JP5083621B2 - 対物レンズ及び光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置及びそれに用いる対物レンズに関する。
近年、光ピックアップ装置において、光ディスクに記録された情報の再生や、光ディスクへの情報の記録のための光源として使用されるレーザ光源の短波長化が進み、例えば、青紫色半導体レーザや、第2高調波を利用して赤外半導体レーザの波長変換を行う青色SHGレーザ等、波長400〜420nmのレーザ光源が実用化されつつある。これら青紫色レーザ光源を使用すると、DVD(デジタルバーサタイルディスク)と同じ開口数(NA)の対物レンズを使用する場合で、直径12cmの光ディスクに対して、15〜20GBの情報の記録が可能となり、対物レンズのNAを0.85にまで高めた場合には、直径12cmの光ディスクに対して、23〜25GBの情報の記録が可能となる。
ところで、光ピックアップ装置を搭載した一般的な情報記録再生装置は、光ピックアップ装置から出力されるトラッキングエラー信号を2値化してなるトラバース信号を用いてシーク制御を行っている。
ところが、トラッキングエラー信号は光ディスクのディフェクト(欠陥)や付着したゴミ等の様々な原因によってその振幅が減少し、このときトラバース信号は連続的に「Lo」となり(これを「歯抜け」と呼ぶ)、これにより情報記録再生装置は、シーク量を過小に誤認識するトラックカウントミスを起こしてしまう。このトラックカウントミスによって光ピックアップ装置はターゲットをオーバーランしてしまい、移動先のトラックでアドレスを正常に読み出すことができなくなる。この場合、情報記録再生装置は光ピックアップを所定の基準位置に一旦戻し、当該基準位置からシーク動作を実行しなおすことになり、これにより情報記録再生装置全体のパフォーマンスが低下してしまうという問題があった。これに対し、特許文献1においては、信号処理によりシーク時間を短縮する技術が開示されている。しかしながら、かかる技術においてもシーク動作は必須であり、よりアクセス時間を短縮できる技術が望まれている。
特開2005−317112号公報 特開2006−164331号公報 特開平10−293937号公報
これに対し、一般情報の記録/再生に用いる青紫色レーザ光源の他に、位置情報読み込み用の別光源を設け、別光源から照射された別波長の光束を、光ディスクの位置情報記録層に照射することによって、そこに記録された位置情報を読み出して、青紫色レーザ光を、一般情報記録層における記録すべき位置に迅速に移動させる技術が開発されている。
しかるに、青紫色レーザ光と別波長の光束とを別個の対物レンズを用いて集光するとなると、光学系が複雑となり構成の大型化を招く。これに対し、構成の簡素化・小型化を図るべく単一の対物レンズを用いて青紫色レーザ光と別波長の光束とを集光することはできるが、位置情報記録層は一般情報記録層とは異なる深さ位置に存在するため、2つの光束を光ディスクに対して同時に集光する場合、ワーキングディスタンスをどのように調整するかが重要となる。尚、単一の対物レンズを用いて異なる種類の光ディスクに対して異なる波長の光束を照射する技術としては、特許文献2,3に示すものがある。
本発明は、上述の問題を考慮してなされたものであり、単一の対物レンズを用いて、異なる波長の光束を光ディスクの異なる記録面に集光するのに好適な対物レンズと、それを用いた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
明細書中、WD1は、前記第1光束集光時のワーキングディスタンスを意味し、WD2は、前記第2光束集光時のワーキングディスタンスを意味するものとする。尚、本発明において対物レンズに入射する光束は平行光に限らず、収束光や発散光でも良い。
請求項に記載の対物レンズは、第1光源から出射される波長λ1(λ1=400〜410(nm))の第1光束を用いて厚さt1の保護層を介して光ディスクの第1情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ2=650〜665(nm))の第2光束を用いて厚さt2(t1≠t2)の保護層を介して前記光ディスクの第2情報記録面に対して集光スポット形成を行う対物レンズと、前記第1情報記録面から反射された前記第1光束を検出する第1光検出器と、前記第2情報記録面から反射された前記第2光束を検出する第2光検出器とを備えた光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
