を光軸方向に駆動させるための第2アクチュエータAC2、対物光学系OBJと開口制限素子APとを一体化するための保持部材B、とから構成されている。
対物光学素子OBJの構成や機能については、上述した第1の実施の形態における対物光学系OBJと同様であるのでここでは詳細な説明は割愛する。
光ピックアップ装置PU2において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、レーザモジュールLMを作動させて第1の発光点EP1を発光させる。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図2(a)において実線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされ、図示しない絞りSTOにより光束径が規制され、開口制限素子APを透過し、対物光学系OBJによって第1保護層PL1を介して情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子APを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS1に集光する。そして、受光部DS1の出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
この際、第1レンズE1を1軸アクチュエータAC2により光軸方向に駆動させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する。第1レンズE1の位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、第1光源の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクの情報記録層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
また、光ピックアップ装置PU2においてDVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第2光束が平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出されるように、第1負レンズE1と正レンズE2との間の距離が、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも大きくなるように第2アクチュエータAC2により第1負レンズE1を移動させる。その後、レーザモジュールLMを作動させて第2の発光点EP2を発光させる。第2の発光点EP2から射出された発散光束は、図2(a)において点線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射され、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされ、開口制限素子APを透過した後、対物光学系OBJによって第2保護層PL2を介して情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子APを透過し、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS2に集光する。そして、受光部DS2の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
DVDに対して情報の記録/再生を行う際にも高密度光ディスクHDの場合と同様に、第1負レンズE2を第2アクチュエータAC2により光軸方向に駆動させることで、DVDの情報記録面RL2上に形成されたスポットの球面収差を補正する構成としてもよい。
また、光ピックアップ装置PU2においてCDに対して情報の記録/再生を行う場合には、回転駆動装置により、正レンズE2と第2負レンズE2が搭載された保持部材(図示せず)を所定の支点を中心として光軸垂直な面内で回転させることにより、第2負レンズE2を光路中に挿入させた後、対物光学系OBJの倍率が、t1とt3の厚さの差にする球面収差が補正されるような倍率に変換されるように第1負レンズE1を第2アクチュエータAC2により光軸方向に移動させる。その後、レーザモジュールLMを作動させて第3の発光点EP3を発光させる。第3の発光点EP3から射出された発散光束は、図2において二点鎖線でその光線経路を描いたように、プリズムPSで反射された後、第1負レンズE1及び第2負レンズE2を透過することにより発散光束に変換され、開口制限素子APにより光束径が規制された後、対物光学系OBJによって第3保護層PL3を介して情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された第1アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RL3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJ、開口制限素子AP、第2負レンズE2、第1負レンズE1を透過した後、プリズムPS内部で2回反射され受光部DS3に集光する。そして、受光部DS3の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
〔第3実施形態〕
