JPWO2008044475A1 - 対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置 - Google Patents

対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008044475A1
JPWO2008044475A1 JP2008538630A JP2008538630A JPWO2008044475A1 JP WO2008044475 A1 JPWO2008044475 A1 JP WO2008044475A1 JP 2008538630 A JP2008538630 A JP 2008538630A JP 2008538630 A JP2008538630 A JP 2008538630A JP WO2008044475 A1 JPWO2008044475 A1 JP WO2008044475A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical element
light
optical
light beam
wavelength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008538630A
Other languages
English (en)
Inventor
野村 英司
英司 野村
大田 耕平
耕平 大田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Opto Inc
Original Assignee
Konica Minolta Opto Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Opto Inc filed Critical Konica Minolta Opto Inc
Publication of JPWO2008044475A1 publication Critical patent/JPWO2008044475A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms
    • G02B5/189Structurally combined with optical elements not having diffractive power
    • G02B5/1895Structurally combined with optical elements not having diffractive power such optical elements having dioptric power
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1876Diffractive Fresnel lenses; Zone plates; Kinoforms
    • G02B5/188Plurality of such optical elements formed in or on a supporting substrate
    • G02B5/1885Arranged as a periodic array
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1365Separate or integrated refractive elements, e.g. wave plates
    • G11B7/1367Stepped phase plates
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B7/1374Objective lenses
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1392Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration
    • G11B7/13922Means for controlling the beam wavefront, e.g. for correction of aberration passive
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B2007/0003Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier
    • G11B2007/0006Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier adapted for scanning different types of carrier, e.g. CD & DVD
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/12Heads, e.g. forming of the optical beam spot or modulation of the optical beam
    • G11B7/135Means for guiding the beam from the source to the record carrier or from the record carrier to the detector
    • G11B7/1372Lenses
    • G11B2007/13722Fresnel lenses
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B33/00Constructional parts, details or accessories not provided for in the other groups of this subclass
    • G11B33/14Reducing influence of physical parameters, e.g. temperature change, moisture, dust
    • G11B33/1406Reducing the influence of the temperature
    • G11B33/1433Reducing the influence of the temperature by reducing the effects of the thermal expansion

Abstract

良好な温度特性を有し、異なる光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を適切に行いながらも、製造容易で低コストの光ピックアップ装置用の対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置を提供するために、第1の光学素子と第2の光学素子とをプラスチックから形成することでコストを低減し、又、第1〜第3位相構造を設けることで、温度変化及び保護基板の厚さの差に起因する集光スポットの収差劣化を抑え、異なる光情報記録媒体の情報記録面上に最適な集光スポットを形成する。

Description

本発明は、異なる種類の光ディスクに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置に用いる対物光学素子ユニット及びそれを用いた光ピックアップ装置に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録及び/又は再生(以下、「記録及び/又は再生」を「記録/再生」と記載する)を行える高密度光ディスクシステムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報の記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり15〜25GBの情報の記録が可能である。以下、本明細書では、このような光ディスクを「高密度光ディスク」と呼ぶ。
ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤやレコーダ(光情報記録再生装置)といった製品としての価値は十分なものとはいえない。現在、多種多様な情報を記録したDVDやCD(コンパクトディスク)が販売されている状況をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDやCDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤやレコーダなどの商品価値を高めることに通じる。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤやレコーダなどに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる機能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVD、更にはCDとの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生を可能とする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVDやCD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすことが光ピックアップ装置の構成の簡素化、低コスト化に有利となる。