前記対物レンズの光学面には、光路差付与構造が形成されており、以下の式を満たすことを特徴とする対物レンズ。
40 ≦ νd ≦ 65 (2)
0.05(mm) ≦ t2−t1 < T(mm) (3’)
T=9.31×(1/νd)−0.0302 (4)
0.2(μm/nm) ≦ ΔfB ≦ 0.6(μm/nm) (5)
S ≦ d×(n−1)/λ1 < S+1 (6’)
但し、
νd:前記対物レンズの材料におけるd線に対するアッベ数
d:前記光路差付与構造の光軸方向の段差量(mm)
ΔfB:前記第1光束に対する前記対物レンズの色収差(μm/nm)
n:前記対物レンズの材料におけるd線に対する屈折率
S:3又は4
本発明によれば、波長λ1の光束における色収差と色球面収差を記録/再生可能な範囲内に抑えながら、対物レンズと光ディスクとの距離(ワーキングディスタンス)を一致させることが可能となる。また光路差付与構造を利用しているため、対物レンズを低コストで簡単に製作することができる。(6’)式は、波長λ1の光束が前記光路差付与構造に入射した場合、3次又は4次回折光を発生させるための光路差付与構造の段差量dを規定している。また、(5)式中のΔfBは、対物レンズの材料における色分散と光路差付与構造の回折近軸パワーによって決定され、光路差付与構造のピッチに関連して決まるものである。尚、(3’)式の下限値は、光情報記録媒体の規格で自ずと決まる値である。
(2)式を満たす光学材料としてのガラスやプラスチックで作られ、光路差付与構造としての回折構造を有する回折レンズにおいては、ワーキングディスタンスに関して以下の3つの特性がある。
(1)対物レンズ材料の色分散の効果として、波長が長くなると、ワーキングディスタンスが大きくなる。
(2)光情報記録媒体を通過する光路長が長くなる(つまりは光が通過する光情報記録媒体の厚みが長くなる)と、ワーキングディスタンスが大きくなる。
(3)回折近軸パワーによりワーキングディスタンスが変化する。
即ち、(1)〜(3)の特性を利用して、例えばBD、DVDなど保護層の厚みの異なる2つの光ディスクについてワーキングディスタンスを一致させることができ、それにより対物レンズを光軸方向に変位させることなく、それぞれの光ディスクの情報記録面に趣向スポットを形成できる。これを言い換えると、保護層の厚みが異なる2つの記録層を有する同じ光情報記録媒体に対して、異なる波長の光束を照射したときに、2つの記録層に対して同時に集光スポットを形成できることとなる。尚、本発明の技術は、一般的な光ディスク(Blu-ray Disc,HD DVD,DVD,CD・・・・)以外の光情報記録媒体でも、適宜利用できる。
ここで、(1)、(2)の特性の相互作用により、ある程度のキャンセルが可能であるため、波長λ1の光束と波長λ2の光束を使用する場合にキャンセルされる厚み(T)と、実際の厚みΔT(=t2−t1)との差をとり、その差(Δt−T)により生じる残りのワーキングディスタンスの差を、近軸回折パワー比λ2×k2/(λ1×k1)によりキャンセルすれば良い。k1とは、波長λ1の光束が回折構造に入射したときに発生する最も強度が高くなる回折光の次数をいい、k2とは、波長λ2の光束が同じ回折構造に入射したときに発生する最も強度が高くなる回折光の次数をいう。ここで、具体的な組み合わせとしては、
A):Δt−T>0、λ2×k2/(λ1×k1)>0 正の回折近軸パワー使用
B):Δt−T>0、λ2Xk2/(λ1×k1)<0 負の回折近軸パワー使用
C):Δt−T<0、λ2×k2/(λ1×k1)>0 負の回折近軸パワー使用
D):Δt−T<0、λ2Xk2/(λ1×k1)<0 正の回折近軸パワー使用
E):Δt−T=0、回折近軸パワー不要
の5通りとなる。
但し、
正の回折近軸パワー:回折の光路差関数の2次係数C2>0
負の回折近軸パワー:回折の光路差関数の2次係数C2<0(通常色消しに使用)
である。
一方、光束を適切に集光させるためには、保護層の厚みの差により生じる球面収差も補正しなければならない。ここで、例えば第1波長として青紫色レーザ光と、第2光束として赤色レーザ光を用いた場合、屈折率の差と保護層の厚みの差により、同じ方向の球面収差が発生するため、それとは逆方向の球面収差を回折パワー比λ2×k2/(λ1×k1)で発生させれば良いこととなる。尚、ここでいう回折パワーとは3次の球面収差を変化させる作用を指す。
具体的には、