図3(a),(b)は、高密度光ディスクHD(第1光ディスク)とDVD(第2光ディスク)とCD(第3光ディスク)との何れに対しても、簡略な構成で適切に情報の記録/再生を行える第1の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。高密度光ディスクHDの光学的仕様は、第1波長λ1=408nm、第1保護層PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの光学的仕様は、第2波長λ2=658nm、第2保護層PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.60であり、CDの光学的仕様は、第3波長λ3=785nm、第3保護層PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.45である。
第1光ディスク〜第3光ディスクの記録密度(ρ1〜ρ3)は、ρ3<ρ2<ρ1となっており、第1光ディスク〜第3光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う際の、対物光学系OBJの倍率(第1倍率M1〜第3倍率M3)は、M1=M2=0、M3≠0となっている。但し、波長、保護層の厚さ、開口数、記録密度及び倍率の組合せはこれに限られない。
本実施形態の光ピックアップ装置PU1は、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され408nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1の発光点LD1(第1光源)と、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され658nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2の発光点LD2(第2光源)と、785nmのレーザ光束(第3光束)を射出する発光点LD3(第3光源)と、からなる3つの異なる波長の光源が同一パッケージ内で一体化された3レーザ1パッケージ3L1Pと、光検出器PDと、その光学面上に位相構造としての回折構造が形成されている収差補正素子L1とこの収差補正素子L1を透過したレーザ光束を情報記録面上に集光させる機能を有する両面が非球面とされた集光素子L2とから構成された対物光学系OBJ、2軸アクチュエータAC1、1軸アクチュエータAC2、高密度光ディスクHDの開口数NA1に対応した絞りSTO、偏光ビームスプリッタPBS、コリメートレンズCOL(可動素子)、センサ用レンズSL、1/4波長板QWP、前記対物光学系OBJと前記コリメートレンズCOLの間の光路中に挿脱可能となっているリレーレンズRL、とから構成されている。
図示しないが、例えば、前記対物光学系OBJと絞りSTOの間に配置され、アクチュエータAC2や別体のアクチュエータにより前記前記対物光学系OBJと一体又は相対的に駆動可能な、DVDの開口数NA2やCDの開口数NA3に対応するための開口制限素子AP、前記対物光学系OBJと前記コリメートレンズCOLの間に配置され、例えば青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等により発生する球面収差の補正をその位置調整により行なう等の機能を持つ収差補正手段EXP(ビームエキスパンダー)、前記3レーザ1パッケージ3L1Pと前記コリメートレンズCOLの間に配置され、光源からの楕円光束を円形又は略円形の光束に変換するためのビーム整形素子SH、を用いるとより高性能な光ピックアップ装置となるので望ましい。
また図3(c)に示すように、前記3レーザ1パッケージ3L1Pにおいては、光学系の設計上最も厳しい精度が要求される第1光源のLD1が光ピックアップ装置PU1の光軸上に配置されていることが望ましいが、第2光源LD2や第3光源LD3を光軸上に配置しても良く、或いは全ての光源を軸外で望ましい位置にバランスさせて配置しても良い。更に本実施形態では、光検出器PDを前記3レーザ1パッケージ3L1Pと別に設けているが、これを前記3レーザ1パッケージ3L1P内部や前記3レーザ1パッケージ3L1Pの近傍に設けることもでき、それにより偏光ビームスプリッタPBSを省略することも可能となるので、更なる装置の簡略化や低コスト化が達成可能となり、望ましい。
光ピックアップ装置PU1において、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合には、3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第1光源LD1の発光点EP1を発光させる。ここで、3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第1光源LD1の発光点EP1を発光させた後、コリメートレンズCOLを移動させながらその最適位置を探索しても良い。第1の発光点EP1から射出された発散光束は、図3(a)において実線でその光線経路を描いたように、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、1/4波長板QWPを介して光源からの直線偏光光束を円偏光光束に変換され、絞りSTOにより光束径が規制され、対物光学系OBJによって第1保護層PL1を介して情報記録面RS1上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RS1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJを透過し、1/4波長板QWPを介して円偏光光束を光源からの直線偏光と90°回転した方向の直線光束に変換され、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSに入射する。