特許文献1には、HD DVDとDVD、さらにはCDとの何れに対しても互換性をもつ対物光学素子、及びこの対物光学素子を搭載した光ピックアップ装置が記載されている。
特開2006−92720号公報
然るに、特許文献1に開示された対物光学素子は、HD DVDとDVD、さらにはCDとの何れに対しても情報の記録/再生を行う光ピックアップ装置に用いられるものである。HD DVDはDVDに対して保護基板厚や開口数が等しいために、対物光学素子の共通化は、BDとDVD、さらにはCDとの何れに対しても情報の記録/再生を実現する場合よりも難易度は低いと言える。又、特許文献1においては、光ディスク側の光学素子(集光光学素子)に回折構造を設けているが、曲率の大きい光学面に回折構造を設けると、それを形成するための金型の製造が困難となり、また光線のケラレ等により光透過率が低下し易いという問題がある。これに対し、集光光学素子をガラスレンズとすることにより、プラスチックレンズとした場合に必要となる温度変化に起因した集光スポットの収差劣化を補正する回折構造を省略できるが、その代わりに製造コストが増大するという問題がある。しかも集光光学素子にガラスレンズを用いた場合には、対物光学素子ユニットの重量が増大し、光ピックアップ装置の高倍速化に不利となるという問題もある。
以上のようなことから、高密度光ディスクとDVD、そしてCDといった規格種類が異なる少なくとも3種類の光ディスクに対して高性能な互換を実現するためには、例えば、高密度光ディスクに対してNA0.8以上の大きな開口数を備える対物光学素子ユニットであることが要求される上に、それら異なる3種類の光ディスクの保護基板厚の差に起因して発生する球面収差の劣化などを抑制するために必要とされる位相構造などの構造或いは更に温度特性を補償する構造などを持たせながら、それぞれの光ディスクに使用される所定波長の光束に対して光透過率が低下することを抑制し、しかも製造の難易度及び製造コストの増大を抑えることが重要な課題であることを見出した。
本発明は、上述の問題を考慮したものであり、良好な温度特性を有し、それぞれに使用する光源の波長及び保護基板厚が異なる少なくとも3種類の光ディスクに対して情報の記録/再生を適切に行いながらも、製造容易で且つ製造コストも抑えることができる対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求の範囲第1項に記載の対物光学素子ユニットは、波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置の対物光学素子ユニットであって、
それぞれプラスチックを素材とする単一の第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、
前記第1の光学素子は、前記波長λ1の光束に対して温度変化に起因する集光スポットの収差劣化を抑制する第1位相構造と、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第2位相構造と、保護基板の厚さt1,t3の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第3位相構造とを有することを特徴とする。
尚、第2位相構造は、少なくとも保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化抑制する機能を有することが好ましいが、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化抑制及び波長λ1,λ2の差に基づく球面収差劣化を抑制する機能を有することがより好ましい。
また、第1位相構造は、温度が25℃より30℃上昇した際に波長λ1の光束に対して第1光情報記録媒体の情報記録面上での波面収差の変化量を0.1λ1rms以下に抑制する構造であることが好ましい。
また、第1の光学素子が光源側に配置され、第2の光学素子が光情報記録媒体側に配置される対物光学素子ユニットであることが好ましい。
本発明によれば、第1の光学素子と第2の光学素子とをプラスチックから形成することで第2の光学素子をガラスレンズとするときよりもコストが低減できる。又、第1の光学素子と第2の光学素子を用いることで単一の光学素子を用いるときよりも設計の自由度が増える。さらに、第1の光学素子に前記第1〜第3位相構造を設けることで、温度変化に起因した集光スポットの収差劣化を抑えた状態で、異なる3種類の光情報記録媒体の情報記録面上に良好な集光スポット或いは最適な集光スポットを形成することができる。
第1乃至第3の各位相構造は図6〜11に概略的に示すように様々な断面形状をとり得る。図6は鋸歯状である場合であり、図7は全ての段差が同じ方向とされた階段状である場合である。本明細書では、入射光束のうち少なくとも1つの波長の光束に対して所定の位相差を付与することにより、この光束に対して特定の作用を与える構造を「位相構造(又は位相差付与構造)」とし、例えば、図6や図7のように、光軸を含む平面でその断面をみた場合に鋸歯状あるいは光軸方向に沿った階段状となった構造などを指す。また、図8は段差の方向が途中で反対となる階段状である場合、つまり光軸を含む断面形状が、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が長くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が短くなる階段構造(位相差付与構造)、或いは、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が短くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が長くなる階段構造(位相差付与構造)である場合を示している。
また、図9は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンを同心円状に配列し、所定のレベル面の個数毎(図9に示す例ではレベル面の個数は5)に、それぞれのレベル面に対応した段数分(図9に示す例では4段)の高さだけ段をシフトさせた場合を示している。本明細書では、段をシフトさせたことにより形成された構造を、階段、階段状、又は階段構造ともいい、段をシフトさせたシフト量を段差ともいう。尚、1つのパターン中の各レベル面の幅は、同じであっても異なっていても良い。
図6では各鋸歯の向きが同一である場合を示し、図9では断面形状が階段状とされた各パターンの向きが同一である場合を示したが、図10や図11のように、位相反転部PRを有し、位相反転部PRよりも光軸に近い側にある鋸歯と位相反転部PRよりも光軸から遠い側にある鋸歯とで鋸歯の向きが反対の鋸歯や、位相反転部PRよりも光軸に近い側にあるパターンと位相反転部PRよりも光軸から遠い側にあるパターンとで段の向きが反対のパターンを含む構造であってもよい。なお、図6乃至11は、各構造を平面上に形成した場合を示した場合であるが、各構造は球面上或いは非球面上に形成しても良い。また、図9や図11では、所定のレベル面の個数を5としているが、これに限られるものではない。
請求の範囲第2項に記載の対物光学素子ユニットは、波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置の対物光学素子ユニットであって、
それぞれプラスチックを素材とする単一の第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、
前記第1の光学素子は、温度が25℃より30℃上昇した際に前記波長λ1の光束に対して前記第1光情報記録媒体の情報記録面上での波面収差の変化量を0.1λ1rms以下に抑制する第1位相構造と、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第2位相構造と、保護基板の厚さt1,t3の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第3位相構造とを有することを特徴とする。
本発明によれば、第1の光学素子と第2の光学素子とをプラスチックから形成することでコストを低減している。又、前記第1〜第3位相構造を設けることで、温度変化に起因した集光スポットの収差劣化を抑えた状態で、異なる3種類の光情報記録媒体の情報記録面上に良好な集光スポット或いは最適な集光スポットを形成することができる。