a):λ2×k2/(λ1×k1)>0 正の回折パワー
b):λ2×k2/(λ1×k1)<0 負の回折パワー
となる。
但し、
正の回折パワー:長波長により3次球面収差がアンダーとなるパワー
負の回折パワー:長波長により3次球面収差がオーバーとなるパワー
である。
加えて、例えば青紫色レーザ光の集光スポットでは記録/再生を行うことから、光源のモードホップ等が生じても支障なく記録/再生を行える色収差特性と、個々の光源で基準波長が異なっても光束が集光するような色球面収差特性を有しているのが望ましい。しかしながら、青紫色レーザ光と赤色レーザ光とを同時集光させる場合、回折構造の回折パワーには自由度が残されていないため、本発明者は、回折構造の形状を選択することで、上記課題を全て解決することを見出したのである。
具体的には、上記のA)又はC)と、a)を用いることとする。これに合致する回折次数の組み合わせとしては、(k1,k2)=(1,1)、(4,3)、(3,2)がある。請求項1の発明は、A)+a)の組み合わせに基づくものである。
請求項2に記載の対物レンズは、請求項1に記載の発明において、以下の式を満たすことを特徴とする。
−0.02 ≦ m1 ≦ 0.02 (7)
−0.02 ≦ m2 ≦ 0.02 (8)
但し、
m1:前記第1光束に対する対物レンズの倍率
m2:前記第2光束に対する対物レンズの倍率
請求項に記載の対物レンズは、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1情報記録面の保護層の厚さt1は、0.55〜0.65mmであることを特徴とする。
請求項に記載の対物レンズは、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記第1情報記録面の保護層の厚さt1と前記第2情報記録面の保護層の厚さt2とは、以下の式を満たすことを特徴とする。
t2−t1=0.1(mm)
このように保護基板厚差が小さければ、対物レンズの近軸回折パワーと色球面収差特性が小さくなり、結果的にピッチの広い加工しやすい回折構造を設けることができる。
請求項に記載の対物レンズは、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記第1情報記録面の保護層は、前記第2情報記録面の保護層の一部であることを特徴とする。
請求項に記載の対物レンズは、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記第1光検出器と前記第2光検出器とは一体であることを特徴とするので、光ピックアップ装置の小型化、低コスト化を図れる。但し、第1光検出器と第2光検出器とは別体でも良い。
請求項に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズを用いており、前記第2情報記録面に記録された情報に基づいて前記第1情報記録面の記録位置を決定し、決定された前記第1情報記録面の記録位置に対して情報の記録及び/又は再生を行うことを特徴とする。
光検出器としては、フォトダイオードなどの受光素子が好ましく用いられる。光ディスクの第2情報記録面上で反射した第2光束が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて位置情報が検出され、かかる位置情報に基づいて、光ディスクの第1情報記録面における集光位置を決定し、かかる集光位置に第1光束が集光するように制御され、第1情報記録面上で反射した第1光束が同じ受光素子へ入射することにより、情報の記録及び/又は再生が行われるようになっている。
集光光学系は、対物レンズを有する。集光光学系は、対物レンズのみを有していても良いが、集光光学系は、対物レンズの他にコリメータレンズ等のカップリングレンズを有していてもよい。カップリングレンズとは、対物レンズと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。コリメータレンズは、カップリングレンズの一種で、コリメータレンズに入射した光を平行光にして出射するレンズである。更に集光光学系は、光源から射出された光束を、情報の記録再生に用いられるメイン光束と、トラッキング等に用いられる二つのサブ光束とに分割する回折光学素子などの光学素子を有していてもよい。本明細書において、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。