ここで、偏光ビームスプリッタPBSは、例えば、2つの直角プリズムが貼り合わされており、その貼り合せ面を光ピックアップ装置PU1の光軸と45°傾けた構成とし、前記貼り合せ面にはS偏光とP偏光のうちどちらか一方の偏光(3L1Pからの直線偏光光束の偏光方向と同じ方向)を透過し、他方の偏光(3L1Pからの直線偏光光束の偏光方向と垂直な方向)を反射するコーティングがなされている。これにより、前記コリメートレンズCOLによって収斂光束となった光束は、偏光ビームスプリッタPBS内部で反射され、センサレンズSLを介して光検出器PDに集光する。そして、光検出器PDの出力信号を用いて高密度光ディスクHDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PU1においてDVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第2光束が平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出されるように、対物光学系OBJとコリメートレンズCOLとの間の距離が、高密度光ディスクHDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも小さくなるように1軸アクチュエータAC2によりコリメートレンズCOLを移動させる。その後、対物光学系OBJと3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第2光源LD2の発光点EP2を発光させる。またここでは、3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第2光源LD2の発光点EP2を発光させた後に最適位置を探索しながらコリメートレンズCOLを移動させる手順でも構わない。第2の発光点EP2から射出された発散光束は、図3(a)には図示していないが、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、1/4波長板QWPを介して光源からの直線偏光光束を円偏光光束に変換され、対物光学系OBJによって第2保護層PL2を介して情報記録面RS2上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RS2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJを透過し、1/4波長板QWPを介して円偏光光束を光源からの直線偏光と90°回転した方向の直線光束に変換され、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS内部で反射され、センサレンズSLを介して光検出器PDに集光する。そして、光検出器PDの出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、図3(b)に示すように、PU1の光路中、対物光学系OBJとコリメートレンズCOLの間にリレーレンズRLを挿入する。リレーレンズRLは、正の屈折力を持つ少なくとも1枚のレンズで構成され、非球面レンズで構成されても良い。また、ピックアップ装置PU1は少なくとも前記リレーレンズRLを光路中に挿脱可能とするための、レンズ駆動手段(図示せず)AC3を備えている。このようなレンズ駆動手段AC3は、例えば軸駆動のアクチュエータであったり、カムやヘリコイドを用いた駆動であっても構わない。
更に、リレーレンズRLを挿入した際の位置は、望ましくは対物光学系OBJの光路中で、前記対物光学系OBJの光軸とリレーレンズRLの光軸を一致させた状態で用いるのが良い。リレーレンズRLを退避させた位置は、リレーレンズRLが前記対物光学系OBJに入射する光束を遮断しないようなレンズ位置で用いるのが良い。これら2つの位置について、リレーレンズRLを挿入した時とリレーレンズRLを退避させた時でそれぞれの位置にリレーレンズRLを停止させて用いても良いし、リレーレンズRLを挿入した際には、対物光学系OBJのトラッキングシフトを補正するために、リレーレンズRLが対物光学系OBJの光軸に対して垂直移動したり、前記光軸に対して傾いた状態に移動したりしても良い。
図3(b)において、光ピックアップ装置PU1においてCDに対して情報の記録/再生を行う場合には、第3光束が平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出されるように、対物光学系OBJとコリメートレンズCOLとの間の距離が、高密度光ディスクHDやDVDに対して情報の記録/再生を行う場合よりも小さくなるように1軸アクチュエータAC2によりコリメートレンズCOLを移動させる。その後、リレーレンズを挿入して対物光学系OBJと3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第3光源LD3の発光点EP3を発光させる。またここでは、3レーザ1パッケージ3L1Pを作動させて第3光源LD3の発光点EP3を発光させた後に最適位置を探索しながらコリメートレンズCOLを移動させる手順でも構わない。第3の発光点EP3から射出された発散光束は、図3(b)において実線でその光線経路を描いたように、偏光ビームスプリッタPBSを透過し、コリメートレンズCOLを経て平行光束とされた後、挿入されたリレーレンズRLに入射する。 ここでリレーレンズRLは、平行光束を、対物光学系OBJをCDに対して使用する際に望ましい(主に球面収差が補正される)結像倍率M3(M3≠0)となるよう、対物光学系OBJの物点位置を変換し、一旦光束を結像させて対物光学系OBJに発散光束が入射するように働く。またここで、1/4波長板QWPはリレーレンズRLと対物光学系OBJの間に配置され、光源からの直線偏光光束を円偏光光束に変換するが、これはコリメートレンズCOLとリレーレンズRLの間に配置されても構わない。