請求の範囲第3項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項に記載の発明において、前記第1位相構造と、前記第2位相構造と、前記第3位相構造とのうち少なくとも2つは、一つの光学面に重畳されていることを特徴とする。「重畳」とは、文字通り重ね合わせるという意味である。本明細書において、第1位相構造と第2位相構造がそれぞれ他の光学面に設けられている場合や、第1位相構造と第2位相構造とが同一の光学面にあったとしても、それぞれ異なる領域に設けられており、重なる領域が一切ない場合は、本明細書における重畳ではない。また、少なくとも2つの位相構造が重畳していればよく、更に他の位相構造を重畳してもよい。例えば、第1位相構造、第2位相構造に加えて、第3位相構造を更に重畳させてもよい。
なお、第1位相構造、第2位相構造などの位相構造は、光軸方向から見た場合、光軸を中心とした同心円状の構造となっていることが好ましい。
また、第1位相構造、第2位相構造は、ブレーズ型形状が周期的に繰り返されている構造であることが好ましい。ここで、ブレーズ型形状とは、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に示されるように、光学素子の光軸を含む断面形状が鋸歯状の形状となっていることであり、別の言い方としては、ベース面位相構造が、ベース面(例えば図1、2に示すB)に対して直角でも平行でもない斜めの面Cと、斜めの面Cとベース面Bとに交差する段差Dとを有するということである。尚、ベース面とは、第1の光学素子が、平板型の場合は平板面をいい、レンズの場合は位相構造の包絡面をいう。又、「ブレーズ型形状が周期的に繰り返されている」とは、同一のブレーズ型形状が同一の周期で繰り返されている形状は当然含む。さらに、周期の一単位となるブレーズ型形状が、規則性を持って、周期が徐々に長くなったり、徐々に短くなったりする形状も、「ブレーズ型形状が周期的に繰り返されている」ものに含まれているとする。
位相構造がブレーズ型形状を有する場合、単位形状である三角形(斜めの面が曲面である場合を含む)が繰り返された形状となる。同一の三角形が繰り返されてもよいし、光軸から離れるにつれて徐々に三角形の大きさが大きくなっていく形状、又は、小さくなっていく形状であってもよい。但し、三角形の大きさが徐々に変化する場合であっても、三角形において、光軸方向(又は通過する光線の方向)の長さはほとんど変化しないことが好ましい。なお、ブレーズ型形状において、一つの三角形の光軸方向の長さ(三角形を通過する光線の方向の長さとしてもよい)を、ピッチ深さといい、一つの三角形のベース面に沿った方向の長さをピッチ幅という。
また、第1位相構造、第2位相構造を重畳させてなる重畳構造の形状において、第1位相構造、第2位相構造のブレーズ型形状の名残が残っていてもよい。別の言い方をすると、第1位相構造、第2位相構造を重畳させてなる重畳構造が、光学素子の重畳構造が設けられているベース面に対して直角でもなく平行でもない、斜めの面を有していてもよい。
また、第1位相構造、第2位相構造の中で、より大きなピッチ幅(もしくは周期の幅)を有するブレーズ型形状の位相構造(図1、2(a)参照)と、それに比して小さなピッチ幅(もしくは周期の幅)を有するブレーズ型形状の位相構造(図1、2(b)参照)の少なくとも二つの位相構造について、当該二つの位相構造を重畳させる際に、大きなピッチ幅(もしくは周期幅)を有する位相構造(即ち第1位相構造)の段差(図1でベース面Bに対してほぼ直角な面D)の位置の少なくとも一つが、小さなピッチ幅(もしくは周期幅)を有する位相構造(即ち第2位相構造)の段差Dの位置と一致しても、しなくてもよい。第1位相構造の全ての段差Dの位置が、第2位相構造の段差Dの位置と一致するように重畳された光路差付与構造の例を図1(c)に示す。なお、第1位相構造のブレーズ型形状の三角形と第2位相構造のブレーズ型形状の三角形が、互いに相似形である場合は、図1(c)の左側の構造や、図7に示す構造のように、ベース面に対し平行な面を有し、ベース面に対して斜めの面を有さない。一方で、第1位相構造のブレーズ型形状の三角形と第2位相構造のブレーズ型形状の三角形が、互いに相似形でない場合、即ち非相似である場合は、第1位相構造の全ての段差Dの位置が、第2位相構造の段差Dの位置と一致するように重畳したとしても、図1(c)の右側の構造に示されるように、ベース面に対して斜めの面を残すこと、即ち、ブレーズ型形状の名残を残すことが可能となる。これに対し、第1位相構造の段差Dの位置と少なくとも一つの第2位相構造の段差Dの位置が一致しないようにすることにより、更に好ましくは第1位相構造(図2(a))の周期が、第2位相構造(図2(b))の周期の整数倍に一致しないように、互いの段差Dの位置をずらすことにより、図2(c)に示すようなブレーズ型形状の名残を残すことが可能となる。
請求の範囲第4項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第3項に記載の発明において、前記第1位相構造と前記第2位相構造とは、前記第1の光学素子の光源側の光学面に重畳されていることを特徴とする。
請求の範囲第5項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の発明において、前記第3の光情報記録媒体に対するワーキングディスタンスWD3は、以下の(1)式を満足し、更に前記波長λ1の光束に対する前記第1の光学素子の近軸パワーをp1とし、前記波長λ1の光束に対する前記第2の光学素子の近軸パワーをp2としたときに、以下の(2)式を満足することを特徴とする。
0.20(mm)≦WD3≦0.50(mm) (1)
0<p1/p2≦0.30 (2)
p1/p2が(2)式の下限を上回るように、前記第1の光学素子にパワーを持たせると、温度変化に起因して生じる球面収差劣化を抑制しやすいというメリットがある。一方、前記第1の光学素子にパワーを持たせすぎると、前記第3光情報記録媒体に対するワーキングディスタンスWD3が短くなる恐れがある。そこで、p1/p2を(2)式の上限以下とすることで、(1)式に示すような範囲内でワーキングディスタンスWD3を設定できる。
尚、以下の(2’)式を満たすとより好ましい。
0.03<p1/p2≦0.30 (2’)
請求の範囲第6項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の発明において、前記波長λ1の光束に対する前記第1の光学素子の近軸パワーをp1とし、前記波長λ1の光束に対する前記第2の光学素子の近軸パワーをp2としたときに、以下の(3)式を満足することを特徴とする。
p1/p2=0 (3)
(3)式に示すように、前記第1の光学素子にパワーを持たせない(例えば平行平板とした)場合、前記第1の光学素子を傾けた状態で設置したほうが好ましい。
請求の範囲第7項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の発明において、前記第2の光学素子の光学面は屈折面のみからなることを特徴とするので、前記第2の光学素子の光学面に位相構造を設けた場合と比較し、設計が容易であり、対物光学素子ユニットのコストを低減できると共に、光の利用効率を高めることができる。
請求の範囲第8項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の発明において、前記第1位相構造の光軸を含む断面形状は、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が長くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が短くなる位相差付与構造、或いは、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が短くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が長くなる位相差付与構造であることを特徴とする。
請求の範囲第8項のように決定された第1位相構造の輪帯構造による温度収差の補正の原理を説明する。図3中の線(A)は、非球面である2つの光学面を有する単レンズの、設計基準温度から温度が上昇した場合の波面の様子を表すものであり、横軸が光学面の有効半径を表し、縦軸が光路差を表す。単レンズは、温度上昇に伴う屈折率変化の影響で球面収差が発生し、線(A)のように波面が変化する。特に単レンズが樹脂製の場合、温度変化に伴う屈折率変化が大きいため、球面収差の発生量は大きくなる。
また、線(B)は、請求の範囲第8項のように決定された輪帯構造により透過波面に付加される光路差であり、線(C)は、設計基準温度から温度が上昇した場合の、かかる輪帯構造と単レンズとを透過した波面の様子を表す図である。線(B)及び線(C)から、かかる輪帯構造を透過した波面と、設計基準温度から温度が上昇した場合の単レンズの波面とが打ち消しあうことで、光ディスクの情報記録面上に集光されたレーザ光の波面は、巨視的にみると光路差のない良好な波面となり、かかる輪帯構造により単レンズの温度収差が補正されることが理解できる。
請求の範囲第9項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第8項に記載の発明において、前記第1位相構造の前記所定の高さの位置での位相と同位相となる領域が、前記第1光束の有効光束径の70%の位置を含むことを特徴とする。