好ましくは、対物レンズとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系であって、更に、アクチュエータにより少なくとも光軸方向に一体的に変位可能とされた光学系を指す。対物レンズは、好ましくは単玉の対物レンズであるが、複数の光学素子から形成されていても良い。また、対物レンズは、ガラスレンズであってもプラスチックレンズであっても、又は、ガラスレンズの上に光硬化性樹脂などで光路差付与構造などを設けたハイブリッドレンズであってもよい。また、対物レンズは、屈折面が非球面であることが好ましい。また、対物レンズは、光路差付与構造が設けられるベース面が非球面であることが好ましい。
また、対物レンズをガラスレンズとする場合は、ガラス転移点Tgが400℃以下であるガラス材料を使用することが好ましい。ガラス転移点Tgが400℃以下であるガラス材料を使用することにより、比較的低温での成形が可能となるので、金型の寿命を延ばすことが出来る。このようなガラス転移点Tgが低いガラス材料としては、例えば(株)住田光学ガラス製のK−PG325や、K−PG375(共に製品名)がある。
ところで、ガラスレンズは一般的に樹脂レンズよりも比重が大きいため、対物レンズをガラスレンズとすると、重量が大きくなり対物レンズを駆動するアクチュエータに負担がかかる。そのため、対物レンズをガラスレンズとする場合には、比重が小さいガラス材料を使用するのが好ましい。具体的には、比重が3.0以下であるのが好ましく、2.8以下であるのがより好ましい。
また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合は、環状オレフィン系の樹脂材料を使用するのが好ましく、環状オレフィン系の中でも、波長405nmに対する温度25℃での屈折率が1.52乃至1.60の範囲内であって、−5℃から70℃の温度範囲内での温度変化に伴う波長405nmに対する屈折率変化率dN/dT(℃-1)が−20×10-5乃至−5×10-5(より好ましくは、−10×10-5乃至−8×10-5)の範囲内である樹脂材料を使用するのがより好ましい。また、対物レンズをプラスチックレンズとする場合、カップリングレンズもプラスチックレンズとすることが好ましい。
本明細書でいう光路差付与構造とは、入射光束に対して光路差を付加する構造の総称である。光路差付与構造には、位相差を付与する位相差付与構造も含まれる。また、位相差付与構造には回折構造が含まれる。光路差付与構造は、段差を有し、好ましくは段差を複数有する。この段差により入射光束に光路差及び/又は位相差が付加される。光路差付与構造により付加される光路差は、入射光束の波長の整数倍であっても良いし、入射光束の波長の非整数倍であっても良い。段差は、光軸垂直方向に周期的な間隔をもって配置されていてもよいし、光軸垂直方向に非周期的な間隔をもって配置されていてもよい。
光路差付与構造は、光軸を中心とする同心円状の複数の輪帯を有することが好ましい。また、光路差付与構造は、様々な断面形状(光軸を含む面での断面形状)をとり得る。ブレーズ型形状とは、図2(a)、(b)に示されるように、光路差付与構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、鋸歯状の形状ということであり、別の言い方としては、光路差付与構造がベース面に対して、直角でも平行でもない、斜めの面を有するということである。また、階段型形状とは、図2(c)に示されるように、光路差付与構造を有する光学素子の光軸を含む断面形状が、階段状ということであり、別の言い方としては、光路差付与構造がベース面に対して平行な面と光軸に対して平行な面のみを有し、ベース面に対して斜めの面を有さず、ベース面の方向に進むに従って、段階的に光軸方向の長さが変化するということである。