前記リレーレンズを透過した光束は、発散光束として対物光学系OBJに入射し、対物光学系OBJによって第3保護層PL3を介して情報記録面RS3上に形成されるスポットとなる。対物光学系OBJは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。情報記録面RS3で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学系OBJを透過した後、1/4波長板QWPを介して円偏光光束を光源からの直線偏光と90°回転した方向の直線光束に変換され、リレーレンズRLで平行光束となり、コリメートレンズCOLによって収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBS内部で反射され、センサレンズSLを介して光検出器PDに集光する。そして、光検出器PDの出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
次に、対物光学系OBJの構成について説明する。
対物光学系OBJは、1つの光学系で複数種類の光ディスクに対応するため、光学系内のいずれかの光学面に位相構造を持つ。
上述の位相構造は、回折構造、光路差付与構造の何れであっても良い。回折構造としては、図4に模式的に示すように、複数の輪帯100から構成され、光軸を含む断面形状が鋸歯形状であるものや、図5に模式的に示すように、段差101の方向が有効径内で同一である複数の輪帯102から構成され、光軸を含む断面形状が階段形状であるものや、図6に模式的に示すように、内部に階段構造が形成された複数の輪帯103から構成されるものや、図7に模式的に示すように、段差104の方向が有効径途中で入れ替わる複数の輪帯105から構成され、光軸を含む断面形状が階段形状であるものがある。また、光路差付与構造としては、図7に模式的に示すように、段差104の方向が有効径途中で入れ替わる複数の輪帯105から構成され、光軸を含む断面形状が階段形状であるものがある。従って、図7に模式的に示した構造は、回折構造である場合もあるし、光路差付与構造である場合もある。尚、図4乃至図7は、各位相構造を平面上に形成した場合を模式的に示したものであるが、各位相構造を球面或いは非球面上に形成しても良い。
本実施形態においては、対物光学系OBJは、収差補正素子L1と、集光レンズL2との、2群構成レンズからなっている。
収差補正素子L1は、d線での屈折率ndが1.5091であり、アッベ数νdが56.5のプラスティックレンズであり、λ1に対する屈折率は1.5242、λ2に対する屈折率は1.5064、λ3に対する屈折率は1.5050である。また、集光素子L2は、d線での屈折率ndが1.5435であり、アッベ数νdが56.3のプラスティックレンズである。また、それぞれの光学機能部(第1光束が通過する、収差補正素子L1と集光素子L2の領域)の周囲には、光学機能部と一体に成形されたフランジ部FL1、FL2を有し、かかるフランジ部FL1、FL2の一部同士を接合することで一体化されている。
尚、収差補正素子L1と集光素子L2とを一体化する場合には、別部材の鏡枠を介して両者を一体化してもよい。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学面S1は、図8に示すように、NA2内の領域に対応する光軸を含む第1領域AREA1と、NA2からNA1までの領域に対応する第2領域AREA2とに分割されており、第1領域AREA1には、図6(a)、(b)に示したような、その内部に階段構造が形成された複数の輪帯が光軸を中心として配列された構造である回折構造(以下、この回折構造を「回折構造HOE」という。)である回折構造HOEが形成されている。
第1領域AREA1に形成された回折構造HOEにおいて、各輪帯内に形成された階段構造の深さDは、
D・(N1−1)/λ1=2・q (3)
で算出される値に設定され、各輪帯内の分割数Pは5に設定されている。但し、λ1は第1の発光点EP1から射出されるレーザ光束の波長をミクロン単位で表したものであり(ここでは、λ1=0.408μm)、N1は波長λ1に対する収差補正素子L1の媒質屈折率、qは自然数である。
光軸方向の深さDがこのように設定された階段構造に対して、第1波長λ1の第1光束が入射した場合、隣接する階段構造間では2×λ1(μm)の光路差が発生し、第1光束は実質的に位相差が与えられないので回折されずにそのまま透過する(本明細書においては「0次回折光」という。)。
また、この階段構造に対して、第3波長λ3(ここでは、λ3=0.785μm)の第3光束が入射した場合、隣接する階段構造間では(2×λ1/(N1−1)・(N3−1)/λ3)×λ3(μm)の光路差が発生する。但し、N3は波長λ3に対する収差補正素子L1の媒質屈折率である。第3波長λ3は(N3−1)/λ3が(N1−1)/λ1の略2倍であるので、隣接する階段構造間では略1×λ3(μm)の光路差が発生し、第3光束も第1光束と同様に、実質的に位相差が与えられないので回折されずに0次回折光として透過する。