温度変化に伴う波面の変化は、有効光束径の70%付近で最大となるので、請求の範囲第3項のように位相構造の折り返し地点である輪帯、即ち所定の高さの位置での位相(光路差)と同位相を持つ領域が有効光束径の70%の位置を含むように設定すると、温度特性改善の効果を最も期待できる。
請求の範囲第10項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の発明において、前記第1位相構造は、前記波長λ1の光束が入射したときに、x次の出射光の光強度を他のいかなる次数の出射光の光強度よりも大きくし、前記波長λ2の光束が入射したときに、y次の出射光の光強度を他のいかなる次数の出射光の光強度よりも大きくする位相構造であり、下記の式(4)を満たすことを特徴とする。
0.9・(x・λ1)/(n1−1) ≦(y・λ2)/(n2−1)≦ 1.2・(x・λ1)/(n1−1) (4)
但し、xは0以外の整数を指し、yは0以外の整数を指し、n1は前記第1の光学素子の前記波長λ1における屈折率を指し、n2は前記第1の光学素子の前記波長λ2における屈折率を指す。
請求の範囲第10項に記載の発明によれば、式(4)をみたすことで、前記第1の光学素子は前記波長λ1と前記波長λ2に対して高い透過率を確保できるため、第1光情報記録媒体と第2光情報記録媒体への記録/再生速度の高速化が可能となる。
請求の範囲第11項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載の発明において、前記第2位相構造は、前記第1光束及び前記第3光束を回折せず、前記第2光束を回折する回折構造であることを特徴とする。
前記第2位相構造を第2光束のみを選択的に回折する回折構造とすることで、第2光束に対する収差を独立に制御することが可能となり、第1情報記録媒体と第2情報記録媒体の両方に対して良好な集光特性が得られる。
請求の範囲第12項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第11項に記載の発明において、前記第2位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された階段構造であって、所定のレベル面の個数A毎に、それぞれのレベル面に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であることを特徴とする。
請求の範囲第12項に記載の発明によれば、請求の範囲第11項にあるような回折特性を第2位相構造に持たせることが可能になる。
請求の範囲第13項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第12項に記載の発明において、前記所定のレベル面の個数Aは、4、5、6の何れかであることを特徴とする。
請求の範囲第13項に記載の発明によれば、3つの光束に対して高い透過率が確保できる。なお、3つの光束に透過率を最も高く確保するためには、所定のレベル面の個数Aを5とするのがより好ましい。
請求の範囲第14項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第12項又は第13項に記載の発明において、前記階段の1つの段差により生じる光路差は前記波長λ1の1.9倍以上2.1倍以下であることを特徴とする。
請求の範囲第14項に記載の発明によれば、3つの光束に対して高い透過率が確保できる。
請求の範囲第15項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第14項のいずれかに記載の発明において、前記第3位相構造は、前記第1光束及び前記第2光束を回折せず、前記第3光束を回折する回折構造であることを特徴とする。
請求の範囲第15項に記載の発明によれば、前記第3位相構造を第3光束のみを選択的に回折する回折構造とすることで、第3光束に対する収差を独立に制御することが可能となり、第1情報記録媒体と第3情報記録媒体の両方に対して良好な集光特性が得られる。
請求の範囲第16項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第15項に記載の発明において、前記第3位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された階段構造であって、所定のレベル面の個数B毎に、それぞれのレベル面に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であることを特徴とする。なお、Bは2であることが好ましい。
請求の範囲第16項に記載の発明によれば、請求の範囲第15項にあるような回折特性を第3位相構造に持たせることが可能になる。
請求の範囲第17項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第15項又は第16項に記載の発明において、前記階段構造の1つの段差により生じる光路差は前記波長λ1の4.9倍以上5.1倍以下であることを特徴とする。
請求の範囲第17項に記載の発明によれば、記録/再生速度の高速化が要求される第1光情報記録媒体と第2光情報記録媒体とに対して高い透過率を確保できる。そして、請求の範囲第17項のように、階段の1つの段差により生じる光路差を波長λ1のほぼ5倍にすることで、この効果がより顕著となる。
請求の範囲第18項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の発明において、前記第1位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、10次回折光の光強度が最も高くなり、前記第1位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、6次回折光の光強度が最も高くなり、前記第1位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、5次回折光の光強度が最も高くなり、
前記第2位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、2次回折光の光強度が最も高くなり、前記第2位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなり、前記第2位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなり、
前記第3位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、0次回折光の光強度が最も高くなり、前記第3位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、0次回折光の光強度が最も高くなり、前記第3位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなることを特徴とする。
請求の範囲第19項に記載の対物光学素子ユニットは、請求の範囲第1項〜第18項のいずれかに記載の発明において、前記第2位相構造は、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化及び波長λ1,λ2の差に基づく球面収差劣化を抑制する構造であることを特徴とする。
請求の範囲第20項に記載の光ピックアップ装置は、波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっていることを特徴とする。
本明細書においては、高密度光ディスクの例としては、NA0.85の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.1mm程度である規格の光ディスク(例えば、BD:ブルーレイディスク)が挙げられる。また、高密度光ディスクには、情報記録面上に数〜数十nm程度の厚さの保護膜(本明細書では、保護基板は保護膜も含むものとする)を有する光ディスクや、保護基板の厚さが0の光ディスクも含まれる。更に、本明細書においては、DVDとは、NA0.60〜0.67程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが0.6mm程度であるDVD系列光ディスクの総称であり、DVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW等を含む。また、本明細書においては、CDとは、NA0.45〜0.51程度の対物レンズにより情報の記録/再生が行われ、保護基板の厚さが1.2mm程度であるCD系列光ディスクの総称であり、CD−ROM、CD−Audio、CD−Video、CD−R、CD−RW等を含む。尚、記録密度については、高密度光ディスクの記録密度が最も高く、次いでDVD、CDの順に低くなる。
なお、保護基板の厚さt1、t2、t3に関しては、以下の条件式を満たすことが好ましいが、これに限られない。
0.070mm≦t1≦0.125mm
0.5mm≦t2≦0.7mm
0.8mm≦t3≦1.3mm