光路差付与構造が、ブレーズ型形状を有する場合、単位形状である鋸歯状の形状が繰り返された形状となる。図2(a)に示されるように、同一の鋸歯状形状が繰り返されてもよいし、図2(b)に示されるように、ベース面の方向に進むに従って、徐々に鋸歯状形状の大きさが大きくなっていく形状、又は、小さくなっていく形状であってもよい。また、徐々に鋸歯状形状の大きさが大きくなった形状と、徐々に鋸歯状形状の大きさが小さくなっていく形状を組み合わせた形状としてもよい。但し、鋸歯状形状の大きさが徐々に変化する場合であっても、鋸歯状形状において、光軸方向(又は通過する光線の方向)の大きさはほとんど変化しないことが好ましい。なお、ブレーズ型形状において、1つの鋸歯状形状の光軸方向の長さ(鋸歯状形状を通過する光線の方向の長さとしてもよい)を、ピッチ深さ即ち段差d(図2に各形状毎に図示)といい、1つの鋸歯状形状の光軸垂直方向の長さをピッチ幅という。加えて、ある領域においては、ブレーズ型形状の段差が光軸(中心)側とは逆を向いている形状とし、他の領域においては、ブレーズ型形状の段差が光軸(中心)側を向いている形状とし、その間に、ブレーズ型形状の段差の向きを切り替えるために必要な遷移領域が設けられている形状としてもよい。この遷移領域は、光路差付与構造である光路差付与構造により付加される光路差を光路差関数で表現した時、光路差関数の極値となる点に相当する領域である。なお、光路差関数が極値となる点を持つと、光路差関数の傾きが小さくなるので、輪帯ピッチを広げることが可能となり、光路差付与構造の形状誤差による透過率低下を抑制できる。
光路差付与構造が、階段型形状を有する場合、単位形状である、階段形状が繰り返された形状となる。図2(c)で示されるような数段(例えば、4,5段)の同一の小階段形状が、繰り返されるような形状等があり得る。階段型形状はブレーズ型形状を近似したものであるので、その段差dは、図2(c)に示すごとく、近似したブレーズ形状(点線)を推定して求めるものとする。さらに、ベース面の方向に進むに従って、徐々に階段の大きさが大きくなっていく形状や、徐々に階段の大きさが小さくなっていく形状であってもよいが、光軸方向(又は通過する光線の方向)の長さはほとんど変化しないことが好ましい。
本発明に係る光情報記録再生装置は、上述の光ピックアップ装置を有する光ディスクドライブ装置を有する。
ここで、光情報記録再生装置に装備される光ディスクドライブ装置に関して説明すると、光ディスクドライブ装置には、光ピックアップ装置等を収納している光情報記録再生装置本体から光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイのみが外部に取り出される方式と、光ピックアップ装置等が収納されている光ディスクドライブ装置本体ごと、外部に取り出される方式とがある。
上述した各方式を用いる光情報記録再生装置には、概ね、次の構成部材が装備されているがこれに限られるものではない。 ハウジング等に収納された光ピックアップ装置、光ピックアップ装置をハウジングごと光ディスクの内周あるいは外周に向けて移動させるシークモータ等の光ピックアップ装置の駆動源、光ピックアップ装置のハウジングを光ディスクの内周あるいは外周に向けてガイドするガイドレールなどを有した光ピックアップ装置の移送手段及び、光ディスクの回転駆動を行うスピンドルモータ等である。
前者の方式には、これら各構成部材の他に、光ディスクを搭載した状態で保持可能なトレイおよびトレイを摺動させるためのローディング機構等が設けられ、後者の方式にはトレイおよびローディング機構がなく、各構成部材が外部に引き出し可能なシャーシに相当するドロワーに設けられていることが好ましい。
本発明によれば、単一の対物レンズを用いて、異なる波長の光束を光ディスクの異なる記録面に集光するのに好適な対物レンズと、それを用いた光ピックアップ装置を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、光ディスクODの第2情報記録面RL2に記録された位置情報に基づいて、第1情報記録面RL1の記録位置を決定し、決定された第1情報記録面RL1の記録位置に対して情報を記録/再生する光ピックアップ装置PUの構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PUにおいては、保護層PL1の厚さがt1=0.6mmである第1情報記録面RL1には、波長λ1=405nmの光束が集光され、保護層PL1を含む保護層PL2の厚さがt2=0.7mmである第2情報記録面RL2には、波長λ2=655nmの光束が集光されるようになっている。第2情報記録面RL2には、予め位置情報が記録されているものとする。なお、本発明は、本実施の形態に限られるものではない。