一方、この階段構造に対して、第2波長λ2(ここでは、λ2=0.658μm)の第2光束が入射した場合、隣接する階段構造間では{2×λ1/(N1−1)×(N2−1)/λ2}×λ2={2×0.408/(1.5242−1)×(1.5064−1)/0.658}×λ2=1.199・λ2(μm)の光路差が発生する。各輪帯内の分割数Pは5に設定されているため、隣接する輪帯同士で第2波長λ2の1波長分の光路差が生じることになり((1.199−1)×5≒1)、第2光束は+1次の方向に回折する(+1次回折光)。このときの第2光束の+1次回折光の回折効率は、87.5%となるが、DVDに対する情報の記録/再生には十分な光量である。
集光素子L2は、第1波長λ1と倍率M1=0と第1保護層PL1との組合せに対して球面収差が最小となるように設計されている。そのため、本実施の形態のように、第1光束に対する第1倍率M1と、第2光束に対する第2倍率M2とを同じ0とする場合、第1保護層PL1と、第2保護層PL2の厚さの違いにより、集光素子L2と第2保護層PL2とを透過した第2光束の球面収差は補正過剰方向となってしまう。
収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学面S1設けられた回折構造HOEの各輪帯の幅は、第2光束が入射した場合に、回折作用により+1次回折光に対して補正不足方向の球面収差が付加されるように設定されている。回折構造HOEによる球面収差の付加量と、第1保護層PL1と第2保護層PL2の厚みの差により発生する補正過剰方向の球面収差とが互いに相殺することで、回折構造HOEと第2保護層PL2とを透過した第2光束はDVDの情報記録面RS2上で良好なスポットを形成する。
また本実施例では収差補正素子L1の半導体レーザ光源側の光学面S1を回折構造HOEとしたが、少なくとも1つの位相構造を収差補正素子L1の光ディスク側の光学面S2や集光素子L2に設けてもよく、収差補正素子L1の半導体レーザ光源側光学面S1の第2領域AREA2、及び/又は、光ディスク側光学面S2の第3領域AREA3及び/又は第4領域AREA4、及び/又は集光レンズL2には、図4(a)、(b)に示すような光軸を含む断面形状が鋸歯形状の複数の輪帯から構成された回折構造(以下、この回折構造を「回折構造DOE」という。)である回折構造DOEが形成されていても良い。
回折構造DOEは、集光素子L2をプラスティックレンズで構成した場合に特に問題となる、青紫色領域における対物光学系OBJの色収差と、温度変化に伴う球面収差変化、を抑制するための構造である。
回折構造DOEにおいて、光軸に最も近い段差の高さd1は、波長390nm〜420nmに対して所望次数の回折光の回折効率が100%となるように設計されている。このように段差の深さが設定された回折構造DOEに対して、第1光束が入射すると、回折光が95%以上の回折効率で発生し、十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差補正も可能となる。例えば波長390nm(収差補正素子L1の、波長390nmに対する屈折率は1.5273である)に対して所望次数の回折光の回折効率が100%となるように設計されている。このように段差の深さが設定された回折構造DOEに対して、第1光束が入射すると、+2次回折光が96.8%の回折効率で発生し、第2光束が入射すると、+1次回折光が93.9%の回折効率で発生するので、何れの波長領域において十分な回折効率が得られるとともに、青紫色領域で色収差を補正した場合でも、第2光束の波長領域における色収差補正が過剰になりすぎない。ここで、第1光束と第2光束に対して回折効率を振り分けるようにしたが、第1波長λ1に対して最適化することで、第1光束の回折効率を重視した構成としても良い。
本実施形態における対物光学系OBJでは、こういった回折構造DOEを設けていない。これら回折構造DOEは前述第2領域AREA2、S2以外に集光素子L2の光学面上に設けても良い。その際の回折構造DOEは、収差補正素子L1の光ディスク側の光学面S2全域を1つの領域として1つの回折構造DOEとしても構わないし、前記収差補正素子L1の光ディスク側の光学面S2を、図8(c)に示すような光軸を中心とする同心円状の2つの領域(AREA3とAREA4)又は場合によっては3つの領域として、それぞれの領域で異なる回折構造DOEを設ける構成としても構わない。また集光素子L2で回折構造DOEを設けた光学面全域を1つの領域として1つの回折構造DOEとしても構わないし、前記集光素子L2で回折構造DOEを設けた光学面を、光軸を中心とする同心円状の2又は3つの領域として、それぞれの領域で異なる回折構造DOEを設ける構成としても構わない。これら際のそれぞれの領域における回折効率は、第1光束及至第3光束が共通に透過する領域では第1光束及至第3光束に対して回折効率を振り分けるようにすれば良い(例えば段差の高さを、波長390nm(収差補正素子L1の、波長390nmに対する屈折率は1.5273である)に対して回折効率が100%となるように設計すれば、第1光束が入射すると、+2次回折光が96.8%の回折効率で発生し、第2光束が入射すると、+1次回折光が93.9%の回折効率で発生し、第3光束が入射すると、+1次回折光が99.2%の回折効率で発生する、という回折効率の振り分けが可能である。)し、第1光束と第2光束が共通に透過する領域では第1光束と第2光束に対して回折効率を振り分けるようにすれば良い。また第1波長λ1に対して最適化することで、第1光束の回折効率を重視した構成としても良い。
さらに、回折構造DOEは、青紫色領域において、入射光束の波長が長くなった場合に、球面収差が補正不足方向に変化し、入射光束の波長が短くなった場合に、球面収差が補正過剰方向に変化するような球面収差の波長依存性を有する。これにより、環境温度変化に伴い集光素子で発生する球面収差変化を相殺することで、高NAのプラスティックレンズである対物光学系OBJの使用可能な温度範囲を広げている。