なお、保護基板の厚さt1、t3は、
0.0750mm≦t1≦0.125mm
1.0mm≦t3≦1.3mm
であることが好ましい。
本明細書において、第1光源、第2光源、第3光源は、好ましくはレーザ光源である。レーザ光源としては、好ましくは半導体レーザ、シリコンレーザ等を用いることが出来る。
また、第1光ディスク、第2光ディスク、第3光ディスクとして、それぞれ、BD、DVD及びCDが用いられる場合、第1光源の波長λ1は好ましくは、350nm以上、440nm以下、より好ましくは、380nm以上、415nm以下であって、第2光源の波長λ2は好ましくは570nm以上、680nm以下、より好ましくは630nm以上、670nm以下であって、第3光源の波長λ3は好ましくは、750nm以上、880nm以下、より好ましくは、760nm以上、820nm以下である。
また、第1光源、第2光源、第3光源のうち少なくとも2つの光源をユニット化してもよい。ユニット化とは、例えば第1光源と第2光源とが1パッケージに固定収納されているようなものをいうが、これに限られず、2つの光源が収差補正不能なように固定されている状態を広く含むものである。また、光源に加えて、後述する受光素子を1パッケージ化してもよい。
光情報記録媒体からの反射光を受光する受光素子としては、フォトダイオードなどの光検出器が好ましく用いられる。光ディスクの情報記録面上で反射した光が受光素子へ入射し、その出力信号を用いて、各光ディスクに記録された情報の読み取り信号が得られる。さらに、受光素子上の集光スポットの形状変化、位置変化による光量変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行い、この検出に基づいて、合焦、トラッキングのために対物光学素子ユニットを移動させることが出来る。受光素子は、複数の光検出器からなっていてもよい。受光素子は、メインの光検出器とサブの光検出器を有していてもよい。例えば、情報の記録再生に用いられるメイン光を受光する光検出器の両脇に2つのサブの光検出器を設け、当該2つのサブの光検出器によってトラッキング調整用のサブ光を受光するような受光素子としてもよい。また、受光素子は各光源に対応した複数の受光素子を有していてもよい。
集光光学系は、対物光学素子ユニットのみを有していても良いが、その他にコリメーターレンズ等のカップリングレンズや、光学機能を有する平板光学素子等、他の光学素子を有していてもよい。なお、カップリングレンズとは、対物光学素子ユニットと光源の間に配置され、光束の発散角を変える単レンズ又はレンズ群のことをいう。更に集光光学系は、光源から射出された光束を、情報の記録再生に用いられるメイン光束と、トラッキング等に用いられる二つのサブ光束とに分割する回折光学素子などの光学素子を有していてもよい。本明細書において、対物光学素子ユニットとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系を指す。好ましくは、対物光学素子ユニットとは、光ピックアップ装置において光ディスクに対向する位置に配置され、光源から射出された光束を光ディスクの情報記録面上に集光する機能を有する光学系であって、更に、アクチュエータにより少なくとも光軸方向に一体的に変位可能とされた光学系を指す。
本発明によれば、良好な温度特性を有し、それぞれに使用する光源の波長及び保護基板厚が異なる少なくとも3種類の光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を適切に行いながらも、製造容易で且つ製造コストも抑えることができる光ピックアップ装置用の対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置を提供することができる。
第1位相構造(a)と、第2位相構造(b)とを、段差の位置を一致させて重畳させた位相差付与構造(c)を示す図である。 第1位相構造(a)と、第2位相構造(b)とを、段差の位置をずらして重畳させた位相差付与構造(c)を示す図である。 第1位相構造の輪帯構造による温度収差の補正の原理を説明するためのグラフである。 本発明に係る光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。 本発明に係る対物光学素子ユニットOLの一例を模式的に示す断面図である。 位相構造の例を示す図である。 位相構造の例を示す図である。 位相構造の例を示す図である。 位相構造の例を示す図である。 位相構造の例を示す図である。 位相構造の例を示す図である。
符号の説明
AC1 2軸アクチュエータ
AC2 1軸アクチュエータ
B ベース面
C 斜めの面
C1 中央領域
C2 周辺領域
C3 中央領域
C4 周辺領域
CL コリメート光学系
D 段差
DOE1 第1回折構造
DOE2 第2回折構造
DOE3 第3回折構造
L ブレーズ寸法
L1 収差補正素子
L2 集光素子
LD1 青紫色半導体レーザ
LD2 赤色半導体レーザ
LD3 赤外半導体レーザ
ML ミラー
OL 対物光学素子ユニット
P1 プリズム
P2 プリズム
P3 プリズム
PD 光検出器
PL1 保護基板
PL2 保護基板
PL3 保護基板
PU 光ピックアップ装置
RL1 情報記録面
RL2 情報記録面
RL3 情報記録面
SE センサー光学系
STO 絞り
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。まず、図4を用いて本発明による対物光学素子ユニットを用いた光ピックアップ装置について説明する。図4は、高密度光情報記録媒体BD(第1光情報記録媒体)とDVD(第2光情報記録媒体)とCD(第3光情報記録媒体)との何れに対しても適切に情報の記録・再生を行える光ピックアップ装置PUの構成を概略的に示す図である。BDの仕様は、第1波長λ1=405nm、保護基板PL1の厚さt1=0.1mm、開口数NA1=0.85であり、DVDの仕様は、第2波長λ2=655nm、保護基板PL2の厚さt2=0.6mm、開口数NA2=0.65であり、CDの仕様は、第3波長λ3=785nm、保護基板PL3の厚さt3=1.2mm、開口数NA3=0.51である。但し、波長、保護基板の厚さ、及び開口数の組合せはこれに限られない。
光ピックアップ装置PUは、BD用の青紫色半導体レーザLD1(第1光源)、DVD用の赤色半導体レーザLD2(第2光源)、CD用の赤外半導体レーザLD3(第3光源)、BD/DVD/CD共用の光検出器PD、対物光学素子ユニットOL、コリメート光学系CL、2軸アクチュエータAC1、1軸アクチュエータAC2、第1プリズムP1、第2プリズムP2、第3プリズムP3、立上げミラーML、各光ディスクの情報記録面からの反射光束に対して非点収差を付加するためのセンサー光学系SEとから構成されている。尚、BD用の光源として、青紫色SHGレーザを使用しても良い。
光ピックアップ装置PUにおいて、BDに対して情報の記録/再生を行う場合には、コリメート光学系CLから青紫色レーザ光束が平行光束の状態で射出されるように、1軸アクチュエータAC2によりコリメート光学系CLの位置を光軸方向に調整した後、青紫色半導体レーザLD1を発光させる。青紫色半導体レーザLD1から射出された発散光束は、図4において実線でその光線経路を描いたように、第1プリズムP1により反射された後、第2プリズムP2、及び第3プリズムP3を順に透過し、コリメート光学系CLにより平行光束に変換される。その後、立上げミラーMLにより反射された後、絞りSTOにより光束径が規制され、対物光学素子ユニットOLによってBDの保護基板PL1を介して情報記録面RL1上に形成される集光スポットとなる。対物光学素子ユニットOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。なお、対物光学素子ユニットOLについての詳しい説明は後述する。
情報記録面RL1で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子ユニットOLを透過した後、立上げミラーMLにより反射され、コリメート光学系CLを通過する際に収斂光束となる。その後、第3プリズムP3、第2プリズムP2及び第1プリズムP1を順に透過した後、センサー光学系SEにより非点収差が付加され、光検出器PDの受光面上に収束する。光検出器PDの出力信号を用いてBDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PUにおいて、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合には、コリメート光学系CLから赤色レーザ光束が平行光束の状態で射出されるように、1軸アクチュエータAC2によりコリメート光学系CLの位置を光軸方向に調整した後、赤色半導体レーザLD2を発光させる。赤色半導体レーザLD2から射出された発散光束は、図4において破線でその光線経路を構いたように、第2プリズムP2により反射された後、第3プリズムP3を透過し、コリメート光学系CLにより平行光束に変換される。その後、立上げミラーMLにより反射された後、対物光学素子ユニットOLによってDVDの保護基板PL2を介して情報記録面RL2上に形成される集光スポットとなる。対物光学素子ユニットOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子ユニットOLを透過した後、立上げミラーMLにより反射され、コリメート光学系CLを通過する際に収斂光束となる。その後、第3プリズムP3、第2プリズムP2及び第1プリズムP1を順に透過した後、センサー光学系SEにより非点収差が付加され、光検出器PDの受光面上に収束する。光検出器PDの出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