光ピックアップ装置PUは、対物レンズOBJ、絞りST、コリメートレンズCL、偏光ビームスプリッタPBS、ダイクロイックプリズムDP、波長λ1=405nmのレーザ光束(第1光束)を射出する第1半導体レーザLD1(第1光源)、波長λ2=661nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザLD2(第2光源)、λ/4波長板QWP、センサレンズSN、受光素子PDを有する。尚、対物レンズOBJは、二軸アクチュエータACTによってフォーカシング駆動及びトラッキング駆動される。対物レンズOBJの光源側光学面には、回折構造DSが形成されており、波長λ1の光束が回折構造DSに入射したときに発生する最も強度が高くなる回折光の次数をk1とし、波長λ2の光束が回折構造DSに入射したときに発生する最も強度が高くなる回折光の次数をk2とすると、(k1,k2)=(1,1)、(4,3)又は(3,2)である。
まず、赤色半導体レーザLD2から射出された第2光束(λ2=655nm)の発散光束は、点線で示すように、ダイクロイックプリズムDPで反射された後、偏光ビームスプリッタPBSを通過し、コリメートレンズCLにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズOBJに入射して、厚さ0.7mmの保護基板PL2を介して、第2情報記録面RL2に形成されるスポットとなり、スポット中心部を形成する。
第2情報記録面RL2上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSにより反射された後、センサレンズSNを介して、受光素子PDの受光面に収束する。これにより、第2情報記録面RL2に記録された位置情報を読み取ることができる。
かかる位置情報を読み取りながら、それにより決定された位置で青紫色半導体レーザLD1を適宜発光させると、青紫色半導体レーザLD1から射出された第1光束(λ1=405nm)の発散光束は、実線で示すように、ダイクロイックプリズムDPを透過した後、偏光ビームスプリッタPBSを通過し、コリメートレンズCLにより平行光束とされた後、λ/4波長板QWPにより直線偏光から円偏光に変換され、対物レンズOBJに入射して、厚さ0.6mmの保護基板PL1を介して、第1情報記録面RL1に形成されるスポットとなり、スポット中心部を形成する。
第1情報記録面RL1上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物レンズOBJ、絞りSTを透過した後、λ/4波長板QWPにより円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ビームスプリッタPBSにより反射された後、センサレンズSNを介して、受光素子PDの受光面に収束する。これにより、第1情報記録面RL1の決定された位置に対して、情報を記録又は再生することができる。尚、波長λ2のレーザ光は、波長λ1のレーザ光を用いた記録/再生時にも同時に照射され、リアルタイムで位置情報を読み出すようにすることが望ましい。
<実施例>
次に、上述の実施の形態に用いることができる実施例について説明する。尚、以下に述べる実施例において設けられた光路差付与構造は、以下の光路差関数φ(mm)で表せる。
[光路差関数]
φ=λ/λB×k×(C22+C44+C66+C88+C1010
但し、
φ:光路差関数
λ:回折構造に入射する光束の波長
λB:製造波長
k:光ディスクに対する記録/再生に使用する回折光の回折次数
r:光軸からの距離(半径)
2,C4,C6,C8,C10:光路差関数係数
ここで、光路差関数において、λ/λB×k×C22が、回折近軸パワーを決定し、λ/λB×k×(C44+C66+C88+C1010)が、回折パワーを決定するものとする。
又、対物光学素子の光学面は、それぞれ以下の非球面表現式に表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
[非球面表現式]
z=(r2/R)/[1+√{1−(κ+1)(r/R)2}]+B44+B66+B88+B1010+B1212+B1414+B1616+B1818+B2020
但し、
z:非球面形状(非球面の面頂点から光軸に沿った方向の距離)
r:光軸からの距離
R:曲率半径
κ:コーニック係数
4,B6,B8,B10,B12,B14,B16,B18,B20:非球面係数
これ以降(表のレンズデータ含む)において、10のべき乗数(例えば、2.5×10-3)を、E(例えば、2.5×E−3)を用いて表すものとする。
実施例1は、(k1,k2)=(4,3)に相当する対物レンズである。表1に、実施例1のレンズデータを示す。
Figure 0005083621