本実施の形態の対物光学系では、半導体レーザ光源側の光学面S1に回折構造HOEを配置した収差補正素子L1と、非球面の集光レンズL2との2群構成としたが、これらの位相構造を持つ単玉レンズで構成しても良く、対物光学系を1枚で構成できれば、装置の簡素化や低コスト化に有利で望ましい。
また、コリメートレンズCOLは、前記第1光束及至第3光束の共通光路内に配置されており、1軸アクチュエータAC2により光軸方向にその位置が変移可能であるように構成されており、上述したように、第1波長λ1と第2波長λ2、第3波長λ3の間の色収差を吸収し、何れの波長の光束も平行光束の状態でコリメートレンズCOLから射出することが出来る。更に、高密度光ディスクHDに対する情報の記録/再生時にコリメートレンズCOLを光軸方向に変移させることで、高密度光ディスクHDの情報記録面RS1上に形成されたスポットの球面収差を補正することが可能となるので、高密度光ディスクHDに対して常に良好な記録/再生特性を維持することができる。
コリメートレンズCOLの位置調整により補正する球面収差の発生原因は、例えば、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等である。
以上の説明では、高密度光ディスクHDの情報記録面RL1上に形成されたスポットの球面収差を補正する場合について説明したが、DVDの情報記録面RS2上に形成されたスポットの球面収差をコリメートレンズCOLの位置調整により補正するようにしても良い。
本実施形態に用いるリレーレンズRLの数値例を、以下の〔表4〕〜〔表6〕に示す。
〔表4〕〜〔表6〕は、本実施形態に用いる対物光学系をCD使用時の状態としてリレーレンズの1実施形態を組み合わせた場合の数値例である。
〔表4〕〜〔表6〕に示すように、本実施形態に用いるリレーレンズRLは、非球面のプラスティック単レンズであってもよく、他には複数のレンズで構成したり、対物光学系OBJの色収差が大きく問題が生じる場合は回折構造等の位相構造を設けたりしても良い。しかし、装置の簡素化や低コスト化を考慮すると、非球面単レンズで構成するほうが駆動手段を含めてそれらに望ましい構成とできるので望ましい。
Figure 2005293777
Figure 2005293777
Figure 2005293777
また、本実施の形態では、NA3に対応した開口制限行うための開口素子として、接合部材Bを介して対物光学系OBJと一体化された開口制限素子APを備えても良い。そして、2軸アクチュエータAC1により、開口制限素子APと対物光学系OBJとを一体にトラッキング駆動させるようにすれば、トラッキング時の性能を良好に維持することが可能となり望ましい。
開口制限素子APの光学面上には、透過率の波長選択性を有する波長選択フィルタWFが形成されている。この波長選択フィルタWFは、NA3内の領域では第1波長λ1乃至第3波長λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA1の領域では第3波長λ3のみを遮断し、第1波長λ1及び第2波長λ2を透過する透過率の波長選択性を有しているので、かかる波長選択性によりNA3に対応した開口制限を行うことができる。また、NA2について開口制限を行う場合には、NA2内の領域では少なくとも第1波長λ1乃び第2波長λ2を透過させ、NA2からNA1の領域では少なくとも第2波長λ2を遮断し、第1波長λ1を透過する透過率の波長選択性を有している波長選択フィルタを用いればよい。更に、1枚の波長選択フィルタでNA2及びNA3の開口制限機能を持たせるためには、例えばフィルタを光軸を中心とする同心円状の3つの領域に分割し、NA3内の領域では第1波長λ1乃至第3波長λ3の全ての波長を透過させ、NA3からNA2の領域では第3波長λ3のみを遮断し、第1波長λ1及び第2波長λ2を透過する透過率の波長選択性を有し、NA2からNA1の領域では第2波長λ2と第3波長λ3を遮断し、第1波長λ1を透過する透過率の波長選択性を有している波長選択フィルタとすればよい。
なお、収差補正素子L1の光学機能面上に波長選択フィルタWFを形成してもよく、あるいは、集光素子L2の光学機能面上に形成してもよい。
また、回折構造HOEはNA2内に対応する第1領域AREA1内に形成されているので、第2領域AREA2を通過する第2光束はDVDの情報記録面上RL2上へのスポット形成に寄与しないフレア成分となる。これは、対物光学系OBJがNA2に対する開口制限機能を有しているのと透過であり、この機能によりNA2に対応した開口制限が行われる。
また、開口の制限方法としては、波長選択フィルタWFを利用する方法だけでなく、機械的に絞りを切り替える方式や後述する液晶位相制御素子LCDを利用する方式でも良い。
また、前記対物光学系OBJと前記コリメートレンズCOLの間に配置され、例えば青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系OBJの屈折率変化や屈折率分布、2層ディスク、4層ディスク等の多層ディスクに対する記録/再生時における層間のフォーカスジャンプ、保護層PL1の製造誤差による厚みばらつきや厚み分布、等により発生する球面収差の補正をその位置調整により行なう等の機能を持つ収差補正手段EXP(ビームエキスパンダー)を用いても良い。