また、光ピックアップ装置PUにおいて、CDに対して情報の記録/再生を行う場合には、コリメート光学系CLから赤外レーザ光束が平行光束の状態で射出されるように、1軸アクチュエータAC2によりコリメート光学系CLの位置を光軸方向に調整した後、赤外半導体レーザLD3を発光させる。赤外半導体レーザLD3から射出された発散光束は、図4において一点鎖線でその光線経路を描いたように、第3プリズムP3により反射された後、コリメート光学系CLにより平行光束に変換される。その後、立上げミラーMLにより反射された後、対物光学素子ユニットOLによってCDの保護基板PL3を介して情報記録面RL3上に形成される集光スポットとなる。対物光学素子ユニットOLは、その周辺に配置された2軸アクチュエータAC1によってフォーカシングやトラッキングを行う。
情報記録面RL2で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子ユニットOLを透過した後、立上げミラーMLにより反射され、コリメート光学系CLを通過する際に収斂光束となる。その後、第3プリズムP3、第2プリズムP2及び第1プリズムP1を順に透過した後、センサー光学系SEにより非点収差が付加され、光検出器PDの受光面上に収束する。光検出器PDの出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
光ピックアップ装置PUでは、コリメート光学系CLを1軸アクチュエータAC2により光軸方向に駆動させることで、BD使用時の球面収差を補正できる。かかる球面収差補正機構により、青紫色半導体レーザLD1の製造誤差による波長ばらつき、温度変化に伴う対物光学系の屈折率変化や屈折率分布、多層ディスクの情報記録層間のフォーカスジャンプ、保護基板PL1の製造誤差による厚さばらつきや厚み分布等に起因する球面収差を補正可能である。尚、この球面収差補正機構により、DVD使用時やCD使用時の球面収差を補正しても良い。
次に、対物光学素子ユニットOLの構成について説明する。図5に、本発明による対物光学素子ユニットOLの構成を概略的に示す。対物光学素子ユニットOLは、レーザ光源側から順に配置された収差補正素子(第1の光学素子)L1と集光素子(第2の光学素子)L2が、鏡筒(保持部材)HLを介して光軸Xを中心とした同軸となるように保持された構成を有する。
収差補正素子L1はアッベ数50以上60以下のプラスチック製であって、光ディスク側の光学面は、開口数NA3内に相当する中央領域C1と、開口数NA3〜開口数NA1に相当する周辺領域C2とに分割されており、レーザ光源側の光学面は、開口数NA2内に相当する中央領域C3と、開口数NA2〜開口数NA1に相当する周辺領域C4とに分割されている。
光ディスク側の光学面の中央領域C1には、第1回折構造DOE1が形成されており、周辺領域C2には、第3回折構造DOE3が形成されている。第1回折構造DOE1は第1位相構造と第3位相構造の重畳構造からなり、第3回折構造DOE3は第3位相構造のみからなる。第1位相構造は温度変化に起因する集光スポットの収差劣化を抑制するものであり、第3位相構造は保護基板PL1と保護基板PL3の厚さの違いに起因する球面収差を補正するためのものである。
また、レーザ光源側の光学面の中央領域C3には、第2回折構造(光路差付与構造ともいう)DOE2が形成されており、周辺領域C4は、回折構造や位相構造などの微細構造が形成されない平面となっている。第2回折構造DOE2は、保護基板PL1と保護基板PL2の厚さの違い及び青紫色レーザ光と赤色レーザ光の波長差に起因する球面収差を補正する第2位相構造からなる。第1位相構造と、第2位相構造と、第3位相構造の具体的な回折次数は、それぞれ(10,6,5)、(0,1,0)、(0,0、1)である。
尚、第1位相構造と第3位相構造とを重畳した第1回折構造DOE1を設けることなく、第1回折構造DOE1の領域に第1位相構造のみを設け、第2回折構造DOE2で第2位相構造と第3位相構造とを重畳させて3つの異なる光ディスクの保護基板厚の差に起因する球面収差を補正する場合、その第1位相構造として、波長λ1の光束が通過したとき、5(=u)次回折光が最も光強度が高くなり、波長λ2の光束が通過したとき、3(=v)次回折光が最も光強度が高くなり、波長λ3の光束が通過したとき、2(=w)次回折光が最も光強度が高くなるように、段差Dの値、及び一つのブレーズの光軸直交方向の寸法(ピッチ幅P)を決定すればよい。又、第1回折構造DOE1を、第2回折構造DOE2に重畳しても良い。
また、第1位相構造は、収差補正素子L1の光源側の光学面に設けても良いし、光ディスク側の光学面に設けても良い。また第1位相構造は、波長λ1の光束が通過したとき、2次(=u)回折光が最も光強度が高くなり、波長λ2の光束が通過したとき、1次(=v)回折光が最も光強度が高くなり、波長λ3の光束が通過したとき、1次(=w)回折光が最も光強度が高くなるようにしても良く、以上のように、(u,v,w)は、(10,6,5)、(5,3,2)、(2,1,1)のいずれであっても良い。
また更に、第1位相構造と第2位相構造とは、収差補正素子L1の光源側の光学面に重畳することがより好ましい。第2位相構造の回折次数としては、波長λ1の光束が通過したとき、0次回折光が最も光強度が高くなり、波長λ2の光束が通過したとき、1次回折光が最も光強度が高くなり、波長λ3の光束が通過したとき、0次回折光が最も光強度が高くなる(0,1,0)であることが好ましい。
第1位相構造の光軸を含む断面形状は、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が長くなり、光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が短くなる位相差付与構造、或いは、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が短くなり、光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が長くなる位相差付与構造であると好ましい。
第1位相構造の所定の高さの位置での位相と同位相となる領域が、波長λ1の光束の有効光束径の70%の位置を含むと好ましい。
第2位相構造は、波長λ1光束及び波長λ3の光束を回折せず、波長λ2の光束を回折する回折構造であることが好ましい。この具体的な回折次数としては、(0,1,0)であることが好ましい。
第2位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された構造であって、所定のレベル面の個数A毎に、そのレベル面数に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であると好ましい。
所定のレベル面の個数Aは、4、5、6の何れかであると好ましい。
階段の1つの段差により生じる光路差は波長λ1の2倍であると好ましい。
第3位相構造は、波長λ1の光束及び波長λ2の光束を回折せず、第3光束を回折する回折構造であると好ましい。この具体的な回折次数としては、(0,0、1)であることが好ましい。
第3位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された構造であって、所定のレベル面の個数B毎に、そのレベル面数に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であると好ましい。
階段の1つの段差により生じる光路差は波長λ1の5倍であると好ましい。
図4の光ピックアップ装置に用いることができる実施例について説明する。以下の実施例1,2は何れも第1位相構造と第2位相構造とを第1光学素子の光源側の光学面に重畳した例である。また第3位相構造は第1光学素子の光ディスク側の光学面に形成した例である。なお、これ以降において、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、E(例えば、2.5E−3)を用いて表すものとする。
対物レンズの光学面は、それぞれ数1式に、表に示す係数を代入した数式で規定される、光軸の周りに軸対称な非球面に形成されている。
ここで、X(h)は光軸方向の非球面の座標軸(光の進行方向を正とする)、κは円錐係数、A2iは非球面係数、hは光軸からの高さ、rは非球面の光軸上の曲率半径である。
また、回折構造により各波長の光束に対して与えられる光路長は、数2式の光路差関数に、表に示す係数を代入した数式で規定される。