実施例2は、(k1,k2)=(4,3)に相当する対物レンズである。表2に、実施例2のレンズデータを示す。
Figure 0005083621
参考例1は、(k1,k2)=(1,1)に相当する対物レンズである。表3に、参考例1のレンズデータを示す。
Figure 0005083621
実施例は、(k1,k2)=(3,2)に相当する対物レンズである。表4に、実施例のレンズデータを示す。
Figure 0005083621
表5に、実施例1〜3,参考例1の各値をまとめて示す。
Figure 0005083621

本発明に係る光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る対物レンズOBJに設けられる光路差付与構造の幾つかの例(a)〜(d)を模式的に示す断面図である。
符号の説明
AC 二軸アクチュエータ
PBS 偏光ビームスプリッタ
DP ダイクロイックプリズム
CL コリメートレンズ
LD1 青紫色半導体レーザ
OBJ 対物レンズ
PL1 保護基板
PL2 保護基板
PU 光ピックアップ装置
RL1 第1情報記録面
RL2 第2情報記録面
PD 光検出器
QWP λ/4波長板
ST 絞り
SN センサレンズ

Claims (7)

  1. 第1光源から出射される波長λ1(λ1=400〜410(nm))の第1光束を用いて厚さt1の保護層を介して光ディスクの第1情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ2=650〜665(nm))の第2光束を用いて厚さt2(t1≠t2)の保護層を介して前記光ディスクの第2情報記録面に対して集光スポット形成を行う対物レンズと、前記第1情報記録面から反射された前記第1光束を検出する第1光検出器と、前記第2情報記録面から反射された前記第2光束を検出する第2光検出器とを備えた光ピックアップ装置の対物レンズにおいて、
    前記対物レンズの光学面には、光路差付与構造が形成されており、以下の式を満たすことを特徴とする対物レンズ。
    40 ≦ νd ≦ 65 (2)
    0.05(mm) ≦ t2−t1 < T(mm) (3’)
    T=9.31×(1/νd)−0.0302 (4)
    0.2(μm/nm) ≦ ΔfB ≦ 0.6(μm/nm) (5)
    S ≦ d×(n−1)/λ1 < S+1 (6’)
    但し、
    νd:前記対物レンズの材料におけるd線に対するアッベ数
    d:前記光路差付与構造の光軸方向の段差量(mm)
    ΔfB:前記第1光束に対する前記対物レンズの色収差(μm/nm)
    n:前記対物レンズの材料におけるd線に対する屈折率
    S:3又は4
  2. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
    −0.02 ≦ m1 ≦ 0.02 (7)
    −0.02 ≦ m2 ≦ 0.02 (8)
    但し、
    m1:前記第1光束に対する対物レンズの倍率
    m2:前記第2光束に対する対物レンズの倍率
  3. 前記第1情報記録面の保護層の厚さt1は、0.55〜0.65mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の対物レンズ。
  4. 前記第1情報記録面の保護層の厚さt1と前記第2情報記録面の保護層の厚さt2とは、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズ。
    t2−t1=0.1(mm)
  5. 前記第1情報記録面の保護層は、前記第2情報記録面の保護層の一部であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズ。
  6. 前記第1光検出器と前記第2光検出器とは一体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズ。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の対物レンズを用いており、前記第2情報記録面に記録された情報に基づいて前記第1情報記録面の記録位置を決定し、決定された前記第1情報記録面の記録位置に対して情報の記録及び/又は再生を行うことを特徴とする光ピックアップ装置。
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