収差補正手段EXPは、例えば、少なくとも1枚の負レンズを持つ負レンズ群と、少なくとも1枚の正レンズを持つ正レンズ群、の2つのレンズ群からなるビームエキスパンダーである。前記2つのレンズ群の少なくとも一方を例えば光軸と平行な方向に移動可能とすることで、上述した要因で発生する球面収差の補正が可能となる。また、収差補正手段EXPを用いると、コリメートレンズCOLを移動なしに用いることも可能となり、その際は、高密度光ディスクHD、DVD、CD、の各ディスクに対応した光源波長の違いに対してコリメートレンズCOLが持つ色収差を補正するよう収差補正手段EXPを移動させれば良い。
また、収差補正手段EXPには、対物光学系OBJが持つ色収差を補正するための手段を設けても良く、そのような手段としては、例えば収差補正手段EXPのいずれかの光学面に色収差補正のための位相構造を設けたり、収差補正手段EXPを構成するレンズの分散関係を最適なものとしたり、いずれかのレンズ群中に少なくとも1枚の負レンズと少なくとも1枚の正レンズを貼り合せた構成の接合レンズを用いたりする構成がある。
また、ビーム整形素子SHを用いることも可能で、ビーム整形素子SHは、半導体レーザからの楕円光束を円形、又は略円形形状の光束に変換するための素子であり、ビーム整形素子SHを用いることで、半導体レーザからの光の光利用効率を向上させることが出来、ピックアップの高性能化が達成される。
このようなビーム整形素子SHは、例えば1方向のみに曲率を持つシリンドリカル面形状の単玉レンズで構成されたり、2つの直行する方向について曲率半径の異なるアナモフィック面で構成したものであったりする。
本実施例において用いている構成のように、3波長一体化レーザの光路中にビーム整形素子SHを配置した場合には、3つのレーザ発光点とビーム整形素子SHの位置関係が、例えばシリンドリカル面で構成されるビーム整形素子については、ビーム整形素子の面が曲率を持たない方向と、前記3つのレーザ発光点の並び方向を一致さることが望ましく、例えばアナモフィック面で構成させるビーム整形素子については、ビーム整形素子の面が曲率の大きくなる方向と、前記3つのレーザ発光点の並び方向を一致させることが望ましい。ビーム整形素子SHと3つのレーザ発光点の位置関係を上述のようにすることで、ビーム整形素子による収差の影響をなくす、又は低減することが可能となる。
しかし、レーザ発光点の並びと、半導体レーザの楕円光束長軸方向の向きの関係によっては上記の限りではなく、ビーム整形素子SHでビーム整形する方向と半導体レーザ楕円光束の向きを所望のものとして複数光源に対応なければならない。
〔第4実施形態〕
ここでは、第3情報記録媒体であるCDに対してのみ、対物光学素子への入射光束を発散させて、互換を行う。
ここで用いる対物光学素子は、第1情報記録媒体であるBD、第2情報記録媒体であるDVDに対しては、波長差に基づいて異なった回折光を出射するDOEを設けている。
上述の通り、BD(λ=408nm・NA0.85・T=0.0875mm)で収差補正した対物レンズでCD(λ=785nm・NA0.48・T=1.2mm)で球面収差を補正するにはある有限倍率Mの発散光を対物レンズに入射させる必要がある。さらに、BDで正弦条件を満たしている場合はCD側のトラッキング特性が悪い問題がある。
そこで、CD側の有限倍率mを以下の条件(1)にしてCD側で球面収差を補正する波面(オーバー)を発生させる光学素子を用いることでトラッキング時に発生するコマ収差を軽減させることが出来る。
球面収差を補正する波面を発生させる方法としてCD使用時のみ光学素子を光路中に挿入する。
条件(1) 1.2M < m < M
但し、M<0
これにより、mが下限より大きいことで補正無しの場合よりも劣化することを抑制でき、上限より小さいことで補正無しの場合よりも良好にできる。
以下表7に、光路中に挿入するレンズのデータを示す。
Figure 2005293777
第1実施形態に関わる光ピックアップの模式図である。 第2実施形態に関わる光ピックアップの模式図である。 第3実施形態に関わる光ピックアップの模式図である。 第3実施形態に関わる回折素子の模式図である。 第3実施形態に関わる回折素子の模式図である。 第3実施形態に関わる回折素子の模式図である。 第3実施形態に関わる回折素子の模式図である。 第3実施形態に関わる収差補正素子の模式図である。
符号の説明
PU…ピックアップ装置、 LM…光源モジュール、 COL…コリメータ(コリメートレンズ)、 E1…エキスパンダーレンズ(負)、 E2…エキスパンダーレンズ(正)、 AC1…アクチュエータ、 AC2…アクチュエータ、 B… 保持部材 、OBJ…対物光学素子、 AP…開口制限素子、 3LP1P…3レーザ1パッケージ、 PBS…偏光ビームスプリッタ、 RL…リレーレンズ、 SL…センサ用レンズ、 QWP…1/4波長板、 STO…絞り、 L1…収差補正素子、 L2…集光素子

Claims (19)

  1. 波長λ1の第1光源から出射される光束を用いて保護基板厚t1の第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行ない、
    波長λ2(λ1<λ2)の第2光源から出射される光束を用いて保護基板厚t2(t1≦t2)の第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行ない、
    波長λ3(λ2<λ3)の第3光源から出射される光束を用いて保護基板厚t3(t2<t3)の第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記各光源が出射した光束を、前記各情報記録媒体の情報記録面に集光させるために、共通に用いられる対物光学素子と、
    前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、入射光束の発散角を変更して出射する第1発散角変更素子と、