尚、λは入射光束の波長、λBは製造波長(ブレーズ化波長)、dorは回折次数、C2iは光路差関数の係数である。
(実施例1)
以下の表1及び表2に、実施例1のレンズデータを示す。実施例1においては、設計波長であるλ1=408nmに対して、第1の光学素子はパワーを持っていない。実施例1において、温度が設計基準温度である25℃から30℃上昇した場合の収差変化量は、10次/6次/5次回折構造のない比較例の場合は165mλrmsなのに対して、10次/6次/5次回折構造のある本実施例の場合は38mλrmsとなる。但し、温度変化によるレーザ波長シフト量を+0.05nm/℃とし、材料屈折率変化量を−9×10−5/℃としている。
(実施例2)
以下の表3及び表4に、実施例2のレンズデータを示す。実施例2においては、設計波長であるλ1=408nmに対して、第1の光学素子はパワーを持っている。実施例2において、温度が設計基準温度である25℃よりも30℃上昇した場合の収差変化量は、10次/6次/5次回折構造のない比較例の場合は87λrmsなのに対して、10次/6次/5次回折構造のある本実施例の場合は9mλrmsとなる。但し、温度変化によるレーザ波長シフト量を+0.05nm/℃とし、材料屈折率変化量を−9×10−5/℃としている。

Claims (20)

  1. 波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置の対物光学素子ユニットであって、
    それぞれプラスチックを素材とする単一の第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、
    前記第1の光学素子は、前記波長λ1の光束に対して温度変化に起因する集光スポットの収差劣化を抑制する第1位相構造と、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第2位相構造と、保護基板の厚さt1,t3の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第3位相構造とを有することを特徴とする対物光学素子ユニット。
  2. 波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっている光ピックアップ装置の対物光学素子ユニットであって、
    それぞれプラスチックを素材とする単一の第1の光学素子と第2の光学素子とを有し、
    前記第1の光学素子は、温度が25℃より30℃上昇した際に前記波長λ1の光束に対して前記第1光情報記録媒体の情報記録面上での波面収差の変化量を0.1λ1rms以下に抑制する第1位相構造と、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第2位相構造と、保護基板の厚さt1,t3の差に起因して生じる球面収差劣化を抑制する第3位相構造とを有することを特徴とする対物光学素子ユニット。
  3. 前記第1位相構造と、前記第2位相構造と、前記第3位相構造とのうち少なくとも2つは、一つの光学面に重畳されていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の対物光学素子ユニット。
  4. 前記第1位相構造と前記第2位相構造とは、前記第1の光学素子の光源側の光学面に重畳されていることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の対物光学素子ユニット。
  5. 前記第3の光情報記録媒体に対するワーキングディスタンスWD3は、以下の(1)式を満足し、更に前記波長λ1の光束に対する前記第1の光学素子の近軸パワーをp1とし、前記波長λ1の光束に対する前記第2の光学素子の近軸パワーをp2としたときに、以下の(2)式を満足することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
    0.20(mm)≦WD3≦0.50(mm) (1)
    0<p1/p2≦0.30 (2)
  6. 前記波長λ1の光束に対する前記第1の光学素子の近軸パワーをp1とし、前記波長λ1の光束に対する前記第2の光学素子の近軸パワーをp2としたときに、以下の(3)式を満足することを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
    p1/p2=0 (3)
  7. 前記第2の光学素子の光学面は屈折面のみからなることを特徴とする請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  8. 前記第1位相構造の光軸を含む断面形状は、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が長くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が短くなる位相差付与構造、或いは、光軸から所定の高さまでは、光軸から離れるに従って光路長が短くなり、前記光軸から所定の高さ以降は、光軸から離れるに従って光路長が長くなる位相差付与構造であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  9. 前記第1位相構造の前記所定の高さの位置での位相と同位相となる領域が、前記第1光束の有効光束径の70%の位置を含むことを特徴とする請求の範囲第8項に記載の対物光学素子ユニット。
  10. 前記第1位相構造は、前記波長λ1の光束が入射したときに、x次の出射光の光強度を他のいかなる次数の出射光の光強度よりも大きくし、前記波長λ2の光束が入射したときに、y次の出射光の光強度を他のいかなる次数の出射光の光強度よりも大きくする位相構造であり、下記の式(4)を満たすことを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
    0.9・(x・λ1)/(n1−1)≦(y・λ2)/(n2−1)≦1.2・(x・λ1)/(n1−1) (4)
    但し、xは0以外の整数を指し、yは0以外の整数を指し、n1は前記第1の光学素子の前記波長λ1における屈折率を指し、n2は前記第1の光学素子の前記波長λ2における屈折率を指す。
  11. 前記第2位相構造は、前記第1光束及び前記第3光束を回折せず、前記第2光束を回折する回折構造であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第10項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  12. 前記第2位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された階段構造であって、所定のレベル面の個数A毎に、それぞれのレベル面に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であることを特徴とする請求の範囲第11項に記載の対物光学素子ユニット。
  13. 前記所定のレベル面の個数Aは、4、5、6の何れかであることを特徴とする請求の範囲第12項に記載の対物光学素子ユニット。
  14. 前記階段構造の1つの段差により生じる光路差は前記波長λ1の1.9倍以上2.1倍以下であることを特徴とする請求の範囲第12項又は第13項に記載の対物光学素子ユニット。
  15. 前記第3位相構造は、前記第1光束及び前記第2光束を回折せず、前記第3光束を回折する回折構造であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第14項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  16. 前記第3位相構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンが同心円状に配列された階段構造であって、所定のレベル面の個数B毎に、それぞれのレベル面に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた構造であることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の対物光学素子ユニット。
  17. 前記階段構造の1つの段差により生じる光路差は前記波長λ1の4.9倍以上5.1倍以下であることを特徴とする請求の範囲第15項又は第16項に記載の対物光学素子ユニット。
  18. 前記第1位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、10次回折光の光強度が最も高くなり、前記第1位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、6次回折光の光強度が最も高くなり、前記第1位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、5次回折光の光強度が最も高くなり、