    前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、光路上の第1位置と光路外の第2位置とに移動可能であって、前記第1位置に配置される場合、入射光束の発散角を変更して出射する第2発散角変更素子とを備え、
    前記第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合は、無限平行光の光束を対物光学素子に入射させ、
    前記第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合は、有限発散光の光束を対物光学素子に入射させ、
    前記対物光学素子に入射する光束の倍率が無限平行光の場合と有限発散光の場合とで、前記第2発散角変更素子が配置される位置が異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合に、前記第2発散角変更素子が前記第1位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第2発散角変更素子は負の屈折力を有することを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合に、前記第2発散角変更素子が前記第2位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記第2発散角変更素子が正の屈折力を有することを特徴とする請求項4記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記第2発散角変更素子は、ビームエキスパンダーを構成する素子の1つであることを特徴とする請求項5記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記第2発散角変更素子は、カップリングレンズであることを特徴とする請求項5記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記カップリングレンズはコリメートレンズであることを特徴とする請求項7記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記光路中に存在する光学素子のうち、負の屈折力を有する光学素子を進退させて、複数の記録層を有する情報記録媒体の記録層の切り替えを行うことを特徴とする請求項4記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記第1発散角変更素子が光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  11. 前記第2発散角変更素子が前記第1素子と前記第2位置とを移動するのに応じて、前記第1発散角変更素子が光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする請求項10記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記第1情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合と、前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合とで、前記第1発散角変更素子の光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする請求項10又は11記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合と、前記第3情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う場合とで、前記第1発散角変更素子の光軸方向の位置切り替えを行うことを特徴とする請求項10又は11記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記第1ないし第3光源から前記対物光学素子に至る光路との間に配置され、光路上の第3位置と光路外の第4位置とに移動可能であって、前記第3位置に配置される場合、入射光束の発散角を変更して出射する第3発散角変更素子を有することを特徴とする請求項1ないし13の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記第2発散角変更素子と、前記第3発散角変更素子とは、排他的に光路上に位置することを特徴とする請求項14記載の光ピックアップ装置。
  16. 前記第2発散角変更素子と、前記第3発散角変更素子とは、同時に光路上に位置するか、あるいは同時に光路上から離脱して光学系を構成する場合があることを特徴とする請求項14記載の光ピックアップ装置。
  17. 前記対物光学素子は、前記第1情報記録媒体に最適化されていることを特徴とする請求項1ないし16の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記対物光学素子は、前記第1情報記録媒体および前記第2情報記録媒体の両方に最適化されていることを特徴とする請求項1ないし16の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
  19. 前記第1光源ないし前記第3光源が、単一のパッケージに収納された光源ユニットであることを特徴とする請求項1ないし18の何れか一項に記載の光ピックアップ装置。
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