    前記第2位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、2次回折光の光強度が最も高くなり、前記第2位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなり、前記第2位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなり、
    前記第3位相構造を通過した前記波長λ1の光束は、0次回折光の光強度が最も高くなり、前記第3位相構造を通過した前記波長λ2の光束は、0次回折光の光強度が最も高くなり、前記第3位相構造を通過した前記波長λ3の光束は、1次回折光の光強度が最も高くなることを特徴とする請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  19. 前記第2位相構造は、保護基板の厚さt1,t2の差に起因して生じる球面収差劣化及び波長λ1,λ2の差に基づく球面収差劣化を抑制する構造であることを特徴とする請求の範囲第1項〜第18項のいずれかに記載の対物光学素子ユニット。
  20. 波長λ1の光束を出射する第1光源と、波長λ2(λ1<λ2)の光束を出射する第2光源と、波長λ3(λ2<λ3)の光束を出射する第3光源と、請求の範囲第1項〜第19項のいずれかに記載の対物光学素子ユニットを含む集光光学系とを有し、前記集光光学系が、前記第1光源からの光束を、厚さt1の保護基板を介して第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、また前記第2光源からの光束を、厚さt2(t1<t2)の保護基板を介して第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっており、更に前記第3光源からの光束を、厚さt3(t2<t3)の保護基板を介して第3光情報記録媒体の情報記録面に集光させることによって、情報の記録及び/又は再生を行うことが可能となっていることを特徴とする光ピックアップ装置。
JP2008538630A 2006-10-12 2007-09-27 対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置 Pending JPWO2008044475A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006278381 2006-10-12
JP2006278381 2006-10-12
PCT/JP2007/068795 WO2008044475A1 (fr) 2006-10-12 2007-09-27 Unité d'élément optique objectif et dispositif de capture optique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008044475A1 true JPWO2008044475A1 (ja) 2010-02-04

Family

ID=39282686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008538630A Pending JPWO2008044475A1 (ja) 2006-10-12 2007-09-27 対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2008044475A1 (ja)
WO (1) WO2008044475A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8023389B2 (en) * 2009-05-07 2011-09-20 Konica Minolta Opto, Inc. Objective lens, optical pickup apparatus, and optical information recording reproducing apparatus
JPWO2011132691A1 (ja) * 2010-04-23 2013-07-18 コニカミノルタ株式会社 光ピックアップ装置用の対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP2013145609A (ja) * 2010-04-23 2013-07-25 Konica Minolta Advanced Layers Inc 光ピックアップ装置用の対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP2013149303A (ja) * 2010-04-28 2013-08-01 Konica Minolta Advanced Layers Inc 光ピックアップ装置用の対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005174416A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Konica Minolta Opto Inc 回折光学素子、対物光学系、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
JP4400326B2 (ja) * 2004-06-14 2010-01-20 コニカミノルタオプト株式会社 光ピックアップ光学系、光ピックアップ装置及び光ディスクドライブ装置
JP2006092720A (ja) * 2004-08-25 2006-04-06 Konica Minolta Opto Inc 対物光学素子、光ピックアップ装置及び光ディスクドライブ装置
CN101789243B (zh) * 2005-02-10 2012-08-22 柯尼卡美能达精密光学株式会社 物镜、光拾取装置及光信息记录再生装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2008044475A1 (fr) 2008-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2005101393A1 (ja) 光ピックアップ装置用の対物光学系、光ピックアップ装置、光情報記録媒体のドライブ装置、集光レンズ、及び光路合成素子
JP5136810B2 (ja) 光ピックアップ装置
WO2010013616A1 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JPWO2007145202A1 (ja) 光学素子の設計方法、光学素子及び光ピックアップ装置
JP4736071B2 (ja) 光ピックアップ装置及び対物光学素子
KR20060047694A (ko) 파장 선택 소자, 대물 광학계, 광픽업 장치 및 광디스크의드라이브 장치
JP5024041B2 (ja) 光ピックアップ装置用対物光学素子、光ピックアップ装置用光学素子、光ピックアップ装置用対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置
JP4453785B2 (ja) 光ピックアップ装置用の対物レンズ及び光ピックアップ装置
JPWO2008044475A1 (ja) 対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置
JPWO2007123112A1 (ja) 光ピックアップ装置、光学素子及び光情報記録再生装置並びに光学素子の設計方法
JP2009110591A (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
WO2009128445A1 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JP4400326B2 (ja) 光ピックアップ光学系、光ピックアップ装置及び光ディスクドライブ装置
JP2010055683A (ja) 対物光学素子及び光ピックアップ装置
JP2009037718A (ja) 光ピックアップ装置及び対物光学素子
JP2010153006A (ja) 対物光学素子及び光ピックアップ装置
WO2010089933A1 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
JPWO2008126562A1 (ja) 光ピックアップ装置用の対物光学素子ユニット及び光ピックアップ装置
JP2010055732A (ja) 対物光学素子及び光ピックアップ装置
JPWO2008146675A1 (ja) 光ピックアップ装置用の対物光学素子及び光ピックアップ装置
WO2011114895A1 (ja) 対物レンズ、光ピックアップ装置及び光情報記録再生装置
WO2011040225A1 (ja) 回折素子及び光ピックアップ装置
JPWO2009057415A1 (ja) 対物レンズ及び光ピックアップ装置
WO2010116852A1 (ja) 対物レンズ、カップリング素子及び光ピックアップ装置
JP2009181645A (ja) 対物光学素子及び光ピックアップ装置